JP2019150962A - 記録システムおよび記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写体に対して十分に冷却制御を機能させて記録を行うことを目的とする。【解決手段】 加熱手段によって加熱され、冷却手段によって冷却された後の転写体の温度を温度センサによって検知し、検知された温度が所定の温度条件を満たす場合には、記録手段によって転写体上にインク像を形成させ、検知された温度が所定の温度条件を満さない場合には、記録システムにおける記録に係る動作を停止させるための処理を行うことを特徴とする記録システム。【選択図】 図9

Description

本発明はインク像の形成領域および転写領域を通過する転写体を介して記録媒体にインク像を転写する記録装置および記録方法に関する。
転写体を介して記録媒体にインク像を転写するインクジェット印刷装置において、印刷品位に影響を与える要因の一つとして転写体に対しての温度制御がある。ここでいう温度制御とは転写の一連プロセスにおいて、回転する転写体に対して加熱と冷却を交互に行う温度制御であり、加熱は転写効率を高めるため、冷却はインク吐出を安定して行うための処理となる。加熱、冷却共に適切な機能を発揮することでムラのない高品質な記録画像を提供することが可能となる。
この加熱処理とはヒータ機構などが発する熱を利用して転写体などの対象物の温度を上昇させる処理であり、冷却処理は水噴霧や中空ローラなどを使用して熱を逃がす処理のことをいう。
しかしながら、冷却制御においては装置の周辺温度や装置内温度など、環境の影響を受けるため、冷却する温度を定量的に制御し難いという課題がある。そのため冷却制御による冷却効果が目標通り得られない状態で、印刷を実行した場合、冷却効果不足により予想外の高温となってしまう。
特開2002−202670号公報 特開平11−184301号公報
例えば特許文献1では、加熱定着されて高温となった転写体に対し、温度及び湿度、プリントモード、及び転写体の種別の違い等に対応した冷却制御を提案しているが冷却能力の計測には至っていない。また特許文献2においても加熱制御情報を元に冷却制御を行うが同様に冷却性能の判断は行っていない。
本発明の目的は、そのような従来技術を鑑み、転写体に対して十分に冷却制御を機能させて記録を行うことを目的とする。
本発明は、インク像の形成領域および転写領域を循環的に通過する転写体と、前記形成領域において前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、前記転写手段による転写前に、前記転写体上の前記インク像を加熱する加熱手段と、前記転写手段による転写後に、前記転写体を冷却する冷却手段と、前記冷却手段と前記形成領域との間に配された前記転写体の温度を検知するための温度センサと、を備える記録システムであって、前記加熱手段によって加熱され、前記冷却手段によって冷却された後の前記転写体の温度を前記温度センサによって検知し、検知された温度が所定の温度条件を満たす場合には、記録手段によってインク像を形成させ、前記検知された温度が前記所定の温度条件を満さない場合には、前記記録システムにおける記録に係る動作を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、記録に際して目標とする冷却制御の効果を判定することにより、転写体に対して十分に冷却制御を機能させて記録を行うことが可能となる。
記録システムの概要図である。 記録ユニットの斜視図である。 図2の記録ユニットの変位態様の説明図である。 図1の記録システムの制御系のブロック図である。 図1の記録システムの制御系のブロック図である。 図1の記録システムの動作例の説明図である。 図1の記録システムの動作例の説明図である。 図5における転写制御部とセンサ/アクチュエータ群の構成である。 第1の実施形態における制御フローを説明する図である。 第1の実施形態における制御時の温度変化を説明する表である。 第2の実施形態における制御フローを説明する図である。 第2の実施形態における制御時の温度変化を説明する表である。 第3の実施形態における制御フローを説明する図である。 第3の実施形態における制御時の温度変化を説明する表である。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
インクの成分については、特に限定はないが、本実施形態では、色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いる場合を想定する。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出する構成であってもよい。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RLの案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
図3は記録ユニット3の変位態様を示しており、記録システム1の右側面を模式的に示した図である。記録システム1の後部には回復ユニット12が設けられている。回復ユニット12は記録ヘッド30の吐出性能を回復する機構を有する。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド30のインク吐出面をキャッピングするキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、インク吐出面から記録ヘッド30内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることができる。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2があり、回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動する。その間に、予備回復位置POS2において記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写胴41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写胴41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写胴41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写胴41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写胴41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出して転写体上にインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写胴41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、さらに、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。以下では、清掃ユニット5Dの清掃部材、具体的にはローラを冷却することで、転写体2を冷却する方法を例にとり説明を行う。
冷却機能が付与された周辺ユニットまたは冷却ユニットに対して転写体2の回転方向の下流側に温度センサ(16−1)を設置し、転写体2の温度を検知して冷却性能を検知する。ここでは清掃ユニット5Dの下流側に温度センサを配置している。前記温度センサの設置位置はR1〜R3までの領域となる。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体Pの反転用の搬送胴である。記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体Pの裏面が転写胴41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P’の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P’の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P’の画像記録面に、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、シートの溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の検査を行う機構である。
本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。
本実施形態の場合、検査ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図4および図5は記録システム1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図4において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図5に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
図8で転写制御部15Bの構成を示す。転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御部15B−2、吸収ユニット5Bの制御部15B−3、加熱ユニット5Cの制御部15B−4、および冷却機能を持つ清掃ユニット5Dの制御部15−B5を備える。15B−2〜15B−5の各制御の熱処理に関連する制御を管理する熱制御部15B−1を備える。
図5に戻り、信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9Bの制御、および検査ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
冷却後の転写体2の温度を取得する温度センサ(16−1)も、図8におけるセンサ/アクチュエータ群16に含まれる構成となる。
<動作例>
図6は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざり合うことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体Pへのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が一回行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体Pへのインク像IMの転写が連続的に行うことができる。
このような記録動作を継続していくと、各記録ヘッド30のメンテナンスが必要となる。図7は各記録ヘッド30のメンテナンスの際の動作例を示している。状態ST11は、吐出位置POS1に記録ユニット3が位置している状態を示す。状態ST12は、記録ユニット3が予備回復位置POS2を通過している状態を示し、通過中に回復ユニット12により記録ユニット3の各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。その後、状態ST13に示すように、記録ユニット3が回復位置POS3に位置した状態で、回復ユニット12により各記録ヘッド30の吐出性能を回復する処理が実行される。
(第1の実施形態)
第1の実施形態として上述した実施形態の記録システムにおいて記録準備段階で冷却制御が正常に機能するかどうかの判定を行う処理を説明する。
図9は第1の実施形態における処理のフローを説明する図である。ステップS901において、操作部133、あるいは上位装置からユーザが記録の準備動作の指示した入力を受けると、メインコントローラ13Aは転写体2を制御して転写体2は回転動作を開始する。
次いで、転写体2の動作が始まった後、ステップS902において、メインコントローラ13Aは加熱ユニット5Cを用いて転写体2を加熱するための加熱制御を開始する。
次いで、ステップS903では、メインコントローラ13Aは内部タイマ(不図示)などにより、予め設定した時間T1が経過したか否かを判断する。ここで、経過するまでは判断を繰り返し、経過したと判断した場合はS904へ進む。
次いで、ステップS904において、メインコントローラ13Aは、清掃ユニット5Dの冷却を制御して、転写体2を冷却するための冷却制御を開始する。
次いで、ステップS905では、ステップS902で開始した加熱制御とステップS904で開始した冷却制御が行われている状態で、加熱制御開始から予め設定した時間T2(T1>T2)が経過したかを判断する。この判断もメインコントローラ13Aが行い、内部タイマ(不図示)を利用する。経過するまでは判断を繰り返し、経過したと判断した場合はS906へ進む。
そして、ステップS906において、メインコントローラ13Aは、温度を検知するための温度センサ16−1で転写体2の温度情報を取得する。
ステップS907では、メインコントローラ13Aは、ステップS906で取得した温度情報が、記録準備の段階で加熱制御と冷却制御を行っている際の目標にする目標温度範囲と比較する。この目標温度は中央値が数十度であり、程度(例えば5度)の幅を温度範囲である。S906で取得した温度が目標温度の範囲以内に収まっていない場合には冷却機能不足と判断してステップS908で冷却制御エラー処理をとして記録の準備動作を停止する。このときのエラー処理は操作部133がパネルであればエラー表示を行うし、ホスト装置HC1側へ情報を送信して不図示のディスプレイにエラー表示をしてもよい。
一方、ステップS906で取得した温度情報が示す温度が目標温度範囲以内であった場合には、冷却制御は正常に機能していると判断し、記録の準備動作を終了し、記録に移る。この段階までは各記録ヘッドからインクを吐出していなかったが、メインコントローラ13Aは、原稿データに基づいて各記録ヘッドにインクを転写体2へ吐出させる。
尚、T1、T2はそれぞれ数秒から数十秒程度、またはそれ以上の時間を適宜設定すればよい。
図10は図9のフローチャートにおける加熱制御開始からの経過時間と転写体2の表面の温度の関係を示すグラフである。加熱制御を開始した時点を原点とする。加熱制御開始以降、時間経過とともに温度(実線)は上昇する。時間T1を経過すると冷却制御が開始される。冷却制御が開始されるとT1時間以降の温度上昇の傾きはT1以前に比べて緩やかになり、一定時間経過後、予め設定された目標温度の範囲に保たれることになる。しかし冷却制御が正常に機能しない場合は、図10における鎖線のように目標温度の範囲を越える又は下回る状態となる。この状態でT2経過後に取得した温度が、目標温度範囲以内でないと判断した場合は冷却エラーと判断し、冷却エラーの処理を行うことになる。
(第2の実施形態)
図11は第2の実施形態における処理のフローを説明する図である。ステップS1101〜ステップS1106の各ステップは、図9を用いて説明した実施形態1のステップS901〜ステップS906の各ステップと同じであるため説明を省略する。またT1、T2は実施形態1と同じであり説明を省略する。また、各ステップにおいてメインコントローラ13Aが記録システムの各ユニットを制御する点も、特段の説明がない限り実施形態1と同様である。
ステップS1107ではステップS1106で取得した温度情報が、記録準備の段階で加熱制御と冷却制御を行っている際の目標にする目標温度範囲と比較する。この目標温度は中央値が数十度であり、程度(例えば5度)の幅を温度範囲である。ステップS1106で取得した温度が目標温度の範囲以内に収まっていない場合には冷却機能不足と判断してステップS1112で冷却制御エラー処理をとして記録の準備動作を停止する。
一方、ステップS1106で取得した温度情報が目標温度範囲以内であった場合には、S1108に進み、ステップS1102で開始した加熱制御Aよりも転写体2の表面が高温となる加熱制御Bを開始する。これは加熱ユニット5Cの加熱温度を上げることで行う。
ステップS1109では、加熱制御Aの開始から予め設定した時間T3(T3>T2)を経過したかを判断し、経過したと判断した場合はステップS1110に進む。
次いで、ステップS1110において温度センサ16−1から温度を取得する。
次いで、ステップステップS1111で、ステップS1110で取得した温度情報が示す温度が記録中の目標温度範囲以内であるか否かを判断する。記録中の目標温度範囲は、この目標温度は中央値が数十度であり、程度(例えば5度)の幅を温度範囲である。そして、ステップS1107で用いた記録準備段階の目標温度範囲よりも高い温度範囲である。
取得した温度が記録中の目標温度範囲を外れている場合には、S1113に移り、冷却制御エラー処理をとして記録の準備動作を停止する。
一方、取得した温度が記録中の目標温度範囲以内である場合には、冷却制御は正常に機能していると判断し、記録の準備動作を終了し、記録に移る。尚、T1、T2はそれぞれ数秒から数十秒程度、またはそれ以上の時間を適宜設定すればよい。
図12は図11のフローチャートにおける加熱開始からの経過時間と温度の関係を示す表である。原点を起点として加熱制御Aが開始されると、時間経過とともに転写体2の温度は上昇する。T1を経過すると転写体2の温度を記録準備段階の目標温度Aとする冷却制御を開始する。ステップS1107の目標温度範囲はこの目標温度Aを中央に上下にマージンを数度取った範囲である。その後、時間T2経過時に温度の取得を行い、その温度が目標温度A近傍すなわち、記録準備段階の温度範囲以内に入っている場合には更なる加熱制御Bを行う。加熱制御Bと冷却制御が動作した後、T3経過後に温度の取得を行い、その温度が目標温度B近傍を維持できていた場合、冷却制御は正常に動作していると判断し冷却制御チェックを終了する。記録時の目標温度範囲は目標温度Bを中央に上下にマージンを数度取った範囲である。
(第3の実施形態)
図13は第3の実施形態におけるフローを説明する図である。ステップS1301〜ステップS1306の各ステップは、図9を用いて説明した実施形態1のステップS901〜ステップS906の各ステップと同じであるため説明を省略する。またT1、T2は実施形態1と同じであり説明を省略する。また、各ステップにおいてメインコントローラ13Aが印刷システムの各ユニットを制御する点も、特段の説明がない限り実施形態1と同様である。
ステップS1307ではステップS1306で取得した温度情報と、印刷準備の段階で加熱制御と冷却制御を行っている際の目標にする目標温度範囲と比較する。この目標温度は中央値が数十度であり、程度(例えば5度)の幅を温度範囲である。
ステップS1306で取得した温度情報が目標温度範囲以内であった場合には、ステップS1308に進み、ステップS1302で開始した加熱制御Aよりも転写体2の表面が高温となる加熱制御Bを開始する。これは加熱ユニット5Cの加熱温度を上げることで行う。そしてステップS1309へ進む。
一方、ステップS1307において、取得した温度が目標温度の範囲以内に収まっていない場合にはステップS1312へ進む。
ステップS1312では、加熱制御Aから加熱制御Cへと加熱制御を変更することで、目標温度範囲以内に温度を維持できる判断した場合には、ステップS1313へ進む。この判断では、取得した温度が目標温度よりさらに数度広がった範囲以内であるかどうかを判断するそのために取得した温度と目標温度(目標温度範囲の中央値)との差分が所定の閾値以下であるか否かで判断する。目標温度範囲からさらに数度広い範囲を設定しその範囲の上限および下限と中央値との差分を閾値として用いればよい。
ステップS1313では、加熱制御Aよりも転写体2の表面が高温となる加熱制御Cを開始する。これは加熱ユニット5Cの加熱温度を上げることで行う。そしてステップS1309へ進む。なお加熱制御Cの温度については後述する。
取得した温度と目標温度(目標温度範囲の中央値)との差分が所定の閾値を超えている場合は、S1314に移り、冷却制御エラー処理をとして記録の準備動作を停止する。
ステップS1309では、加熱制御Aの開始から予め設定した時間T3(T3>T2)を経過したかを判断し、経過したと判断した場合はステップS1310に進む。
次いで、ステップS1310において温度センサ16−1から温度を取得する。
次いで、ステップステップS1311で、ステップS1310で取得した温度情報が示す温度が記録中の目標温度範囲以内であるか否かを判断する。記録中の目標温度範囲は、この目標温度は中央値が数十度であり、程度(例えば5度)の幅を温度範囲である。そして、ステップS1307で用いた記録準備段階の目標温度範囲よりも高い温度範囲である。
取得した温度が記録中の目標温度範囲を外れている場合には、S1115に移り、冷却制御エラー処理をとして記録の準備動作を停止する。
一方、取得した温度が記録中の目標温度範囲以内である場合には、冷却制御は正常に機能していると判断し、記録の準備動作を終了し、記録に移る。
図14は図13のフローチャートにおける加熱開始からの経過時間と温度の関係を示す表である。原点を起点として加熱制御Aが開始されると、時間経過とともに転写体2の温度は上昇する。加熱制御AをT1継続すると転写体2の温度を目標温度Aとする冷却制御を開始する。その後T2経過時に温度の取得を行い、その温度が目標温度A近傍を維持できていた場合には更なる加熱制御Bを行う。取得した温度が目標温度A近傍でなくとも加熱制御を変更することで目標温度Bを維持可能な範囲(ここでは目標温度C以下で目標温度Dを超えている範囲)の場合は加熱制御Cを行う。加熱制御Cは、取得した温度が目標温度Aよりも低い場合は加熱制御Bより強い加熱を行い、取得した温度が目標温度Aよりも高い場合は加熱制御Bより弱い加熱を行う制御である。そしてT3時間経過後に温度の取得を行い、その温度が目標温度B近傍を維持できていた場合、冷却制御は正常に動作していると判断し冷却制御チェックを終了する。
このように、目標温度Aに対して検知温度が目標温度Dを超えてかつ目標温度C以下の許容範囲内(目標温度D<目標温度A<目標温度C)の場合、加熱制御を再設定することで装置を停止することなく冷却制御の異常検知を継続できるという効果がある。
<他の実施形態>
上記実施形態では、記録ユニット3が複数の記録ヘッド30を有するが、一つの記録ヘッド30を有してもよい。記録ヘッド30はフルラインヘッドでなくてもよく、記録ヘッド30をY方向に走査させながらインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写胴41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (6)

  1. インク像の形成領域および転写領域を循環的に通過する転写体と、
    前記形成領域において前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、
    前記転写手段による転写前に、前記転写体上の前記インク像を加熱する加熱手段と、
    前記転写手段による転写後に、前記転写体を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段と前記形成領域との間に配された前記転写体の温度を検知するための温度センサと、
    を備える記録システムであって、
    前記転写体上にインク像を形成する前に、前記転写体を前記加熱手段によって加熱し、前記冷却手段によって冷却した後に前記温度センサを用いて前記転写体の温度を検知し、検知された温度が所定の温度範囲以内である場合には、記録手段によってインク像を形成させ、前記検知された温度が前記所定の温度範囲以内でない場合には、前記記録システムにおける記録に係る動作を停止させるための処理を行う制御手段をさらに有することを特徴とする記録システム。
  2. 前記制御手段は、前記加熱手段による前記転写体の加熱を開始してから所定の時間が経過したときに前記冷却手段による前記転写体の冷却を開始し、前記冷却の開始から所定の時間が経過した後に前記温度センサを用いて前記転写体の温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
  3. 前記制御手段は、前記冷却の開始から所定の時間が経過した後に検知した前記転写体の温度が所定の温度範囲以内であるか否かを判定し、前記所定の温度範囲以内である場合には、前記加熱手段による加熱温度を記録時に使用する加熱温度とした後に前記温度センサを用いて前記転写体の温度を検知し、検知された温度が所定の温度範囲以内である場合には、記録手段によってインク像を形成させ、前記検知された温度が前記所定の温度範囲以内でない場合には、前記記録システムにおける記録に係る動作を停止させるための処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
  4. 前記制御手段は、前記検知された温度が前記所定の温度範囲以内でない場合には、前記記録システムにおける記録に係る動作を停止させるための処理として、表示手段にエラーを表示させるための処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録システム。
  5. 前記冷却手段は前記転写体上を清掃するための清掃部材であり、前記制御手段は前記清掃部材を冷却する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録システム。
  6. インク像の形成領域および転写領域を循環的に通過する転写体と、
    前記形成領域において前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、
    前記転写手段による転写前に、前記転写体上の前記インク像を加熱する加熱手段と、
    前記転写手段による転写後に、前記転写体を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段と前記形成領域との間に配された前記転写体の温度を検知するための温度センサと、を備える記録システムにおける記録方法であって、
    前記加熱手段によって加熱され、前記冷却手段によって冷却された後の前記転写体の温度を前記温度センサによって検知し、検知された温度が所定の温度範囲以内である場合には、記録手段によってインク像を形成させ、前記検知された温度が前記所定の温度範囲以内でない場合には、前記記録システムにおける記録に係る動作を停止することを特徴とする記録方法。
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