JP2019152061A - 建築用柱材および柱端部接合構造 - Google Patents
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Abstract
Description
プレートの径を角形鋼管柱の径より大きい寸法にするとプレートが梁からはみ出てしまい、また、プレートの径を角形鋼管柱の径と同等の寸法にするとボルト締結スペースを確保できない。この状況を避けるため、角形鋼管柱とプレートの間にボルト取付け用ブロックを設置する構造が用いられているが、ボルト取付け用ブロックを作製する加工手間、ボルト取付け用ブロックを介して角形鋼管柱とプレートを溶接接合する加工手間が大きく、省力化の要求がある。
特許文献1に記載の柱用角形鋼管部材では、柱となる角形鋼管の上下端に、筒状のジョイント本体(ジョイント部)が溶接接合部(溶接ビードの位置)で接合され、ジョイント本体の他端側にエンドプレートが溶接されている。ジョイント本体のプレート接合部が、少なくともボルト孔の位置に応じた部位において、溶接接合部よりもその内側に狭まって形成され、これによってボルト接合のスペースを確保している。また、ジョイント本体はハイドロフォームによって形成されている。
また、特許文献2に記載の建築用柱材では、角形鋼管の隅角部をプレス加工で圧潰して形成した十字断面の突条部が、角形鋼管の外面に突出し、運搬時や仕上げ材の配設時に突条部が干渉してしまい、また、十字断面の突条部が細幅である、つまり突条部の幅が狭いため曲げに対する抵抗を確保することができない、という課題がある。
また、特許文献3に記載の建築用柱材では、突条部を、角形鋼管の平面壁部と面一に、またはそれよりも低く収まるように形成するために、突条部を中空状として根本の幅を絞って形成すると加工の難易度が上がる、という課題がある。
前記ジョイント部が、前記角形鋼管の長手方向に延び、かつ、前記角形鋼管の軸回りに等間隔で前記角形鋼管と一体的に形成された4本の突条部を備え、
前記角形鋼管の軸回りに隣り合う前記突条部の間にスリットが設けられていることを特徴とする。
また、角形鋼管の軸回りに隣り合う突条部の間にスリットが設けられているので、スリットが設けられておらず、隣り合う突条部が接続されている場合に比して突条部の外周長が短くなる。このため、突条部を角形鋼管の外面とほぼ面一または内側に配置できるので、角形鋼管の外面からの突条部の突出を抑制できる。
前記突条部の前記角形鋼管の径方向外側を向く外面が、前記角形鋼管の側面と面一でかつ前記側面の幅方向中央部から延在して設けられているのが好ましい。
また、突条部の外面が角形鋼管の側面と面一でかつ当該側面の幅方向中央部から延在して設けられているので、高い伸び性能の確保が難しい角形鋼管の角部を加工する必要がなく、よって角部での割れ発生を抑制できる。
前記接合プレートと鋼製梁とがボルト締結されていることを特徴とする。
また、建築用柱材と鋼製梁とを確実に締結できる。
図1は、本実施の形態に係る建築用柱材10の一端部(下端部)を示す斜視図、図2は同側面図、図3は同平面図、図4は同底面図である。
具体的には、突条部15はその長手方向略半分の先端側が断面コ字形に形成された先端部15aと、長手方向略半分の基端部15bとを備えている。基端部15bはその側面15eが先端部15aの側面15fに対して捩れているような略断面コ字形から略断面一字形に遷移する形状として形成されていている。
また、突条部15の外面15c,15dは、角形鋼管11の側面11aの幅方向中央部から延在して所定の幅を有する面として設けられている。
すなわち、突条部15,15の先端部15a,15aの間と、基端部15b,15bとの間に上下方向(角形鋼管11の長手方向)に延在する所定幅のスリット17が設けられている。スリット17は、先端部15a,15aの間において上下方向において略同幅に、かつ上下方向に延びるようにして形成され、基端部15b,15bの間において、上下方向において略同幅に、かつ上方(角形鋼管11側)に向かうしたがってしだいに角形鋼管11の断面中心軸から離間するように当該軸に対して斜めに形成されている。なお、スリット17の幅は、角形鋼管11の径と板厚、形成する突条部15の形状に応じて、上下方向において幅を変化させてもよい。
また、スリット17の上端は角形鋼管11の隣り合う側面11a,11aの角部(側面11a,11aを滑らかに接続する曲面で形成された角部)より角形鋼管11の側面11aの幅方向内側に一段低くなっている。
凹金型は、断面略コ字形の突条部15を形成するための凹部を有している。突条部15の先端部15aを形成するための凹部は断面コ字形に形成され、基端部15bを形成するための凹部は断面略コ字形から断面略一字形に遷移しながら角形鋼管の幅方向中央部からしだいに拡がるような形状に形成される。
この場合、凹金型をスリットが形成された角形鋼管の4つの側壁のそれぞれの表面側に配置するとともに、凸金型を同角形鋼管の4つの側壁のそれぞれの裏面側に配置して1回で成形してもよいし、角形鋼管の4つの側壁に、順次凹金型と凸金型を配置して、1つずつ成形してもよいし、角形鋼管の4つの側壁のうちの対面する2つの側壁に、2つの凹金型と2つの凸金型を対面させて配置して、2つずつ成形してもよい。
建築用柱材10の4本の突条部15の先端部には、矩形板状または正方形板状の接合プレート21が固定されている。
また、接合プレート21は建築用柱材10の軸方向と直交して配置されたうえで、建築用柱材10の4本の突条部15の先端面に当接され、この当接された部分を溶接することによって、突条部15の先端面に固定されている。この状態において、角形鋼管11の軸方向視で角形鋼管11の軸回りに隣り合う突条部15,15の間において接合プレート21に4つのボルト締結スペースが確保され、各ボルト締結スペースにおいて接合プレート21にボルト挿通孔が形成されている。これら4つのボルト挿通孔は鋼製梁20の上のフランジ20aに形成された4つのボルト挿通孔と同軸に配置されるようになっている。
また、角形鋼管11の軸回りに隣り合う突条部15,15の間にスリット17が設けられているので、スリット17が設けられておらず、突条部15,15が接続されている場合に比して突条部15の外周長が短くなる。このため、突条部15を角形鋼管11の外面とほぼ面一または内側に配置できるので、角形鋼管11の外面(側面11a)からの突条部15の突出を抑制できる。
また、突条部15の外面15c,15dが角形鋼管11の側面11aと面一でかつ当該側面11aの幅方向中央部から延在して設けられているので、高い伸び性能の確保が難しい角形鋼管11の角部を加工する必要がなく、よって角部での割れ発生を抑制できる。
11 角形鋼管
11a 側面
12 ジョイント部
15 突条部
15a 先端部
15b 基端部
15c,15d 外面
15e,15f 側面
15g 曲面
17 スリット
20 鋼製梁
21 接続プレート
Claims (3)
- 角形鋼管の長手方向の端部にジョイント部が設けられた建築用柱材であって、
前記ジョイント部が、前記角形鋼管の長手方向に延び、かつ、前記角形鋼管の軸回りに等間隔で前記角形鋼管と一体的に形成された4本の突条部を備え、
前記角形鋼管の軸回りに隣り合う前記突条部の間にスリットが設けられていることを特徴とする建築用柱材。 - 前記突条部は、前記角形鋼管の径方向内側に向けて開口する断面略コ字形に形成され、
前記突条部の前記角形鋼管の径方向外側を向く外面が、前記角形鋼管の側面と面一でかつ前記側面の幅方向中央部から延在して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建築用柱材。 - 請求項1または2に記載の建築用柱材の4本の前記突条部の先端部に接合プレートが固定され、
前記接合プレートと鋼製梁とがボルト締結されていることを特徴とする柱端部接合構造。
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JP2018039366A JP7003744B2 (ja) | 2018-03-06 | 2018-03-06 | 建築用柱材および柱端部接合構造 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6215366Y2 (ja) * | 1982-03-18 | 1987-04-18 | ||
JP2010101008A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Nippon Steel Corp | 円形鋼管用金属製中空ジョイント、金属製中空ジョイントの製造方法及びこれを用いた円形鋼管部材 |
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2018
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JPS6215366Y2 (ja) * | 1982-03-18 | 1987-04-18 | ||
JP2010101008A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Nippon Steel Corp | 円形鋼管用金属製中空ジョイント、金属製中空ジョイントの製造方法及びこれを用いた円形鋼管部材 |
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