JP2019155333A - 排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
Description
排ガスを吸収液と接触させて浄化ガスに変換するように構成されたスクラバと、
前記スクラバからの前記浄化ガスを大気に排出するための排気口を有する排気ダクトと、
前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスを加熱する再加熱ユニットと、
前記排気口に対する相対風速u、気温および湿度の少なくとも一つを含む大気情報と、前記スクラバに供給される前記吸収液の温度または前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度の少なくとも一方とに基づいて、下記条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように前記再加熱ユニットを制御するように構成されたコントローラと、
を備える:
(a)前記排気口からの前記浄化ガスの噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす
(b)前記浄化ガスが前記排気口から放出されて大気に拡散するまでの間、前記浄化ガスの相対湿度が100%未満を満たす。
よって、上記(1)の構成によれば、コントローラが、条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように再加熱ユニットを駆動するから、排ガスの白煙化又はダウンウォッシュの少なくとも一方を防止することができる。
前記コントローラは、
前記噴出し速度Vsと、前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度との相関に基づいて、前記条件(a)を充足するために必要な前記浄化ガスの下限温度を求め、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するように構成されてもよい。
前記コントローラは、
前記排気口を通過後、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの湿度および温度の既知の変化傾向に基づいて、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの温度と露点との最小温度差が閾値以上となるのに必要な前記浄化ガスの下限温度を求め、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するように構成されてもよい。
前記コントローラは、
航路及び船速を含む航海計画から、前記航路上の各区域の通過時刻を求め、
前記通過時刻における前記各区域の気象予測データを取得し、
前記気象予測データから得た前記大気情報に基づいて、前記各区域における前記再加熱ユニットを制御するように構成されてもよい。
前記相対風速u、前記気温又は前記湿度を取得する大気センサと、
前記吸収液の温度を計測する水温計と、
前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスの出口温度を計測する出口温度計と、
をさらに備え、
前記コントローラは、
前記大気センサの実測によって前記大気情報を取得し、
前記水温計又は前記出口温度計による実測によって前記吸収液の温度又は前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスの出口温度の何れか一方を取得するように構成されてもよい。
前記コントローラは、前記大気センサによって取得した前記大気情報と、前記水温計によって計測した前記吸収液の温度とに基づき前記再加熱ユニットを制御するように構成されてもよい。
前記コントローラは、前記大気センサによって取得した前記大気情報と、前記出口温度計によって計測した前記出口温度とに基づき前記再加熱ユニットを駆動するように構成されてもよい。
前記コントローラは、
気象予測データから前記大気情報を取得するとともに、
海象予測データから前記吸収液の温度又は前記浄化ガスの出口温度の何れか一方を取得するように構成されてもよい。
排ガスを吸収液と接触させて浄化ガスに変換するように構成されたスクラバと、前記スクラバからの前記浄化ガスを大気に排出するための排気口を有する排気ダクトと、前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスを加熱する再加熱ユニットと、を備えた排ガス処理装置の運転方法であって、
前記排気口に対する相対風速u、気温および湿度の少なくとも一つを含む大気情報を取得するステップと、
前記スクラバに供給される前記吸収液の温度または前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度の少なくとも一方を取得するステップと、
取得した前記大気情報と、前記吸収液の温度または前記浄化ガスの温度とに基づいて、下記条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように前記再加熱ユニットを制御するステップと、を備える:
(a)前記排気口からの前記浄化ガスの噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす
(b)前記浄化ガスが前記排気口から放出されて大気に拡散するまでの間、前記浄化ガスの相対湿度が100%未満を満たす。
前記噴出し速度Vsと、前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度との相関に基づいて、前記条件(a)を充足するために必要な前記浄化ガスの下限温度を求めるステップと、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するステップと、をさらに備えていてもよい。
前記排気口を通過後、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの湿度および温度の既知の変化傾向に基づいて、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの温度と露点との最小温度差が閾値以上となるのに必要な前記浄化ガスの下限温度を求めるステップと、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するステップと、
をさらに備えていてもよい。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2に示すように、本開示の少なくとも一実施形態に係る排ガス処理装置1は、排ガス40を吸収液102と接触させて浄化ガス41に変換するように構成されたスクラバ3(湿式脱硫装置)と、スクラバ3からの浄化ガス41を大気100に排出するための排気口7Aを有する排気ダクト7と、排気ダクト7を流れる浄化ガス41を加熱する再加熱ユニット5と、排気口7Aに対する相対風速u、気温および湿度の少なくとも一つを含む大気情報と、スクラバ3に供給される吸収液102の温度またはスクラバ3から排出される浄化ガス41の温度の少なくとも一方に基づいて、下記条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように再加熱ユニット5を制御するように構成されたコントローラ20と、を備えている:
(a)排気口7Aからの浄化ガス41の噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす(例えば、図1参照)
(b)浄化ガス41が排気口7Aから放出されて大気に拡散するまでの間、浄化ガス41の相対湿度が100%未満を満たす(例えば、図3(b)参照)。
SO2(gas)+H2O→H2SO3→H++HSO3 - ・・・(1)
H++HCO3 - →H2O+CO2(aq) ・・・(2)
なお、幾つかの実施形態では、排ガス処理装置1が、上記スクラバ3を通過する前後における排ガス40又は浄化ガス41中のSO2濃度を測定するための図示しない濃度センサ(イオンセンサ等)を備えていてもよい。また、幾つかの実施形態では、吸収液102をスクラバ3に送るためのポンプ4(給水ポンプ)を備えていてもよい。吸収液102は、種々の有害成分を除去し得るものであればよく、例えば、海水(アルカリ性の吸収剤)であってもよい。
排気ダクト7は、例えば、図示しない火力発電プラントや化学工業プラント、廃棄物焼却施設又は船舶などにおける煙突であってもよく、排気ダクト7にはスクラバ3から煙突までの通気口(例えば配管等)が含まれ得る。
再加熱ユニット5は、スクラバ3から排出された低温の洗浄後の排ガス40(つまり浄化ガス41)を再加熱することにより、該浄化ガス41に起因する白煙の生成を回避し、大気中に放出される浄化ガス41の浮力を高めるものであり、結果として、浄化ガス41が下降する又は地面(或いは水面)に落ちることが抑制される。
幾つかの実施形態では、コントローラ20が本開示における上記の制御を行うための再加熱制御プログラム31や再加熱量決定プログラム32等がROM22内に格納されていてもよい。
すなわち、上記構成によれば、コントローラ20が、条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように再加熱ユニット5を駆動するから、排ガス40の白煙化又はダウンウォッシュの少なくとも一方を防止することができる。
(a)排気口7Aからの浄化ガス41の噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす。
(b)浄化ガスが排気口7Aから放出されて大気100に拡散するまでの間、浄化ガス41の相対湿度が100%未満を満たす。
2 エンジン
3 スクラバ(脱硫装置)
4 ポンプ(給水ポンプ)
5 再加熱ユニット
6 希釈ユニット
7 排気ダクト
7A 排気口
8 水温計
9 出口温度計
10 大気センサ
11 大気温度計(大気センサ)
12 大気湿度計(大気センサ)
13 風向計(大気センサ)
14 風速計(大気センサ)
20 コントローラ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 インターフェース(I/F)
28 バス
31 再加熱制御プログラム
32 再加熱量決定プログラム
40 排ガス
41 浄化ガス
50 航路
100 大気
101 海
102 吸収液
Claims (11)
- 排ガスを吸収液と接触させて浄化ガスに変換するように構成されたスクラバと、
前記スクラバからの前記浄化ガスを大気に排出するための排気口を有する排気ダクトと、
前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスを加熱する再加熱ユニットと、
前記排気口に対する相対風速u、気温および湿度の少なくとも一つを含む大気情報と、前記スクラバに供給される前記吸収液の温度または前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度の少なくとも一方とに基づいて、下記条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように前記再加熱ユニットを制御するように構成されたコントローラと、
を備える排ガス処理装置:
(a)前記排気口からの前記浄化ガスの噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす
(b)前記浄化ガスが前記排気口から放出されて大気に拡散するまでの間、前記浄化ガスの相対湿度が100%未満を満たす。 - 前記コントローラは、
前記噴出し速度Vsと、前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度との相関に基づいて、前記条件(a)を充足するために必要な前記浄化ガスの下限温度を求め、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定する
ように構成された請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 前記コントローラは、
前記排気口を通過後、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの湿度および温度の既知の変化傾向に基づいて、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの温度と露点との最小温度差が閾値以上となるのに必要な前記浄化ガスの下限温度を求め、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定する
ように構成された請求項1又は2に記載の排ガス処理装置。 - 前記コントローラは、
航路及び船速を含む航海計画から、前記航路上の各区域の通過時刻を求め、
前記通過時刻における前記各区域の気象予測データを取得し、
前記気象予測データから得た前記大気情報に基づいて、前記各区域における前記再加熱ユニットを制御する
ように構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の排ガス処理装置。 - 前記相対風速u、前記気温又は前記湿度を取得する大気センサと、
前記吸収液の温度を計測する水温計と、
前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスの温度を計測する出口温度計と、
をさらに備え、
前記コントローラは、
前記大気センサの実測によって前記大気情報を取得し、
前記水温計又は前記出口温度計による実測によって前記吸収液の温度又は前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスの出口温度の何れか一方を取得するように構成された
請求項1〜4の何れか一項に記載の排ガス処理装置。 - 前記コントローラは、前記大気センサによって取得した前記大気情報と、前記水温計によって計測した前記吸収液の温度とに基づき前記再加熱ユニットを制御するように構成された
請求項5に記載の排ガス処理装置。 - 前記コントローラは、前記大気センサによって取得した前記大気情報と、前記出口温度計によって計測した前記出口温度とに基づき前記再加熱ユニットを駆動するように構成された
請求項5に記載の排ガス処理装置。 - 前記コントローラは、
気象予測データから前記大気情報を取得するとともに、
海象予測データから前記吸収液の温度又は前記浄化ガスの出口温度の何れか一方を取得するように構成された
請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 排ガスを吸収液と接触させて浄化ガスに変換するように構成されたスクラバと、前記スクラバからの前記浄化ガスを大気に排出するための排気口を有する排気ダクトと、前記排気ダクトを流れる前記浄化ガスを加熱する再加熱ユニットと、を備えた排ガス処理装置の運転方法であって、
前記排気口に対する相対風速u、気温および湿度の少なくとも一つを含む大気情報を取得するステップと、
前記スクラバに供給される前記吸収液の温度または前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度の少なくとも一方を取得するステップと、
取得した前記大気情報と、前記吸収液の温度または前記浄化ガスの温度とに基づいて、下記条件(a)又は(b)の少なくとも一方を満たすように前記再加熱ユニットを制御するステップと、を備えた排ガス処理装置の運転方法:
(a)前記排気口からの前記浄化ガスの噴出し速度VsがVs≧1.5uを満たす
(b)前記浄化ガスが前記排気口から放出されて大気に拡散するまでの間、前記浄化ガスの相対湿度が100%未満を満たす。 - 前記噴出し速度Vsと、前記スクラバから排出される前記浄化ガスの温度との相関に基づいて、前記条件(a)を充足するために必要な前記浄化ガスの下限温度を求めるステップと、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するステップと、
をさらに備える請求項9に記載の排ガス処理装置の運転方法。 - 前記排気口を通過後、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの湿度および温度の既知の変化傾向に基づいて、前記大気への拡散中における前記浄化ガスの温度と露点との最小温度差が閾値以上となるのに必要な前記浄化ガスの下限温度を求めるステップと、
前記浄化ガスの温度が前記下限温度以上となるように、前記再加熱ユニットにおける再加熱量を決定するステップと、
をさらに備える請求項9又は10に記載の排ガス処理装置の運転方法。
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