初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各ブロック図のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インターフェイスも同様である。
上記の通り、状況に応じて、異なるエリアの通信環境を、容易に改善することに貢献する通信制御システムが望まれる。
そこで、一例として、図1に示す通信制御システム1000を提供する。通信制御システム1000は、移動体1010と、制御装置1020とを備える。制御装置1020は、移動体1010を制御する。制御装置1020は、行動情報取得部1021と、記憶部1022と、得点変更部1023と、移動先決定部1024とを備える。
移動体1010は、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する機能を備える。例えば、移動体1010は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント機能を備えてもよい。例えば、移動体1010は、無人飛行装置(所謂、「ドローン」)、飛行船、自動車、自転車、ユーザの携帯端末等を含む。
人(大衆)の行動は、様々な要因に影響されて変動する。所定のエリア内における人の行動が変動することで、所定のエリア内における通信量は変動し得る。そこで、制御装置1020は、所定のエリア内における人の行動に影響する情報(エリア内に存在する人の数を、直接的に示さない情報を含む)を、総合的に評価して、通信環境の改善が必要なエリアを決定する。
具体的には、行動情報取得部1021は、所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する。ここで、行動情報は、所定のエリア内における人の行動に影響する(影響を与える)情報であればよく、エリア内に存在する人の数を、直接的に示さない情報であってもよい。例えば、行動情報は、対応するエリアの天候に関する情報であってもよい。
記憶部1022は、エリア毎に評価得点を管理する。得点変更部1023は、複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の評価得点を変更する(増減させる)。移動先決定部1024は、評価得点に基づいて、移動体1010が移動する目的地となるエリア(以下、移動先エリアと呼ぶ)を決定し、移動体1010に、移動先エリアへの移動を指示する。つまり、制御装置1020は、複数の種類の情報を、総合的に評価することで、通信環境の改善が必要なエリアを決定し、移動体1010に、そのエリアへの移動を指示する。
上記の通り、移動体1010は、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する機能を備える。そのため、移動体1010は、指示された移動先エリアへ移動し、近傍の基地局から電波を受信することで、移動先エリア内において、通信エリアを形成する。移動体1010は、移動先エリアにおいて、新たな通信エリアを形成することで、移動先エリアの通信環境を改善することに貢献する。従って、通信制御システム1000は、状況に応じて、異なるエリアの通信環境を、容易に改善することに貢献する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る通信制御システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。通信制御システム1は、移動体(100a、100b、100c)と、制御装置200と、行動情報データベース300とを含んで構成される。以下の説明では、移動体(100a、100b、100c)を、夫々、区別する必要がない場合には、移動体100と表記する。なお、図2は、3つの移動体(100a、100b、100c)を示すが、これは、移動体100の数を3つに限定する趣旨ではない。通信制御システム1は、1又は2、あるいは4つ以上の移動体100を含んで構成されてもよいことは勿論である。図2は、本実施形態に係る通信制御システム1の一例であり、図2に示す形態に限定する趣旨ではない。
制御装置200は、移動体100を制御する情報処理装置(コンピュータ)である。制御装置200は、無線ネットワーク30を介して、移動体100と接続する。
制御装置200は、所定のエリア内における人の行動に関係する、複数の種類の行動情報に応じて、移動体100の移動先エリアを決定する。さらに、制御装置200は、決定した移動先エリアへの移動を、移動体100に指示する。
無線ネットワーク30は、インターネット、LAN(Local Area Network)等であってもよい。ネットワークは各種の方式が存在するが、その詳細は問わない。
移動体100は、通信を中継する手段を備える、無人飛行装置(所謂、「ドローン」)、飛行船、自動車、自転車等である。移動体100は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント機能を備えて構成されてもよい。例えば、移動体100は、WiFi(Wireless Fidelity)のアクセスポイント機能を備えて構成されてもよい。移動体100は、通信を中継する手段を備える可動物体であれば、その詳細は問わない。
さらに、移動体100は、自身の位置情報を取得する手段を備える。例えば、移動体100は、GPS(Global Positioning System)機能を備えてもよい。
行動情報データベース300は、複数のエリアから、各エリア内における人の行動に影響する(影響を与える)、複数の種類の行動情報を格納する。行動情報は、複数のエリアから収集された、各エリア内における人の行動に影響する情報である。
制御装置200とは異なる装置(コンピュータ)が、行動情報データベース300を備えてもよい。その場合、制御装置200とは異なる装置が、複数のエリアから行動情報を収集し、収集した行動情報を、行動情報データベース300に登録してもよい。
または、制御装置200は、行動情報データベース300を含んで構成されてもよい。その場合、制御装置200が行動情報を収集し、行動情報データベース300に、収集した行動情報を登録してもよい。
例えば、行動情報データベース300は、図2に示すエリア10a、10bから収集された、複数の種類の行動情報を格納するとする。そして、制御装置200は、行動情報データベース300に格納される、行動情報に応じて、移動体100の移動先エリアを決定する。
制御装置200が、エリア10aを移動先エリアとして決定した場合、移動体100は、エリア10a内に移動する。エリア10a内に移動した移動体(即ち、図2に示す移動体101a)は、基地局20a(電波を受信可能な位置に存在する基地局)から電波を受信し、通信エリア11aを形成する。移動体101aは、通信エリア11aを形成することで、エリア10aの通信環境を改善することに貢献する。
同様に、制御装置200が、エリア10bを移動先エリアとして決定した場合、移動体100は、エリア10b内に移動する。エリア10b内に移動した移動体(即ち、図2に示す移動体101b)は、基地局20b(電波を受信可能な位置に存在する基地局)から電波を受信し、通信エリア11bを形成する。移動体101bは、通信エリア11bを形成することで、エリア10bの通信環境を改善することに貢献する。
なお、移動体100は、移動先エリアの外部の基地局から電波を受信してもよい。または、移動体100は、移動先エリアの内部の基地局から電波を受信してもよい。なお、図2は、本実施形態に係る通信制御システム1の一例であり、エリア10a、10b、基地局20a、20b、通信エリア11a、11bの位置及び範囲を、図2に示す形態に限定する趣旨ではない。
次に、図3を参照しながら、移動体100、制御装置200、行動情報データベース300についてより詳細に説明する。
移動体100は、通信中継部110と、位置情報取得部120を含んで構成される。通信中継部110は、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する。位置情報取得部120は、自身の位置情報を取得する。なお、移動体100は、図3に図示しないハードウェア、ソフトウェアを含んで構成されてもよいことは勿論である。
行動情報データベース300は、複数(2以上)のエリアに対応する、行動情報310を格納する。具体的には、行動情報データベース300は、対応するエリアを示す位置情報と、行動情報310の種類と、行動情報310の内容とを対応付けて格納する。
行動情報310は、対応するエリアの監視情報、対応するエリアにおけるイベント情報、ユーザの行動予定情報、気象情報の少なくともいずれかを含む。つまり、行動情報310の種類は、対応するエリアの監視結果に関する情報、対応するエリアにおけるイベント情報、ユーザの行動予定に関する情報、気象に関する情報の少なくともいずれかを含む。
上記の通り、制御装置200とは異なる、1又は2以上の装置が、複数(2以上)の行動情報源400から、行動情報310を収集し、行動情報データベース300に、収集した行動情報310を格納してもよい。または、制御装置200が、複数の種類の行動情報源400から、行動情報310を収集し、行動情報データベース300に、収集した行動情報310を格納してもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜上、制御装置200が、複数のエリアから、行動情報310を収集する形態を例示して説明する。
行動情報源400は、対応するエリアで開催されるイベントに関する、イベント情報401を含んでもよい。イベント情報401は、イベントの開催日時、イベントの過去動員数等を含む。その場合、制御装置200は、イベント情報401から、イベントの開催日時、イベントの過去動員数等を抽出し、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、エリアの位置情報と、行動情報の種類(イベントに関する情報)と、行動情報の内容(イベントの開催日時、イベントの過去動員数等)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
行動情報源400は、気象情報402を含んでもよい。気象情報402は、対応するエリアの通信改善が必要な時刻における、当該エリアの天候(天気、降水確率、風力等)に関する情報を含む。その場合、制御装置200は、気象情報402から、対応するエリアの通信改善が必要な時刻における、当該エリアの天候(天気、降水確率、気温、風力等)に関する情報を抽出し、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、エリアの位置情報と、行動情報の種類(気象に関する情報)と、行動情報の内容(天気、降水確率、気温、風力等)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
行動情報源400は、対応するエリアに設置された、監視カメラ403を含んでもよい。その場合、制御装置200は、監視カメラ403が撮影した画像を解析し、対応するエリア内における、人の密度、人数、人の移動量、人の移動方向の少なくともいずれかを推定する。
また、行動情報源400は、対応するエリアに設置された、人感センサ404を含んでもよい。その場合、制御装置200は、人感センサ404の検出結果に基づいて、対応するエリア内における、人の密度、人数、人の移動量、人の移動方向の少なくともいずれかを推定する。
制御装置200は、人の密度、人数、人の移動量、人の移動方向等を、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、エリアの位置情報と、行動情報の種類(監視結果に関する情報)と、行動情報の内容(人の密度、検出人数、人の移動量、人の移動方向等)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
行動情報源400は、対応するエリアに設置された、固定アクセスポイント405を含んでもよい。その場合、制御装置200は、固定アクセスポイント405の通信アクセス量(例えば、通信パケット数等)を、固定アクセスポイント405から取得する。そして、制御装置200は、取得した通信アクセス量を、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、エリアの位置情報と、行動情報の種類(通信環境に関する情報)と、行動情報の内容(通信アクセス量)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
行動情報源400は、ユーザ406を含んでもよい。その場合、制御装置200は、ユーザが自身の携帯端末を用いて入力した、目的地に関する情報を、ユーザの行動予定情報として取得する。そして、制御装置200は、取得したユーザの行動予定情報を、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、目的地の位置情報と、行動情報の種類(ユーザの行動予定に関する情報)と、行動情報の内容(ユーザを識別する情報、目的地名)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
例えば、通信制御システム1を提供する事業者は、観光地に関する情報、イベントに関する情報を提示するアプリケーションを提供してもよい。当該アプリケーションのユーザ406(例えば、観光客等)は、そのアプリケーションを利用し、目的地を選択する。制御装置200は、ユーザが選択した目的地の位置情報と、行動情報の種類(ユーザの行動予定に関する情報)と、行動情報の内容(目的地名)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
行動情報源400は、交通情報407を含んでもよい。交通情報407は、対応するエリアにおける、交通(道路、公共交通機関等)の混雑度を示す情報(以下、混雑レベルと呼ぶ)を含む。その場合、制御装置200は、交通情報407から、当該エリアにおける、交通の混雑レベルを抽出し、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。具体的には、制御装置200は、エリアの位置情報と、行動情報の種類(交通に関する情報)と、行動情報の内容(交通の混雑レベル)とを対応付けて、行動情報310として、行動情報データベース300に登録する。
なお、上記の行動情報源400は一例であり、人の行動に関係する情報を取得可能であれば、本実施形態に係る通信制御システム1は、異なる種類の情報を、行動情報源400として利用してもよいことは勿論である。
制御装置200は、通信部210と、基礎点設定部220と、行動情報取得部230と、得点変更部240と、移動先決定部250と、記憶部260とを含んで構成される。
制御装置200の各モジュールは、制御装置200に搭載されたコンピュータに、そのハードウェアを用いて、制御装置200に動作を実行させるコンピュータプログラムにより実現してもよい。
通信部210は、無線ネットワーク30を介して、移動体100と通信する。通信部210は、NIC(Network Interface Card)を用いて実現してもよい。
記憶部260は、制御装置200を動作させるために必要な情報を記憶する。具体的には、記憶部260は、エリア毎の評価得点を管理(記憶)する。さらに、記憶部260は、規則データベース261を格納する。規則データベース261は、行動情報の種類と、行動情報の内容と、算出規則とを対応付けて格納する。ここで、算出規則とは、行動情報の種類毎に、行動情報に応じた評価得点を算出するための規則である。記憶部260は、磁気ディスク装置や光ディスク装置、半導体メモリによって実現される。
基礎点設定部220は、エリア毎に、過去の通信実績に応じて基礎点を設定する。具体的には、基礎点設定部220は、過去の通信実績が低いエリアほど、基礎点を高く設定する。基礎点設定部220は、所定の時間間隔で、各エリアに対応する基礎点を更新してもよい。
行動情報取得部230は、所定のエリアに関する複数(2以上)の種類の行動情報を、エリア毎に取得する。具体的には、行動情報取得部230は、行動情報データベース300から、エリア毎に、複数(2以上)の種類の行動情報310を取得する。
得点変更部240は、複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の評価得点を変更する(増減させる)。具体的には、得点変更部240は、規則データベース261を参照し、行動情報310の種類に対応する算出規則に基づいて、行動情報310に応じて、評価得点を変更する。
さらに、得点変更部240は、エリア毎に、基礎点に応じて評価得点を変更する(増減させる)。例えば、得点変更部240は、エリア毎に、基礎点を評価得点に加算(又は乗算、減算、除算等)してもよい。
図4は、規則データベース261の一例を示す図である。図4に示す規則データベース261は、行動情報310の種類と、行動情報310の内容と、算出規則とを対応付けて格納する。なお、図4は、規則データベース261の一例であり、規則データベース261が格納する情報(算出規則を含む)を、図4に示す情報に限定する趣旨ではない。
例えば、エリア10aに関して、行動情報310の種類「イベントに関する種類」及び、行動情報310の内容「過去動員数:10000人」を含む行動情報310を、行動情報取得部230は取得したとする。その場合、得点変更部240は、当該行動情報310の種類「イベントに関する種類」に対応する、エリア10aに関する評価得点として、1000点を算出する。
また、図4に示すように、規則データベース261は、行動情報310の種類「ユーザの行動予定に関する情報」に関して、「ユーザ毎に目的地に関して1点を加算」との算出規則を格納してもよい。
例えば、100人のユーザが行動予定として「エリア10a」を目的地として指定したとする。その場合、得点変更部240は、図4に示す規則データベース261を参照し、エリア10aに関する評価得点として、100点を加算する。つまり、得点変更部240は、目的地に関する情報に基づいて、目的地に関する評価得点を変更する。
また、図4に示すように、規則データベース261は、行動情報310の種類「気象に関する情報」に関して、天候に応じて異なる算出規則を格納してもよい。例えば、図4に示すように、規則データベース261は、行動情報310の種類「気象に関する情報」に関して、「晴天」の場合には評価得点を増加させ、「雨天」の場合には評価得点を減少させる算出規則を格納してもよい。
同様にして、得点変更部240は、取得した行動情報310に応じて、算出規則に基づいて評価得点を変更する。さらに、得点変更部240は、エリア10aに対応する基礎点に応じて評価得点を変更する。
移動先決定部250は、評価得点に基づいて、移動体100に移動先エリアを指示する。具体的には、移動先決定部250は、評価得点が所定の条件(以下、移動先決定条件と呼ぶ)を満たすエリアを、移動先エリアとして決定する。そして、移動先決定部250は、決定した移動先エリアへの移動を、移動体100に指示する。
例えば、移動先決定部250は、評価得点が相対的に高いエリア(例えば、評価得点が、相対的に最も高いエリア)を、移動先エリアとして決定してもよい。また、例えば、移動先決定部250は、評価得点が所定の閾値を超えるエリアのうち、基礎点が、相対的に最も高いエリアを、移動先エリアとして決定してもよい。
基礎点設定部220、行動情報取得部230、得点変更部240、移動先決定部250は、CPU(Central Processing Unit)を用いて実現してもよい。
移動体100は、指示された移動先エリアに移動後、当該移動先エリア(以下、滞在エリアと呼ぶ)の通信環境状態(例えば、通信アクセス量)を、制御装置200に送信する。移動先決定部250は、移動体100の滞在エリアの通信環境状態に基づいて、他の移動体100に対して、当該滞在エリアへの移動を指示するか否かを判断する。
移動体100の滞在エリアの通信環境状態が、所定の条件(以下、通信環境条件と呼ぶ)を満たす場合には、当該滞在エリアの通信環境は良好である、と移動先決定部250は判断する。移動体100の滞在エリアの通信環境が良好である場合、他の移動体100に対して、当該滞在エリアへの移動を指示する必要はない、と移動先決定部250は判断する。
一方、移動体100の滞在エリアの通信環境状態が、所定の条件(通信環境条件)を満たさない場合、当該滞在エリアの通信環境の改善が必要な状態である、と移動先決定部250は判断する。移動体100の滞在エリアの通信環境の改善が必要な状態である場合、移動先決定部250は、他の移動体100に対して、当該滞在エリアへの移動を指示する。
次に、本実施形態に係る通信制御システム1の動作について説明する。なお、以下の説明では、行動情報データベース300に格納される、行動情報310に対応するエリアは、移動体100が移動可能な範囲のエリアであるものとする。
まず、図5を参照しながら、移動体エリアを決定する処理について説明する。なお、図5は、本実施形態に係る制御装置200の動作の一例であり、本実施形態に係る制御装置200の動作を、図5に示す処理に限定する趣旨ではない。
ステップS1において、基礎点設定部220は、エリア毎に基礎点を設定する。例えば、記憶部260は、エリア毎に、過去の通信実績に関する情報を記憶する。具体的には、記憶部260は、移動体100の移動予定時刻に対応する、過去の通信実績に関する情報(例えば、アクセス量の平均値等)を、エリア毎に記憶してもよい。そして、基礎点設定部220は、過去の通信実績が相対的に低いエリアに対して、基礎点を高く設定する。
ステップS2において、行動情報取得部230は、行動情報データベース300に格納された行動情報310に対応するエリアのうち、一のエリアを、評価対象エリアとして選択する。
ステップS3において、行動情報取得部230は、評価対象エリアに対応する、行動情報310を、行動情報データベース300から取得する。なお、上記の通り、行動情報データベース300は、対応するエリアを示す位置情報と、行動情報310の種類と、行動情報310の内容とを対応付けて格納するものとする。
ステップS4において、得点変更部240は、評価対象エリアに関して、行動情報の種類毎に、行動情報に応じて、算出規則に基づいて評価得点を変更する。
ステップS5において、得点変更部240は、評価対象エリアに関して、基礎点に応じて、評価得点を変更する。
ステップS6において、行動情報データベース300に格納された行動情報310に対応する、全てのエリアに関して、評価得点を算出したか否かを、得点変更部240は判断する。全てのエリアに関して、得点変更部240が評価得点を算出していない場合(ステップS6のNo分岐)には、行動情報取得部230は、他のエリアを評価対象エリアとして選択する(ステップS7)。つまり、行動情報取得部230は、評価対象エリアとして未選択のエリアを、次の評価対象エリアとして選択する。そして、S3に戻り、処理を継続する。
一方、全てのエリアに関して、得点変更部240が評価得点を算出した場合(ステップS6のYes分岐)には、移動先決定部250は、エリア毎の評価得点に基づいて、移動先エリアを決定する(ステップS8)。例えば、移動先決定部250は、評価得点が、相対的に最も高いエリアを、移動先エリアとして決定してもよい。
ステップS9において、移動先決定部250は、移動体に、移動先エリアへの移動を指示する。
次に、図6を参照しながら、移動体100の滞在エリアにおける、通信環境状態に基づいて、他の移動体100を、当該滞在エリアに移動させるか否かを判断する処理について、説明する。なお、図6は、本実施形態に係る移動体100及び制御装置200の動作の一例であり、本実施形態に係る移動体100及び制御装置200の動作を、図6に示す処理に限定する趣旨ではない。
ステップS101において、移動体100は、滞在エリアの通信環境状態を監視する。
ステップS102において、移動体100は、所定の時間間隔で、滞在エリアの通信環境状態に関する情報を、制御装置200に送信する。
ステップS103において、通信部210は、移動体100から、滞在エリアの通信環境状態に関する情報を受信する。
ステップS104において、移動体100の滞在エリアの通信環境状態が、所定の通信環境条件を満たすか否かを、移動先決定部250は判断する。移動体100の滞在エリアの通信環境状態が、所定の通信環境条件を満たす場合(ステップS104のYes分岐)には、移動体100の滞在エリアの通信環境状態は良好である、と移動先決定部250は判断する。一方、移動体100の滞在エリアの通信環境状態が、所定の通信環境条件を満たさない場合(ステップS104のNos分岐)には、移動体100の滞在エリアの通信環境状態は良好ではない、と移動先決定部250は判断する(ステップS106)。その場合、移動先決定部250は、移動体100の滞在エリアに、新たな移動体100を追加する(ステップS107)。つまり、移動先決定部250は、他の移動体100に対して、当該滞在エリアへの移動を指示する。
このようにして、制御装置200は、移動体100の滞在先エリアの通信環境状態が改善されるまで、当該滞在エリアに移動体100を移動させる。各移動体100の通信中継部110は、移動先エリア(滞在エリア)において、通信エリアを形成する。つまり、制御装置200は、同一のエリア内に、複数(2以上)の移動体100を移動させることで、通信環境状態を改善することに貢献する。
以上のように、本実施形態に係る通信制御システム1は、複数のエリアから、人の行動に関係する、複数の種類の行動情報を収集する。例えば、本実施形態に係る通信制御システム1は、対応するエリアにおける監視結果、対応するエリアにおけるイベント情報、ユーザの行動予定情報、気象情報等、異なる種類(異なる性質)の情報を、行動情報として収集する。そして、本実施形態に係る制御装置200は、異なる種類(異なる性質)の情報に基づいて、エリア毎に、評価得点(即ち、総合的な評価結果)を算出する。
制御装置200は、評価得点に基づいて、通信環境の改善が必要なエリアの有無を判断する。そして、制御装置200は、通信中継手段を備える移動体100を、通信環境の改善が必要なエリアに移動させる。移動体100が、通信環境の改善が必要なエリアに移動することで、そのエリアにおいて、通信エリアを形成する。従って、本実施形態に係る通信制御システム1は、状況に応じて、異なるエリアの通信環境を、容易に改善することに貢献する。
また、本実施形態に係る制御装置200は、各エリアにおける、過去の通信実績も考慮したうえで、評価得点を算出する。その結果、制御装置200は、現在の混雑予測と過去の通信実績とを考慮して、通信環境の改善が必要なエリアを特定できる。その結果、制御装置200は、適切なエリアに、通信中継手段を備える移動体100を移動させることができ、そのエリアの通信環境を容易に改善することに貢献する。
また、本実施形態に係る移動体100は、移動先エリアにおいて、通信環境状態を監視し、制御装置200に、通信環境状態を通知する。制御装置200は、移動体100から通知された、通信環境状態に関する情報に基づいて、移動体100の再配備(移動体100の追加を含む)を実行する。従って、本実施形態に係る通信制御システム1は、対象のエリアにおける通信環境を、容易且つ確実に改善することに貢献する。
[変形例1]
本実施形態に係る通信制御システム1の変形例1として、移動体100は、ユーザが使用する携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)であってもよい。その場合、当該携帯端末は、WiFiのテザリング機能を用いて、通信を中継してもよい。ユーザが使用する携帯端末を移動体100として利用する場合には、制御装置200は、契約した(登録した)ユーザに対して、携帯端末を所持して、決定した移動先エリアに移動するように指示する。ここで、通信制御システム1を提供する事業者は、制御装置200が決定した移動先エリアに、ユーザが移動した場合に、当該ユーザに対して付加価値(特別のサービス、ポイント等)を提供することで、ユーザに移動するように促してもよい。
具体的には、通信制御システム1を提供する事業者は、ユーザに対して移動を指示するためのアプリケーションを提供してもよい。当該事業者と契約したユーザは、そのアプリケーションを、自身の携帯端末にインストールする。ここで、携帯端末は、通信を中継する手段を備えるものとする。制御装置200は、そのアプリケーションを利用して、ユーザに対して、決定した移動先エリアを提示する。ユーザが、携帯端末を所持して、提示された移動先エリアに移動した場合に、通信制御システム1を提供する事業者は、ユーザに、特別のサービス、ポイント等を提供する。これにより、自発的にユーザを移動先エリアに移動させることを促進できる。
また、制御装置200は、ユーザに対して、決定した移動先エリアを提示する場合、当該移動先エリアへの到着時刻に対して、上限時刻を提示しても良い。これにより、移動先エリアの近くにいるユーザに対して、移動を促すことができるとともに、早期に、移動先エリアの通信環境を改善することが可能になる。
[変形例2]
本実施形態に係る通信制御システム1の変形例2として、所定のエリア内にレールを設置し、移動体100は、制御装置200の指示に応じて、レール上を移動してもよい。また、屋内(例えば、工場内)にレールを設置する場合には、天井にレールを設置し、移動体100は、制御装置200の指示に応じて、天井に設置されたレール上を移動してもよい。
[変形例3]
本実施形態に係る通信制御システム1の変形例3として、移動体100の滞在エリアの通信環境状態を、通信環境に対するユーザの満足度に基づいて評価しても良い。例えば、制御装置200は、移動体100の滞在エリアを示す情報(例えば、エリアの名称、位置情報等)と、所定のキーワード(例えば、「ネット遅い」等)とを含む投稿が、SNS(Social Networking Service)上にあるか否かを判断する。移動体100の滞在エリアを示す情報と、所定のキーワードとを含む投稿が、所定の数(所定の閾値)を超えて存在する場合、そのエリアの通信環境の改善が必要である、と制御装置200は判断してもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態は、移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象等に基づいて、移動体の種類を決定する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
本実施形態に係る通信制御システム1の全体構成は、図2に示すとおりである。そのため、本実施形態に係る通信制御システム1の全体構成について、詳細な説明は省略する。
図7は、本実施形態に係る制御装置200aの内部構成の一例を示すブロック図である。図7に示す制御装置200aと、図3に示す制御装置200との相違点は、図7に示す制御装置200aは、移動体決定部270、移動体データベース262を含んで構成される点である。
例えば、飛行体(ドローン、飛行船等)は、陸路では移動困難な場所に、移動することが可能である。しかし、強風の環境においては、飛行体(ドローン、飛行船等)は飛行困難な場合がある。また、移動先エリアが屋内である場合には、ドローン等は、飛行困難な場合がある。
例えば、自動車は、ドローン等が飛行困難な場所であっても、移動可能である場合がある。また、自動車は、強風の環境であっても、飛行体より容易に移動できる。しかし、移動経路に、自動車が進入困難な場所を含む場合、自動車は、移動先エリアへの移動が困難な場合がある。また、移動先エリアが屋内である場合には、自動車は進入できない場合がある。
なお、自動車は、タクシーであってもよい。通信中継手段を備えるタクシーが、混雑したエリア(例えば、都市部の商業地域等)において待機する際に、通信エリアを形成することで、そのタクシーは、そのエリアの通信環境を改善することに貢献する。
また、自転車は、ドローン、自動車が、進入困難な場所であっても、進入可能な場合がある。しかし、自転車は、搭載可能(運搬可能)な通信中継手段の性能が、飛行体、自動車等よりも劣る可能性がある。
また、ユーザの携帯端末は、ドローン、自動車、自転車が進入困難な場所(例えば、地下街等)に進入可能である。しかし、ユーザの携帯端末は、搭載可能な通信中継手段の性能が、ドローン、自動車、自転車等よりも劣る可能性がある。
そこで、本実施形態に係る制御装置200aは、移動先エリアを決定後に、風力、地理、移動経路、気象等に応じて、移動体の種類を変更する。
移動体決定部270は、移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに基づいて、複数の異なる種類の移動体100から、移動先エリアへ移動させる移動体100の種類を決定する。
具体的には、移動体決定部270は、複数の異なる種類の移動体に関して、移動体の種類に応じた優先順位を予め設定する。そして、移動体決定部270は、優先順位の高い移動体100の種類から順に、移動先エリアに対応する風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに関する所定の条件(以下、移動体選択条件と呼ぶ)を満たすか否かを判断する。そして、判断対象の移動体100の種類が、移動体選択条件を満たす場合、移動体決定部270は、その種類の移動体100を、移動先エリアへ移動させる移動体100として決定する。
移動体データベース262は、1又は2以上の移動体100に関する情報を格納する。具体的には、移動体データベース262は、1又は2以上の移動体100の種類と、種類毎の優先順位とを対応付けた情報を格納する。移動体100の種類は、ドローン、飛行船、自動車、自転車、ユーザの携帯端末等を含む。
図8は、移動体データベース262の一例を示す図である。図8に示す移動体データベース262は、移動体の種類と、移動体の種類を識別する情報(種類識別情報)と、優先順位と、移動体を識別する情報(移動体識別情報)と、稼働状況と、位置情報とを対応付けて格納する。稼働状況とは、対応する移動体100が、制御装置200が決定した移動先エリアに滞在しているか否かを示す情報である。位置情報とは、移動体の現在地点を示す情報である。なお、図8は、移動体データベース262の一例であり、移動体データベース262が格納する情報を、図8に示す情報に限定する趣旨ではない。
例えば、移動体決定部270は、図8に示す移動体データベース262を参照して、移動先エリアへ移動する移動体100を決定するとする。その場合、移動体決定部270は、優先順位に基づいて、ドローン、飛行船、自動車、自転車、ユーザの携帯端末の順に、移動先エリアに対応する移動体選択条件を満たすか否かを判断する。ここで、移動体決定部270は、「待機」状態の移動体から、移動先エリアへ移動する移動体100を決定してもよい。
次に、図9を参照しながら、本実施形態に係る制御装置200aの動作について詳細に説明する。なお、以下の説明において、制御装置200aは、移動先エリアを決定する処理を終了しているものとする。つまり、図5に示すステップS1〜ステップS8までの処理が完了しているものとする。なお、図9は、本実施形態に係る制御装置200aの動作の一例であり、本実施形態に係る制御装置200aの動作を、図9に示す処理に限定する趣旨ではない。
ステップS201において、移動体決定部270は、移動先エリアの地理に関する情報を取得する。例えば、移動体決定部270は、移動先エリアが、山間部であるか、都市部であるか、屋外であるか、屋内であるか等を、地理に関する情報として取得する。
例えば、移動体決定部270は、第三者が提供する地図情報アプリケーション等を利用して、移動先エリアの地理に関する情報を特定してもよい。移動先エリアの地理に関する情報を取得する方法は各種あるが、その詳細は問わない。
ステップS202において、移動体決定部270は、優先順位が最も高い移動体100の種類を、判断対象の移動体100の種類として選択する。
ステップS203において、移動体決定部270は、判断対象の種類の移動体100であって、待機状態の移動体100を、判断対象の移動体100として選択する。
ステップS204において、移動体決定部270は、選択した移動体100の現在地点から、決定した移動先エリアまでの移動経路に対応する、風力、移動経路、気象に関する情報を取得する。
例えば、移動体決定部270は、第三者が提供する地図情報アプリケーション等を利用して、移動体の現在地点から移動先エリアまでの移動経路を特定してもよい。また、移動体決定部270は、気象庁が提供する気象情報に基づいて、移動体の現在地点から移動先エリアまでの風力、移動経路、気象に関する情報を取得してもよい。風力、移動経路、気象に関する情報を取得する方法は各種あるが、その詳細は問わない。
ステップS205において、判断対象の移動体100が、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに関する、所定の移動体選択条件を満たすか否かを、移動体決定部270は判断する。判断対象の移動体100が、所定の移動体選択条件を満たす場合(ステップS205のYes分岐)には、移動体決定部270は、判断対象の移動体に対して、決定した移動先エリアへの移動を指示する(ステップS206)。
一方、判断対象の移動体100が、所定の移動体選択条件を満たさない場合(ステップS205のNo分岐)には、ステップS207に遷移する。
ステップS207において、判断対象の移動体100の種類に対応する、全ての待機状態の移動体100について判断したか否かを、移動体決定部270は判断する。判断対象の移動体100の種類に対応する、全ての待機状態の移動体100について判断した場合(ステップS207のYes分岐)には、ステップS208に遷移する。一方、判断対象の移動体100の種類に対応する、全ての待機状態の移動体100について判断していない場合(ステップS207のNo分岐)には、ステップS203に戻り、処理を継続する。
ステップS208において、全ての移動体100の種類について判断したか否かを、移動体決定部270は判断する。全ての移動体100の種類について判断した場合(ステップS208のYes分岐)において、移動体決定部270は、移動先エリアに移動させる移動体100を決定していない場合には、新たな移動体100を選択可能になるまで待機する(ステップS210)。つまり、移動体決定部270は、新たな移動体100が待機状態になるまで、待機する。
一方、全ての移動体100の種類について判断していない場合(ステップS208のNo分岐)には、移動体決定部270は、優先順位が相対的に高い移動体100の種類から順に、判断対象の移動体100の種類として選択する(ステップS209)。そして、ステップS203に戻り、処理を継続する。
以上のように、本実施形態に係る制御装置200aは、風力、地理、移動経路、気象等に基づいて、移動体100の種類を決定する。そのため、本実施形態に係る制御装置200aは、通信環境の改善が必要なエリアまでの移動経路、地理等に応じて、適切な移動体100を選択することができる。従って、本実施形態に係る通信制御システム1は、状況に応じて、異なるエリアの通信環境を、より一層、容易に改善することに貢献する。
上記の説明においては、制御装置200、200aが、複数の種類の行動情報源400から、行動情報310を収集し、行動情報データベース300に格納する形態について説明した。しかし、制御装置200、200aとは異なる、1又は2以上の装置(図示せず)が、複数の種類の行動情報源400から、行動情報310を収集し、行動情報データベース300に格納してもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、制御装置200、200aが、行動情報データベース300に格納された行動情報310に対応する、全てのエリアから、移動先エリアを決定する形態について説明した。しかし、制御装置200、200aは、移動体100が移動可能な範囲内のエリアから、移動先エリアを決定することは勿論である。その場合、制御装置200、200aは、登録されている移動体100の現在地に基づいて、移動先エリア、及び移動させる移動体100を選択してもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、制御装置200、200aが、移動体100を、移動先エリアに移動させる形態について説明した。しかし、移動先エリアにおいて、通信環境の改善が不要になった場合には、制御装置200は、移動体100を、待機場所に帰還するように指示してもよいことは勿論である。例えば、移動先エリアにおける、イベントが終了した場合には、移動体100に対して、待機場所に帰還するように指示してもよいことは勿論である。また、例えば、移動体100が移動先エリアに移動後に、当該滞在エリアに対応する行動情報を更新してもよいことは勿論である。そして、制御装置200は、更新された行動情報に基づいて、移動体100に対して、待機場所に帰還するように指示してもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、制御装置200、200aが、移動体100に移動先エリアを指示する形態について説明した。しかし、制御装置200、200aは、移動体100の運転者に、移動先エリアを指示してもよいことは勿論である。例えば、移動体100(自動車、自転車等)の運転者が所持する端末(例えば、スマートフォン等)に、決定した移動先エリアを通知してもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、制御装置200、200aが、規則データベース261、移動体データベース262を備える形態について説明した。しかし、制御装置200、200aとは異なる装置が、規則データベース261、移動体データベース262を備えてもよいことは勿論である。その場合、制御装置200、200aが、規則データベース261、移動体データベース262を備える装置と、ネットワークを介して接続し、適宜、当該装置にアクセスすることで、規則データベース261、移動体データベース262を参照してもよい。また、規則データベース261、移動体データベース262が、夫々、異なる装置に格納されてもよいことは勿論である。
また、行動情報源400に応じて、行動情報の種類が限定される場合には、制御装置200、200aは、規則データベース261から、限定された行動情報の種類に対応する、算出規則を読み出し、制御装置200、200aのキャッシュメモリに格納しても良い。それにより、制御装置200は、算出規則へのアクセス効率を向上させてもよい。同様に、移動先エリアに応じて、移動体100の種類が限定される場合には、制御装置200、200aは、規則データベース261から、限定された移動体100の種類に対応する情報を読み出し、制御装置200aのキャッシュメモリに格納してもよい。それにより、制御装置200aは、移動体100に関する情報へのアクセス効率を向上させてもよい。
また、行動情報源400に対応する位置情報を、グループ分け(例えば、「東京都内」、「神奈川県内」等)してもよいことは勿論である。そして、制御装置200、200aは、指定されたグループ内の行動情報源400に対応する、行動情報310に基づいて、移動先エリアを決定してもよいことは勿論である。
また、通信制御システム1は、エリア毎に、行動情報源400から、行動情報を収集する時刻を予め設定しても良いことは勿論である。例えば、イベントが開催されるエリアにおいては、制御装置200、200aは、イベント情報、及びイベントが開催される時刻に対応する監視情報、気象情報等に基づいて、評価得点を算出してもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、移動体100の種類として、ドローン、飛行船、自動車、自転車、ユーザの携帯端末を例示して説明したが、これは、移動体100の種類を限定する趣旨ではない。また、移動体100は、通信制御システム1専用の自動車と、通信制御システム1に協力可能な自動車(例えば、タクシー)とを含んでもよいことは勿論である。その場合、通信制御システム1専用の自動車に対応する優先順位が、通信制御システム1に協力可能な自動車(例えば、タクシー)の優先順位よりも高く設定されてもよいことは勿論である。
また、上記の説明においては、行動情報310の種類「ユーザの行動予定」に関して、「ユーザ毎に目的地に関して1点を加算」との算出規則を例示して説明した。しかし、制御装置200は、所定のユーザ(例えば、通信制御システム1を提供する事業者と特定の契約をしたユーザ)の目的地に関して、優先するように評価得点を変更してもよい。例えば、規則データベース261は、「所定のユーザが指定した目的地に関して、他のユーザが同じ目的地を指定した場合より多くの評価得点を加算する」との算出規則を格納してもよい。それにより、通信制御システム1は、特定の契約をしたユーザに対して、そのユーザの移動先に応じて、優先的に、良好な通信環境を提供することに貢献する。
また、上記の説明においては、行動情報310の内容(過去動員数、通信アクセス量、検出人数、混雑レベル等)に応じて、評価得点を増加させる算出規則を例示して説明した。しかし、これは、算出規則を限定する趣旨ではない。例えば、過去動員数、通信アクセス量、検出人数、混雑レベル等が所定の閾値以下である場合、評価得点を減少させる算出規則を格納してもよいことは勿論である。つまり、過去動員数、通信アクセス量、検出人数、混雑レベル等が所定の閾値以下である場合、得点変更部240は、評価得点を減少させてもよいことは勿論である。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)上記第1の視点に係る通信制御システムの通りである。
(付記2)前記行動情報は、対応するエリアの監視情報、対応するエリアにおけるイベント情報、ユーザの行動予定情報、気象情報の少なくともいずれかを含む、付記1に記載の通信制御システム。
(付記3)前記行動予定情報は、ユーザが自身の携帯端末を用いて入力した、目的地に関する情報を含み、前記得点変更部は、前記目的地に関する情報に基づいて、前記評価得点を変更する、付記2に記載の通信制御システム。
(付記4)前記監視情報は、対応するエリア内における通信アクセス量を含む、付記3に記載の通信制御システム。
(付記5)前記監視情報は、対応するエリア内における、人の密度、検出人数、人の移動量、人の移動方向の少なくともいずれかを含む、付記2乃至4のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記6)前記監視情報は、対応するエリア内における交通の混雑度を含む、付記2乃至5のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記7)前記イベント情報は、対応するイベントにおける、過去の動員数に関する情報を含む、付記2乃至6のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記8)前記制御装置は、前記移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに基づいて、複数の異なる種類の移動体から、前記移動先エリアへ移動させる移動体の種類を決定する、移動体決定部をさらに備える、付記1乃至7のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記9)前記移動体決定部は、前記複数の異なる種類の移動体に関して、前記移動体の種類に応じた優先順位を予め設定し、相対的に前記優先順位の高い種類の移動体から順に、前記移動先エリアへの移動を指示するか否かを判断する、付記8に記載の通信制御システム。
(付記10)前記移動体は、ユーザが使用する携帯端末を含む、付記1乃至9のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記11)前記移動体は、滞在エリアの通信環境状態を、前記制御装置に送信し、前記移動先決定部は、前記移動体から送信された前記通信環境状態に基づいて、他の移動体に対して、前記滞在エリアへの移動を指示するか否かを判断する、付記1乃至10のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記12)前記制御装置は、エリア毎に、過去の通信実績に応じて基礎点を設定する、基礎点設定部をさらに備え、前記得点変更部は、前記基礎点に応じて前記評価得点を変更する、付記1乃至11のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記13)前記制御装置は、過去の通信実績が低いエリアほど、前記基礎点を高く設定する、付記12に記載の通信制御システム。
(付記14)前記記憶部は、前記行動情報の種類に応じた算出規則を管理し、前記得点変更部は、前記行動情報に応じて、前記算出規則に基づいて前記評価得点を変更する、付記1乃至13のいずれか一に記載の通信制御システム。
(付記15)所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する、行動情報取得部と、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部と、前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する、得点変更部と、前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定し、通信中継手段を備える移動体に、前記移動先エリアへの移動を指示する、移動先決定部とを備える、制御装置。
(付記16)上記第3の視点に係る通信制御方法の通りである。
(付記17)上記第4の視点に係るプログラムの通りである。
なお、上記の付記15−17に示す形態は、付記1に示す形態と同様に、形態2乃至14に示す形態に展開することが可能である。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
本発明の第1の視点によれば、通信制御システムが提供される。前記通信制御システムは、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、前記移動体を制御する制御装置と、を含んで構成される。前記制御装置は、所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する、行動情報取得部を備える。さらに、前記制御装置は、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部を備える。さらに、前記制御装置は、前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する、得点変更部を備える。さらに、前記制御装置は、前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定し、前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する、移動先決定部を備える。
特に、第1の視点によれば、
基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、
前記移動体を制御する制御装置と、
を含み、
前記制御装置は、
所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する、行動情報取得部と、
エリア毎に評価得点を管理する、記憶部と、
前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する、得点変更部と、
前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定し、前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する、移動先決定部と、
前記移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに基づいて、複数の異なる種類の移動体から、前記移動先エリアへ移動させる移動体の種類を決定する、移動体決定部と、
を備える、通信制御システム、が提供される。
本発明の第3の視点によれば、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、前記移動体を制御する制御装置とを含む通信制御システムにおける、通信制御方法が提供される。前記制御装置は、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部を備える。前記通信制御方法は、所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する工程を含む。さらに、前記通信制御方法は、前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する工程を含む。さらに、前記通信制御方法は、前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定する工程を含む。さらに、前記通信制御方法は、前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する工程を含む。
特に第3の視点によれば、
基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、前記移動体を制御する制御装置とを含み、前記制御装置は、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部を備える、通信制御システムにおいて、
所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する工程と、
前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する工程と、
前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定する工程と、
前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する工程と、
前記移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに基づいて、複数の異なる種類の移動体から、前記移動先エリアへ移動させる移動体の種類を決定する工程と、
を含む通信制御方法、が提供される。
なお、本方法は、移動体を制御する制御装置という、特定の機械に結び付けられている。
本発明の第4の視点によれば、基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、前記移動体を制御する制御装置とを含む通信制御システムにおいて、前記制御装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムが提供される。前記制御装置は、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部を備える。前記プログラムは、所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する処理を、前記コンピュータに実行させる。さらに、前記プログラムは、前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する処理を、前記コンピュータに実行させる。さらに、前記プログラムは、前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定する処理を、前記コンピュータに実行させる。さらに、前記プログラムは、前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する処理を、前記コンピュータに実行させる。
特に第4の視点によれば、
基地局からの電波を受信し、通信エリアを形成する移動体と、前記移動体を制御する制御装置とを含み、前記制御装置は、エリア毎に評価得点を管理する、記憶部を備える、通信制御システムにおいて、
所定のエリアに関する複数の種類の行動情報を、エリア毎に取得する処理と、
前記複数の種類の行動情報に応じて、エリア毎の前記評価得点を変更する処理と、
前記評価得点に基づいて、移動先エリアを決定する処理と、
前記移動体に前記移動先エリアへの移動を指示する処理と、
前記移動先エリアに対応する、風力、地理、移動経路、気象の少なくともいずれかに基づいて、複数の異なる種類の移動体から、前記移動先エリアへ移動させる移動体の種類を決定する処理と、
を、前記制御装置を制御するコンピュータに実行させるプログラム、が提供される。
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。