JP2019152990A - 点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】遠隔操作による設備点検の実施時における現場の安全性を向上させることができる点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の点検支援システムは、点検支援端末と、点検支援サーバと、を持つ。点検支援端末は、位置情報取得部と、点検支援部と、を持つ。位置情報取得部は、自端末の位置情報を取得する。点検支援部は、点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する。点検支援サーバは、機能制限部を持つ。機能制限部は、前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、前記点検支援端末の位置情報に基づいて制限する。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラムに関する。
従来、設備点検を行う作業者は、現場に設置された操作盤を操作して設備の点検を実施するのが一般的であったが、近年では、情報通信の高度化により、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末を用いて設備点検を可能にする技術が研究されている。しかしながら、このような技術によって設備点検の容易性が向上する一方で、点検作業時における現場の安全性は必ずしも十分に確保されていない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、遠隔操作による設備点検の実施時における現場の安全性を向上させることができる点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態の点検支援システムは、点検支援端末と、点検支援サーバと、を持つ。点検支援端末は、位置情報取得部と、点検支援部と、を持つ。位置情報取得部は、自端末の位置情報を取得する。点検支援部は、点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する。点検支援サーバは、機能制限部を持つ。機能制限部は、前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、前記点検支援端末の位置情報に基づいて制限する。
以下、実施形態の点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の点検支援システムの適用例を示す図である。図1は、実施形態の点検支援システムが、地中に設置された配水設備1の監視制御を行う監視制御システム2に適用された例を示す。配水設備1は、配水用ポンプ等の機械設備11と、機械設備11に電力を供給する電気設備12とを備える。監視制御システム2は、配水設備1の設置場所付近に位置する現場設備と、配水設備1を遠隔地から監視制御する中央監視制御設備(図示せず)とを備える。監視制御システム2は、現場設備としてテレメータ子機21、無線機器22及び制御装置23を備える。ここで、配水設備1及び現場設備は、例えば路上に設置された電柱や電信柱等において送電線に接続され、送電線を介して電力供給を受けることが可能である。同様に、現場設備のうちテレメータ子機21及び制御装置23は、電柱や電信柱等において固定回線に接続され、固定回線を介して中央監視制御設備と通信することが可能である。
テレメータ子機21は、配水設備1に関する各種の計測情報を取得するいわゆるテレメータ装置である。テレメータ子機21は、取得した計測情報を中央監視制御設備に送信する。
無線機器22は、制御装置23と点検支援端末3との通信を中継する通信装置である。点検支援端末3は、配水設備1の点検作業に用いられる無線通信端末である。無線機器22は、制御装置23と通信可能に接続されるとともに、点検支援端末3と通信するための無線通信機能を有する。例えば、無線機器22は、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)接続機能を有する。
制御装置23は、配水設備1を制御する機能を有する。この制御のため、制御装置23は、機械設備11及び電気設備12と通信可能に接続される。具体的には、制御装置23は、中央監視制御設備又は点検支援端末3から送信される情報に基づいて配水設備1に行わせる動作を決定(又は識別)する。そして、制御装置23は、決定した動作を配水設備1に行わせるための制御信号を生成し、生成した制御信号を配水設備1に出力する。
例えば、中央監視制御設備が、ある評価量についての目標値を示す情報を送信する場合、制御装置23は、その目標値が実現できるような機器の運転計画を作成し、その運転計画に沿って配水設備1を動作させるような制御信号を生成する。また、例えば、点検支援端末3が、配水設備1の停止操作を示す情報を送信する場合、制御装置23は、配水設備1に停止を指示する制御信号を生成する。
なお、制御装置23は、中央監視制御設備及び点検支援端末3以外から取得される情報に基づいて配水設備1を制御してもよい。例えば、テレメータ子機21から計測情報を取得できる場合、制御装置23は、計測情報を分析した結果に応じて運転計画を修正し、修正後の運転計画に沿って配水設備1を動作させるような制御信号を生成してもよい。
点検支援端末3は、スマートフォンやタブレット、モバイルPC(Personal Computer)、携帯電話等の可搬型の情報通信端末を用いて構成される。点検支援端末3は、監視制御システム2との無線通信機能を有する。具体的には、点検支援端末3は現場機器と無線通信するための第1の無線通信機能と、中央監視制御設備と無線通信するための第2の無線通信機能を有する。例えば、第1の無線通信機能は、上述の無線LANを介して現場機器と通信する機能である。この第1の無線通信機能により、点検支援端末3は現場設備の無線機器22と通信することができ、無線機器22の中継機能により現場機器の制御装置23と通信することができる。
また、第2の無線通信機能は、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信網を介して中央監視制御設備と通信する機能である。本実施形態では、第1及び第2の無線通信機能が異なる通信方式によって実現される場合について説明するが、第1及び第2の無線通信機能は必ずしも異なる通信方式で実現される必要はなく、同じ通信方式で実現されてもよい。
点検支援端末3は、監視制御システム2と連携して動作することにより、配水設備1を遠隔操作によって点検することを可能にする機能(以下「遠隔点検支援機能」という。)を有する。具体的には、点検支援端末3は、配水設備1の遠隔操作を行うためのユーザインタフェース(以下「遠隔操作インタフェース」という。)を提供する機能と、配水設備1の状態確認を行うためのユーザインタフェース(以下「状態確認インタフェース」という。)を提供する機能と、を有する。ユーザは、このような遠隔点検支援機能を有する点検支援端末3を用いることにより、ユーザは直接的に操作することなく配水設備1を点検することが可能になる。以下、この遠隔点検機能を実現する監視制御システム2及び点検支援端末3の構成について詳細に説明する。
図2は、本実施形態における監視制御システム2のシステム構成の具体例を示す図である。監視制御システム2は、図1で説明した現場設備としてテレメータ子機21、無線機器22及び制御装置23を備え、さらに中央監視制御設備としてテレメータ親機24、監視制御装置25及び点検支援サーバ26を備える。図2は、現場設備と中央監視制御設備とが固定回線C1を介して通信する例を示す。また、図2は、点検支援端末3が基地局BSを介して移動体通信網C2に接続し、移動体通信網C1を介して中央監視制御設備と通信する例を示す。
テレメータ親機24は、異なる現場設備に設置されたテレメータ子機21から計測情報を収集する機能を有する。テレメータ親機24は、収集した計測情報を監視制御装置25に送信する。
監視制御装置25は、配水設備1の監視又は制御を行う装置である。図1及び図2では、簡単のため1つの現場設備に関する監視制御システム2の構成を示しているが、実際には点検対象となる配水設備1は複数の地点に存在することが多い。監視制御装置25は、一般には、このように複数地点に存在する配水設備1の監視又は制御を行う装置である。
例えば、監視制御装置25は、制御対象の配水設備1の運用方針や評価基準、その配水設備1に対応するテレメータ親機24の計測情報等に基づき、配水設備1の制御によって実現されるべき評価量の目標値を決定し、決定した目標値を示す情報を現場設備の制御装置23に送信する。
また、例えば、監視制御装置25は、中央監視制御設備のオペレータによって入力される配水設備1の操作を現場設備の制御装置23に指示する。
点検支援サーバ26は、点検支援端末3との間で上記の連携動作を行う機能を有するサーバ装置である。具体的には、点検支援サーバ26は、点検支援端末3との間で遠隔点検支援機能の実現に必要な情報を送受信するとともに、点検支援端末3の位置に応じて点検支援端末3に機能制限をかける機能を有する。このために点検支援端末3には位置情報を取得する機能が備えられ、点検支援サーバ26は点検支援端末3からその位置情報を取得する。図2は、点検支援端末3がGPS(Global Positioning System)衛星GSから自装置の位置情報を取得する例を示す。
図3は、本実施形態における点検支援端末3の機能構成の具体例を示す図である。点検支援端末3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。点検支援端末3は、プログラムの実行によって第1通信部31、第2通信部32、記憶部33、表示部34、入力部35、点検支援部36及び位置情報取得部37を備える装置として機能する。なお、点検支援端末3の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
第1通信部31は、無線機器22と無線通信する無線通信インタフェースである。第1通信部31が無線機器22と通信することにより、点検支援端末3は無線機器22を介して制御装置23と通信することができる。
第2通信部32は、移動体通信網に無線接続する無線通信インタフェースである。第2通信部32が移動体通信網に接続されることにより、点検支援端末3は移動体通信網を介して点検支援サーバ26と通信することができる。
記憶部33は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成され、点検支援端末3の動作に必要な各種情報を記憶する。例えば、記憶部33は、遠隔点検支援機能を実現するアプリケーション(以下「点検アプリ」という。)や、点検アプリの動作に必要な情報、点検アプリによって生成又は送受信される情報などを記憶する。
表示部34は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成される。表示部34は、点検支援部36から出力される情報を表示する。なお、表示部34は、外部の表示装置に対して表示情報を出力する外部出力インタフェースとして構成されてもよい。
入力部35は、ボタンやタッチパネル等の入力装置を用いて構成される。入力部35は、点検支援端末3に対する操作の入力を受け付け、入力された操作情報を点検支援部36に出力する。なお、入力部35は、外部の入力装置から操作情報を取得する外部入力インタフェースとして構成されてもよい。
点検支援部36は、点検支援端末3が有する遠隔点検支援機能を実現する機能部である。例えば、点検支援部36は、点検支援端末3において点検アプリが実行されることによって生成される。具体的には、点検支援部36は、遠隔操作インタフェース及び状態確認インタフェースの画面表示を制御する画面制御部361と、点検アプリの一部又は全部の機能を制限する機能制限部362とを備える。
位置情報取得部37は、自装置の位置情報を取得する機能部である。例えば、位置情報取得部37はGPS受信機であり、GPS衛星から自装置の位置情報を取得する。位置情報取得部37は、取得した位置情報を点検支援部36に出力する。
図4は、本実施形態における点検支援サーバ26の機能構成の具体例を示すブロック図である。点検支援サーバ26は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。点検支援サーバ26は、プログラムの実行によって第1通信部261、第2通信部262、記憶部263及び端末連携部264を備える装置として機能する。なお、点検支援サーバ26の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
第1通信部261は、移動体通信網に接続する通信インタフェースである。第1通信部261が移動体通信網に接続されることにより、点検支援サーバ26は移動体通信網を介して点検支援端末3と通信することができる。
第2通信部262は、監視制御装置25と通信する通信インタフェースである。例えば、第2通信部262は、監視制御装置25と通信線で接続され、有線通信によって監視制御装置25と通信する。
記憶部263は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成され、点検支援サーバ26の動作に必要な各種情報を記憶する。具体的には、記憶部263は、端末連携部264の動作に関する設定情報を予め記憶している。
端末連携部264は、点検支援端末3との連携動作を実現する機能部である。具体的には、端末連携部264は、画面データ送信部265及び位置条件判定部266を備える。画面データ送信部265は、点検支援端末3の要求に応じて、その点検支援端末3の点検対象に応じた画面データを記憶部263から取得し、取得した画面データを要求元の点検支援端末3に送信する。位置条件判定部266は、点検支援端末3の位置に基づき、その点検支援端末3において点検アプリの機能を制限するか否かを判定する。ここで、点検支援端末3の位置に関する条件(以下「位置条件」という。)は、上記の設定情報によって点検対象設備ごとに予め設定されている。なお、端末連携部264は、監視制御システム2から受信された情報を必要に応じて点検支援端末3に送信してもよいし、点検支援端末3から受信された情報を必要に応じて監視制御システム2に送信してもよい。
図5は、本実施形態における設定情報の具体例を示す図である。例えば、設定情報は図5に示す設定情報テーブルT1として記憶部263に記憶される。設定情報テーブルT1は、機器IDごとのレコードを有する。機器IDは点検対象機器の識別情報であり、本実施形態においては機械設備11及び電気設備12の識別情報、又は機械設備11及び電気設備12を構成する各機器の識別情報を表す。各レコードは、機器ID、制御装置ID、画面データ、点検対象位置情報及び制限情報の各値を有する。制御装置IDは、対応する点検対象機器を制御する制御装置23の識別情報である。
画面データは、点検支援端末3が対象機器の点検に関する各ユーザインタフェース(遠隔操作インタフェース及び状態確認インタフェース)の表示に用いられるデータである。例えば、画面データには、点検対象機器が有する操作盤の画像データが含まれる。一般に、機器の操作盤は機器の種別や機種ごとに異なる。そのため、遠隔操作インタフェースが、点検対象機器が有する実際の操作盤の画像で表示されることにより、ユーザは実物を操作している感覚で機器の点検を行うことができる。なお、画像データをユーザインタフェースとして用いる場合、実際には、表示された画像に対するユーザの操作と、機器に行わせる動作との対応づけなどが必要になる。そのため、画面データには、このような対応づけを示す情報含まれる。
これらの情報のほか、画面データには、各ユーザインタフェースの画面表示に必要な情報であればどのような情報が含まれてもよい。例えば、画面データには、各ユーザインタフェースの操作方法を示す情報が含まれてもよいし、点検対象機器の操作マニュアルなどが含まれてもよい。
点検対象位置情報は点検対象機器の位置情報を表す。点検対象位置情報は、点検対象機器と、その点検に用いられる点検支援端末3との間の距離を取得するために用いられる。図5は、点検対象位置情報が緯度及び経度で表わされた例を示す。なお、点検対象位置情報は、緯度、経度及び高度で表されてもよい。
制限情報は、点検対象機器の点検に用いられる点検支援端末3の位置条件を定める情報である。図5は、制限情報を点検対象機器と点検支援端末3との間の距離[m]で表した例を示す。図5の例では、例えば、“P001”の機器IDを持つ点検対象機器からx1[m]以上離れている点検支援端末3に対して機能制限がかけられる。なお、制限情報を、機能制限がかけられる位置範囲を示す情報に置き換えれば、点検対象機器の位置を基準としない位置条件を定めることも可能である。
図6は、本実施形態における制御装置23の機能構成の具体例を示すブロック図である。制御装置23は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。制御装置23は、プログラムの実行によって第1通信部231、第2通信部232、機器接続部233及び機器制御部234を備える装置として機能する。なお、制御装置23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
第1通信部231は、無線機器22と通信する通信インタフェースである。例えば、第1通信部231は、無線機器22と通信線で接続され、有線通信によって無線機器22と通信する。第1通信部231が無線機器22と通信することにより、制御装置23は無線機器22を介して点検支援端末3と通信することができる。
第2通信部232は、固定回線に接続する通信インタフェースである。第2通信部232が固定回線に接続されることにより、制御装置23は固定回線を介して監視制御装置25と通信することができる。
機器接続部233は、機械設備11及び電気設備12に接続する接続インタフェースである。機器接続部233が機械設備11及び電気設備12に接続されることにより、制御装置23は、機械設備11及び電気設備12との間で制御信号を入出力することができる。
機器制御部234は、機械設備11及び電気設備12を制御する機能を有する。具体的には、監視制御装置25やテレメータ子機21などから取得される情報に基づいて機械設備11及び電気設備12を制御する。また、機器制御部234は、点検支援端末3の要求に応じて機械設備11及び電気設備12を制御する。例えば、点検支援端末3において、遠隔操作インタフェースを用いた機械設備11の停止操作が入力された場合、機器制御部234は機械設備11に停止を指示する制御信号を生成し、生成した制御信号を機械設備11に出力する。
図7は、本実施形態における監視制御システム2及び点検支援端末3が遠隔操作による機器の点検を実現する処理の流れを示すフローチャートである。まず、点検作業の開始時においてユーザが、点検支援端末3に対して点検アプリを起動する操作を入力する。この操作の入力に応じて点検支援端末3は点検アプリを起動する(ステップS101)。そして、この点検アプリの起動により、点検支援端末3において点検支援部36が生成される。
点検支援部36は、点検対象機器の機器IDとともに点検支援サーバ26に対して点検アプリの起動通知を送信する(ステップS102)。ここで、点検対象機器の機器IDは点検アプリの起動時にユーザによって入力されてもよいし、予め点検支援端末3に登録されていてもよい。
続いて、点検支援サーバ26では、画面データ送信部265が、起動通知で通知された機器IDを画面データ送信部265に通知する。この通知を受けて、画面データ送信部265は、通知された機器IDに対応する画面データを記憶部263から取得する(ステップS103)。そして、画面データ送信部265は、取得した画面データを、起動通知の送信元の点検支援端末3に送信する(ステップS104)。
続いて、点検支援端末3では、点検支援部36の画面制御部361が、点検支援サーバ26から送信された画面データに基づいて、遠隔操作インタフェース及び状態確認インタフェースの表示画面(以下「点検画面」という。)を生成し、生成した点検画面を表示部34に表示させる(ステップS105)。例えば、画面制御部361は、画面データに含まれる点検対象機器の操作盤の画像データを用いて、次の図8に示すような点検画面を生成する。
図8は、本実施形態における点検画面の表示例を示す図である。図8は、表示部34にG1〜G4の4つの表示領域を持つ点検画面が表示されている様子を示している。このうち表示領域G1は遠隔操作インタフェースを表示する領域であり、表示領域G2は状態確認インタフェースを表示する領域である。また、表示領域G3及びG4は、遠隔操作インタフェース及び状態確認インタフェース以外の表示を行う領域である。
具体的には、表示領域G1には、点検対象機器が有する操作盤の実物を示す写真画像や操作盤の実物を模して描かれたイメージ画像が遠隔操作インタフェースとして表示される。画面制御部361は、点検支援サーバ26から点検対象機器に応じた画面データを取得することにより、遠隔操作インタフェースを実際の点検対象機器の外見に近い画像として表示させることができる。なお、画面制御部361は、AR(Augmented Reality)技術を用いることにより、点検支援端末3に表示された現実世界(例えばユーザが点検を行う場所など)を拡張する形で操作盤の画像を表示させてもよい。これにより、ユーザは、より実物に近い感覚で点検対象機器の点検を行うことができる。
また、表示領域G2には、点検対象機器の状態に関する情報を表示するウィンドウやダイアログボックス、ポップアップなどが状態確認インタフェースとして表示される。例えば、画面制御部361は、現場設備の制御装置23や中央監視制御設備の監視制御装置25などから点検対象機器の状態を示す情報(以下「状態情報」という。)を取得し、取得した状態情報を状態確認インタフェースに表示させる。
このような遠隔操作インタフェース及び状態確認インタフェースが提供されることにより、ユーザは、点検対象機器に対する操作及び点検対象機器の状態の把握を遠隔地から行えるようになる。そのため、ユーザは、点検対象機器の点検作業を遠隔地から行うことが可能になる。
なお、点検画面には、ユーザの点検作業を支援する他の情報が表示されてもよい。例えば、図8に示すように、点検作業の手順が表示領域G3に表示されてもよいし、点検対象機器の位置を示す地図が表示領域G4に表示されてもよい。
図7の説明に戻る。点検画面が表示されると、ユーザは、点検画面に対して点検対象機器の点検のための操作を入力する。画面制御部361は、この入力を受け(ステップS106)、入力された操作に応じた動作を点検対象機器に実行させること制御装置23に指示する(ステップS107)。
この指示を受け、制御装置23では、機器制御部234が点検支援端末3から指示された動作を点検対象機器に実行させるための制御信号を生成し(ステップS108)、生成した制御信号を点検対象機器に出力する(ステップS109)。点検対象機器は、制御装置23から出力された制御信号に基づく動作を行うとともに、その動作後の状態情報を取得して制御装置23に送信する(ステップS110)。
続いて、機器制御部234は、ステップS110において送信された点検対象機器の状態情報を取得し(ステップS111)、取得した状態情報を点検支援端末3に送信する(ステップS112)。ここで、状態情報は、点検対象機器に対して行った操作の結果を確認できる情報であればどのような情報であってもよく、どのような経路で取得されてもよい。例えば、状態情報は、点検対象機器から直接的に取得される情報であってもよいし、テレメータ子機21によって取得される計測情報であってもよいし、監視制御装置25が点検対象機器の監視制御のために取得する情報であってもよい。また、状態情報が監視制御装置25から取得される場合、状態情報は点検支援サーバ26を介して点検支援端末3に送信されてもよいし、制御装置23を介して点検支援端末3に送信されてもよい。また、状態情報は、必ずしも点検対象機器の制御実行時にのみ取得される必要はない。例えば、状態情報は、所定の周期ごとに点検支援端末3に送信されてもよい。
そして、点検支援端末3では、画面制御部361が点検対象機器の操作に応じて送信されてきた状態情報で点検画面を更新する(ステップS113)。ユーザは、点検画面に表示させる状態情報を確認しながら、点検対象機器を遠隔操作することにより、点検対象機器を遠隔地から点検することができる。
図9は、本実施形態における監視制御システム2が点検支援端末3で実行されている点検アプリの機能を制限する処理の流れを示すフローチャートである。フローチャートの開始時点において、点検支援端末3では既に点検アプリが起動されており、点検対象機器も既に定まっているものとする。まず、点検支援端末3において、位置情報取得部37がその時点での自装置の位置を示す位置情報を取得する(ステップS201)。位置情報取得部37は、取得した自装置の位置情報を点検支援サーバ26に送信する(ステップS202)。
続いて、点検支援サーバ26では、位置条件判定部266が点検支援端末3から送信された位置情報に基づいて、点検支援端末3の位置条件を決定する(ステップS203)。具体的には、位置条件判定部266は、記憶部263に記憶されている設定情報を参照し、位置情報とともに受信した機器IDの値を持つレコードを選択する。位置条件判定部266は、選択したレコードが有する点検対象位置情報及び制限情報の値に基づいて点検支援端末3の位置条件を決定する。位置条件判定部266は、受信した点検支援端末3の位置情報に基づいて、点検支援端末3が決定した位置条件を満たす位置に位置しているか否かを判定する(ステップS204)。
ここで、点検支援端末3が位置条件を満たす位置に位置している場合、位置条件判定部266は、点検支援端末3に対して点検アプリの機能の一部又は全部を制限することを指示する(ステップS205)。この指示を受けて、点検支援端末3では、機能制限部362が、点検アプリの一部又は全部の機能をユーザが使用することができないように制限する(ステップS206)。このような機能制限が行われることにより、予め定められた場所以外では遠隔操作による点検が行われないようにすることができる。
なお、制限の対象となる点検アプリの機能は、点検支援端末3の位置に応じて決定されてもよい。例えば、この場合、各点検対象器には複数の位置条件が設けられ、点検支援サーバ26には、各位置条件と制限の対象となる機能との対応関係が予め設定情報として記憶される。位置条件判定部266は、点検支援端末3の位置情報に基づいて複数の位置条件を判定し、真と判定された位置条件に対応づけられた機能の制限を点検支援端末3に指示してもよい。
また、点検支援サーバ26は、位置条件の判定結果に基づいて点検アプリの機能制限を解除してもよい。具体的には、点検支援端末3において既に点検アプリの機能が制限されている状況での位置条件の判定結果が真から偽に変わった場合、位置条件判定部266は、その位置条件に対応づけられた機能の制限の解除を点検支援端末3に指示してもよい。
また、制限の対象となる点検アプリの機能は、点検支援端末3の位置に加えて、点検対象機器の状態に基づいて制限されてもよい。例えば、この場合、点検支援サーバ26には、点検対象機器の状態と、制限の対象となる機能との対応関係を予め設定情報として記憶される。端末連携部264は、点検支援端末3や制御装置23、監視制御装置25などから状態情報を取得し、取得した状態情報に基づいて点検対象機器の状態を識別する。そして、端末連携部264は、識別された点検対象機器の状態に対応づけられた機能の制限を点検支援端末3に指示してもよい。
なお、点検支援サーバ26が記憶する設定情報を点検支援端末3に記憶させることで、点検支援サーバ26が備える端末連携部264を点検支援端末3に備えさせることも可能である。
このように構成された実施形態の点検支援システムによれば、遠隔操作による設備点検の実施時における現場の安全性を向上させることができる。図10は、本実施形態の点検支援システムによって得られる効果の具体例を示す図である。
例えば、従来、実物を操作して機器の点検作業を行う場合、誤った機器操作などによる事故が発生する可能性があった。例えば、電動機による感電や電動機への巻き込みなどが発生する可能性がある。実施形態の点検支援システムは、点検対象機器の遠隔操作を可能にすることにより、このような事故の発生を抑制することができる。
また、点検アプリが表示する点検画面には、実際の操作盤を示す写真画像、又は実際の操作盤を模したイメージ画像が遠隔操作インタフェースとして表示されるため、点検作業者は、実物に近い感覚で点検対象機器の操作を行うことができる。これにより、点検作業時の操作ミス等が抑制され、点検作業時の安全性を向上させることができる。
また、このような点検対象機器の遠隔操作が可能になれば、操作盤の実物を操作不可とすることにより、権限のない第3者による機器の操作を防止することができる。また、点検支援端末3にユーザの認証機能などを付加することにより、点検対象機器のセキュリティを向上させることも可能になる。また、操作盤の実物を操作する必要がなくなれば、点検対象機器に操作盤を設ける必要がなくなることに加えて、操作盤の設置において操作のし易さや表示の見易さなどを考慮する必要がなくなるため、設置条件を緩和することも可能になる。
また、実物を操作しない場合であっても、点検対象機器によっては十分に離れた位置で点検作業を行ったほうがよい場合もある。実施形態の点検支援システムは、点検支援端末3の位置に応じて点検アプリの機能を制限することにより、点検作業者に点検対象機器から十分に離れた位置で点検作業を行わせることができる。例えば、図10の例では、範囲R1の内側に位置する点検支援端末3aについて点検アプリの機能を制限することにより、点検作業者の安全を確保することができる。
また、このような点検現場の事故は、点検作業者だけが被害を受けるものとは限らない。そのため、遠隔操作による機器の点検を行う場合、点検作業者は点検現場の安全を確保する必要がある。実施形態の点検支援システムは、点検支援端末3の位置に応じて点検アプリの機能を制限することにより、遠隔操作による機器の点検を点検対象機器の付近でのみ行わせることができる。例えば、図10の例では、点検支援システムは範囲R2の外側に位置する点検支援端末3cについて点検アプリの機能を制限する。この場合、点検対象機器にある程度近い位置でのみ点検支援端末3の使用が可能になるため、点検作業者は、点検現場の状況を適切に把握しながら点検作業を行うことになる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、点検支援端末が、点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援部を持ち、点検支援サーバが、ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、点検支援端末の位置情報に基づいて制限する機能制限部を持つことにより、遠隔操作による設備点検の実施時における現場の安全性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…配水設備、11…機械設備、12…電気設備、2…監視制御システム、21…テレメータ子機、22…無線機器、23…制御装置、231…第1通信部、232…第2通信部、233…機器接続部、234…機器制御部、24…テレメータ親機、25…監視制御装置、26…点検支援サーバ、261…第1通信部、262…第2通信部、263…記憶部、264…端末連携部、265…画面データ送信部、266…位置条件判定部、3,3a,3c…点検支援端末、31…第1通信部、32…第2通信部、33…記憶部、34…表示部、35…入力部、36…点検支援部、361…画面制御部、362…機能制限部、37…位置情報取得部
Claims (10)
- 自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援部と、
前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、前記点検支援端末の位置情報に基づいて制限する機能制限部と、
を備える点検支援システム。 - 前記位置情報取得部及び前記点検支援部を備える点検支援端末と、
前記機能制限部を備える点検支援サーバと、
を備える、
請求項1に記載の点検支援システム。 - 前記点検支援サーバは、
前記点検支援端末が前記ユーザインタフェースの表示画面を生成するのに必要な画面データを前記点検対象機器に応じて選択し、選択した前記画面データを前記点検支援端末に送信する画面データ送信部
をさらに備える、
請求項2に記載の点検支援システム。 - 前記点検支援部は、前記画面データに基づいて、前記点検対象機器の操作盤の写真画像、又は前記操作盤を模したイメージ画像を前記ユーザインタフェースとして表示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の点検支援システム。 - 前記機能制限部は、前記ユーザインタフェースが有する機能のうち前記点検支援端末の位置に応じた機能を制限する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の点検支援システム。 - 点検対象機器の点検作業に用いられる点検支援端末と、前記点検支援端末と通信する点検支援サーバとが、ユーザによる前記点検作業を支援する方法であって、
前記点検支援端末が、自端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記点検支援端末が、点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援ステップと、
前記点検支援サーバが、前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、前記点検支援端末の位置情報に基づいて制限する機能制限ステップと、
を有する点検支援方法。 - 自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援部と、
前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を制限するか否かを、自端末の位置情報に基づいて判定する点検支援サーバと通信する通信部と、
を備え、
前記点検支援部は、前記点検支援サーバの判定結果に応じて、前記ユーザインタフェースが有する一部又は全部の機能を制限する、
点検支援端末。 - 自端末の位置情報を取得するステップと、
点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供するステップと、
前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を制限するか否かを、自端末の位置情報に基づいて判定する点検支援サーバと通信するステップと、
前記点検支援サーバの判定結果に応じて、前記ユーザインタフェースが有する一部又は全部の機能を制限するステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。 - 点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援端末と通信する通信部と、
前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を、前記点検支援端末の位置情報に基づいて制限する機能制限部と、
を備える点検支援サーバ。 - 点検対象機器の遠隔操作を可能にするユーザインタフェースを提供する点検支援端末と通信するステップと、
前記ユーザインタフェースが有する機能の一部又は全部を制限するか否かを、前記点検支援端末の位置情報に基づいて判定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018036766A JP2019152990A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | 点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018036766A JP2019152990A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | 点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019152990A true JP2019152990A (ja) | 2019-09-12 |
Family
ID=67946487
Family Applications (1)
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JP2018036766A Pending JP2019152990A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | 点検支援システム、点検支援方法、点検支援端末、点検支援サーバ及びコンピュータプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019152990A (ja) |
-
2018
- 2018-03-01 JP JP2018036766A patent/JP2019152990A/ja active Pending
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