JP2019150317A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】生体管腔の分岐部の選択をより一層容易に行うことができるガイドワイヤを提供する。【解決手段】ガイドワイヤ100は、長尺状のコア部材110と、コア部材の先端部の少なくとも一部を覆うように巻回されたコイル部材120と、を有し、コイル部材は、少なくとも先端部において、コイル部材の中心軸C1がコア部材の長軸方向Xと交差するように巻回された軸交差領域121を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤに関する。
従来から、生体管腔内に生じた病変部の診断・治療等を行うためにカテーテルデバイスが用いられており、当該カテーテルデバイスを生体管腔の目的部位へ導くために、ガイドワイヤが使用される。
例えば下記特許文献1には、長尺状のコアシャフトと、コアシャフトの先端部を中心として螺旋状に巻回されたコイル体を有するガイドワイヤが開示されている。
特開2015−109896号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているガイドワイヤは、外力が付加されていない自然状態でガイドワイヤの先端部が直線状に延びているため、生体管腔の主管から分岐する分岐部を選択することは難しい。
そこで、本発明の目的は、生体管腔の分岐部の選択を容易に行うことができるガイドワイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係るガイドワイヤは、長尺状のコア部材と、前記コア部材の先端部の少なくとも一部を覆うように巻回されたコイル部材と、を有し、前記コイル部材は、少なくとも先端部において、前記コイル部材の中心軸が前記コア部材の長軸方向と交差するように巻回された軸交差領域を備える。
本発明に係るガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの先端部は、生体管腔の分岐部の入口部の内壁に押し付けられた状態では、軸交差領域によって、生体管腔の分岐部側を向くように容易に変形できる。そのため、本発明に係るガイドワイヤは、生体管腔の分岐部の選択を容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤを示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤの先端部が、生体管腔の第1の分岐部の入口部の内壁に接触している様子を示す部分断面図である。 図2Aの状態から、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤが生体管腔の第1の分岐部の入口部の内壁に押し付けられて変形した様子を示す部分断面図である。 図2Bの状態から、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤが基端側に引かれた様子を示す部分断面図である。 図2Cの状態から、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤの先端部が生体管腔の第2の分岐部に侵入した様子を示す部分断面図である。 変形例1に係るガイドワイヤの先端部を示す部分断面図である。 変形例1に係るガイドワイヤの先端部が生体管腔の第1の分岐部の入口部の内壁に押し付けられて変形した様子を示す部分断面図である。 変形例2に係るガイドワイヤの先端部を示す部分断面図である。 変形例2に係るガイドワイヤの先端部が生体管腔の分岐部の入口部の内壁に押付けられて変形した様子を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤを示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤが肝動脈に挿入されている様子を示す部分断面図である。 図6の破線7Aで囲まれた部分を拡大して示す部分断面図であって、本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤの先端部が肝動脈の第1の分岐部に侵入した様子を示す図である。 図6の破線7Aで囲まれた部分を拡大して示す部分断面図であって、本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤの先端部が肝動脈の第2の分岐部に侵入した様子を示す図である。 図6の破線7Aで囲まれた部分を拡大して示す部分断面図であって、本発明の第2実施形態に係るガイドワイヤの先端部が肝動脈の第3の分岐部に侵入した様子を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤの変形例を示す部分断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤ100の全体構成を示す図である。図2A〜図2Dは、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤ100の使用方法の説明に供する図である。
ガイドワイヤ100は、図1を参照して概説すると、可撓性を備える長尺状のコア部材110と、コア部材110の先端部の少なくとも一部を覆うように巻回されたコイル部材120と、を有している。また、コア部材110およびコイル部材120の外表面には、被覆層130が設けられている。以下、ガイドワイヤ100の各部について詳述する。
なお、本明細書において、コア部材110が延びる方向を「長軸方向X」と定義し、長軸方向Xと直交する一の方向を「短軸方向Y」と定義する。また、長軸方向Xにおいて、生体管腔に挿入される側(図1の左側)を「先端側」と定義し、手元側(図1の右側)を「基端側」と定義する。また、ガイドワイヤ100およびガイドワイヤ100の各構成要素において、先端(最先端)から長軸方向Xにおける一定の範囲を含む部分を「先端部」と定義し、基端(最基端)から長軸方向Xにおける一定の範囲を含む部分を「基端部」と定義する。
(コア部材)
コア部材110は、長軸方向Xの先端側に配置された第1コア部111と、第1コア部111の基端側に配置され、第1コア部111に接合された第2コア部112と、を備えている。以下、コア部材110の各部について詳述する。
まず、第1コア部111について説明する。
第1コア部111は、本実施形態では、図1に示すように、先端側に配置された丸棒状の先端コア部111aと、先端コア部111aから基端側へ向かって外径が大きくなる第1テーパ部111bと、第1テーパ部111bから基端側へ略一定の外径で延びる第1外径一定部111cと、第1外径一定部111cから基端側へ向かって外径が大きくなる第2テーパ部111dと、第2テーパ部111dから基端側へ略一定の外径で延びる第2外径一定部111eと、を有している。
先端コア部111aは、短軸方向Yに沿う長さh(外径)がコア部材110の他の部位よりも短い。すなわち、先端コア部111aは、コア部材110の他の部位よりも剛性が小さい。なお、第1コア部111の形状は、上記の形状に限定されない。例えば、先端コア部111aは、コア部材110の先端部を短軸方向Yに潰すことによって、短軸方向Yに沿う長さh(厚み)をコア部材110の他の部位よりも短くした板状部であってもよい。また、第1コア部111は、先端から基端にかけて一定の外形で形成されてもよい。
コア部材110は、本実施形態では、外力が付加されていない自然状態では直線状に延びている。なお、本明細書において、「コア部材が、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びる」とは、コア部材が、外力が付加されていない自然状態で湾曲形状や屈曲形状を備えず、ほぼまっすぐに延びていることを意味し、厳密な直線状に延びる場合に限定されない。なお、「ほぼまっすぐ」とは、例えば、ガイドワイヤ100の量産工程における公差の範囲内である。
次に、第2コア部112について説明する。
第2コア部112は、図1に示すように、第1コア部111の第2外径一定部111eの基端部に接続部113を介して接続されている。第1コア部111と第2コア部112は、特に限定されないが、例えば、溶接、ろう付け等の方法によって接続することができる。なお、コア部材110は、第1コア部111および第2コア部112のように複数の部材から構成せずに、一本の連続した部材で構成してもよい。
第1コア部111および第2コア部112の構成材料は特に限定されないが、それぞれ、例えば、Ni−Ti系合金等の超弾性合金、ステンレス鋼やコバルト系合金等を用いることができる。第1コア部111は、上記の中でも特に超弾性合金によって構成されていることが好ましい。第2コア部112は、上記の中でも特にステンレス鋼によって構成されていることが好ましい。超弾性合金は、復元性がある。そのため、第1コア部111を超弾性合金で構成することによって、第1コア部111は、生体管腔の内壁Wに押し付けられた状態では変形し(図2B参照)、生体管腔の内壁Wから離間した状態では元の形状に復元する(図2C参照)。
(コイル部材)
コイル部材120は、図1に示すように、円形の軸直交断面を備える線材を螺旋状に巻回することによって構成している。ガイドワイヤ100の先端部にコイル部材120を設けることにより、ガイドワイヤ100の柔軟性を損なう事なく、術者がガイドワイヤ100を操作する際の操作性を向上させることができる。
コイル部材120を構成する線材の径の値は、特に限定されないが、例えば、0.06〜0.87mm程度であることが好ましく、0.08〜0.44mm程度であることがより好ましい。なお、コイル部材120を構成する線材の軸直交断面は、円形状に限定されず、例えば楕円形状、四角形、半円形状等であってもよい。
コイル部材120の巻回部(コイル部材120において螺旋方向にコア部材110周りを一周する部分)の外径の値は、特に限定されないが、例えば、0.10〜0.89mm程度であることが好ましく、0.15〜0.46mm程度であることがより好ましい。なお、コイル部材120の巻回部は、本実施形態では、長軸方向Xに沿って略一定の外径を備えるが、コイル部材120の巻回部の外径は、長軸方向Xに沿って一定でなくてもよい。
コイル部材120は、先端部においてコイル部材120の中心軸C1がコア部材110の長軸方向Xと交差する軸交差領域121と、軸交差領域121の基端に連なるとともに、コイル部材120の中心軸C2がコア部材110の長軸方向Xと平行に延びる軸平行領域122と、を備えている。
このように、ガイドワイヤ100が軸交差領域121を備える第1の効果としては、生体管腔の主管V0から分岐する分岐部の形状に依らずに適切な分岐部を選択できるようにすることが挙げられる。図2Bに示すように、生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1の入口部の内壁Wにガイドワイヤ100の先端部が押し付けられた場合、ガイドワイヤ100の先端部は、軸交差領域121の中心軸C1に向かう方向D(以下、単に「変形方向D」と称する)に容易に変形する。その結果、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の第1の分岐部V1側を向く。これによって、ガイドワイヤ100は、生体管腔の第1の分岐部V1に容易に侵入できる。このように、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の分岐部の形状に応じて変形できるため、生体管腔の分岐部の選択を容易に行うことができる。
なお、前述したように、コア部材110は自然状態で直線状に延びているため、図2Dに示すように、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の主管V0の延在方向に沿って延びる第2の分岐部V2にも容易に侵入できる。このように、ガイドワイヤ100は、予め先端部を屈曲または湾曲させたガイドワイヤと比較すると、主管V0に対する各分岐部V1、V2の角度に依らず、適切な分岐部V1、V2を容易に選択できる。
ガイドワイヤ100が軸交差領域121を備える第2の効果としては、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の内壁Wと接触した際に、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の内壁Wに付与する力を低減できることが挙げられる。ガイドワイヤ100の先端部は、軸交差領域121によって、変形方向Dに変形しやすい。そのため、軸交差領域を備えず、かつ、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びるガイドワイヤと比較して、ガイドワイヤ100は、より小さい力で屈曲できる。また、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の内壁Wに押し付けられ、ガイドワイヤ100の先端部が変形することによって、生体管腔の内壁Wとの接触面積が増加する。その結果、軸交差領域を備えず、かつ、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びるガイドワイヤと比較して、ガイドワイヤ100は、生体管腔の内壁Wに接触した際に、生体管腔の内壁Wに付与する力を低減できる(すなわち生体管腔の内壁Wの穿孔リスクを低減できる)。
軸交差領域121の中心軸C1は、図1に示すように、本実施形態では、長軸方向Xに対して角度θで傾いている。軸平行領域122の中心軸C2は、長軸方向Xに対して平行である。そのため、コイル部材120の中心軸は、軸交差領域121と軸平行領域122の間に屈曲点P1を備える。そのため、図2Bに示すように、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の第1の分岐部V1の入口部の内壁Wに押し付けられた場合、コア部材110の先端部は、第1の分岐部V1の形状に沿って、長軸方向Xの屈曲点P1が設けられている位置において容易に屈曲できる。
軸交差領域121は、図1に示すように、先端コア部111aの基端P2を覆うように設けられている。そのため、図2Bに示すように、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の第1の分岐部V1の入口部の内壁Wに押し付けられた場合、コア部材110の先端部は、長軸方向Xの屈曲点P1が設けられている位置だけでなく、先端コア部111aの基端P2においても容易に屈曲できる。このように、ガイドワイヤ100の先端部は少なくとも長軸方向Xの二つの位置において屈曲するため、ガイドワイヤ100の先端部は、主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1の形状にそって、より一層容易に変形できる。なお、先端コア部111aの基端P2は、軸平行領域122によって覆われていてもよい。
屈曲点P1および先端コア部111aの基端P2の長軸方向Xにおける位置は、ガイドワイヤ100を適用する生体管腔の形状に合わせて適宜設定できる。例えば、生体管腔が細く、かつ、曲率半径が小さいほど、屈曲点P1および先端コア部111aの基端P2は、長軸方向Xの先端側に配置した方がよい。また、例えば、生体管腔が太く、かつ、曲率半径が大きいほど、屈曲点P1および先端コア部111aの基端P2は、長軸方向Xの基端側に配置した方がよい。
軸交差領域121の長軸方向Xに沿う長さL1(図1参照)の値は、特に限定されないが、例えば、10〜100mm程度であることが好ましく、30mm程度であることがより好ましい。
軸交差領域121の先端から軸平行領域122の先端までの短軸方向Yに沿う長さL2(図1参照)の値は、特に限定されないが、例えば、0.01〜0.89mm程度であることが好ましく、0.15〜0.46mm程度であることがより好ましい。
コイル部材120の全長L3(図1参照)の値は、特に限定されないが、例えば、30〜350mm程度であることが好ましく、250mm程度であることがより好ましい。
コイル部材120において少なくとも屈曲点P1の周りに巻回された巻回部120aは、図1に示すように、長軸方向Xに隣り合う他の巻回部120b、120cから離間している。そのため、コイル部材120は、長軸方向Xの屈曲点P1が設けられている位置において、コア部材110の屈曲に合わせて容易に屈曲できる。そのため、ガイドワイヤ100の先端部は、長軸方向Xに隣り合う巻回部120a、120b、120c同士が接触している場合と比較して、より小さい力で、長軸方向Xの屈曲点P1が設けられている位置において屈曲できる。なお、本実施形態では、コイル部材120において先端コア部111aを覆う各巻回部も、長軸方向Xに隣り合う他の巻回部から離間している。そのため、コイル部材120は、長軸方向Xの先端コア部111aの基端P2が設けられている位置において容易に屈曲できる。ただし、コイル部材120は、全長に亘って、長軸方向Xに隣り合う部分同士が接触していてもよい。また、コイル部材120は、全長に亘って、長軸方向Xに隣り合う部分が離間していてもよい。
なお、コイル部材120に対するコア部材の短軸方向の相対的な位置は、図示の位置に特に限定されない。例えば、図1では、軸平行領域122の短軸方向Yの中心にコア部材110が配置されている。ただし、コア部材110は、軸平行領域122の短軸方向Yの中心ではなく、短軸方向Yの偏った位置に配置されていてもよい。例えば、コア部材110は、軸平行領域122の基端の内面に接触していてもよい。また、例えば、コア部材110は、軸交差領域121の先端の内面に接触していてもよい。
コイル部材120の構成材料は、特に限定されないが、例えば、金、白金、タングステン、タンタル等の金属、およびこれらを含む合金等の放射線不透過性(X線不透過性)の材料、または、Ni−Ti系合金などの超弾性合金、ステンレス鋼やコバルト系合金等の放射線透過性の材料を用いることができる。なお、コイル部材120は、2種以上の材料を組み合わせたものでもよい。例えば、軸交差領域121を放射線不透過性の材料によって構成し、軸平行領域122を放射線透過性材料によって構成してもよい。
コイル部材120は、図1に示すように、固定部材140を介してコア部材110に固定されている。
固定部材140は、コイル部材120の先端部を第1コア部111に対して固定する第1固定部141と、コイル部材120の基端部を第1コア部111に対して固定する第2固定部142と、を備えている。
各固定部141、142は、例えば、半田、ろう材、接着剤等により構成することができる。第1固定部141の先端部は、生体管腔の内壁等と接触した場合の生体管腔の内壁等への影響を考慮して、図1に示すような丸みを帯びた形状であることが好ましい。
(被覆層)
被覆層130は、ガイドワイヤ100の外表面の先端部を覆う先端被覆層131と、ガイドワイヤ100の外表面の基端部を覆う基端被覆層132と、を備えている。
先端被覆層131は、本実施形態では、第1固定部141から第2固定部142までのガイドワイヤ100の外表面を覆う。ただし、先端被覆層131を設ける領域は、特に限定されない。
先端被覆層131は、本実施形態では、コイル部材120の外形形状に沿ってコイル部材120を覆っている。そのため、ガイドワイヤ100の先端部は、コイル部材120の軸交差領域121の外形形状に沿って、長軸方向Xに対して傾斜する外形形状を備える。そのため、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1の入口部の内壁Wに押し付け易い。
先端被覆層131は、例えば、ガイドワイヤ100を生体管腔に挿入する際の安全性の向上を目的として、親水性材料によって構成できる。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、グリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミドのブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
基端被覆層132は、本実施形態では、第2テーパ部111dから第2コア部112の基端までのガイドワイヤ100の外表面を覆う。ただし、基端被覆層132を設ける領域は、特に限定されない。
基端被覆層132は、例えば、ガイドワイヤ100のカテーテルの内壁との摩擦(摺動抵抗)を低減し得る材料によって構成することができる。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
なお、被覆層130は、ガイドワイヤ100の外表面の全体を覆ってもよい。また、被覆層130は、その全体が同一の材料で構成されていてもよい。また、被覆層130の各部の構成材料は上記に限定されない。例えば、被覆層130は、上記の他に、ガイドワイヤ100を生体管腔に挿入する際の安全性の向上を目的として柔軟性に富む材料で構成してもよい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた 複合材料が挙げられる。
(使用方法)
次に、本実施形態に係るガイドワイヤ100の使用方法を、血管内に生じた狭窄部(図示省略)に関する手技を例に説明する。
まず、術者は、イントロデューサ(図示省略)およびガイディングカテーテル(図示省略)を介して、ガイドワイヤ100を先行させながら、画像診断用カテーテルやバルーンカテーテル等の診断・治療用のカテーテル(図示省略)を狭窄部に配置する。
ガイドワイヤ100の先端部が狭窄部に到達するまでの経路に、図2Aに示すような生体管腔の主管V0から分岐する分岐部V1、V2があった場合、術者はガイドワイヤ100の基端部の押し引きによって適切な生体管腔の分岐部V1、V2を選択することができる。以下、生体管腔の分岐部V1、V2の選択方法について説明する。
まず、図2Aおよび図2Bを参照して、生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1にガイドワイヤ100の先端部を侵入させる場合について説明する。図2Aに示すように、術者は、第1の分岐部V1の入口部の内壁Wにガイドワイヤ100の先端部を接触させる。次に、術者は、図2Bに示すように、ガイドワイヤ100を内壁Wに押し付ける。これによって、ガイドワイヤ100の先端部は、変形方向Dに変形する。その結果、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の第1の分岐部V1側を向く。これによって、ガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の第1の分岐部V1に容易に侵入できる。
次に、生体管腔の主管V0の延在方向に沿って延びる第2の分岐部V2にガイドワイヤ100の先端部を侵入させる場合について説明する。術者は、図2Dに示すように、主管V0の延在方向に沿って、ガイドワイヤ100を進める(図中矢印a2で示す)。コア部材110の先端部は、ほぼまっすぐに延びているため、ガイドワイヤ100の先端部は、図2Dに示すように、生体管腔の第2の分岐部V2に容易に侵入できる。また、仮に、図2Bに示すように、ガイドワイヤ100の先端部が、生体管腔の第1の分岐部V1の入口部の内壁Wに押し付けられて屈曲してしまった場合、術者は、図2Cに示すように、ガイドワイヤ100の基端部を基端側に引き(図中矢印a1で示す)、ガイドワイヤ100の先端部を内壁Wから離間させる。これによって、ガイドワイヤ100の先端部は元の形状に復元する。次に、術者は、図2Dに示すように、ガイドワイヤ100を、生体管腔の第2の分岐部V2に向かって進める。このように、術者は、ガイドワイヤ100を第2の分岐部V2に容易に侵入させることができる。
次に、術者は、診断・治療用のカテーテルを用いて適切な処置を行った後、診断・治療用のカテーテルおよびガイドワイヤ100を生体外へ抜去する。
以上説明したように、第1実施形態に係るガイドワイヤ100は、長尺状のコア部材110と、コア部材110の先端部の少なくとも一部を覆うように巻回されたコイル部材120と、を有している。コイル部材120は、少なくとも先端部において、コイル部材120の中心軸C1がコア部材110の長軸方向Xと交差する軸交差領域121を備える。
上記ガイドワイヤ100によれば、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の分岐部の入口部の内壁に押し付けられた状態では、ガイドワイヤ100の先端部は、軸交差領域121によって、生体管腔の分岐部側を向くように容易に変形する。そのため、上記ガイドワイヤ100は、生体管腔の分岐部の選択を容易に行うことができる。
また、コア部材110は、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている。そのため、そのためガイドワイヤ100の先端部は、生体管腔の主管V0の延在方向に沿って延びる分岐部V2にも容易に侵入できる。そのため、ガイドワイヤ100は、予め先端部を屈曲または湾曲させたガイドワイヤと比較すると、主管に対する分岐部の角度に依らず、適切な分岐部を容易に選択できる。
また、コイル部材120の中心軸C1は、一の屈曲点P1を備える。そのため、生体管腔の分岐部の入口部の内壁にガイドワイヤ100の先端部が押し付けられた場合、コア部材110は、長軸方向Xにおいて屈曲点P1が設けられている位置において容易に屈曲できる。そのため、ガイドワイヤ100は、生体管腔の主管に対して傾斜する分岐部の形状に沿って容易に屈曲できる。
また、コイル部材120において屈曲点P1周りに巻回された一の巻回部120aは、コア部材110の長軸方向Xに隣り合う他の巻回部120b、120cから離間している。そのため、コイル部材120は、コア部材110の変形に合わせて容易に変形できる。そのため、ガイドワイヤ100の先端部は、巻回部120a、120b、120c同士が接触している場合と比較して小さい力で屈曲点P1において容易に屈曲できる。そのため、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の内壁Wと接触した際に、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の内壁Wに付与する力を第1実施形態と比較してより一層低減できる。
また、コア部材110は、コア部材110の長軸方向Xと直交する方向(短軸方向Y)に沿う長さhがコア部材110の他の部位よりも短い先端コア部111aを備え、先端コア部111aの基端P2は、コイル部材120の軸交差領域121に覆われている。そのため、ガイドワイヤ100の先端部が生体管腔の分岐部の入口部の内壁Wに押し付けられた場合、コア部材110は、先端コア部111aの基端P2において屈曲できる。このため、ガイドワイヤ100は、生体管腔の主管に対して傾斜する分岐部の形状に沿って容易に屈曲できる。
(変形例1)
図3Aおよび図3Bは、変形例1に係るガイドワイヤ200の説明に供する図である。
変形例1に係るガイドワイヤ200は、軸交差領域221、222が、コイル部材220の基端(最基端)から先端(最先端)に亘って設けられている点において、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と相違する。以下、変形例1に係るガイドワイヤ200について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
コイル部材220は、図3Aに示すように、コイル部材220の基端(最基端)から先端(最先端)に亘って軸交差領域221、222を備える。そのため、外力が付加されていない自然状態で、コイル部材220は、長軸方向Xに対して基端(最基端)から先端(最先端)にかけて傾いている。そのため、術者は、ガイドワイヤ200の先端部を生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V11の入口部の内壁Wに容易に押し付けることができる。このように、変形例1に係るガイドワイヤ200は、第1の実施形態に係るガイドワイヤ100と比較して、生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1により一層容易に侵入できる。また、変形例1に係るガイドワイヤ200は、第1実施形態と比較すると、ガイドワイヤ200の先端部の屈曲に必要な力が小さい。そのため、変形例1に係るガイドワイヤ200は、ガイドワイヤ200の先端部が生体管腔の内壁Wと接触した際に、ガイドワイヤ200の先端部が生体管腔の内壁Wに付与する力を第1実施形態と比較してより一層低減できる。
コイル部材220は、本実施形態では、2つの軸交差領域を備える。具体的には、コイル部材220は、図3Aに示すように、先端部に設けられるとともにコイル部材120の中心軸C21が長軸方向Xに対して第1の方向D21に傾斜する第1軸交差領域221と、第1軸交差領域221の基端に連なるとともに、コイル部材120の中心軸C22が長軸方向Xに対して第1の方向D21と反対方向である第2の方向D22に傾斜する第2軸交差領域222と、を備える。そのため、コイル部材220の中心軸は、第1軸交差領域221と第2軸交差領域222との間に、屈曲点P21を備える。
コア部材110は、本実施形態では、第1軸交差領域221の先端の内面および第2軸交差領域222の基端の内面と接触している。但し、コア部材110は、第1軸交差領域221および第2軸交差領域222の内面と接触しなくてもよい。
以上説明したように、変形例1に係るガイドワイヤ200では、軸交差領域221、222が、コイル部材220の基端から先端に亘って設けられている。そのため、変形例1に係るガイドワイヤ200は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と比較して、生体管腔の主管V0に対して傾斜する第1の分岐部V1により一層容易に侵入できる。また、変形例1に係るガイドワイヤ200は、第1実施形態と比較すると、ガイドワイヤ200の先端部の屈曲に必要な力が小さい。そのため、変形例1に係るガイドワイヤ200は、ガイドワイヤ200の先端部が生体管腔の内壁Wと接触した際に、ガイドワイヤ200の先端部が生体管腔の内壁Wに付与する力を第1実施形態と比較してより一層低減できる。
(変形例2)
図4Aおよび図4Bは、変形例2に係るガイドワイヤ300の説明に供する図である。
変形例2に係るガイドワイヤ300は、コイル部材320の中心軸が二つの屈曲点P31、P32を備える点において、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と相違する。以下、変形例2に係るガイドワイヤ300について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
コイル部材320は、図4Aに示すように、コイル部材320の中心軸C31がコア部材110の長軸方向Xに対して第1の角度θ31で傾斜する第1軸交差領域321と、第1軸交差領域321の基端に連なるとともに、コイル部材320の中心軸C32がコア部材110の長軸方向Xに対して第1の角度θ31と異なる第2の角度θ32で傾斜する第2軸交差領域322と、第2軸交差領域322の基端に連なるとともに、コイル部材120の中心軸C33がコア部材110の長軸方向Xと平行に延びる軸平行領域323と、を備えている。そのため、コイル部材320の中心軸は、第1軸交差領域321と第2軸交差領域322との間に第1屈曲点P31を備え、第2軸交差領域322と軸平行領域323との間に第2屈曲点P32を備える。
このように、変形例2に係るガイドワイヤ300では、コイル部材320の中心軸は、二つの屈曲点P31、P32を備える。そのため、図4Bに示すように、ガイドワイヤ300の先端部が生体管腔の分岐部V31の入口部の内壁Wに押し付けられた場合、コア部材110の先端部は、二つの屈曲点P31、P32において容易に屈曲できる。そのため、変形例2に係るガイドワイヤ200は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と比較して、より小さな力で屈曲できる。また、変形例2に係るガイドワイヤ200は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100よりも屈曲点の数が多いため、生体管腔の主管V0に対して傾斜する分岐部V31の形状に沿って、より一層容易に屈曲できる。
(第2実施形態)
図5〜図7Cは、第2実施形態に係るガイドワイヤ400の説明に供する図である。
第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、コイル部材420を覆う被覆層430が、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている点等において、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と相違する。以下、第2実施形態に係るガイドワイヤ400について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、例えば、肝動脈化学塞栓術(TACE:Trance catheter Arterial Chemo Embolization)において、カテーテル(図示省略)を病変部に案内するために使用できる。TACEは、肝動脈V(図6参照)を介して肝臓Kの腫瘍Nの近くまでカテーテルを進め、抗がん剤や塞栓物質を注入して腫瘍Nを選択的に壊死させる手技である。
第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、図5に示すように、可撓性を備える長尺状のコア部材410と、コア部材410の先端部の少なくとも一部を覆うコイル部材420と、コイル部材420を被覆する被覆層430とを有している。
(コア部材)
コア部材410は、先端側に配置された丸棒状の先端コア部411aと、先端コア部411aから基端側へ向かって外径が大きくなるテーパ部411bと、テーパ部411bから基端側へ略一定の外径で延びる外径一定部411cと、を有している。
先端コア部411aは、短軸方向Yに沿う長さ(外径)がコア部材110の他の部位よりも短い。すなわち、先端コア部411aは、コア部材410の他の部位よりも剛性が小さい。なお、コア部材410の形状は、上記の形状に限定されない。例えば、先端コア部411aは、コア部材110の先端部を短軸方向Yに潰し、短軸方向Yに沿う長さ(厚み)をコア部材110の他の部位よりも短くした板状部であってもよい。また、コア部材410は、先端から基端にかけて一定の外形で形成されてもよい。
コア部材410は、外力が付加されていない自然状態では直線状に延びている。
コア部材410の構成材料は特に限定されないが、例えば、上記第1実施形態に係るコア部材110と同様のものを用いることができる。
(コイル部材)
コイル部材420は、円形の軸直交断面を備える線材を螺旋状に巻回することによって構成している。コイル部材420は、本実施形態では、長軸方向Xに沿って略一定の巻き径を備えるが、コイル部材420の巻き径は、長軸方向Xに沿って一定でなくてもよい。
コイル部材420は、コイル部材420の先端(最先端)から基端(最基端)に亘って、コイル部材420の中心軸C41がコア部材410の長軸方向Xと交差する軸交差領域421を備えている。なお、コイル部材420の中心軸C41は、本実施形態では、第1実施形態およびその変形例1、2と異なり、屈曲点を備えない。ただし、コイル部材420の中心軸C41は、屈曲点を備えてもよい。
軸交差領域421の中心軸C41は、長軸方向Xに対して角度θ41で傾いている。
コイル部材420の構成材料は、特に限定されないが、例えば、金、白金、タングステン、タンタル等の金属、およびこれらを含む合金等の放射線不透過性(X線不透過性)の材料を用いることができる。これによって、術者は、放射線透視下で、ガイドワイヤ400の先端部の位置を視認することができる。
(被覆層)
被覆層430は、ガイドワイヤ400を血管内に挿入する際に、血管壁等に損傷を与えるのを防止する機能を備える。
被覆層430は、樹脂材料によって構成している。被覆層430は、コア部材410およびコイル部材420の全体を覆う。被覆層430の先端部は、血管壁等と接触した場合の血管壁等への影響を考慮して、図示するような丸みを帯びた形状であることが好ましい。被覆層430は、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている。
被覆層430を構成する樹脂材料は、比較的柔軟性の高い材料が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE、PFA等)、またはこれらの複合材料や、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。被覆層430は、上記材料の中でも、柔軟性をより向上する観点から、ウレタン系樹脂を使用することがより好ましい。
被覆層430は、親水性被覆層(図示省略)に覆われていることが好ましい。ガイドワイヤ400は、親水性被覆層によって覆われていることにより摺動性が向上するため、ガイドワイヤ400が血管壁やカテーテルに引っ掛かることをより一層防止することができる。
親水性被覆層の構成材料は特に限定されないが、例えば、第1実施形態に係る親水性被覆層と同様のものを用いることができる。
(使用方法)
次に、本実施形態に係るガイドワイヤ400の使用方法を、肝臓Kに生じたに腫瘍Nに関する手技を例に説明する。
まず、術者は、イントロデューサ(図示省略)およびガイディングカテーテル(図示省略)を介して、ガイドワイヤ400を先行させながら、治療用のカテーテル(図示省略)を腫瘍N付近に配置する。
図6に示すように、ガイドワイヤ400の先端部が腫瘍Nに到達するまでの経路には、肝動脈Vの複数の分岐部がある。術者はガイドワイヤ400の基端部の押し引きによって適切な肝動脈Vの分岐部を選択することができる。以下、図7A〜図7Cを参照して、肝動脈Vの主管V0から分岐する3つの分岐部(第1の分岐部V41、第2の分岐部V42、第3の分岐部V43)を例に、各分岐部の選択方法について説明する。
まず、図7Aを参照して、肝動脈Vの主管V0の延在方向に延びる第1の分岐部V41にガイドワイヤ400の先端部を侵入させる場合について説明する。術者は、主管V0の延在方向に沿って、ガイドワイヤ400を進めていく。ガイドワイヤ400の先端部は、ほぼまっすぐに延びているため、ガイドワイヤ400は、容易に肝動脈Vの第1の分岐部V41に侵入できる。
次に、図7Bを参照して、肝動脈Vの主管V0に対して傾斜する第2の分岐部V42にガイドワイヤ400の先端部を侵入させる場合について説明する。術者は、肝動脈Vの第2の分岐部V42の入口部の内壁Wにガイドワイヤ400の先端部を押し付ける。これによって、ガイドワイヤ400の先端部は、先端コア部411aの先端(最先端)から軸交差領域421の中心軸C41に向かう方向D41(変形方向D41)に変形する。その結果、ガイドワイヤ400の先端部は、肝動脈Vの第2の分岐部V42側を向く。これによって、ガイドワイヤ400は、肝動脈Vの第2の分岐部V42に容易に侵入できる。
次に、図7Cを参照して、肝動脈Vの第2の分岐部V42と比較して主管V0に対する傾斜角度の大きい第3の分岐部V43にガイドワイヤ400を侵入させる場合について説明する。術者は、肝動脈Vの第3の分岐部V43の入口部の内壁Wにガイドワイヤ400の先端部を押し付ける。これによって、ガイドワイヤ400の先端部は、変形方向D41に変形する。その結果、ガイドワイヤ400の先端は、肝動脈Vの第3の分岐部V43側を向く。これによって、ガイドワイヤ400は、肝動脈Vの第3の分岐部V43に容易に侵入できる。このように、第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、肝動脈Vのように複数の分岐部を備える複雑な血管において、適切な分岐部を容易に選択できる。
次に、術者は、治療用のカテーテルを用いて適切な処置を行った後、治療用のカテーテルおよびガイドワイヤ100を生体外へ抜去する。
以上第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、コイル部材420を覆う被覆層430をさらに有し、被覆層430は、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている。そのため、第2実施形態に係るガイドワイヤ400は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100と比較して、第1の分岐部41のように主管V0に対する傾斜角度の小さい分岐部により一層容易に侵入できる。
以上、複数の実施形態および変形例を通じて本発明に係るガイドワイヤを説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、軸交差領域は、軸交差領域の中心軸がコア部材の長軸方向と交差する限り特に限定されない。例えば、上記実施形態および変形例では、軸交差領域の中心軸が、コア部材の長軸方向に対して一定の角度で傾斜している形態を説明した。しかし、軸交差領域の中心軸が、コア部材の長軸方向に対して湾曲していてもよい。
また、例えば、上記実施形態および変形例では、コア部材が、ガイドワイヤの先端部が生体管腔の内壁に押付けられた状態で屈曲する形態を説明した。ただし、コア部材は、ガイドワイヤの先端部が生体管腔の内壁に押付けられた状態で、円弧状に撓むように変形してもよい。
また、例えば、コア部材の先端部は、外力が付加されていない自然状態で、屈曲または湾曲していてもよい。この場合、コア部材510の先端部(図では、先端コア部111a)は、図8に示すように、軸交差領域121の中心軸C1に向かって屈曲または湾曲していることが好ましい。このようなガイドワイヤ500によれば、生体管腔の分岐部の入口部の内壁に押付けられた状態で、ガイドワイヤ500の先端部は、上記第1実施形態に係るガイドワイヤ100と比較してより一層小さい力で屈曲できる。この際、コア部材110において屈曲または湾曲している部分の短軸方向Yに沿う長さL4は、特に限定されないが、主管に沿って延びる分岐部を容易に選択できるように、例えば、0.1〜1.0mm程度であることが好ましい。
100、200、300、400 ガイドワイヤ、
110、410 コア部材、
111a、411a 先端コア部、
120、220、320、420 コイル部材、
120a、120b、120c 屈曲点P1周りの巻回部、
121、221、222、321、322 軸交差領域、
130、430 被覆層、
C1、C21、C22、C31、C32 コイル部材の軸交差領域の中心軸、
P1、P21、P31、P32 コイル部材の中心軸の屈曲点、
P2 先端コア部の基端、
X コア部材の長軸方向。

Claims (7)

  1. 長尺状のコア部材と、
    前記コア部材の先端部の少なくとも一部を覆うように巻回されたコイル部材と、を有し、
    前記コイル部材は、少なくとも先端部において、前記コイル部材の中心軸が前記コア部材の長軸方向と交差する軸交差領域を備える、ガイドワイヤ。
  2. 前記コア部材は、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記コイル部材の中心軸は、一または二以上の屈曲点を備える、請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記コイル部材において前記屈曲点の周りに巻回された巻回部は、前記コア部材の長軸方向に隣り合う他の巻回部から離間している、請求項3に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記コア部材は、前記コア部材の長軸方向と直交する方向に沿う長さが前記コア部材の他の部位よりも短い先端コア部を備え、
    前記先端コア部の基端は、前記コイル部材の前記軸交差領域に覆われている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記軸交差領域は、前記コイル部材の先端から基端に亘って設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
  7. 前記コイル部材を覆う被覆層をさらに有し、
    前記被覆層は、外力が付加されていない自然状態で直線状に延びている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
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