JP2019150274A - 光断層撮像装置、光断層撮像装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

光断層撮像装置、光断層撮像装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】OCT装置において、深さ方向にて分割して得た画像の位置合わせと合成とを容易とし、高い縦分解能と高い横分解能とを両立する。【解決手段】測定光を照射した被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した合波光を用いて、被検査物の断層データを生成する生成手段と、測定光を被検査物上で走査する走査手段と、被検査物における深さの異なる複数の合焦位置に測定光を合焦させる合焦手段と、測定光を被検査物上の走査線上で一走査する際に、複数の合焦位置の各々への測定光の合焦を複数回実行し、生成手段が複数の合焦位置の各々に対応する複数の断層データを得られるように、走査手段及び合焦手段を制御する制御手段と、を配する。【選択図】図4

Description

本発明は、被検眼に例示される被検査物の光干渉像を取得する光断層撮像装置、該光断層撮像装置の制御方法、及びプログラムに関する。
近年、眼科において非侵襲で眼底及び前眼部の断層を観察/計測できる光断層撮像法(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いた装置(OCT装置)が普及している。OCT装置は、低コヒーレント光(測定光)を被検眼に照射し、その被検眼からの戻り光を参照光と合波させた干渉光を用いて、被検眼の断層に関する情報を得る装置である。OCT装置では、低コヒーレント光を被検眼の眼底上に走査することで、眼底の断層画像を取得することができる。このため、OCT装置は、医療において研究から臨床まで広く使われている。
OCT装置は、タイムドメインOCT(TD−OCT)とフーリエドメインOCT(FD−OCT)の2種に大別されている。更に、FD−OCTには、スペクトラルドメインOCT(SD−OCT)とスウェプトソースOCT(SS−OCT)とがある。これらFD−OCTは、広い波長帯域を有する光源を利用し、干渉光を分光して信号取得を行い、取得した信号にフーリエ変換等の信号処理を施すことで被検眼の断層像を取得できる。SD−OCTでは分光器により空間的に干渉光を分光する。これに対して、SS−OCTでは、時間的に異なる波長の光を発する光源を用いて干渉光を時間的に分光する。
これらのOCT装置において、眼底病変の初期の微小変化を見つけるために、高分解能化が期待されている。眼底病変とは、例えば視神経繊維、視細胞、微細血管などの変化であり、この変化を観察するには10μm以下の分解能が求められる。分解能のうち縦分解能すなわち深さ方向の分解能はOCT装置に用いる光源の特性によって決まるため、光源の波長幅を広げる工夫がなされてきており、3μm程度の分解能が達成されている。
その一方で、横分解能は測定光の光学的なスポットサイズと焦点深度に相反関係があるため、単純に高NA(開口数)を持つ集光光学系を構成すればよいというものではない。横方向の分解能(Rxy)は、光学結像的な分解能で決まり、OCT装置における結像光学系の開口数(NA)と付随する光学的な収差によって求まる。無収差を仮定した場合のOCT装置における横分解能Rxyは、つぎの(式1)で表される。
Rxy=k1×(λ/NA)…(式1)
ここで、λは測定光の中心波長、k1は0.5程度の定数である。
一方、OCT装置における結像光学系の焦点深度(DOF)は、つぎの(式2)で表される。
DOF=k2×(λ/NA)…(式2)
ここで、k2は0.6程度の定数である。
すなわち、OCT装置における高い横分解能と深い焦点深度とは光学原理的なトレードオフの関係にある。従って、例えば横分解能を2倍高め、光学スポットサイズ径を半分にすると、これに伴い、焦点深度は自乗に反比例して、4分の1となってしまう。
現行の一般的なSD−OCTでは、例えば、λ=0.85μm、NA=0.02程度の測定光及び結像光学系が用いられている。従って、この数値例と上記(式1)、及び(式2)を用いると、Rxy=20μm及びDOF=2mm程度の条件にて眼底を観察することとなる。人眼の網膜は、通常0.5mm〜1mm程度の厚さを有する。測定の容易さや各種の動きにより網膜断層がフレームアウトしないために、OCT装置においては深さ方向に2mm程度の撮像範囲を持たせることが一般的である。すなわち、DOF値としてこの撮像範囲が求められ、これに応じて横分解能は光学スポットサイズ直径で20μmに留まってしまう。このことは、一般的にSD−OCTにおいて、現状以上の高い縦分解能と高い横分解能との両立が難しいことを示す。
特開2010−169503号公報
これに対して、特許文献1では、高NA光学系より得られる浅いDOFを有する測定光を利用しながら、高い横分解能を得るゾーンフォーカス技術を開示している。当該技術では、複数のフォーカスゾーンを深さ方向に設け、深さ方向にて分割取得した画像を再合成することで深さ方向の広い範囲で高い分解能を得ている。しかし、特許文献1に開示されるOCT装置においては、合焦条件の異なる画像同士の位置合わせや、画像同士を合成する具体的な手法について何も開示されていない。実際に浅いDOFの測定光を用い、合焦条件を変えて取得した複数の画像間では、注目領域や位置合わせ用の点群を設定しても、画像の輝度値や精細度が異なるため位置合わせが困難である。
本発明は以上の状況に鑑みたものであって、深さ方向にて分割して得た画像の位置合わせと合成とを容易とし、高い縦分解能と高い横分解能とを両立する光断層撮像装置、該光断層撮像装置の制御方法、及びプログラムを提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係る光断層撮像装置は、
測定光を照射した被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した合波光を用いて、前記被検査物の断層データを生成する生成手段と、
前記測定光を前記被検査物上で走査する走査手段と、
前記被検査物における深さの異なる複数の合焦位置に前記測定光を合焦させる合焦手段と、
前記測定光を前記被検査物上の走査線上で一走査する際に、前記複数の合焦位置の各々への前記測定光の合焦を複数回実行し、前記生成手段が前記複数の合焦位置の各々に対応する複数の断層データを得られるように、前記走査手段及び前記合焦手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、深さ方向にて分割して得た画像の位置合わせと合成とを容易とし、高い縦分解能と高い横分解能とを両立することができる。
本発明の第1の実施例に係るOCT装置の光学系の概略構成を示す模式図である。 第1の実施例に係るOCT装置の制御部を説明するためのブロック図である。 第1の実施例におけるガルバノ駆動波形とフォーカス駆動波形との関係を説明する図である。 第1の実施例におけるOCT装置の複数合焦位置の断層画像を順次取得するためのフロー図である。 第1の実施例におけるOCT装置において複数合焦位置の断層画像を取得し、これらを合成する方法を説明する概念図である。 本発明の第2の実施例に係るOCT装置の光学系の概略構成を示す模式図である。 第2の実施例に係るOCT装置の制御部を説明するためのブロック図である。 第2の実施例における断層データの走査線上の取得位置と深さ方向の合焦位置との関係を説明する図である。 第2の実施例における複数合焦位置における各々の断層画像の取得方法を説明する概念図である。 第2の実施例におけるOCT装置の複数合焦位置の断層画像を順次取得するためのフロー図である。 本発明の第3の実施例におけるガルバノ駆動波形とフォーカス駆動波形との関係を説明する図である。 第3の実施例におけるOCT装置の複数合焦位置の断層画像を順次取得するためのフロー図である。 第3の実施例を加算画像等の生成に用いる場合のガルバノ駆動波形とフォーカス駆動波形との関係を説明する図である。
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明される寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。本発明では、被検査眼上の一走査線を測定光で走査する際(1Bスキャン)に、異なる深さの合焦位置への測定光の合焦を繰り返して行い、深さ方向の範囲が狭い複数の断層画像を取得し、これらを合成して一枚の断層画像を得ている。
[第1の実施例]
図1及び図2を参照して、本実施例において断層画像の撮像に用いるOCT装置(光断層撮像装置)について説明する。
[装置構成]
OCT装置1000における図1に示すOCT光学系100は、光源101、カプラ102、測定光学系103、参照光学系105、及び撮影光学系106を備えている。光源101は、低コヒーレンス光を発生させる。本実施例では光源101として、SLD(Super Luminescent Diode)光源を用いる。なお、光源101には、このSLDに限られず、低コヒーレンス光を発生させることができる光源であれば用いることができる。光源101から出射された光は、光ファイバにより光源101と接続されるカプラ102によって、所望の分岐比の下で測定光と参照光とに分割される。
(測定光学系)
カプラ102から光ファイバにより測定光学系103に導かれた測定光は、コリメータ132より平行光として測定光学系103内へ出射される。コリメータ132から被検眼140に至る光路上には、可変焦点光学系、走査光学系、及び対物レンズ系が配置される。可変焦点光学系は、コリメータ132側から順に、偏光ビームスプリッタ133、ミラー134−1,134−2、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2、及び偏光ビームスプリッタ136が配置される。走査光学系はXガルバノミラー137−1及びYガルバノミラー137−2を有し、対物レンズ系はレンズ138,139を有する。
測定光学系103に出射された測定光は、偏光ビームスプリッタ133によってP偏光とS偏光とに分離される。P偏光はミラー134−1側の光路へ透過され、S偏光はミラー134−2側の光路へ反射される。偏光成分に応じて分離された各々の測定光はミラー134−1,134−2で各々反射され、各々の反射光路に配される可変焦点レンズモジュール135−1,135−2へ入射する。
本実施例においては、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2として、例えばタンタル酸ニオブ酸カリウムの結晶(以後、KTN結晶)からなる電気光学素子を用いる。しかし、可変焦点レンズモジュールはこれに限定されず、同様の効果を得ることが可能なその他のピエゾ素子、電気光学素子、液晶光学素子、可変形状ミラーなど、何れのデバイスからなるものを用いてもよい。なお、本実施例で用いるKTN結晶は、電圧の印加により特定の偏光方向にのみ屈折率変化が生じる電気光学素子であるため、合焦させる入射光を屈折率の変化方向に応じた直線偏光とする必要がある。そのため、本実施例では、偏光ビームスプリッタ133を使用して測定光をP偏光とS偏光とに分離し、各偏光の振動方向に合わせて可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を配置している。本実施例で用いる可変焦点レンズモジュールは、所定の電圧の印加に応じて測定光の焦点位置が変動する。可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を通過した各偏光は、偏光ビームスプリッタ136によって合波される。
合波された測定光は、角度可変であるXガルバノミラー137−1及びYガルバノミラー137−2によって反射され、対物レンズ系を介して被検眼140の眼底上に測定光のスポットを形成する。本実施例において、Xガルバノミラー137−1及びYガルバノミラー137−2は、直交するX方向及びY方向に測定光をそれぞれ走査する。眼底上に導かれたスポット状の測定光は、これらXガルバノミラー137−1とYガルバノミラー137−2の駆動により、眼底上で2次元に走査される。被検眼140の眼底で反射散乱した測定光は、上述した測定光学系103の各光学要素を逆に辿った後、カプラ102を経由して戻り光として光ファイバにより撮影光学系106へ導かれる。
(参照光学系)
一方、カプラ102から光ファイバにより参照光学系105へ導かれた参照光は、コリメータ152により平行光として参照光学系105内へ出射される。参照光学系105は、コリメータ152から順に配置される、NDフィルター153及び参照ミラー154を有する。コリメータ152より平行光として出射された参照光は、NDフィルター153を通過することで所定光量に減衰される。その後、参照光は平行光の状態を保持したまま、光軸方向に移動可能で測定光学系103との光路長差を補正することができる参照ミラー154で反射され、同じ光路へ折り返される。折り返された参照光は、NDフィルター153、コリメータ152を再び通過した後、カプラ102を経由して光ファイバにより撮影光学系106へ導かれる。
(撮影光学系)
測定光学系103から戻ってきた測定光(戻り光)と参照光学系105から戻ってきた参照光とは、カプラ102により合波され、光ファイバを介して撮影光学系106に導かれる。合波された光は、コリメータ162により撮影光学系106内に出射される。撮影光学系106は、コリメータ162より順に配置される回折格子163、レンズ164、及びラインセンサ165を有する。撮影光学系106に出射された合波光は、回折格子163にて波長に応じて分光された後、レンズ164を介してラインセンサ165上で結像される。ラインセンサ165で受光された合波光に応じた信号は、干渉信号として該ラインセンサ165より出力される。なお、ラインセンサ165に含まれる複数の画素は、各画素が回折格子163によって分光された合波光の各々を受光するように、これらの波長成分に対応して配置される。
(偏光調整)
カプラ102から測定光学系103と参照光学系105とに至る各々の光ファイバ上には、該光ファイバを複数の環状に束ねた偏光調整用パドル131,151とそれらを駆動する偏光調整駆動手段184が設けられている。偏光調整用パドル131は、測定光の偏光を調整する場合に有効であり、特に偏光調整の必要性が無い場合は具備されなくてもよい。また、偏光調整用パドル151は測定光と参照光との干渉状態がよくなるように、測定光の偏光状態に対する参照光の偏光状態を調整できるようになっている。
(OCT光学系の制御系)
図2に示すように、本実施例に係るOCT装置1000は、上述したOCT光学系100に加えて、サンプリング部171、メモリ172、信号処理手段173、制御手段174、モニタ175、及び操作入力手段176を備える。サンプリング部171、メモリ172、信号処理手段173、モニタ175、及び操作入力手段176は各々制御手段174に接続され、該制御手段174により制御される。なお、制御手段174及びこれに接続される一部の構成は、汎用のコンピュータを用いて構成してもよいし、OCT装置専用のコンピュータによって構成してもよい。また、モニタ175は、任意のモニタを用いて構成してもよい。同様に、操作入力手段176は、公知のキーボード、マウス等の任意の入力装置を用いて構成してもよい。また、本実施例では、OCT光学系100、制御手段174、モニタ175、等がそれぞれ別個に構成されているが、これらの一部又は全部を一体的に構成してもよい。
メモリ172は、信号処理手段173によって生成される後述する断層画像、該断層画像の位置合わせ等に用いた各種データ、入力された被検者の情報、信号処理手段173を構成するプログラム等を記憶する。制御手段174は、表示制御部として表示部であるモニタ175を制御し、メモリ172に記憶された各種画像や被検者の情報等をモニタ175に表示させる。信号処理手段173の各構成要素は、ASIC等の特定の機能を実現する回路等により構成されてもよい。メモリ172は、メモリや光ディスク等の任意の記憶装置・記憶媒体を用いて構成することができる。
また、OCT光学系100は、上述した各光学部材を駆動制御するための、フォーカス駆動手段181、ガルバノ駆動手段182、リフレクタ駆動手段183、及び偏光調整駆動手段184を有する。フォーカス駆動手段181は、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に接続され、これらに対する印加電圧を制御し、これらにより測定光の合焦位置を移動させる。この操作により、被検眼140の眼底に対する測定光の合焦状態の調整が行われる。ガルバノ駆動手段182は、Xガルバノミラー137−1及びYガルバノミラー137−2に接続されてこれらの駆動を制御する。これにより、眼底上に対する測定光の照射位置が制御される。リフレクタ駆動手段183は参照ミラー154を移動可能に支持し、図中矢印にて示す光軸方向に参照ミラー154を移動させる。偏光調整駆動手段184は、上述したように偏光調整用パドル131,151に各々接続されて、測定光及び参照光の偏光状態の調整を行う。
これらフォーカス駆動手段181、ガルバノ駆動手段182、リフレクタ駆動手段183、及び偏光調整駆動手段184は制御手段174に各々接続されている。また、上述したOCT光学系100は例えば一つの筐体に内包されて一体化されており、制御手段174と接続される不図示のアライメント駆動手段を介して被検眼140とのアライメントが行われる。測定光及び参照光の元となる光を出射する光源101は制御手段174と接続されており、該制御手段174によって光源光の発光等の制御が行われる。
ラインセンサ165はサンプリング部171及び制御手段174と接続されており、該ラインセンサ165の出力信号はサンプリング部171により干渉信号としてサンプリングされる。サンプリングされた干渉信号は、制御手段174を介して信号処理手段173に送られ、フーリエ変換等の各種信号処理が施され、これにより断層画像等の画像が生成される。生成された画像はモニタ175によって表示され、その際の表示様式やOCT光学系100の駆動制御の指示等は操作入力手段176を介してユーザーにより行われる。
[撮像方法]
(撮像手順)
上述したOCT装置1000においては、断層画像生成のための干渉信号の取得時において、眼底を測定光で走査する際には次に述べる測定光の走査制御が行われる。即ち、ラインセンサ165からの出力信号が、ガルバノ駆動手段182によって駆動されたガルバノミラー137−1,137−2の駆動角度に応じて取得される。この時、測定光のスポットが、眼底上の特定の位置において深さ方向の複数の位置に合焦するように、フォーカス駆動手段181は可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に対して電圧を順次切り替えながら印加する。従って、本実施例において、OCT装置は、同一のガルバノ駆動角度について、合焦位置の異なる複数の干渉信号を連続的に取得する。
なお、フォーカス駆動手段181による合焦深度の設定は、撮影前に予め設定したテーブルで管理してもよいし、プレビュー中に設定したテーブルを用いて行ってもよい。例えば、テーブルで管理する場合、プレビュー中に視細胞層へ合焦するように可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に基準電圧Vsを印加しておく。そして、本撮影を実行する際には、視細胞層を基準として所定の深さに合焦位置をオフセットさせるオフセット電圧Voをテーブルで管理する。基準電圧Vsに対して、例えば50[μm]ずつ3回にわたり浅層へ合焦位置をオフセットする電圧をΔVとする場合、オフセット電圧Voのテーブルを、[0、ΔV、2ΔV、3ΔV]とし、印加電圧を、Vs+Voにて駆動する。
また一方で、プレビュー時にオフセット電圧Voのテーブルを作成してもよい。この場合、例えばプレビューを行う際に、まず初めに基準電圧Vsで可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を駆動させ、モニタ175にこの条件の合焦深度で得られた断層画像を表示する。ユーザーは、プレビューにおいて表示されたこの断層画像を確認しながら、オフセット電圧を操作入力手段176によって指定し、所望の層に合焦するオフセット電圧をテーブルに順次追加する。
図3を参照して、本実施例において行われる測定光の合焦位置の深さ方向の変更操作と合わせて行われる、眼底における例えばX方向に伸びる一走査線上での測定光の走査について説明する。図3は、測定光を走査する際における、ガルバノ駆動手段182がXガルバノミラー137−1を制御する駆動波形と、フォーカス駆動手段181が可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を制御する駆動波形とを示す。具体的には、上述した手順にて断層画像を取得する際の合焦位置の変更と測定光の照射位置の変更との連動方法の例として、深さ方向における4ヵ所の合焦位置に順次合焦させて信号取得を実行する例を示す。
同図に示される駆動波形401は、例えばXガルバノミラー137−1を制御するガルバノ駆動波形の例であり、ステップ状に変更される印加電圧に応じて、測定光の照射位置が眼底における走査線上を順次移動する。また、駆動波形402は、深さ方向において設定した合焦位置F1〜F4に順次測定光を合焦させるために可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に与えられる電圧波形である。合焦位置F1〜F4は、例えば上述したオフセット電圧0,ΔV,2ΔV,3ΔVにおいて得られる深さ方向の各合焦位置に対応する。すなわち、測定光の各照射位置に対応する駆動波形401の各ステップにおいて、合焦位置F1〜F4の全ての位置に測定光が順次合焦されるように可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を制御している。なお、干渉信号の取得は、これら合焦位置F1〜F4の変更に同期して各合焦位置で行われる。また、駆動波形401に示されるように、ガルバノ駆動手段182によるXガルバノミラー137−1に対するステップ状の駆動電圧の印可は、一走査線での測定光走査の終了まで継続して実行される。そして、全ての測定光の照射位置のからの干渉信号の取得を終えると、ガルバノ駆動手段182は駆動電圧を最初のステップ値に戻す。
すなわち、同一のガルバノ駆動角度についてフォーカス駆動手段181による合焦位置の変更を行うことで、4つの異なる合焦位置で得られる干渉信号を一の照射位置にて取得する。そして、一の照射位置にて4つの干渉信号を取得した後、ガルバノ駆動手段182によって測定光の照射位置がオフセットされ、その位置において同様のフォーカス駆動を行いつつ再度4つの干渉信号の取得が行われる。以降はこの繰り返しで干渉信号が次々に生成される。その結果、測定光にて一走査線上を一回走査することによって、該一走査線上に並ぶ干渉信号であって、深さ方向で合焦位置の異なる4つの干渉信号のグループ(群)が得られる。
サンプリング部171で取得されたこれら干渉信号の4つのグループは、メモリ172に信号取得時のガルバノ駆動角度と共に記憶される。メモリ172に記憶された干渉信号のグループの各々は、信号処理手段173により周波数解析され、これにより被検眼140の眼底の断層画像が生成される。生成された断層画像はメモリ172に記憶されると共に、モニタ175に表示される。なお、上述した一走査線に沿った測定光の走査は、本実施例では例えばXガルバノミラー137−1のように一方のガルバノミラーのみを駆動することによって実行される。この場合、例えば一走査が終了する毎にYガルバノミラー137−2も駆動することにより眼底表面を測定光で2次元に走査することが可能となる。これにより、ガルバノ駆動角度情報と対応した3次元の眼底ボリューム像を生成し、モニタ175に表示することもできる。
なお、制御手段174は、撮影中の任意のタイミングでバックグラウンドデータを取得する。バックグラウンドデータとは、本実施例では眼底に測定光が入射しない状態でラインセンサ165から出力される信号、即ち参照光のみから得られる信号より得られるデータを指す。実際の取得に際しては、例えばガルバノ駆動手段182によりガルバノミラー137−1,137−2の少なくとも何れかを駆動する。そして、測定光学系103から測定光が戻らないように測定光の位置を調整した状態で撮影光学系106により信号取得を行うことでバックグラウンドデータを取得する。眼底から得られる干渉信号、或いは周波数解析後のデータからこのバックグラウンドデータを減算することにより、より実態に沿った眼底の断層データを得ることができる。なお、本明細書において、被検眼140より得られる干渉信号に関するデータ、該干渉信号にフーリエ変換等の信号処理を施して得られるデータ、更には当該データに情報処理を施して得られるデータを断層データと総称する。すなわち、この断層データは、断層画像を生成するための元となるデータであればよい。あるいは、断層画像そのものであってもよい。
(画像生成手順)
次に、本実施例におけるOCT装置1000を用い、上述した撮像方法にて取得する干渉信号から断層画像を生成する手順について、図4のフローチャートと図5の概念図を用いて説明する。なお、以降では、異なる合焦位置で取得された干渉信号を処理し、一枚の断層画像を合成する手順について説明する。同一位置の断層画像を繰り返し取得して加算画像を生成する場合や、複数位置の断層画像を取得して、ボリューム画像を生成する場合は、以下に説明する手順を繰り返し実行すればよい。
断層画像のプレビューが開始されると、まず、ステップS101において、制御手段174はリフレクタ駆動手段183を制御し、眼底の断層画像がモニタ175上の表示部に好適に表示されるように調整する。具体的には、参照ミラー154を光軸方向に移動させ、これに伴って表示範囲(撮像範囲)における断層画像(網膜等の断層像)の表示位置を動かして、該表示位置を調節する。
ステップS102で、制御手段174はフォーカス駆動手段181を制御し、例えば視細胞層等の任意の層が最も高輝度に表示されるよう可変焦点レンズモジュール135−1,135−2による測定光の合焦位置を調整する。この時、上述した通り、本撮影時のフォーカス駆動テーブルを、断層画像を確認しながら設定してもよい。オフセット電圧Voのテーブル作成にあたり、ユーザーは網膜の任意の層が明瞭に表示されるようにフォーカス駆動手段181を制御し、その時のオフセット電圧Voをテーブルに保存する。
ステップS103にて、操作入力手段176を介して撮影開始の指示がユーザーより入力されると、制御手段174はフローをステップS104に進め、本撮影のシーケンスへ移行させる。なお、本実施例では、撮影開始の指示はユーザーより行われることとしている。しかし、特定の条件が満たされたことに応じて制御手段174が適宜撮影開始の指示をだすこととしてもよい。特定の条件としては、例えばプレビュー時に取得されている輝度値の最大値が所定値を超える、所定値を超える輝度値を有する画素が所定の数、或いは配置を満たす等が考えられる。
ステップS104にて、制御手段174はガルバノ駆動手段182によりXガルバノミラー137−1とYガルバノミラー137−2を駆動し、眼底上の所望の位置へ測定光の照射位置を移動させる。そして測定光照射位置としてm個配置される照射位置の仲からi=1の照射位置を選択する。この照射位置を始点として、一走査線に沿った測定光の走査が開始される。移動終了後、ステップS105にて、制御手段174はフォーカス駆動手段181を制御し、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を動作させて合焦予定の深さ位置に応じて測定光のフォーカス位置をオフセットさせる。具体的にはn個ある合焦位置の内のj=1の合焦位置を選択し、この深さの位置に対して測定光を合焦させる。
ステップS106では、j=1の合焦位置でラインセンサ165より出力される干渉信号がサンプリング部171により取得され、該干渉信号はメモリ172に転送され、保存される。ステップS107にて、制御手段174は、一の照射位置において設定した全ての合焦位置の信号を取得したか否かを判断する。例えば図3に示した例ではn=4となり、異なる4つの合焦位置での干渉信号の取得が行われたか否かを判断する。この照射位置における全ての合焦位置で信号取得が終了していなければ制御手段174はフローをステップS105へ戻す。そして、制御手段174は、j=2〜4の合焦位置にてステップS105からステップS107の処理を繰り返して実行し、フォーカス駆動手段181による合焦位置のオフセットと該合焦位置での干渉信号の取得とを行わせる。例えば図3に示した例では、最初の合焦位置での干渉信号の取得は行われたが次の合焦位置での干渉信号の取得が行われていない場合には、合焦位置をオフセットさせて次の合焦位置での干渉信号の取得を行う。j=nとなり全ての合焦位置での干渉信号の取得が終了していれば、制御手段174はフローを次のステップS108へ進める。
ステップS108にて、制御手段174は、ガルバノ駆動手段182の駆動によって全ての測定位置における干渉信号の取得が終了したか否か、すなわちi=mとなっているか否かを判断する。なお、ここで述べる全ての測定位置とは、一走査線上において予め干渉信号の取得位置として設定されているm個全ての位置のこととなる。例えばm=200である場合は、200箇所全ての位置の各々で異なる4つの深さの合焦位置での干渉信号の取得が終了しているか否かの判断が行われる。全ての測定位置において干渉信号の取得が終了していないと判断されると、制御手段174はフローをステップS104へ戻し、ガルバノ駆動手段182を介して測定光の照射位置を次の干渉信号の取得位置である例えばi=2の位置へと移動させる。i=mとなり終了していると判断されれば、制御手段174はフローを次のステップS109へ進める。
ステップS109において、信号処理手段173はラインセンサ165によって出力された干渉信号を波数空間信号へ変換した後、これをフーリエ変換することで断層画像を生成する。この時、設定された複数の合焦位置で取得された干渉信号を設定位置毎に分類し、これらを信号処理することで異なる深度(深さ位置)に合焦した複数の断層画像を生成する。すなわち、信号処理手段173は、連続的に取得されている複数の干渉信号の中から、同一の深さ位置より得ている干渉信号を選択し、合焦位置毎の干渉信号グループを生成する。断層画像は、これら干渉信号グループの各々に対して生成される。例えば図3に示した条件の場合、深さ方向で異なる4つの位置に合焦して得られる断層画像、若しくはその元となる断層データが生成される。
次のステップS110では、信号処理手段173は得られた断層画像の中から、合焦領域を抽出して、抽出された画像同士を合成する。合焦領域の抽出は、設定値に基づいて実行されてもよいし、生成される断層画像の比較から実行されてもよい。例えば、プレビュー中に合焦位置の設定を行う場合であれば、合焦位置の設定値に関連付けて、断層画像内における合焦領域の範囲を記憶させ、本撮影時に干渉波形と共に記録する。これにより、ステップS110の画像合成処理の際に、関連情報に基づいて合焦領域のみを切り出すことが可能となり、深さ方向に対して部分的に高解像である部分画像を生成することができる。
また、画像を比較して合焦領域を抽出する場合、異なる複数の合焦条件にて取得、画像化された同一部位の断層画像群について、任意の深さ領域毎に輝度や鮮鋭度の代表値(例えば平均値など)を抽出し比較する方法が有効である。ここで、任意の深さ領域とは、例えば断層画像を深さ方向に対して等分割した所定の幅の領域でもよいし、網膜層をセグメンテーションした結果得られる各層に基づいて規定される領域でもよい。深さ方向に対して部分的に高解像である部分画像では、合焦領域において他の断層画像と比べて画素の輝度値が高く、また、鮮鋭度が高い傾向がある。従って、複数の断層画像における同じ深さ範囲においてこれらのパラメータを比較して、値が高い方の断層画像における当該深さ範囲を部分画像として選択、抽出すればよい。
最後に、信号処理手段173は、任意の深さ領域に対して合焦した部分画像を抽出した後、これらを合成して深さ方向の全範囲に対して合焦した断層画像を生成する。生成された断層画像はメモリ172に記憶されると共にモニタ175に表示される。これら処理の終了後、制御手段174はフローを進め、画像生成の処理を終了する。以上の処理を行うことにより、高い縦分解能と高い横分解能とを両立した高解像度の断層画像を得ることができる。
なお、本実施例には、合焦位置の深度調整に可変焦点レンズモジュールを利用することとしている。例えば本実施例で挙げたKTN結晶であれば、10[kHz]程度の高速で測定光の合焦位置を変更する制御が可能である。本実施例では、このような特性を有する可変焦点レンズモジュールを用いて眼底上の各測定位置において高速に合焦位置を切り替えながら信号取得を実行する。
一般的に、被検眼は、固視微動と総称される微細且つ短時間での動きを生じさせている。このため、干渉信号の取得に時間を要する場合には、例えば一走査線上において等間隔で配置されているはずの干渉信号の取得位置が、時間経過によってずれてしまうことがおこる。従って、同一の測定光照射位置にて深さ方向の合焦位置を変えつつ各々で干渉信号を取得し、これを一走査線で行う場合、この走査の終了までに要する時間の間に被検眼が動くことも考えられる。これに対して本実施例では、合焦位置の切り替えに要する時間が固視微動の周期等に対して極短時間であることから、深さ方向の異なる合焦位置にて取得した干渉信号の眼底表面での取得位置は、一走査線の内で全てほぼ一致している。従って、眼底表面上の同一位置であって且つ深さ方向の異なる合焦位置で取得した断層画像において、XY平面(眼底表面)において固視微動等を考慮した位置合わせの必要がなくなる。また、これら断層画像の深さ方向の位置については、可変焦点レンズモジュールの特性から一義的に求められる。従って、例えば上述した高解像度の4つの部分画像は、予め定められている深さ方向の配置に応じて、走査線方向等のXY平面での位置合わせをすることなく合成することができる。
なお、本実施例では可変焦点レンズモジュールとしてKTN結晶からなる電気光学素子を用いている。電気光学素子に用いられる材料には、ヒステリシスを示す材料が多い。このような材料では、例えば合焦位置を浅い位置から深い位置に変更する場合と、深い位置から浅い位置に変更する場合とにおいて、印加電圧の変化と合焦位置の変化との間に線形性を示さない場合がある。従って、測定光の各照射位置において、合焦位置の変化は例えば浅い位置から深い位置に変更する等、一定の様式によって変更されることが好ましい。例えば合焦位置が複数存在する場合、一の照射位置では浅い位置から深い位置に順次合焦位置を変更し、次の照射位置では逆に深い位置から浅い位置に順次合焦位置を変更する変更パターンも考えられる。しかし、上記ヒステリシスを考慮した場合、全ての照射位置において、浅い位置から深い位置に順次変更するか、深い位置から浅い位置に順次変更するか等、常に同一の変更様式とすることが好ましい。
以下に図5を用いて、取得される干渉信号の順番と、得られる画像の違いを説明する。なお、例えば眼底のある一点に測定光を照射して該一点における深さ方向の干渉信号を取得する測定光の走査方式をAスキャンと称し、得られる断層画像はAスキャン画像と称される。また、測定光を眼底上の所定の横断方向に走査しながら、該走査中に複数のAスキャンを繰り返して実行して該横断方向の断面に対応する干渉信号群を取得する測定光の走査方式をBスキャンと称する。該Bスキャンにより得られた干渉信号群から生成される断層画像は、Bスキャン画像と称される。
図5におけるBスキャン画像1は視細胞層よりも浅層に位置する網膜浅層に合焦させて取得したBスキャン画像の例であり、一方でBスキャン画像2は視細胞層に合焦させて取得したBスキャン画像の例である。なお、見易さのために画像の白黒を反転しており、高輝度の画素を黒で表示している。これら2つのBスキャン画像は同一断面の断層画像であり、各々の断層画像を生成した一回のBスキャンは全部でm回のAスキャンから構成される。
図5において、干渉信号の取得位置とその取得順を、同図中に数字で示す。数字で示すとおり、画像の左端からAスキャンが開始され、且つAスキャン毎に合焦位置の浅深の切り替えが行われている。具体的には、Bスキャン画像1における左端の位置にてまず網膜浅層に合焦させて取得順1の干渉信号を取得する。次に左端の位置は変えず(Bスキャン画像2における左端の位置に維持)に、合焦位置のみを視細胞層に合焦するように変えて取得順2の干渉信号を取得する。次に測定光の照射位置をBスキャン画像1の左端から2番目の位置にオフセットさせ、更に網膜浅層に合焦させて取得順3の干渉信号を取得する。以下同様の手順を繰り返して取得順2m−1、2mまでの干渉信号の取得を繰り返す。
すなわち、Bスキャン画像1とBスキャン画像2における走査線方向(横方向)の同一座標で、深さ方向の合焦位置のみを変えたAスキャンを交互に実行する。そして、この操作を画像の左端から開始して、Aスキャンの位置を右にずらしていき、右端で終了する。その際、同じAスキャン位置で異なる合焦位置からの2つの干渉信号を取得するために要する時間間隔は、100[μs]しかない。このため、眼の固視微動が存在したとしても、これら2つの断層画像の横方向の位置ズレを考慮する必要性は非常に小さくなる。従って、Bスキャン画像1とBスキャン画像2の間における走査線方向での位置ズレを考慮することなく、これら画像を合成することができる。
なお、合成画像の生成に際し、例えば断層画像を深さ方向において連続する複数の領域に分割し、各々の領域に対して合焦する条件にて断層データを取得し、深さ方向に連続した部分画像を合成することが好ましい。また、本実施例は、深さ方向の合焦位置が2箇所以上であってもよい。しかし、この領域の数によっては、可変焦点レンズモジュールにおける合焦位置の変更速度が対応できない場合、或いは1Aスキャンに要する時間が許容時間を超えてしまう場合等も考えられる。図5に示す例では、このような場合を生じさせないよう、2箇所の注目領域に対してのみ、測定光を合焦させることとしている。この場合、例えばBスキャン画像1とBスキャン画像2との各画素値等を比較し、その差が閾値を超えている場合には一方の画素値は許容される合焦状態で得られた断層データに基づくと判断できる。例えばこのような閾値処理により合焦位置と判断された領域をBスキャン画像2より切り出し、これをBスキャン画像1における対応する領域に貼り付ける等することで、全体として違和感の少ない合成された断層画像が得られる。
図5から分かる通り、高い横解像度を有する断層画像は焦点深度が浅くなるため、Bスキャン画像1とBスキャン画像2とでは全く画質の異なる画像となる。その結果、仮にこれら画像の位置合わせを行おうとしても、利用可能な位置合わせのターゲット指標が存在しない。従って、従来のような位置合わせ手法を用いても、これら断層画像からの合成画像の生成は困難である。しかし、本実施例によれば、従来の位置合わせ手法を用いる必要が無いため、容易且つ高精度に部分画像の合成が可能となる。
ここで、上述した本実施例に係るOCT装置(光断層撮像装置)の一態様としての構成を纏めると、該OCT装置は、断層データを生成する生成手段、走査手段、合焦手段、及び制御手段を備える。生成手段は例えば、ラインセンサ165、サンプリング部171、及びこれらを介して取得した干渉信号に各種処理を施して断層データを生成する信号処理手段173を備える。これら構成は、測定光を照射した被検眼140の眼底(被検査物)からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した合波光を用いて、被検眼の断層データを生成する。走査手段は、Xガルバノミラー137−1、Yガルバノミラー137−2、及びガルバノ駆動手段182を備え、測定光を被検眼140の眼底上(被検査物上)で走査する。合焦手段は、例えばKTN結晶を用いた電気光学素子を可変焦点レンズモジュール135−1,135−2として備え、更に偏光ビームスプリッタ133,136を含んでユニットとして構成される。この合焦手段は、被検眼140における眼底(網膜)における深さの異なる複数の合焦位置に測定光を合焦させる。制御手段174は、眼底の走査線上で測定光を一走査(1Bスキャン)する際に、フォーカス駆動手段181を用いて、この走査線上の各測定点(Aスキャン位置)において複数の合焦位置の各々への測定光の合焦を複数回実行させる。制御手段174は更に、これら複数の合焦位置の各々に対応する複数の断層データを得られるように、走査手段及び合焦手段を制御する。
ここで、制御手段174は、フォーカス駆動手段181を介して上述した合焦手段を制御して、Aスキャン位置の各々で、異なる合焦位置で任意の順序に応じて測定光を順次合焦させる。異なる合焦位置とは、例えば図3における異なる4つの合焦位置が対応する。合焦させる順序は、例えば3箇所以上の合焦位置がある場合には、可変焦点レンズモジュールの特性に応じて、その深さ方向の順序に応じて順次合焦させることが好ましい。また、断層データ(断層画像)の合成に際し、信号処理手段173は、得られた断層データから複数の合焦位置における同一の合焦位置より得られた断層データを選択して断層データのグループ(群)を生成する。図3に示す例の場合、合焦位置F1により得られた複数の断層データを断層画像の元データとなる1のグループとし、続いて合焦位置F2〜F4の各々より得られた複数の断層データを断層画像の元データとなる他の2〜4のグループとする。
合成画像の生成に際して、断層データのグループの各々を用いて走査線に沿った複数の断層画像を生成し、複数の断層画像を合成して合成画像を生成する。この生成処理は信号処理手段173が画像生成手段として実行する。なお、合成画像は、断層画像より部分画像を生成してこれらを合成して得てもよく、断層データを抽出し且つ表示画面上の画素にこの断層データを対応させて再配列し、これを画像化することで得てもよい。
生成されたグループ間において、上述した1グループの断層データより生成される断層画像で画像の合成に用いる領域は、信号処理手段173により選択される。具体的には、各グループ間において、深さの方向で対応する合焦位置より得られた断層データを所定の基準に基づいて比較する。その比較結果として、例えば、鮮明度やコントラスト等に基づいて合焦状態が適切であるとの判断がされた領域を画像生成に用いる断層データとして選択し、これらを抽出して合成画像の生成に供する。或いは、複数の断層画像の各々において、例えば図5に例示したように、断層画像を生成する際に用いた断層グループにおける合焦位置を中心とする所定の深さ範囲の画像を部分画像として抽出する。そして、この部分画像と該部分画像が抽出されていない断層画像とを張り合わせることで合成画像を生成してもよい。
また、部分画像の抽出から合成を行う場合、合焦位置或いはその周辺に存在する組織によって得られる干渉信号の強度が異なり、部分画像同士のコントラストが大きく異なることも考えられる。この場合、信号処理手段173は、画像生成手段として合成画像を生成する際に、部分画像(或いは断層画像全体)のコントラストを調整し、その後に画像合成を行うとよい。これにより合成画像に表示されるノイズ成分を低減することができる。
なお、本実施例における合焦手段は、偏光ビームスプリッタ133、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2、及び偏光ビームスプリッタ136を備える。偏光ビームスプリッタ133は、測定光を2つの偏光に分離する。可変焦点レンズモジュール135−1,135−2として例示される電気光学素子の各々は、分離された偏光の合焦位置を各々変更する。偏光ビームスプリッタ136は、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を経た偏光を合波して眼底に導く測定光とする。しかし、合焦手段はこのような構成に限られず、合焦位置(焦点距離)を高速にて変更可能な可変焦点レンズであれば用いることができる。
[第2の実施例]
以下に本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、深さ方向の合焦位置の変更のために、高速での合焦位置の変更が可能な電気光学素子からなる可変焦点レンズモジュールを用いている。これに対して、本実施例では、補償光学系を有するAO−OCT装置における波面補正デバイスを合焦位置の変更に用いている。波面補正デバイスによる合焦位置の変更速度は、通常の合焦レンズ等よりは高速であるが、第1の実施例で用いた可変焦点レンズモジュールに対しては劣っている。しかし、本実施例では、干渉信号の取得方法を第1の実施例とは変えることにより、第1の実施例と同様に従来の位置合わせ手法を用いることなく合成画像の生成を可能としている。なお、以下の説明において第1の実施例で述べた構成と同じ機能と有する構成に関しては、同一の参照符号を用いて図示することとしてここでの説明は省略する。
[装置構成]
図6及び図7を参照して、本実施例に用いたOCT装置2000の構成を説明する。本実施例に用いるOCT装置2000(AO−OCT装置)における図6に示すOCT光学系200は、第1の実施例とは測定光学系203において異なる。また、制御系においても、測定光学系に対応する波面センサー、波面補正デバイス、波面解析手段等を制御する構成を有する点において異なる。以下に第1の実施例とは異なるこれら構成の詳細について述べる。なお、以下の実施例では、眼底撮像と波面測定のための光を発する光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で出射された光を合成する構成としてもよい。
(測定光学系)
本実施例に係る測定光学系203は、補償光学系を備える。補償光学系はビームスプリッタ233、波面センサー234、波面補正デバイス236及び、球面ミラー235−1〜4から構成される。本実施例において、これら光学部材はコリメータ132からXガルバノミラー137−1の間に配置される。球面ミラー235−1〜235−4は、測定光或いは被検眼140の眼底からの戻り光を、これら光学部材に導光する。これら球面ミラー235−1〜4は、少なくとも被検眼140の瞳と波面センサー234或いは波面補正デバイス236とが光学的に共役関係になるように配置されている。
ビームスプリッタ233を透過した測定光は、球面ミラー235−1と235−2で反射されて波面補正デバイス236に入射する。波面補正デバイス236で反射された測定光は、更に球面ミラー235−3と235−4で反射され、測定光学系の後段へ導光される。なお、本実施例では、波面補正デバイス236として可変形状ミラーを用いた。可変形状ミラーは反射面が複数領域に分割されており、各領域の角度を変えることにより、反射光の波面を変化させることができるミラーである。波面補正デバイスとしては、可変形状ミラーの代わりに液晶光学素子を用いた空間位相変調器を用いることも可能である。その場合、被検眼からの光の両偏光を補正するために、2つの空間位相変調器を用いる場合もある。本実施例においては、波面補正デバイス236が、測定光の波面補正機能の他に合焦位置のオフセット機能を兼ねる。
球面ミラー235−3,4で反射された測定光は、Xガルバノミラー137−1と、後段のYガルバノミラー137−2によって、眼底上を2次元に走査する。測定光は、その際に結像光学系により焦点が調整されて被検眼140へ導光され、眼底で反射散乱される。本実施例において、結像光学系は、球面ミラー238,244,245、ミラー239,240,241,243、及びステージ242から構成される。ミラー240,241はステージ242に固定され、ステージ242が図中矢印にて示す光軸方向に前後移動することで、測定光の光路長を調整する。すなわち、ステージ242が光軸に対して前後方向に移動することで、被検眼140の視度に合わせた測定光の最適な照射を行うことが可能となる。なお、本実施例においては、レンズの裏面反射による波面の誤検出を避けるため、結像光学系に球面ミラーを用いたが、レンズを用いる構成としてもよい。
被検眼140の網膜により反射散乱された測定光の戻り光は、入射した時の経路を逆に辿り、ビームスプリッタ233によって一部は波面センサー234に向けて反射される。波面センサー234に導かれた光は、戻り光の波面を測定するために用いられる。ここで、ビームスプリッタ233で波面センサー234に向けて反射された光線は、不図示のリレー光学系を通り、波面センサー234に入射する。本実施例において、リレー光学系内にはアパーチャーが配置されており、レンズ等からの不要な反射散乱光を波面センサーに入射させないようにしている。
本実施例では、波面センサー234としてシャックハルトマンセンサーを用いた。シャックハルトマンセンサーは、CCDセンサーの前面にマイクロレンズアレイが配置されており、測定光がマイクロレンズを通してCCDセンサー上に集光される。このため、測定光はマイクロレンズの個数分のスポットに分割されて集光される。そして、これら各スポットの位置から、入射した測定光の波面を計算する。具体的には、各スポットの元の位置と測定された位置との差から各測定点における波面の傾きが算出される。この傾きを積分することによって、各測定点における位相情報が得られる。また、各スポット位置と測定された位置の差からZernike係数を算出することも可能である。
(OCT光学系の制御系)
本実施例において、OCT光学系200は、第1の実施例で述べた構成に加え、波面センサー234、波面補正デバイス236、及び測定光学系203における各光学部材を備える。波面センサー234及び波面補正デバイス236は、制御手段274に接続される。また、制御系では、第1の実施例で述べた構成に加え、波面解析手段277が配される。
波面センサー234にて受光した波面は波面解析手段277に伝えられ、波面解析手段277は上述した手順に従って戻り光の波面を計算する。波面解析手段277は制御手段274と接続されており、解析の結果を制御手段274へ伝達する。制御手段274は、戻り光の波面が収差のない波面へと補正されるように波面補正デバイスの画素毎の変調量(補正量)を計算し、波面補正デバイス236が変調量に応じて駆動するように指令する。波面補正デバイス236は、波面解析手段277によって算出された波面の歪みを補正するように、制御手段274からの指示に応じて画素毎の変調を行う。波面センサー234による波面の測定と波面補正デバイス236への変調の指示は繰り返し実行され、常に戻り光が最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。以上のフィードバック制御を行うことで波面が補正された測定光は、ビームスプリッタ233を透過してコリメータ132で受光され、カプラ102を経由して撮影光学系106へ導かれる。
[撮像方法]
(撮像手順)
本実施例において行われる測定光の深さ方向の合焦位置の変更操作と、合わせて行われる眼底上での測定光の走査との一例について、図8を参照して説明する。なお、図8の上段の実線は、一走査線上での測定光の照射位置の変化を示している。また下段の実線は、眼底の深さ方向での合焦位置の変化(合焦深度の制御状態)を示している。図8に示すように、本実施例では、眼底上における一走査線上に対して2回の測定光の走査(2回のBスキャン)を行うことで、一走査線上での所定数のAスキャン位置に対する測定光の照射が行われる。すなわち、同図に示すように、1回目のBスキャン時と2回目のBスキャン時とでは各々で実行されるAスキャンの位置が異なる。より詳細には、1回目のBスキャンで行われた各Aスキャン位置の間に、2回目のBスキャンにおける各Aスキャン位置が配置されている。
また、本実施例では、各々のAスキャン位置において、走査線上での測定光の照射位置を変えることなく、合焦位置のみを深さ方向において浅深の二つの位置で切り替えている。この例では、例えば任意単位である時間0から2の間に測定光の眼底上での照射位置は変わらず、眼底の浅い位置(0〜1)と深い位置(1〜2)とに合焦位置を変えて各々の深さ位置に合焦した状態での干渉信号を取得している。そして、次の時間2から4に至ると測定光の眼底上での照射位置が次の位置に変更され、その状態で更に眼底の浅い位置と深い位置の各々の深さ位置に合焦した状態での干渉信号の取得を行っている。以降、時間の経過と共に、9箇所の位置において、眼底の浅い位置と深い位置の各々の深さ位置に合焦した状態での干渉信号の取得が繰り返される。
例えば、第1の実施例において合焦位置が浅い位置と深い位置の2つの場合、一走査線に対する1Bスキャンにおいて、所定の数のAスキャン位置から合焦位置が浅い位置の断層データと深い位置の断層データとが得られる。これに対し、以上の本実施例での撮像手順によれば、同一の走査線に関して、得られる断層データに対してデータ数が半分の合焦位置が浅い位置での断層データ2組(2Bスキャン分)と、深い位置での断層データ2組(2Bスキャン分)とが得られる。以上の撮像手順と得られた断層データとの関係について、更に図9を参照して説明する。図9は測定光の合焦位置と一連の測定光の走査により得られる断層画像との関係を説明する図である。
図9(a)は、異なる深さの合焦位置に対して測定光900を合焦させてAスキャンを実行していく状態を模式的に示している。同図におけるx方向が走査方向であるBスキャン方向に対応し、z方向が深さ方向に対応している。また、z方向の矢印の原点側が網膜における浅い位置に、矢印の先側が深い位置に対応する。図に示す例では、被検眼140の眼底における網膜の断面905において、合焦位置となる平面が、浅い位置の平面901と深い位置の平面902として設定されている。測定光は、まず浅い位置の平面901における合焦位置903−1のx方向の原点側に合焦する状態で干渉信号を取得する。続いて、xy平面上において合焦位置903−1と重なる、深い位置の平面902上の合焦位置904−1に測定光を合焦させて干渉信号を取得する。この操作を各合焦位置903−1,904−1に対して、x方向の原点側から矢印の先側に向けて順次繰り返して行う。この一連の操作により、図9(b)に示す浅い位置の平面901に合焦して得られる断層画像913−1と深い位置の平面902に合焦して得られる断層画像914−1を生成するための干渉信号が得られる。
全ての合焦位置903−1,904−1における干渉信号の取得が終了すると、測定光は合焦位置903−2のx方向の原点側の位置に照射されるように制御される。そして、浅い位置の平面901と深い位置の平面902とに対して合焦位置903−2,904−2における干渉信号の取得が行われる。この操作を、各合焦位置903−2,904−2に対して、x方向の原点側から矢印の先側に向けて順次繰り返して行う。これらの操作によって、図9(b)に示す浅い位置の平面901に合焦して得られる断層画像913−2と深い位置の平面902に合焦して得られる断層画像914−2を生成するための干渉信号が得られる。断層画像913−1と断層画像913−2とはデータの取得位置が交互に配置されている。従って、これら断層画像の生成に供せられる断層データをこの配置に応じて再配列して画像生成を行うことによって、取得した断層画像913−1,913−2よりも高解像度の断層画像が得られる。
本実施例では、第1の実施例とは異なり、深さ方向での合焦位置の変更を波面補正デバイス236により行っている。波面補正デバイス236に用いる形状可変ミラーの変位応答速度は1[ms]〜数[ms]程度であり、同じAスキャン位置において連続的に合焦位置を変えて干渉信号を取得すると、第1の実施例と比較して撮像時間が長くなる。本実施例では、1Bスキャンに含まれるAスキャンの数を減らすことにより1Bスキャンに要する撮影時間を短縮している。そして、これにより、従来行われていた位置合わせを行うことなく、異なる深さの合焦位置からの断層データの位置合わせを可能としている。しかし、Aスキャンの数を減らすことによって、1Bスキャンより得られる断層画像は解像度や鮮明さに劣るものとなる。本実施例では、同一の走査線に対して、Aスキャンの位置を変えながら上述したBスキャンを繰り返して行って取得した断層データを合成することにより、高い解像度で鮮明な画像を得ることを可能としている。
(画像生成手順)
次に、本実施例におけるOCT装置2000を用い、上述した撮像方法にて取得する干渉信号から断層画像を生成する手順について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示した第1の実施例における画像生成の一連の処理において行われた各処理と類似する処理に関しては同じステップ番号を用いて示すこととし、ここでの説明は省略する。
断層画像のプレビュー時において、第1の実施例で行われた各処理に加え、本実施例では波面補正の開始の指示が行われる。すなわちステップS201にて、操作入力手段276より波面補正を実行する指示が入力されると、波面補正のフィードバック制御が開始される。この制御は、一連の干渉信号の取得が終了した時点で終了されてもよいし、操作入力手段176から終了指示が入力された時点で終了されてもよい。また、プレビューにおける合焦操作の終了に応じて、制御手段274により自動的にこの指示が入力されることとしてもよい。その後、ステップS103にて、ユーザーによる撮影開始の指示に応じて、制御手段274はフローをステップS202へ進め、本撮影のシーケンスへ移行させる。
ステップS202にて、制御手段274は本撮影における同一走査線でのBスキャンの繰り返しループを設定する。ループインデックスkが設定値r以下であれば、ループを実行する。具体的には、同一走査線をBスキャンする回数がr回に対してk=1回目のBスキャンを実行する設定を行う。Bスキャン実行のループが設定されると、制御手段274はフローを次のステップS104に進める。ステップS104では、第1の実施例の場合と同様に、制御手段274は、当初照射位置(Aスキャンの実行位置)への測定光の照射と、続くステップS105での当初の合焦位置への測定光の合焦操作とを実行させる。
以降、1回のBスキャンが終了する毎に、ステップS203にて、制御手段274により予定された全てのBスキャンが終了したか否かが判断される。k=rとなりr回全てのBスキャンが終了していない場合、制御手段274はフローをステップS202に戻してkの回数を増やし、残りのBスキャンを実行する。図8或いは9に示した例の場合であれば、2回目のBスキャンが終了していない場合には、最初のBスキャン時に行われたAスキャンの実行位置各々の中間位置でのAスキャンから構成されるk=2回目のBスキャンが実行される。全てのBスキャンが終了したと判断されると、制御手段274はフローをステップS109に進める。
ステップS109及びS110では、取得された干渉信号を用い、図9(b)に例示した各断層画像の生成と、断層画像913−1及び断層画像914−1に例示される2つの断層画像の組み合わせから、合成画像が生成される。当該合成画像は、画像生成に用いた断層データの数が少なく、所謂荒い画像となっている。本実施例では、次のステップS204において、制御手段274は、これら荒い断層画像、若しくは該断層画像の元となる断層データを組み合わせ、最終画像として高精細な断層画像を生成する。これら処理の終了後、制御手段274はフローを進め、画像生成の処理を終了する。以上の処理を行うことにより、高い縦分解能と高い横分解能とを両立した高解像度の断層画像を得ることができる。なお、本実施例では、1Bスキャンで得た画像を合成した後、更にこれら合成済み画像から最終的な高解像度画像を生成している。しかし、高解像度画像の生成順はこれに限られず、先に同じ深さ位置に合焦して得られた断層画像を合成して高解像度な画像を得ておき、これら画像より合焦位置に応じた部分画像を抽出してこれらを合成して最終画像としてもよい。
なお、図8或いは9に例示した1Bスキャンでは、含まれるAスキャンの数が数個にとどまっている。しかし、実際には1Bスキャンには通常数百個のAスキャンが含まれており、隣り合うAスキャンの間隔は非常に小さくなっている。従って、例えば図9(a)における合焦位置903−1より得られる断層データと合焦位置903−2より得られる断層データとは、ほぼ同一のデータ群と考えられる。従って、例えば一走査線に対する全てのBスキャンの終了までに前述した固視微動等が無視できない経過時間を要した場合であっても、個々のBスキャン同士で位置合わせを行うことにより、この経過時間の影響を低減することができる。また、その際の位置合わせには、一枚の断層画像中の明確な特徴部分を用いられることから、上述した位置合わせに好適な対象物が画像中に存在しないといった課題も考慮する必要がなくなる。
上述したように、本実施例によれば、より高速に且つ深さ方向の複数の位置に合焦した断層画像を取得・生成することが可能となる。また、第1の実施例のように合焦位置を高速で変更可能な可変焦点レンズモジュールを用いることなく、従来よりある補償光学系を用いてより高速に且つ深さ方向の複数の位置に合焦した断層画像を取得・生成することが可能となる。なお、上述した実施例では、一走査線に対して2回のBスキャンを実行して干渉信号を取得する場合について述べている。しかし、Bスキャンの回数はこれに限られず、例えば1Aスキャンにおいて合焦位置を変更しつつ干渉信号を取得する際の時間に応じて、更に増加させてもよい。求められる画像の精細度や、許容される撮像時間にもよるが、Bスキャン回数の増加によって、1Aスキャンに許容される時間を変えることができ、波面補正デバイスに対する即応性等の要求を下げることができる。以上により、眼の固視微動による画像劣化の影響を抑制し、上述した位置合わせに関する課題を考慮することなく、歪みの少ない高精度な眼底画像を生成することが可能となる。
なお、第2の実施例における波面補正デバイスに加えて第1の実施例における可変焦点レンズモジュールを配し、該可変焦点レンズモジュール用いて合焦位置の変更を行ってもよい。また、深さ方向の測定光の合焦位置をある程度以上の速度で変更可能であれば、公知の更なる合焦位置の変更手段を用いることが可能である。第2の実施例における1回目のBスキャンより得られる干渉信号から生成した断層画像をプレビューに用いてもよい。また、以上に述べた実施例では断層データから断層画像を生成し、該断層画像を用いて合成画像や最終的な表示画像を生成することとしている。しかし、断層データを表示画面における対応する各画素の例えば画素値として配置し、これら表示画面上に配置される断層データをそのまま用いて部分画像用のデータの抽出、合成画像用のデータの生成等を行ってもよい。この場合、ここで述べる画素値は、ユーザーが最終的に観察する各種処理が施された後の断層画像を構成する断層データに対応する。
上述した本実施例に係るOCT装置(光断層撮像装置)は、その一態様として、測定光の1Bスキャンが終わった後に、測定光を同一走査線上で再び走査させるBスキャンを行う。その際、最初のBスキャンを行った際におけるAスキャン位置とは異なるAスキャン位置から、深さの異なる合焦位置の各々に対応する断層データを取得する。制御手段174はこの動作に対応するように、走査手段及び合焦手段を制御する。また、画像生成に際しては、最初のBスキャンにより得られた断層データと、同じ走査線上で後に行われたBスキャンより得られた断層データとを合成して、このBスキャンが行われる範囲に対応する合成された断層データが生成される。また、この制御手段174により実行される測定光の走査及び合焦に関する工程は、OCT装置の制御方法に係る発明の一態様を構成する。
更に、本実施例では、合焦手段により合焦位置の変更速度によっては、先のBスキャンと後のBスキャンとにおいて、固視微動等の影響で干渉信号の取得位置にズレが生じる場合が考えられる。従って、断層データの合成に際し、制御手段174は、先のBスキャンより得られた断層データの走査線に沿った断面での配置と、後のBスキャンにより得られた断層データの走査線に沿った断面での配置とを位置合わせするとよい。なお、実施例ではBスキャンが2回の場合について述べているが、Bスキャン回数は合焦位置の変更速度に応じて、その回数を更に増やしてもよい。
また、本実施例では、OCT装置として、戻り光の波面を測定する波面センサーと、測定された波面を補正する波面補正デバイスと、を備えたAO−OCT装置を例示している。この場合、波面補正デバイスを合焦手段として用いることができる。しかし、合焦手段として用いる構成は波面補正デバイスに限定されない。すなわち、上述した合焦位置の変更速度が所定値以上であって、1Bスキャン中にAスキャン位置の位置ズレを考慮する必要性が小さくなる速度を有する合焦手段であれば、本実施例において用いることができる。
[第3の実施例]
以下に図11〜13を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例では、第1の実施例で説明した装置構成からなるOCT装置1000を用いることとし、ここでの装置構成に関する説明については省略する。本実施例では、第1及び第2の実施例とは異なり、測定光の照射位置を固定した状態で(1Aスキャン位置において)深さ方向の合焦位置を変更するのではなく、照射位置の変更と深さ方向の合焦位置の変更とを同時に行うこととしている。そして、1Bスキャンの間に得られた複数の合焦位置中の同一合焦位置から得た複数の断層データのセット各々より得た断層画像を合成することにより、高解像度で鮮明な画像を得ている。
[撮影方法]
図11に示される駆動波形601は、Xガルバノミラー137−1を制御するガルバノ駆動波形の例であり、ステップ状に変化する印加電圧に応じて、測定光の照射位置が眼底における走査線上を順次移動する。また、駆動波形602は、深さ方向において設定した合焦位置F1〜F4に順次測定光を合焦させるために可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に与えられる電圧波形である。合焦位置F1〜F4は、例えば上述したオフセット電圧0,ΔV,2ΔV,3ΔVにおいて得られる深さ方向の各合焦位置に対応する。すなわち、測定光の各照射位置に対応する駆動波形601の各ステップの変更に対応して、合焦位置F1〜F4各々位置に測定光が合焦位置を変更するように可変焦点レンズモジュール135−1,135−2を制御している。なお、干渉信号の取得は、これら合焦位置F1〜F4の変更に同期して各合焦位置で行われる。また、駆動波形601に示されるように、ガルバノ駆動手段182によるXガルバノミラー137−1に対するステップ状の駆動電圧の印可は、一走査線での測定光走査の終了まで継続して実行される。そして、全ての測定光の照射位置のからの干渉信号の取得を終えると、ガルバノ駆動手段182は駆動電圧を最初のステップ値に戻す。
図11に示すように、本実施例でのOCT装置1000は、例えばXガルバノミラー137−1の駆動による走査位置のオフセットと、可変焦点レンズモジュール135−1,135−2による合焦位置のオフセットとを同時に実行する。すなわち、フォーカス駆動手段181によって任意の深さ位置に合焦させて干渉信号を取得する毎に、ガルバノ駆動手段182を制御して測定光の照射位置をオフセットする。このようにして取得する干渉信号の中からは、同じ合焦条件、すなわち同じ深さに合焦して得られた干渉信号を抽出できる。当該干渉信号より生成される断層データ群の各々は、一定の周期で走査位置がオフセットしていることから、互いに走査方向に対して補間関係にある。
図11では、深さ方向で異なる4つの合焦位置を切り替えながら断層データを得る場合について例示している。ここで、第1の実施例の場合と同距離の走査範囲を同オフセット距離のステップで走査する場合、第1の実施例と比較して、断層データを取得する際の走査方向のAスキャン位置間隔は4倍となり、Aスキャン数は1/4となる。従って、得られた断層データより生成する断層画像の解像度は1/4倍に落ちる。しかし、高速に断層画像が取得可能であるため、例えば同一走査線より反復的に断層データ群を取得する際には各Bスキャンより取得した断層データ群間の取得時間の差が小さくなる。従って、図示の例の場合、時間的に連続する4枚の断層画像の合成により第1の実施例の場合と同等の解像度の断層画像が得られ、その際の断層データ群間での位置合せ精度の向上を図ることができる。
更に、当該実施形態の変形例として、第1の実施例と等距離の走査範囲を1/4倍のオフセット距離で走査して、且つAスキャン位置毎に深さ方向の合焦位置を変更してもよい。これにより、1Bスキャンにより得られる断層データの総数を第1の実施例において取得する断層データの総数と等倍にすることも出来る。この態様への変更は、図3で説明したステップ状に変化されるガルバノ駆動波形を、ステップと同勾配の直線状の駆動波形に変更することと実質的に等価である。従って、本実施例の場合、ステップ状の駆動波形の変わりに直線状の駆動波形を用いてガルバノ駆動手段を制御する態様も含む。なお、上述したように、本実施例では、深さ方向の合焦位置の異なる複数の断層データについて、一走査線上のその取得位置が走査方向に対してそれぞれガルバノ駆動波形に基づく既知のオフセット値を持つ。このため、各断層データより生成した断層画像の合成の際には、このオフセット分を補正してから合成処理を実行することとなる。
(画像生成手順)
次に、本実施例におけるOCT装置1000を用い、上述した撮像方法にて取得する干渉信号から断層画像を生成する手順について、図12のフローチャートを用いて説明する。なお、説明を簡単にするため、ここでは異なる合焦位置で取得された干渉信号を処理し、一枚の断層画像を合成する手順について説明する。同一位置の断層画像を繰り返し取得して加算画像を生成する場合や、複数位置の断層画像を取得して、ボリューム画像を生成する場合は、以下に説明する手順を繰り返し実行すれば良い。また、図4に示した第1の実施例における画像生成の一連の処理において行われた各処理と類似する処理に関しては同じステップ番号を用いて示すこととし、ここでの説明は省略する。
断層画像のプレビュー時において、第1の実施例で行われたステップS101及びステップS102での処理は、第1の実施例と同様に実行される。そしてステップS103にて撮影開始の指示を受け、制御手段174はフローをステップS104へ進め、本撮影のシーケンスが開始される。なお、本実施例では深さ方向の合焦位置設定と走査方向でのAスキャン位置設定とは同じタイミングで実行されるため、フローにおいてi及びjは同時に更新されることとなる。
ステップS305にて、制御手段174は、例えば検者によって事前に設定される深さ方向のn点の合焦位置に対して、設定インデックスjを割り当て、更新する。本実施例では、第1の実施例と異なり、フォーカス制御は独立したループ処理ではなく、ステップS104にて設定されたガルバノミラーの駆動ループ(Aスキャン位置の移動)に連動して合焦位置の設定インデックスjを更新する。
ステップS306にて、制御手段174は合焦位置の設定インデックスjが設定したn以下であるかを判定する。jがn以下の場合まだBスキャンが終了していないため、制御手段174はフローを次のステップS308へ進める。しかし、例えば図11に示した例の場合、jの最大値は4であり、測定点数iより小さいためにiとは独立して更新する必要がある。よって、ステップS306にてjがnより大きいと判断された場合、制御手段174はフローをステップS307へ進めてインデックスjに1を割り当てた後、更にフローを次のステップS308へ進める。これにより変数jは変数iとは同じタイミングで更新がされるが、合焦位置については再度F1に対応した深さ位置からの更新が行われることとなる。
ステップS308では、制御手段174はフォーカス駆動手段181を制御し、合焦位置の設定インデックスjに基づいて測定光の合焦位置をオフセットさせる。以降では、第1の実施例で述べた、ステップS106での設定された合焦位置からの干渉信号の取得、以上に述べた設定の更新と干渉信号の取得の繰り返しが実行される。以上の処理により各合焦位置での干渉信号が取得された後、制御手段174は、フローをステップS109からS310に進める。
上述したように、ステップS310では、信号処理手段173は、各々の合焦位置より得た断層データ群より複数の断層画像を生成する。その後、信号処理手段173は更に、ガルバノミラーの駆動ステップ量に応じて、生成した複数の断層画像を走査方向にオフセットした後にこれら断層画像を合成する。断層画像の合成に際しては、例えば、図11に示す波形に基づいて干渉信号を取得する場合、合焦位置F1から構成される断層画像をリファレンス画像とする。このリファレンス画像に対して合焦位置F2から構成される断層画像を位置合せするには、ガルバノミラーの1ステップ分に相当するオフセット量だけ合焦位置F2の断層画像をシフトさせればよい。同様に、合焦位置F3の断層画像は2ステップ分、合焦位置F4の断層画像は3ステップ分のオフセット量だけリファレンス画像にたいしてシフトさせ、その後にこれら断層画像を合成する。以上の処理を行うことで、全ての断層画像の相対位置の差分を無くすことが出来る。
なお、同一走査線を反復的に走査して加算画像を生成する場合や、脱相関値を計算して血流画像を生成する場合は、異なる合成済みの断層画像間で従来通り位置合せを実行する。この時、位置合せに用いる断層画像は、同じ合焦深さの条件にて取得した断層画像を用いてもよいし、合成済みの断層画像を用いてもよい。図13は、このように同一走査線からの干渉信号を反復的に取得する場合にXガルバノミラー137−1に印加される駆動波形と可変焦点レンズモジュール135−1,135−2に印加される駆動波形とを示している。この場合、波形801〜803に対応して同一走査線上からで測定光を走査する際に、走査線上で同じ照射位置で且つ同じ合焦深さとなる合焦条件にて取得した信号同士で位置合せを実行する。
図13の例では、合焦位置F1で取得した断層データに基づく断層画像を用いて位置合せを行っており、合焦位置F1に関して得られたオフセット値をその他の合焦位置より生成した断層画像の位置合せに適用しても良い。また、各々の合焦位置より得た断層画像同士で位置合せを行い、個別にオフセット値を算出し、得られたオフセット値の平均値や中央値を全画像に対するオフセット値として選択してもよい。
上述したように、本実施例によれば、より高速に且つ深さ方向の複数の位置に合焦した断層画像を取得・生成することが可能となる。また、上述したように、本実施例で得られた干渉信号より生成される断層データ群の各々は、一定の周期で走査位置がオフセットしていることから、互いに走査方向に対して補間関係にある。従って、複数の断層画像の位置合せに際して、従来の特徴点を抽出・探索する位置合せ手法を用いる必要が無いため、容易且つ高精度に合成画像を生成することが可能となる。
上述したように、本実施例において、制御手段174は、複数の合焦位置の何れかより断層データを取得した後に、ガルバノ駆動手段182によりガルバノミラー137−1,137−2を制御して走査線上の測定点の位置を変更する。より詳細には、1Aスキャン位置において1合焦位置から断層データを取得後、Aスキャン位置と共に合焦位置も変更する。その後、制御手段174は、生成手段として、得られた断層データから複数の合焦位置における同一の合焦位置より得られた断層データを選択して、断層データ群(グループ)を生成する。
制御手段174は、画像生成手段として、この断層データ群の各々を用いて部分的に高解像な断層画像を生成する。また、図13に示したように、制御手段174は、測定光を走査線上で時間的に連続して複数回走査することで得られた断層データを取得する。その後、複数の合焦位置における同一の合焦位置より得られた断層データを選択して、上述した断層データ群を生成する。
なお、上述した実施例では、OCT装置1000,2000として、SLDを光源として用いたスペクトラルドメインOCT(SD−OCT)装置について述べたが、本発明によるOCT装置の構成はこれに限られない。例えば、出射光の波長を掃引することができる波長掃引光源を用いた波長掃引型OCT(SS−OCT)装置等の他の任意の種類のOCT装置にも本発明を適用することができる。
また、本実施例では、分割手段としてカプラを使用したファイバ光学系を用いているが、コリメータとビームスプリッタを使用した空間光学系を用いてもよい。また、OCT装置1000等の構成は、上述した構成に限られず、OCT装置1000等に含まれる構成の一部をOCT装置1000等と別体の構成としてもよい。
また、本実施例では、OCT装置の干渉光学系としてマイケルソン干渉計の構成を用いているが、干渉光学系の構成はこれに限られない。例えば、OCT装置の干渉光学系はマッハツェンダー干渉計の構成を有していてもよい。
更に、上述した実施例では、被検査物として被検眼の眼底(網膜)を用いた場合を例示しているが、被検査物はこれに限定されない。検査の対象は、前眼部、被検者の皮膚等出あってもよく、本発明はOCT装置の特性を利用する例えば内視鏡等にも適用可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施例及び変形例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
101:光源、 102:カプラ、 103:測定光学系、 105:参照光学系、 106:撮影光学系、 135−1,135−2:可変焦点レンズモジュール、 137−1,137−2:ガルバノミラー、 236:波面補正デバイス、 174,274:制御手段

Claims (17)

  1. 測定光を照射した被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した合波光を用いて、前記被検査物の断層データを生成する生成手段と、
    前記測定光を前記被検査物上で走査する走査手段と、
    前記被検査物における深さの異なる複数の合焦位置に前記測定光を合焦させる合焦手段と、
    前記測定光を前記被検査物上の走査線上で一走査する際に、前記複数の合焦位置の各々への前記測定光の合焦を複数回実行し、前記生成手段が前記複数の合焦位置の各々に対応する複数の断層データを得られるように、前記走査手段及び前記合焦手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする光断層撮像装置。
  2. 前記制御手段は、前記測定点の各々において、前記複数の合焦位置の前記深さの方向における順序に応じて順次合焦するように前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の光断層撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記測定光の前記一走査が終わった後に、前記測定光を前記走査線上で再び走査させて、前記測定光を前記一走査した際の前記測定点とは異なる位置の測定点から、前記複数の合焦位置の各々に対応する断層データが得られるように、前記走査手段及び前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層撮像装置。
  4. 前記生成手段は、前記測定光の前記一走査により得られた断層データと、前記走査線上を前記測定光で再び走査して得られた断層データとを合成して前記一走査が行われる範囲に対応する合成された断層データを生成することを特徴とする請求項3に記載の光断層撮像装置。
  5. 前記断層データの合成に際し、前記生成手段は、前記測定光の前記一走査により得られた断層データの前記走査線に沿った断面での配置と、前記走査線上を前記測定光で再び走査して得られた断層データの前記走査線に沿った断面での配置とを位置合わせすることを特徴とする請求項4に記載の光断層撮像装置。
  6. 前記制御手段は、前記複数の合焦位置の何れかより前記断層データを取得した後に、前記走査手段を制御して前記走査線上の測定点を変更することを特徴とする請求項1に記載の光断層撮像装置。
  7. 前記生成手段は、前記得られた断層データから前記複数の合焦位置における同一の合焦位置より得られた断層データを選択して前記断層データのグループを生成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光断層撮像装置。
  8. 前記生成手段は、前記測定光を前記走査線上で時間的に連続して複数回走査することで得られた断層データにおいて、前記複数の合焦位置における同一の合焦位置より得られた断層データを選択して前記断層データのグループを生成することを特徴とする請求項7に記載の光断層撮像装置。
  9. 前記生成手段は、前記生成されたグループ間において、前記深さの方向で対応する合焦位置より得られた断層データを所定の基準に基づいて比較し、比較結果に応じて画像生成に用いる断層データを選択することを特徴とする請求項7に記載の光断層撮像装置。
  10. 前記断層データのグループの各々を用いて、前記走査線に沿った対応する複数の断層画像を生成し、前記複数の断層画像を合成して、合成画像を生成する画像生成手段を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の光断層撮像装置。
  11. 前記画像生成手段は、前記複数の断層画像の各々において合焦位置を中心とする所定の深さ範囲の部分画像を抽出し、前記部分画像と前記部分画像が抽出されていない断層画像とを用いて前記合成画像を生成することを特徴とする請求項10に記載の光断層撮像装置。
  12. 前記合焦手段は、焦点距離を変更可能な可変焦点レンズであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光断層撮像装置。
  13. 前記合焦手段は、前記測定光を2つの偏光に分離する偏光ビームスプリッタと、分離された前記偏光の合焦位置を各々変更する2つの電気光学素子と、前記電気光学素子を経た偏光を合波する偏光ビームスプリッタと、を備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光断層撮像装置。
  14. 前記戻り光の波面を測定する波面センサーと、前記測定された波面を補正する波面補正デバイスと、を更に備え、
    前記合焦手段は、前記波面補正デバイスにより構成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光断層撮像装置。
  15. 前記断層データを用いて前記被検査物の断層画像を生成する画像生成手段を更に備え、
    前記画像生成手段は、前記複数の合焦位置における各々の合焦位置から得られた断層データを用いて生成した断層画像の位置合せをして合成画像を生成し、前記位置合わせに際して前記断層画像の各々のコントラストを調整することを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の光断層撮像装置。
  16. 測定光を照射した被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した合波光を用いて、前記被検査物の断層データを生成する生成手段と、
    前記測定光を前記被検査物上で走査する走査手段と、
    前記被検査物における深さの異なる複数の合焦位置に前記測定光を合焦させる合焦手段と、を備えた光断層撮像装置の制御方法であって、
    前記測定光を前記被検査物上の走査線上で一走査する際に、前記複数の合焦位置の各々への前記測定光の合焦を複数回実行し、前記生成手段が前記複数の合焦位置の各々に対応する複数の断層データを得られるように、前記走査手段及び前記合焦手段を制御する工程を含むことを特徴とする光断層撮像装置の制御方法。
  17. 請求項16に記載の光断層撮像装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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