JP2019150771A - 触媒の製造方法、電極の製造方法、燃料電池の製造方法、触媒、電極、燃料電池、炭素材料の製造方法、積層体の製造方法、炭素材料及び積層体 - Google Patents

触媒の製造方法、電極の製造方法、燃料電池の製造方法、触媒、電極、燃料電池、炭素材料の製造方法、積層体の製造方法、炭素材料及び積層体 Download PDF

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博弥 阿部
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Abstract

【課題】ポリドーパミンの膜を工業的に利用できる実用的な触媒及び炭素材料の製造方法の提供。【解決手段】酸素を含む気体1とドーパミンを含む液体2との気液界面Bでドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜3を成膜し、次いで、膜3を熱処理する、炭素材料の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒の製造方法、電極の製造方法、燃料電池の製造方法、触媒、電極、燃料電池、炭素材料の製造方法、積層体の製造方法、炭素材料及び積層体に関する。
酸素の還元反応を利用して、電気エネルギーを生み出す燃料電池が知られている。燃料電池においては、電極の表面に還元反応を促進する触媒の層を設けることが一般的である。この触媒として白金担持炭素材料が知られている。白金担持炭素材料は、酸素の還元反応を促進する機能(酸素還元触媒能)に優れる。
しかし、白金は高価であり、資源量が限られていることから、安価で資源量が豊富な代替触媒の開発が試みられている。この代替触媒としては、窒素原子又は鉄原子等がドープされた炭素材料が提案されている(特許文献1,2)。
特許文献1は、遷移金属含有化合物、窒素含有有機化合物及び溶媒を混合して触媒前駆体溶液を得、触媒前駆体溶液から溶媒を除去し、固形分残渣を熱処理して得られた燃料電池用電極触媒を開示している。
特許文献2は、高分子金属錯体に炭素添加物を混合し熱処理して炭素化し、炭素化物を得る炭素化工程と窒素をドープした炭素材料を得る工程とを含む炭素系燃料電池用電極触媒の製造方法を開示している。
ところで、ポリドーパミンは種々の基材の表面に対する接着性を具備することが知られている(非特許文献1)。非特許文献1は、ドーパミンを含む液体に基材等の固体を浸漬し、固液界面、即ち基材の表面におけるドーパミンの重合により、基材の表面をポリドーパミンの膜で被覆する技術を開示している。
特許第6061998号公報 特開2008−282725号公報
Haeshin L, et al. Science.2007;318:426-430.
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、触媒の酸素還元触媒能が不十分であり、燃料電池の実用化に至っていない。
一方、非特許文献1に記載の技術では、ポリドーパミンの膜の成膜速度が遅く、得られる膜が薄い。そのため非特許文献1に記載の技術において、より厚いポリドーパミンの膜を得るには、膜を厚くするための処理をさらに必要とし、ポリドーパミンの膜の工業的な利用が困難である。
本発明は、ポリドーパミンの膜を工業的に利用できる実用的な触媒及び炭素材料の製造方法の提供を目的とする。
本発明の発明者らは、酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で起きるドーパミンの自己酸化重合反応により、ポリドーパミンの膜が高い成膜速度で成膜されることを知見した。さらに、ポリドーパミンの膜を高温下で処理することで、意外にも酸素還元触媒能を具備する炭素材料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、次いで、前記膜を熱処理する、触媒の製造方法。
[2] 酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、次いで、前記膜を基材の表面に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、電極の製造方法。
[3] 電極を有する燃料電池の製造方法であって、前記電極を製造する際に、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、次いで、前記膜を基材の表面に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、燃料電池の製造方法。
[4] [1]の製造方法で得られる触媒であって、ヘテロ原子を0.1質量%以上含む、触媒。
[5] [1]の製造方法で得られる触媒の層又は[4]の触媒の層と、前記層と接する基材とを有する電極。
[6] [5]の電極を有する、燃料電池。
[7] 酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いで、前記膜を熱処理する、炭素材料の製造方法。
[8] 酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いで、前記膜を基材上に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、積層体の製造方法。
[9] [7]の製造方法で得られる炭素材料であって、窒素原子を0.1質量%以上含む、炭素材料。
[10] [7]の製造方法で得られる炭素材料の層又は[9]の炭素材料の層と、前記層と接する基材とを有する積層体。
本発明によれば、ポリドーパミンの膜を工業的に利用できる実用的な触媒及び炭素材料の製造方法が提供される。
一実施形態の炭素材料の製造方法の構成の一部を説明するための模式図である。 一実施形態の炭素材料の製造方法の構成の一例を説明するための模式図である。 実施例1でドーパミンの重合により、ポリドーパミンを含む膜を成膜した際の、成膜速度を示すグラフである。 実施例3におけるXPSの測定結果を示すスペクトル図である。 実施例3におけるレーザーラマン分光分析の結果を示すスペクトル図である。 実施例3におけるサイクリックボルタモグラムの測定結果を示す図である。 実施例4の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 実施例5の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 実施例4,5の積層体の比較対象として、GC電極を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 実施例4,5の積層体の比較対象として、Pt/C電極を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 図7〜10のLSVの測定結果から2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。 実施例6におけるTG−DTA測定の結果を示すグラフである。 実施例7の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 実施例8の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 実施例7,8の積層体の比較対象として、Pt/C電極を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。 図13〜15のLSVの測定結果から2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。 実施例7〜10の積層体について、LSVの測定を行い、2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。 実施例8におけるXPSの測定結果を示すスペクトル図である。 実施例9におけるXPSの測定結果を示すスペクトル図である。 実施例10におけるXPSの測定結果を示すスペクトル図である。 実施例7〜10の積層体並びにGC電極及びPt/C電極を作用極として取得したLSV曲線を比較して示す図である。
本明細書において下記用語の意味は以下の通りである。
「ヘテロ原子」とは、炭素原子及び水素原子以外の原子を意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<触媒の製造方法>
本実施形態の触媒の製造方法では、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜(以下、「ポリドーパミン膜」と記す。)を成膜する。
例えば図1に示すように、酸素を含む気体1とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体2との気液界面Bでドーパミンを重合して、ポリドーパミン膜3を気体1と液体2との間に成膜できる。
ドーパミンの分子同士は酸素の存在下で重合することから、気液仮面Bではポリドーパミン膜が成膜される。かかるポリドーパミンの重合は自己酸化重合と称されることがある。自己酸化重合としては、下式(1)に示す反応経路が例示される。ただし、本実施形態の触媒の製造方法におけるドーパミンの重合の反応経路は、下式(1)に示す態様に限定されない。
Figure 2019150771
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体は、液状媒体にドーパミン及びヘテロ原子含有化合物が溶解又は分散している形態であれば特に限定されない。ドーパミンは市販品を用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
液状媒体は常温で液体であり、不活性な化合物である。液状媒体としては、ドーパミンと化学反応しない化合物であれば特に限定されない。
液状媒体は、ドーパミンを溶解しやすい(即ち、ドーパミンの溶解度が高い)化合物でもよく、ドーパミンを溶解しにくい(即ち、ドーパミンの溶解度が低い)化合物でもよい。液状媒体がドーパミンを溶解しにくい化合物である場合にあっては、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体は分散液の形態であってもよい。
液状媒体は、水等の無機質媒体であってもよく、有機媒体であってもよい。
無機質媒体の具体例としては、アンモニア水溶液、塩酸水溶液、硝酸水溶液、リン酸水溶液等が例示される。
有機媒体の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、酢酸、クエン酸、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エトキシエタノール等が例示される。
ただし、液状媒体はこれらの例示に限定されない。液状媒体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の触媒の製造方法では、ドーパミンとして、ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体を用いることが好ましい。ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体を用いると、触媒にドープされるヘテロ原子の含有量を多くしやすくなる。また、触媒が酸素還元触媒能を具備しやすくなる。
ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体としては、イミン付加体、下式(2)に示すアミン付加体、下式(3)に示すチオール付加体等が例示される。
ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体として、イミン付加体及びアミン付加体のいずれか一方又は両方を用いると、触媒にドープされる窒素原子の含有量を多くしやすくなる。ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体として、チオール付加体を用いると、硫黄原子がドープされた触媒を製造できる。
ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体は、ドーパミンの代替物として単独で用いてもよく、ドーパミンと併用してもよい。
Figure 2019150771
ただし、式(2)中、Rは炭化水素基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造でもよい。前記炭化水素はヘテロ原子を有してもよく、前記炭化水素基における炭素数は特に限定されない。
Figure 2019150771
ただし、式(3)中、Rは炭化水素基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造でもよい。前記炭化水素はヘテロ原子を有してもよく、前記炭化水素基における炭素数は特に限定されない。
本実施形態の触媒の製造方法では、ドーパミンとして、後述するドーパミンのカルボン酸複合体、ドーパミンのホウ酸錯体及びドーパミンの金属錯体からなる群より選ばれる少なくとも1つを用いてもよい。ドーパミン並びにドーパミンのカルボン酸複合体、ドーパミンのホウ酸錯体及びドーパミンの金属錯体は単独で用いてもよく、これらを併用してもよい。
ヘテロ原子含有化合物としては、窒素含有化合物(ただし、ドーパミン及びドーパミン誘導体を除く。)、遷移金属含有化合物、リン含有化合物、ホウ素含有化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物が例示される。
ヘテロ原子含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
窒素含有化合物としては、アミノ基、ニトリル基、イミド基、イミン基、ニトロ基、アミド基、アジド基、アジリジン基、アゾ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキシム基、ジアゾ基、ニトロソ基等の窒素含有基を有する有機化合物;ピロール環、ポルフィリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環等の窒素含有環を有する有機化合物が例示される。
窒素含有基を有する有機化合物の具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン;フェニルアミン、トリフェニルアミン、2−フェニルエチルアミン等の芳香族アミン;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン;ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド等のアミドが例示される。窒素含有基を有する有機化合物は、これらの例示に限定されない。窒素含有基を有する有機化合物は、単量体でも重合体でもよい。
窒素含有環を有する有機化合物の具体例としては、ピロール、ポリピロール、ポルフィリン、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジンが例示される。窒素含有環を有する有機化合物は、これらの例示に限定されない。窒素含有環を有する有機化合物は、単量体でも重合体でもよい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
窒素含有化合物は、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、酸ハライド基、スルホ基、リン酸基、ケトン基、エーテル基、エステル基等の酸素含有基を有してもよい。酸素含有基を有する窒素含有化合物としては、アミノ酸及びその誘導体;ゼラチン、ポリL−リシン等のタンパク質;アセチルピロール等のアシルピロール;ピロールカルボン酸、アセチルイミダゾール等のアシルイミダゾール;カルボニルジイミダゾール、イミダゾールカルボン酸、ピラゾール、アセトアニリド、5−カルボキシ−1−ペンタンチオール、5−アミノペンタン酸、3−アミノプロピオン酸、ピラジンカルボン酸、ピペリジンカルボン酸、ピペラジンカルボン酸、モルホリン、ピリミジンカルボン酸、ニコチン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、8−キノリノール、ポリビニルピロリドンが例示される。
アミノ酸の具体例としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ノルバリン、グリシルグリシン、トリグリシン、テトラグリシンが例示される。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が窒素含有化合物を含む場合、イミン付加体及び上式(2)に示すアミン付加体のいずれか一方又は両方を生成してもよい。
ドーパミンのイミン付加体及びドーパミンのアミン付加体のいずれか一方又は両方を生成する場合、窒素含有化合物としては、ポリエチレンイミン、ゼラチンが好ましい。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体はカルボキシル基を有する窒素含有化合物を含むことが好ましい。ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体がカルボキシル基を有する窒素含有化合物を含むと、ヘテロ原子として窒素原子及び酸素原子がドープされた炭素材料を製造できる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体がカルボキシル基含有化合物を含む場合、下式(4)に示すドーパミンのカルボン酸複合体を生成してもよい。この場合においても、ヘテロ原子として酸素原子がドープされた触媒を製造できる。
ドーパミンのカルボン酸複合体を生成する場合、カルボキシル基を有する窒素含有化合物としては、5−カルボキシ−1−ペンタンチオール、5−アミノペンタン酸、3−アミノプロピオン酸が好ましい。
Figure 2019150771
ただし、式(4)中、Rは炭化水素基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造でもよい。前記炭化水素はヘテロ原子を有してもよく、前記炭化水素基における炭素数は特に限定されない。
ホウ素含有化合物の具体例としては、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩、フェニレンジボロン酸が例示される。ただし、ホウ素含有化合物はこれらの例示に限定されない。ホウ素含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ドーパミンを含む液体がホウ素含有化合物を含むと、ヘテロ原子としてホウ素原子がドープされた炭素材料を製造できる。
ドーパミンを含む液体がホウ素含有化合物を含む場合、下式(5)に示すドーパミンのホウ酸錯体を生成してもよい。この場合においても、ヘテロ原子としてホウ素原子がドープされた炭素材料を製造できる。
ドーパミンのホウ酸錯体を生成する場合、ホウ素含有化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、フェニレンジボロン酸が好ましい。
Figure 2019150771
硫黄含有化合物の具体例としては、6−メルカプトヘキサノール、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、チオシアヌル酸が例示される。硫黄含有化合物は、システイン含有タンパク質、メチオニン含有タンパク質等の硫黄含有タンパク質でもよい。
ケイ素含有化合物の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、オルトケイ酸テトラエチル、二酸化ケイ素が例示される。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が硫黄含有化合物を含む場合、上式(3)に示すチオール付加体を生成してもよい。この場合においても、ヘテロ原子として硫黄原子がドープされた触媒を製造できる。
ドーパミンのチオール付加体を生成する場合、硫黄含有化合物の具体例としては、チオシアヌル酸、6−メルカプトヘキサノール、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)が好ましい。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体は、遷移金属含有化合物を含むことが好ましい。ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が遷移元素含有化合物を含むと、遷移元素がドープされた触媒を製造できる。また、触媒が酸素還元触媒能にさらに優れる。
遷移金属含有化合物としては、鉄含有化合物、コバルト含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、ハフニウム含有化合物、バナジウム含有化合物、ニオブ含有化合物、タンタル含有化合物、ニッケル含有化合物、クロム含有化合物、マンガン含有化合物が例示される。ただし、遷移金属含有化合物はこれらの例示に限定されない。
遷移金属含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
遷移金属含有化合物は、酸素原子及びハロゲン原子のいずれか一方又は両方を有してもよい。酸素原子及びハロゲン原子のいずれか一方又は両方を有する遷移金属含有化合物としては、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸塩、金属ハロゲン化物、金属酸ハロゲン化物(金属ハロゲン化物の中途加水分解物)、金属アルコキシド、金属ハロゲン酸塩、金属次亜ハロゲン酸塩、金属錯体が例示される。
金属アルコキシドとしては、遷移金属のメトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、エトキシド、ブトキシド、イソブトキシドが例示される。
酸素原子及びハロゲン原子のいずれか一方又は両方を有する遷移金属含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
鉄含有化合物の具体例としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、フェロシアン化鉄、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、リン酸鉄(II)、リン酸鉄(III)フェロセン、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)等が例示される。
鉄含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コバルト含有化合物の具体例としては、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、硫酸コバルト(II)、硫化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、硝酸コバルト(III)、シュウ酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、コバルトセン、水酸化コバルト(II)、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、四酸化三コバルト、酢酸コバルト(II)、乳酸コバルト(II)等が例示される。
コバルト含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
チタン含有化合物の具体例としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラペントキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオキシジアセチルアセトナート、トリス(アセチルアセトナト)第二チタン塩化物([Ti(acac)[TiCl])、四塩化チタン、三塩化チタン、オキシ塩化チタン、四臭化チタン、三臭化チタン、オキシ臭化チタン、四ヨウ化チタン、三ヨウ化チタン、オキシヨウ化チタン等が例示される。
チタン含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ジルコニウム含有化合物の具体例としては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラペントキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、四塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、オキシ臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、オキシヨウ化ジルコニウム等が例示される。
ジルコニウム含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハフニウム含有化合物の具体例としては、ハフニウムテトラメトキシド、ハフニウムテトラエトキシド、ハフニウムテトラプロポキシド、ハフニウムテトライソプロポキシド、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソブトキシド、ハフニウムテトラペントキシド、ハフニウムテトラアセチルアセトナート、四塩化ハフニウム、オキシ塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、オキシ臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、オキシヨウ化ハフニウム等が例示される。
ハフニウム含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バナジウム含有化合物の具体例としては、バナジウムオキシトリメトキシド、バナジウムオキシトリエトキシド、バナジウムオキシトリイソプロポキシド、バナジウムオキシトリブトキシド、バナジウム(III)アセチルアセトナート、バナジウム(IV)アセチルアセトナート、五塩化バナジウム、オキシ塩化バナジウム、五臭化バナジウム、オキシ臭化バナジウム、五ヨウ化バナジウム、オキシヨウ化バナジウム、塩化バナジウム(II)、塩化バナジウム(III)、塩化バナジウム(IV)、オキシ硫酸バナジウム(IV)、硫化バナジウム(III)、オキシシュウ酸バナジウム(IV)、バナジウムメタロセン、酸化バナジウム(V)、酢酸バナジウム、クエン酸バナジウム等が例示される。
バナジウム含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ニオブ含有化合物の具体例としては、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタブトキシド、ニオブペンタペントキシド、五塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、五臭化ニオブ、オキシ臭化ニオブ、五ヨウ化ニオブ、オキシヨウ化ニオブ等が例示される。
ニオブ含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
タンタル含有化合物の具体例としては、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタブトキシド、タンタルペンタペントキシド、タンタルテトラエトキシアセチルアセトナート、五塩化タンタル、オキシ塩化タンタル、五臭化タンタル、オキシ臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、オキシヨウ化タンタル等が例示される。
タンタル含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ニッケル含有化合物の具体例としては、塩化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硫化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、リン酸ニッケル(II)、ニッケルセン、水酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、乳酸ニッケル(II)等が例示される。
ニッケル含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
クロム含有化合物の具体例としては、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、硫酸クロム(III)、硫化クロム(III)、硝酸クロム(III)、シュウ酸クロム(III)、リン酸クロム(III)、水酸化クロム(III)、酸化クロム(II)、酸化クロム(III)、酸化クロム(IV)、酸化クロム(VI)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)等が例示される。
クロム含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
マンガン含有化合物の具体例としては、塩化マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、硫化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、シュウ酸マンガン(II)、水酸化マンガン(II)、酸化マンガン(II)、酸化マンガン(III)、酢酸マンガン(II)、乳酸マンガン(II)、クエン酸マンガン等が例示される。
マンガン含有化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の触媒の製造方法では、遷移金属含有化合物とドーパミンとを用いて、ドーパミンの遷移金属錯体を生成してもよい。例えば、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体中で、鉄(III)含有化合物とドーパミンとを用いて、下式(6)に示すドーパミンの鉄(III)錯体を生成してもよい。この場合、ヘテロ原子として鉄(III)原子がドープされた触媒を製造できる。
Figure 2019150771
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体は、液状媒体、ドーパミン、ヘテロ原子含有化合物及び遷移金属含有化合物以外の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、酸化剤、pH調節剤、緩衝剤等が例示される。pH調節剤としては、アンモニア及びアンモニア塩、水酸化ナトリウム水溶液等の強塩基が例示される。
遷移金属含有化合物がハロゲン原子を有する場合、沈殿抑制剤の具体例としては、塩酸等の強酸が例示される。
遷移金属含有化合物が金属錯体であり、液状媒体が水を含む場合、沈殿抑制剤の具体例としては、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサンジオン、5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン等のジケトンが例示される。
沈殿抑制剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヘテロ原子含有化合物、遷移金属含有化合物、その他の添加剤は、それぞれを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体がヘテロ原子含有化合物及び遷移金属含有化合物をさらに含む場合、触媒が酸素還元触媒能にさらに優れる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体のドーパミンの含有量は、所望する触媒の厚みにあわせて調整してもよい。ドーパミンの含有量としては、例えば、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体100質量%に対し0.1〜1質量%が好ましい。ドーパミンの含有量が前記下限値以上であると、ポリドーパミン膜の成膜速度がさらに優れる。ドーパミンの含有量が前記上限値以下であると、ポリドーパミン膜におけるポリドーパミンの分散性がさらに優れる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体のヘテロ原子含有化合物の含有量は、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体100質量%に対し0.01〜10質量%が好ましい。ヘテロ原子含有化合物の含有量が前記下限値以上であると、触媒が酸素還元触媒能にさらに優れる。ヘテロ原子含有化合物の含有量が前記上限値以下であると、ヘテロ原子含有化合物の残存に起因する触媒の性能の低下を防止できる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が遷移金属含有化合物を含む場合、遷移金属含有化合物の含有量としては、例えば、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体100質量%に対し0.01〜10質量%とすることができる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が沈殿抑制剤として強酸を含む場合、強酸の含有量としては、例えば、ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体100質量%に対し0.05質量%とすることができる。
酸素を含む気体としては、特に限定されない。酸素を含む気体として、空気を用いてもよい。酸素を含む気体の酸素濃度は、所望する触媒の厚みにあわせて調整してもよい。酸素濃度としては、例えば、7.53〜8.84ppmとすることができる。
気液界面でドーパミンを重合する際の温度は、特に限定されない。前記温度としては、例えば20〜30℃とすることができる。
気液界面でドーパミンを重合する際の圧力は、特に限定されない。前記圧力としては、例えば1013Paとすることができる。
気液界面でドーパミンを重合する際のドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体のpHは、ドーパミンの重合性の点から、8〜11が好ましい。
ドーパミンの重合時間は、ドーパミンの重合性の点から、2時間以上が好ましい。ドーパミンの重合時間が前記下限値以上であると、ポリドーパミン膜の膜厚がさらに増加する。
次いで、本実施形態の触媒の製造方法では、ポリドーパミン膜を熱処理する。ポリドーパミン膜を熱処理することで、ポリドーパミン膜を炭素化することができ、触媒が得られる。
触媒が有する化学構造としては、下式(7)に示すような化学構造が例示される。ただし、本実施形態の製造方法で得られる触媒が有する化学構造は、下式(7)に示す化学構造に限定されない。
Figure 2019150771
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体が鉄金属含有化合物を含む場合において、熱処理によって得られる触媒が有する化学構造としては、下式(8)に示すような化学構造が例示される。ただし、この場合において得られる触媒が有する化学構造は、下式(8)に示す化学構造に限定されない。
Figure 2019150771
ポリドーパミン膜を熱処理する際は、図1に示すようにポリドーパミン膜3を気体1と液体2との間に静置した状態で熱処理を行ってもよく、図2に示すように基板4のような担体にポリドーパミン膜3を移し、ポリドーパミン膜3を担体上に設け、担体上でポリドーパミン膜3を熱処理してもよい。
熱処理の方法としては、例えば、オーブン、炉、熱板、熱ロール等を用いて加熱又は焼成する方法、赤外線等の熱線を照射することで加熱する方法等が例示される。炉、オーブン、熱板及び熱ロールの形態は特に限定されない。
熱処理をする方法としては、真空電気炉を用いて焼成することが好ましい。これにより、機械的強度及び形状安定性に優れる触媒を製造できる。
熱処理の温度は、特に限定されない。前記温度としては、例えば、100〜900℃とすることができる。熱処理の温度が前記下限値以上であると、触媒が酸素還元触媒能にさらに優れる。熱処理の温度が前記上限値以下であると、触媒が導電性にさらに優れる。
熱処理の圧力は、特に限定されない。前記圧力としては、例えば、0〜1000Paとすることができる。
熱処理の時間は、特に限定されない。前記時間としては、例えば、120分とすることができる。
熱処理は、1段階で実施してもよく、異なる温度又は圧力にて2段階以上で実施してもよい。
ポリドーパミン膜を担体上に設け、担体上でポリドーパミン膜を熱処理する場合、熱処理することで、担体上に設けられた触媒が得られる。この場合、担体上に設けられた触媒を担体から分離して、触媒を得てもよい。
ポリドーパミン膜を担体上に設ける方法としては、気液界面、即ち液面上で成膜されたポリドーパミンの膜をすくい取るようにして、担体上に設ける方法が例示される。ただし、ポリドーパミン膜を担体上に設ける方法は、この例示に限定されない。担体については、後述の「電極の製造方法」の項で具体的に説明する。
担体上でポリドーパミン膜を熱処理する場合、膜の露出面側から加熱してもよく、担体側から加熱してもよい。この場合における熱処理は、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスを供給する場合、膜面側から不活性ガスを供給してもよく、担体側から不活性ガスを供給してもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が例示される。ただし、不活性ガスはこれらの例示に限定されない。
担体上でポリドーパミン膜を熱処理する場合、表面が非接着性である担体を用いると、触媒を担体から分離しやすくなる。表面が接着性である担体を用いる場合、表面処理を予め担体に施し、接着性を低減してもよい。なお、溶解性の担体を用いる場合にあっては、担体を溶解して除去し、触媒と担体とを分離してもよい。
(用途)
本実施形態の製造方法で得られる触媒は種々の工業製品の材料として適用可能である。
本実施形態の製造方法で得られる触媒は、酸素還元触媒能を具備する。そのため、酸素の還元反応を利用する産業上の用途に好適に利用できる。
(作用効果)
以上説明した触媒の製造方法にあっては、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合するため、ポリドーパミン膜の成膜速度が速くなる。次いで、ポリドーパミン膜を熱処理することで、ヘテロ原子がドープされた触媒をより短時間で製造できるため、本実施形態の触媒の製造方法は実用的である。
また、ドーパミン誘導体の選択又はヘテロ原子含有化合物の選択により、触媒にドープするヘテロ原子を選択できるため、種々のヘテロ原子がドープされた触媒をより容易に製造できる。
ドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体がさらに遷移金属含有化合物を含む場合には、種々の遷移金属元素を触媒にドープできる。また、ドーパミンの遷移金属錯体を用いる場合においても、種々の遷移金属元素を触媒にドープできる。
<触媒>
本実施形態の触媒(以下、本触媒と記す。)は、本実施形態の触媒の製造方法で得られる触媒である。本触媒は、ヘテロ原子を0.1質量%以上含む。ヘテロ原子の含有量の下限値は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
ヘテロ原子の含有量の上限値は特に制限されない。ヘテロ原子の含有量の上限値は、例えば、50質量%以下とすることができる。
ヘテロ原子の含有量は、X線光電子分光分析等の元素分析により測定できる。
(作用効果)
以上説明した本触媒にあっては、ヘテロ原子を0.1質量%以上含むため、酸素還元触媒能がよくなる。また、本実施形態の触媒の製造方法で得られるため、種々のヘテロ原子のドープが可能となる。
<電極の製造方法>
本実施形態の電極の製造方法では、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミン膜を成膜し、次いで、前記膜を基材上に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する。
本実施形態の電極の製造方法は、触媒の製造方法において、担体上でポリドーパミン膜を熱処理し、触媒から担体を分離せずに、触媒と担体とを有する電極を得る方法に対応する。即ち、電極の製造方法では、基材が担体に対応する。
そのため、ポリドーパミン膜の成膜の詳細及びその好ましい態様並びにポリドーパミン膜の熱処理の詳細及びその好ましい態様は、上述の触媒の製造方法と同様である。
基材としては、シリコン基板;金、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、リチウム等の金属基板;これらの金属の任意の組み合わせを含む合金基板;インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)等の酸化物基板;グラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンフェルト等の炭素基板等が例示される。ただし、基材はこれらの例示に限定されない。
本実施形態では、触媒の層を基材の片面に設けてもよく、基材の両面に設けてもよい。
(作用効果)
以上説明した電極の製造方法にあっては、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合するため、ポリドーパミン膜の成膜速度が速くなる。次いで、ポリドーパミン膜を熱処理することで、ヘテロ原子がドープされた触媒を有する電極をより短時間で製造できるため、本実施形態の電極の製造方法は実用的である。
また、ドーパミン誘導体の選択又はヘテロ原子含有化合物の選択により、触媒にドープするヘテロ原子を選択できるため、種々のヘテロ原子がドープされた触媒を有する電極をより容易に製造できる。
<電極>
本実施形態の電極は、触媒の層と、前記層と接する基材とを有する。
触媒の層は、上述した本実施形態の触媒の製造方法で得られる触媒を含む。触媒の層は、上述の実施形態の方法で得られる触媒をそのまま用いてもよく、得られる触媒を加工し、形状を変化させたものを用いてもよい。
触媒の層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.01〜100μmとすることができる。厚みが前記下限値以上であると、電極が耐久性に優れる。厚みが前記上限値以下であると、電極の性能が低下しにくくなる。
基材としては、「電極の製造方法」の項で説明した基材と同様のものが例示される。
本実施形態の電極は、触媒の層を基材の片面に有してもよく、基材の両面に有してもよい。
本実施形態の電極は、例えば、本実施形態の電極の製造方法によって製造できる。他にも、上述の本実施形態の製造方法で得られる触媒を基材上に設けることにより製造してもよい。
本実施形態の電極は、燃料電池の電極として利用できる。燃料電池の電極として利用する場合、一対の電極の間に電解質膜を配置してもよい。
電極を燃料電池の電極として利用する場合、酸性条件下では下式(9)に示す酸素の還元反応が進行しやすくなり、アルカリ性条件下では下式(10)に示す還元反応が進行しやすくなる。その結果、酸素還元触媒を有する電極として機能する。
+4H+4e→2HO ・・・式(9)
+2HO+4e→4OH ・・・式(10)
基材として、例えば多孔質支持層を有する基材を用いることで、本実施形態の電極を燃料電池用の電極として利用してもよい。燃料電池の電極として利用する場合、本実施形態の電極はカソード又はアノードのいずれの電極に用いてもよい。
多孔質支持層とは、ガスを拡散する層である。多孔質支持層としては、電子伝導性を具備し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば特に限定されない。多孔質支持層としては、カーボンペーパー、カーボンクロス等の炭素系多孔質材料、ステンレス箔、耐食材を被服したアルミニウム箔等が例示される。
(作用効果)
以上説明した電極にあっては、本実施形態の製造方法で得られる触媒の層を有するため、酸素還元触媒能がよくなる。その結果、電極が酸素還元特性に優れる。
<燃料電池の製造方法>
本実施形態の燃料電池の製造方法は、電極を有する燃料電池の製造方法である。本実施形態の燃料電池の製造方法では、電極を製造する際に、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、次いで、前記膜を基材の表面に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する。
本実施形態の燃料電子の製造方法において、ポリドーパミン膜の成膜の詳細及びその好ましい態様並びにポリドーパミン膜の熱処理の詳細及びその好ましい態様は、上述の触媒の製造方法と同様である。
(作用効果)
以上説明した燃料電池の製造方法にあっては、酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合するため、ポリドーパミン膜の成膜速度が速くなる。次いで、ポリドーパミン膜を熱処理することで、ヘテロ原子がドープされた触媒を有する電極をより短時間で製造できるため、本実施形態の燃料電池の製造方法は実用的である。
また、ドーパミン誘導体の選択又はヘテロ原子含有化合物の選択により、触媒にドープするヘテロ原子を選択できるため、種々のヘテロ原子がドープされた触媒を有する電極をより容易に製造できる。
<燃料電池>
本実施形態の燃料電池は、上述した本実施形態の電極を有する。
本燃料電池は、第2の電極、電解質、セパレータをさらに有してもよい。
第2の電極としては、アルミニウム、亜鉛等の金属単体、これらの金属酸化物が例示される。ただし、第2の電極はこれらの例示に限定されない。
電解質としては、水性電解液が好ましい。水性電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液;硫酸水溶液等の酸性水溶液が例示される。電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、電解質はこれらの例示に限定されず、無機固体電解質でもよい。
セパレータは、本電極と第2の電極とを隔離し、電解液を保持して本電極と第2の電極との間のイオン伝導性を確保する部材である。セパレータは、特に制限はない。
セパレータの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ビニロン、ポリ(メタ)アクリル酸等のマイクロポアを有する重合体、ゲル化合物、イオン交換膜、環化重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有重合体、スルホン酸塩含有重合体、第四級アンモニウム塩含有重合体、第四級ホスホニウム塩含有重合体等が例示される。ただし、セパレータはこれらの例示に限定されない。
本燃料電池は一次電池でもよく、二次電池でもよい。
燃料電池の形態としては、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)等が例示される。ただし、燃料電池の形態はこれらの例示に限定されない。これらの中でも、PEFCが好ましい。
(作用効果)
以上説明した燃料電池にあっては、本実施形態の電極を有するため、電極における酸素還元反応の酸素還元特性がよくなる。その結果、燃料電池がエネルギー変換効率に優れる。
<炭素材料の製造方法>
本実施形態の炭素材料の製造方法では、酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜する。
気液界面での前記ドーパミンを重合の態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ドーパミンを含む液体は、液状媒体にドーパミンが溶解又は分散している形態であれば特に限定されない。
ドーパミンの詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
液状媒体の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
本実施形態の炭素材料の製造方法では、ドーパミンとして、ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体を用いることが好ましい。ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体を用いると、ヘテロ原子を炭素材料にドープできる。また、炭素材料が酸素還元触媒能を具備しやすくなる。
ヘテロ原子を有するドーパミン誘導体の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ドーパミンを含む液体は、ヘテロ原子含有化合物を含むことが好ましい。ドーパミンを含む液体がヘテロ原子含有化合物を含むと、ヘテロ原子がドープされた炭素材料を製造できる。また、炭素材料が酸素還元触媒能を具備しやすくなる。
ヘテロ原子含有化合物の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ドーパミンを含む液体は、遷移金属含有化合物を含むことが好ましい。ドーパミンを含む液体が遷移元素含有化合物を含むと、遷移元素がドープされた炭素材料を製造できる。また、炭素材料が酸素還元触媒能にさらに優れる。
遷移金属含有化合物の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ドーパミンを含む液体は、液状媒体、ドーパミン、ヘテロ原子含有化合物及び遷移金属含有化合物以外の添加剤を含んでもよい。添加剤の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ドーパミンを含む液体のドーパミンの含有量の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
酸素を含む気体の詳細及び具体的な態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
気液界面でドーパミンを重合する際の温度、圧力、ドーパミンを含む液体のpH、ドーパミンの重合時間の詳細は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
次いで、本実施形態の炭素材料の製造方法では、ポリドーパミンを含む膜を熱処理する。ポリドーパミンを含む膜を熱処理することで、ポリドーパミンを含む膜を炭素化することができ、炭素材料が得られる。
炭素材料が有する化学構造の詳細は、前記式(7)に示したような化学構造が例示される。ただし、本実施形態の製造方法で得られる触媒が有する化学構造は、前記式(7)に示した化学構造に限定されない。
ポリドーパミンを含む膜を熱処理する際の詳細は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
ポリドーパミンを含む膜を担体上に設け、担体上でポリドーパミンを含む膜を熱処理する場合、熱処理することで、担体上に設けられた炭素材料が得られる。この場合、担体上に設けられた炭素材料を担体から分離して、炭素材料を得てもよい。
ポリドーパミンを含む膜を担体上に設ける方法の詳細は、「触媒の製造方法」及び「電極の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
担体上でポリドーパミンを含む膜を熱処理する際の詳細及び好ましい態様は、「触媒の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
(用途)
本実施形態の製造方法で得られる炭素材料は種々の工業製品の材料として適用可能である。
本実施形態の製造方法で得られる炭素材料は、酸素還元触媒能を具備する。そのため、酸素の還元反応を利用する産業上の用途に好適に利用できる。
(作用効果)
以上説明した炭素材料の製造方法にあっては、酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合するため、ポリドーパミンを含む膜の成膜速度が速くなる。次いで、ポリドーパミンを含む膜を熱処理することで、ポリドーパミン由来の炭素材料をより短時間で製造できるため、ポリドーパミンの膜を工業的に利用できるようになる。
特許文献1、2等に記載の従来技術においては、炭素材料にドープできる元素が、窒素原子等の典型元素及び特定の種類の遷移金属元素に限られていた。これに対し、本実施形態の製造方法においては、ドーパミンを含む液体がヘテロ原子含有化合物を含む場合において、窒素原子以外の種々のヘテロ原子又は遷移金属元素を炭素材料にドープできる。また、ドーパミン誘導体、ドーパミンのホウ酸錯体若しくはドーパミンの遷移金属錯体を用いる場合においても、窒素原子以外の種々のヘテロ原子又は遷移金属元素を炭素材料にドープできる。
<炭素材料>
本実施形態の炭素材料(以下、「本炭素材料」と記す。)は、本実施形態の炭素材料の製造方法で得られる炭素材料である。本炭素材料は、窒素原子を0.1質量%以上含む。窒素原子の含有量の下限値は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。窒素原子の含有量の上限値は特に制限されない。窒素原子の含有量の上限値は、例えば、50質量%以下とすることができる。
窒素原子の含有量は、X線光電子分光分析等の元素分析により測定できる。
(作用効果)
以上説明した本炭素材料にあっては、窒素原子を0.1質量%以上含むため、酸素還元触媒能がよくなる。また、本実施形態の炭素材料の製造方法で得られるため、炭素材料の厚みがより厚くなる傾向にある。
<積層体の製造方法>
本実施形態の積層体の製造方法では、酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いで、前記膜を基材上に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する。
本実施形態の積層体の製造方法の詳細及び好ましい態様は、「電極の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
(作用効果)
以上説明した積層体の製造方法にあっては、酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合するため、ポリドーパミンを含む膜の成膜速度が速くなる。したがって、ポリドーパミンの膜由来の炭素材料を有する積層体をより短時間で製造できる。
<積層体>
本実施形態の積層体(以下、「本積層体」と記す。)は、炭素材料の層と、前記層と接する基材とを有する。
炭素材料の層は、上述した本炭素材料を含む。炭素材料の層は、上述の実施形態の方法で得られる炭素材料をそのまま用いてもよく、得られる炭素材料を加工し、形状を変化させたものを用いてもよい。
炭素材料の層の厚み、基材、積層形態、利用形態の詳細及び好ましい態様は、「電極の製造方法」で述べた内容と同内容とすることができる。
本積層体は、MCFC、PAFC、SOFC、PEFC等の燃料電池の電極として利用可能である。
(作用効果)
以上説明した本積層体にあっては、本実施形態の製造方法で得られる炭素材料の層を有するため、酸素還元触媒能を具備し、炭素材料の層の厚みがより厚くなる傾向にある。
以下、実施例によって本実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
なお、下記の実施例において、「炭素材料」の語は「触媒」を含む概念であり、「積層体」の語は「電極」を含む概念である。
(略号)
RDE:Rotating Disk Electrode。
LSV:Linear Sweep Voltammetry。
Pt/C:白金担持カーボン(Sigma Aldrich社製、738549−1G)。
GC:グラッシーカーボン(BAS株式会社製、01338)。
(シート抵抗)
シート抵抗は、低抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、MCP−T610)によって4端子法で求めた。
(X線光電子分光分析)
X線光電子分光分析(XPS)は、X線光電子分光分析装置(Thermo Fisher Scientific社製、Theta Probe)によってAlKα線15mV,10mAの条件下で行った。
(レーザーラマン分光分析)
レーザーラマン分光分析は、顕微レーザーラマン分光装置(株式会社堀場製作所製、LabRAM HR−800)によって532.10nmの励起光を用いた条件下で行った。Dバンドのピーク強度をIとし、Gバンドのピーク強度をIとし、下式(11)によりピーク強度比Rを算出した。
nh=(I/I) ・・・式(11)
ただし、式(11)中、nは0.5、1.0又は1.5であり、ポリドーパミンを含む膜の成膜を行った時間を意味する。
(サイクリックボルタモグラム)
サイクリックボルタモグラムは、コンパクトスタット(Ivium社製、NH−COMPACT)によって測定した。
電解液として、0.1Mの塩化カリウム水溶液中に、ヒドロキシメチルフェロセンの濃度が1mMとなるようにヒドロキシメチルフェロセンを添加したものを使用し、対極として白金板を使用し、参照極としてAg/AgClを使用した。
(RDEによるLSV測定)
RDEによるLSV測定は、回転リングディスク電極(BAS株式会社製、RRDE−3A)によって酸素飽和0.1M水酸化カリウム水溶液を電解液として使用し、掃引速度5mV/sの条件下で行った。回転ディスクの回転数を0rpm,400rpm,800rpm,1200rpm,1600rpm,2000rpm,2400rpmの各回転数にしたときについてそれぞれLSVを測定した。対極としてPtを使用し、参照極としてAg/AgClを使用した。
RDEによるLSV測定の結果を示すグラフにおいて、縦軸に示す電流の発生が始まるときの横軸に示す付与電位の絶対値が低いほど、酸素還元触媒能に優れることを意味する。
(TG−DTA測定)
TG−DTA測定は、熱分析装置(株式会社リガク製、Thermo plus EvoII)によって窒素雰囲気下、5℃/minの昇温速度の条件で行った。
(LSV曲線)
LSV曲線は、回転リングディスク電極(BAS株式会社製、RRDE−3A)によって酸素飽和0.1M水酸化カリウム水溶液を電解液として使用し、掃引速度5mV/sの条件下で、掃引範囲の下限を−0.8V、上限を0.2Vとして行った。回転ディスクの回転数は2400rpmとし、対極としてPt線を使用し、参照極としてAg/AgClを使用した。
(実施例1)
液状媒体として、アンモニア水溶液を用い、pHが8.9であるドーパミン溶液を調製した。ドーパミン溶液を室温、大気下で30分静置し、気液界面でポリドーパミンを含む膜を成膜した。
図3は実施例1でドーパミンの重合により、ポリドーパミンを含む膜を成膜した際の、成膜速度を示すグラフである。図3中、「10mg/mL」で示すデータは、ドーパミン含有量が1.0質量%であるドーパミン溶液を使用した際の膜厚を示す。図3中、「2mg/mL」で示すデータは、ドーパミン含有量が0.2質量%であるドーパミン溶液を使用した際の膜厚を示す。図3より、ドーパミン含有量が1.0質量%であるドーパミン溶液の場合、1時間で約400nmの厚みのポリドーパミンを含む膜を成膜できたことが示された。また、ドーパミン含有量が0.2質量%であるドーパミン溶液の場合、2時間で約45nmの厚みのポリドーパミンを含む膜を成膜できたことが示された。以上より、実施例1では従来より短時間で厚みのあるポリドーパミンを含む膜を成膜できたことが判った。
(実施例2)
実施例1と同条件下で、ポリドーパミンを含む膜を成膜した。次いで、ポリドーパミンを含む膜をシリコン基板ですくい取り、ポリドーパミンを含む膜をシリコン基板上に設けた。シリコン基板上でポリドーパミンを含む膜を窒素雰囲気下、800℃で真空電気炉(フルテック社製、超小型真空雰囲気電気炉、FT−1200−100SP)を用いて2時間焼成し、実施例2の積層体を得た。
実施例2の積層体のシート抵抗値を測定した結果、1.1kΩ/sq.であった。例えば、Nano lett., 2008 8(1),323−327に記載の方法で得られる還元型酸化グラフェンを適用した電極のシート抵抗が1.1kΩ/sq.であることから、実施例2で得られた焼成後の基板の導電性は、還元型酸化グラフェンを適用した電極と同程度であることが判った。また、Angew. Chem.Int.Ed.2008,47,2990−2992には、多環芳香族炭化水素を適用した電極のシート抵抗が1.6kΩ/sq.であると記載されていることから、実施例2で得られた焼成後の基板の導電性は多環芳香族炭化水素を適用した電極より導電性に優れることが判った。
(実施例3)
実施例3では、ドーパミンの重合時間を2時間とした以外は、実施例1と同条件でポリドーパミンを含む膜を成膜した。次いで、ポリドーパミンを含む膜について、X線光電子分光(XPS)を測定した。その後、実施例2と同条件で、ポリドーパミンを含む膜の焼成を行い、実施例3の積層体を得た。焼成後の積層体が有するポリドーパミンを含む膜由来の炭素材料についてもXPSを測定した。
図4は、実施例3におけるXPSの測定結果を示すスペクトル図である。図4に示すように、焼成の前後において構成元素の大きな変化はみられなかった。また、焼成の前後において、炭素原子由来のピークに加えて、酸素原子由来のピーク及び窒素原子由来のピークが観察された。これにより、実施例3では、ヘテロ原子として酸素原子及び窒素原子がドープされた炭素材料を製造できたことが判った。
ここで、実施例3の炭素材料に酸素原子がドープされているのは、実施例3の熱処理条件では、ドーパミンが有するヒドロキシ基由来の酸素原子が残存していることに起因すると推測される。これは、熱処理の条件によって、炭素材料にドープされる酸素原子の含有量を調整できる可能性を示唆しているとも考えられる。
実施例3の積層体が有する炭素材料についてレーザーラマン分光分析を行った。図5は、実施例3におけるレーザーラマン分光分析の結果を示すスペクトル図である。ここで、R0.5hは0.92であり、R1hは0.91であり、R2hは0.85であった。この結果より、実施例3では結晶性に優れる炭素材料が得られたことが判った。
実施例3の積層体を電極として用い、サイクリックボルタモグラムを測定した。結果を図6に示す。図6中、実線が実施例3の積層体のサイクリックボルタモグラムの測定結果を示し、点線が市販の炭素電極のサイクリックボルタモグラムの測定結果を示す。
図6中、実線で示すように、焼成して得られた実施例3の積層体は酸素還元触媒能を具備し、電気化学的電極として作動可能であることが判った。
(実施例4)
ドーパミン溶液がさらにポリエチレンイミンを含むこと以外は、実施例1と同条件下で、ポリドーパミンを含む膜を成膜した。ドーパミンを含む液体のポリエチレンイミンの含有量は0.25質量%とした。次いで、実施例2と同条件で、ポリドーパミンを含む膜の焼成を行った。
得られた実施例4の積層体を作用極として使用し、RDEによるLSV測定を行った。結果を図7に示す。
(実施例5)
ドーパミン溶液がさらにポリエチレンイミン及び塩化鉄(III)を含むこと以外は、実施例1と同条件下で、ポリドーパミンを含む膜を成膜した。次いで、実施例2と同条件で、ポリドーパミンを含む膜の焼成を行った。ここで、ドーパミンを含む液体におけるポリエチレンイミンの含有量は、0.25質量%であり、鉄(III)イオンの含有量は、1.0質量%であった。
実施例5の積層体を作用極として使用し、RDEによるLSV測定を行った。結果を図8に示す。
図9は、実施例4,5の積層体の比較対象として、GCを表面に有する電極(GC電極)を作用極として使用してRDEによるLSV測定を行った結果を示すグラフである。図10は、実施例4,5の積層体の比較対象として、Pt/Cを表面に有する電極(Pt/C電極)を作用極として使用してRDEによるLSV測定を行った結果を示すグラフである。
図7に示すように、実施例4の積層体を作用極として使用すると約0.2〜0.3Vの電位を付与した点から電流の発生が観測された。
図8に示すように、実施例5の積層体を作用極として使用すると約0.1〜0.2Vの電位を付与した点から電流の発生が観測された。
図9に示すように、GC電極を作用極として使用すると約0.2〜0.3Vの電位を付与した点から電流の発生が観測された。
図10に示すように、Pt/C電極を作用極として使用すると約0.0〜0.1Vの電位を付与した点から電流の発生が観測された。
図11は、図7〜10のLSVの測定結果から2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。図11に示すように、実施例5の積層体は、GC電極より酸素還元特性に優れることが判った。図11に示す結果から、反応電子数を算出した。その結果、反応電子数が実施例4の積層体では2.3個であり、実施例5の積層体では2.7個であり、GC電極では2.4個であり、Pt/C電極では3.6個であった。
なお、下式(10)に示すアルカリ性条件下における酸素の還元反応において、介在する電子数が4であることから、反応電子数が4個に近づくほど、酸素還元触媒能が優れることを意味する。
+2HO+4e→4OH ・・・(10)
以上より実施例4の積層体は、GC電極と同等の酸素還元触媒能を具備する炭素材料の層を有することが判った。また実施例5の積層体は、実施例4の積層体及びGC電極より優れた酸素還元触媒能を具備する炭素材料の層を有することが判った。
(実施例6)
液状媒体として、Milli−Q水を用い、ポリエチレンイミン含有量が0.25質量%であるポリエチレンイミン溶液を調製した。次いで、ドーパミン含有量が1.0質量%となるようにドーパミンとポリエチレンイミン溶液とを混合し、アンモニア水を添加して、pHを9.5に調整し、ドーパミンを含む液体を調製した。ドーパミン溶液を25℃の大気下で12時間静置し、気液界面でポリドーパミンを含む膜を成膜した。次いで、ポリドーパミンを含む膜の2.6mgをアルミナパン上に設けた。アルミナパン上でポリドーパミンを含む膜を窒素雰囲気下、昇温速度5℃/秒で850℃まで昇温し、TG−DTA測定を行った。
図12は、実施例6におけるTG−DTA測定の結果を示すグラフである。実施例6のTG−DTA測定において、各温度における質量変化量は、400℃では12.7質量%であり、500℃では15.5質量%であり、600℃では18.9質量%であり、800℃では33.1質量%であり、850℃では33.1質量%であった。
このように、熱処理によりポリドーパミンを含む膜の質量が熱処理による温度上昇とともに減少したことから、ポリドーパミンを含む膜が炭素化されていることが示唆された。
(実施例7)
液状媒体として、アンモニア水溶液を用い、ドーパミン含有量が1.0質量%であり、pHが8.9であるドーパミン溶液を調製した。ドーパミン溶液を室温、大気下で30分静置し、気液界面でポリドーパミンを含む膜を成膜した。次いで、ポリドーパミンを含む膜をシリコン基板ですくい取り、ポリドーパミンを含む膜をシリコン基板上に設けた。シリコン基板上でポリドーパミンを含む膜を窒素雰囲気下、800℃で真空電気炉(フルテック社製、超小型真空雰囲気電気炉、FT−1200−100SP)を用いて2時間焼成し、実施例7の積層体を得た。
(実施例8)
ドーパミン溶液がさらにポリエチレンイミンを含むこと以外は、実施例7と同様にポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いでポリドーパミンを含む膜をシリコン基板上で焼成して、実施例8の積層体を得た。ここで、ドーパミンを含む液体におけるポリエチレンイミンの含有量は、0.25質量%であった。
(実施例9)
ドーパミン溶液がさらに塩化鉄(III)を含むこと以外は、実施例7と同様にポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いでポリドーパミンを含む膜をシリコン基板上で焼成して、実施例9の積層体を得た。ここで、ドーパミンを含む液体における鉄(III)イオンの含有量は、1.0質量%であった。
(実施例10)
ドーパミン溶液がさらにポリエチレンイミン及び塩化鉄(III)を含むこと以外は、実施例7と同様にポリドーパミンを含む膜を成膜し、次いでポリドーパミンを含む膜をシリコン基板上で焼成して、実施例10の積層体を得た。ここで、ドーパミンを含む液体におけるポリエチレンイミンの含有量は、0.25質量%であり、鉄(III)イオンの含有量は、1.0質量%であった。
図13は、実施例7の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。図13では、積層体が有する炭素材料の層1gあたりの電流値を縦軸にプロットして示した。LSV測定の結果から算出したところ、実施例7の積層体では炭素材料1gあたりの飽和電流値は23.5A/gであった。
図14は、実施例8の積層体を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。図14においても、積層体が有する炭素材料の層1gあたりの電流値を縦軸にプロットして示した。LSV測定の結果から算出したところ、実施例8の積層体では炭素材料1gあたりの飽和電流値は8.79A/gであった。
図15は、実施例7,8の積層体の比較対象として、Pt/C電極を作用極として使用した場合のRDEによるLSV測定の結果を示すグラフである。図15においても、積層体が有する炭素材料の層1gあたりの電流値を縦軸にプロットして示した。LSV測定の結果から算出したところ、Pt/C電極では炭素材料1gあたりの飽和電流値は22.6A/gであった。
実施例7の積層体は、Pt/C電極より単位質量あたりの飽和電流値が高く、導電性に優れることが判った。この理由として、実施例7の積層体の表面には膜状のポリドーパミンを含む膜由来の炭素材料の層が設けられているのに対し、Pt/C電極では、粒子状のPt/Cが触媒として電極の表面に設けられているため、Pt/Cの粒子同士の間で電気抵抗が生じていることが考えられた。即ち、積層体は、膜状の炭素材料の層を有するため、粒子状の触媒を表面に有するPt/C電極よりも導電性に優れることが示唆された。
一方、実施例8の積層体は、実施例7の積層体より導電性が低下していた。この理由は定かではないが、実施例7の積層体が有する炭素材料の層にドープされた窒素原子の含有量が少ないことが推測された。
図16は、図13〜15のLSVの測定結果から2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。図16に示すように、酸素の還元反応が開始する電位の絶対値は、Pt/C電極、実施例7の積層体、実施例8の積層体の順に小さいことが判った。即ち、Pt/C電極、実施例7の積層体、実施例8の積層体の順に優れた酸素還元特性を示すことが判った。
図17は、実施例7〜10の各積層体について、LSVの測定を行い、2400rpmにおける酸化還元特性を比較して示すグラフである。図17より、酸素の還元反応が開始する電位の絶対値は、Pt/C電極では0.01Vであり、実施例7の積層体では0.13Vであり、実施例8の積層体では0.14Vであり、実施例9の積層体では0.135Vであり、実施例10の積層体では0.04Vであった。
このように、実施例7〜9の積層体は、酸素還元触媒能を具備する炭素材料の層を有することが判った。また実施例10の積層体は、Pt/C電極と同等の酸素還元特性を具備することが判った。
図18は、実施例8の積層体が有する炭素材料の層について、XPSの測定結果を示すスペクトル図である。図18に示す結果において、炭素原子のピーク(C1s)は72.9%であり、酸素原子のピーク(O1s)は22.6%であり、窒素原子のピーク(N1s)は4.4%であり、鉄原子のピーク(Fe2p)は0%であった。
図18に示すように、実施例8では炭素原子由来のピークに加えて、酸素原子由来のピーク及び窒素原子由来のピークが観察された。
図19は、実施例9の積層体が有する炭素材料の層について、XPSの測定結果を示すスペクトル図である。図19に示す結果において、炭素原子のピーク(C1s)は7.8%であり、酸素原子のピーク(O1s)は52.6%であり、窒素原子のピーク(N1s)は0.4%であり、鉄原子のピーク(Fe2p)は39.3%であった。図19に示すように、実施例9では炭素原子由来のピークに加えて、酸素原子由来のピーク及び鉄原子由来のピークが観察された。
図20は、実施例10の積層体が有する炭素材料の層について、XPSの測定結果を示すスペクトル図である。図20に示す結果において、炭素原子のピーク(C1s)は4.2%であり、酸素原子のピーク(O1s)は58.0%であり、窒素原子のピーク(N1s)は0.6%であり、鉄原子のピーク(Fe2p)は37.2%であった。図20に示すように、実施例10では炭素原子由来のピークに加えて、酸素原子由来のピーク、窒素原子由来のピーク及び鉄原子由来のピークが観察された。
図18及び図20に示すように、ドーパミンを含む液体がポリエチレンイミンをさらに含む場合、窒素含有量が若干、低下する傾向があることが判った。これにより、実施例8の積層体は、実施例7の積層体より導電性が低下していることが示唆された。
図19及び図20に示すように、ドーパミンを含む液体が鉄(III)イオンをさらに含む場合、鉄原子が炭素材料の層にドープされたことが確認された。
図20に示すように、実施例10の積層体は、炭素材料の層における鉄の含有量が高いため、Pt/C電極と同等の酸素還元触媒能を具備することが示唆された。
図21は、実施例7〜10の積層体並びにGC電極及びPt/C電極を作用極として取得したLSV曲線を比較して示す図である。
図21に示すように、実施例10の積層体では、酸素の還元反応が開始する電位がPt/C電極と同水準であることが判った。
飽和電流値の電流密度は、実施例7の積層体では1.8mA/cmであり、実施例8の積層体では1.1mA/cmであり、実施例9の積層体では2.4mA/cmであり、実施例10の積層体では3.3mA/cmであった。これに対しPt/C電極では、飽和電流値の電流密度は、5.6mA/cmであった。
図21において、酸化還元反応の反応電子数を算出した。算出した反応電子数は実施例7の積層体では3.6個であり、実施例8の積層体では2.1個であり、実施例9の積層体では3.3個であり、実施例10の積層体では3.5個であった。これに対しPt/C電極では反応電子数が3.7個であり、GC電極では2.2個であった。
反応電子数の算出結果からも、実施例7〜10の積層体はGC電極と同等又はそれ以上の酸素還元特性を具備することが判った。また、実施例7,10の積層体は、Pt/C電極と同等の酸素還元特性を具備することが判った。
1…酸素を含む気気体、2…ドーパミンを含む液体、3…ポリドーパミンを含む膜、4…基板、B…気液界面

Claims (10)

  1. 酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、
    次いで、前記膜を熱処理する、触媒の製造方法。
  2. 酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、
    次いで、前記膜を基材の表面に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、電極の製造方法。
  3. 電極を有する燃料電池の製造方法であって、
    前記電極を製造する際に、
    酸素を含む気体とドーパミン及びヘテロ原子含有化合物を含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含み、ヘテロ原子を有する膜を成膜し、
    次いで、前記膜を基材の表面に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、燃料電池の製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法で得られる触媒であって、ヘテロ原子を0.1質量%以上含む、触媒。
  5. 請求項1に記載の製造方法で得られる触媒の層又は請求項4に記載の触媒の層と、前記層と接する基材とを有する電極。
  6. 請求項5に記載の電極を有する、燃料電池。
  7. 酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜し、
    次いで、前記膜を熱処理する、炭素材料の製造方法。
  8. 酸素を含む気体とドーパミンを含む液体との気液界面で前記ドーパミンを重合して、ポリドーパミンを含む膜を成膜し、
    次いで、前記膜を基材上に設け、前記基材上で前記膜を熱処理する、積層体の製造方法。
  9. 請求項7に記載の製造方法で得られる炭素材料であって、窒素原子を0.1質量%以上含む、炭素材料。
  10. 請求項7に記載の製造方法で得られる炭素材料の層又は請求項9に記載の炭素材料の層と、前記層と接する基材とを有する積層体。
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