JP2019112361A - 高次脳機能改善用組成物 - Google Patents

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Shoko TAKAI
祥子 高井
三本木 千秋
Chiaki Sanhongi
千秋 三本木
拓也 長井
Takuya Nagai
拓也 長井
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Abstract

【課題】新規な高次脳機能改善用組成物を提供する。【解決手段】アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を含む、高次脳機能改善用組成物を好適に用いることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、高次脳機能改善用組成物に関する。
集中力や作業効率の向上はどの世代、性別においても求められるものであり、それらには、注意、記憶、判断、理解、計算等の高次脳機能が関与している。また、集中力等は、暑熱環境下で低下することも知られている。
脳機能の解明が進むにつれ、脳機能を増強させる物質の探索が行われている。特に、副作用の心配がないことから、食品成分中における脳機能を向上させる物質の探索が行われている。例えば、特許文献1には、ペプチドKEMPFPKYPVEP等の記憶学習機能および/または認知機能を増強するための組成物が記載されている。
また、特許文献2には、ロイシンと中鎖脂肪酸とビタミンDとを有効成分とする運動機能改善剤、呼吸機能改善剤または認知能改善剤が記載されている。
また、特許文献3には、コラーゲンまたはゼラチンをコラゲナーゼ処理した分解物であって、前記コラゲナーゼ処理した分解物を含む水溶液と合成吸着剤SEPABEADS SP850とを混合し、非吸着成分を回収してなり、Gly−Pro−Arg等のペプチドを含有する神経新生促進剤を配合することを特徴とする飲食品が記載されている。
また、特許文献4には、ピロロキノリンキノン類と、グリシン、L−セリンおよびL−トリプトファンから選ばれる一種以上のアミノ酸を共に含有する組成物を用いることによって、優れた脳機能改善効果が得られることが記載されている。
また、特許文献5には、シトルリン摂取による脳の疲労の改善効果について記載されている。
しかしながら、高次脳機能を改善する優れた技術的手段が依然として求められているといえる。
一方で暑熱環境下では熱中症を発症することが知られている。熱中症は、暑熱環境下において体水分や電解質が失われることにより発症する障害の総称であり、深部体温の上昇とともにめまい、頭痛、意識障害等の様々な症状があらわれることで知られている。また、熱中症は発汗量に対して水分や電解質の摂取が少なくなった場合に発症することが知られているが、環境温度に身体が順応できない場合や、汗腺の機能低下による体温調節能が低下した場合も発症する。このような症状が現れる場合には、高次脳機能もしばしば著しく低下する。したがって、暑熱環境下等において高次脳機能を改善するとともに発汗を促進する技術的手段を提供することもまた重要な課題である。
近年、発汗を促進するために、体温を上昇させる組成物が報告されている。例えば、特許文献6には、スレオニン、プロリン、グリシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、アラニン、メチオニン、ヒスチジンおよびアルギニンのみからなる群を有効成分とする長時間持続体温上昇性アミノ酸群飲食用または医療用の経口投与剤が記載されている。
また、特許文献7には、アミノ酸として、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニンの4種アミノ酸のみを有効成分として含有することを特徴とする体温上昇飲食品用の剤が記載されている。
また、特許文献8には、アルギニンを含有する血流増加用組成物であって、アルギニンを1回あたりの投与量が25mg/kg体重〜150mg/kg体重となる量で含有する組成物が記載されている。
しかしながら、高次脳機能を改善するとともに発汗を促進する技術的手段は報告されていない。
特開2017−008104号公報 特開2016−210720号公報 特開2010−104364号公報 特開2010−132599号公報 特開2016−121194号公報 国際公開第2002/100193号 特開2009−159984号公報 特開2006−306865号公報
本発明は、高次脳機能を効果的に改善させる新たな技術的手段を提供することを目的とする。また、本発明は、高次脳機能を改善させるとともに発汗を促進させる技術的手段を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を組み合わせて摂取すると、高次脳機能を効果的に改善させうることを見出した。さらに、本発明者らは、上記5種のアミノ酸を組み合わせて摂取すると高次脳機能を改善させるとともに発汗を促進させることを見出した。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を含む、高次脳機能改善用組成物。
(2) 上記高次脳機能が、選択的注意機能、認知機能、記憶機能、遂行機能および学習機能からなる群から選択される、(1)に記載の組成物。
(3) 発汗促進のための、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 暑熱環境下における対象のための、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の組成物。
(5) アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの質量比(アルギニン:シトルリン:グリシン:プロリン:チロシン)が、1〜80:1〜80:1〜200:1〜150:1である、(1)〜(4)のいずれか一つに記載の組成物。
(6) 1日の摂取量として、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリン、およびチロシンを、それぞれ10〜1200mg、10〜1200mg、10〜4400mg、10〜4000mg、および10〜400mgとなる量で含有する、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の組成物。
(7) 上記組成物が栄養補助食品である、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の組成物。
(8) 上記組成物が飲料または流動食である、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の組成物。
本発明によれば、本発明の組成物を対象に摂取させることにより、高次脳機能を効果的に改善させることができる。また、本発明の組成物は、暑熱環境下における対象の高次脳機能を効果的に改善させる上で有利に利用することができる。さらに、本発明の組成物は、発汗を促進させることができる。特に、運動時やサウナ入浴時等の暑熱環境下において、発汗を促進できる点で有利である。
図1は、試験例1の検査スケジュールを示す。 図2は、試験サンプルまたはプラセボを摂取した対象者の摂取前後のストループテストにおける正解時の反応時間(実測値)を示したグラフである。 図3は、試験サンプルまたはプラセボを摂取した対象者のストループテストにおける正解時の反応時間(変化量)を示したグラフである。ここで、*は、試験サンプル摂取群がプラセボ摂取群に比して統計学的に有意な差があることを表す(1標本t検定、p<0.05)。
発明の具体的説明
本発明の高次脳機能改善用組成物は、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を含有することを一つの特徴としている。上記組成物は、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を有効成分として含有することが好ましい。
本発明の組成物に配合されるアルギニン、シトルリン、プロリンおよびチロシンとしては、L体およびD体が挙げられ、好ましくはL体である。
また、本発明の組成物に配合されるアルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの形態としては、それぞれ、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、塩、水和物、またはフリーベースの形態で組成物中に含有させてもよい。かかる塩は、有機酸(酢酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、α−ケトグルタル酸、グルコン酸、酒石酸、脂肪酸等)、有機塩基、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、リン酸等)、無機塩基(カリウム、ナトリウム、亜鉛等)とで形成されうる。
本発明において、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンまたはチロシンは、それぞれアルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンまたはチロシンを多く含む素材や食品等から、搾汁、濃縮、精製、結晶化または各種の溶媒で抽出する方法等により得ることができる。各種の溶媒として、水や通常に用いられる溶媒、例えば、アルコール類、炭化水素類、有機酸、有機塩基、無機酸、無機塩基、超臨界流体等を単独で、または複数を組み合わせて用いることが可能である。また、上記各アミノ酸は発酵生産、または化学合成により得ることもできる。さらに、上記各アミノ酸としては市販品を購入してもよい。
本発明の組成物におけるアルギニンの含有量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、アルギニンそのものの含有量として、好ましくは10〜1200mgであり、より好ましくは100〜800mgであり、さらに好ましくは200〜600mgである。
本発明の組成物における各アミノ酸の含有量は、ニンヒドリン法により測定することができる。
本発明の組成物におけるシトルリンの含有量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、シトルリンそのものの含有量として、好ましくは10〜1200mgであり、より好ましくは100〜800mgであり、さらに好ましくは200〜600mgである。
本発明の組成物におけるグリシンの含有量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、グリシンそのものの含有量として、好ましくは10〜4400mgであり、より好ましくは300〜2200mgであり、さらに好ましくは350〜1800mgである。
本発明の組成物におけるプロリンの含有量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、プロリンそのものの含有量として、好ましくは10〜4000mgであり、より好ましくは250〜2000mgであり、さらに好ましくは500〜1500mgである。
本発明の組成物におけるチロシンの含有量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、チロシンそのものの含有量として、好ましくは10〜400mgであり、より好ましくは50〜200mgであり、さらに好ましくは75〜150mgである。
また、本発明の組成物において、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの質量比(アルギニン:シトルリン:グリシン:プロリン:チロシン)は、1〜80:1〜80:1〜200:1〜150:1が挙げられ、好ましくは、2〜6:2〜6:2〜15:2〜12:1、より好ましくは3〜5:3〜5:8〜12:5〜11:1である。
また、本発明の組成物は、上記アミノ酸成分と共に、所望により経口上許容可能な添加剤を配合した組成物として提供することができる。経口上許容可能な添加剤として、水等の水性媒体、溶剤、溶解補助剤、滑沢剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、界面活性剤、調整剤、キレート剤、pH調整剤、緩衝剤、賦形剤、増粘剤、着色剤、芳香剤、香料、湿潤剤、甘味料、または酸化防止剤、酸味料、強化剤、調味料、製造用剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記の各成分を混合、溶解、分散、懸濁する等の公知の手法により、調製することができる。また、本発明の組成物の調製においては、本発明の効果を妨げない限り、上記の各成分の混合物、溶解物、分散物、懸濁物等に、均質化処理や殺菌処理を施してもよい。
また、本発明の組成物の形態は、本発明の効果を妨げない限り、特に制限されず、粉状、顆粒状等の固形状、ゲル状またはペースト状等の半固形状や液状であってもよいが、半固形状または液状であることが好ましく、液状であることがより好ましい。組成物が半固形状または液状である場合、組成物の容量は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、例えば、50〜5000mLとしてもよく、好ましくは100〜1000mLであり、より好ましくは100〜500mLであり、さらに好ましくは100〜200mLである。
また、本発明の組成物は、1日の摂取量の単位として提供することが好ましい。本発明の組成物におけるアルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの1日の摂取量は、上述した組成物中の含有量と同様とすることができる。
したがって、本発明の好ましい態様によれば、本発明の組成物は、1日の摂取量の単位からなり、アルギニン10〜1200mg、シトルリン10〜1200mg、グリシン10〜4400mg、プロリン10〜4000mg、およびチロシン10〜400mgを含んでなる。また、上記のアルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの含有量は、好ましくは、本発明の組成物100〜1000mL当たりの含有量であり、より好ましくは、本発明の組成物100〜500mL当たりの含有量であり、さらに好ましくは、本発明の組成物100〜200mL当たりの含有量である。なお、対象の代表的な体重は、約60kgと見積もっている。
本発明の組成物としては、食品、流動食もしくは飲料等の飲食品、飲食品添加物、飼料、医薬品、医薬部外品、サプリメント、または化粧料の提供が挙げられ、摂取の簡便性、風味の観点からドリンク剤等の飲料が好ましい。
本発明の飲食品(飲食品組成物)は、特に限定されないが、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、アルコール飲料、ドリンク剤等の飲料類;ゼリー;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、パン粉等の小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類等の調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、シリアル等の農産加工品;ハム、ベーコン、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工食品:冷凍食品等が挙げられる。
本発明の飲食品には、健康食品、機能性食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品または機能性表示食品を含む)、栄養補助食品、特別用途食品(例えば、病者用食品、乳児用調製粉乳、妊産婦、授乳婦用粉乳またはえん下困難者用食品を含む)または乳児用液体調製乳(乳児用液体ミルクともいう)も包含される。
本発明の医薬品(医薬組成物)は、特に限定されないが、経口上許容可能な添加剤を併用して、常法に従って、経口製剤として調製したものが挙げられる。かかる経口製剤としては、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等の固形製剤、溶液、懸濁液、乳濁液等の液状製剤の形態をとることができる。
また、本発明の組成物は、包装形態で提供することが好ましい。包装形態としては、特に限定されず、パックや容器等が挙げられる。この場合、使用される容器は、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器や金属缶、瓶等の通常の形態で提供することができる。ここで、本発明の組成物が液状の場合、容器詰とすることにより、例えば、希釈せずに飲用できる。また、包装の表面には、成分の表示、用量や用法の表示等を付していてもよいし、後述の記載に基づいて、高次脳機能を改善させる、暑熱環境下において高次脳機能を改善させる、高次脳機能を改善させると共に発汗を促進させる、または、暑熱環境下において高次脳機能を改善させると共に発汗を促進させる等の具体的な機能の表示等を付していてもよい。かかる包装形態の好適な例としては、サプリメント、ドリンク剤、医薬製剤等が挙げられる。ここで、表示は、本発明の組成物自体に付したものであってもよいし、本発明の組成物を含有する容器、包装材または添付文書に付したものであってもよい。また、表示は、本発明の組成物の関連する情報として、チラシ、パンフレット、ポップ、カタログ、ポスター、書籍、DVD等の記憶媒体、電子掲示板やインターネット等での広告等で、本発明の組成物が効果的であることを表示・広告するものであってもよい。
また、本発明の組成物によれば、高次脳機能を改善することができる。ここで、「高次脳機能を改善する」とは、「高次脳機能を向上する」の意味を含むだけでなく、想定される悪化に対して事前に備える「高次脳機能の低下を防止する」または「高次脳機能を維持する」の意味を含む。上記高次脳機能としては、選択的注意機能、認知機能、記憶機能、遂行機能、学習機能が挙げられ、好ましくは、選択的注意機能、遂行機能である。また、本発明の組成物によれば、さらに、発汗を促進することができる。したがって、本発明の好ましい一つの態様によれば、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための組成物が提供される。また、本発明の好ましい別の態様によれば、暑熱環境下における対象において高次脳機能を改善するための組成物、または、暑熱環境下における対象において発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための組成物が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、高次脳機能を改善する方法であって、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の有効量を対象に服用(好ましくは、摂取)させることを含んでなる方法が提供され、それを必要とする対象に摂取させることを含んでなる方法が提供される。また、本発明の方法の好ましい別の態様によれば、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善する方法であって、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の有効量を対象に服用(好ましくは、摂取)させることを含んでなる方法が提供され、それを必要とする対象に摂取させることを含んでなる方法が提供される。ここで、「有効量」とは、1日の摂取量の単位における、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの含有量等と同様に設定することができる。そして、本発明の方法では、一つの態様によれば、ヒトに対する医療行為を除くものである。ここで、ヒトに対する医療行為とは、医師等の処方を必要として、ヒトに対して医薬品を摂取させる(投与する)行為等を意味する。また、上記態様において、対象は好ましくは健常者である。本発明の高次脳機能を改善する方法は、本明細書において本発明の組成物について記載された内容に従って実施することができる。
本発明の摂取の方法は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されないが、好ましくは、経管摂取(経鼻摂取、胃ろう等)、経口摂取であり、より好ましくは、経口摂取である。
また、本発明の方法では、本発明の組成物の構成成分である、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンを同時に対象に摂取させてもよく、別々に対象に摂取させてもよいが、好ましくは、本発明の組成物の形態に調製して同時に対象に摂取させることである。
本発明の摂取の用法は、本発明の効果を妨げない限り、対象の種類、年齢、性別、症状に応じて、当業者が適宜設定することができる。また、本発明の1日の摂取量は、1回で対象に摂取させてもよく、複数回で対象に摂取させてもよいが、本発明の組成物の形態に調製して1回で対象に摂取させることが好ましい。したがって、本発明の1日の摂取回数は、例えば1日に1〜5回が挙げられ、好ましくは、1日に1〜3回であり、より好ましくは、1日に1回である。かかる1日の摂取量としては、上述した組成物中の含有量と同様とすることができ、アルギニン10〜1200mg、シトルリン10〜1200mg、グリシン10〜4400mg、プロリン10〜4000mg、およびチロシン10〜400mgが挙げられる。
本発明の対象は、哺乳類が挙げられ、好ましくは、ヒトであり、より好ましくは健常者である。さらに、本発明の好ましい対象としては、暑熱環境下における対象(熱中症の予防を必要とする対象を含む)が挙げられる。なお、暑熱環境下における対象には、暑熱環境から外れた後であっても暑熱環境により身体に影響を受けた対象を含む。
「暑熱環境」とは、夏の暑さといった身体に影響を与える暑さ環境をいう。暑熱環境としては、例えば、炎天下、長風呂、サウナ、エアコンのきれている真夏の車内もしくは室内、または、連日の猛暑日もしくは熱帯夜等が挙げられる。
また、「暑熱環境」の好ましい態様は非運動時の暑熱環境である。ここで、「非運動時」とは、運動による急激な糖質、脂質、タンパク質のエネルギー変換に伴う体温上昇等がない状態をいい、日常生活、例えば、長風呂、サウナ、エアコンのきれている真夏の車内または室内、猛暑日、熱帯夜への曝露を包含する。
また、「暑熱環境」は、暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)で表すことができる。したがって、「暑熱環境」の好ましい別の態様によれば、暑さ指数の下限値が、例えば21℃、好ましくは25℃であり、より好ましくは28℃、さらに好ましくは31℃であり、暑さ指数の上限値が、例えば40℃、好ましくは37℃であり、より好ましくは35℃である。
また、「暑熱環境」は、気温でも表すことができる。したがって、「暑熱環境」の好ましい別の態様によれば、気温の下限値が、例えば、28℃、好ましくは31℃、より好ましくは35℃、さらに好ましくは40℃であり、気温の上限値が、例えば、120℃、好ましくは100℃、より好ましくは90℃、さらに好ましくは80℃である。
また、本発明の別の態様によれば、高次脳機能改善用組成物の製造における、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の使用が提供される。また、本発明の使用の好ましい別の態様によれば、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための組成物の製造における、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の使用が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、高次脳機能の改善のための、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の使用が提供される。また、本発明の好ましい別の態様によれば、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の使用が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を組成物中に配合することを特徴とする、高次脳機能改善用組成物の製造方法が提供される。また、本発明の好ましい別の態様によれば、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を組成物中に配合することを特徴とする、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、高次脳機能の改善のための、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の組み合わせ物が提供される。また、本発明の好ましい別の態様によれば、発汗を促進するとともに高次脳機能を改善するための、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸の組み合わせ物が提供される。
上記の使用、製造方法、組み合わせ物の態様はいずれも、本発明の組成物や方法に関する記載に準じて実施することができる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲は、これらの例示に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本発明で用いられる全部のパーセンテージや比率は質量による。また、特に記載しない限り、本明細書に記載の単位や測定方法はJIS規格による。
例1:試験サンプルの製造
試験サンプルとしては、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンである5種類のアミノ酸を使用した。配合割合は表1に示した通りである。使用したアルギニン、シトルリン、プロリンおよびチロシンは全てL体であった。いずれのアミノ酸も粉末であり、協和発酵バイオ株式会社から入手した。
表1に示した配合量で、各アミノ酸粉末を混合し、5つのセルロースホワイトカプセルに分けて封入した。なお、プラセボとしては、空のセルロースホワイトカプセルを用いた。
Figure 2019112361
試験例1
検査スケジュール
20歳以上49歳以下の健康な男性8名を対象とした。対象者には、検査日来院時の6時間以上前に事前に規定食を摂取させ、その後絶食させた。飲水は規定食摂取時間以降規定した軟水のみの摂取とし、来院2時間前から絶水とした。対象者は、来院後、着衣を着替え、身体測定を行った。その後、対象者は発汗計(マイクロ発汗計TPL3520、テクノサイエンス社)を装着し、恒温恒湿室(25±2℃、50±5%)内で15分間馴化し、ストループテストを行った。馴化後、対象者に試験サンプルまたはプラセボを摂取させた。試験サンプル摂取群では、対象者は実施例1で製造した試験サンプル(5カプセル)を室温の水道水200mlでかまずに飲み込んだ。プラセボ摂取群では、対象者は空カプセル(5カプセル)を試験サンプル摂取群と同様に摂取した。摂取後、対象者は25分間座位で安静にし、その後、65℃設定の遠赤外線サウナに10分入室(座位)し、退出後1回タオルで汗をふいた。その後、対象者は恒温恒湿室内にて10分間座位で安静にし、再度65℃設定の遠赤外線サウナに5分間入室(座位)し、退出後1回タオルで汗をふいた。その後、対象者は採血を受け、恒温恒湿室内にて20分間座位で安静にした。その後、最後のストループテストを行った。上記検査スケジュールを図1に示す。
本試験はプラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験として実施した。1回目の検査から6日以上の間隔をあけて2回目の検査を行った。2回目の検査は、対象者が1回目の検査とは異なる群のカプセルを摂取する以外は1回目の検査と同じスケジュールで行われた。
ストループテスト
ストループテストは、「Cognitrax」(ヘルスソリューション社製)を用いて、RELIABILITY AND VALIDITY OF A COMPUTERIZED NEUROCOGNITIVE TEST BATTERY, CNS VITAL SIGNS. Archives Clinical Neuropsychology. September 30, 2006.に記載の方法で行った。
具体的には以下の方法で行った。ストループテストは、コンピュータを用いて行った。赤、黄、青および緑の文字が色文字で画面に表示される。対象者は文字の色が文字の意味と一致しない時だけスペースキーを押す。正解時の反応時間は、問題が表示されてから解答までの時間の正解応答の平均値(msec)として算出した。
ストループテストにおける正解時の反応時間(実測値)を図2に示す。データは、平均値である。さらに、ストループテストにおける正解時の反応時間(変化量)を図3に示す。データは、平均値である。正解時の反応時間(変化量)は、試験サンプル摂取群がプラセボ摂取群に比して有意に短縮した(*:1標本t検定、p<0.05)。
発汗量の測定
発汗量は、発汗計(マイクロ発汗計TPL3520、テクノサイエンス社)を用いて測定した。上記発汗計は、上述の様に、恒温恒湿室内での馴化の前に装着された。その後、発汗量は最後のストループテスト終了時まで連続で測定された。
その結果、摂取23分後の発汗量は、試験サンプル摂取群では2.217±0.322mg/cm/分であり、プラセボ摂取群では2.090±0.331mg/cm/分であった。摂取23分後の発汗量は、試験サンプル摂取群がプラセボ摂取群に比して有意に高かった(対応のあるt検定(1標本t検定)、p<0.01)。データは、平均値±標準偏差である。
摂取24分後の発汗量は、試験サンプル摂取群では2.260±0.333mg/cm/分であり、プラセボ摂取群では2.098±0.265mg/cm/分であった。摂取25分後の発汗量は、それぞれ試験サンプル摂取群では2.291±0.359mg/cm/分であり、プラセボ摂取群では2.091±0.276mg/cm/分であった。さらに、5分間のサウナの後の安静待機1分後の発汗量は、試験サンプル摂取群では2.330±0.333mg/cm/分であり、プラセボ摂取群では2.120±0.298mg/cm/分であった。5分間のサウナの後の安静待機2分後の発汗量は、試験サンプル摂取群では2.295±0.342mg/cm/分であり、プラセボ摂取群では2.134±0.298mg/cm/分であった。上記摂取24分後、25分後の発汗量および安静待機1分後、2分後の発汗量は、試験サンプル摂取群がプラセボ摂取群に比して有意に高かった(対応のあるt検定(1標本t検定)、p<0.05)。データは、平均値±標準偏差である。

Claims (8)

  1. アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンからなる5種のアミノ酸を含む、高次脳機能改善用組成物。
  2. 前記高次脳機能が、選択的注意機能、認知機能、記憶機能、遂行機能および学習機能からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 発汗促進のための、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 暑熱環境下における対象のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリンおよびチロシンの質量比(アルギニン:シトルリン:グリシン:プロリン:チロシン)が、1〜80:1〜80:1〜200:1〜150:1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 1日の摂取量として、アルギニン、シトルリン、グリシン、プロリン、およびチロシンを、それぞれ10〜1200mg、10〜1200mg、10〜4400mg、10〜4000mg、および10〜400mgとなる量で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が栄養補助食品である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が飲料または流動食である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
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