JP2019156886A - コーティング用組成物 - Google Patents

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昌一 蓬田
Shoichi Yomogida
昌一 蓬田
陽一 緑川
Yoichi Midorikawa
陽一 緑川
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Abstract

【課題】アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つ被コーティング表面にコーティング膜を形成させた際に、アルカリ性に基づく好適な抗菌性を発揮することが可能なコーティング用組成物を提供する。【解決手段】水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物。該コーティング用組成物に基づくコーティング膜を、被コーティング表面に形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示す。【選択図】図1

Description

本発明は、それを適用すべき種々の表面(生体表面および/又は非生体表面)に対して適度な抗菌性を付与することが可能な、コーティング用組成物に関する。なお、本発明においては、(後述するように)「抗菌性」の語は、「抗ウィルス性」をも包含する意味で用いることとする;以下の記載においても同様)。また、本発明においては、(後述するように)「生体」とは、「ヒトの生体」を言うこととする。
より詳しくは、本発明は、それが有する「適度なアルカリ性」に基づく抗菌性を発揮可能なコーティングを、種々の表面に付与可能なコーティング用組成物に関する。
本発明のコーティング用組成物は、それを被コーティング表面(すなわち、該コーティング用組成物を適用すべき「表面」)が適度な「耐アルカリ性」を有している限り、種々の表面に対して特に制限無く、適用することが可能である。ここに、被コーティング表面が「適度な耐アルカリ性を有する」とは、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」が、該コーティング用組成物のアルカリ性が被コーティング表面において存続する限度において、本発明のコーティング用組成物が被コーティング表面に対して実質的に無害であることを言う。
日常生活の種々の場面・状況において、ある種の表面(例えば、寝具、トレーニング用具等の表面)に、適度な抗菌性の付与が望まれる場合がある。例えば、寝具、トレーニング用具等の表面においては、継続的ないし断続的な人体表面との接触があるため、これらの寝具、トレーニング用具等の表面は、適度な抗菌性を有していることが望ましい。
抗菌性コーティングを形成可能な組成物に関しては、例えば、以下のようなものが知られている。
特開2011−37801号公報(特許文献1)には、「水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有し、前記賦形剤により前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬とを混合して混合物を形成し、前記混合物の表面を少なくとも一部を前記コーティング剤で被覆したコーティング層を形成してなる抗菌成形物を備え;前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬は、前記コーティング層の溶解によって同時に溶解することを特徴とする、徐放性抗菌剤」が開示されている。
特開2005−120212号公報(特許文献2)には、「(a)抗菌金属担持粒子と、(b)疎水性樹脂粒子と、(c)水とを少なくとも含んだ機能性コーティング剤であって;(a)成分の平均粒径は、(b)成分の平均粒径よりも小さいことを特徴とする機能性コーティング剤」が開示されている。
特開2011−37801号公報 特開2005−120212号公報
本発明の目的は、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つ被コーティング表面にコーティング膜を形成させた際に、好適な抗菌性を発揮することが可能なコーティング用組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を使用としない場合であっても、水、アルカリ性物質および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であって;且つ、被コーティング表面にコーティング膜を形成させた際に、好適な抗菌性を発揮することが可能なコーティング用組成物が、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
本発明のコーティング用組成物は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であって;該コーティング用組成物と被コーティング表面との物理的接触に基づき、該被コーティング表面上にコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするものである。
(特許文献1との比較)
なお、上記「特許文献1」(特開2011−37801号)の発明は、固形の「混合物」自体に、pH指示薬が既に含まれている。これに対して、本発明のコーティング用組成物において、pH指示薬は必須の成分では無い。すなわち、本発明のコンセプトは、特許文献1とは根本的に異なるものである。
(本発明の側面;aspect)
本発明は、例えば、以下の「側面D」を含むことができる。
[D1] 水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であって;
該コーティング用組成物と被コーティング表面との物理的接触に基づき、該被コーティング表面上にコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするコーティング用組成物。
[D2] 前記コーティング用組成物が、常温(25℃)で固体状である[D1]に記載のコーティング用組成物。
[D3] 前記コーティング用組成物が、流動性を有する[D1]に記載のコーティング用組成物。
[D4] 前記コーティング用組成物が、剪断力の印加(25℃)の際に、比較的に低粘度の流体状態を示す[D3]に記載のコーティング用組成物。
[D5] 前記コーティング用組成物が、剪断力が無印加(25℃)の際に、比較的に高粘度のジェル状態を示す[D3]に記載のコーティング用組成物。
[D6] 前記コーティング用組成物が、非生体表面へ適用すべきものである[D1]〜[D5]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[D7] 前記コーティング用組成物が、生体表面へ適用すべきものである[D1]〜[D5]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[D8] 前記アルカリ性物質が、有機および/又は無機の水酸化物である[D1]〜[D7]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[D9] 前記水酸化物が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、周期表第2族に属する金属の水酸化物、「周期表第2族」以外の族に属する金属の水酸化物、 およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる[D8]に記載のコーティング用組成物。
[D10] 前記被コーティング表面が、樹脂性である[D1]〜[D9]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[D11] 被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング膜とを含む積層体であって;
該コーティング膜が、コーティング用組成物と、前記コーティング材との物理的接触に基づくコーティング膜であり、且つ、
該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であることを特徴とする積層体。
[D12] 被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング膜とを含む積層体における、該コーティング膜のpHを測定する方法であって;
該コーティング膜が、コーティング用組成物と、前記コーティング材との物理的接触に基づくコーティング膜であり、且つ、
該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であることを特徴とする方法。
[D13] 前記積層体のコーティング膜のpHを測定する方法が、以下のステップ(a)〜(c)を含む、[D12]に記載の方法。
(a)前記積層体表面上のコーティング膜の構成成分を溶媒に溶解および/又は分散させて、その溶液および/又は分散液を形成し、
(b)該溶液および/又は分散液にpH指示薬を加え、
(c)該pH指示薬の呈色に基づいて、前記溶液のpHを測定する。
[D14] 前記pH指示薬の呈色に基づく測定が、分光学的測定によるものである[D13]に記載の方法。
(本発明の態様Aシリーズ)
本発明は、例えば、以下の「態様A」(低粘度=泡立ち性組成物)シリーズを含むことができる。
[A1] 水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であって、
該コーティング用組成物を、被コーティング表面に塗布・乾燥させて、該被コーティング表面上に前記組成物のコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするコーティング用組成物。
[A1a] 前記コーティング用組成物が、非生体表面へ適用すべきものである[A1]に記載のコーティング用組成物。
[A2] 前記コーティング用組成物が、生体表面へ適用すべきものである[A1]または[A1a]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A3] 前記コーティング用組成物が、泡立ち性を有する[A1]〜[A2]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A4] ロスマイルス法による泡立ち性が、Tf(試験液の流下が終わった直後からカウントした時間)=2分における「泡の高さ」で、15mm〜210mmである[A3]に記載のコーティング用組成物。
[A5] 大腸菌、ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)および白癬菌の少なくとも1種類に対する抗菌性を有する[A1]〜[A4]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A6] 白金板吊板式法による表面張力測定において、表面張力が25mN/m以上である[A1]〜[A5]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A7] 最大泡圧法による表面張力測定(動的)において、Tf=450ミリ秒における表面張力が26mN/m以上である[A1〜[A5]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A8] 最大泡圧法による表面張力測定(動的)において、Tf=30ミリ秒における表面張力が30mN/m以上である[A1]〜[A7]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A9] 前記アルカリ性物質が、有機および/又は無機の水酸化物である[A1]〜[A8]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[A10] 前記水酸化物が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、他の金属類の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる[A9]に記載のコーティング用組成物。
[A11] 前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、および水酸化セシウム(CsOH)から選ばれる[A10]に記載のコーティング用組成物。
[A12] 前記アルカリ土類金属の水酸化物が、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)から選ばれる[A10]に記載のコーティング用組成物。
[A13] 前記水酸化物が、周期表第2族の水酸化物で水酸化ベリリウム(Ae(OH)2)、水酸化マグネシウム(Ma(OH)2)から選ばれる[A9]に記載のコーティング用組成物。
[A14] 前記水酸化物が他族の金属類の水酸化物で水酸化マンガンMn(OH)2、水酸化鉄(II)Fe(OH)2、水酸化亜鉛Zn(OH)2、水酸化銅(II)Cu(OH)2、水酸化ランタンLa(OH)3酸化ユウロピウム(II)(Eu(OH)2)から選ばれる[A9]に記載のコーティング用組成物。
[A15] 前記テトラアルキルアンモニウムの水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム(N(CH3)4OH)、および水酸化テトラエチルアンモニウム(N(C2H5)4OH)から選ばれる[A10]に記載のコーティング用組成物。
[A16] 前記水酸化カルシウムが、炭酸カルシウム主成分の材料から生成された水酸化カルシウムである[A12]に記載のコーティング用組成物。
[A17] 前記水酸化カルシウムが、炭酸カルシウム主成分の天然材料から生成された水酸化カルシウムである[A16]に記載のコーティング用組成物。
[A18] 前記水酸化カルシウムが、貝殻、サンゴ、卵の殻や石灰石から生成された水酸化カルシウムである[A17]に記載のコーティング用組成物。
(本発明の態様Bシリーズ)
本発明は、例えば、以下の「態様B」(高粘度=ジェル形態)シリーズをも含むことができる。
[B1] 水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であって、
該コーティング用組成物を、被コーティング表面に塗布・乾燥させて、該被コーティング表面上に前記組成物のコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするコーティング用組成物。
[B1a] 前記コーティング用組成物が、非生体表面へ適用すべきものである[B1]に記載のコーティング用組成物。
[B2] 前記コーティング用組成物が、生体表面へ適用すべきものである[B1]に記載のコーティング用組成物。
[B3] 前記コーティング用組成物が常温(25℃)においてジェル形態を示し;該組成物のジェル化後に常温(25℃)、密閉容器内で静置した際に、24時間以上ジェル状態を保持可能である[B1]〜[B2]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[B4] 前記アルカリ性物質が、有機および/又は無機の水酸化物である[B1]〜[B3]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[B5] 前記水酸化物が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、第II族以外の金属(すなわち、長周期型周期律表の第1属、および第3〜16属)の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる[B4]に記載のコーティング用組成物。
[B6] 前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NBOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、および水酸化セシウム(CsOH)から選ばれる[B4]に記載のコーティング用組成物。
[B7] 前記アルカリ土類金属の水酸化物が、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)から選ばれる[B5]に記載のコーティング用組成物。
[B8]前記水酸化物が第2族の水酸化物で水酸化ベリリウム(Be(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)から選ばれる[B4]に記載のコーティング用組成物。
[B9]前記水酸化物が他族の金属類の水酸化物で水酸化マンガン Mn(OH)2、水酸化鉄(II)Fe(OH)2、水酸化亜鉛Zn(OH)2、水酸化銅(II)Cu(OH)2、水酸化ランタンLa(OH)3酸化ユウロピウム(II)(Eu(OH)2)から選ばれる[B5]に記載のコーティング用組成物。
[B10]前記テトラアルキルアンモニウムの水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム(N(CH3)4OH)、および水酸化テトラエチルアンモニウム(N(C2H5)4OH)から選ばれる[B5]に記載のコーティング用組成物。
[B11] 細菌類および/又はウィルス類(例えば、大腸菌、ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)および白癬菌)の少なくとも1種類に対する抗菌性を有する[B1]〜[B10]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[B12] 前記水酸化カルシウムが、炭酸カルシウム主成分の材料から生成された水酸化カルシウムである[B7]または[B11]のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
[B13] 前記水酸化カルシウムが、炭酸カルシウム主成分の天然材料から生成された水酸化カルシウムである[B12]に記載のコーティング用組成物。
[B14] 前記水酸化カルシウムが、貝殻、サンゴ、卵の殻、または石灰石から生成された水酸化カルシウムである[B13]に記載のコーティング用組成物。
上述したように本発明によれば、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、被コーティング表面にコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜が、好適な抗菌性を発揮することが可能である。
本発明によれば、更に、以下の効果を発揮するコーティング用組成物を得ることができる。
(1)適量の該組成物を塗布させることが容易である。
(2)比較的に(例えば、液状のまま塗布する液状タイプと比較して)トータルな塗布量を節約することができる。
(3)塗布後のべたつきの軽減が可能で、「使用感」の向上が容易である。
(4)強い毒性・浸透性・残留性がある可能性がある「界面活性剤」を実質的に使用しない態様においても、有用なコーティング用組成物を製造することができる(なお、従来技術において泡沫を形成させるためには、界面活性剤を配合することが一般的であった)。
本発明における増粘剤(例えば、メトローズ)を用いた場合の気泡形成の推定メカニズムを説明するための模式図である。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた器具等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて得られた結果の画像データである。 本発明のコーティング用組成物のpH安定性テストにおいて用いた器具等の一例を示す写真である。
本発明のコーティング用組成物のpH安定性テストにおいて得られた結果の画像データである。 本発明のコーティング用組成物のpH安定性テストにおいて得られた結果の画像データである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた器具(ロスマイルス法測定装置)等を示す画像データである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた試料等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた器具(ロスマイルス法測定装置)の一例を示す模式断面図である。
本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテスト(ロスマイルス法)において得られた結果の一例を示す画像データである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテスト(ロスマイルス法)において得られた測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテスト(ロスマイルス法)において得られた測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテスト(ロスマイルス法)において得られた測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテスト(ロスマイルス法)において得られた結果の一例を示す画像データである。
本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて得られた結果の一例を示す画像データである。 本発明のコーティング用組成物の表面張力測定において得られた測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物の増粘剤の違いによる起泡力テストにおいて得られた結果の一例を示す画像データである。
本発明のコーティング用組成物の「pH測定」において用いた器具等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の「pH測定」において用いた器具等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の「pH測定」において用いた試薬等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の「pH測定」において用いた試薬等の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物の「pH測定」において用いた試薬等の一例を示す写真である。
本発明のコーティング用組成物における吸光度ピーク時のpHと、吸光度との関連の一例を示すダイアグラムである。 本発明のコーティング用組成物における吸光度ピーク時の波長と、吸光度との関連の一例を示すダイアグラムである。
本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。
本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における、波長と吸光度との関連の一例を示すグラフである。
本発明のコーティング用組成物(シェリー水溶液)の抗菌性テスト(大腸菌)における実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物(シェリー水溶液)の抗菌性テスト(大腸菌)における実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物(シェリージェル)の抗菌性テスト(大腸菌)における実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物(シェリージェル)の抗菌性テスト(大腸菌)における実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物等を用いた場合のネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)抗菌性テストにおける実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物等を用いた白癬菌への抗菌性テストにおける実際の培養状態の一例を示す写真である。 本発明のコーティング用組成物等を用いた白癬菌への抗菌性テストにおける実際の培養状態の一例を示す写真である。
本発明のコーティング用組成物における粘弾性測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のコーティング用組成物における水酸化化合物と、増粘剤配合後の挙動の一例を示すダイアグラムである。 本発明のコーティング用組成物における水酸化化合物と、増粘剤配合後の挙動の一例を示すダイアグラムである。
本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F1)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F2)を説明するための模式的グラフである。
本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F3)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F3)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F3)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F3)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F3)を説明するための模式的グラフである。
本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F4)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F4)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F4)を説明するための模式的グラフである。
本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F5)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F5)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F5)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F5)を説明するための模式的グラフである。
本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F6)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F6)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析する方法の一例(解析法F6)を説明するための模式的グラフである。 本発明のコーティング用組成物における特性を解析するために供したスペクトルデータの一例を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において、量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(コーティング用組成物)
本発明のコーティング用組成物は、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であって;該コーティング用組成物を、被コーティング表面に塗布・乾燥させて、該被コーティング表面上に前記組成物のコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするものである。
(実質的に無害)
本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」は、該アルカリ性が該被コーティング表面において存続する限度において、該被コーティング表面に対して、本発明のコーティング用組成物は実質的に無害である。ここに、「実質的に無害」との観点からは、後述する「被コーティング表面上のコーティング」pH測定における、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」の程度が、10.0〜13.8であることが好ましい。
(用語の定義)
本発明において「生体」(living body)とは、「ヒトの生体」(human living body)を言うこととする。よって、生きている生物体であっても、「ヒト以外の生物体」である場合には、本発明においては「非生体」となる。すなわち、ヒト以外の生物(動植物)の体は、たとえ「生きて」いても、本発明にいう「生体」ではない(すなわち、本発明においては、生きている「動植物」は「非生体」となる)。また、本発明において、「生きていない」ヒトの体は、本発明にいう「生体」でない。人体の「一部」(例えば、ヒト生体から採取した皮膚、骨、内臓の一部)も、本発明においては「非生体」となる。
(物理的接触)
本発明のコーティング用組成物は、該組成物と被コーティング表面とを物理的接触させた際に、該被コーティング表面上にコーティング膜を形成することができる。ここに、「物理的接触」とは、該接触に基づき、被コーティング表面上にコーティング膜を形成可能であれば足りる。すなわち、該「物理的接触」の態様、方法等は、特に制限されない。「物理的接触」の方法として、例えば、本発明のコーティング用組成物(固体状)自体を、被コーティング表面上に塗りつける方法;流動性を有する態様の本発明のコーティング用組成物を、コーティング表面上に、(例えば、該組成物の溶液および/又は分散液状態で)任意の手段により「接触」させる方法;本発明のコーティング用組成物を粉体状態で被コーティング表面上に「物理的接触」させる方法;等が挙げられる。
(アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分)
最近は、O−157、鳥インフルエンザといった新たな感染症のニュースも多く、原因となる細菌やウイルスは「眼に見えない」ことから、消費者は過度の不安を抱いていると考えられ、このため「除菌」や「抗菌」商品のニーズがより一層高くなっている傾向にある。
更に、近年の天然系思考などの後押しにより、抗菌・防カビ剤は、合成有機抗菌・防カビ剤よりは、安全性が高く、低毒性で、抗菌成分を徐々に放出し抗菌性を長期に維持する耐久性を持たせた無機系抗菌・防カビ剤、および安全性の高い天然系の除菌、抗菌剤のニーズが高まっている。
上述したように、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須としないコーティング用組成物のニーズは、今後も高まるであろうことには、疑いない。なお、このような「アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分」(更には「ハラル」)の関連情報の詳細に関しては、例えば、特開2017−165697号公報の段落[0003]〜[0014]を、必要に応じて参照することができる。
(外用組成物/コーティング用組成物)
上記した「アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須としない」ことが、本発明のコーティング用組成物(例えば、生体に直接的に触れる態様の組成物たる、外用組成物)において重要であることは当然である。また、非生体表面に適用される「コーティング用組成物」においても、「アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須としない」ことは好ましい。これは、コーティング用組成物が適用されるべき非生体表面(例えば、各種の「ジム」におけるトレーニング・リハビリ用器具の表面)は、やはり、生体に触れる可能性が「ある程度」にはあり得るから、である。
(他の態様ないし側面)
本発明のコーティング用組成物には、上述した「態様A」(比較的低粘度のコーティング用組成物)、「態様B」(比較的高粘度のコーティング用組成物)、および「態様S」(固体状のコーティング用組成物)の態様が含まれる。これとは異なる観点から、本発明のコーティング用組成物は、「第1の側面」(すなわち、「非生体表面」に適用されるべきコーティング用組成物)と、「第2の側面」(すなわち、「生体表面」に適用されるべきコーティング用組成物;ないし「外用組成物」)とを有する。換言すれば、本発明のコーティング用組成物を「非生体表面」に適用する場合には、該コーティング用組成物の「第1の側面」となる。他方、本発明のコーティング用組成物を「生体表面」に適用する場合には、該コーティング用組成物の「第2の側面」(すなわち、「外用組成物」)となる。
(態様S:固体状のコーティング用組成物)
本発明のコーティング用組成物は、後述する[実施例C1]に記載されたような「コーティング膜pHの測定方法」において、「適度なアルカリ性」(すなわち、該アルカリ性に基づく「適度な抗菌性」)を発揮する限り、該組成物の外観、性状、被コーティング表面への適用方法、該組成物に基づき被コーティング表面上に形成された該コーティング膜の外観、性状、膜の厚さ、等は、特に制限されない。換言すれば、本発明のコーティング用組成物は、被コーティング表面上に「適度なアルカリ性」を有するコーティング膜を形成可能である限り、該コーティング用組成物の外観、性状(例えば、該組成物が、固体状の組成物、低粘度流体状の組成物、高粘度流体状の組成物のいずれであるか)等も、特に制限されない。
上記の「適度な抗菌性」は、例えば、後述する「解析法F1」〜「解析法F6」によって求められる「好適なpH」をも用いても、決定することができる。この場合には、後述する「解析法F1」〜「解析法F6」のいずれか1種以上によって規定される「好適なpH」を満たすものが、「適度な抗菌性」となる。
(2以上の解析法の組合せ)
本発明において、上記した解析法F1〜F6の各解析法は、必要に応じて、2種以上を組み合わせても良い。このように解析法F1〜F6を組合せる際には、例えば、「F1〜F3シリーズ」(「SN比」類似)からの少なくとも1種類と、「F4〜F6シリーズ」(「内部標準法」類似)からの少なくとも1種類との、(すなわち解析原理が異なる)2種以上を組み合わせることが好ましい。
(本発明の「態様S」)
以下に、本発明のコーティング用組成物の「態様S」(固体状のコーティング用組成物)について、より具体的に述べる。
(コーティング量の下限)
例えば、後述する[実施例C1]に記載された被コーティング表面を有する「シリコーン製おかずカップ8号」(商品名)の材質はシリコーン樹脂であり,:そのサイズは、上面φ(直径)が、62mm、底面φが45mm、高さが25mmである。該[実施例C1](表C1)においては、底面積=15.9cm上に63mg(0.063g)の本発明コーティング用組成物(固形分)がコートされ(サンプルNo.12)、このサンプルで「適度なアルカリ性」が確認されている。よって、本発明のコーティング用組成物によれば、(被コーティング表面の1cmあたり)63mg/15.9cm=3.96mg/cmの固形分コーティング量(固形分換算)で「適度なアルカリ性」を付与することが可能となる。
(好適なコーティング量)
他方、本発明においては、(理論的には)本発明コーティング用組成物には、コーティング量の上限は、特にない。例えば、後述する「用時調製」タイプの使用方法(例えば、該組成物の使用直前に、被コーティング表面上に該組成物をコートする)においては、該コート層が「かなりの厚塗り」であっても、(コスト的な観点を別にすれば)特に不都合は生じないと思われる。
すなわち、本発明のコーティング用組成物は、後述する[実施例C1]に記載されたような「コーティング膜pHの測定方法」において、「適度なアルカリ性」(すなわち、該アルカリ性に基づく「適度な抗菌性」)を発揮する限り、該組成物の外観、性状、被コーティング表面への適用方法、該組成物に基づき被コーティング表面上に形成された該コーティング膜の外観、性状、膜の厚さ、等は、特に制限されない。換言すれば、本発明のコーティング用組成物は、被コーティング表面上に「適度なアルカリ性」を有するコーティング膜を形成可能である限り、該コーティング用組成物の外観、性状、態様(例えば、該組成物が、固体状の組成物(態様S)、低粘度流体状の組成物(態様A)、高粘度流体状の組成物(態様B)のいずれであるか)等も、特に制限されない。
上記の「適度な抗菌性」は、例えば、後述する「解析法F1」〜「解析法F6」によって求められる「好適なpH」をも用いても、決定することができる。この場合には、後述する「解析法F1」〜「解析法F6」のいずれか1種以上によって規定される「好適なpH」を満たすものが、「適度な抗菌性」(すなわち、上記の「好適なコーティング量」)となる。
(実用的な厚さからの下限)
実用的な観点からは、本発明コーティング用組成物の好適なコーティング量は、(被コーティング表面の1cmあたり)2mg/cm以上が好ましく、更には3mg/cm2以上が好ましく、更には4mg/cm2以上が好ましく、更には5mg/cm2以上が好ましく、更には7mg/cm2以上が好ましく、更には8mg/cm2以上が好ましく、更には9mg/cm2以上が好ましく、更には10mg/cm2以上が好ましく、更には12mg/cm2以上が好ましく、更には13mg/cm2以上が好ましい。
(実用的な厚さの上限)
実用的な観点からは、本発明コーティング用組成物の好適なコーティング量は、(被コーティング表面の1cm2あたり)500mg/cm2以下が好ましく、更には4mg/cm2以下が好ましく、更には300mg/cm2以下が好ましく、更には250mg/cm2以下が好ましく、更には200mg/cm2以下が好ましく、更には150mg/cm2以下が好ましく、更には100mg/cm2以下が好ましい。
(実用的な厚さの範囲)
実用的な観点からは、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「実用的な厚さの範囲」は、上記に記載した「実用的な厚さからの下限」と、「実用的な厚さからの上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。その代表的な具体例を挙げれば、本発明コーティング用組成物の好適なコーティング量は、(被コーティング表面の1cm2あたり)2〜500mg/cm2が好ましく、更には2〜400mg/cm2が好ましく、更には3〜300mg/cm2が好ましく、更には4〜250mg/cm2が好ましく、更には5〜200mg/cm2が好ましく、更には6〜150mg/cm2が好ましく、更には7〜125mg/cm2が好ましく、更には8〜110mg/cm2が好ましく、更には9〜100mg/cm2が好ましく、更には10〜100mg/cm2が好ましく、更には11〜100mg/cm2が好ましく、更には12〜100mg/cm2が好ましく、更には13〜100mg/cm2が好ましく、更には14〜100mg/cm2が好ましい。
(実質的に無害なpH)
上述したように、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」は、該アルカリ性が該被コーティング表面において存続する限度において、該被コーティング表面に対して、本発明のコーティング用組成物は実質的に無害である。ここに、「実質的に無害」との観点からは、後述する「被コーティング表面上のコーティング」pH測定における、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」の程度が、10.0〜13.8であることが好ましい。
(好ましいpHの下限)
本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」の下限は、pH10.0以上であることが好ましい。pH10.0未満では、適度な抗菌性を発揮することが、実質的に困難だからである。この下限は、更には10.3以上であることが好ましく、更には10.5以上であることが好ましく、更には10.7以上であることが好ましく、更には10.9以上であることが好ましく、更には10.9以上であることが好ましく、更には11.1以上であることが好ましく、更には11.3以上であることが好ましく、更には11.5以上であることが好ましく、更には11.7以上であることが好ましく、更には11.9以上であることが好ましく、更には12.1以上であることが好ましく、更には12.3以上であることが好ましく、更には12.5以上であることが好ましい。
(好ましいpHの上限)
本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」の上限は、pH13.8以下であることが好ましい。pH13.8を超えると、被コーティング表面(例えば、生体表面)に対して、「実質的に無害」とすることの困難性が増大するからである。この上限は、更には13.7以下であることが好ましく、更には13.5以下であることが好ましく、更には13.4以下であることが好ましく、更には13.3以下であることが好ましく、更には13.2以下であることが好ましく、更には13.1以下であることが好ましく、更には13.0以下であることが好ましく、更には12.9以下であることが好ましく、更には12.7以下であることが好ましい。
(好ましいpHの範囲)
本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」の範囲は、上記に記載した「好ましいpHの下限」と、「好ましいpHの上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。その代表的な具体例を挙げれば、該「アルカリ性」の範囲は、10.0〜13.8であることが好ましく、更にはpH10.5〜13.5であることが好ましく、更にはpH10.6〜13.4であることが好ましく、更にはpH10.7〜13.3であることが好ましく、更にはpH10.8〜13.2であることが好ましく、更にはpH10.9〜13.1であることが好ましく、更にはpH11.0〜13.0であることが好ましく、更にはpH11.1〜12.9であることが好ましく、更にはpH11.2〜12.8であることが好ましい。
(表面コーティングのpH測定)
本発明における「被コーティング表面上のコーティング(膜)」のpHは、以下の方法により好適に測定することができる。なお、このような「被コーティング表面上のコーティング(膜)」のpH測定方法は、該測定方法自体で、本願発明者による新規な発明である。
(波長−吸光度曲線における「好ましい特性」)
ここでは、本発明のコーティング用組成物が満たすことが好ましいところの、波長−吸光度曲線における該組成物の「好ましい特性」について述べる。以下の記載においては、該「好ましい特性」の解析法として、「蒸留水」を基準試料とする解析法F1〜F3のシリーズと、「水酸化カルシウム水溶液」を基準試料とするF4〜F6のシリーズとがある。前者の「F1〜F3シリーズ」は、「蒸留水」を基準試料として、本発明のコーティング用組成物(以下、この「好ましい特性」の項において「本発明組成物」と称する)に由来する吸光度ピークの「SN比」(シグナル−ノイズ比)類似の方法で「好ましい特性の数値」を求めるものである。他方、後者の「F4〜F6シリーズ」は、「水酸化カルシウム水溶液」を基準試料として、「本発明組成物」に由来する吸光度ピークとの「相対比」を求めるものである(言わば、「内部標準法」と類似する解析法で)。
(2以上の解析法の組合せ)
本発明において、上記した解析法F1〜F6の各解析法は、必要に応じて(例えば、解析結果の再現性および/又は正確性を高める観点から)、2種以上を組み合わせても良い。このように解析法F1〜F6を組合せる際には、例えば、「F1〜F3シリーズ」(「SN比」類似)からの少なくとも1種類と、「F4〜F6シリーズ」(「内部標準法」と類似)からの少なくとも1種類との、(すなわち解析原理が異なる)2種以上を組み合わせることが好ましい。
解析法F1〜F6においては、(例えば、後述するノイズ、バックグランドおよび/又はアーティファクトが充分に小さい場合には)解析・計算が比較的に簡便な「解析法F1」や「解析法F6」等を、好ましく使用することができる。他方、(例えば、後述するノイズ、バックグランドおよび/又はアーティファクトが比較的に大きい場合には)これらノイズ等の影響に配慮した「解析法F2〜F3、および解析法F4〜F5」等を、好ましく使用することができる。
なお、後述する[表C3]〜[表C5]において、各試料の概要は、以下の通りである。
・サンプル1:蒸留水
・サンプル2〜4:蒸留水+増粘剤
・サンプル5:蒸留水+水酸化カルシウム
・サンプル6〜26:蒸留水+増粘剤+水酸化カルシウム(本発明組成物のサンプル)
(吸光度曲線における各波長の領域)
ここでは、以下に述べる波長-吸光度関係における「前提事項」に関して述べる。
一般的に、波長と、色および補色との間には、以下の関係が知られている。
<波長> <色> <補色>
490〜500nm 青緑 赤
500〜560nm 緑 赤紫
560〜580nm 黄緑 紫
上記の波長−色(ないし補色)の関係、更には、下記URLの「文部科学省 国立教育政策研究所 フェノールフタレイン溶液 理科ネットワーク(一般公開版)から、フェノールフタレインは、アルカリ検出の指示薬でアルカリ性の水溶液に入れると色が赤紫色(濃い桃色)に変化することは自明である。
URL:
http://rika-net.com/contents/cp0100a/contents/4720/4720.html
株式会社日立ハイテクサイエンスホームページより
https://www.hitachi-hightech.com/hhs/products/tech/ana/uv/basic/uv_course2.html
なお、以下の記載においては、「5種類の波長領域」を以下のように定義する。
・領域C:波長−フェノールフタレイン吸光度曲線のグラフにおける「最大吸収値」ピークを含む波長領域(この領域Cの代表的な例は、後述する[表C2]に示す各測定試料においては、吸光度ピーク時の波長を含む範囲;すなわち、領域C:550nm〜560nm=赤紫色)
・なお、この範囲(領域C)には、以下で測定した全ての対象サンプルにおける「吸光度ピーク時の波長」が含まれる。
・領域F:波長−フェノールフタレイン吸光度曲線のグラフにおける「最大吸収値」ピークを含む波長領域(この領域Fの代表的な例は、後述する[表C2]に示す各測定試料においては、吸光度ピーク時の波長を含む範囲;すなわち、領域F:500nm〜560nm=全赤紫色)
・なお、この範囲(領域F)には、以下で測定した全ての対象サンプルにおける「吸光度ピーク時の波長」が含まれる。
・領域S:上記「領域C」と重複することなく、該「領域C」とは適度な間隔を開けている領域であって、且つ該「領域C」より短波長側に位置する領域(この領域Sの代表的な例は、後述する[表C2]に示す各測定試料においては、領域S:490nm〜500nm=赤色)
・領域L:上記「領域C」と重複することなく、該「領域C」とは適度な間隔を開けている領域であって、且つ該「領域C」より長波長側に位置する領域(この領域Lの代表的な例は、[表C2]に示す各測定試料においては、領域L:570nm〜580nm=紫色)である。
・領域P:上記「領域C」と重複することなく、該「領域C」とは適度な間隔を開けている領域であって、且つ該「領域C」より長波長側に位置する領域(この領域Pの代表的な例は、[表C2]に示す各測定試料においては、領域L:560nm〜580nm=紫色)である。
参考までに、上記の「領域C」、「領域S」、および[領域L]の代表的な一例(模式図)を、[図27]に示す(図中、C=550nm〜560nm=赤紫色;S=490nm〜500nm=赤色、およびL:570nm〜580nm=紫色である)。
(本発明の好ましい解析法−F1;蒸留水を基準とするピーク波長の吸光度)
本発明のこの解析法F1においては、波長−フェノールフタレイン吸光度曲線のグラフにおいて、以下に示したX軸(すなわち、波長軸)−吸光度曲線間の積分値J1(蒸留水)およびJ2(本発明組成物)を、それぞれ求める。なお、本明細書において上記の「積分値」とは、後述する『台形近似値』を言うものとする(以下の記載において、同様)。
図27を参照して、「領域C」における積分値「J1」は、「基準試料1」(ここでは、蒸留水;すなわち「蒸留水+フェノールフタレイン」の混合溶液)の吸光度曲線W1と、X軸(すなわち、波長軸)「X1」との間の領域であって、且つ「領域C」(550nm〜560nm)の範囲内にある領域の積分値である。他方、積分値「J2」は、サンプル(すなわち、本発明組成物を包含する各種の測定対象)の吸光度曲線「SA1」と、X軸「X1」との間の領域であって、且つ「領域C」(550nm〜560nm)の範囲内にある領域の積分値である。
J2=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C(550nm〜560nm)の積分値
J1=蒸留水のみ領域C(550nm〜560nm)の積分値
本発明のこの解析法F1においては、各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域Cについて、上記により求めた2つの積分値の比、すなわち「J1」と「J2」との比(Rs1=J2/J1)が好適な数値範囲を有する。
Rs1=J2/J1
例えば、図27の例に関して、Rs1=J2/J1の実際の数値は、後述する[実施例G1]に記述する。また、この解析法F1に関する詳細なデータも、該[実施例G1]に詳述する。
この解析法(F1)においては、J1とJ2との比(Rs1=J2/J1)は、本発明における吸光度解析の正確性および再現性の点から、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(好ましいRs1の下限)
J1とJ2との比(Rs1=J2/J1)の下限は、2以上であることが好ましい。更には、該Rs1の下限は、更には2.2以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には3以上であることが好ましく、更には3.2以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、更には3.6以上であることが好ましく、更には3.8以上であることが好ましく、特に4以上であることが好ましい。
(好ましいRs1の上限)
J1とJ2との比(Rs1=J2/J1)は、言わば「SN」比に類似する概念の数値であるから、理論上は、該比Rs1の上限は無いと言える。すなわち、この解析法(F1)において、「ノイズ」レベルに相当する「J1=蒸留水のみ領域C(550nm〜560nm)の積分値」であるから、該「蒸留水のみ」の積分値J1は、可能な限りゼロに小さくなる可能性があるから、である。しかしながら、後述する「実施例G1」([表G1])における実際の「蒸留水のみ」の積分値J1を参照すれば、該積分値J1を分母とする比(Rs1=J2/J1)の上限は、100以下 程度程度が妥当であり、更には20以下程度、特に15以下程度が妥当であると思量される。
(好ましいRs1の範囲)
J1とJ2との比(Rs1=J2/J1)の範囲は、上記に記載した「好ましいRs1の下限」と、「好ましいRs1の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該「Rs1」の範囲は、更には2〜20であることが好ましく、更には2.2〜19であることが好ましく、更には2.4〜18であることが好ましく、更には2.6〜17であることが好ましく、更には2.8〜16であることが好ましく、更には3〜15であることが好ましく、更には3.2〜14.9であることが好ましく、更には3.3〜14.8であることが好ましく、更には3.4〜14.7であることが好ましく、更には3.5〜14.6であることが好ましく、更には3.6〜14.5であることが好ましく、更には3.7〜14.4あることが好ましく、更には3.8〜14.3であることが好ましく、更には3.9〜14.2であることが好ましく、更には4〜14.1であることが好ましく、更には4〜14.0であることが好ましく、更には4〜13.9であることが好ましく、特に4〜13.8であることが好ましい。
(本発明の好ましい解析法−F2;「増粘剤」の影響をBGとして差し引く解析法;蒸留水を基準)
図28を参照して、この解析法F2は、上記した「解析法F1」とほとんど同様である。ただし、サンプル(本発明組成物等の測定対象)の吸光度曲線「SA1」の積分値から、「増粘剤」に関連する「積分値」を、BG(バックグラウンド)として差し引くことが、「解析法F1」とは異なる。
すなわち、図28を参照して、解析法F2における、関連する各波長領域は、以下のようになる。
F2:各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C:550nm〜560nmについて
この解析法−F2においては、増粘剤の影響を考慮して、(蒸留水+増粘剤混合液)の吸光度スペクトルの下記領域(BG0(ゼロ)S;およびBG0(ゼロ)L)を、「ノイズ」ないし「アーティファクト(artifact)」として、それらの平均(すなわち、J1a=(BG0(ゼロ)S+BG0(ゼロ)L)*1/2)をバックグラウンド(BG)とし、各対象から差し引いている。
・波長赤:領域S 490nm〜500nm
・波長紫:領域L 570nm〜580nm(領域Sと同じ長さとした)
BG0(ゼロ)S=蒸留水+増粘剤吸光度領域S 490nm〜500nmの積分値
BG0(ゼロ)L=蒸留水+増粘剤吸光度領域L 570nm〜580nmの積分値
・J1a=(BG0(ゼロ)S+BG0(ゼロ)L)*1/2
J2=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmの積分値
J1=蒸留水のみ吸光度領域C550nm〜560nmの積分値
Rs2=(J2−J1a)/J1
本発明のこの解析法F2においては、各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域Cについて、上記により求めた2つの積分値の比、すなわち「J2−J1a」と「J1」との比「Rs2=(J2−J1a)/J1」が好適な数値範囲を有する。
Rs2=(J2−J1a)/J1
例えば、図28の例に関して、Rs2=(J2−J1a)/J1の実際の数値は、後述する[実施例G2]に記述する。また、この解析法F2に関する詳細なデータも、該[実施例G2]に詳述する。
この解析法(F2)においては、「J2−J1a」 と「J1」との比{Rs2=(J2−J1a)/J1}は、本発明における吸光度解析の正確性および再現性の点からは、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(好ましいRs2の下限)
この解析法(F2)においては、比{Rs2=(J2−J1a)/J1}の下限は、2以上であることが好ましい。更には、該Rs2の下限は、更には2.1以上であることが好ましく、更には2.3以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.5以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.7以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には2.9以上であることが好ましく、更には2.91以上であることが好ましく、更には2.92以上であることが好ましく、更には2.93以上であることが好ましく、更には2.94以上であることが好ましく、更には2.95以上であることが好ましく、更には2.96以上であることが好ましく、更には2.97以上であることが好ましく、更には2.98以上であることが好ましく、更には2.99以上であることが好ましく、更には3.0以上であることが好ましく、更には3.01以上であることが好ましく、更には3.02以上であることが好ましく、更には3.03以上であることが好ましく、更には3.04以上であることが好ましく、更には3.05以上であることが好ましく、更には3.06以上であることが好ましく、更には3.07以上であることが好ましく、更には3.08以上であることが好ましく、更には3.09以上であることが好ましく、特に3.1以上であることが好ましい。
(好ましいRs2の上限)
この解析法(F2)における比{Rs2=(J2−J1a)/J1}は、言わば「SN」比に類似する概念の数値であるから、理論上は、該比Rs2の上限は無いと言える。すなわち、この解析法(F2)において、「ノイズ」レベルに相当する「J1=蒸留水のみ領域C(550nm〜560nm)の積分値」であるから、該「蒸留水のみ」の積分値J1は、可能な限りゼロに小さくなる可能性があるから、である。しかしながら、後述する「実施例G2」([表G1])における実際の「蒸留水のみ」の積分値J1を参照すれば、該積分値J1を分母とする比{Rs2=(J2−J1a)/J1}の上限は、100以下程度が妥当であり、更には20以下が好ましく、更には15以下が好ましく、更には14以下が好ましく、更には13.9以下であることが好ましく、更には13.8以下であることが好ましく、更には13.7以下であることが好ましく、更には13.6以下であることが好ましく、更には13.5以下であることが好ましく、更には13.4以下であることが好ましく、更には13.3以下であることが好ましく、更には13.2以下であることが好ましく、更には13.1以下であることが好ましく、特に13.0以下であることが好ましい。
(好ましいRs2の範囲)
この解析法(F2)における比{Rs2=(J2−J1a)/J1}の好ましい範囲は、上記に記載した「好ましいRs2の下限」と、「好ましいRs2の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該{Rs2=(J2−J1a)/J1}の範囲は、2〜15であることが好ましく、更には2.1〜14であることが好ましく、更には2.2〜13.9であることが好ましく、更には2.3〜13.8であることが好ましく、更には2.4〜13.7であることが好ましく、更には2.5〜13.6であることが好ましく、更には2.6〜13.5であることが好ましく、更には2.7〜13.4であることが好ましく、更には2.8〜13.3であることが好ましく、更には2.9〜13.2であることが好ましく、更には2.95〜13.1であることが好ましく、更には3.0〜13.05であることが好ましく、更には3.05〜13.1であることが好ましく、更には3.07〜13.05であることが好ましく、更には3.08〜13.06であることが好ましく、更には3.09〜13.05であることが好ましく、更には3.09〜13.04であることが好ましく、更には3.09〜13.04であることが好ましく、更には3.09〜13.03であることが好ましく、更には3.09〜13.01であることが好ましく、更には3.09〜13.0であることが好ましく、特に3.1〜13.0であることが好ましい。
(本発明の好ましい解析法−F3;ピーク波長の吸光度から「領域S」および「領域L」をBGとして差し引く;蒸留水を基準)
図29〜図33を参照して、本発明のこの解析法F3においては、以下のように解析を行う。
F3:各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmについて、下記の各対象(サンプル)吸光度スペクトルの領域(BGS、およびBGL)を、ノイズ(ないしアーティファクト)として、それらの平均(J2a=(BGS+BGL)*1/2)をバックグラウンドとして計算した。
波長赤:領域S 490nm〜500nm
波長紫:領域L 570nm〜580nm(領域Sと同じ長さとした)
BGS=各対象(サンプル)吸光度領域S 490nm〜500nmの積分値
BGL=各対象(サンプル)吸光度領域L 570nm〜580nmの積分値
J2a=(BGS+BGL)*1/2
J2=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C(550nm〜560nm)の積分値
J1=蒸留水のみ吸光度領域C(550nm〜560nm)の積分値
Rs3=(J2−J2a)/J1
当該コーティング組成物の吸光度スペクトルピークを含む領域C(550nm〜560nm)から上記バックグラウンドを差し引き基準の蒸留水と比較した
例えば、図29〜図33の例に関して、Rs3=(J2−J2a)/J1の実際の数値は、後述する[実施例G3]に記述する。また、この解析法F3に関する詳細なデータも、該[実施例G3]に詳述する。
本発明のこの解析法F3においては、このようにして求めた2つの積分値の比、すなわち、Rs3=(J2−J2a)/J1が好適な数値範囲を有する。
例えば、図29〜図33の例に関して、Rs3=(J2−J2a)/J1の実際の数値は、後述する[実施例G3]に記述する。また、この解析法F3に関する詳細なデータも、該[実施例G3]に詳述する。
Rs3=(J2−J2a)/J1
この解析法(F3)においては、Rs3=(J2−J2a)/J1の比(Rs3)は、本発明における吸光度解析の正確性および再現性の点からは、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(好ましいRs3の下限)
この解析法(F3)においては、比{Rs3=(J2−J2a)/J1}の下限は、1.1以上であることが好ましい。この比{Rs3=(J2−J2a)/J1}の下限は、更には1.2以上であることが好ましく、更には1.3以上であることが好ましく、更には1.31以上であることが好ましく、更には1.32以上であることが好ましく、更には1.33以上であることが好ましく、更には1.34以上であることが好ましく、更には1.35以上であることが好ましく、更には1.36以上であることが好ましく、更には1.37以上であることが好ましく、更には1.38以上であることが好ましく、更には1.39以上であることが好ましく、更には1.40以上であることが好ましく、更には1.41以上であることが好ましく、更には1.42以上であることが好ましく、更には1.43以上であることが好ましく、更には1.44以上であることが好ましく、更には1.45以上であることが好ましく、特に1.46以上であることが好ましい。
(好ましいRs3の上限)
この解析法(F3)における比{Rs3=(J2−J2a)/J1}は、言わば「SN」比に類似する概念の数値であるから、理論上は、該比Rs3の上限は無いと言える。すなわち、この解析法(F3)において、「ノイズ」レベルに相当する「J1=蒸留水のみ領域C(550nm〜560nm)の積分値」であるから、該「蒸留水のみ」の積分値J1は、可能な限りゼロに小さくなる可能性があるから、である。しかしながら、後述する「実施例G3」([表G1])における実際の「蒸留水のみ」の積分値J1を参照すれば、該積分値J1を分母とする比{Rs3=(J2−J2a)/J1}の上限は、100以下程度が妥当である。更には、この比{Rs3=(J2−J2a)/J1}の上限は、15以下、10以下、7以下、6以下、5.9以下、5.8以下、5.7以下、5.6以下、5.5以下、5.4以下、5.3以下、5.2以下程度が妥当と思量される。
(好ましいRs3の範囲)
上記に記載した「好ましいRs3の下限」と、「好ましいRs3の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該{Rs3=(J2−J2a)/J1}の範囲は、1.1〜10であることが好ましく、更には1.2〜7であることが好ましく、更には1.3〜6であることが好ましく、更には1.31〜5.9であることが好ましく、更には1.32〜5.8であることが好ましく、更には1.33〜5.7であることが好ましく、更には1.34〜5.6であることが好ましく、更には1.35〜5.5であることが好ましく、更には1.36〜5.4であることが好ましく、更には1.37〜5.3であることが好ましく、更には1.38〜5.2であることが好ましく、更には1.39〜 であることが好ましく、更には1.40〜5.2であることが好ましく、更には1.41〜5.2であることが好ましく、更には1.42〜5.2であることが好ましく、更には1.43〜5.2であることが好ましく、更には1.44〜5.2であることが好ましく、更には1.45〜5.2であることが好ましく、特に1.46〜5.2 であることが好ましい。
(本発明の好ましい解析法−F4;「領域S」および「領域L」増粘剤の影響を、BGとして差し引く解析法;水酸化カルシウム水溶液を基準=内部標準的な手法)
この解析法F4においては、以下のように解析を行う。
F4:各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmについて、水酸化カルシウム水溶液の領域C550nm〜560nmの吸光度スペクトルと比較する。ただし、この解析法F4においては、増粘剤の影響を考慮して、(蒸留水+増粘剤)混合液の吸光度スペクトルの下記領域における積分値(すなわち、BG0(ゼロ)S、およびBG0(ゼロ)L)を、ノイズ(ないしアーティファクト)として、それらの平均(J1a=(BG0(ゼロ)S+BG0(ゼロ)L)*1/2)をバックグラウンドとする。そして、下記の積分値(J2およびJ3)両方からこのバックグラウンドを差し引いた後に「J2b=J2−J1a」と、「J3a=J3−J1a」とを比較する(Rs4=(J2−J1a)/(J3−J1a)=J2b/J3a)。
J2=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmの積分値
J3=水酸化カルシウム水溶液吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmの積分値
波長赤:領域S 490nm〜500nm
波長紫:領域L 570nm〜580nm(領域Sと同じ長さとした)
BG0(ゼロ)S=蒸留水+増粘剤吸光度領域S 490nm〜500nmの積分値
BG0(ゼロ)L=蒸留水+増粘剤吸光度領域L 570nm〜580nmの積分値
J1a=(BG0(ゼロ)S+BG0(ゼロ)L)*1/2
J2b=J2−J1a
J3a=J3−J1a
(Rs4=J2b/J3a)
本発明のこの解析法F4においては、各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域Cについて、上記により求めた2つの積分値の比、すなわち(Rs4=J2b/J3a)が好適な数値範囲を有する。
Rs4=J2b/J3a
例えば、図34〜図36に示す解析法F4に関して、Rs4=J2b/J3aの実際の数値は、後述する[実施例G4]に記述する。また、この解析法F4に関する詳細なデータも、該[実施例G4]に詳述する。
この解析法(F4)においては、上記した比(Rs4=J2b/J3a)は、本発明における吸光度解析の正確性および再現性の点から、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(好ましいRs4の下限)
この解析法(F4)において、上記した比(Rs4=J2b/J3a)の下限は、0.05以上であることが好ましい。更には、この比(Rs4=J2b/J3a)の下限は、更には0.06以上であることが好ましく、更には0.07以上であることが好ましく、更には0.08以上であることが好ましく、更には0.09以上であることが好ましく、更には0.1以上であることが好ましく、更には0.15以上であることが好ましく、更には0.2以上であることが好ましく、更には0.21以上であることが好ましく、更には0.22以上であることが好ましく、更には0.23以上であることが好ましく、更には0.24以上であることが好ましく、更には0.25以上であることが好ましく、更には0.26以上であることが好ましく、更には0.27以上であることが好ましく、更には0.28以上であることが好ましく、更には0.29以上であることが好ましく、更には0.30以上であることが好ましく、更には0.31以上であることが好ましく、更には0.32以上であることが好ましく、更には0.33以上であることが好ましく、更には0.34以上であることが好ましく、更には0.35以上であることが好ましく、更には0.36以上であることが好ましく、更には0.37以上であることが好ましく、更には0.38以上であることが好ましく、更には0.39以上であることが好ましく、更には0.40以上であることが好ましく、更には0.41以上であることが好ましく、更には0.42以上であることが好ましく、更には0.43以上であることが好ましく、更には0.44以上であることが好ましく、更には0.45以上であることが好ましく、更には0.46以上であることが好ましく、更には0.47以上であることが好ましく、特に0.48以上であることが好ましい。
(好ましいRs4の上限)
この解析法(F4)において、上記した比(Rs4=J2b/J3a)の上限は、3以下であることが好ましい。更には、この比(Rs4=J2b/J3a)の上限は、更には2.9以下であることが好ましく、更には2.8以下であることが好ましく、更には2.7以下であることが好ましく、更には2.6以下であることが好ましく、更には2.5以下であることが好ましく、更には2.4以下であることが好ましく、更には2.3以下であることが好ましく、更には2.2以下であることが好ましく、更には2.1以下であることが好ましく、更には2.0以下であることが好ましく、特には1.99以下であることが好ましい。
(好ましいRs4の範囲)
この解析法(F4)において、上記した比(Rs4=J2b/J3a)の上記に記載した「好ましいRs4の下限」と、「好ましいRs4の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該比(Rs4=J2b/J3a)の範囲は、0.05〜3であることが好ましく、更には0.1〜2.9であることが好ましく、更には0.2〜2.8であることが好ましく、更には0.3〜2.7であることが好ましく、更には0.35〜2.6であることが好ましく、更には0.4〜2.5であることが好ましく、更には0.41〜2.4であることが好ましく、更には0.42〜2.3であることが好ましく、更には0.43〜2.2であることが好ましく、更には0.44〜2.1であることが好ましく、更には0.45〜2.0であることが好ましく、更には0.46〜1.99であることが好ましく、更には0.47〜1.99であることが好ましく、特に0.48〜1.99であることが好ましい。
(本発明の好ましい解析法−F5;ピーク波長の吸光度から「領域S」、「領域P」および「領域F」における増粘剤の影響として、各領域におけるBGを差し引く解析法;水酸化カルシウム水溶液を基準)
この解析法F5においては、以下のように解析を行う。すなわち、この解析法F5では、Rs5は、「Rs5=J5a/J4a」と定義される。ここに、J5a=J5−BG2;およびJ4a=J4−BG1である。それぞれの詳細な意義は、図37〜図40の記載、および以下の「詳細な記載」を参照されたい。
(図37〜図40について)
F5:フェノールフタレインのアルカリ性の領域は赤紫であるため、近似色の赤および紫を含めた領域CFP:490nm〜580nmにおける本発明組成物サンプルの積分値と、これと同じ領域たるCFP:490nm〜580nmにおける、水酸化カルシウム水溶液(基準液)の領域の吸光度スペクトルと比較する。
ただし、増粘剤の影響を考慮して、(蒸留水+増粘剤)混合液の吸光度スペクトルの下記の波長域における積分値をノイズ(ないしアーティファクト)とし、該「波長赤」および「波長紫」における積分値の平均をバックグラウンドとする。そして、上記両方(すなわち、領域CFPにおける本発明組成物サンプルの積分値、および水酸化カルシウム水溶液(基準液)の積分値)から、このバックグラウンドを差し引いた積分値(すなわち、J5aと、J4a)を比較する。
波長赤:領域S 490nm〜500nm
波長紫:領域P 560nm〜580nm(領域P紫全域)
BG0(ゼロ)S=蒸留水+増粘剤吸光度領域S 490nm〜500nm
BG0(ゼロ)F=蒸留水+増粘剤吸光度領域F 500nm〜560nm
BG0(ゼロ)P=蒸留水+増粘剤吸光度領域P 560nm〜580nm
BG0(ゼロ)=(BG0(ゼロ)S+BG0(ゼロ)F+BG0(ゼロ)P)
BG1=((BG1S−BG0(ゼロ)S)+(BG1P−BG0(ゼロ)P))*1/2
BG2=((BGS−BG0(ゼロ)S)+(BGP−BG0(ゼロ)P)*)1/2
J5(サンプル)=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域CFP490nm〜580nmからBG0を引いたもの(すなわち、J5={サンプル吸光度ピークを含む領域における積分値})−{BG0(ゼロ)}
J4(水酸化カルシウム水溶液)=水酸化カルシウム水溶液吸光度ピークを含む領域CFP490nm〜580nmからBG0を引いたもの(すなわち、J4={水酸化カルシウム水溶液の吸光度ピークを含む領域における積分値})−{BG0(ゼロ)}
J5a=J5−BG2
J4a=J4−BG1
Rs5=J5a/J4a
この解析法(F5)においては、上記の比;「Rs5=J5a/J4a」は、吸光度解析の正確性および再現性の点からは、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(Rs5の好ましい下限)
この解析法(F5)において、この比「Rs5=J5a/J4a」の下限は、0.05以上であることが好ましい。更には、この比(Rs5=J5a/J4a)の下限は、更には0.06以上であることが好ましく、更には0.07以上であることが好ましく、更には0.08以上であることが好ましく、更には0.09以上であることが好ましく、更には0.1以上であることが好ましく、更には0.15以上であることが好ましく、更には0.2以上であることが好ましく、更には0.21以上であることが好ましく、更には0.22以上であることが好ましく、更には0.23以上であることが好ましく、更には0.24以上であることが好ましく、更には0.25以上であることが好ましく、更には0.26以上であることが好ましく、更には0.27以上であることが好ましく、更には0.28以上であることが好ましく、更には0.29以上であることが好ましく、更には0.30以上であることが好ましく、更には0.31以上であることが好ましく、更には0.32以上であることが好ましく、更には0.33以上であることが好ましく、更には0.34以上であることが好ましく、更には0.35以上であることが好ましく、更には0.36以上であることが好ましく、更には0.37以上であることが好ましく、更には0.38以上であることが好ましく、更には0.39以上であることが好ましく、更には0.40以上であることが好ましく、更には0.41以上であることが好ましく、更には0.42以上であることが好ましく、更には0.43以上であることが好ましく、更には0.44以上であることが好ましく、更には0.45以上であることが好ましく、更には0.46以上であることが好ましく、更には0.47以上であることが好ましく、特に0.48以上であることが好ましい。
(Rs5の好ましい上限)
この解析法(F5)において、この比「Rs5=J5a/J4a」の上限は、4.0以下であることが好ましい。該比「Rs5=J5a/J4a」の上限は、更には3.5以下であることが好ましく、更には3.4以下であることが好ましく、更には3.3以下であることが好ましく、更には3.2以下であることが好ましく、更には3.1以下であることが好ましく、更には3.0以下であることが好ましく、更には2.99以下であることが好ましく、更には2.98以下であることが好ましく、更には2.97以下であることが好ましく、更には2.96以下であることが好ましく、更には2.95以下であることが好ましく、更には2.94以下であることが好ましく、更には2.93以下であることが好ましく、更には2.92以下であることが好ましく、更には2.91以下であることが好ましく、更には2.90以下であることが好ましく、特に2.89以下であることが好ましい。
(Rs5の好ましい範囲)
この解析法(F5)において、この比「Rs5=J5a/J4a」の好ましい範囲は、上記した「好ましいRs5の下限」と、「好ましいRs5の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該「Rs5」の範囲は、0.05〜4.0であることが好ましく、更には0.06〜3.5であることが好ましく、更には0.07〜3.4であることが好ましく、更には0.08〜3.3であることが好ましく、更には0.09〜3.2であることが好ましく、更には0.1〜3.1であることが好ましく、更には0.15〜3.0であることが好ましく、更には0.2〜2.99であることが好ましく、更には0.21〜2.98であることが好ましく、更には0.22〜2.97であることが好ましく、更には0.23〜2.96であることが好ましく、更には0.24〜2.95であることが好ましく、更には0.25〜2.94であることが好ましく、更には0.26〜2.93であることが好ましく、更には0.27〜2.92であることが好ましく、更には0.28〜2.91であることが好ましく、更には0.29〜2.90であることが好ましく、更には0.30〜2.89であることが好ましく、更には0.31〜2.89であることが好ましく、更には0.32〜2.89であることが好ましく、更には0.33〜2.89であることが好ましく、更には0.34〜2.89であることが好ましく、更には0.35〜2.89であることが好ましく、更には0.36〜2.89であることが好ましく、更には0.37〜2.89であることが好ましく、更には0.38〜2.89であることが好ましく、更には0.39〜2.89であることが好ましく、更には0.40〜2.89であることが好ましく、更には0.41〜2.89であることが好ましく、更には0.42〜2.89であることが好ましく、更には0.43〜2.89であることが好ましく、更には0.44〜2.89であることが好ましく、更には0.45〜2.89であることが好ましく、更には0.46〜2.89であることが好ましく、更には0.47〜2.89であることが好ましく、特に0.48〜2.89であることが好ましい。
(本発明の好ましい解析法−F6;;水酸化カルシウム水溶液を基準)
図72〜73を参照して、この解析法F6においては、以下のように解析を行う。すなわち、この解析法F6では、Rs6は、「Rs6=J2/J3」と定義される。ここに、「J2」、および「J3」の詳細な意義は、図41〜図43の記載、および以下の「詳細な記載」を参照されたい。
(図41〜図43について)
この解析法F6においては、各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmの積分値について、該積分値と、水酸化カルシウム水溶液(基準液)の領域C550nm〜560nmの積分値とを「単純比較」する。
J2=各対象(サンプル)吸光度ピークを含む領域C:550nm〜560nmの積分値
J3=水酸化カルシウム水溶液吸光度ピークを含む領域C550nm〜560nmの積分値
Rs6=J2/J3
この解析法(F6)においては、上記の比;「Rs6=J2/J3」は、吸光度解析の正確性および再現性の点からは、以下に述べる上限、下限、および/又は範囲を有することが好ましい。
(Rs6の好ましい下限)
この解析法(F6)において、この比「Rs6=J2/J3」の下限は、0.1以上であることが好ましい。この比「Rs6=J2/J3」の下限は、更には0.2以上であることが好ましく、更には0.3以上であることが好ましく、更には0.4以上であることが好ましく、更には0.41以上であることが好ましく、更には0.42以上であることが好ましく、更には0.43以上であることが好ましく、更には0.44以上であることが好ましく、更には0.45以上であることが好ましく、更には0.46以上であることが好ましく、更には0.47以上であることが好ましく、更には0.48以上であることが好ましく、更には0.49以上であることが好ましく、更には0.50以上であることが好ましく、更には0.51以上であることが好ましく、更には0.52以上であることが好ましく、更には0.53以上であることが好ましく、更には0.54以上であることが好ましく、更には0.541以上であることが好ましく、更には0.542以上であることが好ましく、更には0.543以上であることが好ましく、更には0.544以上であることが好ましく、更には0.545以上であることが好ましく、更には0.546以上であることが好ましく、更には0.547以上であることが好ましく、更には0.548以上であることが好ましく、更には0.549以上であることが好ましく、特に0.550以上であることが好ましい。
(Rs6の好ましい上限)
この解析法(F6)において、この比「Rs6=J2/J3」の上限は、4.0以下であることが好ましい。該比「Rs6=J2/J3」の上限は、更には3.5以下であることが好ましく、更には3.4以下であることが好ましく、更には3.3以下であることが好ましく、更には3.2以下であることが好ましく、更には3.1以下であることが好ましく、更には3.0以下であることが好ましく、更には2.9以下であることが好ましく、更には2.8以下であることが好ましく、更には2.7以下であることが好ましく、更には2.6以下であることが好ましく、更には2.5以下であることが好ましく、更には2.4以下であることが好ましく、更には2.3以下であることが好ましく、更には2.2以下であることが好ましく、更には2.1以下であることが好ましく、更には2.0以下であることが好ましく、更には1.99以下であることが好ましく、更には1.98以下であることが好ましく、更には1.97以下であることが好ましく、更には1.96以下であることが好ましく、更には1.95以下であることが好ましく、更には1.94以下であることが好ましく、更には1.93以下であることが好ましく、更には1.92以下であることが好ましく、更には1.91以下であることが好ましく、更には1.90以下であることが好ましく、更には1.89以下であることが好ましく、更には1.88以下であることが好ましく、特に1.87以下であることが好ましい。
(Rs6の好ましい範囲)
この解析法(F6)において、この比「Rs6=J2/J3」の好ましい範囲は、上記の「好ましいRs6の下限」と、「好ましいRs6の上限」との、「任意の組み合わせ」であることができる。該「任意の組み合わせ」の代表的な具体例を挙げれば、該「Rs6」の範囲は、0.1〜4.0であることが好ましく、更には0.2〜3.5であることが好ましく、更には0.3〜3.4であることが好ましく、更には0.4〜3.3であることが好ましく、更には0.42〜3.2であることが好ましく、更には0.43〜3.1であることが好ましく、更には0.44〜3.0であることが好ましく、更には0.45〜2.9であることが好ましく、更には0.46〜2.8であることが好ましく、更には0.47〜2.7であることが好ましく、更には0.48〜2.6であることが好ましく、更には0.49〜2.5であることが好ましく、更には0.50〜2.4であることが好ましく、更には0.51〜2.3であることが好ましく、更には0.52〜2.2であることが好ましく、更には0.53〜2.1であることが好ましく、更には0.54〜2.0であることが好ましく、更には0.541〜1.9であることが好ましく、更には0.542〜1.89であることが好ましく、更には0.543〜1.88であることが好ましく、更には0.544〜1.87であることが好ましく、更には0.545〜1.87であることが好ましく、更には0.546〜1.87であることが好ましく、更には0.545〜1.87であることが好ましく、更には0.546〜1.87であることが好ましく、更には0.547〜1.87であることが好ましく、更には0.548〜1.87であることが好ましく、更には0.549〜1.87であることが好ましく、特に0.550〜1.87であることが好ましい。
上記した解析法F1〜F6により解析したスペクトルの例を、図44に示す。
(台形近似値)
ここでは、本発明において「積分値」として取り扱うところの、「台形近似値」について述べる。
本発明においては、上述したように、各種の「吸光度スペクトル」における「積分値」は、「台形近似値」を採用している。この「台形近似値」に関しては、必要に応じて、以下のサイト(定積分、台形則、シンプソン則)を参照することができる。
URL:http://www.kogures.com/hitoshi/webtext/na-sekibun/index.html
より具体的には、本発明においては、面積算出は、区分求積法で台形近似値を計算する。例えば、波長領域S(波長490nmを始点a、波長580nmを終点)では、それらの間の「波長490nm〜580nm」について、1nm間隔の台形近似積分する。すなわち、「幅」を波長とし、「平均の高さ」を吸光度値として、これらの積(すなわち、「幅」×「平均の高さ」)として計算する。
このようにして、上記したように、比較すべき2種以上の吸光度(例えば、Ca(OH)2溶液と、本発明組成物サンプル)について、それらの吸光度スペクトル面積(台形近似値)の比を求める。すなわち、各対象サンプルと基準溶液(例えば、水酸化カルシウム水溶液)との波形の面積比で検討する。
この際、面積算出は区分求積法で台形近似値を計算する。例えば、波長500nmを始点a、波長560nmを終点としその間の1nm間隔の台形近似積分(幅を波長×平均の高さを吸光度値)で算出する。本発明において、各種の比較に供すべき範囲については、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。
株式会社日立ハイテクサイエンスホームページより
https://www.hitachi-hightech.com/hhs/products/tech/ana/uv/basic/uv_course2.html
なお、この「台形近似値」は、エクセル(登録商標)を用いて簡便に計算することができる。このようなエクセル(登録商標)を用いる「台形近似値」計算に関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。
http://godfoot.world.coocan.jp/daikei_sekibun.htm
https://www1.doshisha.ac.jp/~kmizoha/mathexe2/Lecture08/text08.pdf
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/koukou/num_integral1.htm
http://aki.issp.u-tokyo.ac.jp/ihara/Excel3.html
上述したように、近似色の波長500nm〜560nm緑(補色:赤紫)までの波長間、と波長軸で囲まれた面積算出範囲と設定する。得られた結果は、後述の[表C3]〜[表C5](すなわち、シェリールジェル吸光度スペクトルグラフ台形近似積分値抜粋1〜3)に示す。
上述したように、近似色の波長490nm〜青緑(補色:赤)から580nm黄緑(補色:紫)までの波長間、と波長軸で囲まれた面積算出範囲と設定する。得られた結果は、後述の[表C3]〜[表C5](すなわち、シェリールジェル吸光度スペクトルグラフ台形近似積分値抜粋1〜3)に示す。
(抗菌性の持続時間)
本発明のコーティング用組成物における「適度な抗菌性」は、例えば、前述した「解析法F1」〜「解析法F6」によって求められる「好適なpH」を用いて、好適に決定することができる。この場合には、前述した「解析法F1」〜「解析法F6」のいずれか1種以上によって規定される「好適なpH」を満たす時間的な範囲が、「適度な抗菌性」の持続時間となる。
上記の測定方法・条件に従って測定された本発明のコーティング用組成物の「抗菌性の持続時間」は、その実用性および/又は使いやすさの点からは、5分以上「抗菌性の状態」を保持可能であることが好ましい。この「ジェル状態」保持時間は、更には20分以上が好ましく、更には30分以上が好ましく、更には40分以上が好ましく、更には50分以上が好ましく、更には60分以上であることが好ましく、更には1.5時間以上が好ましく、更には3時間以上が好ましく、更には5時間以上が好ましく、更には8時間以上以上が好ましく、12時間以上が好ましく、更には15時間以上が好ましく、更には18時間以上が好ましく、特に24時間以上であることが好ましい。
上記した「抗菌性の持続時間」は、例えば、以下の「pH変化」を測定する方法によっても、好適に決定することができる。
(pHの変化)
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、泡立ち前(水溶性ジェル)のpHをP1とし、該組成物を密閉で25℃で保存してからt時間(hr)経過後のpHをP2とした場合に、t=48時間の際に、そのpHの減少率Pv=100×(P1−P2)/P1(%)が、20%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、更には10%以下であることが好ましく、更には8%以下であることが好ましく、更には7%以下であることが好ましく、更には6%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。なお、P2≧P1の場合には、これらの数値は、(Pv=ゼロと見なして)上記の減少率Pvの条件を満たすものとする。
「抗菌性の持続時間」は、例えば、上記した「解析法F1」〜「解析法F6」によって求められる「好適なpH」をも用いても、決定することができる。この場合には、「解析法F1」〜「解析法F6」のいずれか1種以上によって規定される「好適なpH」を満たす「持続時間」が、「抗菌性の持続時間」となる。
(2以上の解析法の組合せ)
本発明において、上記した解析法F1〜F6の各解析法は、必要に応じて、2種以上を組み合わせても良い。このように解析法F1〜F6を組合せる際には、例えば、「F1〜F3シリーズ」(「SN比」類似)からの少なくとも1種類と、「F4〜F6シリーズ」(「内部標準法」類似)からの少なくとも1種類との、(すなわち解析原理が異なる)2種以上を組み合わせることが好ましい。
(好適な製造方法)
本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)の製造方法は特に制限されない。簡便性および効率性の点からは、例えば、以下の「製造方法A」および/又は「製造方法B」が好適に使用可能である。なお、カルボキシ基を含む増粘剤を使用した場合、該増粘剤の溶液(ないし分散液;以下同様)にアルカリ性物質を加えた場合(製造方法A)と、該アルカリ性物質の溶液に増粘剤を加えた場合(製造方法B)とでは、それらの増粘効果に差が出る傾向がある。通常は、前者(製造方法A)の方法が、より粘度が高いコーティング用組成物を与える傾向がある。
(製造方法Aの一態様;塩類溶液に増粘剤を配合)
(1)精製水を用いて、0.1%の水酸化物(例えば、シェリール=貝殻焼成カルシウム)パウダーの溶液を調製する。
(2)上記で得られた0.1%の水酸化物溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化物ジェルを作製する(なお、場合により「2%増粘剤配合」の水酸化物ジェルを用いることもできる;以下の「製造方法B」についても同様)。すなわち、0.1%水酸化物水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、ブレンダー機で1分程度撹絆する。この際に「泡立ち」が観察されるが、生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器に入れる。この際(密閉容器に入れる直前)に、該混合物のpH=12以上であることを確認する。
(製造方法Bの一態様;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
(1)精製水に増粘剤を配合することにより、1%増粘剤水溶液を調製する。
(2)上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに0.1%水酸化カルシム含有ジェルを調製する。すなわち、1%増粘剤水溶液中に、水酸化カルシム(例えば、シェリール=貝殻焼成カルシウム)パウダーを少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、ブレンダー機で1分程度撹絆する。この際に「泡立ち」が観察されるが、生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器に入れる。この際(密閉容器に入れる直前)に、該混合物のpH=12以上であることを確認する。
(「ハラル」対応の態様)
「ハラル」に対応にすべき態様においては、本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)における「アルコール成分」(例えば、エタノール)の含有量を可能な限り低減することが重要である。言うまでも無く、イスラム教においては、「アルコール」の使用が厳しく制限されているから、である。
(使用時に調製する態様)
本発明の本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)は、いわゆる「用時調製」の態様で用いることも可能である。医療機関、美容室、理容室等の「除菌」が重要な施設・機関において、本発明の本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)を、その使用の直前に「その場」(in situ)で調製し、使用することが、例えば、保存方法・条件に起因する製品の劣化防止の確率を可能な限り低くする点から好ましい場合があるから、である。
(口腔ケアに使用する態様)
本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)は、「外用」(すなわち、内服および注射以外の手段で、適用可能)であるから、ヒトおよび動物(例えば、犬、猫等のペット)の口腔ケアにおいても使用することができる。このような態様においても、例えば、口腔への適用を容易とする点からは、ヒトの手指に使用する態様よりも、必要に応じて(例えば、増粘剤の種類や使用量を変化・低減させる等の手段で)粘度をやや低めにすることができる。
(動物に使用する態様)
本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)は、ヒト以外の動物(例えば、犬、猫等のペット)の口腔ケア等の種々のケアにも、好適に使用することができる。
(任意成分)
本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)は、上述した水、アルカリ性物質および増粘剤を必須成分とするが、必要に応じて、その他の任意成分をも含有して良い。このような「任意成分」としては、以下のものを挙げることができる。
・甘味料(例えば、グリセリン)、ヒアルロン酸、キトサン、イナワラ灰抽出物、塩水湖水低塩化ナトリウム液、オレンジ色素、海藻灰抽出物、カキ色素、カラシ抽出物、キラヤ抽出物、グレープフルーツ種子抽出物、香辛料抽出物、タンニン(抽出物)、柿タンニン、植物タンニン、チャ乾留物、チャ抽出物、トウガラシ色素、トウガラシ水性抽出物、ブドウ果皮色素、ブドウ果皮抽出物、ブドウ種子抽出物、プロポリス抽出物、粉末モミガラ、ローズマリー抽出物、香料抽出物などの食品添加物
このような「食品添加物」の詳細に関しては、例えば、以下のURL(厚生労働省ホームページ)で確認できる。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/
・カミツレエキス、アロエ抽出液、ウーロン茶抽出液、クマザサ抽出液、ヒノキ、ユーカリ抽出液、緑茶抽出液、コラーゲン、ヒアルロン酸、プラセンタエキス、プロテオグリカンなどの医薬部外品添加物および成分
このような「医薬部外品添加物および成分」の詳細に関しては、例えば、以下のURL(独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ)
http://www.pmda.go.jp/index.html
(日本化粧品工業連合会ホームページ)
https://www.jcia.org/n/biz/ln/c/
https://www.jcia.org/n/all_pdf/name/qdlnl.pdf
で確認できる。
ただし、本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)の効果を好適に発揮させる点からは、上記必須成分(すなわち、水+アルカリ性物質+増粘剤)の合計を100質量部とした場合に、上記「任意成分」(ただし、下記の「抗菌剤」、および上述した「アルコール系成分」および「次亜塩素酸系成分」を除く)の合計は、100質量部以下であることが好ましい。この「任意成分」の合計は、必須成分の合計100質量部に対して、更には80質量部以下であることが好ましく、更には60質量部以下であることが好ましく、更には40質量部以下であることが好ましく、更には30質量部以下であることが好ましく、更には20質量部以下であることが好ましく、特に10質量部以下であることが好ましい。
(抗菌剤)
本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)は、抗菌剤を必須としない。すなわち、本発明においては、抗菌剤を必ずしも必要としない。しかしながら、必要に応じて、抗菌剤を配合しても良い。このような「抗菌剤」としては、以下のものを挙げることができる(なお、このような「抗菌剤」の関連情報の詳細に関しては、例えば、特開2017−165697号公報の段落[0056]〜[0057]を、必要に応じて参照することができる。
1.低水準消毒薬
1)第四級アンモニウム塩
(1)ベンザルコニウム塩化物(2)ベンゼトニウム塩化物
2)クロルヘキシジン
(1)クロルヘキシジングルコン酸塩
3)両性界面活性剤
(1)アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
2.中水準消毒薬
1)アルコール系
(1)エタノール(2)イソプロパノール(3)イソプロパノール添加エタノール液
(4)アルコールを本発明のコーティング用組成物とする消毒薬
2)ヨードホール・ヨード系
(1)ポビドンヨード(2)ヨードチンキ
3)次亜塩素酸系
(1)次亜塩素酸ナトリウム(2)その他の次亜塩素酸系消毒薬
4)フェノール系
(1)クレゾール(2)フェノール
3.高水準消毒薬
1)アルデヒド系
(1)グルタラール(2)フタラール
2)その他の高水準消毒薬
(1)過酢酸(2)過酸化水素(3)二酸化塩素
4.その他の消毒薬
1)アクリノール水和物
2)オキシドール
3)トリクロサン
4)ホルマリン
など
上記「抗菌剤」の詳細に関しては、例えば以下のURL(吉田製薬ホームページ;消毒薬テキスト第4版「エビデンスに基づいた感染対策の立場から」)で確認できる。
http://www.yoshida-pharm.com/category/countermeasure/texts/
ただし、本発明のコーティング用組成物(例えば、「低粘度態様A」および「高粘度態様B」を含む)の効果を好適に発揮させる点からは、上記必須成分{すなわち、水+アルカリ性物質(例えば、水酸化カルシウム)+増粘剤}の合計を100質量部とした場合に、上記「抗菌剤」の量は、82質量部以下であることが好ましい。この「抗菌剤」の量は、更には70質量部以下であることが好ましく、更には60質量部以下であることが好ましく、更には50質量部以下であることが好ましく、更には40質量部以下であることが好ましく、更には30質量部以下であることが好ましく、更には20質量部以下であることが好ましく、更には15質量部以下であることが好ましく、更には10質量部以下であることが好ましく、更には8質量部以下であることが好ましく、更には6質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましい。
(セルロースナノファイバー)
本発明においては、本発明の趣旨に反しない範囲で、セルロースナノファイバーを、上記した「増粘剤」として、必要に応じて使用することができる。このセルロースは、上述した「増粘剤」の全部として使用することができ、または「増粘剤」の一部として(すなわち、セルロースナノファイバーと、前述した他の「ナノファイバーでない」増粘剤とを組み合わせて)使用することができる。また、必要に応じて、2種以上のセルロースナノファイバーを、混合等により組み合わせて、増粘剤として使用することも可能である。このセルロースナノファイバーに関しては、必要に応じて、例えば、近藤哲男著「ナノファイバーが拓く新しい世界」、化学、2016年2月号、第33〜38頁、(化学同人)を参照することができる。ここに、「本発明の趣旨に反しない範囲」とは、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の必須成分たる(水+アルカリ性物質)との組合せにおいて好適な泡立ち状態を与える限り、必要に応じて使用することができる、という意味である。
(態様A:低粘度態様)
本発明のコーティング用組成物の「態様A」(低粘度態様)においては、その好適な粘度の範囲、および好適な粘度の比は、以下の通りである。
(a)塩や金属イオンの影響を受けにくいノニオン性であること
(b)粘度規格値(例えば、該製品の「カタログ」に記載の粘度規格値)が2.4〜18,000mPa・s(20℃、2%水溶液)であること。
上記した「好ましい粘度規格値」の下限(2.4mPa・s)は、後述する[表A7]〜[表A12]に記載された信越化学工業社製「メトローズSH60−03」の粘度規格値(すなわち、2.4〜3.6mPa・s)に基づくものである(信越化学工業(株)、2013年5月発行のカタログ「メトローズ 水溶性セルロースエーテル」より)。
本発明において、「速やかな起泡性」が容易に得やすい点からは、上記した「粘度規格値」が5,600mPa・s以下であることが好ましい。更にはこの「粘度規格値」は、1,800mPa・s以下であることが好ましく、更には、550mPa・s以下、更には、60mPa・s以下、更には、18mPa・s以下、更には、7.2mPa・s以下、更には、3.6mPa・s以下、であることが好ましい。
(態様B:高粘度態様)
本発明のコーティング用組成物の「態様B」(高粘度態様)においては、その好適な粘度の範囲、および好適な粘度の比は、以下の通りである。
(ジェル状態の変化)
本発明の外用ジェル剤においては、上記のジェル化状態の変化は、より具体的には、粘弾性測定によって確認することができる(粘弾性測定に関しては、後述する実施例A2を参照することができる)。ジェル化の初期(例えば、ジェル化から24時間経過時)の粘弾性をV1(mPa・S)とし、ジェル化からt時間(hr)経過後の粘弾性をV2(mPa・S)とした場合に、t=48時間の際に、その粘弾性の減少率Rv=100×(V1−V2)/V1(%)が、50%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には45%以下であることが好ましく、更には40%以下であることが好ましく、更には35%以下であることが好ましく、更には25%以下であることが好ましく、更には20%以下であることが好ましく、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。なお、V2≧V1(すなわち、ジェル化後に粘度が増大した場合)の場合には、これらの数値は、(Rv=ゼロと見なして)上記の減少率Rvの条件を満たすものとする。
(pHの変化)
本発明の外用ジェル剤においては、ジェル化直後のpHをP1とし、ジェル化からt時間(hr)経過後のpHをP2とした場合に、t=48時間の際に、そのpHの減少率Pv=100×(P1−P2)/P1(%)が、20%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、更には10%以下であることが好ましく、更には8%以下であることが好ましく、更には7%以下であることが好ましく、更には6%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。なお、P2≧P1の場合には、これらの数値は、(Pv=ゼロと見なして)上記の減少率Pvの条件を満たすものとする。
(アルコール系成分・次亜塩素酸系成分)
本発明のコーティング用組成物は、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、該組成物の本来の効果(すなわち、コーティング膜の適度な抗菌性)を発揮可能である。
(アルコール系成分)
本発明において「アルコール系成分を必須とすることなく」とは、該「アルコール系成分」を必須とすることなく(すなわち、アルコール系成分を含有しない態様においても)、本発明のコーティング用が、該組成物の本来の効果(すなわち、コーティング膜の適度な抗菌性)を発揮可能であることを言う。
本発明において、「アルコール成分」とは、炭素数が1〜10個で、且つ「OH基」の数が1〜4のアルコール化合物を言う。このようなアルコール成分の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析法、GC/MS(SIM)法の分析法によって測定することができる。該アルコール成分分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLを参照することができる。
http://www.ube-ind.co.jp/usal/documents/f074_142.htm
http://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/faq/fundamentals/index.htm
該アルコール分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLにおける「トリメチルシリル化→GC−MS分析の方法」を好適に使用することができる。
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2008/200807nyumon.pdf(GC/MS、LC/MSのための誘導体化)
(次亜塩素酸系成分)
本発明において「次亜塩素酸系成分を必須とすることなく」とは、該「次亜塩素酸」を必須とすることなく(すなわち、次亜塩素酸系成分を含有しない態様においても)、本発明のコーティング用が、該組成物の本来の効果(すなわち、コーティング膜の適度な抗菌性)を発揮可能であることを言う。
本発明において、「次亜塩素酸系成分」とは、水酸化ナトリウムの水溶液に塩素を通じて得られる次亜塩素酸ナトリウム(化学式は NaClO)または、塩化ナトリウム水溶液もしくは塩酸を電解して得られる水溶液である次亜塩素酸水を言う。このような次亜塩素酸系成分の含有量は、例えば、微量の場合は、ガスクロマトグラフ質量分析法、多い場合は、シリンガルダジン法などによって測定することができる。また他には、イオンクロマトグラフィ−、「次亜塩素酸ナトリウム試液,アンモニウム試験用」の定量法の分析法によって測定することができる。該次亜塩素酸系分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLを参照することができる。
http://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/ic/ic.htm
http://www.jaima.or.jp/jp/basic/chromatograpH/ion-chromatograpHy.html
文献「第十一改正 日本薬局方解説書」(廣川書店,1986)の「次亜塩素酸」の項目
GC−MS法を用いる次亜塩素酸系成分の微量分析に関しては、例えば、以下のURL(GC−MSによる食品中の次亜塩素酸の定量)の方法を好適に使用することができる。
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/s34_12gc-ms.pdf
(本発明の主な態様)
本発明は、その主な態様として、第1の側面(すなわち、非生体表面に適用するためのコーティング用組成物)と、第2の側面(すなわち、生体表面に適用するためののコーティング用組成物=外用組成物)とを少なくとも含む。
(本発明の「他の観点」からの態様)
本発明は、「他の観点」からの態様として、主に、「比較的に低粘度を有する組成物の態様」(態様A;比較的に柔軟なコーティング膜を形成可能である)と、「比較的に高粘度を有する組成物の態様」(「態様B」;比較的に硬いコーティング膜を形成可能である)と、「態様S」(固体状のコーティング用組成物)とを含むことができる。
(組成物の粘度)
この態様における組成物は、比較的に低粘度の態様(すなわち、主に液状の形態を有するコーティング用組成物;以下「液状コーティング用組成物」または「低粘度態様A」と称する)と、比較的に高粘度の態様(すなわち、主にジェル状の形態を有するコーティング用組成物;以下「ジェル状コーティング用組成物」または「高粘度態様B」と称する)とを少なくとも含む。この前者の「低粘度態様」においては、該組成物は、必要に応じて、「泡立ち性」を有していても良い。
本発明のコーティング用組成物が、上記した「低粘度態様A」、「高粘度態様B」、または「固体状の態様S」のいずれの態様になるかは、種々の要因に影響される可能性がある。例えば、典型的には、後述する増粘剤の分子量(ないし、該分子量に代わる粘度規格値)によってコントロールすることができる。
(第1の側面;非生体表面用のコーティング用組成物)
以下では、主に、上記のうちの第1の側面、すなわち「非生体表面」用のコーティング用組成物(例えば、態様A、態様Bおよび態様Sを含む)について述べる。
(低粘度態様A)
以下、主に、本発明の「低粘度態様A」について述べる。
(pHの変化)
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、泡立ち前(水溶性ジェル)のpHをP1とし、該組成物を密閉で25℃で保存してからt時間(hr)経過後のpHをP2とした場合に、t=48時間の際に、そのpHの減少率Pv=100×(P1−P2)/P1(%)が、20%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、更には10%以下であることが好ましく、更には8%以下であることが好ましく、更には7%以下であることが好ましく、更には6%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。なお、P2≧P1の場合には、これらの数値は、(Pv=ゼロと見なして)上記の減少率Pvの条件を満たすものとする。
(増粘剤)
本発明において、増粘剤は特に制限されない。すなわち、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の必須成分たる(水+アルカリ性物質(例えば、水酸化物))との組合せにおいて好適な泡立ち状態を与える限り、本発明において使用可能な増粘剤は特に制限されない。また、本発明においては、必要に応じて、2種以上の増粘剤を、混合等により組み合わせて使用することも可能である。このように、「(水+水酸化物)との組合せにおいて好適な泡立ち状態を与えるか否か」は、後述する「実施例B3」に記載の「ロスマイルス法」と同様の測定方法・条件により、該「泡立ち性」を測定することが好ましい。なお、この「ロスマイルス法」の詳細に関しては、必要に応じて、例えば以下のURLを参照することができる。
『 http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/7347/1/6-5-9_p189-193.pdf 』
この「ロスマイルス法」による測定は、簡便ながら正確である。また、該「ロスマイルス法」による測定は、(測定用試料の調製、データ測定後のデータ解析等を除いて)5〜10分程度の時間で「1回の測定」を行うことが可能である。よって、この「ロスマイルス法」による測定は、簡便なスクリーニング法として好適に利用可能である。
なお、本発明において好適な増粘剤は、上記の塩基性水溶液との相溶性に優れた系統(シリーズ;下記に詳述する)の中から選択することが好ましい。更には、該「相溶性に優れた系統」の増粘剤の中でも、比較的に「分子鎖が短い」増粘剤が、好適に使用可能である。
(好ましい増粘剤;水溶性セルロース系の増粘剤)
本発明においては、(水+水酸化物)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能である。このような水溶性セルロース系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、MC(メチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー
本発明においては、更には、非イオン系の水溶性セルロースエーテル系の増粘剤が好適に使用可能である。このような非イオン系水溶性セルロースエーテル系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)
本発明においては、上記のように(水+水酸化物)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能であるが、このような水溶性セルロース系の増粘剤(例えば、水溶性セルロースエーテル系の増粘剤)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)。
(特に好ましい増粘剤)
本発明においては、上記「非イオン性水溶性セルロースエーテル系の増粘剤」として、特に、天然または合成のセルロースをアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム)で処理した後に、各種のエーテル化剤(例えば、塩化メチル、酸化エチレン、酸化プロピレン等)と反応させることにより得られる「メチルセルロース系」(MCEタイプ)および「ヒドロキシプロピルメチルセルロース系」(HPMCタイプ)の増粘剤が好適に使用可能である。
MCEタイプとしては、例えば、メトキシ(−OCH3)基=25〜33%程度のもの(例えば、CAS No.=9004−67−5の化合物)、等が好適に使用可能である。他方、HPMCタイプとしては、例えば、下記のものが好適に使用可能である。
<メトキシ基> <ヒドロキシプロポキシ基>
(−OCH2CHOHCH3)
27〜30% 4〜7.5%
(例えば、CAS No.=9004−65−3の化合物)
27〜30% 7〜12%
19〜24% 4〜12%
本発明においては、以下の条件の1個以上を満たす増粘剤を用いることが好ましい。該増粘剤は、更には以下の条件の2個以上を満たすことが好ましく、更には以下の条件の3個を満たすことが好ましい。
(a)セルロースの水酸基を水素結合の低下を促す疎水性を与えるメチル基(−CH3)やメトキシ基(−OCH3)、およびヒドロキシエトキシ基/又はヒドロキシプロポキシ基に置き換えた基を有すること。
(b)塩や金属イオンの影響を受けにくいノニオン性であること
(c)粘度規格値(例えば、該製品の「カタログ」に記載の粘度規格値)が2.4〜18,000mPa・s(20℃、2%水溶液)であること。
上記した「好ましい粘度規格値」の下限(2.4mPa・s)は、後述する[表A7]〜[表A12]に記載された信越化学工業社製「メトローズSH60−03」の粘度規格値(すなわち、2.4〜3.6mPa・s)に基づくものである(信越化学工業(株)、2013年5月発行のカタログ「メトローズ 水溶性セルロースエーテル」より)。
本発明において、「速やかな起泡性」が容易に得やすい点からは、上記した「粘度規格値」が5,600mPa・s以下であることが好ましい。更にはこの「粘度規格値」は、1,800mPa・s以下であることが好ましく、更には、550mPa・s以下、更には、60mPa・s以下、更には、18mPa・s以下、更には、7.2mPa・s以下、更には、3.6mPa・s以下、であることが好ましい。
上記した製品「カタログ」に関しては、必要に応じて、下記のURLを参照することができる。
<信越化学HP>
http://www.metolose.jp/index.shtml
タイプ
http://www.metolose.jp/industrial/type.shtml
品種
http://www.metolose.jp/industrial/grade.shtml
上記の条件を満たす増粘剤としては、例えば、以下に示すような信越化学工業社製60SH−03、60SH−50、65SH−4000が挙げられる。これらの中でも、60SH−06が特に好適に使用可能である(いずれも、信越化学工業社製)。
・メトローズ60SH−03(粘度規格値 2.4〜3.6mPa・s)
・メトローズSM−04(粘度規格値 3.2〜4.8mPa・s)
・メトローズ60SH−06(粘度規格値 4.8〜7.2mPa・s;[図1])
・メトローズ60SH−15(粘度規格値 1.3〜18mPa・s)
・メトローズ60SH−50(粘度規格値 40〜60mPa・s)
・メトローズ90SH−100(粘度規格値 80〜120mPa・s)
・メトローズ65SH−4000(粘度規格値 3500〜5600mPa・s)
(好ましい増粘剤)
本発明においては、メトキシ(−OCH3)基と、ヒドロキシプロポキシ基(−OCH2CHOHCH3)とを有するセルロース系の増粘剤であることが好ましい。ここに、該増粘剤におけるメトキシ基の含有量は、15〜40%であることが好ましく、更には18〜35%であることが好ましく、更には19〜33%であることが好ましく、特に19〜31%であることが好ましい(このようなメトキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」(商品名)の表を参照することができる)。他方、ヒドロキシプロポキシ基の含有量は、3〜18%であることが好ましく、更には3.5〜16%であることが好ましく、更には4〜15%であることが好ましく、特に4〜13%であることが好ましい(このようなヒドロキシプロポキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」の表を参照することができる)。
(アルカリ性物質)
本発明において使用可能な「アルカリ性物質」は、それが、「適度なアルカリ性」に基づく抗菌性を発揮可能なコーティングを、種々の表面に付与可能なコーティング用組成物を与える限り、特に制限されない。本発明においては、適度な水溶性、および/又は適度なアルカリ性の点からは、該アルカリ性物質は、有機および/又は無機の水酸化物であることが好ましい。
(水酸化物)
本発明において使用可能な水酸化物は、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、周期表第2族などに属する金属の水酸化物、他の金属類の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれるものである限り、特に制限されない。すなわち、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の必須成分たる(水+増粘剤)との組合せにおいて好適な泡立ち状態を与える限り、本発明において使用可能な「アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、周期表第2族などに属する金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる水酸化物」は特に制限されない。なお、水中で比較的強いアルカリ性を示す炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩や、水中で強アルカリ性を呈するグアニジンは、分子性のものとしてプロトン化された陽イオンが共鳴安定化されるため、上記した「アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、周期表第2族などに属する金属の水酸化物およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物」と同様に、本発明において使用可能である。
本発明において、上記水酸化物としては、必要に応じて2種以上の水酸化物を、混合等により組み合わせて使用することも可能である。
上記のように、「(水+増粘剤)との組合せにおいて好適な泡立ち状態を与える水酸化物であるか否か」は、後述する実施例B1、B3、B4のスクリーニングと同様の方法によって、簡便に確認することができる。すなわち、「実施例B1、B3、B4のスクリーニング」において、増粘剤を「実施例A1」で用いた「具体的な増粘剤」(例えば、信越化学工業社製、SH60−06;[図1])に固定し、アルカリ性物質(例えば、水酸化物」を可変としたスクリーニングを行えば良い。
なお、この際の「スクリーニング」において用いる「具体的な増粘剤」等の条件は、飽くまで該「スクリーニング」目的においてのみ用いるべき条件である。すなわち、この「スクリーニング」で用いた条件は、本発明のコーティング用組成物の他の態様(例えば、その製造、使用等の実施条件)を何ら限定するものではない(以下に述べる本発明の他の「スクリーニング」関連の記載においても、これと同様に、本発明のコーティング用組成物の他の態様を何ら限定するものではない)。
(コンビナトリアル・ケミストリー)
なお、上記スクリーニングにおいては、該スクリーニングを並列的に(効率的に)行うこと(並列的スクリーニング)が可能であることは、当業者には自明であろう。この「並列的スクリーニング」においては、「コンビナトリアル・ケミストリー」(いわゆる「コンビケム」)の手法が好適に使用可能であることも、当業者には自明であろう。このコンビナトリアル・ケミストリーに関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。以後における「スクリーニング」についても、同様なスクリーニング法が利用可能であることは、当業者には自明であろう。
<URL:http://www.sse-shimadzu.co.jp/work/sol01.html>
本発明においては、例えば、6×16ウェルを有する市販の96−ウェル・プレート(例えば、ポリスチレン製)を用意して、「6列」側に「1〜2%濃度」の範囲の、ある1種類の増粘剤の水溶液を所定量入れ、「16列」側に複数種類の「アルカリ性物質」を所定量入れて(もちろん、「6列」側と、「16列」側)は、逆でも良い。この状態において、所定の余剰溶液の除去工程、および「乾燥」工程を行い、その後、フェノールフタレイン水溶液を各ウェルに入れて、該フェノールフタレインの着色の有無を、目視で観察すれば、本発明において好適な増粘剤−アルカリ性物質の組み合わせは、瞬時に判断することができる。他の96−ウェル・プレートには、他の種類の増粘剤の水溶液を用いることにより、短時間で、しかも確実に、本発明において好適に使用可能な増粘剤−アルカリ性物質の組み合わせを多数スクリーニングすることができる。
前記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、および水酸化セシウム(CsOH)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。また、前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。また、前記水酸化物が周期表第2族の水酸化物で水酸化ベリリウム(Be(OH)2)、水酸化マグネシウム(Ma(OH)2)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。また、前記水酸化物が他の金属類の水酸化物で水酸化マンガン Mn(OH)2、水酸化鉄(II)Fe(OH)2、水酸化亜鉛Zn(OH)2、水酸化銅(II)Cu(OH)2、水酸化ランタンLa(OH)3、酸化ユウロピウム(II)(Eu(OH)2)、および水酸化タリウム(I)(TlOH) からから選ばれる1種以上が好適に使用可能である。更に、前記テトラアルキルアンモニウムの水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム(N(CH3)4OH)、および水酸化テトラエチルアンモニウム(N(C2H5)4OH)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。
(水酸化カルシウム)
前記水酸化カルシウムは、酸化カルシウム(CaO)の形(例えば、焼成カルシウムの形)で、本発明のコーティング用組成物に加えても良い。この酸化カルシウムは、粉体では中性で、水酸基を帯び、水酸化カルシウムとなり強いアルカリ性を示すからである。その安全性等の観点から、本発明において好適な水酸化カルシウムは、炭酸カルシウム主成分の材料(特に、炭酸カルシウム主成分の天然材料)から生成された水酸化カルシウムであることが好ましい。例えば、天然由来系の水酸化カルシウムとしては、貝殻、サンゴ、卵の殻、または石灰石から生成された水酸化カルシウムが挙げられる。天然由来系の焼成カルシウムとしては、貝殻焼成カルシウム、サンゴ、または鶏卵から精製した酸化カルシウム、ライムと呼ばれる石灰石から生成する酸化カルシウム等をも使用することができる。
(水酸化カルシウムの含有量)
本発明においては、「CaO」(酸化カルシウム;分子量=56)を「低粘度態様A」のコーティング用組成物に加える場合であっても、その含有量は「Ca(OH)2」(水酸化カルシウム;分子量=74)として計算するものとする。これは、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物におけるような水を含有する系においては、CaOは、通常はCa(OH)2の状態で存在するからである。「CaO」の1モルは、「Ca(OH)2」の1モルに対応する。よって、例えば、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物に「CaO」の1モル(56g)を加えた場合においては、その含有量は「Ca(OH)2」の1モル(74g)を加えたものとして計算する。
(抗菌性の測定)
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物は、適度な抗菌効果を示すことができる。より具体的には、後述する「実施例D1」の条件(すなわち、生菌数1×10exp(8)個/mL)に調整した生菌液を使用)で測定した場合に、その混釈平板培養後の状態において、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を試料として使用した場合における、測定開始後15分後の生菌数(N15)」の好ましい範囲は、以下のように定義することができる。
(測定開始後15分後の生菌数)
すなわち、N0=当初の生菌数、N15=15分後の生菌数としたとき、本発明においては、比Nn=N0/N15=100以上(すなわち、1×10exp(2)以上)であることが好ましい。この比Nnは、更には3×10exp(2)以上であることが好ましく、更には6×10exp(2)以上であることが好ましく、更には8×10exp(2)以上であることが好ましく、更には1×10exp(3)以上であることが好ましく、更には3×10exp(3)以上であることが好ましく、更には6×10exp(3)以上であることが好ましく、更には8×10exp(3)以上であることが好ましく、更には1×10exp(4)以上であることが好ましく、更には3×10exp(4)以上であることが好ましく、更には6×10exp(4)以上であることが好ましく、更には8×10exp(4)以上であることが好ましく、更には1×10exp(5)以上であることが好ましく、更には3×10exp(5)以上であることが好ましく、更には6×10exp(5)以上であることが好ましく、更には8×10exp(5)以上であることが好ましく、特に1×10exp(6)以上であることが好ましい。
(測定開始後30分後の生菌数)
すなわち、N0=当初の生菌数、N15=30分後の生菌数としたとき、本発明においては、比Nn=N0/N30=100以上(すなわち、1×10exp(2)以上)であることが好ましい。この比Nnは、更には3×10exp(2)以上であることが好ましく、更には6×10exp(2)以上であることが好ましく、更には8×10exp(2)以上であることが好ましく、更には1×10exp(3)以上であることが好ましく、更には3×10exp(3)以上であることが好ましく、更には6×10exp(3)以上であることが好ましく、更には8×10exp(3)以上であることが好ましく、更には1×10exp(4)以上であることが好ましく、更には3×10exp(4)以上であることが好ましく、更には6×10exp(4)以上であることが好ましく、更には8×10exp(4)以上であることが好ましく、更には1×10exp(5)以上であることが好ましく、更には3×10exp(5)以上であることが好ましく、更には6×10exp(5)以上であることが好ましく、更には8×10exp(5)以上であることが好ましく、特に1×10exp(6)以上であることが好ましい。
(測定開始後15分後の抗菌性)
上記の抗菌効果に関して、後述する「実施例D1」の条件(すなわち、生菌数1×10exp(8)個/mL)に調整した生菌液を使用)において、本発明における「シェリール水溶液」試料として使用した場合における、測定開始後15分後の「生菌数」=Naqと、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を試料として使用した場合における「生菌数」=Ngとの比Nr(Nr15=Naq/Ng)は、測定開始後15分後に1.5以上であることが好ましい。このNr15は、更には1.6以上であることが好ましく、更には1.7以上であることが好ましく、更には1.8以上であることが好ましく、更には1.9以上であることが好ましく、更には2以上であることが好ましく、更には2.1以上であることが好ましく、更には2.2以上であることが好ましく、更には2.3以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.5以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.7以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には2.9以上であることが好ましく、更には3以上であることが好ましく、更には3.1以上であることが好ましく、更には3.2上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、特に3.5以上であることが好ましい。この比Nrが大きくなる程、本発明において「ジェル化」した抗菌効果が大きいということとなる。
(測定開始後30分後の抗菌性)
測定開始後30分後の抗菌性について、上記の比Nr15と同様に定義された「比Nr30」は、測定開始後30分後に1.5以上であることが好ましい。このNrは、このNrは、更には1.6以上であることが好ましく、更には1.7以上であることが好ましく、更には1.8以上であることが好ましく、更には1.9以上であることが好ましく、更には2以上であることが好ましく、更には2.1以上であることが好ましく、更には2.2以上であることが好ましく、更には2.3以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.5以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.7以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には2.9以上であることが好ましく、更には3以上であることが好ましく、更には3.1以上であることが好ましく、更には3.2上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、特に3.5以上であることが好ましい。
なお、上記した「実施例D1」における「抗菌効果」に関しては、測定開始後15分後と、測定開始後30分後との値に言及しているが、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の「抗菌効果」は、測定開始後、5分以上〜15分未満の範囲の時点であっても、該願「実施例D1」における測定と同様に、測定することが可能である。換言すれば、これらの範囲の時点であっても、上記した「Nn」および「Nr」と同様の値(例えば、測定開始後5分の時点における比Nn=N0/N5、およびNr5=Naq/Ng)を算出することが可能であり、且つ、上記したものと同様の「好ましい範囲」の数値を与えることができる。
このような本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物「用時調製」の態様においては、10秒以上「泡立ち状態」を保持可能であることが好ましい。5分以上この「泡立ち状態」保持時間は、更には15秒以上が好ましく、更には30秒以上が好ましく、更には45分以上が好ましく、更には60秒以上が好ましく、更には1.5分以上が好ましく、特に2分以上であることが好ましい。
他方、「適度な消泡性」が求められる本発明の態様(例えば、泡立ち後の水洗を不要とする本発明の態様)においては、泡立ち時間は、5分以下であることが好ましい。この「泡立ち状態」保持時間は、更には4.5分以下が好ましく、更には4分以下が好ましく、更には3.5分以下が好ましく、更には3分以下であることが好ましい。
(好適な泡立ち性の測定方法)
本発明において使用可能な「泡立ち性」測定法は特に制限されないが、測定の簡便性/正確性/測定コストの間のバランスの点からは、後述する「実施例B3」に記載の「ロスマイルス法」と同様の測定方法・条件により、該「泡立ち性」を測定することが好ましい。なお、この「ロスマイルス法」の詳細に関しては、必要に応じて、例えば以下のURLを参照することができる。
『 http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/7347/1/6-5-9_p189-193.pdf 』
(ロスマイルス法;Ross-Miles Methodによる測定)
(1)図4−3を参照して、シリンダーBに、試験液50mlを入れる。
(2)ピペットAには、同じ試験液200mlを入れる。
(3)ピペットAのコックを開け、試験液を流下させ、流下した液がシリンダーBの試験液と衝突することにより、泡が発生する。
(4)試験液の流下が終わった直後に泡の高さ(起泡カ)を計測する。
(5)1分間毎に泡の高さ(泡漆安定度)を測定し評価する。
(本発明組成物の好適な泡立ち性)
本発明の好適な態様においては、「試験液の流下が終わった直後」からカウントした時間を「Tf」で表す。この「試験液の流下が終わった直後」をTf=0(ゼロ)とした場合に、Tf=2分における「泡の高さ」で、本発明組成物の「泡立ち性」を評価することとする。
(好ましい上限)
本発明の好適な態様においては、Tf=2分における「泡の高さ」は、250mm以下であることが好ましい。この「泡の高さ」は、更には240mm以下であることが好ましく、更には230mm以下であることが好ましく、更には220mm以下であることが好ましく、更には210mm以下であることが好ましく、更には200mm以下であることが好ましく、更には190mm以下であることが好ましく、更には180mm以下であることが好ましく、更には170mm以下であることが好ましく、更には160mm以下であることが好ましく、更には150mm以下であることが好ましい。
(好ましい下限)
本発明の好適な態様においては、Tf=2分における「泡の高さ」は、15mm以上であることが好ましい。該「泡の高さ」は、更には、更には20mmであることが好ましく、更には25mm以上であることが好ましく、更には30mm以上であることが好ましく、更には40mm以上であることが好ましく、更には50mm以上であることが好ましく、更には60mm以上であることが好ましく、更には70mm以上であることが好ましく、更には80mm以上であることが好ましく、更には90mm以上であることが好ましい。
(好ましい範囲)
本発明においては、上記に列挙した「泡の高さ」の「好ましい上限」、および「好ましい下限」の任意の組合せからなる「好ましい範囲」を挙げることができる。該「好ましい範囲」の代表的なものを挙げれば、以下の通りである。すなわち、Tf=2分における泡の高さの「範囲」としては、例えば、15〜210mmであることが好ましい。該「範囲」としては、更には20〜210mmが好ましく、更には25〜210mmが好ましく、更には25〜210mmが好ましく、更には30〜200mm、40〜200mmが好ましく、更には50〜200mmが好ましく、更には60〜180mmが好ましく、更には70〜170mmが好ましく、更には80〜180mmが好ましく、更には90〜170mmが好ましく、更には100〜180mmが好ましく、更には100〜160mmが好ましく、更には100〜170mmが好ましく、更には100〜160mmが好ましく、更には100〜150mmが好ましい。
なお、「塗布直後の泡立力」が低い方が好まれる本発明の態様においては、Tf=2分における泡の高さの「範囲」としては、例えば、15〜150mm好ましく、好ましい。この泡の高さの「範囲」は、更には20〜〜150mmが好ましく、更には25〜150mmが好ましく、更には30〜140mmが好ましく、更には30〜130mmが好ましく、更には30〜120mmが好ましく、更には30〜110mmが好ましく、更には30〜100mmが好ましい。
なお、「塗布直後の泡立力」が高い方が好まれる本発明の態様においては、Tf=2分における泡の高さの「範囲」としては、例えば、50〜250mmが好ましい。この泡の高さの「範囲」は、更には80〜250mmが好ましく、更には100〜250mmが好ましく、特に150〜250mmが好ましい。
(好適な表面張力)
本発明において使用可能な「表面張力」測定法は特に制限されないが、測定の簡便性/正確性/測定コストの間のバランスの点からは、以下の「表面張力」測定法を好適に用いることができる。
<測定条件A−白金板吊板式>
・表面張力計:協和界面科学株式会社製 CBVP−A3
測定方法:白金板吊板式
(好適な下限)
この「白金板吊板式」による「表面張力」測定において、適度な泡立ちを与える点からは、本発明組成物の表面張力は、25mN/m以上であることが好ましい。該表面張力は、更には26mN/m以上であることが好ましく、更には27mN/m以上であることが好ましく、更には28mN/m以上であることが好ましく、更には29mN/m以上であることが好ましく、更には30mN/m以上であることが好ましく、更には31mN/m以上であることが好ましく、更には32mN/m以上であることが好ましく、更には33mN/m以上であることが好ましく、更には34mN/m以上であることが好ましく、更には35mN/m以上であることが好ましく、更には36mN/m以上であることが好ましく、更には37mN/m以上であることが好ましく、更には38mN/m以上であることが好ましく、更には39mN/m以上であることが好ましく、更には40mN/m以上であることが好ましく、更には41mN/m以上であることが好ましく、更には42mN/m以上であることが好ましく、更には43mN/m以上であることが好ましく、更には44mN/m以上であることが好ましく、更には45mN/m以上であることが好ましく、更には46mN/m以上であることが好ましく、更には47mN/m以上であることが好ましく、更には48mN/m以上であることが好ましく、更には49mN/m以上であることが好ましく、更には50mN/m以上であることが好ましい。
(好適な上限)
この「白金板吊板式」による「表面張力」測定において、適度な泡立ちを与える点からは、本発明組成物の表面張力は、76mN/m以下であることが好ましい。該表面張力は、更には70mN/m以下であることが好ましく、更には68mN/m以下であることが好ましく、更には66mN/m以下であることが好ましく、更には64mN/m以下であることが好ましく、更には62mN/m以下であることが好ましく、更には60mN/m以下であることが好ましく、更には58mN/m以下であることが好ましく、更には56mN/m以下であることが好ましく、更には54mN/m以下であることが好ましく、更には52mN/m以下であることが好ましく、
更には50mN/m以下であることが好ましく、更には48mN/m以下であることが好ましく、更には46mN/m以下であることが好ましく、更には44mN/m以下であることが好ましく、更には42mN/m以下であることが好ましく、更には40mN/m以下であることが好ましく、更には38mN/m以下であることが好ましく、更には36mN/m以下であることが好ましく、更には34mN/m以下であることが好ましい。
(好ましい範囲)
本発明においては、上記に列挙した「白金板吊板式」による「表面張力」の「好ましい上限」、および「好ましい下限」の任意の組合せからなる「好ましい範囲」を挙げることができる。該「好ましい範囲」の代表的なものを挙げれば、以下の通りである。すなわち、「白金板吊板式」による「表面張力」は、26〜76mN/mであることが好ましい。更には、この「表面張力」は36〜56mN/mであることが好ましく、更には38〜56mN/mであることが好ましく、更には40〜56mN/mであることが好ましく、更には42〜56mN/mであることが好ましい。
<測定条件B−最大泡圧法(動的測定)>
・試験方法:クルス社製BP−2(最大泡圧法)を用いて25℃で測定する。試料溶液の密度は、水の値を用いる。
「泡立ち−泡切れ」の好適なバランスの点からは、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、最大泡圧法を用いて25℃で測定した該組成物の表面張力が、以下の通りであることが好ましい。
(好適な表面張力−Tfにおける測定)
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、「泡立ち−泡切れ」の好適なバランスの点からは、(界面が形成され始めてから圧力が最大になるまでの時間を「Th」で表すと)このTfが450ミリ秒の時点における該組成物の表面張力が33mN/m以上であることが好ましい。この表面張力は、更には38mN/m以上であることが好ましく、更には40mN/m以上であることが好ましく、更には41mN/m以上であることが好ましく、更には42mN/m以上であることが好ましく、更には43mN/m以上であることが好ましく、更には44mN/m以上であることが好ましく、更には45N/m以上であることが好ましい。
(好ましい範囲)
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、「泡立ち−泡切れ」の好適なバランスの点からは、Tfが450ミリ秒の時点における該組成物の表面張力が26〜76mN/mであることが好ましい。この組成物の表面張力は、更には36〜56mN/mであることが好ましく、更には38〜56mN/mであることが好ましく、更には40〜56mN/mであることが好ましく、更には41〜56mN/mであることが好ましく、更には42〜56mN/mであることが好ましく、更には42〜54mN/mであることが好ましく、更には42〜52mN/mであることが好ましい。
この最大泡圧法を用いる測定の詳細に関しては、例えば、以下のURLを参照することができる。
http://www.face-kyowa.co.jp/science/theory/what_surface_tention/#id04
http://www.sanyo-kruss.com/qa/products02.html
(これらのサイトでは、界面が形成され始めてから圧力が最大になるまでの時間を「表面寿命(Surface Age)」と呼び、動的表面張力測定を評価する上での時間のパラメータとされている)。
(ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)の不活化効果)
<試験条件>
作用時間:試験品:15分間;対照:0(ゼロ;初期)、15分間
供試ウイルス:ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F−9;ATCC(登録商標) VR−782(商標))
・試験の種類:ウイルス不活化効果試験
・その他の条件:実施例D2におけると同様
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、ネコカリシウイルス(ノロウイルスに類似)に対する不活化効果、すなわち、15分間作用後の感染価対数減少値=log10(初期感染価/作用後の感染価)の値が、3.0よりも大であることが好ましい。本発明組成物の感染価対数減少値は、更には3.1以上であることが好ましく、更には3.2以上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、更には3.5以上であることが好ましく、更には3.6以上であることが好ましく、更には3.7以上であることが好ましく、更には3.8以上であることが好ましく、更には3.9以上であることが好ましく、更には4.0以上であることが好ましい。
(白癬菌に対する制菌効果)
<試験条件>
・試験菌:TrichopHyton rubrum TIMM 2659(白癬菌)
・その他の条件:実施例D3におけると同様
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物においては、白癬菌(すなわち、水虫菌)に対する不活化効果、すなわち、15分間作用後の感染価対数減少値=log10(初期生菌数/作用後の生菌数)の値が、1よりも大であることが好ましい。本発明組成物の感染価対数減少値は、更には、2以上であることが好ましく、更には、3以上であることが好ましく、更には、3.1以上であることが好ましく、更には3.2以上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、更には3.5以上であることが好ましく、更には3.6以上であることが好ましく、更には3.7以上であることが好ましく、更には3.8以上であることが好ましく、更には3.9以上であることが好ましく、更には4.0以上であることが好ましい。
(界面活性剤の定量法)
本発明の組成物において、(比較的に少量・微量ながら、および/又は不可避的に)含有される可能性のある「界面活性剤」は特に制限されないが、例えば、以下のURLに記載の分析方法(例えば、第13頁の表2および第14頁の表3に記載のLC−MS測定条件)により定量することができる。
『https://www.scas.co.jp/scas-news/sn-back-issues/pdf/22/frontier2_22.pdf』
(特に好ましい水酸化物)
本発明において特に好適に使用可能な水酸化物は、水酸化カルシウムおよび/又は水酸化マグネシウムである。
本発明において特に好適に使用可能な水酸化物は、例えば市販品としては、以下のものが挙げられる。
水酸化マグネシウム
(純薬工業社製http://www.hpc-j.co.jp/products/67951/)
(特に好ましい水酸化物−増粘剤の組み合わせ)
本発明において特に好適に使用可能な水酸化物−増粘剤の組み合わせは、以下の通りである。
・Mg(OH)2+ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業製メトローズ60SH−06)
・Mg(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース(例えば、HECL:三晶製ヒドロキシエチルセルロース)
・Ca(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース(例えば、HECL:三晶製ヒドロキシエチルセルロース)
・Ca(OH)2+ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業製メトローズ90SH−100)
・Ca(OH)2+ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業製メトローズ60SH−03、メトローズ60SH−06、および/又はメトローズ60SH−50)
・Mg(OH)2+ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業製メトローズ60SH−03、および/又はメトローズ60SH−06)
・Ca(OH)2+メチルセルロース(例えば、信越化学工業製メチルセルロースSM−4)
・Mg(OH)2+メチルセルロース(例えば、信越化学工業製メチルセルロースSM−4)
・Ca(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
・Mg(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
・Ca(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース(例えば、住友精化製ヒドロキシエチルセルロース HEC AL−15)
・Ca(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース(例えば、ダイセルファインケム製 HEC SP200)
(好ましい発泡性)
本発明の発泡性の組成物において、好適な発泡性を示す「アルカリ性物質−増粘剤の組み合わせ」は、該組成物の「使用の態様」によっても変化する。例えば、以下の通りである。
(低い発泡性が好ましい態様)
この態様においては、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物のロスマイルス法による泡立ち性が、Tf(試験液の流下が終わった直後からカウントした時間)=2分における「泡の高さ」で、15〜100mm、より好ましくは15mm〜80mm、更には15〜60mmであることが好ましい。
(高い発泡性が好ましい態様)
この態様においては、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物のロスマイルス法による泡立ち性が、Tf(試験液の流下が終わった直後からカウントした時間)=2分における「泡の高さ」で、15mm〜210mm、より好ましくは20mm〜210mm、更には25〜210mmであることが好ましい。
(高い発泡性から低い発泡性への変化が好ましい態様)
この態様においては、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物のロスマイルス法による泡立ち性が、Tf(試験液の流下が終わった直後からカウントした時間)=2分における「泡の高さ」で、15mm〜210mm、より好ましくは20mm〜210mm、更には25〜210mmであることが好ましい。他方、該泡立ち性がTf=10分における「泡の高さ」で、30mm以下、より好ましくは25mm以下、更には20mm以下であることが好ましい。また、Rf=(Tf=10分における泡の高さ)/(Tf=2分における泡の高さ)が、0.5以下であることが好ましく、更には0.4以下であることが好ましく、特に0.3以下であることが好ましい。
(第2の側面−生体表面コーティング用組成物)
この第2の側面における本発明のコーティング用組成物(例えば、態様A、態様Bおよび態様Sを含む)においては、ヒトを始めとする種々の生物(例えば、動物、植物)の表面に適用可能である。ヒトの表面に適用する場合には、本発明のコーティング用組成物は、いわゆる「外用コーティング用組成物」となる。以下では、この「外用コーティング用組成物」の態様に関して、主に述べる。
(外用コーティング用組成物)
本発明において、「外用」とは、「内服および注射」以外の手段で、本発明の外用組成物を適用することを言う(廣川 薬科学大辞典、第5版、第268頁、平成25年、廣川書店を参照)。「内服および注射」以外の手段で適用する限り、本発明の外用組成物を適用する対象、方法および手段は、特に制限されない。本発明の外用組成物は、例えば、消毒、洗浄等の目的で、塗布、含嗽(うがい)、散布、噴霧等の手段により、皮膚の表面や粘膜等に好適に適用することができる。
これらのコーティング用組成物、および泡立ち性を有するコーティング用組成物は、それぞれの特徴を有する。例えば、後者の泡立ち性を有するコーティング用組成物(すなわち、泡タイプのコーティング用組成物)は、以下の特徴を有する。
・泡タイプの場合には、適量の該組成物を塗布させることが容易である。
・泡タイプの場合には、比較的に(例えば、液状のまま塗布する液状タイプと比較して)トータルな塗布量を節約することができる。
・ジェル状タイプと比較して、塗布後のべたつきの軽減が可能で、「使用感」の向上が容易である(上記「外用組成物」の関連情報に関しては、必要に応じて、例えば、特開平11−302146号公報、:特開2014−114291号公報を参照することができる)。
(高粘度態様B)
ここでは、主に「高粘度態様B」について述べる。本発明の外用ジェル剤は、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能なものである。ここに、本発明において「アルコール系成分を必須とすることなく」とは、該「アルコール系成分」を必須とすることなく(すなわち、アルコール系成分を含有しない態様においても)、本発明の外用ジェル剤本来の効果(すなわち、適度な抗菌性を有し、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能であること)を発揮可能であることを言う。
(ジェル状態の変化)
本発明の外用ジェル剤においては、(所定濃度の水酸化カルシウム水溶液+増粘剤)により該ジェル化状態を形成した後に、密閉容器内で放置した場合に、長時間ジェル化状態を保持することができる(具体的な条件は、後述する実施例A4を参照することができる)。
本発明の外用ジェル剤は、上記のように密閉容器内で放置した場合に、該ジェル状態を24時間以上保持可能であることが好ましい。この「ジェル状態」保持時間は、更には30時間以上が好ましく、更には48時間以上が好ましく、更には72時間以上が好ましく、更には96時間以上が好ましく、更には120時間以上が好ましく、特に144時間分以上であることが好ましい。
(ジェル状態の変化)
本発明の外用ジェル剤においては、上記のジェル化状態の変化は、より具体的には、粘弾性測定によって確認することができる(粘弾性測定に関しては、後述する実施例A2を参照することができる)。ジェル化の初期(例えば、ジェル化から24時間経過時)の粘弾性をV1(mPa・S)とし、ジェル化からt時間(hr)経過後の粘弾性をV2(mPa・S)とした場合に、t=48時間の際に、その粘弾性の減少率Rv=100×(V1−V2)/V1(%)が、50%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には45%以下であることが好ましく、更には40%以下であることが好ましく、更には35%以下であることが好ましく、更には25%以下であることが好ましく、更には20%以下であることが好ましく、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。なお、V2≧V1(すなわち、ジェル化後に粘度が増大した場合)の場合には、これらの数値は、(Rv=ゼロと見なして)上記の減少率Rvの条件を満たすものとする。
(pHの変化)
本発明の外用ジェル剤においては、ジェル化直後のpHをP1とし、ジェル化からt時間(hr)経過後のpHをP2とした場合に、t=48時間の際に、そのpHの減少率Pv=100×(P1−P2)/P1(%)が、20%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、更には10%以下であることが好ましく、更には8%以下であることが好ましく、更には7%以下であることが好ましく、更には6%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。なお、P2≧P1の場合には、これらの数値は、(Pv=ゼロと見なして)上記の減少率Pvの条件を満たすものとする。
(増粘剤)
本発明において、増粘剤は特に制限されない。すなわち、本発明の外用ジェル剤の必須成分たる(水+アルカリ性物質)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与える限り、本発明において使用可能な増粘剤は特に制限されない。また、本発明においては、必要に応じて、2種以上の増粘剤を、混合等により組み合わせて使用することも可能である。このように、「(水+アルカリ性物質)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与えるか否か」は、後述する実施例A4のスクリーニングによって、簡便に確認することができる。
(好ましい増粘剤)
以下に、本発明において好適に使用可能な「増粘剤」について述べる。
(水溶性セルロース系の増粘剤)
本発明においては、(水+アルカリ性物質)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能である。このような水溶性セルロース系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー
本発明においては、更には、非イオン系の水溶性セルロースエーテル系の増粘剤が好適に使用可能である。このような非イオン系水溶性セルロースエーテル系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)
本発明においては、上記のように(水+アルカリ性物質)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能であるが、このような水溶性セルロース系の増粘剤(例えば、水溶性セルロースエーテル系の増粘剤)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)
(特に好ましい増粘剤)
本発明においては、上記「非イオン性水溶性セルロースエーテル系の増粘剤」として、特に、天然または合成のセルロースをアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム)で処理した後に、各種のエーテル化剤(例えば、塩化メチル、酸化エチレン、酸化プロピレン等)と反応させることにより得られる「メチルセルロース系」(MCEタイプ)および「ヒドロキシプロピルメチルセルロース系」(HPMCタイプ)の増粘剤が好適に使用可能である。
MCEタイプとしては、例えば、メトキシ(−OCH)基=25〜33%程度のもの(例えば、CAS No.=9004−67−5の化合物)、等が好適に使用可能である。他方、HPMCタイプとしては、例えば、下記のものが好適に使用可能である。
<メトキシ基> <ヒドロキシプロポキシ基>
(−OCHCHOHCH
27〜30% 4〜7.5%
(例えば、CAS No.=9004−65−3の化合物)
27〜30% 7〜12%
19〜24% 4〜12%
本発明においては、以下の条件の1個以上を満たす増粘剤を用いることが好ましい。該増粘剤は、更には以下の条件の2個以上を満たすことが好ましく、更には以下の条件の3個を満たすことが好ましい。
(a)セルロースの水酸基を水素結合の低下を促す疎水性を与えるメチル基(−CH3)やメトキシ基(−OCH3)、および/又はブドウ糖残基をヒドロキシプロポキシ基に置き換えた基を有すること。
(b)塩や金属イオンの影響を受けにくいノニオン性であること。
(c)粘度規格値(例えば、該製品の「カタログ」に記載の粘度規格値)が2,4〜35,000mPa・s(2%水溶液)、3,000〜220,000mPa・s(1%水溶液)であること。
上記の条件を満たす増粘剤としては、例えば、信越化学工業社製メトローズ、SM−4000、SH65−15000,SH90−100000、および超高粘度タイプが挙げられる。
(好ましい増粘剤)
本発明においては、メトキシ(−OCH)基と、ヒドロキシプロポキシ基(−OCHCHOHCH)とを有するセルロース系の増粘剤であることが好ましい。ここに、該増粘剤におけるメトキシ基の含有量は、15〜40%であることが好ましく、更には18〜35%であることが好ましく、更には19〜33%であることが好ましく、特に19〜31%であることが好ましい(このようなメトキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」(商品名)の表を参照することができる)。他方、ヒドロキシプロポキシ基の含有量は、3〜18%であることが好ましく、更には3.5〜16%であることが好ましく、更には4〜15%であることが好ましく、特に4〜13%であることが好ましい(このようなヒドロキシプロポキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」の表を参照することができる)。
本発明のコーティング用組成物(例えば、ジェル剤)の効果を好適に発揮させる点からは、上記必須成分(すなわち、水+アルカリ性物質+増粘剤)の合計を100質量部とした場合に、上記「抗菌剤」の量は、82質量部以下であることが好ましい。この「抗菌剤」の量は、更には70質量部以下であることが好ましく、更には60質量部以下であることが好ましく、更には50質量部以下であることが好ましく、更には40質量部以下であることが好ましく、更には30質量部以下であることが好ましく、更には20質量部以下であることが好ましく、更には15質量部以下であることが好ましく、更には10質量部以下であることが好ましく、更には8質量部以下であることが好ましく、更には6質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましい。
(セルロースナノファイバー)
本発明においては、(上記した「低粘度態様A」におけると同様に)本発明の趣旨に反しない範囲で、セルロースナノファイバーを、上記した「増粘剤」として、必要に応じて使用することができる。
このような本発明のコーティング用組成物(例えば、ジェル剤)の「用時調製」の態様においては、5分以上「ジェル状態」を保持可能であることが好ましい。この「ジェル状態」保持時間は、更には20分以上が好ましく、更には25分以上が好ましく、更には30分以上が好ましく、更には40分以上が好ましく、更には50分以上が好ましく、特に60分以上であることが好ましい。
(pHの測定方法)
本発明のコーティング膜のpH測定方法は、「被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング層とを含む積層体における、該コーティング層のpHを測定する方法であって;該コーティング層が、コーティング用組成物に由来するものであり、且つ、該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であること」を特徴とするものである。
従来技術においては、「コーティング膜のpH測定」に関しては、「定性的なpH判別」(例えば、該膜を水で濡らして、そのpHをリトマス紙で判別する方法)は知られていた。しかしながら、コーティング膜のpHを、定量的・再現性良く測定する方法は知られていなかった。
上述した本発明の「コーティング膜のpH測定方法」は、それ自体で、本願発明者による新規な発明である。この本発明の「コーティング膜のpH測定方法」によれば、(定性的な従来のpH測定法とな異なり)コーティング膜のpHを、定量的に、且つ再現性良く測定することができる。
(積層体)
本発明の「積層体」は、被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング膜とを含む積層体であって;該コーティング膜が、コーティング用組成物に由来するものであり、且つ、該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含み、且つ流動性を有するコーティング用組成物であること」を特徴とするものである。
(被コーティング材)
本発明の積層体においては、上記の「被コーティング材」は、「非生体表面」を有するものである。なお、コーティングの対象が「生体表面」(すなわち、ヒト生体の表面)を有するものである場合には、本発明の組成物は、「外用組成物」となる。本発明の「積層体」における「被コーティング材」としては、その被コーティング表面(すなわち、該コーティング用組成物を適用すべき「表面」)が適度な「耐アルカリ性」を有している限り、種々の表面に対して特に制限無く、適用することが可能である。ここに、被コーティング表面が「適度な耐アルカリ性を有する」とは、本発明のコーティング用組成物によって与えられる「アルカリ性」が、該コーティング用組成物のアルカリ性が被コーティング表面において存続する限度において、本発明のコーティング用組成物が被コーティング表面に対して実質的に無害であることを言う。
(積層体)
上記した本発明の「積層体」は、ヒトに対して「実質的に無害」であるのみならず、ヒト以外の動植物に対しても「実質的に無害」で、しかも適度な抗菌性の「表面」を有する積層体である。
本発明の「積層体」を構成するコーティング膜は、その抗菌性が一時的なものであっても良い。すなわち、例えば、不特定のユーザーが利用可能な場所ないし箇所(例えば、公衆トイレにおける、ドアノブ、便座、トイレットペーパーのカバー等)において、あるユーザーが使用後に、次のユーザーが使用するまでの間に、抗菌性が保持されれば良い態様も、あり得るから、である。このような観点からは、前記コーティング膜の抗菌性は、10秒以上保持されれば、充分である可能性がある。
このような被コーティング材は、種々の物品全体であっても、物品の一部(例えば、ある物品の、ヒト等の生物に接触する可能性がある部分)であっても良い。このような本発明の積層体が適用される「用途」および/又は「使用法」の例は、後述する本明細書の「産業上の利用可能性」に列挙されている通りである。
本発明の積層体においては、コーティング用組成物に由来するコーティング膜が、適度なアルカリ性を有している限り、該コーティング膜の形態(例えば、その形状、一部の膜か全体の膜か、ないしは、該コーティング膜の厚さ)は、特に制限されない。
(コーティング方法)
上述したように、本発明のコーティング用組成物は、比較的低粘度の態様A、比較的高粘度の態様B、および固体状の態様Sを含む。これらいずれの態様においても、該組成物により「被コーティング表面」に「適度なアルカリ性」を有するコーティング膜(ないしコーティング層)が得られる限り、該コーティング用組成物を該表面に付与する方法は、特に制限されない。すなわち、本発明のコーティング用組成物のコーティング方法は、公知のコーティング方法から選ばれた「1種以上」を特に制限なく用いることができる。
このような「公知のコーティング方法」としては、以下のものを例示することができる。
例えば、スタンピング法、ハケ塗り、ローラー塗り、スプレー(吹き付け)コーティング、エアレススプレー、ロールコーター、浸漬(しんせき)塗り、粉体コーティング、等。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
<各測定機器の管理・較正>
以下の実施例に述べるように、出願人は、測定用サンプル等の試料を、「栃木県産業技術センター」様(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)に持ち込み、該センター様の管理下にある各測定機器をお借りして、各種試料の物性(粘度、分光光度、pH等)を測定している。すなわち、管理および日常の較正を行う権限は、該センター様にある。
以下の実施例で用いる機器は、以下「実施例」に記載したように、必要に応じて、「追加の較正」を行った後に、それぞれの測定に使用した。
<粘度計>
粘度計の管理・較正法に関しては、必要に応じて、以下のサイト(JIS Z 8809)を参照することができる。
URL:http://kikakurui.com/z8/Z8809−2011−01.html
上記サイトによれば、一般に、以下の13種類の粘度標準試料を用いて、粘度計を較正することが好ましいとされている。
JS2.5、JS5、JS10、JS20、JS50、JS100、JS200、JS500、JS1000、JS2000、JS14000、JS52000、およびJS160000。
<分光光度計>
分光光度計の管理・較正法に関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。
URL−1: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/28/3/28_3_172/_pdf
URL−2: http://www.j−sl.com/columns/chn/explanation−07−05−configuration.php
上記の「URL−2」には、概略、以下の記載がある。
・波長校正は、(通常必要とされる波長範囲では)光源に使われている重水素放電管を点灯し,波長幅を5nmに調節して,その輝線486.0nmと656.1nmを探し、このとき輝線波長と、ダイヤルの表示とを比較する。
・その結果に従って、後はダイヤルの表示値を校正する。
・上記の2点の波長以外を校正するには、必要に応じて、JIS規格のネオジムフィルターまたはホルミウムフィルターを透過した光の極大点を用いることができる。
実施例A1(製造方法Mによるコーティング用組成物の調製)
容量3000ミリリットルのパイレックス製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の999gを入れた。次いで、該精製水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを入れ、攪拌器(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、約1分間かけて攪拌し、その後、12時間静置した。
上記静置後、沈殿部分の上澄みを採取して、本発明のコーティング用組成物調製用の0.1%水酸化カルシウム水溶液を得た。
次いで、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化カルシウムジェル(コーティング用組成物の「態様B」)を作製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ90SH−100000(規格粘度値:4,100〜5,600mPa・s)、または60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)のそれぞれ)の10.1gを、上記0.1%水酸化カルシウム水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度継続し、その後、24時間静置した。
この際に、ジェル(コーティング用組成物の「態様B」)調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製:容量=約1000mL(ミリリットル)、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液−増粘剤の混合物はジェル化し、本発明のコーティング用組成物が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
実施例A1a(時間経過による粘度変化の確認)
上記実施例A1で得たコーティング用組成物において、その時間経過による粘度変化の有無を確認した。
<保存条件>
実施例A1において得た密閉容器内のコーティング用組成物を、25℃、常圧の条件下で保存した。
<粘度変化の確認方法>
確認方法:各時間経過後のコーティング用組成物の粘度を、目視の方法により確認した。
確認した経過時間:コーティング用組成物調製後、24時間、48時間、ないし1週間程度まで観察した。
<粘度変化の確認結果>
コーティング用組成物調製後、24時間〜48時間の期間で、粘度の変化は観察されなかった。なお、上記「メトローズ」以外の増粘剤を使用した場合には、粘度が上昇や下降する現象も観察された。なお、このように粘度が上昇した場合であっても、本発明のジェル(コーティング用組成物の「態様B」)剤の使用・効果に実質的な悪影響は無かった。
実施例A1b
上記実施例A1において使用した増粘剤たる「メトローズ90SH−100000(規格粘度値:4,100〜5,600mPa・s)、および60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)」に代えて、以下の「表1」に示すコーティング用組成物調製用の増粘剤を用いた以外は、実施例A1と同様にして、合計26種類のコーティング用組成物を得た。結果を、[表A1]に示す。
[表A1]
<コーティング用組成物調製用の増粘剤>

*1:2%水溶液,
*2:1%水溶液
*3:5%水溶液
*4:1%未中和分散液
<メトローズの官能基>
・90SH−100000:メトキシ基=(19〜24)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜12.0)
粘度(mPa・S):4,100〜5,600
・90SH−30000:メトキシ基=(19〜24)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜12.0)
粘度(mPa・S):25,000〜35,000
・90SH−15000:メトキシ基=(19〜24)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜12.0)
粘度(mPa・S):12,000〜18,000
・65SH−15000:メトキシ基=(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):12,000〜18,000
・65SH−4000:メトキシ基=(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):3,500〜5,600
・65SH−1500:メトキシ基=(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):1,200〜1,800
・90SH−100:メトキシ基=(19〜24)
ヒドロキシプロポキシ基=(4.0〜12.0)
粘度(mPa・S):80〜120
・60SH−50:メトキシ基=(28〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(7.0〜12.0)
粘度(mPa・S):80〜120
・60SH−06:メトキシ基=(28〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(7.0〜12.0)
粘度(mPa・S):4.8〜7.2
・SM−04:メトキシ基=(27.5〜31.5)
粘度(mPa・S):3.2〜4.8
・60SH−03:メトキシ基=(28〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=(7.0〜12.0)
粘度(mPa・S):2.4〜3.6
<HECの官能基>
・AX15:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):20,000〜35,000
・SZ25F:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4,000〜6,000
・AL15:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):20〜30
<HECダイセルの官能基>
・SP900:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4,000〜5,500
・SE900:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4,000〜5,500
・SE400:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):80〜130
・SP200:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):80〜170
<サンヘックの官能基>
・HECHH:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):3,400〜5,500
・HECL:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):75〜180
<CMCダイセルの官能基>
・CMC2260:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):4000〜6000
エーテル化度:0.89(0.8〜1.0)
<キコレートの官能基>
・F−120:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):150〜200
置換度:0.56(0〜3)
<ハイビスワコーの官能基>
・ハイビスワコー103:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):17800(13000〜27000)
(1%未中和400)
・ハイビスワコー104:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):25800(22000〜40000)
(1%未中和2500)
・ハイビスワコー105:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):10200(7000〜14000)
(1%未中和5000)
<EMALEXの官能基>
・EMALEX2420:ヒドロキシル基=47.97%
HLB値:12
なお、上記「規格増粘値(mPa・s)」に示した値は、各メーカーのWebサイトおよび商品カタログから入手したものである。
信越化学工業株式会社HP:http://www.metolose.jp/
http://www.metolose.jp/industrial/metolose.html
カタログ
住友精化株式会社HP:https://www.sumitomoseika.co.jp/
https://www.sumitomoseika.co.jp/product/detail.php?id=127
ダイセルファインケム株式会社HP:http://www.daicelfinechem.jp/
http://www.daicelfinechem.jp/business/wspdiv/hec.html
http://www.daicelfinechem.jp/business/wspdiv/cmc.html
三晶株式会社HP:http://sansho.co.jp/
カタログ
ニチリン化学工業株式会社HP:http://www.nichirin−chem.co.jp/
カタログ
和光純薬工業株式会社HP:http://www.wako−chem.co.jp/
http://www.wako−chem.co.jp/kaseihin/hiviswako/
日本エマルジョン株式会社HP:https://www.nihon−emulsion.co.jp/
https://www.nihon−emulsion.co.jp/products/emalex
[実施例A1c]
(製造方法Nによるコーティング用組成物の調製;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
容量3000ミリリットルのパイレックス製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の990gを入れた。次いで攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、該精製水に、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ90SH−100000(規格粘度値:4,100〜5,600mPa・s)、または60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)の10gを、上記精製水中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度続けた後、12時間静置した。
上記操作により、1%増粘剤水溶液を調製した。
次いで、上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに、0.1%水酸化カルシム含有ジェル(コーティング用組成物の「態様B」)を調製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた1%増粘剤水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを、約5分間かけて徐々に加え、次いで同条件で攪拌を約3分間継続し、その後、24時間静置した。
この水酸化カルシウム粉体を混合する際に、ジェル(コーティング用組成物の「態様B」)調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製;容量=約1000mL、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、1%増粘剤水溶液−0.1%の水酸化カルシウムの混合物はジェル化し、本発明のコーティング用組成物が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
上記の操作で使用した増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ90SH−100000(規格粘度値:4,100〜5,600mPa・s)、および60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)に代えて、上記表1で示した各「増粘剤」を用いた以外は、上記操作と同様にして、上記表1で示した各「増粘剤」を用いたコーティング用組成物を得た。
上記した各種の増粘剤に関しては、以下の結果が得られた。
<メトローズ>
・(全般)酸及び塩基の影響を比較的受けにくく、所定の粘度を発現した。なお、メトローズ使用の場合、1年以上保存した場合でも、粘度の低下は見られなかった。
・90SH−100000:粘度固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・90SH−30000:粘度やや固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・90SH−15000::粘度やや固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・65SH−15000:粘度やや固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・65SH−4000:良好
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・65SH−1500:粘度やや緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・90SH−100:粘度緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・60SH−50:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
・60SH−06:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
・SM−04:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
・60SH−03:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
<HEC>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・AX15:粘度固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・SZ25F:粘度固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・AL15:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
<HECダイセル>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・SP900:粘度固め良好
(製造方法M)「粘度強め」
(製造方法N)「粘度強め白濁」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・SE900:粘度固め良好
(製造方法M)「はちみつ状⇒24時間後良好」
(製造方法N)「はちみつ状⇒24時間後良好」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・SE400:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
・SP200:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
<サンヘックの官能基>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・HECHH::粘度固め良好
(製造方法M)「粘度強め」
(製造方法N)「粘度強め白濁」
様態Bで推奨であるが、製造直後の泡立ちなどから製造直後の泡沫状態で使用するなら様態Aでも有効である。
・HECL:粘度水状緩め
(製造方法M)「24時間後良好」
(製造方法N)「24時間後良好」
比較的様態Aで推奨する。
<CMCダイセル>
・CMC2260:
(製造方法M)「ゼリー状」
(製造方法N)「ゼリー状と硬めジェル(コーティング用組成物の「態様B」)分離」
<キコレート>
(全般)金属イオンや塩の混入に対して影響を受け易い傾向があった。二価塩金属類とは相性が良いものと悪いものがある。PH10以上で粘度は低下する傾向がある。
・F120:粘度水状緩め
(製造方法M)「水状」
(製造方法N)「水状」
<ハイビスワコー>
(全般)有効pH範囲(1%増粘液):
ハイビスワコー103:5.5〜10,
ハイビスワコー104:5〜10.5,
ハイビスワコー105:4〜11
金属イオンに対する安定性:
ハイビスワコー103:やや不安定
ハイビスワコー104:やや不安定
ハイビスワコー105:安定
・ハイビスワコー103
(製造方法M)「ゼリー状/ダマ有・pH低下」
(製造方法N)「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」
・ハイビスワコー104
(製造方法M)「ゼリー状/ダマ有・pH低下」
(製造方法N)「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」
・ハイビスワコー105
(製造方法M)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」
<EMALEX>
(全般)イソ分岐高級アルコールに酸化エチレンを付加重合して得られるエーテル化物。アルキル基にイソ分岐を持っているので直鎖型より融点が低い。
・EMALEX2420:"成分:ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル
(製造方法M)粘度が非常に弱い。
(製造方法N)薄白濁で粘度が非常に弱い
上記で得られた各種ジェル剤の評価結果等を、下記の[表A2]に示した。
<シェリールジェル製造における配合増粘剤検証結果表>
[表A2]
(表2)


実施例A2(粘弾性測定)
実施例A1により得られた「本発明に従うコーティング用組成物」の8検体(製造年月日が異なる;保存は常温)について、以下の条件で粘弾性を測定した(測定日時:2016年1月28日(木)13:00〜16:00)。
・試験場所:栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)
・測定機メーカー:HAAKE(ハーケ)[ドイツ国];型式:レオストレスRS600
<測定サンプル>
・検体1:サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
・検体2:サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日) ・
・検体3:サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日) ・
・検体4:サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日) ・
・検体5:サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日) ・
・検体6:サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
・検体7:サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
・検体8:サンプル番号tepika_4C10 市販アルコール性ジェルサンプル(健栄製薬株式会社製)
・粘弾性測定装置レオストレスRS600に下記測定条件を設定、測定器具を装着し、検体1〜8を測定した。
センサー:C35/1°CE(サンプル量0.200cm3;測定範囲100〜106Pa・S)
*粘度目安を参考に、粘度をサラダオイル(60〜80)からシャンプー(2,000〜3,000)までの間と想定し、測定範囲内のセンサーを選定した。
測定温度:25℃
常温保存を想定し決定した(特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした)。
せん断速度:60秒間で、0から200(1/S)まで連続的に増加させた後、続いて200(1/S)から0まで連続的に減少させる。
dγ/dt[1/s]:特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした。
得られた結果を、下記の[表A3]に示す。
[表A3]
測定が落ち着く中間点のせん断速度100dγ/dt[1/s]あたりを基準とし各サンプルを比較

[実施例A2a]
(粘弾性測定)
実施例A1により得られる「本発明に従うコーティング用組成物」で、水酸化物は、水酸化カルシウム(例えば、シェリール=焼成カルシウム)パウダーのほかに水酸化マグネシウム(純薬工業社製http://www.hpc−j.co.jp/products/67951/)、増粘剤は、実施例A1bから選び17検体(製造年月日が異なる;保存は常温)得て、それらについて、以下の条件で粘弾性を測定した(測定日時:2017年8月31日(木)13:00〜16:00)。
・試験場所:栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)
・測定機メーカー:HAAKE(ハーケ)[ドイツ国];型式:レオストレスRS600
<測定サンプル>
・検体1:サンプル番号Ca(OH)2_hecax15_20170831 製造直後サンプル (製造日:2017年8月31日当日)
・検体2:サンプル番号Ca(OH)2_hecsz25F_20170829 2日経過後サンプル(製造日:2017年8月29日)
・検体3:サンプル番号Ca(OH)2_hecsz25F_20170831 製造直後サンプル (製造日:2017年8月31日当日)
・検体4:サンプル番号Ca(OH)2_hecHH_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体5:サンプル番号Ca(OH)2_hecHH_20170831 製造直後サンプル (製造日:2017年8月31日当日)
・検体6:サンプル番号Mg(OH)2_hecHH_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体7:サンプル番号Ca(OH)2_hecSE900_20170829 2日経過後サンプル(製造日:2017年8月29日)
・検体8:サンプル番号Ca(OH)2_hecSE900_20170831 製造直後サンプル(製造日:2017年8月31日当日)
・検体9:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20160408 16か月経過後サンプル(製造日:2016年4月8日)
・検体10:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体11:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100000_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体12:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20170831 製造直後サンプル(製造日:2017年8月31日当日)
・検体13:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100000_20170831 製造直後サンプル(製造日:2017年8月31日当日)
・検体14:サンプル番号Ca(OH)2_65SH4000_20150720 25か月経過後サンプル(製造日:2016年7月20日)
・検体15:サンプル番号Ca(OH)2_65SH4000_20160121 19か月経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
・検体16:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体17:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100_20170825 6日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・粘弾性測定装置レオストレスRS600に下記測定条件を設定、測定器具を装着し、検体1〜17を測定した。
センサー:C35/1°CE(サンプル量0.200cm3;測定範囲100〜106Pa・S)
*粘度目安を参考に、粘度をサラダオイル(60〜80)からシャンプー(2,000〜3,000)までの間と想定し、測定範囲内のセンサーを選定した。
測定温度:25℃
常温保存を想定し決定した(特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした)。
せん断速度:60秒間で、0から200(1/S)まで連続的に増加させた後、続いて200(1/S)から0まで連続的に減少させる。
dγ/dt[1/s]:特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした。
得られた結果を、下記の[表A4]に示す
[表A4]
測定が落ち着く中間点のせん断速度100dγ/dt[1/s]あたりを基準とし各サンプルを比較

この結果から、各非イオン系増粘剤とCa(OH)2水溶液に替えて水酸化マグネシウムMg(OH)2など他の水酸化物などのアルカリ性水溶液との相性は問題ないと考えてもよさそうである。また、各メーカーによって官能基の異なる規格の増粘剤が存在するが、粘度タイプから本発明のコーティング用組成物の推奨態様もイメージできると思慮される。
実施例A3(pH測定)
1. 実施日時 2016年1月28日(木)10:00〜11:30
2. 場所 栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20 )
3. 測定機 メーカー: HORIBA 型式:6366C
4.<サンプル>
検体1: サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
検体2: サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日)
検体3: サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日)
検体4: サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日)
検体5: サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
検体6: サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
検体7: サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
検体8: シェリールパウダー水溶液(増粘剤配合前)
5.方法
・堀場製作所製「pH標準液 100−9」(Ph:9)で、サンプル計測前に電極を洗浄し補正する。
・補正後、検体1〜8を測定。各検体計測前に「pH標準液 100−9」で電極を洗浄する。
・計測時間は電極挿入後、3分間とした。
得られた結果を、[表A5]に示す
[表A5]

[実施例A3a](pH測定)
1. 実施日時 2017年8月29日(日)10:00〜11:30
2. 場所 栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20 )
3. 測定機 メーカー: HORIBA 型式:9611 製造番号:852124
4.<サンプル>
・検体1:サンプル番号Ca(OH)2_65SH4000_20150720 25か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日)
・検体2:サンプル番号Ca(OH)2_65SH4000_20160121 19か月経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
・検体3:サンプル番号Ca(OH)2_90SH15000_20160408 16か月経過後サンプル(製造日:2016年4月8日)
・検体4:サンプル番号Ca(OH)2_90SH30000_20160408 16か月経過後サンプル(製造日:2016年4月8日)
・検体5:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20160408 16か月経過後サンプル(製造日:2016年4月8日)
・検体6:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体7:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体8:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体9:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100000_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体10:サンプル番号Ca(OH)2_hecHH_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体11:サンプル番号Mg(OH)2_hecHH_20170825 4日経過後サンプル(製造日:2017年8月25日)
・検体12:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100_20170829 製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
・検体13:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100_20170829 製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
・検体14:サンプル番号Ca(OH)2_90SH100000_20170829 製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
・検体15:サンプル番号Mg(OH)2_90SH100000_20170829製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
・検体16:サンプル番号Ca(OH)2_hecHH_20170829 製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
・検体17:サンプル番号Mg(OH)2_hecHH_20170829 製造直後サンプル (製造日:2017年8月29日当日)
5.方法
・サンプル計測前に電極を洗浄し、堀場製作所製「pH標準液 100−9」(Ph:9)および関東化学株式会社製「中性りん酸塩pH標準液」(pH:6.86)で2点補正する。
・補正後、検体1〜17を測定。各検体計測前に各検体計測前に SQ水(超純水)で電極を洗浄する。
・計測時間は電極挿入後、1分間くらいから数値安定までとした。
得られた結果を、[表A6]に示す。
[表A6]


<粘度およびpH安定性の確認>
この結果から、粘度タイプの違いによる強アルカリ水溶液との相溶性やpH安定性に問題はないことが判明した。
実施例A4(増粘剤スクリーニング)
本発明においては、以下の方法により、本発明のコーティング用組成物の調製に適した「増粘剤」を簡便にスクリーニングすることができる。以下の手順から明らかなように、相当数(例えば、異なる増粘剤の10〜50検体程度)は、並列的にスクリーニングすることが可能である。
なお、この際の「スクリーニング」において用いる「具体的な増粘剤」等の条件は、あくまで該「スクリーニング」目的においてのみ用いるべき条件である。すなわち、この「スクリーニング」で用いた条件は、本発明のコーティング用組成物の他の態様(例えば、その製造、使用等の実施条件)を何ら限定するものではない。
具体的には、以下の手順で行う。
(1)実施例A1におけるものと同様に、「0.1%」濃度のCa(OH)2水溶液を調製する。
(2)実施例A1におけるものと同様に、スクリーニング対象たる「増粘剤」を、上記Ca(OH)2水溶液に添加して、得られた混合物のゲル化状態を目視でチェックする(例えば、「増粘剤」の種類によって、溶液状態となることがある)。
(3)更に、長時間(例えば、24時間後)に、ゲル化状態の持続性を目視でチェックする。
(4)更に長時間(例えば、1週間程度)で、ゲル化状態をチェックする。
(5)「0.1%」濃度のCa(OH)2水溶液に替えて水酸化マグネシウムMg(OH)2などの他の水酸化物でも実施できる。
本発明において、好適に使用可能な増粘剤のいくつかの例(メトローズ)を、以下の[表A7]〜[表12]に示す(信越化学工業(株)、2013年5月発行のカタログ「メトローズ 水溶性セルロースエーテル」より)。
[表A7]



[表A8]

[表A9]


[表A10]


[表A11]



[表A12]


実施例B
態様A:(低粘度=泡立ち性組成物[液状コーティング用組成物])
実施例B1(泡立ちにおける起泡力の測定;体官能評価)
以下の方法により、新機能化学(株)の施設内において「泡立ちやすさ」(起泡力)、および、泡の消えにくさ(安定性)を測定した。なお、このような「泡立ちやすさ」、および、泡の消えにくさの測定に関しては、必要に応じて、文献(オレオサイエンス第1巻第8号、第863〜870頁、2001年)を参照することができる。
<試料>
(1)本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物[泡立ち性組成物[液状コーティング用組成物](実施例Aにおける増粘剤として60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)使用の調製品)
成分:精製水、水酸化カルシウム水溶液、増粘剤(信越化学工業株式会社製「メトローズ」60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s);ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(2)(株)大創産業[製造:エオリア(株)]薬用泡ハンドソープ
有効成分:トリクロサン
その他の成分:水、ラウリン酸、ミリスチン酸、水酸化K、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、グリセリン、ヒアルロン酸Na−2、アロエエキス(2)、香料、エタノール、EDTA−4Na、BHT、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルパラベン、乳酸、フェノキシエタノール、無水亜硫酸Na、安息香酸Na、DL−リンゴ酸
(3)ライオン(株)社製「薬用キレイキレイ泡ハンドソープ」
有効成分:イソプロピルメチルフェノール
その他の成分:PG、ソルビット液、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液、水酸化K、ミリスチン酸、モノエタノールアミン、香料、ラウリルジメチルアミンオキシド液、塩化ジメチルジアリルアンモニュウム・アクリルアミド共重合体液、EDTA、ポリスチレンエマルジョン、安息香酸塩、赤401
検査項目:泡立ちやすさ(起泡力)および、泡の消えにくさ(安定性)
検査手法:使用器具(図2−1)
(A)泡フォームボトル(東京ライト工業、商品名:ポンプフォーマーM1)
容器容量:50mL、ディスペンサ:0.37cc
(B)計量カップ(ニッコーハンセン製、商品名:PPディスポビーカー)
容器容量:100mL
(C)測定用カップ(大創産業、商品名:計量カップ)
容器容量:250ml
<泡立ちやすさ(起泡力)の測定>
以下の方法で、各測定対象の「泡立ちやすさ」を、泡の体積で確認した。
測定対象の溶液を、計量カップ(B)で50ml計量し、(A)泡フォームボトル(A)に充填した後、測定用カップ(C)に10回のプッシュ分を受け、該泡沫の体積を確認した。上記した本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物と、上記した市販品2品との計3種類について、それぞれN=5回行い、画像など記録を取った。この際、画像は、ipHone6s(登録商標)(Aップル社)を用いて記録した。
なお、計量、充填、ディスペンサをプッシュする作業は、1人の担当者で行った。
<結果>
上記試験により得られた結果を、図2−2に示す。
実施例B2(pH安定性の確認)
本発明の「低粘度態様Aのコーティング用組成物」(実施例Aにおける増粘剤として60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)使用の調製品)を用いて、以下の方法により、pH安定性を測定した。
・実施日時:第1回目 2016年8月6日(土) 10:00〜11:00
第2回目 2016年9月6日(火) 10:00〜11:00
・場所:新機能科学株式会社 本社 栃木県下野市笹原90−7
・サンプル 試料1A:本発明の「「低粘度態様A」のコーティング用組成物」(2016年7月6日製造)
試料1B:本発明の「「低粘度態様A」のコーティング用組成物」(2016年7月28日製造)
検査方法:製造後、1週間、1ヶ月、2ヶ月経過した製品のpHを試験紙で確認
製造後、泡フォームボトル(D)(大創産業製、商品名:泡ポンプボトル、容器容量:350mL)で上記期間保存。該保存の後、pH試験紙に対してディスペンサー(図3−1)から泡を噴霧して、pHを確認した。
<結果>
上記試験により得られた結果を、図3−2〜図3−3に示す。
これらの図に示すように、製造後2ケ月経過しても、pH値が安定していることが確認された。
実施例B3(泡立ちにおける起泡力の測定;機器分析)
以下の方法により、機器分析に基づき、泡立ちにおける「起泡力」を測定した。
<測定方法・条件>
1.実施日時:2016年8月4日(木) 9:30〜11:00
2.場所:地方独立行政法人大阪市立工業研究所 生物・生活材料研究部 香粧品材料研究室(大阪市城東区森之宮1−6−50)
3.測定機:ロスマイル法測定装置
4.サンプル:実施例B1と同じ(3種類)
本測定は、大阪市立工業研究所から「装置」を賃借して、社内メンバーにより測定(検査手法:ロスマイル法による起泡力測定)を行った。ここで使用した「装置」等の詳細に関しては、必要に応じて、下記のURL(大阪市立工業研究所)を参照することができる。http://www.omtri.or.jp/
本実施例B3で用いた「ロスマイル法による測定装置」の外観を、図4−1に示す。本実施例B3で用いた試料の態様を、図4−2に示す。また、同装置の概略図を、図4−3に示す。また、本実施例Aで用いた「ロスマイル法による測定方法」概略を下記[表B1]、結果を表B2に示す。
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の「落下直後」〜「5分後」までの測定結果を、図4−4に示す。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「3種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図4−5のグラフに示す。
[表B1]



[表B2]


実施例B3a(泡立ちにおける起泡力の測定;機器分析)
以下の方法により、機器分析に基づき、泡立ちにおける「起泡力」を測定した(なお、以下に示す以外の条件は、上記「実施例B3」におけるものと同様である)。
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の「落下直後」〜「10分後」までの測定結果を、下記の表に示す。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「7種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図5−1のグラフおよび[表B3]に示す。また、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「11種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図5−2のグラフおよび[表B4]に示す。更に、上記した本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた試料の起泡状態の一例の写真を、図5−3、図5−4に示す。
シェリールフォーム 「泡の気泡力」および「安定性」の測定
1. 実施日時 2017年9月14(金)、10:00〜12:00
2. 場所 地方独立行政法人大阪産業技術研 究所生物・生活材料研究部
大阪市城東区森之宮1-6-50
3. 測定機 ロスマイル法測定装置
[表B3]


[表B4]

上記の表に示すように、ここで用いた(水酸化物+増粘剤)の組み合わせは、以下の通りである(実施例B3で用いた組み合わせ(1)〜(3)を除く)。
(4)Mg(OH)2+60SH−06
(5)Mg(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース
(6)Ca(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース
(7)Ca(OH)2+90SH−100
上記の表に示すように、ここで用いた(水酸化物+増粘剤)の組み合わせは、以下の通りである(実施例B3で用いた組み合わせ(1)〜(3)を除く)。
(4)Ca(OH)2+60SH−03
(5)Mg(OH)2+60SH−03
(6)Ca(OH)2+SM−4(信越化学工業製メチルセルロース)
(7)Mg(OH)2+SM−4
(8)Ca(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(9)Mg(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(10)Ca(OH)2+HEC AL−15(住友精化製ヒドロキシエチルセルロース)
(11)Ca(OH)2+HEC SP200(ダイセルファインケム製ヒドロキシエチルセルロース)
実施例B4(表面張力の測定;機器分析)
検査機関:地方独立行政法人大阪市立工業研究所(http://www.omtri.or.jp/)
検査手法:表面張力測定および動的表面張力測定
試験報告日:平成28年8月29日
<試験方法1:表面張力測定>
測定方法:白金板吊板式
表面張力計:協和界面科学株式会社製 CBVP−A3
<測定結果>
<試料> <表面張力(mN/m)>
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム) 45.8
L社薬用泡ハンドソープ 31.7
D社薬用泡ハンドソープ 27.7
<試験方法2:動的表面張力測定>
<表面張力の時間変化>
試験方法:最大泡圧法
測定機器:クルス社製BP−2(最大泡圧法)
25℃で測定。試料溶液の密度は、水の値を用いた。
<結果>
以下の表B5〜表B8、および図6に示す通りであった。
[表B5]


[表B6]



[表B7]

[表B8]




実施例B5<増粘剤の違いによる起泡力確認>
1.実施日時:2016年8月6日(土) 10:00〜11:00
2.場所:新機能科学株式会社 本社(栃木県下野市笹原90−7)
3.測定器具:実施例B1で使用したものと同
4.サンプル:
試料1:シェリールフォーム(増粘剤60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s))
試料2:シェリールジェル(増粘剤65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))
試料3:シェリールジェル(増粘剤95SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))
5.検査方法:泡立ちやすさを泡の体積で確認した。
<測定方法>
対象溶液を計量カップ(B)で50ml計量し、泡フォームボトル(A)に充填後、計測用カップ(C)に10プッシュ分を受け泡沫の体積を確認した。
計量、充填、ディスペンサをプッシュする作業は、1人の担当者で行った。
<結果>
図7に示す通りであった。
増粘剤は粘度の高いタイプより、低粘度のタイプの方が泡を形成しやすい傾向があった。なお、高粘度タイプであっても製造攪拌直後は、泡立ち、製造直後に泡沫で使用するのには、なんら差し支えない。
なお、図1を参照した説明は以下の通りである。
気泡形成速度は、60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)>60SH−50(規格粘度値:40〜60mPa・s)>60SH−1万(規格粘度値:8,000〜12,000mPa・s)の順番で速かった。
これは、低粘度の60SHタイプの方が高粘度タイプより溶液中で拡散し易いため、起泡の形成が速く、粒径が小さい泡が形成され易いためと推定される。
60SH−1万(規格粘度値:8,000〜12,000mPa・s)では、60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)、60SH−50(規格粘度値:40〜60mPa・s)と同一の濃度では粘性が高いため、泡を巻き込むための力が必要であり,泡立ちがより難しくなるためと推定される。
メトローズ(60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)、43mN/m(25℃))と、界面活性剤[表面張力32mN/m(25℃)では、界面活性剤の方が、表面張力が低く泡が形成され易い。
(実施例Bにおける「結果」の考察)
この結果から、増粘剤は、粘度の高いタイプより、低粘度のタイプの方が泡を形成しやすいことが判明した。
なお、実施例Aの記述にもある通り、攪拌製造直後は、高粘度であっても泡立つことはわかっている。高粘度増粘剤を配合し得られた本発明のコーティング用組成物は、製造直後に泡沫で使用するのにはなんら差し支えない。
<pH安定性の確認>
この結果から、低粘度タイプの増粘剤であっても強アルカリ水溶液との相溶性やpH安定性に問題はないことが判明した。
<泡の起泡力−泡立ちの速さ>
上記の「泡立ちの良さ」、口スマイル法による「泡立ち易さ」の結果から、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム))と類似の市販品との間で、検査動作直後の泡立ちにおいては、大きな差異が見られないことが判明した。よって、通常の使用法においては、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の塗布後、手指などに「なじませる」こと等が多いと考えられることから、「塗布直後の泡の感覚」がポイントとなることが推定される。この観点からは、界面活性剤に依存しない態様であっても、「泡立ちの良い製品」を製造することが可能であることが判明した。
<泡の消えにくさ(泡切れの遅さ)−泡切れの速さ>
上記の「口スマイル法」(機器分析)、および社内検査(官能検査)における「泡立ち易さ」の消泡スピード結果のデータからは、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム)と類似の市販品との間では、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の方が、消泡の速度が速いことが判明した。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物において「塗布後のすすぎ不要」を好ましいとする態様(すなわち、泡切れの速さが好ましいとする態様)においては、泡の「あと残り感」は、かえってデメリットとなる恐れがある。よって、「泡切れの速さ」が重要な態様においては「泡切れの速さ」を発揮することが好ましい。
なお、本発明の泡立ち性組成物[液状コーティング用組成物は泡切れをすばやくするためなどの目的で消泡剤などを用いなくても、水+水酸化物+増粘剤のみであっても「泡切れの速さ」を発揮することが可能である。この点に関しては、必要に応じて、以下の論文を参照することができる。
・「関西ペイント(株)発行の論文集:「塗料の研究」No.156 Oct.2014;SD研究所第2研究部青木健二氏著「泡の安定化と消1泡機構に関する考察(Consideration on Foam Stabilization and Defoaming Mechanism)。
<実施例C1>
(本発明の組成物により形成されたコーティング膜のpH測定)
本発明の組成物により形成されたコーティング膜のpH測定を、以下の方法で行った。
(1)検査場所:〒321−3226 栃木県宇都宮市ゆいの杜1−5−20
栃木県産業技術センター 食品技術部 食品加工研究室
・サンプル調製場所:栃木県下野市笹原90−7、新機能科学株式会社 ラボ内
(2)検査日時:2017年11月2日(木)13:00〜16:00
(3)検査機:紫外可視分光光度計
http://www.iri.pref.tochigi.lg.jp/index.php?id=553
メーカー:島津製作所 型式:UV−2450 CAT.NO.:206−54500−91; シリアル番号:A10354100593LP
pH測定器
メーカー:HORIBA 型式:9611 製造番号:852124 型式認証:第S972号
・なお、このようなpH測定器のキャリブレーションに関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。
URL:http://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/ph-knowhow/qa-ph/calibration/1/
iii)秤量器
メーカー:メトラー・トレド株式会 製品:XPEミクロ天びん
(4)検査方法
(4.1)検査材料
(A)ディスポセル
ディスポセルの写真を、[図8]に示す。
メーカー:アズワン株式会社 型番:ST−PS
商品名:アズラボディスポセル (可視光用) スタンダードタイプ
仕様:透過面:2面,材質:PS(ポリスチレン),測定領域:320〜800nm,サイズ:12.5×12.5×45mm,光路幅:10mm,光路長:10mm,容量:4.5 mL
(B) 塗布対象物(被コーティング物)
塗布対象物の一態様を、[図9]の写真に示す。
メーカー:株式会社まるき(100円ショップ「ダイソー」にて購入)
商品名:シリコーン製おかずカップ8号
仕様:材質:シリコーン樹脂,サイズ:上面φ(直径)62mm・底面φ45mm、高さ25mm,耐熱温度:230℃,耐冷温度:マイナス30℃
(C)pH指示薬
・フェノールフタレイン溶液 pH測定用;メーカー:林純薬工業株式会社 商品コード45000303
変色範囲:pH7.8(黄色)〜10.0(紅色)
・ブロモチモールブルー溶液 pH測定用;メーカー:林純薬工業株式会社 商品コード45000093
変色範囲:pH6.0(黄色)〜7.6(青色)
(D)洗浄用蒸留水
共栄蒸留水;メーカー:共栄製薬株式会社
規格:改正第15局日本薬局方「精製水」純度試験,JIS K0557のA4クラス
(4.2)検査手順
(4.2.1)検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)のアルカリ性確認
1)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]
2)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]
3)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC−AX15[1%]
を入れ上記(4.1)(C)フェノールフタレイン溶液で、アルカリ性を確認する
・PPディスポビーカー(容量:100mL(ミリッリトル))に、本発明のコーティング用組成物をスプレーし上記(4.1)(C)フェノールフタレイン溶液で、アルカリ性を確認した([図10]に写真を示す)。
・PPディスポビーカー;メーカー名:ニッコー・ハンセン株式会社品番:301407
(4.2.2)検証用蒸留水の中性確認
上記のPPディスポビーカーに上記(4.1)(D)の蒸留水(10mL)を注ぎ、(4.1)(C)ブロモチモールブルー溶液で、中性の領域であることを確認した([図11]に示す)。
(4.2.3)測定用サンプル調製
以下の手順により、測定用サンプルを3種類調製した。
(P1)シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)
・上記(4.1)(A)ディスポセルに検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)を適量4.5ml入れる。
・(4.1)(B)シリコーン製「おかずカップ8号」(株式会社まるき製)に、上記検証用シェリールジェル4.5mlを入れる
・該コーティング用組成物を、シリコーンカップになじませる。この際、コーティング用組成物を入れたシリコーンカップを手に持ち、室温で約1分間ゆっくりと振盪(直径が約10cm程度の円弧を描くように振盪)させて、該シリコーンカップの内面に、本発明のコーティング用組成物を馴染ませて付着させる。その後、該シリコーンカップを、そのままの状態で、約1分間静置する。次いで、該シリコーンカップをゆっくりと傾けて、余分な(すなわち、シリコーンカップ内面に付着しなかった)本発明のコーティング用組成物を捨てる。
(P2)シェリールジェル本発明のコーティング用組成物をスプレーで2回噴霧
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(4.1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号」の内面に、上記スプレー組成物を、2回スプレーにより塗布する。
その後、該シリコーンカップを、そのままの状態で、約1分間静置する。次いで、該シリコーンカップをゆっくりと傾けて、余分な(すなわち、シリコーンカップ内面に付着しなかった)本発明のコーティング用組成物を捨てる。
(P3)シェリールジェル本発明のコーティング用組成物をスプレーで1回噴霧
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(4.1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号」の内面に、上記スプレー組成物を、1回スプレーにより塗布する。
・該コーティング用組成物を、シリコーンカップになじませる。この際、コーティング用組成物を入れたシリコーンカップを手に持ち、室温で約1分間ゆっくりと振盪(直径が約10cm程度の円弧を描くように振盪)させて、該シリコーンカップの内面に、本発明のコーティング用組成物を馴染ませて付着させる。その後、該シリコーンカップを、そのままの状態で静置する。
・上記操作により、「なじませた」(すなわち、シリコーンカップ内面に付着した)シェリールジェルの重量を計測する。この際には、下記の操作により乾燥させた後のカップの重量を計測して、シリコーンカップの内面に付着した」本発明のコーティング用組成物の量を確認する。
(4.2.4)測定用サンプルの種類
乾燥条件による変動を確認するために、「乾燥条件」が異なる以下の3種類の「本発明のコーティング用組成物が付着」したシリコーンカップを調製した。
(1)サンプルi)高粘度様態B サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC−AX15[1%]、 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%];「上記サンプル調整(P1);上記「(4.2.3)測定用サンプル調製」の(P1))
シリコーンカップ黄色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ黄色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ黄色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(2)サンプルii)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] 上記サンプル調整(P1)
シリコーンカップ黄色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ黄色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ黄色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
・上記と同様に、シリコーンカップになじませる。
・乾燥後のカップの重量を計測し本発明のコーティング用組成物の量を確認する
(3)(サンプルiii)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] 上記サンプル調整(P2)
上記(B)シリコーン製おかずカップ8号(株式会社まるき製):桃色
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(4.1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号桃色」の内面に、上記スプレー組成物を、2回スプレーにより塗布する。
・上記スプレーにより、本発明のコーティング用組成物をシリコーンカップに「なじませ」、その後、余分な本発明のコーティング用組成物を捨てる。
<乾燥条件>
シリコーンカップ桃色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ桃色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ桃色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(4)(サンプルiv)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%];上記サンプル調整(P3)
上記(4.1)(B)シリコーン製おかずカップ8号(株式会社まるき製):青色
・検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填する。
・上記(4.1)(B)シリコーン製おかずカップ8号桃色に、上記と同様に、スプレーで1回塗布する。
・上記と同様に、シリコーンカップになじませる。
・乾燥後のカップの重量を計測し本発明のコーティング用組成物の量を確認する
<乾燥条件>
シリコーンカップ青色(株式会社まるき製)(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ青色(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ青色(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(4.2.5)pH検証工程
・ i)pH検証商品基剤容量を推定する
≪推定方法≫
メトラー・トレド株式会XPEミクロ天びんを用いて、商品基剤(すなわち、「本発明のコーティング用組成物の構成成分の一部または全部)塗布乾燥後の各サンプルカップを計量しpH検証にかける基剤の容量を推定する。
上記(4.1)(A)ディスポセルに対して、(4.1)(D)の蒸留水を適量約4.5mL入れ、乾燥した上記各サンプルに注ぎ5分間静置し検査対象水溶液を確保する。
静置後、新しい(4.1)(A)ディスポセルに上記検査対象水溶液を注ぎ、(4.1)(C)フェノールフタレイン溶液でアルカリ性を確認する。
上記紫外可視分光光度計を使用し、各サンプルの吸光度を測定する。
サンプル整理 ([ ]内は増粘剤配合割合)
サンプル1:基準A 蒸留水 *1
サンプル2:基準A1 蒸留水+90SH4000[1%] *2
サンプル3:基準A2 蒸留水+60SH06[1%] *2
サンプル4:基準A3 蒸留水+60SH03[2%] *2
サンプル5:基準B 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2] *3
サンプル6:基準B1 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%] *4
サンプル7:基準B2 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH30000[1%] *4
サンプル8:基準B3 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH15000[1%] *4
サンプル9:基準B4 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH4000[1%] *4
サンプル10:基準B5 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] *4
サンプル11:基準B6 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] *4
サンプル12:対象1 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HECマイナスAX15[1%]黄カップ(i) *4
サンプル13:対象2 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HECマイナスAX15[1%]黄カップ(ii) *4
サンプル14:対象3 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HECマイナスAX15[1%]黄カップ(iii) *4
サンプル15:対象4 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(i) *4
サンプル16:対象5 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(ii) *4
サンプル17:対象6 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(iii) *4
サンプル18:対象7 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(i) *4
サンプル19:対象8 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(ii) *4
サンプル20:対象9 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(iii) *4
サンプル21:対象10 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(i) *4
サンプル22:対象11 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(ii) *4
サンプル23:対象12 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(iii) *4
サンプル24:対象13 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(i) *4
サンプル25:対象14 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(ii) *4
サンプル26:対象15 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(iii) *4
*1:蒸留水吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
*2:増粘剤の吸光度影響確認(フェノールフタレイン添加)
*3:増粘剤を配合しない[Ca(OH)2]水溶液吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
*4:おもな商品成分構成吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
pH検証商品基剤推定容量
上記(4.1)(B)シリコンおかずカップ8号基本重量
基準A:計量1回目4.8990g/ 2回目5.1973g平均:5.0481g(小数点以下5桁切捨て)
*1:pH計測推定基剤量 カップ総重量B−基準A
[表C1]



<実施例C2>
(数値データの分析・検討−1)
上記の「実施例C1」で得られた各データを、各項目に分けて、以下にそれぞれ分析・検討する。
上記の「実施例C1」で得られたデータから、「吸光度ピーク時の波長」と「pH」との関係を、まず分析・検討する。
<吸光度ピーク時の波長とpH関連表>
[表C2]


対象のsampleのpHは、水酸化カルシウムの飽和水溶液の理論値12.45で便宜上プロットした。
標準sampleの吸光度とpHの関連(散布図)(図12)と対象の吸光度を比較すると吸光度によるpHの影響は考える必要はなく、かつ比較的強いアルカリ性Ph12〜13程度の液性であると考えてもよさそうである。
対象のsampleの吸光度ピーク時の波長は、551〜553nm内にあり(図13)、標準のsampleとほぼ同色であると考えられる。よって、「対象のsample」比較的強いアルカリ性Ph12〜13程度の液性であると思量した。
<実施例C3>
(数値データの分析・検討−2)
上記の「実施例C1」で得られたデータから、「吸光度スペクトル面積」相互の関係を、次いで分析・検討する。
上記の「実施例C1」で得られた吸光度スペクトルデータグラフの一例を図14−図20に示す。
吸光度スペクトル面積比較
この「吸光度スペクトル面積比較」の詳細に関しては、後述する「台形近似値の詳細」を参照することができる。
ここでは、各対象サンプルとシェリールパウダー(水酸化カルシウム)水溶液の基準との波形の面積比で検討する。
ここに、面積の計算は、曲線で囲まれた範囲を簡易的に台形の集合体として台形群に分割し、各台形の面積の和とした(以下、このような近似法を、「台形近似積分法」と称する)。
(台形近似法の詳細)
上述した「実施例C1」では、アルカリ性水溶液をフェノールフタレインで着色し、該フェノールフタレインにより緑色の波長が吸収され、該吸収の結果として、赤紫色の「補色」が出現している。そこで、本実施例では、近似色の波長490nm〜青緑(補色:赤)から、580nm黄緑(補色:紫)までの波長間(すなわち、波長490nm〜580nm)と、波長軸(すなわち、X軸)で囲まれた面積を、「面積算出範囲」と設定する。
(エクセルを用いた計算)
この「台形近似積分法」においては、波長490nmを始点a、波長580nmを終点として、その間の「1nm」間隔の台形近似積分(幅を波長×平均の高さを吸光度値)として、「エクセル(登録商標)2013」を用い、以下の方法で簡便に計算することができる。
セルに入力する関数式は、例えば、
・A1〜A20セルにx座標の波長、B1〜B20にy座標の吸光度が入力されているものとし、
・そして、各々の台形の面積をC1〜C19に求める。
・1つ目の台形の面積は、(上底+下底)×高さ/2より、
・C1セルには、=((B1+B2)*(A2−A1))/2
と入力する。
・2つ目以降の台形の面積については、例えば、C2セルでは、=(B2+B3)*(A3−A2)/2となり、
・これらC1〜C19セルの合計を求めればよい。
なお、上記した「台形近似積分法」に関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる(上記の方法に「類似した」考え方)。
URL: http://www.geisya.or.jp/〜mwm48961/koukou/num_integral1.htm
上記した「台形近似積分法」により求めた結果は、以下の通りである
以下の[表C3]〜[表C5]に、波長490nmを始点a、波長580nmを終点の中間点535nm前後5nm前後の結果を抜粋し、記載する。
[表C3]

[表C4]

[表C5]
<実施例C4>
ここでは、上記の「実施例C1」で得られた各サンプルの「透過率」相互の関係を、分析・検討する。
6)透過率
各対象サンプルとシェリールパウダー(水酸化カルシウム)水溶液の基準との対象の透過率比で検討する。吸光度を測定することにより、その物質の濃度を定量的に分析する方法を、一般的には「吸光度分析法」または、「吸光光度法」という。このような「吸光度分析法」ないし「吸光光度法」に関しては、例えば、以下のサイトを、必要に応じて参照することができる。
URL: https://www.gelifesciences.co.jp/technologies/spectro/spectclub/theo_01.html
(ランベルトの法則)
吸光度は、濃度が一定の場合では光が透過する長さ(光路長)に比例する。この法則を、「ランベルトの法則」と呼ぶ。例えば、サンプル溶液に光をあてると、溶けている物質によって光が吸収され、該サンプル溶液を透過する光は弱くなる。その割合のことが、透過率(Transmission)であり、透過率の対数をとって正数としたものが吸光度(Absorbance)である。
サンプル溶液にあてる光(入射光)の強さを「I0」、サンプル溶液を通過した光(透過光)の強さを「I」とすると、透過率(Transmission)、吸光度(Absorbance)は以下の式で表される。
透過率(%T)=(I/I0)×100%
吸光度(A)=−Log10 {(%T)/100)}
=−Log10(I/I0)
=Log10(I0/I)
このような「ランベルトの法則」の関しては、必要に応じて、以下のURL(GEヘルスケア・ジャパン株式会社のホームページ)を参照することができる。
https://www.gelifesciences.co.jp/technologies/spectro/spectclub/image/spect_theo_01_02_l.jpg
[表C6]

実施例D:本発明コーティング用組成物の抗菌・抗ウイルス効果の測定
[実施例D1]
(ジェル状組成物本発明のコーティング用組成物の抗菌効果の測定)
以下の方法により、本発明のジェル状組成物コーティング用組成物の抗菌効果を測定した。
・試験場所:一般財団法人 カケンテストセンター(大阪事業所;大阪市西区)
・微生物:大腸菌 Escherichia coli NBRC 3972
・試験方法: 生菌数108個/mL(すなわち、1×10exp(8)個/mL)に調整した菌液0.1mLを、試料溶液10mLに添加し、指定時間(すなわち、15分間、30分間)静置した。その後、試験液1mLをSCDLPブイヨン培地9mLで不活性化させ、混釈平板培養にて生菌数を測定した。また、対象として、蒸留水で同様の処理を行った。
上記で得られた結果を、下記表[表27]および[図21−1]〜[図21−4]に示す。すなわち、蒸留水(対照)を試料として用いた場合には、初期の生菌数が8.3×10exp(4)個、15分後の生菌数が1.1×10exp(5)個、30分後の生菌数が1.0×10exp(5)個であった。
これに対して、シェリー(シェリー⇒シェリール)水溶液(すなわち「水+水酸化物」の水溶液)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が6.0個、30分後の生菌数が3.5個であった。
更に、シェリージェル(すなわち、実施例A1で得た本発明のコーティング用組成物「水+水酸化物+増粘剤」のジェル)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が1.0個未満、30分後の生菌数も1.0個未満であった。
[表D1]
(ジェル状組成物の抗菌効果の測定)
[実施例D2]
本発明コーティング用組成物の抗ウイルス効果の測定
<試験条件>
試験機関:一般財団法人 北里大学環境科学センター
試験期間:2016年4月26日〜2016年4月27日
作用時間:試験品:15分間;対照:0(ゼロ;初期)、15分間
供試ネコカリシウイルス:ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F−9;ATCC(登録商標) VR−782(商標))
・試験の種類:ウイルス不活化効果試験、作用停止液の有効性確認試験、細胞毒性確認試験
その他の試験条件は、下記表[表D2−1]〜[表D2−5]、および図22に示す通りであった。
[表D2−1]



[表D2−2]


[表D2−3]

[表D2−4]
[表D2−5]



[実施例D3]
(除菌効果試験本発明コーティング用組成物の(除菌効果試験))
試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
試験概要:検体に試験菌液を接種後(以下「試料」という。),所定時間後に試料中の生菌数を測定した。また,あらかじめ予備試験(中和条件の確認)を行い,検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。
試験結果:
結果、試験条件をを下記の下記表[表D3−1]〜[表D3−3]に示した。また,培養後の生菌数測定平板を[図23−1]および[図23−2]に示した。
なお,試料をSCDLP培地で10倍に希釈することにより,検体の影響を受けずに生菌数の測定ができることを予備試験により確認した。
[表D3−1]

[表D3−2]

[表D3−3]

(本発明の組成物により形成されたコーティング膜のpH測定)
本発明の組成物により形成されたコーティング膜のpH測定を、以下の方法で行った。
(1)検査場所:〒321−3226 栃木県宇都宮市ゆいの杜1−5−20
栃木県産業技術センター 食品技術部 食品加工研究室
・サンプル調製場所:栃木県下野市笹原90−7、新機能科学株式会社 ラボ内
(2)検査日時:2017年11月2日(木)13:00〜16:00
(3)検査機:紫外可視分光光度計
http://www.iri.pref.tochigi.lg.jp/index.php?id=553
メーカー:島津製作所 型式:UV−2450 CAT.NO.:206−54500−91; シリアル番号:A10354100593LP
pH測定器
メーカー:HORIBA 型式:9611 製造番号:852124 型式認証:第S972号
・なお、このようなpH測定器のキャリブレーションに関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる。
URL:http://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/ph-knowhow/qa-ph/calibration/1/
iii)秤量器
メーカー:メトラー・トレド株式会 製品:XPEミクロ天びん
(4)検査方法
(4.1)検査材料
(A)ディスポセル
ディスポセルの写真を、[図8]に示す。
メーカー:アズワン株式会社 型番:ST−PS
商品名:アズラボディスポセル (可視光用) スタンダードタイプ
仕様:透過面:2面,材質:PS(ポリスチレン),測定領域:320〜800nm,サイズ:12.5×12.5×45mm,光路幅:10mm,光路長:10mm,容量:4.5 mL
(B) 塗布対象物(被コーティング物)
塗布対象物の一態様を、[図9]の写真に示す。
メーカー:株式会社まるき(100円ショップ「ダイソー」にて購入)
商品名:シリコーン製おかずカップ8号
仕様:材質:シリコーン樹脂,サイズ:上面φ(直径)62mm・底面φ45mm、高さ25mm,耐熱温度:230℃,耐冷温度:マイナス30℃
(C)pH指示薬
・フェノールフタレイン溶液 pH測定用;メーカー:林純薬工業株式会社 商品コード45000303
変色範囲:pH7.8(黄色)〜10.0(紅色)
・ブロモチモールブルー溶液 pH測定用;メーカー:林純薬工業株式会社 商品コード45000093
変色範囲:pH6.0(黄色)〜7.6(青色)
(D)洗浄用蒸留水
共栄蒸留水;メーカー:共栄製薬株式会社
規格:改正第15局日本薬局方「精製水」純度試験,JIS K0557のA4クラス
(4.2)検査手順
(4.2.1)検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)のアルカリ性確認
1)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]
2)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]
3)蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC−AX15[1%]
を入れ上記(C)フェノールフタレイン溶液で、アルカリ性を確認する
・PPディスポビーカー(容量:100mL(ミリッリトル))に、本発明のコーティング用組成物をスプレーし上記(C)フェノールフタレイン溶液で、アルカリ性を確認した([図30]に写真を示す)。
・PPディスポビーカー;メーカー名:ニッコー・ハンセン株式会社品番:301407
(4.2.2)検証用蒸留水の中性確認
上記のPPディスポビーカーに上記(D)の蒸留水(10mL)を注ぎ、(C)ブロモチモールブルー溶液で、中性の領域であることを確認した([図31]に示す)。
(4.2.3)測定用サンプル調製
以下の手順により、測定用サンプルを3種類調製した。
(1)シェリールジェル溶液(本発明の組成物;上記「実施例D1」で作成したもの)
・上記(1)(A)ディスポセルに検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)を適量4.5ml入れる。
・(B)シリコーン製「おかずカップ8号」(株式会社まるき製)に、上記検証用シェリールジェルを4.5mlを入れる
・該コーティング用組成物を、シリコーンカップになじませる。この際、コーティング用組成物を入れたシリコーンカップを手に持ち、室温で約1分間ゆっくりと振盪(直径が約10cm程度の円弧を描くように振盪)させて、該シリコーンカップの内面に、本発明のコーティング用組成物を馴染ませて付着させる。その後、該シリコーンカップを、そのままの状態で、約1分間静置する。次いで、該シリコーンカップをゆっくりと傾けて、余分な(すなわち、シリコーンカップ内面に付着しなかった)本発明のコーティング用組成物を捨てる。
(2)シェリールジェルをスプレーで2回噴霧
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号」の内面に、上記スプレー組成物を、2回スプレーにより塗布する。
(3)シェリールジェルをスプレーで1回噴霧
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号」の内面に、上記スプレー組成物を、1回スプレーにより塗布する。
・該コーティング用組成物を、シリコーンカップになじませる。この際、コーティング用組成物を入れたシリコーンカップを手に持ち、室温で約1分間ゆっくりと振盪(直径が約10cm程度の円弧を描くように振盪)させて、該シリコーンカップの内面に、本発明のコーティング用組成物を馴染ませて付着させる。その後、該シリコーンカップを、そのままの状態で、約1分間静置する。次いで、該シリコーンカップをゆっくりと傾けて、余分な(すなわち、シリコーンカップ内面に付着しなかった)本発明のコーティング用組成物を捨てる。
・上記操作により、「なじませた」(すなわち、シリコーンカップ内面に付着した)シェリールジェルの重量を計測する。この際には、下記の操作により乾燥させた後のカップの重量を計測して、シリコーンカップの内面に付着した」本発明のコーティング用組成物の量を確認する。
(4.2.4)測定用サンプルの種類
乾燥条件による変動を確認するために、「乾燥条件」が異なる以下の3種類の「本発明のコーティング用組成物が付着」したシリコーンカップを調製した。
(1)サンプルi)高粘度様態B サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC−AX15[1%]、 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%];「上記サンプル調整(1)」
シリコーンカップ黄色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ黄色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ黄色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(2)サンプルii)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] 上記サンプル調整(1)
シリコーンカップ黄色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ黄色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ黄色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
・上記により、シリコーンカップ内面に「なじませた」シェリールジェルの重量を計測する。
・乾燥後のカップの重量を計測し本発明のコーティング用組成物の量を確認する
(3)(サンプルiii)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] 上記サンプル調整(2)
上記(B)シリコーン製おかずカップ8号(株式会社まるき製):桃色
検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填して、
上記(1)(B)「シリコーン製おかずカップ8号桃色」の内面に、上記スプレー組成物を、2回スプレーにより塗布する。
・上記スプレーにより、本発明のコーティング用組成物をシリコーンカップに「なじませ」、その後、余分な本発明のコーティング用組成物を捨てる。
<乾燥条件>
シリコーンカップ桃色:(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ桃色:(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ桃色:(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(4)(サンプルiv)低粘度様態A サンプル:蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%];上記サンプル調整(3)
上記(1)(B)シリコーン製おかずカップ8号(株式会社まるき製):青色
・検証用シェリールジェル(本発明のコーティング用組成物)をスプレーボトルに充填する。
・上記(1)(B)シリコーン製おかずカップ8号桃色に、上記と同様に、スプレーで1回塗布する。
・上記と同様に、シリコーンカップになじませる。
・乾燥後のカップの重量を計測し本発明のコーティング用組成物の量を確認する
<乾燥条件>
シリコーンカップ青色(株式会社まるき製)(1)ラボ夜間室温乾燥約15時間
シリコーンカップ青色(2)エアコン25℃室温(密閉容器内)乾燥約9時間
シリコーンカップ青色(3)エアコン25℃室温乾燥約5時間
(4.2.4)pH検証工程
・ i)pH検証商品基剤容量を推定する
≪推定方法≫
メトラー・トレド株式会XPEミクロ天びんを用いて、商品基剤(すなわち、「本発明の組成物」の構成成分の一部または全部)塗布乾燥後の各サンプルカップを計量しpH検証にかける基剤の容量を推定する。
上記(1)(A)ディスポセルに対して、(1)(D)の蒸留水を適量約4.5mL入れ、乾燥した上記各サンプルに注ぎ5分間静置し検査対象水溶液を確保する。
静置後、新しい(1)(A)ディスポセルに上記検査対象水溶液を注ぎ、(1)(C)フェノールフタレイン溶液でアルカリ性を確認する。
上記紫外可視分光光度計を使用し、各サンプルの吸光度を測定する。
1)サンプル整理 ([ ]内は増粘剤配合割合)
サンプル1:基準A 蒸留水 *1
サンプル2:基準A1 蒸留水+90SH4000[1%] *2
サンプル3:基準A2 蒸留水+60SH06[1%] *2
サンプル4:基準A3 蒸留水+60SH03[2%] *2
サンプル5:基準B 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2] *3
サンプル6:基準B1 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%] *4
サンプル7:基準B2 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH30000[1%] *4
サンプル8:基準B3 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH15000[1%] *4
サンプル9:基準B4 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH4000[1%] *4
サンプル10:基準B5 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] *4
サンプル11:基準B6 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%] *4
サンプル12:対象1 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC-AX15[1%]黄カップ(i) *4
サンプル13:対象2 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC-AX15[1%]黄カップ(ii) *4
サンプル14:対象3 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+HEC-AX15[1%]黄カップ(iii) *4
サンプル15:対象4 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(i) *4
サンプル16:対象5 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(ii) *4
サンプル17:対象6 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+90SH100000[1%]黄カップ(iii) *4
サンプル18:対象7 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(i) *4
サンプル19:対象8 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(ii) *4
サンプル20:対象9 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]黄カップ(iii) *4
サンプル21:対象10 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(i) *4
サンプル22:対象11 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(ii) *4
サンプル23:対象12 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]桃カップ(iii) *4
サンプル24:対象13 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(i) *4
サンプル25:対象14 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(ii) *4
サンプル26:対象15 蒸留水+Cherir[Ca(OH)2]+60SH03[2%]青カップ(iii) *4
*1:蒸留水吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
*2:増粘剤の吸光度影響確認(フェノールフタレイン添加)
*3:増粘剤を配合しない[Ca(OH)2]水溶液吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
*4:おもな商品成分構成吸光度確認(フェノールフタレイン添加)
2) pH検証商品基剤推定容量
上記(i)(イ)シリコンおかずカップ8号基本重量
基準A:計量1回目4.8990g/ 2回目5.1973g平均:5.0481g(小数点以下5桁切捨て)
2) pH検証商品基剤推定容量
上記(i)(イ)シリコンおかずカップ8号基本重量
基準A:計量1回目4.8990g/ 2回目5.1973g平均:5.0481g(小数点以下5桁切捨て)
[表C2A]



*1 :pH計測推定基剤量 カップ総重量B−基準A
<実施例C2>
(数値データの分析・検討−1)
上記の「実施例C1」で得られた各データを、各項目に分けて、以下にそれぞれ分析・検討する。
上記の「実施例C1」で得られたデータから、「吸光度ピーク時の波長」と「pH」との関係を、まず分析・検討する。
[表C3]
3)吸光度ピーク時の波長とpH関連表
別紙吸光度データテーブル.xls

別紙_吸光度データテーブル.xlsワークシート「吸光度PH関連図」参照
対象のsampleのpHは、水酸化カルシウムの飽和水溶液の理論値12.45で便宜上プロットした。
標準sampleの吸光度とpHの関連(散布図)と対象の吸光度を比較すると吸光度によるpHの影響は考える必要はなく、かつ比較的強いアルカリ性Ph12〜13程度の液性であると考えてもよさそうである。

(吸光度データテーブル.xlsワークシート「波長と吸光度」参照)
対象のsampleの吸光度ピーク時の波長は、551〜553nm内にあり、標準のsampleとほぼ同色であると考えられる。よって、「対象のsample」比較的強いアルカリ性Ph12〜13程度の液性であると思量した。
4)吸光度スペクトル
この「吸光度スペクトル」の詳細に関しては、後述する「実施例 **」の「シェリールジェル吸光度スぺクトルグラフ.xls」を参照することができる。
<実施例C3>
(数値データの分析・検討−2)
上記の「実施例C1」で得られたデータから、「吸光度スペクトル面積」相互の関係を、次いで分析・検討する。
5)吸光度スペクトル面積比較
この「吸光度スペクトル面積比較」の詳細に関しては、後述する「実施例** **」の「シェリールジェル吸光度スぺクトルグラフ.xls」、および「シェリールジェル吸光度スペクトルグラフ台形近似値.xls」を参照することができる。
ここでは、各対象サンプルとシェリールパウダー(水酸化カルシウム)水溶液の基準との波形の面積比で検討する。
ここに、面積の計算は、曲線で囲まれた範囲を簡易的に台形の集合体として台形群に分割し、各台形の面積の和とした(以下、このような近似法を、「台形近似積分法」と称する)。
(台形近似法の詳細)
上述した「実施例C1」では、アルカリ性水溶液をフェノールフタレインで着色し、該フェノールフタレインにより緑色の波長が吸収され、該吸収の結果として、赤紫色の「補色」が出現している。そこで、本実施例では、近似色の波長490nm〜青緑(補色:赤)から、580nm黄緑(補色:紫)までの波長間(すなわち、波長490nm〜580nm)と、波長軸(すなわち、X軸)で囲まれた面積を、「面積算出範囲」と設定する。
なお、この「台形近似積分法」の詳細に関しては、必要に応じて、以下のサイト(株式会社日立ハイテクサイエンスホームページを参照することができる。
URL: https://www.hitachi-hightech.com/hhs/products/tech/ana/uv/basic/uv_course2.html
(エクセルを用いた計算)
この「台形近似積分法」においては、波長490nmを始点a、波長580nmを終点として、その間の「1nm」間隔の台形近似積分(幅を波長×平均の高さを吸光度値)として、「エクセル(登録商標)2013」を用い、以下の方法で簡便に計算することができる。
セルに入力する関数式は、例えば、
・A1〜A20セルにx座標の波長、B1〜B20にy座標の吸光度が入力されているものとし、
・そして、各々の台形の面積をC1〜C19に求める。
・1つ目の台形の面積は、(上底+下底)×高さ/2より、
・C1セルには、=((B1+B2)*(A2−A1))/2
と入力する。
・2つ目以降の台形の面積については、例えば、C2セルでは、=(B2+B3)*(A3−A2)/2となり、
・これらC1〜C19セルの合計を求めればよい。
なお、上記した「台形近似積分法」に関しては、必要に応じて、以下のサイトを参照することができる(上記の方法に「類似した」考え方)。
URL: http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/koukou/num_integral1.htm
上記した「台形近似積分法」により求めた結果は、以下の通りである
以下の[表C4]に、波長490nmを始点a、波長580nmを終点の中間点535nm前後5nm前後の結果を抜粋し、記載する。
[表C4]


[表C5]
[表C6]

[表C7]

[表C8]
<実施例C4>
ここでは、上記の「実施例C1」で得られた各サンプルの「透過率」相互の関係を、分析・検討する。
6)透過率
各対象サンプルとシェリールパウダー(水酸化カルシウム)水溶液の基準との対象の透過率比で検討する。吸光度を測定することにより、その物質の濃度を定量的に分析する方法を、一般的には「吸光度分析法」または、「吸光光度法」という。このような「吸光度分析法」ないし「吸光光度法」に関しては、例えば、以下のサイトを、必要に応じて参照することができる。
URL:https://www.gelifesciences.co.jp/technologies/spectro/spectclub/theo_01.html
(ランベルトの法則)
吸光度は、濃度が一定の場合では光が透過する長さ(光路長)に比例する。この法則を、「ランベルトの法則」と呼ぶ。例えば、サンプル溶液に光をあてると、溶けている物質によって光が吸収され、該サンプル溶液を透過する光は弱くなる。その割合のことが、透過率(Transmission)であり、透過率の対数をとって正数としたものが吸光度(Absorbance)である。
サンプル溶液にあてる光(入射光)の強さを「I」、サンプル溶液を通過した光(透過光)の強さを「I」とすると、透過率(Transmission)、吸光度(Absorbance)は以下の式で表される。
透過率(%T)=(I/I)×100%
吸光度(A)=−Log10 {(%T)/100)}
=−Log10(I/I
=Log10(I/I)
このような「ランベルトの法則」の関しては、必要に応じて、以下のURL(GEヘルスケア・ジャパン株式会社のホームページ)を参照することができる。
https://www.gelifesciences.co.jp/technologies/spectro/spectclub/image/spect_theo_01_02_l.jpg

[表C9]


実施例A1
(製造方法Mによるコーティング用組成物の調製)
容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の999gを入れた。次いで、該精製水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを入れ、攪拌器(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、約1分間かけて攪拌し、その後、12時間静置した。
上記静置後、沈殿部分の上澄みを採取して、本発明のコーティング用組成物調製用の0.1%水酸化カルシウム水溶液を得た。
次いで、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化カルシウムコーティング用組成物を作製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製容器中で、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s)、および60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)のそれぞれ)の10.1gを、上記0.1%水酸化カルシウム水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度継続し、その後、24時間静置した。
この際に、コーティング用組成物調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックス(登録商標)ガラス製:容量=約1000mL(ミリリットル)、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
実施例A1a
(時間経過による粘度変化の確認)
上記実施例A1で得たコーティング用組成物(ジェル状)において、その時間経過による粘度変化の有無を確認した。
<保存条件>
実施例A1において得た密閉容器内のコーティング用組成物(ジェル状)を、25℃、常圧の条件下で保存した。
<粘度変化の確認方法>
確認方法:各時間経過後のコーティング用組成物(ジェル状)の粘度を、目視の方法により確認した。
確認した経過時間:コーティング用組成物(ジェル状)調製後、24時間、48時間、ないし1週間程度まで観察した。
<粘度変化の確認結果>
コーティング用組成物(ジェル状)調製後、24時間〜48時間の期間で、粘度の変化は観察されなかった。なお、上記「メトローズ」以外の増粘剤を使用した場合には、粘度が上昇する現象も観察された。なお、このように粘度が上昇した場合であっても、本発明のコーティング用組成物の使用・効果に実質的な悪影響は無かった。
実施例A1b
上記実施例A1において使用した増粘剤たる「メトローズ 65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s)」に代えて、以下の「表1」に示すコーティング用組成物(ジェル状)調製用の増粘剤を用いた以外は、実施例A1と同様にして、合計11種類のコーティング用組成物(ジェル状)を得た。
[表A1]
コーティング用組成物(ジェル状)調製用の増粘剤>
1:20℃、2%水溶液,
2:25℃、1%水溶液30rpm,
3:25℃、1%水溶液60rpm,
4:乾量1%
5:1%未中和分散液
上記表1に記載した各種増粘剤の詳細な規格を、以下の表2〜表6に示す。なお、以下の表A2〜表A6の「結果」の項において、「確定方法」とあるのは「製造方法M」の意味であり、「増粘剤分散後」とあるのは「製造方法N」の意味である。
<メトローズの官能基>
・65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s):メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=6.1(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):3500〜5600
・65SH−1500(規格粘度値:1,200〜1,800mPa・s):メトキシ基=28.2(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=6.14.0〜7.5
粘度(mPa・S):1200〜1800
・65SH−15000(規格粘度値:12,000〜18,000mPa・s):メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシプロポキシ基=6.0(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):12000〜18000
・90SH−15000(規格粘度値:12,000〜18,000mPa・s):メトキシ基=23.0(19〜24)
<HECダイセルの官能基>
・(品名不明):ヒドロキシエチル基=1.0〜1.3
粘度(mPa・S):100〜300
・SP900:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4000〜5500
<CMCダイセルの官能基>
・CMC2260:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):4000〜6000
エーテル化度:0.89(0.8〜1.0)
<キコレートの官能基>
・F−120:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):150〜200
置換度:0.56(0〜3)
<ハイビスワコーの官能基>
・ハイビスワコー103:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):17800(13000〜27000)
(1%未中和400)
・ハイビスワコー104:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):25800(22000〜40000)
(1%未中和2500)
・ハイビスワコー105:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):10200(7000〜14000)
(1%未中和5000)
<EMALEXの官能基>
・EMALEX2420:ヒドロキシル基=47.97%
HLB値:12
(以下のデータを参照)
[表A2]
[表A3]
[表A4]
[表A5]
[表A6]
なお、上記「規格増粘値(mPa・s)」に示した値は、各メーカーのWebサイトから入手したものである。
信越化学工業(株):http://www.metolose.jp/industrial/index.shtml ;等
ダイセルファインケム(株):http://www.daicelfinechem.jp/products/chemical.html
ニチリン化学工業(株) :http://www.nichirin-chem.co.jp/31seihin.html
和光純薬工業(株)::http://www.wako-chem.co.jp/kaseihin/hiviswako/index.htm
日本エマルジョン(株)::https://www.nihon-emulsion.co.jp/products/emalex
上記した各種の増粘剤に関しては、以下の結果が得られた。
<メトローズ>
・(全般)酸及び塩基の影響を比較的受けにくく、pH3.0〜13.0の範囲では所定の粘度を発現した。なお、メトローズ使用の場合、1年以上保存した場合でも、粘度の低下は見られなかった。
・メトローズ65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s):粘度関連データは、全般的に良好であった。
・メトローズ65SH−1500(規格粘度値:1,200〜1,800mPa・s):
(製造方法M)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s)」に近い値を示した。
(製造方法N)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s)」に近い値を示した。
・メトローズ65SH−15000(規格粘度値:12,000〜18,000mPa・s):(製造方法M)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
・・90SH−15000(規格粘度値:12,000〜18,000mPa・s):メトキシ基=23.0(19〜24)
(製造方法M)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
<HECダイセル>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・品名不明(ヒドロキシエチル基:1.0〜1.3):
(製造方法M)粘度関連データは、「粘度緩め」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度緩め白濁⇒48時間後透明」であった。
・SP900:
(製造方法M)粘度関連データは、「粘度強め」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度強め白濁」であった。
<CMCダイセル>
・CMC2260:
(製造方法M)粘度関連データは、「ゼリー状」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「ゼリー状と硬めジェル分離」であった。
<キコレート>
(全般)金属イオンや塩の混入に対して影響を受け易い傾向があった。二価塩金属類とは相性が良いものと悪いものがある。pH10以上で粘度は低下する。
・F120:
(製造方法M)粘度関連データは、「水状」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「水状」であった。
<ハイビスワコー>
(全般)有効pH範囲(1%増粘液):
ハイビスワコー103:5.5〜10,
ハイビスワコー104:5〜10.5,
ハイビスワコー105:4〜11
金属イオンに対する安定性:
ハイビスワコー103:やや不安定
ハイビスワコー104:やや不安定
ハイビスワコー105:安定
・ハイビスワコー103
(製造方法M)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー104
(製造方法M)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー105
(製造方法M)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法N)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
<EMALEX>
(全般)イソ分岐高級アルコールに酸化エチレンを付加重合して得られるエーテル化物。アルキル基にイソ分岐を持っているので直鎖型より融点が低い。
・EMALEX2420:"成分:ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル
(製造方法M)粘度が非常に弱い。
(製造方法N)薄白濁で粘度が非常に弱い
実施例A1c
(製造方法Nによるコーティング用組成物の調製;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の1000gを入れた。次いで攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、該精製水に、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))の10.1gを、上記精製水中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度続けた後、12時間静置した。
上記操作により、1%増粘剤水溶液を調製した。
次いで、上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに、0.1%水酸化カルシム含有ジェルを調製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製容器中で、上記で得られた1%増粘剤水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを、約5分間かけて徐々に加え、次いで同条件で攪拌を約3分間継続し、その後、24時間静置した。
この水酸化カルシウム粉体を混合する際に、ジェル調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックス(登録商標)ガラス製;容量=約1000mL、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
上記の操作で使用した増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))に代えて、上記表1で示した各「増粘剤」を用いた以外は、上記操作と同様にして、表1で示した各「増粘剤」を用いた「低粘度態様A」のコーティング用組成物を得た。
上記で得られた各種コーティング用組成物の評価結果等を、上記の[表A2〜A6]、および以下の[表A7〜A8]に示した。
[表A7]
[表A8]
(時間経過による粘度変化の確認)
上記[表A2]〜[表A8]に示した各種ジェル組成物(「低粘度態様A」のコーティング用組成物)のうち、以下の「増粘剤」を使用したものは、ジェル形成直後(例えば、ジェル形成後5分の時点)において良好な泡立ち状態を示し、且つ、密閉容器内における24時間保存後においても、良好な泡立ち状態を示した。
<製造方法Mによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
・65SH−1500(規格粘度値:1,200〜1, 800mPa・s):メトキシ基=28.2(27〜30)
<製造方法Nによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
・65SH−1500(規格粘度値:1,200〜1, 800mPa・s):メトキシ基=28.2(27〜30)
実施例A2
(粘弾性測定)
実施例A1により得られた「本発明に従うコーティング用組成物(ジェル状)」の8検体(製造年月日が異なる;保存は常温)について、以下の条件で粘弾性を測定した(測定日時:2016年1月28日(木)13:00〜16:00)。
・試験場所:栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)
・測定機メーカー:HAAKE(ハーケ)[ドイツ国];型式:レオストレスRS600
・<測定サンプル>
・検体1:サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
・検体2:サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日) ・
・検体3:サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日) ・
・検体4:サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日) ・
・検体5:サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日) ・
・検体6:サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
・検体7:サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
・検体8:サンプル番号tepika_4C10 市販アルコール性ジェルサンプル(健栄製薬株式会社製)
・粘弾性測定装置レオストレスRS600に下記測定条件を設定、測定器具を装着し、検体1〜8を測定した。
センサー:C35/1°CE(サンプル量0.200cm3;測定範囲100〜106Pa・S)
粘度目安を参考に、粘度をサラダオイル(60〜80)からシャンプー(2,000〜3,000)までの間と想定し、測定範囲内のセンサーを選定した。
測定温度:25℃
常温保存を想定し決定した(特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした)。
せん断速度:60秒間で、0から200(1/S)まで連続的に増加させた後、続いて200(1/S)から0まで連続的に減少させる。
dγ/dt[1/s]:特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした。
得られた結果を、[表A9]に示す。
[表A9]
実施例A3
(pH測定)
1. 実施日時 2016年1月28日(木)10:00〜11:30
2. 場所 栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20 )
3. 測定機 メーカー: HORIBA 型式:6366C
4.<サンプル>
検体1: サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
検体2: サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日)
検体3: サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日)
検体4: サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日)
検体5: サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
検体6: サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
検体7: サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
検体8: シェリールパウダー水溶液(増粘剤配合前)
5.方法
・堀場製作所製「pH標準液 100−9」(pH:9)で、サンプル計測前に電極を洗浄し補正する。
・補正後、検体1〜8を測定。各検体計測前に「pH標準液 100−9」で電極を洗浄する。
・計測時間は電極挿入後、3分間とした。
得られた結果を、[表A10]に示す。
[表A10]
実施例A4
(増粘剤スクリーニング)
本発明においては、以下の方法により、本発明のコーティング用組成物の調製に適した「増粘剤」を簡便にスクリーニングすることができる。以下の手順から明らかなように、相当数(例えば、異なる増粘剤の10〜50検体程度)は、並列的にスクリーニングすることが可能である。
なお、この際の「スクリーニング」において用いる「具体的な増粘剤」等の条件は、飽くまで該「スクリーニング」目的においてのみ用いるべき条件である。すなわち、この「スクリーニング」で用いた条件は、本発明のコーティング用組成物の他の態様(例えば、その製造、使用等の実施条件)を何ら限定するものではない。
具体的には、以下の手順で行う。
(1)実施例A1におけるものと同様に、「0.1%」濃度のCa(OH)2水溶液を調製する。
(2)実施例A1におけるものと同様に、スクリーニング対象たる「増粘剤」を、上記Ca(OH)2水溶液に添加して、得られた混合物のゲル化状態を目視でチェックする(例えば、「増粘剤」の種類によって、溶液状態となることがある)。
(3)更に、長時間(例えば、24時間後)に、ゲル化状態の持続性を目視でチェックする。
(4)更に長時間(例えば、1週間程度)で、ゲル化状態をチェックする。
実施例A5
コーティング用組成物の抗菌効果の測定)
以下の方法により、本発明のコーティング用組成物の抗菌効果を測定した。
・試験場所:一般財団法人 カケンテストセンター(大阪事業所;大阪市西区)
・微生物:大腸菌 Escherichia coli NBRC 3972
・試験方法: 生菌数108個/mL(すなわち、1×10exp(8)個/mL)に調整した菌液0.1mLを、試料溶液10mLに添加し、指定時間(すなわち、15分間、30分間)静置した。その後、試験液1mLをSCDLPブイヨン培地9mLで不活性化させ、混釈平板培養にて生菌数を測定した。また、対象として、蒸留水で同様の処理を行った。
上記で得られた結果を、表11に示す。すなわち、蒸留水(対照)を試料として用いた場合には、初期の生菌数が8.3×10exp(4)個、15分後の生菌数が1.1×10exp(5)個、30分後の生菌数が1.0×10exp(5)個であった。
これに対して、シェリー(シェリー⇒シェリール)水溶液(すなわち「水+水酸化物」の水溶液)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が6.0個、30分後の生菌数が3.5個であった。
更に、シェリージェル(すなわち、実施例A1で得た「水+水酸化物+増粘剤」のジェル)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が1.0個未満、30分後の生菌数も1.0個未満であった。
[表A11]
実施例A6
(泡立ちにおける起泡力の測定;体官能評価)
以下の方法により、新機能化学(株)の施設内において「泡立ちやすさ」(起泡力)、および、泡の消えにくさ(安定性)を測定した。なお、このような「泡立ちやすさ」、および、泡の消えにくさの測定に関しては、必要に応じて、文献(オレオサイエンス第1巻第8号、第863〜870頁、2001年)を参照することができる。
<試料>
(1)本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(実施例Aにおける増粘剤として60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)使用の調製品)
成分:精製水、水酸化カルシウム水溶液、増粘剤(信越化学工業株式会社製「メトローズ」60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s);ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(2)(株)大創産業[製造:エオリア(株)]薬用泡ハンドソープ
有効成分:トリクロサン
その他の成分:水、ラウリン酸、ミリスチン酸、水酸化K、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、グリセリン、ヒアルロン酸Na−2、アロエエキス(2)、香料、エタノール、EDTA−4Na、BHT、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルパラベン、乳酸、フェノキシエタノール、無水亜硫酸Na、安息香酸Na、DL−リンゴ酸
(3)ライオン(株)社製「薬用キレイキレイ泡ハンドソープ」
有効成分:イソプロピルメチルフェノール
その他の成分:PG、ソルビット液、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液、水酸化K、ミリスチン酸、モノエタノールアミン、香料、ラウリルジメチルアミンオキシド液、塩化ジメチルジアリルアンモニュウム・アクリルアミド共重合体液、EDTA、ポリスチレンエマルジョン、安息香酸塩、赤401
検査項目:泡立ちやすさ(起泡力)および、泡の消えにくさ(安定性)
検査手法:使用器具
(A)泡フォームボトル(東京ライト工業、商品名:ポンプフォーマーM1)容器容量:50mL
(B)計量カップ(ニッコーハンセン製、商品名:PPディスポビーカー)
容器容量:100mL
(C)泡フォームボトル(東京ライト工業製、商品名:ポンプフォーマーM1)
容器容量:50mL、ディスペンサ:0.37cc(C)測定用カップ(大創産業、商品名:計量カップ)容器容量:250ml
<泡立ちやすさ(起泡力)の測定>
以下の方法で、各測定対象の「泡立ちやすさ」を、泡の体積で確認した。
測定対象の溶液を、計量カップ(B)で50ml計量し、シェーカー(A)泡フォームボトル(A)に充填した後、泡フォームボトル(C)測定用カップ(C)に10回のプッシュ分を受け、該泡沫の体積を確認した。上記した本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物と、上記した市販品2品との計3種類について、それぞれN=5回行い、画像など記録を取った。この際、画像は、ipHone6s(登録商標)(Aップル社)を用いて記録した。
なお、計量、充填、ディスペンサをプッシュする作業は、1人の担当者で行った。
(pH安定性の確認)
本発明の「低粘度態様Aのコーティング用組成物」(実施例Aにおける増粘剤として60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)使用の調製品)を用いて、以下の方法により、pH安定性を測定した。
・実施日時:第1回目 2016年8月6日(土) 10:00〜11:00
第2回目 2016年9月6日(火) 10:00〜11:00
・場所:新機能科学株式会社 本社 栃木県下野市笹原90−7
・サンプル 試料1A:本発明の「「低粘度態様A」のコーティング用組成物」(2016年7月6日製造)
試料1B:本発明の「「低粘度態様A」のコーティング用組成物」(2016年7月28日製造)
検査方法:製造後、1週間、1ヶ月、2ヶ月経過した製品のpHを試験紙で確認
製造後、泡フォームボトル(D)(大創産業製、商品名:泡ポンプボトル、容器容量:350mL)で上記期間保存。該保存の後、pH試験紙に対してディスペンサー(図18)から泡を噴霧して、pHを確認した。
<結果>
上記試験により得られた結果を、図5〜6に示す。
これらの図に示すように、製造後2ケ月経過しても、pH値が安定していることが確認された。
実施例A7
(泡立ちにおける起泡力の測定;機器分析)
以下の方法により、機器分析に基づき、泡立ちにおける「起泡力」を測定した。
<測定方法・条件>
1.実施日時:2016年8月4日(木) 9:30〜11:00
2.場所:地方独立行政法人大阪市立工業研究所 生物・生活材料研究部 香粧品材料研究室(大阪市城東区森之宮1−6−50)
3.測定機:ロスマイル法測定装置
4.サンプル:実施例A6と同じ(3種類)
本測定は、大阪市立工業研究所から「装置」を賃借して、社内メンバーにより測定(検査手法:ロスマイル法による起泡力測定)を行った。ここで使用した「装置」等の詳細に関しては、必要に応じて、下記のURL(大阪市立工業研究所)を参照することができる。
http://www.omtri.or.jp/
本実施例Aで用いた「ロスマイル法による測定装置」の外観を、図13に示す。本実施例Aで用いた試料の態様を、図14に示す。また、同装置の概略図を、図16に示す。また、本実施例Aで用いた「ロスマイル法による測定方法」概略を下記[表A12]〜[表A14]に示す。
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の「落下直後」〜「5分後」までの測定結果を、図15に示す。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「3種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図17のグラフに示す。
[表A12]
実施例A7a
[表A面張力の測定;機器分析)
検査機関:大阪市立工業研究所(http://www.omtri.or.jp/)
検査手法:表面張力測定吊板式,および最大泡圧法
<試験方法>
表面張力計:協和界面科学株式会社製 CBVP−A3
測定方法:白金板吊板式
<測定結果>
<試料> <表面張力(mN/m)>
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム) 45.8
L社薬用泡ハンドソープ 31.7
D社薬用泡ハンドソープ 27.7
<表面張力の時間変化>
・試験報告日:平成28年8月29日
・実施機関:地方独立行政法人大阪市立工業研究所
・試験方法:
クルス社製BP−2(最大泡圧法)を用いて25℃で測定した。試料溶液の密度は、水の値を用いた。
<結果>
以下の表13〜表16、および図7に示す通りであった。
[表A13]
[表A14]
[表A15]
[表A16]
実施例A8
<増粘剤の違いによる起泡力確認>
1.実施日時:2016年8月6日(土) 10:00〜11:00
2.場所:新機能科学株式会社 本社(栃木県下野市笹原90−7)
3.測定器具
4.サンプル:
試料1:シェリールフォーム(増粘剤60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s))
試料2:シェリールジェル(増粘剤65SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))
試料3:シェリールジェル(増粘剤95SH−4000(規格粘度値:3,500〜5,600mPa・s))
5.検査方法:泡立ちやすさを泡の体積で確認した。
<測定方法>
対象溶液を(B)で50ml計量し(A)に充填後、(C)に10プッシュ分を受け泡沫の体積を確認した。
計量、充填、ディスペンサをプッシュする作業は、1人の担当者で行った。
<結果>
図24に示す通りであった。
増粘剤は粘度の高いタイプより、低粘度のタイプの方が泡を形成しやすい傾向があった。
なお、図1を参照した説明は以下の通りである。
・気泡形成速度は、60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)>60SH−50(規格粘度値:40〜60mPa・s)>60SH−1万(規格粘度値:8,000〜12,000mPa・s)の順番で速かった。
・これは、低粘度の60SHタイプの方が高粘度タイプより溶液中で拡散し易いため、起泡の形成が速く、粒径が小さい泡が形成され易いためと推定される。
60SH−1万(規格粘度値:8,000〜12,000mPa・s)では、60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)、60SH−50(規格粘度値:40〜60mPa・s)と同一の濃度では粘性が高いため、泡を巻き込むための力が必要であり,泡立ちがより難しくなるためと推定される。
メトローズ(60SH−06(規格粘度値:4.8〜7.2mPa・s)、43mN/m(25℃))と、界面活性剤[表A面張力32mN/m(25℃)では、界面活性剤の方が、表面張力が低く泡が形成され易い。
実施例A9
<試験条件>
試験機関:一般財団法人 北里大学環境科学センター
試験期間:2016年4月26日〜2016年4月27日
作用時間:試験品:15分間;対照:0(ゼロ;初期)、15分間
供試ネコカリシウイルス:ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F−9;ATCC(登録商標) VR−782(商標))
・試験の種類:ウイルス不活化効果試験、作用停止液の有効性確認試験、細胞毒性確認試験
その他の試験条件は、下記表[表A17]〜[表A24]、および図8に示す通りであった。
[表A17]
[表A18]
[表A19]
[表A20]
[表A21]
[表A22]
[表A23]
[表A24]
<ウイルス不活化試験の結果>
この試験結果は、上記の表[表A22]に示す通りであった。
<作用停止液の有効性確認試験の結果>
結果を上記[表A23]に示した。「試験試料」にウイルスを作用させた時の感染価を、「対照(PBS)」と比較した場合、差が認められなかった。以上の結果から、作用停止液は、試験品に対して有効であると判定した。
<細胞毒性確認試験の結果>
試験結果を上記表に示した。今回の試験では、試験品希釈後の細胞毒性確認用試料原液の生細胞率は50%以上であった。以上の結果から、CRFK細胞に対する毒性は認められず、 感染価測定系は影響を受けないと判断した。
実施例A10
(除菌効果試験)
試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
試験概要:検体に試験菌液を接種後(以下「試料」という。),所定時間後に試料中の生菌数を測定した。また,あらかじめ予備試験(中和条件の確認)を行い,検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。
試験結果:
結果を下記の[表A25]、試験条件を下記の[表A26]に示した。また,培養後の生菌数測定平板を[図9]〜[図10]に示した。
なお,試料をSCDLP培地で10倍に希釈することにより,検体の影響を受けずに生菌数の測定ができることを予備試験により確認した。
[表A25]
[表A26]
[表A27]
(実施例Aにおける「結果」の考察)
<増粘剤の違いによる起泡力確認>
この結果から、増粘剤は、粘度の高いタイプより、低粘度のタイプの方が泡を形成しやすいことが判明した。
<pH安定性の確認>
この結果から、低粘度タイプの増粘剤であっても強アルカリ水溶液との相溶性やpH安定性に問題はないことが判明した。
<泡の起泡力−泡立ちの速さ>
上記の「泡立ちの良さ」、口スマイル法による「泡立ち易さ」の結果から、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム))と類似の市販品との間で、検査動作直後の泡立ちにおいては、大きな差異が見られないことが判明した。よって、通常の使用法においては、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の塗布後、手指などに「なじませる」こと等が多いと考えられることから、「塗布直後の泡の感覚」がポイントとなることが推定される。この観点からは、界面活性剤に依存しない態様であっても、「泡立ちの良い製品」を製造することが可能である
ことが判明した。
<泡の消えにくさ(泡切れの遅さ)−泡切れの速さ>
上記の「口スマイル法」(機器分析)、および社内検査(官能検査)における「泡立ち易さ」の消泡スピード結果のデータからは、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物(シェリールフオーム)と類似の市販品との間では、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の方が、消泡の速度が速いことが判明した。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物において「塗布後のすすぎ不要」を好ましいとする態様(すなわち、泡切れの速さが好ましいとする態様)においては、泡の「あと残り感」は、かえってデメリットとなる恐れがある。よって、「泡切れの速さ」が重要な態様においては「泡切れの速さ」を発揮することが好ましい。
なお、本発明の泡立ち性コーティング用は泡切れをすばやくするためなどの目的で消泡剤などを用いなくても、水+水酸化物+増粘剤のみであっても「泡切れの速さ」を発揮することが可能である。この点に関しては、必要に応じて、以下の論文を参照することができる。
・「関西ペイント(株)発行の論文集:「塗料の研究」No.156 Oct.2014;SD研究所第2研究部青木健二氏著「泡の安定化と消1泡機構に関する考察(Consideration on Foam Stabilization and Defoaming Mechanism)。
本発明において、好適に使用可能な増粘剤のいくつかの例(メトローズ)を、以下の[表A28]〜[表A32]に示す(信越化学工業(株)、2013年5月発行のカタログ「メトローズ 水溶性セルロースエーテル」より)。
[表A28]
[表A29)
[表A30]
[表A31]
[表A32]
[表A33]
実施例A11
(泡立ちにおける起泡力の測定;機器分析)
以下の方法により、機器分析に基づき、泡立ちにおける「起泡力」を測定した(なお、以下に示す以外の条件は、上記「実施例A7」におけるものと同様である)。
本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物の「落下直後」〜「10分後」までの測定結果を、下記の表に示す。本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「7種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図25のグラフに示す。また、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「11種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図26のグラフに示す。更に、上記した本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた試料の起泡状態の一例の写真を、図27に示す。
シェリールフォーム 「泡の気泡力」および「安定性」の測定
1. 実施日時 2017/9/14(金)、10:00〜12:00
2. 場所 地方独立行政法人大阪産業技術研 究所生物・生活材料研究部
大阪市城東区森之宮1-6-50
3. 測定機 ロスマイル法測定装置
[表A34]
[表A35]
上記の表に示すように、ここで用いた(水酸化物+増粘剤)の組み合わせは、以下の通りである(実施例A7で用いた組み合わせ(1)〜(3)を除く)。
(4)Mg(OH)2+60SH−06
(5)Mg(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース
(6)Ca(OH)2+ヒドロキシエチルセルロース
(7)Ca(OH)2+90SH−100
更に、本発明の「低粘度態様A」のコーティング用組成物を含む「11種類」の試料の起泡−泡の安定度の測定結果を、図26のグラフに示す。
上記の表に示すように、ここで用いた(水酸化物+増粘剤)の組み合わせは、以下の通りである(実施例A7で用いた組み合わせ(1)〜(3)を除く)。
(4)Ca(OH)2+60SH−03
(5)Mg(OH)2+60SH−03
(6)Ca(OH)2+SM−4(信越化学工業製メチルセルロース)
(7)Mg(OH)2+SM−4
(8)Ca(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(9)Mg(OH)2+60SH−50(信越化学工業製ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(10)Ca(OH)2+HEC AL−15(住友精化製ヒドロキシエチルセルロース)
(11)Ca(OH)2+HEC SP200(ダイセルファインケム製ヒドロキシエチルセルロース)
[表A36]

[表A37]
更に、上記した本発明のコーティング用組成物の起泡力および安定性のテストにおいて用いた試料の起泡状態の一例の写真を、図27に示す。
実施例B1
(製造方法Pによるジェル剤の調製)
容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の999gを入れた。次いで、該精製水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを入れ、攪拌器(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、約1分間かけて攪拌し、その後、12時間静置した。
上記静置後、沈殿部分の上澄みを採取して、本発明のジェル調製用の0.1%水酸化カルシウム水溶液を得た。
次いで、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化カルシウムジェルを作製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)の101gを、上記0.1%水酸化カルシウム水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度継続し、その後、24時間静置した。
この際に、ジェル調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製:容量=約1000mL(ミリリットル)、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液−増粘剤の混合物はジェル化し、本発明のコーティング用組成物(ジェル状)が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
実施例B1a
(時間経過による粘度変化の確認)
上記実施例B1で得たコーティング用組成物(ジェル状)において、その時間経過による粘度変化の有無を確認した。
<保存条件>
実施例B1において得た密閉容器内のコーティング用組成物(ジェル状)を、25℃、常圧の条件下で保存した。
<粘度変化の確認方法>
確認方法:各時間経過後のコーティング用組成物(ジェル状)の粘度を、目視の方法により確認した。
確認した経過時間:コーティング用組成物(ジェル状)調製後、24時間、48時間、ないし1週間程度まで観察した。
<粘度変化の確認結果>
コーティング用組成物(ジェル状)調製後、24時間〜48時間の期間で、粘度の変化は観察されなかった。なお、上記「メトローズ」以外の増粘剤を使用した場合には、粘度が上昇する現象も観察された。なお、このように粘度が上昇した場合であっても、本発明のジェル剤の使用・効果に実質的な悪影響は無かった。
実施例B1b
上記実施例B1において使用した増粘剤たる「メトローズ 65SH−4000」に代えて、以下の[表B1]に示すコーティング用組成物(ジェル状)調製用の増粘剤を用いた以外は、実施例B1と同様にして、合計11種類のコーティング用組成物(ジェル状)を得た。
[表B1]
コーティング用組成物(ジェル状)調製用の増粘剤>

*1:20℃、2%水溶液,
*2:25℃、1%水溶液30rpm,
*3:25℃、1%水溶液60rpm,
*4:乾量1%
*5:1%未中和分散液
上記表1に記載した各種増粘剤の詳細な規格を、以下の[表B2]〜[表B6]に示す。なお、以下の[表B2]〜[表B6]の「結果」の項において、「確定方法」とあるのは「製造方法P」の意味であり、「増粘剤分散後」とあるのは「製造方法Q」の意味である。
<メトローズの官能基>
・65SH−4000:メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.1(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):3500〜5600
・65SH−1500:メトキシ基=28.2(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.14.0〜7.5
粘度(mPa・S):1200〜1800
・65SH−15000:メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.0(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):12000〜18000
・90SH−15000:メトキシ基=23.0(19〜24)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=9.6(4.0〜12)
粘度(mPa・S):12000〜18000
<HECダイセルの官能基>
・(品名不明):ヒドロキシエチル基=1.0〜1.3
粘度(mPa・S):100〜300
・SP900:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4000〜5500
<CMCダイセルの官能基>
・CMC2260:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):4000〜6000
エーテル化度:0.89(0.8〜1.0)
<キコレートの官能基>
・F−120:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):150〜200
置換度:0.56(0〜3)
<ハイビスワコーの官能基>
・ハイビスワコー103:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):17800(13000〜27000)
(1%未中和400)
・ハイビスワコー104:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):25800(22000〜40000)
(1%未中和2500)
・ハイビスワコー105:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):10200(7000〜14000)
(1%未中和5000)
<EMALEXの官能基>
・EMALEX2420:ヒドロキシル基=47.97%
HLB値:12
[表B2]

[表B3]
[表B4]
[表B5]
[表B6]
なお、上記「規格増粘値(mPa・s)」に示した値は、各メーカーのWebサイトから入手したものである。
信越化学工業(株):http://www.metolose.jp/industrial/index.shtml ;等
ダイセルファインケム(株):http://www.daicelfinechem.jp/products/chemical.html
ニチリン化学工業(株) :http://www.nichirin-chem.co.jp/31seihin.html
和光純薬工業(株): http://www.wako-chem.co.jp/kaseihin/hiviswako/index.htm
日本エマルジョン(株):https://www.nihon-emulsion.co.jp/products/emalex
上記した各種の増粘剤に関しては、以下の結果が得られた。
<メトローズ>
・(全般)酸及び塩基の影響を比較的受けにくく、pH3.0〜11.0の範囲では所定の粘度を発現した。なお、メトローズ使用の場合、1年以上保存した場合でも、粘度の低下は見られなかった。
・メトローズ65SH−4000:粘度関連データは、全般的に良好であった。
・メトローズ65SH−1500:
(製造方法P)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000」に近い値を示した。
(製造方法Q)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000」に近い値を示した。
・メトローズ65SH−15000:
(製造方法P)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
・メトローズ90SH−15000:
(製造方法P)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
<HECダイセル>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・品名不明(ヒドロキシエチル基:1.0〜1.3):
(製造方法P)粘度関連データは、「粘度緩め」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「粘度緩め白濁⇒48時間後透明」であった。
・SP900:
(製造方法P)粘度関連データは、「粘度強め」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「粘度強め白濁」であった。
<CMCダイセル>
・CMC2260:
(製造方法P)粘度関連データは、「ゼリー状」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「ゼリー状と硬めジェル分離」であった。
<キコレート>
(全般)金属イオンや塩の混入に対して影響を受け易い傾向があった。二価塩金属類とは相性が良いものと悪いものがある。PH10以上で粘度は低下する。
・F120:
(製造方法P)粘度関連データは、「水状」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「水状」であった。
<ハイビスワコー>
(全般)有効pH範囲(1%増粘液):
ハイビスワコー103:5.5〜10,
ハイビスワコー104:5〜10.5,
ハイビスワコー105:4〜11
金属イオンに対する安定性:
ハイビスワコー103:やや不安定
ハイビスワコー104:やや不安定
ハイビスワコー105:安定
・ハイビスワコー103
(製造方法P)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー104
(製造方法P)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー105
(製造方法P)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法Q)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
<EMALEX>
(全般)イソ分岐高級アルコールに酸化エチレンを付加重合して得られるエーテル化物。アルキル基にイソ分岐を持っているので直鎖型より融点が低い。
・EMALEX2420:"成分:ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル
(製造方法P)粘度が非常に弱い。
(製造方法Q)薄白濁で粘度が非常に弱い
実施例B1c
(製造方法Qによるジェル剤の調製;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
容量3000ミリリットルのパイレックス製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の1000gを入れた。次いで攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、該精製水に、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)の101gを、上記精製水中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度続けた後、12時間静置した。
上記操作により、1%増粘剤水溶液を調製した。
次いで、上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに、0.1%水酸化カルシム含有ジェルを調製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた1%増粘剤水溶液(1000g)[精製水1000gに増粘剤101gで1101gの方がよいのでしょうか?]中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを、約5分間かけて徐々に加え、次いで同条件で攪拌を約3分間継続し、その後、24時間静置した。
この水酸化カルシウム粉体を混合する際に、ジェル調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製;容量=約1000mL、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、1%増粘剤水溶液−0.1%の水酸化カルシウムの混合物はジェル化し、本発明のコーティング用組成物(ジェル状)(ジェル剤)が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
上記の操作で使用した増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)に代えて、上記表1で示した各「増粘剤」を用いた以外は、上記操作と同様にして、表1で示した各「増粘剤」を用いたコーティング用組成物(ジェル状)を得た。
上記で得られた各種ジェル剤の評価結果等を、上記の[表B2]〜[表B6]、および以下の[表B7]〜[表B8]に示した。
[表B7]
[表B8]
実施例B1d
(時間経過による粘度変化の確認)
上記表2〜8に示した各種コーティング用組成物(ジェル状)のうち、以下の「増粘剤」を使用したものは、ジェル形成直後(例えば、ジェル形成後5分の時点)において良好なジェル状態を示し、且つ、密閉容器内における24時間保存後においても、良好なジェル状態を示した。
<製造方法Pによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
65SH−15000、65SH−15000、90SH−15000
<製造方法Qによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
65SH−15000、65SH−15000、90SH−15000
実施例B2
(粘弾性測定)
実施例B1により得られた「本発明に従うコーティング用組成物(ジェル状)」の8検体(製造年月日が異なる;保存は常温)について、以下の条件で粘弾性を測定した(測定日時:2016年1月28日(木)13:00〜16:00)。
・試験場所:栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)
・測定機メーカー:HAAKE(ハーケ)[ドイツ国];型式:レオストレスRS600
・<測定サンプル>
・検体1:サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
・検体2:サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日) ・
・検体3:サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日) ・
・検体4:サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日) ・
・検体5:サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日) ・
・検体6:サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
・検体7:サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
・検体8:サンプル番号tepika_4C10 市販アルコール性ジェルサンプル(健栄製薬株式会社製)
・粘弾性測定装置レオストレスRS600に下記測定条件を設定、測定器具を装着し、検体1〜8を測定した。
センサー:C35/1°CE(サンプル量0.200cm3;測定範囲100〜106Pa・S)
*粘度目安を参考に、粘度をサラダオイル(60〜80)からシャンプー(2,000〜3,000)までの間と想定し、測定範囲内のセンサーを選定した。
測定温度:25℃
常温保存を想定し決定した(特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした)。
せん断速度:60秒間で、0から200(1/S)まで連続的に増加させた後、続いて200(1/S)から0まで連続的に減少させる。
dγ/dt[1/s]:特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした。
得られた結果を、表B9に示す。
[表B9]
実施例B3
(pH測定)
1. 実施日時 2016年1月28日(木)10:00〜11:30
2. 場所 栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20 )
3. 測定機 メーカー: HORIBA 型式:6366C
4.<サンプル>
検体1: サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
検体2: サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日)
検体3: サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日)
検体4: サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日)
検体5: サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
検体6: サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
検体7: サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
検体8: シェリールパウダー水溶液(増粘剤配合前)
5.方法
・堀場製作所製「pH標準液 100−9」(pH:9)で、サンプル計測前に電極を洗浄し補正する。
・補正後、検体1〜8を測定。各検体計測前に「pH標準液 100−9」で電極を洗浄する。
・計測時間は電極挿入後、3分間とした。
得られた結果を、[表B10]に示す。
[表B10]
実施例B4
(増粘剤スクリーニング)
本発明においては、以下の方法により、本発明のコーティング用組成物(ジェル状)の調製に適した「増粘剤」を簡便にスクリーニングすることができる。以下の手順から明らかなように、相当数(例えば、異なる増粘剤の10〜50検体程度)は、並列的にスクリーニングすることが可能である。
なお、この際の「スクリーニング」において用いる「具体的な増粘剤」等の条件は、飽くまで該「スクリーニング」目的においてのみ用いるべき条件である。すなわち、この「スクリーニング」で用いた条件は、本発明のコーティング用組成物の他の態様(例えば、その製造、使用等の実施条件)を何ら限定するものではない。
具体的には、以下の手順で行う。
(1)実施例B1におけるものと同様に、「0.1%」濃度のCa(OH)2水溶液を調製する。
(2)実施例B1におけるものと同様に、スクリーニング対象たる「増粘剤」を、上記Ca(OH)2水溶液に添加して、得られた混合物のゲル化状態を目視でチェックする(例えば、「増粘剤」の種類によって、溶液状態となることがある)。
(3)更に、長時間(例えば、24時間後)に、ゲル化状態の持続性を目視でチェックする。
(4)更に長時間(例えば、1週間程度)で、ゲル化状態をチェックする。
実施例B5
コーティング用組成物(ジェル状)の抗菌効果の測定)
以下の方法により、本発明のコーティング用組成物(ジェル状)の抗菌効果を測定した。
・試験場所:一般財団法人 カケンテストセンター(大阪事業所;大阪市西区)
・微生物:大腸菌 Escherichia coli NBRC 3972
・試験方法: 生菌数108個/mL(すなわち、1×10exp(8)個/mL)に調整した菌液0.1mLを、試料溶液10mLに添加し、指定時間(すなわち、15分間、30分間)静置した。その後、試験液1mLをSCDLPブイヨン培地9mLで不活性化させ、混釈平板培養にて生菌数を測定した。また、対象として、蒸留水で同様の処理を行った。
上記で得られた結果を、表11に示す。すなわち、蒸留水(対照)を試料として用いた場合には、初期の生菌数が8.3×10exp(4)個、15分後の生菌数が1.1×10exp(5)個、30分後の生菌数が1.0×10exp(5)個であった。
これに対して、シェリー(シェリー⇒シェリール)水溶液(すなわち「水+水酸化物」の水溶液)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が6.0個、30分後の生菌数が3.5個であった。
更に、シェリージェル(すなわち、実施例B1で得た「水+水酸化物+増粘剤」のジェル)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が1.0個未満、30分後の生菌数も1.0個未満であった。
[表B11]=[表D7]と同じ
[表56]
<「実施例G」のシリーズ>
ここでは、以下に述べる「実施例G1〜実施例G6」において得られた結果の概略を示す。詳細な実験条件等は、後述する「個々の実施例G」において述べる。
上記「実施例G1〜実施例G6」において使用したサンプル、および「実施例G1〜実施例G6」の個々の実施例において得られたデータを、下記の[表G1]に示す。なお、該[表G1]に示すサンプルは、上述した[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうちの、サンプルNo.12〜No.26までの合計「15」サンプルである。更に、該[表G1]に示すサンプルそれぞれの「吸光度スペクトル」を、[図44]に示す。
[表G1]


上記の[表G1]には、上述した解析法F1〜F6に基づく解析の結果、得られたデータの概略を、併せて記載した。なお、表中の「サンプル15」(対象4)に関しては、有用なデータを得ることが出来なかった。本発明者の知見によれば、このデータ不良は、ここで使用した「増粘剤」の存在による、何らかの「アーティファクト」(例えば、該増粘剤の水中への溶解性不充分)と思量される。
[実施例G1]
(解析法F1に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F1」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述したように[表C3]〜[表C5]に示したうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F1」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F1)に記載したとおり、「解析法F1」に基づく解析結果「Rs1=J2/J1」として、「Rs1=4.048〜13.759」(有効数字3桁で表示すれば、Rs1=4.05〜13.8)との結果が得られた。
(解析法F1に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F1)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G2−1]〜[表G2−2]に示す。
[表G2−1]

[表G2−2]

[実施例G2]
(解析法F2に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F2」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述の[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F2」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F2)に記載したとおり、「解析法F2」に基づく解析結果「Rs2=(J2−J1a)/J1」として、「Rs2=3.100〜12.919」(有効数字3桁で表示すれば、Rs2=3.10〜12.9)との結果が得られた。
(解析法F2に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F2)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G3−1]〜[表G3−4]に示す。
[表G3−1]

[表G3−2]

[表G3−3]
[表G3−4]
[実施例G3]
(解析法F3に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F3」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述の[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F3」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F3)に記載したとおり、「解析法F3」に基づく解析結果「Rs3=(J2−J2a)/J1」として、「Rs3=1.462〜5.175」(有効数字3桁で表示すれば、Rs3=1.46〜5.18)との結果が得られた。
(解析法F3に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F3)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G4−1]〜[表G4−4]に示す。
[表G4−1]

[表G4−2]


[表G4−3]


[表G4−4]


[実施例G4]
(解析法F4に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F4」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述の[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F4」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F4)に記載したとおり、「解析法F4」に基づく解析結果「Rs4=J2b/J3a」として、「Rs4=0.484〜1.983」(有効数字3桁で表示すれば、Rs4=0.484〜1.98)との結果が得られた。
(解析法F4に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F4)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G5−1]〜[表G5−4]に示す。
[表G5−1]

[表G5−2]

[表G5−3]

[表G5−4]


[実施例G5]
(解析法F5に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F5」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述の[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F5」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F5)に記載したとおり、「解析法F5」に基づく解析結果「Rs5=J5a/J4a」として、「Rs5=0.485〜2.887」(有効数字3桁で表示すれば、Rs5=0.485〜2.89)との結果が得られた。
(解析法F5に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F5)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G6−1]〜[表G6−6]に示す。
[表G6−1]






[表G6−2]



[表G6−3]



[表G6−4]

[表G6−5]

[表G6−6]

[実施例G6]
(解析法F6に関する実施例;概略的なデータ)
この実施例では、上述した「解析法F6」に関して得られたデータをまとめて示す。
上述の[表C3]〜[表C5]に示したサンプルのうち、サンプルNo.12〜No.26(15種類)を上述した「解析法F6」によって解析した。この結果、上記の[表G1](解析法F6)に記載したとおり、「解析法F6」に基づく解析結果「Rs6=J2/J3」として、「Rs6=0.550〜1.870」(有効数字3桁で表示すれば、Rs6=0.550〜1.87)との結果が得られた。
(解析法F6に関する実施例;詳細なデータ)
上記の[表G1](解析法F6)に示したデータに関連する詳細な各種データを、以下の[表G7−1]〜[表G7−3]に示す。
[表G7−1]


[表G7−2]

[表G7−3]

本発明のコーティング用組成物は、上述した特性・機能の観点から、日常の種々の場面において、広く利用・活用することができる。本発明のコーティング用組成物の利用・活用の範囲は、該コーティング用組成物の特性・機能が有用な範囲全般にわたり、特に制限されない。以下、該コーティング用組成物の具体的な「産業上の利用可能性」を、以下に例示する。以下の記載において、コーティング用組成物「適用」とは、如何なる手段(例えば、任意の手段による塗布、スプレー塗布、霧状塗布)によるかを問わず、該組成物を、適用対象に「物理的に接触」させることを言うものとする。
(1)本発明のコーティング用組成物は、例えば、各種表面(すなわち、生体表面および/又は非生体表面;上記したように、「非生体表面」には、動植物の表面をも含む)を、その適用対象とすることができる。すなわち、該組成物を各種表面(すなわち、生体表面および/又は非生体表面)に適用(例えば、塗布)した後に、その「洗い流し」が必要ない除菌・抗菌・抗ウイルスジェル剤として使用することができる。
(1a)本発明のコーティング用組成物は、それが与える「適度なアルカリ性」に基づく「シンプルなメカニズム」に基づく抗菌性を発揮する。したがって、通常の他の薬剤では、治癒ないし軽減が極めて困難とされてきた疾病(例えば、「褥瘡」(じょくそう)にも有効である。
(2)本発明のコーティング用組成物は、例えば、抗菌コート剤(ジェルタイプおよび/又は泡タイプ)として、使用することができる。この場合、該組成物の塗布対象は、主に手指用である。すなわち、本発明のコーティング用組成物は、手指等の衛生状態を保持ないし改良するための衛生品として、使用することができる。例えば、本発明における「比較的に高粘度」の組成物は、該組成物により形成されたコーティング膜が比較的に硬い(すなわち、体表面に密着し易く、剥がれ難い)ため、手および/又は足の可動部位(例えば、関節周辺の足首、膝、肘、手関節等の周辺の可動部位)に特に好適に使用可能である。
(3)本発明のコーティング用組成物は、例えば、頭髪、顔、足、足指、足首ないし身体全身をも、その適用対象とすることができる。すなわち、本発明のコーティング用組成物は、頭髪、顔、足、足指、足首、ないし身体全身等の衛生状態を保持ないし改良するための衛生品として、使用することができる。
(4)本発明のコーティング用組成物は、例えば、家庭日用品をも、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、家庭日用品である。より具体的には、主に台所、家庭内日用品全般(まな板、三角コーナー、タワシ、ボール、ゴミ箱、風呂いす、風呂蓋、便座など)等が挙げられる。
(5)本発明のコーティング用組成物は、例えば、雑菌などの繁殖が問題になる食品関連用品を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、「雑菌などの繁殖が問題になる食品関連用品」全般である。より具体的には、例えば、リユース用食器類、食品包装フィルム、包装用袋、包装用容器、食品コンテナ、鮮度保持緩衝材、使い捨て手袋、等が挙げられる。
(6)本発明のコーティング用組成物は、例えば、雑菌などの繁殖が問題になる食品関連用品を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、医療関連の衛生品医療関連の衛生品(例えば、医療用衛生品)全般である。より具体的には、例えば、医療衛生品、医療用品、医療用手袋、医療医用・衛生用機器、病衣・寝装品、看護衣・予防衣、エプロン、ソックス、ストッキング、タイツ、成人紙おむつ、マスク、等が挙げられる。
(7)本発明のコーティング用組成物は、例えば、公共施設を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、公共施設の全部または一部の、全般である。より具体的には、例えば、簡易トイレ、吐しゃ物処理用具、病院、高齢者施設、学校・幼稚園、商業施設、イベントホールなど多くの人が出入りする公共施設内および厨房内機器、等が挙げられる。
(8)本発明のコーティング用組成物は、例えば、商業施設を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、商業施設の全部または一部の、全般である。より具体的には、例えば、フィットネスジムなどの商業施設において、特定または不特定多数の人が共有で使用する運動器具、床、マット、等が挙げられる。
(8a)本発明のコーティング用組成物は、例えば、清潔な環境が望まれる施設を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、「清潔な環境が望まれる施設」の全部または一部の、全般である。より具体的には、例えば、食品関連工場(醸造工場、製パンエ場、製麺工場、水産加工場など)、クリーンルームなどの特に清潔な環境が望まれる施設内および厨房内機器、等が挙げられる。
(9)本発明のコーティング用組成物は、例えば、公共の交通機関を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、公共の交通機関の全部または一部の、全般である。より具体的には、例えば、航空機、バス、鉄道など多くの人が利用する交通機関の座席、手すりなどの内部設備、等が挙げられる。
(9a)本発明のコーティング用組成物は、例えば、身のまわり品を、その適用対象とすることができる。この場合、適用対象は、「身のまわり品」の全部または一部の、全般である。より具体的には、例えば、靴用革の抗菌・防臭加工、寝具および被服の抗菌処理;ハンカチ、スカーフ、帽子、手袋、鞄、靴、履物等;毛布、敷布、タオルケット、寝袋カバー等の寝装品;塗布対象:カーテン、カーペット、テーブルクロス、マット、トイレタリー用品(便座カバーなど)等のインテリア用品;等が挙げられる。
(10)本発明のコーティング用組成物の、本明細書中に記載した各態様において、該組成物の効果の発揮には、水の**存在を必須としない**。本発明のコーティング用組成物は、例えば、水を必要としないことから、特に被災地避難生活、介護、レジャー(アウトドア)での漱ぎの環境が困難な際において他の衛生品と比べて優位性がある。
(10a)本発明のコーティング用組成物の「粘度低め」(すなわち、粘度緩め)の態様(すなわち、粘度低めの流体状)においては、該組成物は、また、ヒトまたは動物の口腔ケア/頭皮・頭髪・**体表面**のケアにも適用することができる。
本発明のコーティング用組成物の「「粘度低め」(すなわち、粘度硬め)の態様(すなわち、粘度硬めの流体状)においては、該組成物は、また、**ヒトまたは動物の全部または一部**の湿潤ケアにも適用することができる。
(11)本発明のコーティング用組成物は、例えば、特に災害時の避難生活における、「衛生」状態の維持または改良のために、該生活面の全般において、特に制限無く使用することができる。すなわち、災害時の避難生活において、ライフラインの断絶により一番困るのは水の確保であり、とりわけトイレの水が確保できずに困ることが多い。多くの被災者は、水が充分に使えないことによって、洗濯や風呂が制限されてしまう(国土交通省 近畿地方整備局の下記URLを参照)
http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/daishinsai/2.html
(11a)より具体的には、衛生面を考えると洗髪、洗顔、清拭は重要であるが、そのためには、すすぎや洗い流しといった水が必要となる。この点に関して、本発明のコーティング用組成物は、その「洗い流し」が必要ないことから、被災地において、抗菌・抗ウイルスジェル剤として、充分に有効活用することができる。
(12)本発明のコーティング用組成物は、例えば、被コーティング表面に適用(例えば、塗布)した後でも、抗菌力が持続する特徴を有する。よって、該組成物(例えば、ジェル状)の特性上、上記の適用後すぐに揮発せずに、被コーティング表面に基剤(本発明のコーティング用組成物の1種以上の成分)がなじみ、被コーティング表面に、しばらく残る傾向がある。また、該コーティング用組成物が乾燥した後も、該コーティング用組成物の「アルカリ性物質」(例えば、水酸化カルシウムパウダー)が被コーティング表面に残ること傾向がある。よって、該アルカリ性物質が、後に水分と反応して、アルカリ性イオン(例えば、水酸化物イオン)が電離することで、再びアルカリ性質となることができる。よって、(アルカリ性イオンが菌類等のたんぱく質に変性を与えることは技術常識であるため)、本発明のコーティング用組成物は、その適用時に、ある程度の「持続的な除菌」が可能となる、という優位性を有する。
(13)本発明のコーティング用組成物は、例えば、該組成物使用後の「洗い流し」を必須としない。
(14)本発明のコーティング用組成物は、例えば、その粘度(例えば、ジェル粘度)は、擦り込み時(動粘時)は緩く(すなわち、粘度が低く)、擦り込み後(安定時)は固く(すなわち、粘度が高く)なる傾向を有するので、使用しやすく、かつ使用箇所に擦り込んだコーティング用組成物が揮発し、また流れ落ちずにとどまりやすい傾向がある。よって、このような面からも、本発明のコーティング用組成物は、種々の被コーティング表面に対して、適用し易いという特徴がある。

Claims (14)

  1. 水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であって;
    該コーティング用組成物と被コーティング表面との物理的接触に基づき、該被コーティング表面上にコーティング膜を形成させた際に、該コーティング膜がアルカリ性を示すことを特徴とするコーティング用組成物。
  2. 前記コーティング用組成物が、常温(25℃)で固体状である請求項1に記載のコーティング用組成物。
  3. 前記コーティング用組成物が、流動性を有する請求項1に記載のコーティング用組成物。
  4. 前記コーティング用組成物が、剪断力の印加(25℃)の際に、比較的に低粘度の流体状態を示す請求項3に記載のコーティング用組成物。
  5. 前記コーティング用組成物が、剪断力が無印加(25℃)の際に、比較的に高粘度のジェル状態を示す請求項3に記載のコーティング用組成物。
  6. 前記コーティング用組成物が、非生体表面へ適用すべきものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  7. 前記コーティング用組成物が、生体表面へ適用すべきものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  8. 前記アルカリ性物質が、有機および/又は無機の水酸化物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  9. 前記水酸化物が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、周期表第2族に属する金属の水酸化物、「周期表第2族」以外の族に属する金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる請求項8に記載のコーティング用組成物。
  10. 前記被コーティング表面が、樹脂性である請求項1〜9のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  11. 被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング膜とを含む積層体であって;
    該コーティング膜が、コーティング用組成物と、前記コーティング材との物理的接触に基づくコーティング膜であり、且つ、
    該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であることを特徴とする積層体。
  12. 被コーティング材と、該被コーティング材の少なくとも一方の表面上に配置されたコーティング膜とを含む積層体における、該コーティング膜のpHを測定する方法であって;
    該コーティング膜が、コーティング用組成物と、前記コーティング材との物理的接触に基づくコーティング膜であり、且つ、
    該コーティング用組成物が、水、アルカリ性物質、および増粘剤を少なくとも含むコーティング用組成物であることを特徴とする方法。
  13. 前記積層体のコーティング膜のpHを測定する方法が、以下のステップ(a)〜(c)を含む、請求項12に記載の方法。
    (a)前記積層体表面上のコーティング膜の構成成分を溶媒に溶解および/又は分散させて、その溶液および/又は分散液を形成し、
    (b)該溶液および/又は分散液にpH指示薬を加え、
    (c)該pH指示薬の呈色に基づいて、前記溶液のpHを測定する。
  14. 前記pH指示薬の呈色に基づく測定が、分光学的測定によるものである請求項13に記載の方法。
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