JP2019157822A - ターボチャージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンハウジングの外部に排ガスが漏れ出ることを抑制しつつ、ウェイストゲートバルブを適切に回動させる。【解決手段】タービンハウジング30の壁部を貫通する貫通孔33には、筒状のブッシュ80が圧入されている。ブッシュ80の内部には、ウェイストゲートバルブ50のシャフト51が挿通されている。シャフト51は、ブッシュ80に対して摺動回動可能に支持されている。貫通孔33の内部側テーパ孔33aの内周面には、ブッシュ80の当接部82の当接面82aが全周に亘って密着するように当接している。シャフト51の外周面からは、貫通孔33の径方向内側に向かって凹部52が窪んでいる。凹部52は、貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置を含んだ位置にある。【選択図】図3

Description

本発明は、ターボチャージャに関する。
特許文献1のターボチャージャは、タービンホイールが収容されるタービンハウジングを備えている。タービンハウジングには、タービンホイールよりも排気上流側と排気下流側とをバイパスするバイパス通路が区画されている。そして、タービンハウジングには、バイパス通路を開閉するためのウェイストゲートバルブが取り付けられている。
タービンハウジングの壁部においては、ウェイストゲートバルブのシャフトを挿通するための貫通孔が貫通している。この貫通孔には、筒状のブッシュが圧入されている。ブッシュの内部には、ウェイストゲートバルブのシャフトが挿通されており、ウェイストゲートバルブのシャフトの外周面が、ブッシュの内周面に摺動しつつ回動できるように支持されている。
特開2015−163782号公報
特許文献1のターボチャージャにおいては、タービンハウジングの内部を流通する排ガスが、貫通孔の内周面とブッシュの外周面との間からタービンハウジングの外部に漏れ出ることがある。そのため、特許文献1のターボチャージャにおいては、例えば、貫通孔に対するブッシュの圧入代を大きくし、貫通孔の内周面とブッシュの外周面との間をより強く密着させることが考えられる。しかし、このような構成においては、ブッシュが径方向内側に変形し、ブッシュの内周面とウェイストゲートバルブにおけるシャフトの外周面との摺動抵抗が大きくなることがある。そして、ブッシュの内周面とウェイストゲートバルブにおけるシャフトの外周面との摺動抵抗が過度に大きくなると、ウェイストゲートバルブがブッシュに対して回動しにくくなる。
上記課題を解決するためのターボチャージャは、タービンホイールを収容するとともに前記タービンホイールよりも排気上流側及び排気下流側をバイパスするバイパス通路が区画されたタービンハウジングと、前記タービンハウジングに取り付けられて前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブとを備えているターボチャージャであって、前記タービンハウジングの壁部を貫通する貫通孔には筒状のブッシュが圧入されており、前記ブッシュの内部には、前記ウェイストゲートバルブのシャフトが挿通され、当該シャフトが、当該ブッシュに対して摺動回動可能に支持されており、前記貫通孔の軸線方向における前記貫通孔の一端部は、他端側から一端側に向かうほど内径が大きくなったテーパ孔になっており、前記貫通孔の軸線方向における前記ブッシュの一端部には、前記テーパ孔の全周に亘って当接する当接部が設けられており、前記シャフトの外周面及び前記ブッシュの内周面の少なくとも一方には、前記貫通孔の径方向に窪んだ凹部が設けられており、前記貫通孔の軸線方向において、前記凹部は、前記テーパ孔及び前記当接部の当接位置を含んだ位置にある。
上記構成では、貫通孔のテーパ孔とブッシュの当接部との当接関係によって、ブッシュの一端部が径方向内側に向かって変形し得る。このようにブッシュが変形したとしても、ブッシュの変形分を凹部によって吸収(緩衝)することができ、ブッシュの変形に起因してブッシュの内周面とシャフトの外周面とが過度に強く密着することが抑制される。これにより、ブッシュの内周面とシャフトの外周面との摺動抵抗が過度に大きくなることを抑制できる。
上記構成において、前記凹部は、前記貫通孔の周方向において全周に亘って設けられていてもよい。
上記構成における凹部が設けられている領域では、貫通孔の周方向の全周においてブッシュの内周面とシャフトの外周面とが当接しにくい。これにより、ブッシュの内周面とシャフトの外周面との摺動抵抗をさらに小さくできる。
上記構成において、前記ウェイストゲートバルブは、前記シャフトと、前記シャフトにおける前記タービンハウジングの内部側の端部に固定されているアームと、前記アームに取り付けられていて前記バイパス通路を開閉する弁体とを備え、前記シャフトと前記アームとの境界部分には、前記アーム側の方が大きい段差部が設けられており、前記段差部は、前記貫通孔の周方向において全周に亘って設けられており、前記段差部は、前記ブッシュの端部と面接触していてもよい。
上記構成では、ブッシュの端面と段差部(アーム)の端面との間からブッシュの内周面とシャフトの外周面との間に排ガスが流入しにくい。これにより、ブッシュの内周面とシャフトの外周面との当接関係だけでなく、ブッシュの端面とアームの端面との当接関係によっても、排ガスの漏れを抑制できる。
上記構成において、前記貫通孔の軸線方向において、前記タービンハウジングの内部側から外部側に向かって前記シャフトを付勢する付勢部材を備えていてもよい。
上記構成では、段差部(アーム)の端面がブッシュの端面に押し付けられるため、両者の間に隙間が生じにくい。これにより、例えばシャフトが回動した際に振動等が生じても、ブッシュの内周面とシャフトの外周面との間からタービンハウジングの外部に排ガスが漏れ出ることを抑制できる。
上記構成において、前記貫通孔の軸線方向における前記貫通孔の一端側は、前記タービンハウジングの内部側であってもよい。
上記構成において、タービンハウジングの内部に排ガスが流通していると、タービンハウジングの内部の圧力は、タービンハウジングの外部の圧力に比べて大きくなる。そのため、貫通孔の軸線方向において、ウェイストゲートバルブにはタービンハウジングの内側から外側に向かって移動するような力が作用し、ウェイストゲートバルブにおける段差部(アーム)はタービンハウジングの内側から外側に向かってブッシュを押し付ける。そして、貫通孔のテーパ孔とブッシュの当接部とがより強く密着する。その結果、タービンハウジングにおける内部及び外部の圧力差を利用して、ブッシュの端面と段差部(アーム)の端面との間、及び貫通孔のテーパ孔とブッシュの当接部との間に隙間が生じることを抑制できる。
内燃機関の概略図。 ターボチャージャの全体図。 ターボチャージャの部分断面図。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。まず、本発明が適用された車両の内燃機関100の概略構成について説明する。
図1に示すように、内燃機関100は、当該内燃機関100の外部から吸気を導入するための吸気通路11を備えている。吸気通路11には、燃料を吸気と混合して燃焼させる気筒12が接続されている。気筒12には、当該気筒12から排ガスを排出するための排気通路13が接続されている。
内燃機関100は、排ガスの流れを利用して吸気を圧縮するためのターボチャージャ20を備えている。ターボチャージャ20のコンプレッサハウジング21は、吸気通路11に取り付けられている。また、ターボチャージャ20のタービンハウジング30は、排気通路13に取り付けられている。コンプレッサハウジング21及びタービンハウジング30は、ターボチャージャ20におけるベアリングハウジング22を介して接続されている。
図2に示すように、タービンハウジング30は、全体として円筒形状の筒状部31と、筒状部31の内部空間に排ガスを導入する円弧部36とを備えている。円弧部36は、筒状部31の外周を取り囲むように配置されている。円弧部36の上流端からは、外側に向かってフランジ37が張り出している。なお、このフランジ37には、排気通路13におけるタービンハウジング30よりも排気上流側の部分が接続されている。
図1に示すように、タービンハウジング30における筒状部31及び円弧部36の内部には、排ガスが流通する主通路38が区画されている。主通路38には、タービンホイール93が収容されている。また、タービンハウジング30における筒状部31及び円弧部36の内部には、主通路38におけるタービンホイール93よりも上流側の部分と主通路38におけるタービンホイール93よりも下流側の部分とを連通するバイパス通路39が区画されている。すなわち、バイパス通路39は、タービンホイール93を迂回するように排ガスを流通させる。
タービンホイール93には、連結シャフト92の一端部が接続されている。連結シャフト92の軸線方向中央部分は、ベアリングハウジング22の内部に収容されている。連結シャフト92は、ベアリングハウジング22の内部の図示しないベアリングによって回転可能に支持されている。連結シャフト92の他端部には、コンプレッサホイール91が接続されている。コンプレッサホイール91は、コンプレッサハウジング21の内部に収容されている。
タービンハウジング30における主通路38内を流通する排ガスがタービンホイール93に吹き付けられることで、タービンホイール93が回転する。タービンホイール93が回転すると、連結シャフト92を介してコンプレッサホイール91が回転して吸気の過給が行われる。
図1に示すように、タービンハウジング30には、バイパス通路39を開閉するウェイストゲートバルブ50が取り付けられている。ウェイストゲートバルブ50は、連結部材70を介してアクチュエータ75の出力軸に連結されている。
次に、ウェイストゲートバルブ50の周辺構成について具体的に説明する。
図2に示すように、タービンハウジング30における筒状部31の一部からは、略円柱形状のボス部32がタービンハウジング30の外部側に向かって突出している。図3に示すように、タービンハウジング30の壁部である筒状部31及びボス部32には、略円柱形状の貫通孔33が貫通している。貫通孔33は、ボス部32の中心軸線に沿うように延びている。貫通孔33は、タービンハウジング30の内部とタービンハウジング30の外部とを連通している。
図3に示すように、貫通孔33は、当該貫通孔33の軸線方向(図3における左右方向)において、タービンハウジング30の内部側に位置する内部側テーパ孔33aと、内部側テーパ孔33aに接続する圧入孔33bと、圧入孔33bに接続するとともにタービンハウジング30の外部側に位置する外部側テーパ孔33cとに大別できる。内部側テーパ孔33aは、貫通孔33の軸線方向におけるタービンハウジング30の内部側ほど内径が大きいテーパ形状になっている。圧入孔33bは、貫通孔33の軸線方向において略同じ内径で延設されている。外部側テーパ孔33cは、貫通孔33の軸線方向におけるタービンハウジング30の外部側ほど内径が大きいテーパ形状になっている。
貫通孔33には、全体として円筒形状のブッシュ80が圧入されている。ブッシュ80は、略円筒形状の圧入部81と、圧入部81の外周面から径方向外側に向かって突出する略円環形状の当接部82とを備えている。ブッシュ80における圧入部81は、貫通孔33における圧入孔33bに圧入されている。圧入部81の外径は、圧入孔33bに圧入される前において当該圧入孔33bの内径よりも僅かに大きくなっており、圧入孔33bに圧入された状態において当該圧入孔33bの内径と略同じになっている。すなわち、ブッシュ80における圧入部81の外周面は、貫通孔33における圧入孔33bの内周面に対して密着するように面接触している。また、圧入部81の軸線方向の長さは、圧入孔33bの軸線方向の長さよりも長くなっている。貫通孔33の軸線方向において、圧入部81におけるタービンハウジング30の内部側の端部は、貫通孔33の圧入孔33bよりも内部側に位置している。
貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82は、貫通孔33の圧入孔33bよりも内部側に位置している。当接部82におけるタービンハウジング30の外部側の端面である当接面82aは、貫通孔33の軸線方向におけるタービンハウジング30の内部側ほど外径が大きいテーパ形状になっている。ブッシュ80の中心軸線に対する当接面82aのテーパ角は、貫通孔33の中心軸線に対する内部側テーパ孔33aの内周面のテーパ角と略同じになっている。そして、当接部82における当接面82aは、貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面に対して全周に亘って密着するように面接触している。
図3に示すように、ウェイストゲートバルブ50は、全体として円柱形状のシャフト51を備えている。シャフト51の外径は、ブッシュ80の内径と略同じになっている。シャフト51は、ブッシュ80の内部に挿通されている。また、シャフト51は、ブッシュ80の内周面に対してシャフト51の外周面が摺動できるように支持されている。
シャフト51におけるタービンハウジング30の内部側(図3における右側)の端部からは、アーム56の湾曲部57が延びている。湾曲部57は、シャフト51の中心軸線に対して直角に湾曲するように延びている。湾曲部57におけるシャフト51が接続されている側の端部57aは、シャフト51の軸線方向から視たときに略円形状になっている。湾曲部57の端部57aの外径は、シャフト51の外径よりも大きくなっている。湾曲部57の端部57aの中心軸線は、シャフト51の中心軸線と略同軸になっている。すなわち、シャフト51とアーム56における湾曲部57の端部57aとの境界部分には、アーム56側(図3における右側)が大きい段差部50aが構成されている。そして、段差部50aは、貫通孔33の周方向において全周に亘って設けられている。段差部50aは、ブッシュ80におけるタービンハウジング30の内部側の端部80aと面接触している。
湾曲部57におけるシャフト51とは反対側の端部(図3における下側の端部)からは、略四角板状の固定部58が延びている。アーム56における固定部58には、バイパス通路39を開閉する弁体61が取り付けられている。弁体61は、略円柱形状の弁軸63を備えている。弁軸63は、固定部58の図示しない挿通孔に挿通されている。弁軸63の一端側(図3における紙面奥側)の端部は、固定部58の挿通孔から突出している。弁軸63の一端側の端部からは、略円板形状の弁板62が延びている。弁板62の外径は、弁軸63の外径よりも大きくなっている。弁軸63の他端側(図3における紙面手前側)の端部は、固定部58の挿通孔から突出している。弁軸63の他端側の端部には、略円板形状の支持プレート66が固定されている。
図3に示すように、シャフト51におけるタービンハウジング30の外部側(図3における左側)の端部には、連結部材70における略板形状のリンクアーム71の一端部が固定されている。リンクアーム71の他端部には、連結ピン72を介して全体として棒状のロッド73の一端部が連結されている。図2に示すように、ロッド73の他端部は、アクチュエータ75の出力軸に連結されている。アクチュエータ75は、コンプレッサハウジング21に対して固定されている。
ここで、図3において二点鎖線で示すように、リンクアーム71の他端部に対してロッド73の一端部が連結される前においては、アクチュエータ75の出力軸に連結されたロッド73の一端部が、シャフト51におけるタービンハウジング30の外部側の端部よりも、タービンハウジング30の外部側(図3における左側)に位置している。したがって、リンクアーム71の他端部に対してロッド73の一端部が連結された後では、ロッド73等が貫通孔33の軸線方向においてタービンハウジング30の内部側(図3における右側)に弾性変形している。そして、ロッド73は、リンクアーム71を介してウェイストゲートバルブ50のシャフト51を、貫通孔33の軸線方向においてタービンハウジング30の内部側から外部側に向かって付勢している。すなわち、本実施形態では、ロッド73がシャフト51を付勢する付勢部材である。なお、図3では、リンクアーム71の他端部に対してロッド73の一端部が連結される前のロッド73の一端部の位置を、タービンハウジング30の外部側に誇張して図示している。
アクチュエータ75の駆動によってウェイストゲートバルブ50のシャフト51が当該シャフト51の周方向一方側に回動すると、ウェイストゲートバルブ50の弁板62がバイパス通路39を閉塞して当該バイパス通路39を閉状態にする。また、アクチュエータ75の駆動によってウェイストゲートバルブ50のシャフト51が当該シャフト51の周方向他方側に回動すると、ウェイストゲートバルブ50の弁板62がバイパス通路39から離間して当該バイパス通路39を開状態にする。
図3に示すように、ウェイストゲートバルブ50のシャフト51の外周面からは、貫通孔33の径方向内側に向かって凹部52が窪んでいる。凹部52は、貫通孔33の周方向においてシャフト51の全周に亘って延びている。貫通孔33の軸線方向において、凹部52は、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置を含む位置にある。貫通孔33の軸線方向における凹部52の長さは、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接部分の貫通孔33の軸線方向における長さよりも長くなっている。すなわち、本実施形態では、貫通孔33の軸線方向において、凹部52は、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置を全て含んでいる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
図3に示すように、タービンハウジング30における貫通孔33には、ブッシュ80が圧入されている。仮に、ブッシュ80が当接部82を備えていない場合には、貫通孔33における圧入孔33bの内周面のみにブッシュ80における圧入部81の外周面が面接触する。この場合には、タービンハウジング30の内部を流通する排ガスが、貫通孔33における圧入孔33bの内周面とブッシュ80における圧入部81の外周面との間からタービンハウジング30の外部に漏れ出ることがあり得る。
本実施形態では、ブッシュ80における当接部82の当接面82aは、貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面に対して全周に亘って密着するように当接している。そのため、本実施形態では、貫通孔33における圧入孔33bの内周面とブッシュ80における圧入部81の外周面との当接関係に加えて、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接関係によっても、タービンハウジング30の外部に排ガスが漏れ出ることを抑制できる。
ここで、ブッシュ80における当接部82の当接面82aは、貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面に密着するように当該内部側テーパ孔33aの内周面に対して相応の力で当接する。すると、ブッシュ80のうちの貫通孔33の内部側テーパ孔33aに当接している部分は、径方向内側に向かって変形する。そして、仮に、ウェイストゲートバルブ50のシャフト51に凹部52が設けられていない場合には、上記のようにブッシュ80が変形すると、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面とが強く密着して両者の摺動抵抗が過度に大きくなることがある。
これに対して、本実施形態では、貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置を含んだ位置に凹部52がある。そのため、上記のようにブッシュ80が変形したとしても、ブッシュ80の変形分をシャフト51の凹部52によって吸収(緩衝)することができる。これにより、上記のようなブッシュ80の変形に起因してブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面とが過度に強く密着することが抑制される。その結果、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との摺動抵抗が過度に大きくなることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、凹部52は、貫通孔33の周方向においてシャフト51の全周に亘って延びている。そのため、本実施形態における凹部52が設けられている領域では、貫通孔33の周方向の全周においてブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面とが当接しにくい。これにより、本実施形態では、貫通孔33の周方向においてシャフト51の一部に凹部52が設けられている構成に比べて、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との摺動抵抗をさらに小さくできる。
ところで、製造上の寸法誤差等によってウェイストゲートバルブ50におけるシャフト51の外径がブッシュ80の内径に対して小さくなっていると、タービンハウジング30の内部を流通する排ガスが、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との間からタービンハウジング30の外部に漏れ出ることもあり得る。
本実施形態では、ウェイストゲートバルブ50の段差部50aは、ブッシュ80におけるタービンハウジング30の内部側の端部80aと面接触している。そのため、本実施形態では、ウェイストゲートバルブ50の段差部50a(アーム56の端部57a)の端面とブッシュ80の端部80aの端面との間から、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との間に排ガスが流入しにくい。これにより、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との当接関係だけでなく、ウェイストゲートバルブ50における段差部50a(アーム56の端部57a)の端面とブッシュ80の端部80aの端面との当接関係によっても、タービンハウジング30の外部に排ガスが漏れ出ることを抑制できる。
また、本実施形態では、ウェイストゲートバルブ50のシャフト51は、ロッド73によって貫通孔33の軸線方向においてタービンハウジング30の内部側から外部側に向かって付勢されている。そのため、本実施形態では、シャフト51が付勢されていない構成に比べて、ウェイストゲートバルブ50における段差部50a(アーム56の端部57a)の端面がブッシュ80の端部80aの端面に押し付けられる。これにより、段差部50a(アーム56の端部57a)の端面とブッシュ80の端部80aの端面との間に隙間が生じにくい。その結果、例えば、シャフト51が回動した際に振動等が生じても、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との間からタービンハウジング30の外部に排ガスが漏れ出ることを抑制できる。
ここで、タービンハウジング30の内部に排ガスが流通していると、タービンハウジング30の内部の圧力は、タービンハウジング30の外部の圧力に比べて大きくなる。そのため、貫通孔33の軸線方向において、ウェイストゲートバルブ50にはタービンハウジング30の内側から外側に向かって移動するような力が作用する。すると、貫通孔33の軸線方向において、ウェイストゲートバルブ50における段差部50a(アーム56の端部57a)の端面は、タービンハウジング30の内側から外側に向かってブッシュ80における端部80aの端面を押し付ける。そして、貫通孔33の内部側テーパ孔33aの内周面とブッシュ80の当接部82の当接面82aとがより強く密着する。その結果、タービンハウジング30における内部及び外部の圧力差を利用して、ブッシュ80における端部80aの端面と段差部50a(アーム56の端部57a)の端面との間、及び貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面とブッシュ80における当接部82の当接面82aとの間に隙間が生じることを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態における凹部52は、貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置の一部を含む位置にあってもよい。すなわち、貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置、及び凹部52の一部が重なっていればよい。
・上記実施形態において、貫通孔33の軸線方向における凹部52の長さは適宜変更できる。例えば、貫通孔33の軸線方向における凹部52の長さは、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接部分の貫通孔33の軸線方向における長さよりも短くなっていてもよい。
・上記実施形態において、凹部52は、貫通孔33の周方向においてシャフト51の一部分に設けられていてもよい。少なくとも、凹部52が設けられている部分においては、ブッシュ80の径方向内側への変形を吸収(緩衝)できるので、周方向全体としての摺動抵抗の低減が期待できる。
・上記実施形態において、シャフト51における凹部52に代えて、又は加えて、ブッシュ80の内周面から貫通孔33の径方向外側に向かって凹部が窪んでいてもよい。そして、ブッシュ80に凹部を設ける場合には、シャフト51の凹部52と同様に、貫通孔33の軸線方向において、ブッシュ80における当接部82の当接面82aと貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面との当接位置を含んでいればよい。
・上記実施形態において、アーム56における湾曲部57の端部57aの形状は変更できる。例えば、段差部50aが貫通孔33の周方向において全周に亘って設けられているのであれば、アーム56における端部57aは、シャフト51の軸線方向から視たときに略楕円形状や略四角形状になっていてもよい。
また、ブッシュ80の内周面とシャフト51の外周面との当接関係によって、両者の間からタービンハウジング30の外部に排ガスが漏れ出るおそれが小さいのであれば、段差部50aが貫通孔33の周方向の一部に設けられていたり、段差部50aが省略されたりしてもよい。
・上記実施形態において、付勢部材は適宜変更できる。例えば、貫通孔33の軸線方向において、タービンハウジング30におけるボス部32と連結部材70におけるリンクアーム71との間に付勢部材としての皿バネを挟み込んでもよい。そして、この皿バネによって、シャフト51を、貫通孔33の軸線方向においてタービンハウジング30の内部側から外部側に向かって付勢してもよい。この場合には、ロッド73によって、シャフト51を付勢していなくてもよい。
また、例えば、シャフト51が回動した際に振動等が生じても、段差部50a(アーム56の端部57a)の端面とブッシュ80の端部80aの端面との間に隙間が生じるおそれが小さいのであれば、シャフト51を付勢する付勢部材を省略してもよい。
・上記実施形態において、ブッシュ80における当接部は、貫通孔33の軸線方向におけるタービンハウジング30の外部側に位置していてもよい。例えば、タービンハウジング30における内部及び外部の圧力差を利用しなくても、タービンハウジング30の外部に排ガスが漏れ出ることを十分に抑制できるのであれば、貫通孔33における外部側テーパ孔33cの内周面に対してブッシュ80における当接部が当接していてもよい。そして、ブッシュ80における当接部は、貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面に対して全周に亘って密着するように当接していればよい。この場合、ブッシュ80における当接部と貫通孔33における外部側テーパ孔33cの内周面との当接位置に合わせて、凹部52の位置を変更すればよい。
・上記実施形態において、ブッシュ80における当接部82の形状は適宜変更できる。例えば、ブッシュ80の中心軸線に対する当接面82aのテーパ角は、貫通孔33の中心軸線に対する内部側テーパ孔33aの内周面のテーパ角よりも大きくなっていてもよい。この場合にも、ブッシュ80における当接部82の当接面82aの一部が、貫通孔33における内部側テーパ孔33aの内周面に対して全周に亘って密着するように少なくとも線接触していればよい。
11…吸気通路、12…気筒、13…排気通路、20…ターボチャージャ、21…コンプレッサハウジング、22…ベアリングハウジング、30…タービンハウジング、31…筒状部、32…ボス部、33…貫通孔、33a…内部側テーパ孔、33b…圧入孔、33c…外部側テーパ孔、36…円弧部、37…フランジ、38…主通路、39…バイパス通路、50…ウェイストゲートバルブ、50a…段差部、51…シャフト、52…凹部、56…アーム、57…湾曲部、57a…端部、58…固定部、61…弁体、62…弁板、63…弁軸、66…支持プレート、70…連結部材、71…リンクアーム、72…連結ピン、73…ロッド、75…アクチュエータ、80…ブッシュ、80a…端部、81…圧入部、82…当接部、82a…当接面、91…コンプレッサホイール、92…連結シャフト、93…タービンホイール、100…内燃機関。

Claims (5)

  1. タービンホイールを収容するとともに前記タービンホイールよりも排気上流側及び排気下流側をバイパスするバイパス通路が区画されたタービンハウジングと、前記タービンハウジングに取り付けられて前記バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブとを備えているターボチャージャであって、
    前記タービンハウジングの壁部を貫通する貫通孔には筒状のブッシュが圧入されており、
    前記ブッシュの内部には、前記ウェイストゲートバルブのシャフトが挿通され、当該シャフトが、当該ブッシュに対して摺動回動可能に支持されており、
    前記貫通孔の軸線方向における前記貫通孔の一端部は、他端側から一端側に向かうほど内径が大きくなったテーパ孔になっており、
    前記貫通孔の軸線方向における前記ブッシュの一端部には、前記テーパ孔の全周に亘って当接する当接部が設けられており、
    前記シャフトの外周面及び前記ブッシュの内周面の少なくとも一方には、前記貫通孔の径方向に窪んだ凹部が設けられており、
    前記貫通孔の軸線方向において、前記凹部は、前記テーパ孔及び前記当接部の当接位置を含んだ位置にある
    ことを特徴とするターボチャージャ。
  2. 前記凹部は、前記貫通孔の周方向において全周に亘って設けられている
    請求項1に記載のターボチャージャ。
  3. 前記ウェイストゲートバルブは、
    前記シャフトと、前記シャフトにおける前記タービンハウジングの内部側の端部に固定されているアームと、前記アームに取り付けられていて前記バイパス通路を開閉する弁体とを備え、
    前記シャフトと前記アームとの境界部分には、前記アーム側の方が大きい段差部が設けられており、
    前記段差部は、前記貫通孔の周方向において全周に亘って設けられており、
    前記段差部は、前記ブッシュの端部と面接触している
    請求項1又は請求項2に記載のターボチャージャ。
  4. 前記貫通孔の軸線方向において、前記タービンハウジングの内部側から外部側に向かって前記シャフトを付勢する付勢部材を備えている
    請求項3に記載のターボチャージャ。
  5. 前記貫通孔の軸線方向における前記貫通孔の一端側は、前記タービンハウジングの内部側である
    請求項3又は請求項4に記載のターボチャージャ。
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