JP2019156774A - 眠気防止剤、眠気防止用医薬組成物、眠気防止用食品組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、苦味等の風味の問題がなく、携帯性に優れ簡便に摂取でき、継続的に摂取しても副作用の懸念の少ない眠気防止剤を提供することである。【解決手段】本発明は、炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸を有効成分として含む眠気防止剤、及び該眠気防止剤を含む眠気防止用医薬組成物又は眠気防止用食品組成物を提供する。前記炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含んでいてもよい。【選択図】なし
Description
本発明は、眠気防止剤、眠気防止用医薬組成物、眠気防止用食品組成物に関する。
食後や夜間の長時間の自動車運転、高速道路での単調な自動車運転において、しばしば眠気を催すことがあり、居眠り運転による事故を防止する観点からも、運転中の眠気を抑止することは、運転者にとって重要な問題である。
眠気防止作用を有するものとして、カフェインがよく知られており、コーヒー等のカフェイン含有飲料が利用されている。しかし、カフェイン自体は苦味の強い物質のため摂取し易い食品や医薬品にすることが困難であり、また、カフェインを大量に摂取すると、副作用や依存性の危険性があることから、誰でも気軽に摂取することが困難であった。
眠気を防止する技術して、コーヒーエキスと、ローズマリーエキスと、蜂蜜と、カフェインとを糖類によって固形状にしてなる食品(引用文献1)が開示されているが、カフェインの苦味を抑えるために大量の甘味剤を加えており、風味の点で問題があった。また、メントール等の冷感刺激剤と、トウガラシ等の温感刺激剤とを含む口蓋貼付用フィルム(引用文献2)も開示されているが、食品のように簡便に利用できるものはなかった。
眠気を防止する技術して、コーヒーエキスと、ローズマリーエキスと、蜂蜜と、カフェインとを糖類によって固形状にしてなる食品(引用文献1)が開示されているが、カフェインの苦味を抑えるために大量の甘味剤を加えており、風味の点で問題があった。また、メントール等の冷感刺激剤と、トウガラシ等の温感刺激剤とを含む口蓋貼付用フィルム(引用文献2)も開示されているが、食品のように簡便に利用できるものはなかった。
本発明は、苦味等の風味の問題がなく、携帯性に優れ簡便に摂取でき、継続的に摂取しても副作用の懸念の少ない眠気防止剤を提供することを目的とする。
本発明者は、中鎖脂肪酸が意外にも眠気防止作用を有し、特に、長時間の運転に伴う眠気を効果的に抑制できる点を見出し、本発明を完成した。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1)炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸を有効成分として含む、眠気防止剤。
(2)前記炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む、(1)に記載の眠気防止剤。
(3)(1)又は(2)に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用医薬組成物。
(4)(1)又は(2)に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用食品組成物。
(5)前記医薬組成物が水中油型乳化物のゲルである、(3)に記載の眠気防止用医薬組成物。
(6)前記食品組成物が水中油型乳化物のゲルである、(4)に記載の眠気防止用食品組成物。
(2)前記炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む、(1)に記載の眠気防止剤。
(3)(1)又は(2)に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用医薬組成物。
(4)(1)又は(2)に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用食品組成物。
(5)前記医薬組成物が水中油型乳化物のゲルである、(3)に記載の眠気防止用医薬組成物。
(6)前記食品組成物が水中油型乳化物のゲルである、(4)に記載の眠気防止用食品組成物。
本発明によれば、苦味等の風味の問題がなく、携帯性に優れ簡便に摂取でき、継続的に摂取しても副作用の懸念の少ない眠気防止剤が提供される。特に、運転中でも摂取しやすく、長時間の運転に伴う眠気を効果的に抑制できる眠気防止剤が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに特に限定されない。
〔眠気防止剤〕
本発明の眠気防止剤は、中鎖脂肪酸を有効成分として含む。以下、「中鎖脂肪酸」を「MCFA」ともいう。「中鎖脂肪酸を有効成分として含む」とは、本発明の眠気防止剤中に含まれる生理活性物質として、中鎖脂肪酸が少なくとも含まれることを意味する。また、本発明において、眠気とは睡眠に先立つ主観的な状態を指す。
本発明の眠気防止剤は、中鎖脂肪酸を有効成分として含む。以下、「中鎖脂肪酸」を「MCFA」ともいう。「中鎖脂肪酸を有効成分として含む」とは、本発明の眠気防止剤中に含まれる生理活性物質として、中鎖脂肪酸が少なくとも含まれることを意味する。また、本発明において、眠気とは睡眠に先立つ主観的な状態を指す。
〔中鎖脂肪酸(MCFA)〕
MCFAは、炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸であり、通常の食品等(例えば、食用油脂や乳製品等)に含まれる油脂の構成成分である。より安全性の高い眠気防止剤が得られやすいという観点から、MCFAは、炭素数8〜12の直鎖飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数8及び/又は10の直鎖飽和脂肪酸であることがより好ましい。具体的なMCFAとしては、カプロン酸(n−ヘキサン酸)、カプリル酸(n−オクタン酸)、カプリン酸(n−デカン酸)、ラウリン酸が挙げられる。
MCFAは、炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸であり、通常の食品等(例えば、食用油脂や乳製品等)に含まれる油脂の構成成分である。より安全性の高い眠気防止剤が得られやすいという観点から、MCFAは、炭素数8〜12の直鎖飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数8及び/又は10の直鎖飽和脂肪酸であることがより好ましい。具体的なMCFAとしては、カプロン酸(n−ヘキサン酸)、カプリル酸(n−オクタン酸)、カプリン酸(n−デカン酸)、ラウリン酸が挙げられる。
MCFAは、例えばパーム核油やヤシ油を加水分解した後に精製することにより、得られる。また、MCFAとして市販品や試薬を使用することもできる。
眠気防止剤中に含まれるMCFAの形態としては特に限定されず、中鎖脂肪酸そのものであってもよく、生体内で中鎖脂肪酸に変換される脂肪酸前駆体(例えば、塩、エステル(後述するアシルグリセロール等))であってもよく、これらの混合物であってもよい。
MCFAは、通常、脂肪酸前駆体、より具体的にはMCFAとグリセリンとがエステル結合したアシルグリセロールの形態で体内に摂取される。摂取されたアシルグリセロールは、消化管内で分解吸収されMCFAを放出し、肝臓でエネルギー化されることが知られる。継続して摂取しても副作用の懸念が少ないという観点から、本発明の眠気防止剤に含まれるMCFAの形態は、アシルグリセロールであることが好ましい。
アシルグリセロールは、脂肪酸とグリセリンとがエステル結合した構造を有し、グリセリンに結合する脂肪酸の数の違いにより、3種の形態(モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びトリアシルグリセロール)のいずれかで存在する。本発明におけるアシルグリセロールは上記3種の形態のいずれであってもよいが、その構成脂肪酸のうちの少なくとも一つがMCFAである。本発明におけるアシルグリセロールとしては、通常の食品形態に近いという観点からトリアシルグリセロールが好ましい。また、本発明において、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールを構成する脂肪酸は、同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。異なる種類の脂肪酸から構成されるアシルグリセロールの場合、各々の脂肪酸のグリセリンへの結合位置は、特に限定されない。また、アシルグリセロールの構成脂肪酸として、MCFA以外の脂肪酸(例えば、炭素数14〜22の長鎖脂肪酸等)が含まれていてもよい。
本発明におけるアシルグリセロールの全構成脂肪酸において、MCFAの占める割合の下限値は、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。上限値は好ましくは100質量%以下である。上記範囲であれば、MCFAによる眠気防止作用をより効果的に発揮できる。なお、本発明の眠気防止剤において構成脂肪酸としてMCFAを含むアシルグリセロールを配合する場合、構成脂肪酸にMCFAを含まないアシルグリセロールをさらに配合してもよい。かかる場合、眠気防止剤に配合された全アシルグリセロールのうち、全構成脂肪酸におけるMCFAの占める割合が上記の範囲であればよい。
アシルグリセロールの製造方法は特に限定されないが、例えば、パーム核油やヤシ油由来のMCFAとグリセリンとをエステル化反応することで得られる。エステル化反応は、例えば、減圧下で無触媒かつ無溶剤にて反応させる方法、ナトリウムメトキシド等の合成触媒を用いて反応させる方法、及び、触媒としてリパーゼを用いて反応させる方法等が挙げられる。
苦味等の風味の問題がなく、より安全性の高い眠気防止剤が得られやすいという観点から、本発明におけるアシルグリセロールとしては、構成脂肪酸にMCFAと長鎖脂肪酸(例えば、炭素数14〜22の直鎖長鎖脂肪酸)とを含有するトリグリセリド、即ち中長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。そして、構成脂肪酸の全てがMCFAであるトリグリセリド、即ち中鎖脂肪酸トリグリセリドが特に好ましい。以下、「中長鎖脂肪酸トリグリセリド」を「MLCT」ともいい、「中鎖脂肪酸トリグリセリド」を「MCT」ともいう。本発明の眠気防止剤中に含まれるMCFAの形態としては、MLCT及び/又はMCTを含んでいることが好ましく、MCTのみを含んでいることがより好ましい。
本発明の眠気防止剤は、MCFA(MCFAそのもの、MCFAの脂肪酸前駆体(MLCT、MCT等)、又は、これらの混合物)からなるものであってもよいが、MCFAとともにMCFA以外の成分を含んでいてもよい。
本発明の眠気防止剤にMCFA以外の成分が含まれる場合、眠気防止剤に含まれるMCFA(MCFAそのもの、MCFAの脂肪酸前駆体(MLCT、MCT等)、又は、これらの混合物)の配合量の下限値は、眠気防止剤に対して好ましくは33質量以上%、さらに好ましくは50質量%以上である。上限値は好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。上記範囲であれば、MCFAによる眠気防止作用をより効果的に発揮できる。
本発明の眠気防止剤に含まれるMCFA以外の成分としては、MCFAの作用を阻害しない限り特に限定されない。このような成分として、眠気防止作用を有することが知られるカフェイン等が挙げられる。これらの成分の種類や配合量は、得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
本発明の眠気防止剤に含まれるMCFAの含量は、ガスクロマトグラフィー法により特定できる。
〔眠気防止作用〕
本発明の眠気防止剤は、眠気の防止又は眠気覚ましに用いることができる。本発明において「眠気の防止」とは、眠気を催す前に本発明の眠気防止剤を摂取(投与)することで、眠気が起こらないことを意味し、「眠気覚まし」とは、眠気を催した後に本発明の眠気防止剤を摂取(投与)することで、眠気が無くなることを意味する。本発明の眠気防止剤は、単調な流れ作業、寝不足時の作業、深夜の勤務や勉強、長時間の会議、抗ヒスタミン薬の摂取等に発生する眠気の防止や、眠気覚ましに用いることができる。特に、本発明の眠気防止剤は、長時間の自動車運転や、単調な自動車運転時の眠気の防止又は眠気覚ましに用いることができる。
本発明の眠気防止剤は、眠気の防止又は眠気覚ましに用いることができる。本発明において「眠気の防止」とは、眠気を催す前に本発明の眠気防止剤を摂取(投与)することで、眠気が起こらないことを意味し、「眠気覚まし」とは、眠気を催した後に本発明の眠気防止剤を摂取(投与)することで、眠気が無くなることを意味する。本発明の眠気防止剤は、単調な流れ作業、寝不足時の作業、深夜の勤務や勉強、長時間の会議、抗ヒスタミン薬の摂取等に発生する眠気の防止や、眠気覚ましに用いることができる。特に、本発明の眠気防止剤は、長時間の自動車運転や、単調な自動車運転時の眠気の防止又は眠気覚ましに用いることができる。
〔眠気防止用医薬組成物〕
本発明の眠気防止剤は、眠気防止用医薬組成物の製造のために適用できる。本発明の眠気防止剤を含む眠気防止用医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」ともいう。)は、副作用の懸念の少なく、継続投与に適した医薬品として好ましく利用できる。
本発明の眠気防止剤は、眠気防止用医薬組成物の製造のために適用できる。本発明の眠気防止剤を含む眠気防止用医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」ともいう。)は、副作用の懸念の少なく、継続投与に適した医薬品として好ましく利用できる。
本発明の医薬組成物の形態としては特に限定されないが、継続的に摂取しやすいという観点から、本発明の医薬組成物は経口投与用医薬組成物であることが好ましい。
経口投与用医薬組成物の形態としては、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤、ゼリー等の製剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、本発明の眠気防止剤、並びに、薬理上及び製剤上許容し得る添加物を含む組成物であることが好ましい。「薬理上及び製剤上許容し得る添加物」としては、通常、製剤分野において賦形剤等として常用され、かつ、本発明の眠気防止剤に含まれる有効成分と反応しない物質を使用できる。
本発明の医薬組成物の投与量は、投与方法、投与期間、その他の諸条件(例えば、年齢、体重等)に応じて、適宜設定できる。
本発明の医薬組成物の投与量は、下限値を、MCFAの量に換算して、好ましくは0.06g/kg体重/日以上、さらに好ましくは0.11g/kg体重/日以上に設定できる。上限値については、MCFAの量に換算して、好ましくは0.55g/kg体重/日以下、さらに好ましくは0.37g/kg体重/日以下に設定できる。
本発明の医薬組成物の投与量は、下限値を、MCTの量に換算して、好ましくは0.06g/kg体重/日以上、さらに好ましくは0.12g/kg体重/日以上に設定できる。上限値については、MCTの量に換算して、好ましくは0.60g/kg体重/日以下、さらに好ましくは0.40g/kg体重/日以下に設定できる。
本発明の医薬組成物は、副作用の懸念が少ないうえ、一般的な有効成分との相互作用が生じる可能性が低いため、既存薬(カフェイン等)と組み合わせて用いてもよい。本発明の医薬組成物と組み合わされる既存薬が眠気防止剤である場合、既存薬の用量を下げることができるので、該既存薬が有する副作用を低減できる。
〔眠気防止用食品組成物〕
本発明の眠気防止剤は、眠気防止用食品組成物の製造のために適用できる。本発明の眠気防止剤の有効成分であるMCFAは、副作用の懸念が少ないだけではなく、食品の風味や嗜好性を損ないにくい。そのため、本発明の眠気防止剤を含む眠気防止用食品組成物(以下、「本発明の食品組成物」ともいう。)は摂食しやすい食品として好ましく利用できる。
本発明の眠気防止剤は、眠気防止用食品組成物の製造のために適用できる。本発明の眠気防止剤の有効成分であるMCFAは、副作用の懸念が少ないだけではなく、食品の風味や嗜好性を損ないにくい。そのため、本発明の眠気防止剤を含む眠気防止用食品組成物(以下、「本発明の食品組成物」ともいう。)は摂食しやすい食品として好ましく利用できる。
本発明の食品組成物の形態としては、サプリメントや、一般食品が挙げられる。
サプリメントの形態は特に限定されず、固形製剤又は液体製剤のいずれでもよい。例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁液、エマルジョン剤、内服液、糖衣錠、丸剤、細粒剤、シロップ、ゼリー等の製剤が挙げられる。
一般食品の形態は特に限定されず、例えば、パン・菓子類(パン、ケーキ、クッキー、ビスケット、ドーナツ、チョコレート、スナック菓子、ホイップクリーム、アイスクリーム等)、飲料類(果汁飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、コーヒー飲料、乳酸菌飲料等)、スープ類、調味加工食品(ドレッシング、ソース、マヨネーズ、マーガリン等)、ファットスプレッド、ショートニング、ベーカリーミックス、炒め油、フライ油、フライ食品、加工肉製品、冷凍食品、フライ食品、麺、レトルト食品、流動食、嚥下食等が挙げられる。
本発明の眠気防止剤を一般食品の製造のために使用する場合は、MLCT及び/又はMCT(より好ましくはMCT)の形態で原材料に追加するか、原材料の油脂をMLCT及び/又はMCT(より好ましくはMCT)に置き換えて使用することが好ましい。
本発明の食品組成物の摂取量は、摂取期間、その他の諸条件(例えば、年齢、体重等)に応じて、適宜設定できる。
本発明の食品組成物の摂取量は、下限値を、MCFAの量に換算して、好ましくは0.06g/kg体重/日以上、さらに好ましくは0.11g/kg体重/日以上に設定できる。上限値については、MCFAの量に換算して、好ましくは0.55g/kg体重/日以下、さらに好ましくは0.37g/kg体重/日以下に設定できる。
本発明の食品組成物の摂取量は、下限値を、MCTの量に換算して、好ましくは0.06g/kg体重/日以上、さらに好ましくは0.12g/kg体重/日以上に設定できる。上限値については、MCTの量に換算して、好ましくは0.60g/kg体重/日以下、さらに好ましくは0.40g/kg体重/日以下に設定できる。
本発明の医薬組成物、又は食品組成物中のMCFA(眠気防止剤)が、トリアシルグリセロールの形態(MCT及び/又はMLCT)の場合、本発明の医薬組成物、又は食品組成物は、水中油型乳化物のゲル(ゲル状の形態)であることが好ましい。本発明におけるゲルとは、本発明の医薬組成物、又は食品組成物が、高い粘性を持ち、流動性を失った状態を指す。具体的には、前記トリアシルグリセロールを油相に含む水中油型乳化物の水相を、水溶性のゲル化剤でゲル状にしたものである。本発明の医薬組成物、又は食品組成物の形態がゲル状であると、水分なしで摂取できるため摂取し易く、携帯性にも優れる。
本発明の医薬組成物、又は食品組成物の水中油型乳化物のゲルは、以下の工程で製造することができる。すなわち、水に油脂以外の原料を分散させた後、ゲル化剤の溶解温度まで昇温して原料を混合溶解し、均一な調製液にする。その後、MCT及び/又はMLCTを含む油脂原料を投入してミキサーやホモジナイザー等で乳化する。その後、調合液(水中油型乳化物)をゲル化剤の凝固温度以上に保持しながら容器に充填し、密封した後、冷却してゲル化させる。また、水中油型乳化物のゲルを殺菌する場合は、容器に充填後、密封して加熱殺菌する方法、加熱殺菌しながら容器に充填する方法、充填前に加熱殺菌し、その後無菌充填する方法等を使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[試験食(眠気防止用食品組成物)の製造]
表1に記載の配合に従い、原料を秤量し、以下に記載した手順で試験食(眠気防止用食品組成物)を製造した。なお、前記試験食には、眠気防止剤としてMCTを配合した。前記MCTは、日清オイリオグループ(株)製、商品名「日清MCTオイル」を使用した。
水に油脂以外の原料を分散させた後、90℃まで昇温して原料を混合溶解して均一な調合液とした。その後、油脂(MCT)を投入してホモミキサーで乳化した。次に、得られた乳化調合液(水中油型乳化物:900g)をアルミパウチ袋に15gずつ充填・密封した後、レトルト殺菌し、冷却してゲル化し、水中油型乳化物のゲルである試験食(眠気防止用食品組成物)を得た。
前記試験食は、苦味等がなく良好な風味で、携帯しやすい食品であった。
表1に記載の配合に従い、原料を秤量し、以下に記載した手順で試験食(眠気防止用食品組成物)を製造した。なお、前記試験食には、眠気防止剤としてMCTを配合した。前記MCTは、日清オイリオグループ(株)製、商品名「日清MCTオイル」を使用した。
水に油脂以外の原料を分散させた後、90℃まで昇温して原料を混合溶解して均一な調合液とした。その後、油脂(MCT)を投入してホモミキサーで乳化した。次に、得られた乳化調合液(水中油型乳化物:900g)をアルミパウチ袋に15gずつ充填・密封した後、レトルト殺菌し、冷却してゲル化し、水中油型乳化物のゲルである試験食(眠気防止用食品組成物)を得た。
前記試験食は、苦味等がなく良好な風味で、携帯しやすい食品であった。
[眠気防止効果の確認:健常成人男性(46歳)の例]
家族旅行で長距離・長時間の運転をする必要があり、出発前(朝食の2時間後)に上記で製造した眠気防止用食品組成物を1包(内容量15g、MCTとして6g)摂取した後、車を約4時間運転した。また、翌日も、帰路において前記眠気防止用食品組成物を1包摂取した後、車を約4時間運転した。
普段の長時間・長距離の運転時は、眠気を催すとブラックコーヒーとガムで眠気を覚ましていたが、今回は、眠気を催すことなく長時間の運転ができた。また、これまでカフェイン(ブラックコーヒー由来)を多く摂取すると、就寝時になかなか眠りに入れないことが多かったが、今回は、カフェインの摂取を控えたため、就寝時に速やかに眠りに入れた。
家族旅行で長距離・長時間の運転をする必要があり、出発前(朝食の2時間後)に上記で製造した眠気防止用食品組成物を1包(内容量15g、MCTとして6g)摂取した後、車を約4時間運転した。また、翌日も、帰路において前記眠気防止用食品組成物を1包摂取した後、車を約4時間運転した。
普段の長時間・長距離の運転時は、眠気を催すとブラックコーヒーとガムで眠気を覚ましていたが、今回は、眠気を催すことなく長時間の運転ができた。また、これまでカフェイン(ブラックコーヒー由来)を多く摂取すると、就寝時になかなか眠りに入れないことが多かったが、今回は、カフェインの摂取を控えたため、就寝時に速やかに眠りに入れた。
上記の結果より、MCFA(MCT由来)は眠気防止に効果があることが認められた。
Claims (6)
- 炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸を有効成分として含む、眠気防止剤。
- 前記炭素数6〜12の直鎖飽和脂肪酸として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む、請求項1に記載の眠気防止剤。
- 請求項1又は2に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用医薬組成物。
- 請求項1又は2に記載の眠気防止剤を含む、眠気防止用食品組成物。
- 前記医薬組成物が水中油型乳化物のゲルである、請求項3に記載の眠気防止用医薬組成物。
- 前記食品組成物が水中油型乳化物のゲルである、請求項4に記載の眠気防止用食品組成物。
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