JP2019150656A - おもりを付加した寝具 - Google Patents

Abstract

【課題】重みのある寝具を安価かつ手軽に製作することで，睡眠障害に悩む人々の睡眠を改善する。【解決手段】重みのある寝具は，５ｋｇから１０ｋｇ程度の質量があるものが効果的とされている。これだけの質量をもつ寝具を作成することは容易ではない。そのため，現在販売されている海外製の製品は非常に高価で希少である。そこで，日本国内では安価に多く手に入る中古のパチンコ玉を付加することで，手軽かつ安価に重みのある寝具を製作する方法を発明した。既製品の寝具もしくは布地を２枚合わせて，小さなポケット状に縫製し，その一つ一つにパチンコ玉などをおもりとして入れることで，全体にほぼ均等に５ｋｇ以上の質量を付加し，おもりを付加した寝具を作製する。これは海外で販売されている重みのある寝具と同等の効果が得られる上により安価である。

Description

本発明は，睡眠改善に効果的なおもりを付加した寝具に関するものである。

例えば，Ｒ．Ａｃｋｅｒｌｅｙ，Ｇ．Ｂａｄｒｅ ａｎｄ Ｈ．Ｏｌａｕｓｓｏｎ，"Ｐｏｓｉｔｉｖｅ Ｅｆｆｅｃｔｓ ｏｆ ａ Ｗｅｉｇｈｔｅｄ Ｂｌａｎｋｅｔ ｏｎ Ｉｎｓｏｍｎｉａ"，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｓｌｅｅｐ Ｍｅｄｉｃｉｎｅ ＆ Ｄｉｓｏｒｄｅｒｓ，２（３）：１０２２（２０１５）

発達障害などにより不眠症などの睡眠障害に悩む人は子どもから大人まで多い。睡眠がうまくとれないことで体調不良になることも多く，社会生活に支障がでている人も少なくない。このことは，発達障害でなくとも，一般的なストレスなどによる不眠症に悩む人々についても同じことが言える。

近年国内で主流の掛け布団や毛布などの身体に掛ける寝具は軽いものが主流である。しかし最近の海外の研究では，重みのある寝具が全身に適度な圧迫感と安心感を与え，安眠に効果的であるとの報告が提出されている。特にＡＤＨＤ（注意欠陥多動性障害）やＡＳＤ（自閉症スペクトラム）の人に有効であるとされる。実際にスウェーデンでは不眠に悩む人々に福祉用具として支給されている。

しかし，このような製品は，日本国内では生産されておらず，そのために非常に高価で入手しにくく，せっかくの有力な研究成果が国内の発達障害や不眠症による睡眠障害に悩む人々の睡眠の改善手段になりにくい。また，東日本では，「かい巻き」と呼ばれる袖付きの掛け布団が伝統的に用いられて来た。これはある程度の質量付加にはなるが，もともとは寒さ防止のためのものであり，現代の住宅事情と整合しにくい上，付加すべき質量がかなり不足している。

重みのある寝具は５ｋｇから１０ｋｇ程度の質量のものが効果的とされているが，これだけの質量をもつ寝具を作成することは容易ではなく，そのため現在販売されている海外製の製品が非常に高価である事の一因となっている。

そこで日本国内では安価で大量に手に入る中古のパチンコ玉などをおもりとして用いて質量を付加し，手軽かつ安価に重みのある寝具を製作する方法を発明した。

本発明の効果

本発明のおもりを付加した寝具は，既製品の寝具もしくは布地を２枚合わせて，小さなポケット状に縫製し，その一つ一つにパチンコ玉などの金属球を入れることで，全体にほぼ均等に５ｋｇ以上の質量を付加することができ，海外で販売されている重みのある寝具と同等の効果が安価に得られる。

寝具に重みをつけるために，本発明を用いずに既存の布団を何枚も重ねるなどの方法をとった場合，暑すぎるなど体温調節の問題が生じる上，身動きも取りにくく，却って熟眠が阻害される。従って，そのような方法で熟眠の効果がある５ｋｇ以上の質量を付加することは全く現実的ではない。

本発明のおもりを付加した寝具は体温調節がしやすい上にフレキシブルで，熟眠が阻害されることはない。また，おもりの質量や数を調整することで，寝具の質量を調整することができる。例えば，効果を確認したスウェーデンの研究者たちは金属チェーンを用しているが，本発明の金属球を入れる方法では，より平面的にきめ細かな調整が可能であり，個人個人にとっての最適な質量で使用することができるため，より熟眠しやすい。

試作品として，１０００ｍｍ×２０００ｍｍのシングルサイズの既製品の掛け布団２枚を５０ｍｍ四方のポケットに区切って縫ったものの各ポケットに１個ずつ８００個のパチンコ玉を入れたものは，約５ｋｇの質量になった。実際に不眠症の被験者に使用したところ主観的な熟眠感は向上した。

本発明の実施方法を示した説明図である。 本発明の使用方法を示した説明図である。

具体的な作製方法としては，寝具と寝具もしくは布を合わせて，片側から一定間隔に端から端までを縫い，ポケット状にした所に一つずつパチンコ玉を入れ，その後，別方向から一列縫ってはパチンコ玉を入れるという作業を繰り返す。

この時製作に用いる寝具は，冬用の掛け布団であれば掛け布団同士でもよいし，分厚過ぎると感じる場合には一方を布（市販のシーツでも可）にする。夏用であれば，タオルケットとシーツを用いるとよい。

就寝時にこれを直接身体に掛けるか，一般的な掛布団・毛布・ブランケット・タオルケットと併用しても良い。おもりを付加した掛布団・毛布・ブランケット・タオルケットを，掛布団・毛布・ブランケット・タオルケットと布で製作した場合には布側でない方を身体側に用いて就寝する。

Claims (5)

1. おもりを付加した寝具。
2. 発達障害や不眠症などにより睡眠障害を持つ人の睡眠を改善するためのおもりを付加した寝具。
3. 発達障害などによる落ち着かなさを改善させるためのおもりを付加した寝具。
4. 既存寝具にパチンコ玉などの金属球を適宜配置したおもりを付加した掛布団・毛布・ブランケット・タオルケット。
5. 寝具と寝具もしくは布を合わせ，片側から適宜間隔に端から端までを縫い，ポケット状にし，一つないしは複数のパチンコ玉などの金属球を入れ，その後別方向から一列縫ってはパチンコ玉を入れという作業を繰り返すおもりを付加した掛布団・毛布・ブランケット・タオルケットの製作方法。

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