JP2019155329A - 異なる耐用期間を有する浄水器セットとその浄水システム - Google Patents

異なる耐用期間を有する浄水器セットとその浄水システム Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトでデザイン自由度に優れた水栓を備えてシンクトップ側をすっきりと構成することができるとともに、フィルタの交換を容易に行うことができ、かつフィルタの耐用期間を延長することができる浄水器と浄水システムを提供する。【解決手段】アンダーシンク12側に設置する長期の耐用期間を有する第1浄水手段14と、シンクトップ13側に設置する短期の耐用期間を有する第2浄水手段15とを備え、第1浄水手段14のフィルタの交換頻度を少なくしたことを特徴とする異なる耐用期間を有する浄水器セットとその浄水器セットを使用した浄水システムである。【選択図】図1

Description

本発明は、水道水の浄化を行うための浄水器に関し、特にフィルタの耐用期間が長く、かつ交換が容易な浄水器セットとその浄水器セットを使用した浄水システムに関する。
従来、飲用水としての水道水には厳しい水質基準が設けられており、安全で衛生的な水道水を使用することができる。その一方で、水道水を作る過程では塩素消毒が行われており、水栓(蛇口)での残留塩素濃度が0.1(mg/L)以上であることが水道法に定められている。この結果、水栓から取り出した直後の残留塩素を含む水道水はカルキ臭がして美味しくないとともに、河川などの取水源から取水した原水に含まれている有機物質が消毒用の塩素と反応して発癌性が疑われているトリハロメタンが生成され、水質基準内ではあるが含まれている可能性がある。
また、河川水などに生育する一部の藻類や菌類によって生じる2−メチルイソボルネオールなどの物質は、除去しきれずに水道水に混入することがあり、人間の嗅覚は2−メチルイソボルネオールの臭いに敏感であるため、水道水がカビ臭いと認識されることがある。この他にも、水道水には、水道管や給水タンクの劣化による鉄錆などが混じることもある。
このため、水道水をより美味しく安全な水とするため、さらに浄水器を使用して浄化することが行われている。通常、水道水用の浄水器は活性炭と中空糸膜の二種類のフィルタ(濾材)を組合せて構成されており、活性炭により水道水中のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去するとともに、中空糸膜により水道水中の細菌、汚濁成分等を除去するようにしている。そして、浄水器では、フィルタの浄化能力が低下した際における水処理材の交換の容易さから、活性炭フィルタと中空糸膜フィルタの二種類のフィルタを一体化してカートリッジ化している。
カートリッジ化したフィルタを用いる家庭用の水道水用の浄水器としては、蛇口直結型浄水器、水栓内蔵(スパウトイン)型浄水器などのシンクトップ型と、流し台の下に置いて使用するアンダーシンク型浄水器などが知られている。
蛇口直結型浄水器の例としては、特許文献1に、水道水栓の吐出口に浄水器用本体を直結し、浄水器本体に浄水用カートリッジを着脱可能な浄水器が提案されている。
水栓内蔵型浄水器の例としては、特許文献2に、活性炭と中空糸膜とからなる浄水用カートリッジを着脱自在に水栓に内蔵し、カートリッジの交換が容易であるとともに、美観的にも優れた水栓内蔵(スパウトイン)型浄水器が提案されている。
特許文献1の蛇口直結型浄水器では、浄水用カートリッジが水栓の吐出口に直結した浄水器用本体に着脱可能に設けられており、また、特許文献2の水栓内蔵型浄水器では、浄水用カートリッジが水栓に着脱可能に内蔵されているため、これらの浄水器では、作業性が良いシンクトップ上で浄水用カートリッジの交換を簡単に行うことができる。
アンダーシンク型浄水器の例としては、特許文献3に、内部に活性炭及フィルタ及び中空糸膜フィルタが配設された浄水器を流し台の下方に配設し、浄水器の入口部と出口部には、水栓に連通する浄水器入口側配管と浄水器出口側配管がそれぞれワンタッチジョイントにより着脱可能に接続された浄水システムが提案されている。
特許文献3のアンダーシンク型の浄化システムでは、浄水用カートリッジを蛇口直結型浄水器や水栓内蔵型浄水器のものよりも大型化することができるので、総濾過量を十分に大きくできるとともに、浄水用カートリッジを流し台の下に収納して使用するため、水栓と浄水用カートリッジを収納した浄水器とを接続する配管や、浄水器自体が外部に出ないので、シンクトップ上がすっきりして見栄えを良くすることができるとともに、料理やシンクでの洗い物などの炊事作業の際に浄水器が邪魔になることがない。また、水栓と浄水器との間を接続する配管と浄水器との接続は、ワンタッチジョイントにより簡単に着脱することができので、浄水器の交換作業を簡単に行うことができる。
特開2015−93238号公報 WO2014/196567号公報 特許第3116053号公報
しかしながら、特許文献1の蛇口直結型浄水器では、水栓の吐出口に直結した浄水器に浄水用カートリッジを取付けて使用することから、また、特許文献2の水栓内蔵型浄水器では浄水用カートリッジを水栓内に内蔵して使用することから、どちらも活性炭フィルタと中空糸膜フィルタとから成る浄水用カートリッジを小型に形成しなければならず、それに伴って浄水用カートリッジの総濾過水量が少なくなるため、カートリッジの頻繁な交換が必要となり、煩わしいという問題がある。
特許文献3の浄水システムでは、水栓と浄水器との間を接続する配管と浄水器との間の接続がワンタッチジョイントにより簡単に着脱することができるとはいえ、浄水器はシンク下の奥に配置されているため、浄水器の交換に先立ち、浄水器の手前に収納されている調理器具等の収納物を取出す作業と、浄水器交換後に取出した収納物を再度収納する作業が必要であり、屈み込んだ姿勢でシンクの下に潜り込み、収納物の出し入れや浄水器の交換を行うことは辛い作業であるため、浄水器交換作業の容易化が要望されている。
これらに加え、特許文献3の浄水システムで使用されている浄水器を含む従来の浄水用カートリッジでは、上流側に活性炭フィルタを配するとともに下流側に中空糸膜フィルタを配しているため、水道水が上流側の活性炭フィルタを通過する際に殺菌用の残留塩素が除去され、中空糸膜フィルタには、常時、殺菌用の残留塩素が除去された水が滞留することになる。このため、中空糸膜フィルタの出口側から給水栓出口までの間に細菌やカビが繁殖するおそれがあるので、衛生性の観点から、一般的には、浄水用カートリッジの交換は1年以内が望ましいとされており、中空糸膜フィルタの濾過能力が残っているにも係わらず浄水用カートリッジの交換作業がこの期間毎に発生し、中空糸膜フィルタの濾過能力を十分に利用することができない。
また、従来の浄水用カートリッジを使用した浄水器では、前述したように、活性炭フィルタの下流側(2次側)の水には殺菌用の塩素が含まれていないため、夜間など長時間浄水器の中で水が滞留すると細菌が増殖する恐れがあるので、使用時にはこの滞留した水を除去する捨て水を行う必要がある。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発に至ったものであり、その目的とするところは、コンパクトでデザイン自由度に優れた水栓を備えてシンクトップ側をすっきりと構成することができるとともに、フィルタの交換を容易に行うことができ、かつフィルタの耐用期間を延長することができる浄水器と浄水システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、アンダーシンク側に設置する長期の耐用期間を有する第1浄水手段と、シンクトップ側に設置する短期の耐用期間を有する第2浄水手段とを備え、第1浄水手段のフィルタの交換頻度を少なくしたことを特徴とする異なる耐用期間を有する浄水器セットである。
請求項2に係る発明は、第1浄水手段に中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵し、第2浄水手段に活性炭フィルタを着脱自在に設けた異なる耐用期間を有する浄水器セットである。
請求項3に係る発明は、活性炭フィルタは、第2浄水手段である水栓本体に内蔵した異なる耐用期間を有する浄水器セットである。
請求項4に係る発明は、活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段を水栓本体の吐水口の近傍位置に設けた異なる耐用期間を有する浄水器セットである。
請求項5に係る発明は、中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵した第1浄水手段をアンダーシンク側に設置し、この第1浄水手段に活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段に接続し、耐用期間の長い中空糸膜フィルタから耐用期間の短い活性炭フィルタを通って浄水が供給されるとともに、活性炭フィルタを簡単に交換可能に設け、かつ活性炭フィルタの直前まで遊離残留塩素を含有させて第1浄水手段に長い耐用期間を発揮できるようにしたことを特徴とする浄水システムである。
請求項6に係る発明は、2個以上の第1浄水手段を並列に設置し、中空糸膜フィルタの膜面積を調整可能とした浄水システムである。
請求項1に係る発明によると、フィルタの交換作業がやりにくいアンダーシンク側に長期の耐用期間を有し交換頻度が少ない第1浄水手段を設置するとともに、フィルタの交換作業がやり易いシンクトップ側に短期の耐用期間を有し交換頻度が多い第2浄水手段を設置して浄水器セットを構成しているので、浄水器セットの浄化能力を維持するために必要なフィルタの交換作業の頻度を、フィルタの交換作業がやりにくいアンダーシンク側に設置した第1浄水手段では少なくすることができるとともに、フィルタの交換作業がやり易いシンクトップ側に設置した第2浄水手段では多くしているので、浄水器セット全体としてみた場合には、フィルタの交換作業を容易に行うことができる。
請求項2に係る発明によると、第1浄水手段に中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵し、第2浄水手段に活性炭フィルタを着脱自在に設けているので、第1浄水手段で水道水中の細菌、汚濁成分等を除去し、その後、第2浄水手段で水道水中のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去して、美味しく安全な水を供給することができるとともに、濾過能力の寿命に達したこれらフィルタを簡単に交換して浄水器の浄化能力を回復させることができる。
また、アンダーシンク側に設置する第1浄水手段は、従来の浄水用カートリッジのように活性炭フィルタを内蔵しないので、中空糸膜フィルタの収納量を増やして全濾過水量を大幅に増加させることができる。
これに加え、水道水中の遊離残留塩素を除去する活性炭フィルタを内蔵した第2浄水手段を第1浄水手段の下流側(2次側)に設けているので、中空糸膜フィルタを内蔵した第1浄水手段内に滞留する水は遊離残留塩素を含んでおり、通常の使用状況では、遊離残留塩素の消毒効果によって中空糸膜フィルタ内に細菌やカビが繁殖するおそれがないため、衛生上の観点から中空糸膜フィルタの交換期間を設定することなく、純粋にフィルタとしての全濾過水量の観点から中空糸膜フィルタの交換期間を設定することができるので、従来よりも交換間隔を長くすることができる。
請求項3に係る発明によると、活性炭フィルタを第2浄水手段である水栓本体に内蔵したので、水栓本体への活性炭フィルタの着脱をシンクトップ側で行うことができるので、活性炭フィルタの交換作業が容易となる。
また、活性炭フィルタは、従来の水栓内蔵型浄水器の浄水用カートリッジのように中空糸膜フィルタを内蔵していないため、活性炭フィルタの全濾過水量を従来の水栓内蔵型浄水器の浄水用カートリッジと同等にする場合には、従来の水栓内蔵型浄水器の浄水用カートリッジよりも小型に形成することができるので、活性炭フィルタを内蔵する水栓本体をコンパクトにすることができるとともに、水栓本体のデザインに自由度を与えることができる。或いは、活性炭フィルタを従来の水栓内蔵型浄水器の浄水用カートリッジと同じ大きさに形成する場合には、活性炭フィルタの全濾過水量を従来の水栓内蔵型浄水器の浄水用カートリッジの全濾過水量より増加させ、交換間隔を長くすることができる。
さらに、活性炭フィルタを内蔵した水栓本体では、活性炭フィルタの直前までは遊離残留塩素を含んだ水が滞留し、水栓を開くと活性炭フィルタを通過して遊離残留塩素が除去された水が直ちに水栓外に吐出されるので、通常の使用状況では、従来の浄水器よりも捨て水の量を極端に少なくすることができるため、水道水の無駄が発生しない。
請求項4に係る発明によると、活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段を水栓本体の吐出口の近傍位置に設けたため、第2浄水手段への活性炭フィルタの着脱をシンクトップ側で行うことができるので、活性炭フィルタの交換作業が容易となる。
また、活性炭フィルタは、従来の蛇口直結型浄水器の浄水用カートリッジのように中空糸膜フィルタを内蔵しないため、活性炭フィルタの全濾過水量を従来の蛇口直結型浄水器の浄水用カートリッジと同等にする場合には、従来の蛇口直結型浄水器の浄水用カートリッジよりも小型に形成することができるので、活性炭フィルタを近接位置に設けた第2浄水手段をコンパクトにすることができる。或いは、活性炭フィルタを従来の蛇口直結型浄水器の浄水用カートリッジと同じ大きさに形成する場合には、活性炭フィルタの全濾過水量を従来の蛇口直結型浄水器の浄水用カートリッジの全濾過水量より増加させ、交換間隔を長くすることができる。
さらに、活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段を水栓本体の吐出口の近傍位置に設けた第2浄水手段では、活性炭フィルタの直前までは遊離残留塩素を含んだ水が滞留し、水栓を開くと活性炭フィルタを通過して遊離残留塩素が除去された水が直ちに第2浄水手段から水栓外に吐出するので、通常の使用状況では、従来の浄水器よりも捨て水の量を極端に少なくすることができるため、水道水の無駄が発生しない。
請求項5に係る発明によると、耐用期間の長い中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵した第1浄水手段をアンダーシンク側に設置するとともに、この第1浄水手段を耐用期間の短い活性炭フィルタを交換可能に内蔵した第2浄水手段に接続し、第1浄水手段の中空糸膜フィルタから第2浄水手段の活性炭フィルタを通って浄水が供給されるようにしているので、中空糸膜フィルタを内蔵した第1浄水手段内に滞留する水は遊離残留塩素を含み、通常の使用状況では、遊離残留塩素の消毒効果によって中空糸膜フィルタ内に細菌やカビが繁殖するおそれがない。このため、衛生上の観点から中空糸膜フィルタの交換期間を設定することなく、純粋にフィルタとしての全濾過水量の観点から中空糸膜フィルタの交換期間を設定することができるので、中空糸膜フィルタを内蔵した第1浄水手段は、長い耐用期間を発揮することができる。
また、活性炭フィルタを内蔵した第2浄水手段では、活性炭フィルタの直前までは遊離残留塩素を含んだ水が滞留し、水栓を開くと活性炭フィルタを通過して遊離残留塩素が除去された水が直ちに水栓外に吐出されるので、通常の使用状況では、従来の浄水器よりも捨て水の量を極端に少なくすることができるため、水道水の無駄が発生しない。
さらには、フィルタの交換作業が面倒なアンダーシンク側に耐用期間の長い中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵した第1浄水手段を設置し、耐用期間の短い活性炭フィルタを着脱自在に内蔵した第2浄水手段は活性炭フィルタを簡単に交換可能に設けているので、耐用期間が短い活性炭フィルタを内蔵し、頻繁なフィルタ交換が必要となる第2浄水手段では、簡単にフィルター交換作業を行うことができるとともに、フィルタの交換作業が面倒なアンダーシンク側に設置した第1浄水手段では、耐用期間の長い中空糸膜を内蔵しているため、フィルタの交換間隔を長くして交換頻度を少なくすることができるので、その結果、浄水システム全体としてのフィルタ交換作業を容易化することができる。
請求項6に係る発明によると、2個以上の第1浄水手段を並列に設置し、中空糸膜フィルタの膜面積を調整可能としているので、2個以上の第1浄水手段を並列に設置して中空糸膜フィルタの膜面積を増加させ、第1浄水手段に内蔵した中空糸膜フィルタの濾過能力を向上させたり、耐用期間を長く設定したりすることができる。
また、設置場所の条件により、第1浄水手段の大きさに制限を受ける場合であっても、小型に形成した第1浄水手段を並列に設置して中空糸膜フィルタの膜面積を増加させ、所定の膜面積を有する第1浄水手段を構成することができる。
本発明における浄水システムの一実施例を示す模式図である。 (a)図1の浄水システムを流し台に配置した場合の正面図である。(b)同じく右側面図である。 本発明における浄水システムの他の実施例を示す模式図である。 (a)図2の浄水システムを流し台に配置した場合の正面図である。(b)同じく右側面図である。 本発明における浄水システムのさらに他の実施例を示す模式図である。
以下、本発明における浄水手段と浄水システムを詳細に説明する。図1は、本発明における浄水システムの一実施例を示す模式図であり、図2は、この浄水システムをキッチンの流し台に適用した場合の正面図及び右側面図である。
図1によると、浄水システム11は、流し台のアンダーシンク12側とシンクトップ13側に分かれて構成されており、アンダーシンク12側には第1浄水手段14が設置され、シンクトップ13側には第2浄水手段15が備えられ、第1浄水手段14と第2浄水手段15との間は、浄水供給管16で接続されている。なお、アンダーシンク12側とは、例えば流し台の下の収納部(キャビネット内)が該当し、シンクトップ13側とは、流し台の上部が該当する。なお、図1において、シンクトップ13に、例えば図示しない食器洗浄機のような機器を設置し、浄水供給管16と接続してもよい。この場合、機器と浄水供給管16に水の通止を制御する止水弁を別途設置してもよい。
アンダーシンク12側に設置される第1浄水手段14は、水道水をその内部に導入する原水入口18と、第1浄水手段14内で浄化した浄水を導出する浄水出口19とを備えている。原水入口18には、原水導入管20の一端が接続されるとともに、原水導入管20の他端には、給水栓21を介して水道管22が接続されている。この原水導入管20には逆止弁23と止水弁24を設けており、逆止弁23は、第1浄水手段14のフィルタが捕捉した異物が逆流して原水(水道水)を汚染することを防止する機能を有しており、止水弁24は、第1浄水手段14のフィルタやその他配管部材交換の際に止水する機能を有している。また、浄水出口19には、浄水供給管16の一端が接続されるとともに、浄水供給管16の他端には、第2浄水手段15が接続されている。
第1浄水手段14の内部には、複数本の中空糸膜27がU字状に曲げられた状態で収納され、中空糸膜27同士及び中空糸膜27とケース28との間が、各々の中空糸膜27の端部を開口させて合成樹脂29で封止固定され、中空糸膜フィルタ30を構成している。なお、後述するように、浄水システム11は、常に第1浄水手段14に水道圧が直接作用する先止め式配管様式に構成されているので、ケース28の材質を耐圧性優れるもの(例えば、ステンレス製或いは樹脂製)とする必要がある。
中空糸膜フィルタ30は、前述したように、原水(水道水)由来の異物(微粒子等)、雑菌等を除去する機能を有している。中空糸膜フィルタ30では、水道水のカルキ臭、カビの臭いを除去することはできないが、老朽配管や水道管工事により発生する異物(赤錆等)が水道管内に侵入して水道水に混入した場合には、中空糸膜フィルタ30によりこれらを除去することができる。また、過去に発生事例があるように、クリプトスポリジウム原虫やジアルジア原虫による水道水汚染が発生した場合には、これらの原虫は塩素消毒にも抵抗性を示すが、中空糸膜フィルタに代表される精密濾過膜により除去することができる。このため、水道水を浄化して安全な水とするためには、中空糸膜フィルタ30を設けることが好ましい。
図1に示すように、第1浄水手段14の内部には、中空糸膜フィルタ30のみが収納されており、従来の浄水用カートリッジ又は浄水器(以下、浄水用カートリッジ等という。)のように活性炭フィルタは収納されていない。このため、従来の浄水用カートリッジ等で活性炭フィルタを収納していた空間にも中空糸膜フィルタ30の収納が可能となったので、ケース28の大きさを従来の浄水用カートリッジ等と同じ大きさとする場合には、より大量の中空糸膜27を使用して中空糸膜フィルタ30を形成し、濾過流量を向上させるか、或いは全濾過水量を増加させて耐用期間を延伸させることができる。
また、中空糸膜フィルタ30の耐用期間が従来の浄水用カートリッジ等の耐用期間と同じで良い場合には、ケース28を小型化して設置スペースを削減することができる。
従来の浄水用カートリッジ等では、中空糸膜フィルタの上流側にプレフィルタを備えた活性炭フィルタを配し、水道水は、このプレフィルタで比較的に大きな異物を除去した後に中空糸膜フィルタに流入するように構成されている。本発明の第1浄水手段14の内部には、中空糸膜フィルタ30のみが収納され、プレフィルタを備えた活性炭フィルタが設けられていない。このため、水道水に含まれる比較的に大きな異物が原因となる中空糸膜27の目詰まりにより、中空糸膜フィルタ30の耐用期間が短くなることを防止するため、図1には示していないが、第1浄水手段14の原水流入口18の内側に不織布製のプレフィルタを設けたり、U字状に曲げた中空糸27の外側を不織布で覆うようしたりすることが好ましい。なお、不織布は、ポリプロピレン、又はポリエチレンテフタレート等のオレフィン系材料により製作することができる。
シンクトップ13側に備えられた第2浄水手段15は、使用場所(例えば、キッチンのシンク)に供給する水道水の通止及び流量の調整を行う水栓バルブ33と、水道水に含まれる殺菌用の遊離残留塩素やトリハロメタンを除去する活性炭フィルタ34とを備えている。このように、浄水システム11は、第1浄水手段14の下流側に水栓バルブ33を設けた先止め式の配管様式で構成されている。
この第2浄水手段15の構成は、活性炭フィルタ34を水栓本体35内に内蔵した水栓内蔵型と、活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段を水栓35本体の吐水口先端に結合した蛇口直結型とに分けることができる。
既存の水栓の多くは吐出口の内周側にメネジ部が設けられており、泡沫キャップが螺着されている。この泡沫キャップを取外し、直接吐出口にネジ込むようにした蛇口直結型の第2浄水手段が考えられる。この場合、第2浄水手段に内蔵した活性炭フィルタと吐出口の距離がゼロとなり、遊離残留塩素を含まない所謂死に水の量がゼロとなるため、従来の浄水器に比べると、水道水の無駄が発生しない。また、泡沫キャップと第2浄水手段が一体となっている場合、これらが同時に着脱することが可能となるため、前述と同様の効果を有するとともに、さらに簡便に着脱することが可能となる。
活性炭フィルタ34は、粒状活性炭と繊維状活性炭を適宜の割合で混合し、図示しないケースに円柱状に充填して形成する。活性炭フィルタ34の濾過方式としては、水が円柱状に形成した活性炭フィルタの一方の端面から他方の端面へと流れるアップフロー方式と、水が円柱状に形成した活性炭フィルタの側面から中心部へと流れるサイドフロー方式とがあり、どちらの濾過方式を採用するのかにより形状の活性炭フィルタの形状の細部が異なる。
サイドフロー方式は、アップフロー方式に比較すると、水が活性炭の層をゆっくりと通過するために遊離残留塩素やトリハロメタンの除去性能が高く、また、水が活性炭の層全体を通過して濾過処理されるために活性炭フィルタの寿命を長くすることができるので、活性炭フィルタ34は、サイドフロー方式により構成することが好ましい。
また、活性炭フィルタ34のケースから活性炭が漏れ出ないようにするため、図示しないケースの流入口と流出口にはネットを備えたフィルタを設けるとともに、円柱状に形成した活性炭の外周面には、不織布等を周設することが好ましい。
このように、第2浄水手段15に内蔵等する活性炭フィルタ34は、従来の浄水用カートリッジ等のように中空糸膜フィルタを内蔵していないため、全濾過水量を従来の浄水用カートリッジと同等にする場合には、従来よりも小型に形成することができるので、第2浄水手段15を水栓内蔵型浄水器として構成する場合には、水栓本体をコンパクトに構成することができるとともに、水栓本体のデザインに自由度を与えることができる。また、第2浄水手段15を蛇口直結型浄水器として構成する場合には、浄水器全体をコンパクトに構成することができ、料理やシンクでの洗い物等の炊事作業をする場合に浄水器が邪魔になりにくい。
浄水システム11は以上のとおり構成されているが、本発明の浄化システムの構成の基本的な考え方は、次のとおりである。すなわち、従来の浄水器等は、活性炭フィルタと中空糸膜フィルタを一体に備えた浄化カートリッジを用いて水道水を浄化していたのに対し、本発明の浄化システムでは、中空糸膜フィルタのみを備えた第1浄水手段と活性炭フィルタのみを備えた第2浄水手段を個別に設けて、耐用期間の長い中空糸膜フィルタを備えた第1浄水手段をフィルタの交換が面倒なアンダーシンク側に設置するとともに、耐用期間の短い活性炭フィルタを備えた第2浄水手段をフィルタの交換が容易なシンクトップ13側に備えることにより、浄水システム全体として従来の浄水器と同様の濾過能力を確保しながら、従来の浄水器よりもフィルタ交換の容易化を図ろうとするものである。
具体的には、耐用期間の短い活性炭フィルタ34を備えた第2浄水手段15は、シンクトップ13側、すなわち水栓本体35に内蔵して水栓内蔵型浄水器とするか、或いは水栓本体35の近接位置である吐水部先端に結合して蛇口直結型浄水器にするので、活性炭フィルタの交換は容易である。その一方で、フィルタ交換が面倒なアンダーシンク12側に設置する第1浄水手段14の中空糸膜フィルタ30については、耐用期間を従来よりも大幅に長くし、面倒なフィルタ交換頻度を従来よりも大幅に削減することによって、浄水システム41全体としてみた場合に、従来の浄水器よりもフィルタ交換を容易にするものである。
ここで、本発明の浄水システムにおいて、中空糸膜フィルタと活性炭フィルタの耐用期間を設定する考え方を説明する。例えば、平均的な家庭における1日当たりの浄水の使用量を10(L)と仮定した場合に、中空糸膜フィルタと活性炭フィルタの耐用期間の比を5:1とし、中空糸膜フィルタの耐用期間を5年、活性炭フィルタの耐用期間を1年に設定する場合には、表1の例1に示すように、中空糸膜フィルタの全濾過水量が18,250(L)に、活性炭フィルタの全濾過水量が3,650(L)になるように中空糸膜の量と活性炭の量を調整すれば、中空糸膜フィルタと活性炭フィルタの交換回数比を1:5とすることができる。また、同様に、中空糸膜フィルタの耐用期間を2年に、交換回数比を1:6に設定した場合には、表1の例2に示すように、中空糸膜フィルタの全濾過水量を7,200(L)に、活性炭フィルタの全濾過水量を1,200(L)になるように中空糸膜の量と活性炭の量を調整する。
Figure 2019155329

このように中空糸膜の量と活性炭の量を調整してフィルタを製作することにより、交換が面倒な中空糸膜フィルタの交換回数を減らすことができるだけでなく、中空糸膜フィルタの交換時期が、活性炭フィルタの交換回数が整数倍の規定回数に達した時点となることから、中空糸膜フィルタの交換忘れを減らすことができる。例えば、活性炭フィルタの交換回数と中空糸膜フィルタの交換回数が5:1に調整した場合には、活性炭フィルタを5個、中空糸膜フィルタを1個のセットにして販売するようにすれば、購入忘れを防止し、浄水システムとしての性能を損ねることなく、安全で美味しい水を供給し続けることができる。
次いで、本発明の浄水システムにおいて、第1浄水手段14に内蔵した中空糸膜フィルタ30の耐用期間が延長される理由及び手段を説明する。
従来の浄水用カートリッジ等では、活性炭フィルタの後段側(下流側)に中空糸膜フィルタが配置されていたため、活性炭フィルタを通過する際に水道水に含まれる遊離残留塩素が除去され、中空糸膜フィルタ内には、常時、殺菌用の遊離残留塩素が除去された水が滞留する。このため、中空糸膜フィルタの出口側から給水栓出口までの間に細菌やカビが繁殖するおそれがあるので、中空糸膜フィルタの濾過能力が残っているにも係わらず一定期間毎に浄水用カートリッジを交換する必要があり、中空糸膜フィルタの濾過能力を十分に利用することができなかった。
本発明の浄水システムでは、上流側から第1浄水手段、第2浄水手段の順に配置しており、第1浄水手段に内蔵した中空糸膜フィルタでは水道水に含まれた遊離残留塩素が除去されないので、第1浄水手段内に滞留する水は遊離残留塩素を含んだ状態であり、通常の使用状況では、遊離残留塩素の消毒効果によって中空糸膜フィルタの出口側から給水栓出口までの間に細菌やカビが繁殖するおそれがない。このため、衛生上の観点からではなく、純粋に中空糸膜フィルタの濾過能力の観点から中空糸膜フィルタの耐用期間を設定することができるので、従来よりも交換間隔を大幅に延長することができる。
また、従来の浄水用カートリッジ等では、活性炭フィルタを内蔵していた空間についても中空糸膜を充填することができるので、中空糸膜フィルタの収納量を増やすことによって全濾過水量を更に増加させて耐用期間を延長することができる。
これらに加え、上記の様に第1浄水手段14では水道水に含まれた遊離残留塩素が除去されないため、第2浄水手段15の水栓バルブ33までは遊離残留塩素を含んだ水が達している。これにより、通常の使用状況では、遊離残留塩素の消毒効果によって水栓バルブ33までの間では、細菌やカビが繁殖するおそれがない。従って、浄水使用時に給水バルブ33を開くと、遊離残留塩素を含んだ水は、直ちに活性炭フィルタ34を通過してカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等が除去され、美味しく安全な水となって蛇口36から吐出されるので、捨て水の量を極端に少なくすることができるという効果も生じる。
図2は、図1の浄水システム11をキッチンの流し台に配置した場合を示しており、図2(a)はその正面図を、図2(b)はその右側面図を示す。なお、図中の矢印は、水の流れの方向を示している。図2(a)、(b)に示すように、中空糸膜フィルタを内蔵した第1浄水手段14は、流し台40のシンク41の下に設けたキャビネット42(アンダーシンク12)の奥に設置される。また、第1浄水手段14の上部には、原水入口18と浄水出口19が並列に設けられている。
原水入口18と図示しない水道管に設けた給水栓21との間は、第1浄水手段14に原水(水道水)を供給する原水導入管20が接続されている。この原水導入管20には逆止弁23と止水弁24を設けており、中空糸膜フィルタ等が捕捉した異物が水道に逆流することを防止するとともに、第1浄水手段14を着脱する際に止水するように構成されている。また、浄水出口19には、第1浄水手段14で濾過処理した浄水を第2浄水手段15に供給する浄水供給管16が接続されている。なお、原水入口18と原水導入管20との間、並びに浄水出口19と浄水供給管16との間は、中空糸膜フィルタ交換時の第1浄水手段14の着脱を容易にするため、ワンタッチ継手37、38により接続されている。
活性炭フィルタを内蔵した第2浄水手段15は、流し台40の上部(シンクトップ13)に設けられる。図2(a)、(b)では、第2浄水手段15は、活性炭フィルタを内蔵した水栓内蔵型である。水栓内蔵型では、活性炭フィルタを水栓本体35(第2浄水手段15)に設けたシャワーヘッド43内に収納することが多いが、水栓内蔵型の第2浄水手段の構成はシャワーヘッドに限定されるものではない。また、水栓本体35の上部には内部に設けた水栓バルブを操作するレバー44を設けている。
第2浄水手段15と第1浄水手段14の浄水出口19との間は、浄水供給管16で接続されており、第1浄水手段14で濾過処理された水道水を第2浄水手段15の内部に供給する。また、第2浄水手段15には、浄水供給管16の他にも、図示しない他の給水管(例えば、給湯管)に設けた給水栓46との間を連結する給水管47が接続されている。
なお、第2浄水手段を水栓本体の吐水口先端に結合する蛇口直結型であっても、浄水システムの構成及び配管は、水栓本体に活性炭フィルタが内蔵されないこと、及び水栓本体内部の流路に直接浄水供給管16が接続されていることを除けば、図2の水栓内蔵型の場合と同じである。
次いで、図1及び図2により、浄水システム11の作用及び効果を説明する。浄水システム11により浄化した水道水を利用する場合には、水栓本体35(第2浄水手段15)に設けた水栓バルブ33を開くと、水道圧によって原水(水道水)は、原水導入管20、第1浄水手段14、浄水供給管16、第2浄水手段15の順に通過して水栓本体の蛇口36から吐出される。
このとき、原水導入管20を介して流入口18から第1浄水手段14の内部に流入した原水は、中空糸膜フィルタ30を通過する際に、異物(微粒子等)、雑菌等が除去された浄水となり、流出口19から外部に流出し、浄水供給管16を介して第2浄水手段15へと送水される。この時、中空糸膜フィルタ30では、原水に含まれる遊離残留塩素、カビ臭、トリハロメタン等を除去することができないので、第2浄水手段15へ送水される浄水は、これらの物質が含まれたままである。
第2浄水手段15に送水された浄水は、内蔵された活性炭フィルタ34を通過して蛇口36から吐出されるが、活性炭フィルタ34を通過する際に遊離残留塩素、カビ臭、トリハロメタン等が除去され、安全で美味しい水として蛇口36から吐出される。
必要量を吐出させた後に水栓バルブ33を閉じると、水栓バルブ33の上流側には遊離残留塩素を含んだ水が残留する。従って、第1浄水手段14内を含む水栓バルブ33の上流側では、細菌やカビが繁殖するおそれがないので、通常の使用状況では、第1浄水手段14に内蔵した中空糸膜フィルタ30について衛生上の問題を考慮する必要がなく、中空糸膜フィルタ30の耐用期間を総濾過水量に基づいて決定することができる。また、次に浄水を使用する際には、遊離残留塩素を含んだ水が活性炭フィルタ34で遊離残留塩素等を除去された後に、直ちに蛇口36から吐出されるので、捨て水の量を極端に少なくすることができる。
このように、第2浄水手段15と蛇口36の吐出口との距離をできるだけ近くすることで、水栓本体35内部に残留する遊離残留塩素が除去された水を極端に少なくすることができる。そのため、死に水をできる限り少なくすることができるので、従来の浄水システムに比べ、格段に水道水の無駄が発生しないのである。
さらには、耐用期間の短い活性炭フィルタは、水栓本体35(第2浄水手段15)に設けたシャワーヘッド43内に収納されているので、水栓本体35からシャワーヘッド43を引き出して簡単に交換することができる。
これに加え、従来の浄水用カートリッジ等では、遊離残留塩素が除去された水が中空糸膜フィルタ内に滞留することによる衛生上の観点から、浄水用カートリッジ等の約1年毎の交換が推奨されていたが、本発明の浄水システムでは、中空糸膜フィルタの耐用命数を数年程度に延長し、アンダーシンク側に配置した第1浄水手段に内蔵する中空糸膜フィルタを交換する負担を大幅に軽減することができる。
続いて、本発明における浄水システムの他の実施例を説明する。なお、前述した実施例と共通する部分については、同一の符号を使用して説明を省略する。図3は、本発明における浄水システムの他の実施例を示す模式図であり、図4は、この浄水システムをキッチンの流し台に適用した場合の正面図及び右側面図である。
図3に示すように、浄水システム51は、第2浄水手段15に設けた水栓バルブ33の開閉により第1浄水手段14に内蔵した中空糸膜フィルタ30に原水(水道水)が流入し、通水中にのみケース28に水道圧が作用するいわゆる元止め式配管様式に構成されている。
図1の浄水システム11(先止め式)と図3の浄水システム51(元止め式)との違いは、浄水システム11では、第2浄水手段15内の浄水給水管16に水栓バルブ33を設けているのに対し、浄水システム51では、第2浄水手段15内の原水導入管20に水栓バルブ33を設けている点にある。
元止め式配管様式による場合でも、浄水を使用した後に水栓バルブ33を閉めて止水すると、活性炭フィルタ34と水栓バルブ33との間には遊離残留塩素を含んだ水が滞留するため、細菌やカビが繁殖するおそれがなく、通常の使用状況では、第1浄水手段14に内蔵した中空糸膜フィルタ30の耐用期間について衛生上の問題を考慮する必要がない。また、次に浄水を使用する際には、活性炭フィルタ34と水栓バルブ33との間に滞留する遊離残留塩素を含んだ水は、活性炭フィルタ34で遊離残留塩素等を除去された後、直ちに蛇口36吐出されるので、捨て水の量を極端に少なくすることができる。
なお、浄水システム51では、元止め式配管様式に構成されているため、ケース28に常時水道圧が作用しないので、ケース28の材質を金属よりも耐圧性が低い合成樹脂とすることができる。
次に、本発明における浄水システムのさらに他の実施例を説明する。なお、前述した実施例と共通する部分については、同一の符号を使用して説明を省略する。図5は、本発明における浄水システムのさらに他の実施例を示す模式図である。
図5によると、浄水システム61は、複数の第1浄水手段14を並列に接続した浄水システムである。具体的には、原水導入管20を分岐させて第1浄水手段14の数(n個)と同じ本数の原水導入支管20a、20b、・・・20nを設け、各原水導入支管20a、20b、・・・20nのそれぞれを第1浄水手段14a、14b、・・・14nの原水入口18に接続するとともに、各第1浄水手段14a、14b、・・・14nの浄水出口19に接続した浄水供給支管16a、16b、・・・16nを合流させて浄水供給支管16を構成している。図5に示すように、浄水システム61は水栓バルブ33まで常に水道圧が作用するいわゆる先止め式の配管様式であるので、ケース28の材質を耐圧性優れるもの(例えば、ステンレス製或いは樹脂製)とする必要がある。
このような構成にすることにより、使用状況(水量、水質等)に合わせて中空糸膜フィルタの膜面積の調整が可能となる他、所要の膜面積を備えた第1浄水手段が設置場所のスペース制限により設置困難な場合には、より小さな膜面積を備えた小型の第1浄水手段を並列に接続することにより設置可能となる。
浄水システム51、浄水システム61の作用及び効果は、浄水システム51を元止め式配管様式で構成したことにより、浄水システム51の水栓バルブの設置位置が浄水システム11と異なるだけで、それ以外は前述した浄水システム11の作用及び効果と同じであるため、説明を省略する。
以上の説明においては、第1浄水手段を流し台のアンダーシンク側に設置するように記載しているが、シンクトップ側に設置することもできる。シンクトップ側に設置した場合には、中空糸膜フィルタの交換が容易に行えるという効果を有する。
本発明における浄水器セットとその浄水システムでは、中空糸膜フィルタのみを備えた浄水手段(第1浄水手段)と活性炭フィルタのみを備えた浄水手段(第2浄水手段)を組合せて浄水システムを構成し、耐用期間の長い中空糸膜フィルタを備えた第1浄水手段をフィルタの交換が面倒なアンダーシンク側に設置するとともに、耐用期間の短い活性炭フィルタを備えた第2浄水手段をフィルタの交換が容易なシンクトップ側に備えることにより、浄水システム全体として従来の浄水器と同様の濾過能力を確保しながら従来の浄水器よりもフィルタ交換の容易化している。
これに加え、本発明の浄水システムでは、上流側から第1浄水手段、第2浄水手段の順に配置しており、第1浄水手段に内蔵した中空糸膜フィルタでは水道水に含まれた遊離残留塩素を除去することができないので、第1浄水手段内に滞留する水は遊離残留塩素を含んだ状態であるため、通常の使用状況では、遊離残留塩素の消毒効果によって中空糸膜フィルタ内に細菌やカビが繁殖するおそれがない。これにより、衛生上の観点からではなく、純粋に中空糸膜フィルタの濾過能力の観点から中空糸膜フィルタの耐用期間を設定することができるので、従来よりもフィルタの耐用期間を大幅に延長することができる。
本発明における浄水器セットとその浄水器セットを使用した浄水システムは、従来技術とは全く異なる斬新な構成によりフィルタ交換の容易化とフィルタの耐用期間の延長を成し遂げたものであり、家庭用の水道水浄水器としての利用価値は非常に大きなものがある。
11、51、61 浄水システム
12 アンダーシンク
13 シンクトップ
14 第1浄水手段
15 第2浄水手段
16 浄水供給管
18 原水入口
19 浄水出口
20 原水導入管
30 中空糸膜フィルタ
33 水栓バルブ
34 活性炭フィルタ
35 水栓本体

Claims (6)

  1. アンダーシンク側に設置する長期の耐用期間を有する第1浄水手段と、シンクトップ側に設置する短期の耐用期間を有する第2浄水手段とを備え、第1浄水手段のフィルタの交換頻度を少なくしたことを特徴とする異なる耐用期間を有する浄水器セット。
  2. 前記第1浄水手段に中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵し、前記第2浄水手段に活性炭フィルタを着脱自在に設けた請求項1に記載の異なる耐用期間を有する浄水器セット。
  3. 前記活性炭フィルタは、第2浄水手段である水栓本体に内蔵した請求項2に記載の異なる耐用期間を有する浄水器セット。
  4. 活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段を水栓本体の吐水口の近傍位置に設けた請求項2に記載の異なる耐用期間を有する浄水器セット。
  5. 中空糸膜フィルタを着脱自在に内蔵した第1浄水手段をアンダーシンク側に設置し、この第1浄水手段に活性炭フィルタを着脱自在に設けた第2浄水手段に接続し、耐用期間の長い中空糸膜フィルタから耐用期間の短い活性炭フィルタを通って浄水が供給されるとともに、前記活性炭フィルタを簡単に交換可能に設け、かつ活性炭フィルタの直前まで遊離残留塩素を含有させて第1浄水手段に長い耐用期間を発揮できるようにしたことを特徴とする浄水システム。
  6. 2個以上の第1浄水手段を並列に設置し、中空糸膜フィルタの膜面積を調整可能とした請求項5に記載の浄水システム。
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