JP7010901B2 - Haps通信システムにおける動的サイトダイバーシチ - Google Patents

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Description

本発明は、3次元化ネットワークの構築に適したHAPSシステムにおける動的サイトダイバーシチに関するものである。
従来、空中に浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局(HAPS)(「高高度疑似衛星」ともいう。)等の通信中継装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この空中浮揚型の通信中継装置における通信回線は、その通信中継装置と移動通信網側のゲートウェイ(GW)局との間のフィーダリンクと、通信中継装置と端末装置との間のサービスリンクとで構成される。
米国特許出願公開第2016/0046387号明細書
上記空中浮揚型の通信中継装置と地上のGW局との間のフィーダリンクの無線伝搬路における局所的な降雨や降雪等があると、フィーダリンクの無線信号減衰量(伝搬損失)が増大して通信品質が低下し、そのフィーダリンクに対応するセルの端末装置と通信中継装置との間のサービスリンクの通信品質が低下するおそれがある。
本発明の一態様に係る空中滞在型の通信中継装置は、ゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線通信を行うフィーダリンク通信部と、端末装置との間でサービスリンクの無線通信するサービスリンク通信部と、当該通信中継装置を移動させる駆動部と、前記ゲートウェイ局と当該通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで当該通信中継装置を移動させるように制御する駆動制御部と、を備える。
前記通信中継装置において、フィーダリンク用のアンテナの機械的な駆動又は前記フィーダリンクにおける信号処理により前記ゲートウェイ局の方向を向くように前記フィーダリンク通信部の指向性ビームを制御してもよい。
前記通信中継装置において、前記サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリントの位置及び形状を維持可能な範囲内で移動してもよい。
前記通信中継装置において、当該通信中継装置を移動させた後又は当該通信中継装置の移動中に、前記サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリントの位置及び形状を当該通信中継装置の移動前の前記フットプリントの位置及び形状に維持するように前記サービスリンク通信部の指向性ビームを制御してもよい。
前記通信中継装置において、前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記通信中継装置において、前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、前記気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記通信中継装置において、前記ゲートウェイ局との間のフィーダリンクと、前記ゲートウェイ局とは異なる場所に位置するように地上又は海上に設けた無線装置との間のリンクとを含む、複数リンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記気象の空間的変動を検知又は予測してもよい。
前記通信中継装置において、前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記通信中継装置において、当該通信中継装置が移動した先で前記フィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は前記通信品質を測定してもよい。
前記通信中継装置において、当該通信中継装置の周辺に他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、当該通信中継装置と前記他の通信中継装置とが互いに最適配置になるように前記他の通信中継装置と連動して移動してもよい。
前記通信中継装置において、当該通信中継装置の周辺に、管理運用主体が異なる他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、前記他の通信中継装置に移動先を指示してもよい。
本発明の他の態様に係るゲートウェイ局は、空中滞在型の通信中継装置と無線通信を行うゲートウェイ局である。このゲートウェイ局は、通信網との間で通信を行うネットワーク通信部と、前記通信中継装置との間でフィーダリンクの無線通信を行うフィーダリンク通信部と、当該ゲートウェイ局を移動させる駆動部と、当該ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで当該ゲートウェイ局を移動させるように制御する駆動制御部と、を備える。
前記ゲートウェイ局において、フィーダリンク用のアンテナの機械的な駆動又は前記フィーダリンクにおける信号処理により前記通信中継装置の方向を向くように前記フィーダリンク通信部の指向性ビームを制御してもよい。
前記ゲートウェイ局において、当該ゲートウェイ局と前記フィーダリンクの無線通信を行っている接続中の前記通信中継装置は複数であり、前記複数の接続中の通信中継装置にとって最適な位置に移動してもよい。
前記ゲートウェイ局において、当該ゲートウェイ局と前記フィーダリンクの無線通信を行っている接続中の前記通信中継装置の周辺に、前記接続中の通信中継装置とは運用管理主体が異なる他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、前記接続中の通信中継装置及び前記他の通信中継装置の両方にとって最適な位置に移動してもよい。
前記ゲートウェイ局において、前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記ゲートウェイ局において、前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、前記気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記ゲートウェイ局において、前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動してもよい。
前記ゲートウェイ局において、当該ゲートウェイ局が移動した先で前記フィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は前記通信品質を測定してもよい。
本発明の更に他の態様に係る通信システムは、前記いずれかの通信中継装置と前記いずれかのゲートウェイ局とを備え、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方を移動させる。
前記通信システムにおいて、前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方は複数であり、複数のフィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を同時に抑制又は回避してもよい。 前記通信システムにおいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで移動させるための制御情報を前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方に送信する遠隔制御装置を、更に備えてもよい。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、空中滞在型の通信中継装置に設けられたコンピュータ又はプロセッサで実行されるプログラムである。このプログラムは、ゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線通信を行うためのプログラムコードと、端末装置との間でサービスリンクの無線通信するためのプログラムコードと、前記ゲートウェイ局と当該通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで当該通信中継装置を移動させるためのプログラムコードと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、空中滞在型の通信中継装置と無線通信を行うゲートウェイ局に設けられたコンピュータ又はプロセッサで実行されるプログラムであって、通信網との間で通信を行うためのプログラムコードと、前記通信中継装置との間でフィーダリンクの無線通信を行うためのプログラムコードと、前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで前記ゲートウェイ局を移動させるためのプログラムコードと、を含む。
本発明によれば、空中浮揚型の通信中継装置とゲートウェイ局との間のフィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失(信号減衰)の増大に起因したサービスリンクの通信品質の低下を抑制することができる。
(a)~(c)は、実施形態に係る通信システムにおけるHAPSのフィーダリンクの伝搬損失増大部に対する回避動作の一例を示す説明図。 (a)~(c)は、実施形態に係る通信システムにおけるGW局のフィーダリンクの伝搬損失増大部に対する回避動作の一例を示す説明図。 (a)及び(b)は、参考例に係るHAPS及びGW局を備える通信システムにおけるHAPS又はGW局の移動を伴わない一般的なサイトダイバーシチの一例を示す説明図。 (a)~(c)は、実施形態に係る通信システムにおけるHAPSのフィーダリンクの伝搬損失増大部に対する回避動作の他の例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムに用いることができるHAPSの一例を示す斜視図。 実施形態に係る通信システムに用いることができるHAPSの他の例を示す斜視図。 実施形態に係る通信システムに用いることができる移動可能なコンテナタイプのGW局の一例を示す側面図。 実施形態に係るGW局の主要構成の一例を示すブロック図。 実施形態に係るHAPSのGW局の主要構成の一例を示すブロック図。 実施形態に係るHAPSにおける動的サイトダイバーシチ制御の一例を示すフローチャート。 図11の動的サイトダイバーシチ制御における伝搬損失の時間的変動の一例を示すグラフ。 実施形態に係るHAPSにおけるフィーダリンクの動的サイトダイバーシチ制御の他の例を示すフローチャート。 図13の動的サイトダイバーシチ制御におけるフィーダリンクの伝搬損失の空間的変動の一例を示すグラフ。 実施形態に係るHAPSにおける動的サイトダイバーシチ制御の更に他の例を示すフローチャート。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の一例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の他の例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図。 実施形態に係る通信システムのGW局及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る通信システムにおけるHAPS10のフィーダリンクFLの伝搬損失増大部30に対する回避動作の一例を示す説明図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の通信システムは、空中浮揚型の通信中継装置(無線中継装置)としての高高度プラットフォーム局(HAPS)(「高高度疑似衛星」、「成層圏プラットフォーム」ともいう。)10を備えている。HAPS10は、所定高度の空域に位置して、所定高度のセル形成目標空域に3次元セル(3次元エリア)を形成する。HAPS10は、自律制御又は外部から制御により地面又は海面から100[km]以下の高高度の空域(浮揚空域)に浮遊あるいは飛行して位置するように制御される浮揚体としてのソーラプレーンに中継通信局が搭載されたものである。HAPS10は、飛行船などの他の浮揚体に中継通信局が搭載されたものであってもよい。
なお、以下の実施形態では、HAPS10の中継通信局がリピータ子機の機能を有する場合について主に説明ずるが、HAPS10の中継通信局は、移動通信システムの基地局(例えばLTEのeNodeB又は5G等の次世代のgNodeB)の機能を有してもよい。
HAPS10の位置する空域は、例えば、地上(又は海や湖などの水上)の高度が11[km]以上及び50[km]以下の成層圏の空域である。この空域は、気象条件が比較的安定している高度15[km]以上25[km]以下の空域であってもよく、特に高度がほぼ20[km]の空域であってもよい。
本実施形態の通信システムにおける1又は2以上のHAPS10で3次元セルを形成する目標の空域であるセル形成目標空域は、例えば、HAPS10が位置する空域と従来のマクロセル基地局等の基地局(例えばLTEのeNodeB又は5G等の次世代のgNodeB)がカバーする地面近傍のセル形成領域との間に位置する、所定高度範囲(例えば、50[m]以上1000[m]以下の高度範囲)の空域である。
なお、本実施形態の3次元セルが形成されるセル形成目標空域は、海、川又は湖の上空であってもよい。また、HAPS10で形成する3次元セルは、地上又は海上に位置するユーザ装置(移動局)としての端末装置60との間でも通信できるよう地面又は海面に達するように形成してもよい。
図1において、HAPS10とGW局70との間のリンクを「フィーダリンク」FLといい、HAPS10と端末装置60との間のリンクを「サービスリンク」SLという。また、GW局70からHAPS10を経由して端末装置60に向かう通信のダウンリンクを「フォワードリンク」といい、端末装置60からHAPS10を経由してGW局70に向かう通信のアップリンクを「リバースリンク」ともいう。
HAPS10に設けられる中継通信局は、サービスリンク用アンテナ(以下「SLアンテナ」という。)により、端末装置60と無線通信するための複数のビームを地面に向けて形成する。HAPS10のビームが通過する領域が3次元セルであり、その3次元セルのフットプリント100Fが、端末装置60の通信サービスを提供する地上(又は海や湖などの水上)のサービスエリアになる。
端末装置60は、地上等(又は海や湖などの水上)のサービスエリアに位置する端末装置だけなく、遠隔操縦可能な小型のヘリコプター等の航空機であるドローンに組み込まれた通信端末モジュールでもよいし、飛行機の中でユーザが使用するユーザ装置であってもよい。
HAPS10の中継通信局は、例えば、地上(又は海上)側のゲートウェイ局(「フィーダ局」ともいう。以下「GW局」という。)70とフィーダリンクの無線通信を行うことができる。中継通信局は、フィーダリンク用アンテナ(以下「FLアンテナ」という。)により無線通信可能な地上又は海上に設置されたGW局70を介して、移動通信網のコアネットワークに接続されている。HAPS10の中継通信局とGW局70との間のフィーダリンクの通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。
HAPS10は、空中で移動するときGW局70を追尾するようにFLアンテナの指向性ビームを制御してもよい。FLアンテナがGW局70を追尾することにより、HAPS10の移動によるフィーダリンクの通信品質の低下を抑制できる。FLアンテナの指向性ビームの制御方式としては、ジンバル方式、電気方式(360度のビームフォーミング制御方式)、電気方式(角度限定のビームフォーミング制御方式+アンテナ切替)など、各種の方式を用いることができる。
また、GW局70は、空中で移動するHAPS10を追尾するように自局のフィーダリンク用アンテナ(以下「GWアンテナ」という。)を制御してもよい。GWアンテナがHAPS10を追尾することにより、パラボラアンテナなどの高い指向性を有するGWアンテナを用いた場合でも、HAPS10の移動によるフィーダリンクの通信品質の低下を抑制できる。GWアンテナの指向性ビームの制御方式としては、ジンバル方式、電気方式(360度のビームフォーミング制御方式)、電気方式(角度限定のビームフォーミング制御方式+アンテナ切替)など、各種の方式を用いることができる。
図1(b)に示すように、本実施形態のHAPS10を備える通信システムでは、HAPS10とGW局70との間のフィーダリンクの無線伝搬路に、降雨(ゲリラ豪雨)、降雪、ストーム、砂嵐等の伝搬損失(無線信号減衰量)が局所的に増大している空間である伝搬損失増大部(「無線信号増大部」ともいう。ゲリラ豪雨などの気象急変が関与している場合は「気象急変部」ともいう。)30が発生すると、フィーダリンクの無線信号減衰量が増大して通信品質が低下し、そのフィーダリンクに対応する3次元セルの端末装置60とHAPS10との間のサービスリンクの通信品質が低下するおそれがある。通信品質の低下が大きい場合は、サービスリンクの通信が寸断されるおそれもある。
そこで、本実施形態の通信システムでは、図1(c)に示すように、フィーダリンクの無線伝搬路にゲリラ豪雨などによる伝搬損失増大部30が発生したとき、図中の矢印Aで示すようにフィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置までHAPS10を移動させている。これにより、伝搬損失増大部30での無線信号減衰の増大による通信品質の低下を抑制又は回避することができる。ここで、HAPS10の移動先の候補位置のすべての範囲で上記ゲリラ豪雨の影響によってフィーダリンクの伝搬損失が大きくなっている場合は、その範囲の中で上記ゲリラ豪雨の影響が最も少ない位置(伝搬損失の増加量が最も小さい位置)にHAPS10を移動させてもよい。
なお、HAPS10の目標位置への移動は、上記伝搬損失増大部30が発生したときではなく、フィーダリンクの伝搬損失増大部30による局所的な無線信号減衰量が所定の閾値以上に増大したときに行ってもよいし、又は、フィーダリンクの通信品質が所定の閾値以下に低下したときに行ってもよい。
また、前記フィーダリンクの無線伝搬路にゲリラ豪雨などによる伝搬損失増大部30の発生が予測されるときに、図中矢印Aで示すようにフィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けないと予測される位置までHAPS10を移動させ、伝搬損失増大部30による通信品質の低下を予防してもよい。
また、HAPS10の移動は、サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリント100Fの位置及び形状を維持可能な範囲内で行ってもよい。また、HAPS10の移動後又は移動中に、サービスリンクのセルのフットプリント100Fの位置及び形状をHAPS10の移動前のフットプリントの位置及び形状に維持するようにサービスリンクの指向性ビームを制御してよい。
また、HAPS10は、フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部30の発生に影響する気象情報(例えば、気象予報の情報)を取得し、その気象情報に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。HAPS10のフィーダリンクの無線伝搬路を含むエリアの気象情報は、例えばインターネット上の気象庁や民間企業などの気象情報提供機関のサイトから取得することができる。
また、HAPS10は、フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部30の発生に影響する気象(例えば、降雨(ゲリラ豪雨)や降雪、ストーム、砂嵐等)の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、その気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。ここで、HAPS10は、GW局70との間のフィーダリンクFLと、GW局70とは異なる場所に位置するように地上又は海上に設けた無線装置(例えば、FWA:Fixed Wireless Access)との間のリンクとを含む、複数リンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて、前記気象の空間的変動を検知又は予測してもよい。
また、HAPS10は、フィーダリンクFLの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。また、HAPS10は、移動先でフィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は通信品質を測定することにより、フィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置まで移動できたか否かを確認してもよい。
また、HAPS10は、その周辺に他のHAPSが位置するとき、当該HAPS10と他のHAPSとが互いに最適配置になるように他のHAPSと連動して移動してもよい。ここで、HAPS10は、その周辺に、通信キャリア(管理運用主体)が異なる他のHAPSが位置するとき、前記他のHAPS10に移動先を指示してもよい。
図2(a)~(c)は、実施形態に係る通信システムにおけるGW局70のフィーダリンクFLの伝搬損失増大部に対する回避動作の一例を示す説明図である。なお、図2(a)~(c)において前述の図1(a)~(c)と共通する部分については説明を省略する。
前述の図1(a)~(c)の例では、フィーダリンクの無線伝搬路に伝搬損失増大部30が発生したときに、フィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない位置までHAPS10を移動させているが、図2(c)の矢印Bに示すようにフィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置までGW局70を移動させてもよい。このGW局70の移動により、伝搬損失増大部30での無線信号減衰の増大による通信品質の低下を抑制又は回避することができる。ここで、GW局70の移動先の候補位置のすべての範囲で上記ゲリラ豪雨の影響によってフィーダリンクの伝搬損失が大きくなっている場合は、その範囲の中で上記ゲリラ豪雨の影響が最も少ない位置(伝搬損失の増加量が最も小さい位置)にGW局70を移動させてもよい。
なお、図2(a)~(c)の例において、GW局70の目標位置への移動は、上記伝搬損失増大部30が発生したときではなく、フィーダリンクの伝搬損失増大部30による局所的な無線信号減衰量が所定の閾値以上に増大したときに行ってもよいし、又は、フィーダリンクの通信品質が所定の閾値以下に低下したときに行ってもよい。
また、前記フィーダリンクの無線伝搬路にゲリラ豪雨などによる伝搬損失増大部30の発生が予測されるときに、図中矢印Bで示すようにフィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けないと予測される位置までGW局70を移動させ、伝搬損失増大部30による通信品質の低下を予防してもよい。
また、GW局70とフィーダリンクの無線通信を行っている接続中のHAPS10が複数の場合、その複数の接続中のHAPS10にとって最適な位置(例えば、各HAPS10との通信品質がすべて所定の閾値以上なる位置)にGW局70が移動してもよい。
また、GW局70とフィーダリンクの無線通信を行っている接続中のHAPS10の周辺に、接続中のHAPS10とは通信キャリア(運用管理主体)が異なる他のHAPS10が位置するとき、その接続中のHAPS10及び前記他のHAPSの両方にとって最適な位置(例えば、各HAPSとの通信品質がすべて所定の閾値以上なる位置)にGW局70が移動してもよい。
また、GW局70は、フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部30の発生に影響する気象情報を取得し、その気象情報に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。
また、GW局70は、フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部30の発生に影響する気象(例えば、降雨(ゲリラ豪雨)や降雪、ストーム、砂嵐等)の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、その気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。
また、GW局70は、フィーダリンクFLの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて上記所定の目標位置に移動してよい。また、GW局70は、移動先でフィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は通信品質を測定することにより、フィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置まで移動できたか否かを確認してもよい。
図3(a)及び(b)は、参考例に係るHAPS10及びGW局70を備える通信システムにおけるHAPS又はGW局の移動を伴わない一般的なサイトダイバーシチの一例を示す説明図である。図3(a)の通信システムでは、HAPS10との間で複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の無線通信を行うように、地上又は海上の互いに異なる位置に固定配置された複数のGW局70(1),70(2)を備える。図3(b)に示すように複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)のいずれか一方の無線伝搬路、例えば第1のGW局70(1)とHAPS10との間の第1のフィーダリンクFL(1)の無線伝搬路に、局所的な伝搬損失増大部30が発生しても、HAPS10は第2のGW局70(2)との間で第2のフィーダリンクFL(2)の無線通信を行うことができるため、端末装置60とHAPS10との間のサービスリンクの通信を継続することができる。
しかしながら、図3の一般的なサイトダイバーシチを実施する通信システムにおいて、HAPS10の複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の両方に影響する伝搬損失増大部が発生する場合がある。例えば、HAPS10の全体を覆うように局所的な降雨(ゲリラ豪雨)や降雪、ストーム、砂嵐等の伝搬損失増大部が発生する場合がある。この場合、HAPS10の複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の両方の無線伝搬路の伝搬損失(無線信号減衰)が増大してフィーダリンクFL(1),FL(2)の通信品質が低下し、端末装置60とHAPS10との間のサービスリンクの通信が寸断されるおそれがある。そこで、このような一般的なサイトダイバーシチを実施可能な通信システムにおいて、複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の少なくとも一方の無線伝搬路の通信品質の低下を抑制又は回避するように、HAPS10、GW局70(1)及びGW局70(2)の少なくとも一つを移動させてもよい。
図4(a)~(c)は、実施形態に係る通信システムにおけるHAPS10のフィーダリンクの伝搬損失増大部30に対する回避動作の他の例を示す説明図である。なお、図4(a)~(c)において前述の図1、図2及び図3と共通する部分については説明を省略する。
図4(a)に示すように伝搬損失増大部が発生していないときには、前述の図3(a)と同様に、HAPS10は、地上又は海上の互いに異なる位置に固定配置された複数のGW局70(1),70(2)それぞれとの間で複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の無線通信を行うことができる。
図4(b)に示すように、HAPS10の全体を覆うように局所的な降雨(ゲリラ豪雨)や降雪、ストーム、砂嵐等の伝搬損失増大部30が発生すると、HAPS10と複数のGW局70(1),70(2)との間のフィーダリンクFL(1),FL(2)の無線伝搬路それぞれにおいて無線信号減衰量が増大して通信品質が低下し、3次元セルの端末装置60とHAPS10との間のサービスリンクの通信品質が低下するおそれがある。
そこで、図4(c)に示すように、HAPS10の全体を覆うような伝搬損失増大部30が発生したとき、HAPS10を図中矢印A方向に移動させる「動的なサイトダイバーシチ」を実施している。これにより、伝搬損失増大部30での無線信号減衰の増大による通信品質の低下を抑制又は回避することができる。
なお、図4(a)~(c)の例において、前記複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)の無線伝搬路にまたがる伝搬損失増大部30の発生が予測されるとき、図中矢印Aに示すように複数のフィーダリンクFL(1),FL(2)が伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置までHAPS10を事前に移動させ、伝搬損失増大部30による通信品質の低下を予防してもよい。
図5は、実施形態に係るマルチフィーダリンク構成の通信システムの全体構成の一例を示す説明図である。本実施形態に係る通信システムは、多数の端末装置への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代及びそれ以降の次世代の移動通信の3次元化ネットワークの実現に適する。
複数のGW局70(1),70(2)はそれぞれ、所定のインターフェイスを介して移動通信網のコアネットワーク80に接続されている。GW局70(1),70(2)はそれぞれ、移動通信システムの少なくとも基地局(例えばLTEのeNodeB又は5G等の次世代のgNodeB)の機能を有するとともに、HAPS10の中継通信局(リピータ子機)11に対するリピータ親機の機能を有する。なお、HAPS10の中継通信局11が移動通信システムの基地局(例えばLTEのeNodeB又は5G等の次世代のgNodeB)の機能を有する場合、GW局70(1),70(2)はバックボーン回線の中継局として機能してもよい。
HAPS10は、例えば地上(又は海や湖などの水上)との間に3次元的なセル100Cを形成し、そのセル100Cのフットプリント100Fが地上(又は海や湖などの水上)のサービスエリアになる。HAPS10で形成するセルの数は2以上であってもよい。また、セル100Cは更に複数のセクタセルで構成されていてもよい。
HAPS10は、内部に組み込まれたコンピュータ等で構成された制御部が制御プログラムを実行することにより、HAPS自体の浮揚移動(飛行)や中継通信局11での処理を自律制御してもよい。例えば、HAPS10はそれぞれ、HAPS自体の現在位置情報(例えばGPS位置情報)、予め記憶した位置制御情報(例えば、飛行スケジュール情報)、周辺に位置する他のHAPSの位置情報などを取得し、それらの情報に基づいて浮揚移動(飛行)や中継通信局11での処理を自律制御してもよい。
HAPS10の浮揚移動(飛行)や中継通信局11での処理は、移動通信網のコアネットワーク80に接続された通信センター等に設けられた遠隔制御装置としての中央制御サーバ85によって制御できるようにしてもよい。中央制御サーバ85は、例えば、PCなどのコンピュータ装置やサーバ等で構成することができる。この場合、HAPS10は、中央制御サーバ85からの制御情報を受信したり中央制御サーバ85等の所定の送信先に監視情報などの各種情報を送信したりするための制御通信部(例えば、移動通信モジュール)を備える。制御通信部は、中央制御サーバ85と間で通信できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられるようにしてもよい。HAPS10の制御通信部の識別には通信インターフェイスのMACアドレスを用いてもよい。
HAPS10が受信する情報は、制御情報のほか、気象庁や民間企業などの気象情報提供機関から提供されるHAPS10のフィーダリンクの無線伝搬路を含むエリアの気象情報を含んでもよい。気象情報は、降雨(ゲリラ豪雨)や降雪、ストーム、砂嵐等の局所的な発生状況(発生時間、発生場所)の情報を含んでもよい。
HAPS10と中央制御サーバ85との間の制御情報及び監視情報の送受信は、例えば、移動通信網のコアネットワーク80とGW局70とを経由するLTE又は5Gなどの次世代の通信回線を介して行うことができる。また、制御情報及び監視情報の送受信は、人工衛星を介した移動通信の衛星回線を用いて行ってもよいし、インターネット90と人工衛星とを介した衛星回線を用いて行ってもよい。
HAPS10から送信する監視情報は、HAPS10自体又は周辺のHAPS10の浮揚移動(飛行)や中継通信局11での処理に関する情報、HAPS10がGW局70との間のフィーダリンクの受信電力を測定した受信レベルを含むモニタリング情報、及び、HAPS10の状態に関する情報や各種センサなどで取得した観測データの情報の少なくとも一つを含んでもよい。また、監視情報は、HAPS10の現在位置及び姿勢情報、飛行経路情報(飛行スケジュール情報、飛行ルート履歴情報)、対気速度、対地速度及び推進方向、HAPS10の周辺の気流の風速及び風向、並びに、HAPS10の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含んでもよい。制御情報は、HAPS10の目標飛行ルート情報を含んでもよい。
HAPS10及び中央制御サーバ85は、前述のフィーダリンクの無線伝搬路を含むエリアの気象予報の情報のほか、GW局70の保守予定情報、HAPS10で測定されたGW局70とのフィーダリンクの受信レベルモニタ情報、HAPS10の飛行経路情報、HAPS10の現在位置情報及び姿勢情報を取得してもよい。これらの情報は、例えば、各情報を管理しているコアネットワーク(移動通信網)80のサーバ又はインターネット90のサーバから取得してもよい。また、中央制御サーバ85は、GW局70の保守予定情報を、所定のインターフェイス(例えば、LTEのS1インターフェイス)により移動通信網のコアネットワーク80を介してGW局70から取得してもよいし、GW局70を管理する管理サーバから取得してもよい。
HAPS10の中継通信局11と端末装置60との間の無線通信の上りリンク及び下りリンクの複信方式は、特定の方式に限定されず、例えば、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式でもよいし、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)方式でもよい。また、中継通信局11と端末装置60との間の無線通信のアクセス方式は、特定の方式に限定されず、例えば、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、又は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であってもよい。また、前記無線通信には、ダイバーシティ・コーディング、送信ビームフォーミング、空間分割多重化(SDM:Spatial Division Multiplexing)等の機能を有し、送受信両方で複数のアンテナを同時に利用することにより、単位周波数当たりの伝送容量を増やすことができるMIMO(多入力多出力:Multi-Input and Multi-Output)技術を用いてもよい。また、前記MIMO技術は、1つの基地局が1つの端末装置と同一時刻・同一周波数で複数の信号を送信するSU-MIMO(Single-User MIMO)技術でもよいし、1つの基地局が複数の異なる端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信するMU-MIMO(Multi-User MIMO)技術であってもよい。
図6は、実施形態に係る通信システムに用いることができるHAPS10の一例を示す斜視図である。
図6のHAPS10は、ソーラープレーンタイプのHAPSであり、長手方向の両端部側が上方に沿った主翼部101と、主翼部101の短手方向の一端縁部にバス動力系の推進装置としての複数のモータ駆動のプロペラ103とを備える。主翼部101の上面には、太陽光発電機能を有する太陽光発電部としての太陽光発電パネル(以下「ソーラーパネル」という。)102が設けられている。また、主翼部101の下面の長手方向の2箇所には、板状の連結部104を介して、ミッション機器が収容される複数の機器収容部としてのポッド105が連結されている。各ポッド105の内部には、ミッション機器としての中継通信局11と、バッテリー106とが収容されている。また、各ポッド105の下面側には離発着時に使用される車輪107が設けられている。ソーラーパネル102で発電された電力はバッテリー106に蓄電され、バッテリー106から供給される電力により、プロペラ103のモータが回転駆動され、中継通信局11による無線中継処理が実行される。
ソーラープレーンタイプのHAPS10は、例えば所定の目標飛行ルートに基づいて円形状に旋回飛行を行ったり「D」の字飛行を行ったり「8」の字飛行を行ったりすることにより揚力で浮揚し、所定の高度で水平方向の所定の範囲に滞在するように浮揚することができる。なお、ソーラープレーンタイプのHAPS10は、プロペラ103が回転駆動されていないときは、グライダーのように飛ぶこともできる。例えば、昼間などのソーラーパネル102の発電によってバッテリー106の電力が余っているときに高い位置に上昇し、夜間などのソーラーパネル102で発電できないときにバッテリー106からモータへの給電を停止してグライダーのように飛ぶことができる。
また、HAPS10は、他のHAPSや人工衛星との通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置130を備えている。なお、図6の例では主翼部101の長手方向の両端部に光アンテナ装置130を配置しているが、HAPS10の他の箇所に光アンテナ装置130を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信であってもよい。
図7は、実施形態に係る通信システムに用いることができるHAPS10の他の例を示す斜視図である。
図7のHAPS10は、無人飛行船タイプのHAPSであり、ペイロードが大きいため大容量のバッテリーを搭載することができる。HAPS10は、浮力で浮揚するためのヘリウムガス等の気体が充填された飛行船本体111と、バス動力系の推進装置としてのモータ駆動のプロペラ112と、ミッション機器が収容される機器収容部113とを備える。機器収容部113の内部には、中継通信局11とバッテリー114とが収容されている。バッテリー114から供給される電力により、プロペラ112のモータが回転駆動され、中継通信局11による無線中継処理が実行される。
なお、飛行船本体111の上面に、太陽光発電機能を有するソーラーパネルを設け、ソーラーパネルで発電された電力をバッテリー114に蓄電するようにしてもよい。
また、無人飛行船タイプのHAPS10も、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置130を備えている。なお、図7の例では飛行船本体111の上面部及び機器収容部113の下面部に光アンテナ装置130を配置しているが、HAPS10の他の部分に光アンテナ装置130を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信を行うものであってもよい。
図8は、実施形態に係る通信システムに用いることができる移動可能なコンテナタイプのGW局70の一例を示す側面図である。図8はGW中継車として構成した例であり、GW局70のフィーダリンク用アンテナであるGWアンテナ72が移動体としての車両本体74の上面に設けられ、GW局装置71が車両本体74の内部に設けられている。車両本体74は例えばトラックでもよいし、他のバス、一般の自動車などの移動体であってもよい。
車両本体74の上面には、HAPS10と無線通信するためのGWアンテナ72のほか、コアネットワーク80側の中継局との間でバックホール回線の無線通信するためのアンテナ73を備えている。コアネットワーク80側との無線通信の媒体としては、例えばマイクロ波を用いることができるが、光などの他の無線通信媒体を用いてよい。
GW中継車からなるGW局70が移動するとき、コアネットワーク80側の中継局を追尾するようにアンテナ73を制御することにより、バックホール回線の通信品質の低下を抑制できるようにしてもよい。アンテナ73の指向性ビームの制御方式としては、ジンバル方式、電気方式(360度のビームフォーミング制御方式)、電気方式(角度限定のビームフォーミング制御方式+アンテナ切替)など、各種の方式を用いることができる。
図9は、実施形態に係るGW局70の主要構成の一例を示すブロック図である。図9において、GW局70のGW局装置71は、フィーダリンク通信部701とネットワーク通信部702とデータ処理部703と制御部704と制御通信部705と駆動制御部706とを備える。
フィーダリンク通信部701は、GWアンテナ72を介してHAPS10との間でフィーダリンク周波数FFLの無線信号を送受信する。ネットワーク通信部702は、アンテナ73を介してコアネットワーク80側の中継局との間で、フィーダリンク周波数FFLとは異なる周波数Fのバックボーンの無線信号を送受信する。データ処理部703は、基地局(例えばeNodeB又はgNodeB)と同様なベースバンド処理を行う。
制御部704は、コンピュータ又はプロセッサ、メモリ等で構成され、予め組み込まれた制御プログラムを実行することにより各部を制御することができる。例えば、制御部704は、GWアンテナ72の機械的な駆動又はフィーダリンク通信部701における信号処理(例えば、送信信号及び受信信号それぞれの位相及び振幅を調整する処理)によりHAPS10の方向を向くようにGWアンテナ72の指向性ビームを制御してもよい。
また、制御部704は、GW局70が移動した移動先でフィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は通信品質を測定するようにフィーダリンク通信部701を制御してもよい。
フィーダリンク通信部701、ネットワーク通信部702及びデータ処理部703は、例えばLTEの一般的な基地局における遠隔無線装置(RRH(Remote Radio Head),又は、RRU(Remote Radio Unit)ともいう。)及びベースバンド処理装置(BBU(Base Band Unit))で構成してもよい。RRHとBBUは、光ファイバー回線で接続し、互いに離して配置してもよい。また、複数のGW局のBBUは集約して一箇所に設けてもよい。
RRHは、例えば、直交変復調部と送信部と受信部と電力増幅器(PA(Power Amplifier))とローノイズ増幅器(LNA(Low Noise Amplifier))とを備える。直交変復調部は、BBUで処理されるOFDM信号を直交変復調し、アナログ信号(RF信号)に変換する。送信部は、直交変復調部で生成されたRF信号の周波数を電波として送出する周波数に変換する。受信部は、受信した電波の高周波信号の周波数を直交変復調部で処理する周波数に変換する。電力増幅器(PA)は、送信部で生成したRF信号を電力増幅する。ローノイズ増幅器(LNA)は、受信した微弱電波を増幅して受信部に渡す。
BBUは、例えば、基地局制御部と伝送路インターフェイス部とタイミング制御部とベースバンド部とを備え、所定のインターフェイス(例えば、S1インターフェイス)を介して移動通信網のコアネットワーク80に接続される。基地局制御部は、基地局全体の制御および呼制御のプロトコルや制御監視を行う。伝送路インターフェイス部は、コアネットワーク等との間のイーサネット(登録商標)などのパケット伝送路が接続され、所定のプロトコルを処理してIPパケットの授受を行う。タイミング制御部は、パケット伝送路を介して受信した信号又は人工衛星からのGNSS(Global Navigation Satellite System)受信信号から抽出した基準クロックに基づいて基地局内部で使用する各種クロックを生成する。ベースバンド部は、伝送路インターフェイス部を通して授受するIPパケットと無線信号であるOFDM信号(ベースバンド信号)の変換(変復調)を行う。
制御通信部705は、例えば、LTE又は次世代(例えば第5世代)の通信機能、衛星通信機能又はその両方の通信機能を有する移動通信モジュールで構成され、中央制御サーバ85と間で通信できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられる。制御通信部125の識別には通信インターフェイスのMACアドレスを用いてもよい。
駆動制御部706は、制御部704と連携することにより、GW局70の現在位置情報、中央制御サーバ85から受信した制御情報等に基づいて、GW局装置71が搭載された車両本体74の駆動部741を制御する。例えば、駆動制御部706は、フィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部30が発生したとき又は伝搬損失増大部30の発生が予測されるとき、フィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失増大部30による通信品質の低下を抑制又は回避できる所定の目標位置までGW局70を移動させるように、車両本体74の駆動部741を制御する。なお、GW局70の所定の目標位置までの移動は、車両本体74の自律運転でなく、作業者(人)に車両本体74を操縦又は運転させることによって行ってもよい。
駆動制御部706は、GW局70が複数のHAPS10に接続してフィーダリンクの無線通信を行っている場合、その複数の接続中のHAPS10にとって最適な位置にGW局70が移動するように駆動制御してもよい。また、駆動制御部706は、GW局70とフィーダリンクの無線通信を行っている接続中のHAPS10の周辺に、接続中のHAPS10とは通信キャリア(運用管理主体)が異なる他のHAPSが位置するとき、接続中のHAPS10及び他のHAPSの両方にとって最適な位置にGW局70が移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部706は、上記伝搬損失増大部30の発生に影響する気象情報を取得し、その気象情報に基づいて上記所定の目標位置にGW局70が移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部706は、上記伝搬損失増大部30の発生に影響する気象(例えば、降雨強度)の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、その気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて上記所定の目標位置にGW局70が移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部706は、フィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて上記所定の目標位置にGW局70が移動するように駆動制御してもよい。
図10は、実施形態に係るHAPS10の中継通信局11の一構成例を示すブロック図である。図10の中継通信局11はリピータータイプの中継通信局(リピータ子機)の例である。中継通信局11は、フィーダリンク通信部121とサービスリンク通信部122と周波数変換部123と各部を制御する制御部124と制御通信部125と駆動制御部126とを備える。
フィーダリンク通信部121は、FLアンテナ12(1),12(2)を介してGW局70との間でフィーダリンク周波数FFLの無線信号を送受信する。FLアンテナ12の数(N)及びGW局70の数(N)はそれぞれ同数(図示の例では2)であり、GW局70(1),70(2)に1対1で対応するように複数のFLアンテナ12(1),12(2)を設けている。
サービスリンク通信部122は、SLアンテナ13を介して端末装置60との間でサービスリンク周波数FSLの無線信号を送受信する。SLアンテナ13は、サービスリンクのビームを形成するビームフォーマーを備え、サービスリンクのセル100Cの形状を任意に変更することができる。
周波数変換部123は、フィーダリンク通信部121とサービスリンク通信部122との間でフィーダリンク周波数FFLとサービスリンク周波数FSLとの周波数変換を行う。中継通信局11で中継される無線信号は、例えば、LTE又はLTE-Advancedの標準規格に準拠したOFMDA通信方式を用いて送受信してもよい。
制御部124は、コンピュータ又はプロセッサ、メモリ等で構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより各部を制御することができる。例えば、制御部124は、FLアンテナ12(1),12(2)の機械的な駆動又はフィーダリンク通信部121における信号処理(例えば、送信信号及び受信信号それぞれの位相及び振幅を調整する処理)によりGW局70(1),70(2)の方向を向くようにFLアンテナ12(1),12(2)の指向性ビームを制御してもよい。
また、制御部124は、サービスリンクのセル100Cの地上又は海上におけるフットプリント100Fの位置及び形状を維持可能な範囲内で移動するように制御してもよい。
また、制御部124は、HAPS10の移動後又はHAPS10の移動中に、サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリント100Fの位置及び形状を当該HAPS10の移動前のフットプリントの位置及び形状に維持するようにサービスリンク通信部122の指向性ビームを制御してよい。
また、制御部124は、HAPS10が移動した移動先でフィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は通信品質を測定するようにフィーダリンク通信部121を制御してもよい。
また、制御部124は、当該HAPS10の周辺に、通信オペレータ(管理運用主体)が異なる他のHAPSが位置するとき、例えばHAPS間通信を介して当該他のHAPSに、フィーダリンクが伝搬損失増大部30の影響を受けない所定の目標位置である移動先を指示するように制御してもよい。この移動先の位置は、例えば、当該HAPS10と他のHAPSとの間の干渉が発生しにくい位置に設定される。
制御通信部125は、例えば、LTE又は次世代(例えば第5世代)の通信機能、衛星通信機能又はその両方の通信機能を有する移動通信モジュールで構成され、中央制御サーバ85と間で通信できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられる。制御通信部125の識別には通信インターフェイスのMACアドレスを用いてもよい。
駆動制御部126は、制御部124と連携することにより、HAPS10の現在位置情報、中央制御サーバ85から受信した制御情報や飛行ルート情報等に基づいて、HAPS10の駆動部14(例えば前述のプロペラ103の駆動モータ)を制御する。例えば、駆動制御部126は、フィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部30が発生したとき又は伝搬損失増大部30の発生が予測されるとき、フィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失増大部30による通信品質の低下を抑制又は回避できる所定の目標位置までHAPS10を移動させるように、HAPS10の駆動部14を制御する。
また、駆動制御部126は、上記伝搬損失増大部30の発生に影響する気象情報(例えば気象予報の情報)を取得し、その気象情報に基づいて上記所定の目標位置に移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部126は、上記伝搬損失増大部30の発生に影響する気象(例えば降雨強度)の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、その気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて上記所定の目標位置に移動するように駆動制御してもよい。ここで、駆動制御部126は、GW局70との間のフィーダリンクと、GW局70とは異なる場所に位置するように地上又は海上に設けた無線装置(例えばFWA)との間のリンクとを含む、複数リンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて前記気象(例えば降雨強度)の空間的変動を検知又は予測してもよい。
また、駆動制御部126は、フィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、その測定の結果に基づいて上記所定の目標位置に移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部126は、当該HAPS10の周辺に他のHAPSが位置するとき、当該HAPS10と他のHAPSとが互いに最適配置になるように他のHAPSと連動して移動するように駆動制御してもよい。
また、駆動制御部126は、HAPS10自体の浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。例えば、駆動制御部126は、HAPS10自体の現在位置情報(例えばGPS位置情報)、予め記憶した位置制御情報(例えば、飛行スケジュール情報)、周辺に位置する他のHAPSの位置情報などを取得し、それらの情報に基づいて浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。
次に、上記構成の通信システムのHAPS10における動的サイトダイバーシチ制御の例について説明する。
図11は、実施形態に係るHAPS10における動的サイトダイバーシチ制御の一例を示すフローチャートである。図12は、図11の動的サイトダイバーシチ制御におけるフィーダリンクの伝搬損失の時間的変動の一例を示すグラフである。なお、図11及び図12の例では、HAPS10の移動をHAPS10自体が自律的に制御しているが、中央制御サーバ85からHAPS10の移動を遠隔的に制御してもよい。
図11において、HAPS10は、GW局70との間のフィーダリンクの無線伝搬路を含むエリアにおける気象予報(例えば、ゲリラ豪雨の発生場所及び発生時間)を含む気象情報を取得する(S101)。この気象情報は、中央制御サーバ85から取得してもよいし、気象庁や民間企業などの気象情報提供機関のサーバから取得してもよい。また、気象情報は、HAPS10に設けた雨雲レーダで測定して取得してもよい。
次に、HAPS10は、上記取得した気象情報に基づいて、フィーダリンク(周波数:FFL)の無線伝搬路を含むエリアに発生する局所的な伝搬損失増大部30の要因となるゲリラ豪雨の気象予報があるか否かを判断する(S102)。ゲリラ豪雨の気象予報がない場合(S102でNO)、HAPS10は、地上側(又は海上側)のGW局70との間で周波数FFLの見通し内(LOS:line of sight)環境におけるフィーダリンクの無線伝搬路の伝搬損失Lを測定する(S103)。伝搬損失L[dB]は、例えば、GW局70から取得した送信電力Pt[dBm]のデータと、HAPS10で測定した受信電力Pr[dBm]の測定値とを用いて、計算式:L=Pt-Prにより計算することができる。
次に、HAPS10は、伝搬損失Lの測定値Lmと予め設定した閾値Lthとを比較し(S104)、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lthよりも大きい(Lm>Lth)場合(S104でYES。図12のT1参照)、上記ゲリラ豪雨の伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できるHAPS10の移動先の目標位置を決定する(S105)。前述のS102でゲリラ豪雨の気象予報がある場合(S102でYES)も、同様にHAPS10の移動先の目標位置を決定する(S105)。ここで、HAPS10の移動先の候補位置のすべての範囲で上記ゲリラ豪雨の影響によってフィーダリンクの伝搬損失が大きくなっている場合は、その範囲の中で上記ゲリラ豪雨の影響が最も少ない位置(伝搬損失の増加量が最も小さい位置)を目標位置として決定してもよい。
一方、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lth以下(Lm≦Lth)場合(S104でNO)、HAPS10は、伝搬損失の測定及び閾値との比較・判定を繰り返す(S103,S104)。
次に、HAPS10は、上記決定した目標位置まで移動し、その目標位置に滞在するようにHAPS10の飛行を制御する(S106)。目標位置に移動して到達した後、HAPS10は、フィーダリンクの無線伝搬路の伝搬損失Lを再度測定し(S107)、伝搬損失測定値Lmが閾値Lth以下になっていることを確認したら(S108でYES。図12のT2参照)、上記S101に戻る。一方、伝搬損失測定値Lmが閾値Lth以下になっていない場合は(S108でNO)、上記S105~S108を繰り返し実行する。
図13は、実施形態に係るHAPS10におけるフィーダリンクの動的サイトダイバーシチ制御の他の例を示すフローチャートである。図14は、図13の動的サイトダイバーシチ制御におけるフィーダリンクの伝搬損失の空間的変動の一例を示すグラフである。なお、図13におけるS201、S202、S205~S208は、前述の図11におけるS101、S102、S105~S108と同様であるので、それらの説明は省略する。また、図13及び図14の例においても、HAPS10の移動をHAPS10自体が自律的に制御しているが、中央制御サーバ85からHAPS10の移動を遠隔的に制御してもよい。
図13において、ゲリラ豪雨の気象予報がない場合(S202でNO)、HAPS10は、地上側(又は海上側)のGW局70と他の無線装置(例えばFWA)とを含む複数の観測点との間で周波数FFLの見通し内(LOS)環境における複数リンクの無線伝搬路の伝搬損失Lを測定する(S203)。
次に、HAPS10は、複数の観測点のうち伝搬損失測定値Lmが予め設定した閾値Lthより大きい(Lm>Lth)観測点の数Nと、予め設定した閾値Nthとを比較する(S204)。ここで、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lthよりも大きい観測点の数Nが閾値Nth(図14の例では3観測点)以上(N≧Nth)場合(S204でYES)、HAPS10は、上記ゲリラ豪雨の伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できるHAPS10の移動先の目標位置を決定する(S205)。ここで、HAPS10の移動先の候補位置のすべての範囲で上記ゲリラ豪雨の影響によってフィーダリンクの伝搬損失が大きくなっている場合は、その範囲の中で上記ゲリラ豪雨の影響が最も少ない位置(伝搬損失の増加量が最も小さい位置)を目標位置として決定してもよい。
一方、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lthよりも大きい観測点の数Nが閾値Nthよりも少ない(N<Nth)場合(S204でNO)、HAPS10は、複数観測点での伝搬損失の測定及び閾値との比較・判定を繰り返す(S203,S204)。
なお、図11~図14の例では、地上側(又は海上側)のGW局70等からHAPS10へ向かうフォワードリンクの無線通信における伝搬損失を測定しているが、HAPS10から地上側(又は海上側)のGW局70等へ向かうリバースリンクの無線通信における伝搬損失を測定してもよい。また、図11及び図12の動的サイトダイバーシチ制御と図13及び図14の動的サイトダイバーシチ制御は組み合わせて実行してもよい。
図15は、実施形態に係るGW局70における動的サイトダイバーシチ制御の更に他の例を示すフローチャートである。なお、図15の例において、GW中継車として構成したGW局70の移動をGW局70自体が自律的に制御しているが、中央制御サーバ85からGW局70の移動を遠隔的に制御してもよい。
図15において、GW局(GW中継車)70は、HAPS10との間のフィーダリンクの無線伝搬路を含むエリアにおける気象予報(例えば、ゲリラ豪雨の発生場所及び発生時間)を含む気象情報を取得する(S301)。この気象情報は、中央制御サーバ85から取得してもよいし、気象庁や民間企業などの気象情報提供機関のサーバから取得してもよい。また、気象情報は、GW局70に設けた雨雲レーダで測定して取得してもよい。
次に、GW局70は、上記取得した気象情報に基づいて、フィーダリンク(周波数:FFL)の無線伝搬路を含むエリアに発生する局所的な伝搬損失増大部30の要因となるゲリラ豪雨の気象予報があるか否かを判断する(S302)。ゲリラ豪雨の気象予報がない場合(S302でNO)、GW局70は、HAPS10との間で周波数FFLの見通し内(LOS)環境におけるフィーダリンクの無線伝搬路の伝搬損失Lを測定する(S303)。伝搬損失L[dB]は、例えば、HAPS10から取得した送信電力Pt[dBm]のデータと、GW局70で測定した受信電力Pr[dBm]の測定値とを用いて、計算式:L=Pt-Prにより計算することができる。
次に、GW局70は、伝搬損失Lの測定値Lmと予め設定した閾値Lthとを比較し(S304)、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lthよりも大きい(Lm>Lth)場合(S304でYES)、上記ゲリラ豪雨の伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できるGW局70の移動先の目標位置を決定する(S305)。前述のS302でゲリラ豪雨の気象予報がある場合(S302でYES)も、同様にGW局70の移動先の目標位置を決定する(S305)。ここで、GW局70の移動先の候補位置のすべての範囲で上記ゲリラ豪雨の影響によってフィーダリンクの伝搬損失が大きくなっている場合は、その範囲の中で上記ゲリラ豪雨の影響が最も少ない位置(伝搬損失の増加量が最も小さい位置)を目標位置として決定してもよい。
一方、伝搬損失の測定値Lmが閾値Lth以下(Lm≦Lth)場合(S304でNO)、GW局70は、伝搬損失の測定及び閾値との比較・判定を繰り返す(S303,S304)。
次に、GW局70は、上記決定した目標位置まで移動するように制御する(S306)。目標位置に移動して到達した後、GW局70は、フィーダリンクの無線伝搬路の伝搬損失Lを再度測定し(S307)、伝搬損失測定値Lmが閾値Lth以下になっていることを確認したら(S308でYES)、上記S301に戻る。一方、伝搬損失測定値Lmが閾値Lth以下になっていない場合は(S308でNO)、上記S305~S308を繰り返し実行する。
なお、図15の例では、HAPS10から地上側(又は海上側)のGW局70へ向かうリバースリンクの無線通信における伝搬損失を測定しているが、地上側(又は海上側)のGW局70からHAPS10へ向かうフォワードリンクの無線通信における伝搬損失を測定してもよい。
また、図11~図15の例において、送信電力が一定の場合は伝搬損失の測定値の代わりに受信電力の測定値と閾値とを比較してHAPS10又はGW局70を移動するか否かを判断してもよい。
次に、実施形態の通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の例について説明する。
図16は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の一例を示す説明図である。図16は、移動可能なコンテナタイプの単一のGW局70を備えた通信システムの例である。図16のGW局70(GW局装置71及びGWアンテナ72)は移動前の状態を示し、GW局70’(GW局装置71’及びGWアンテナ72’)は移動後の状態を示している。
図16において、GW局装置71は、eNB(eNodeB)711とMME(Mobility Management Entity)712とHSS(Home Subscriber Server)713とS-GW(Serving Gateway)714とP-GW(PDN Gateway)715とを備える。eNB711は、LTEの移動体通信システムの基地局装置の機能(例えば前述のRRH及びBBUの機能)を有し、GWアンテナ72に接続されている。
MME712は、eNB711を収容し、位置登録、ページング、ハンドオーバなどのモビリティ制御、ベアラ確立/削除などを行う論理ノードである。また、MME712は、HSS713から通知される認証情報に基づいてユーザ認証を実施したり、端末装置(移動局)60との間で信号の暗号化を行ったりする。HSS713は、移動通信ネットワークにおける加入者情報データベースであり、認証情報および在圏情報の管理を行う。
S-GW714は、ユーザーデータのユーザープレーン(User-plane)を扱うゲートウェイとして機能する。P-GW715は、コアネットワークの中央サイトを介してインターネットなどの外部のネットワークであるPDN(Packet Data Network)91と接続する接続点であり、IPアドレスの割当てやS-GW714へのパケット転送などを行うゲートウェイである。また、P-GW715は、インターネット、移動通信事業者(通信キャリア)のサービス用サーバ、音声通話のシステムなどへのインターフェイス機能を有する。
図中の各ノードを接続する実線の伝送経路は、ユーザープレーン(User-plane)のインターフェイスであり、破線の伝送経路は、制御プレーン(Control-plane)のインターフェイスである。また、GW局装置71とPDN91側のコアネットワークの中央サイトとは、無線中継経路(例えば、マイクロ波中継経路)81を介して接続されている。
図17は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の他の例を示す説明図である。図17は、固定設置の複数のGW局70(1)~70(N)を備えた通信システムの例である。図17の構成のうち図16と共通するノードについては説明を省略する。
図17において、複数のGW局70(1)~70(N)のGW局装置71(1)~71(N)はそれぞれ、eNB711とS-GW714とを備える。一方、コアネットワークの中央サイト82は、MME712とHSS713とP-GW715とを備える。複数のGW局70(1)~70(N)のGW局装置71(1)~71(N)はそれぞれ、無線中継経路(例えば、マイクロ波中継経路)81(1)~81(N)を介して、コアネットワークの中央サイト82に接続されている。
図18は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図である。図18は、移動可能なコンテナタイプの単一のGW局70を備えた通信システムの例である。図18の構成のうち図16と共通するノードについては説明を省略する。
図18において、GW局70のGW局装置71はeNB711とS-GW714とを備え、コアネットワークの中央サイト82は、MME712とHSS713とP-GW715とを備える。GW局70のGW局装置71は、無線中継経路(例えば、マイクロ波中継経路)81を介して、コアネットワークの中央サイト82に接続されている。
図19は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図である。図19は、固定設置の複数のGW局70(1)~70(N)を備えた通信システムの例である。図19の構成のうち図16及び図17と共通する部分については説明を省略する。
図19のネットワーク構成は、図17の構成とは異なり、複数のGW局70(1)~70(N)それぞれにおいて、S-GW714からのユーザープレーンのデータ(ユーザーデータ)をP-GW803を介さずにインターネット等のPDN91に直接転送するローカルブレークアウト(Local Breakout)機能を有している。
図20は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図である。図20は、移動可能なコンテナタイプの単一のGW局70(1)~70(N)を備えた通信システムの例である。図20の構成のうち図16及び図18と共通する部分については説明を省略する。
図20のネットワーク構成は、図18の構成とは異なり、移動可能なGW局70において、S-GW714からのユーザープレーンのデータ(ユーザーデータ)をP-GW803を介さずにインターネット等のPDN91に直接転送するローカルブレークアウト(Local Breakout)機能を有している。
図21は、実施形態に係る通信システムのGW局70及びその周辺のネットワーク構成の更に他の例を示す説明図である。図21は、GW局70がデータ処理装置としてのMEC(Mobile Edge Computing)装置716を有する例である。図21の構成のうち図16と共通するノードについては説明を省略する。
図21において、GW局70のGW局装置71はeNB711とMEC716とを備え、コアネットワークの中央サイト82は、MME801とHSS802とP-GW803とS-GW804とを備える。GW局70のGW局装置71は、無線中継経路(例えば、マイクロ波中継経路)81を介して、コアネットワークの中央サイト82に接続されている。
図21の構成では、eNB711を介した通信の全トラフィックはMEC装置716を通過し、MEC対応の端末装置で送受信されるユーザーデータ(パケット)に対してローカル折り返しやローカルブレークアウト(Local Breakout)を行う。ここで、ローカル折り返しは、端末装置から送信されたデータを、eNB711を介してMEC装置716に転送し、MEC装置716が受信したユーザーデータ(パケット)に対して所定のデータ処理を行い、処理後のデータを、コアネットワークの中央サイト82に転送せずにeNB711を介して端末装置に折り返す処理である。また、ローカルブレークアウトは、MEC装置716から送信されたユーザープレーンのデータ(ユーザーデータ)をS-GW804及びP-GW803を介さずにインターネット等のPDN91に直接転送する処理である。
なお、図16~図21では、LTE(4G)のネットワーク構成の例について説明したが、GW局及びその周辺のネットワークは5G以降の次世代のネットワークに基づいて構成してもよい。また、図16~図21では、HAPS11の中継通信局11がリピータ子機であってGW局70がeNodeを有するリピータ親機である構成について説明したが、HAPS11の中継通信局11が図16~図21におけるeNode等を有するGW局装置71の構成を備え、そのHAPS11の中継通信局11とコアネットワーク80との間のバックホール回線をGW局70が中継するようにしてもよい。
以上、本実施形態によれば、HAPS10とGW局70との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部30が発生したとき又は伝搬損失増大部30の発生が予測されるとき、HAPS10、GW局70又はその両方を、伝搬損失増大部30による通信品質の低下を抑制又は回避できる所定の目標位置まで移動させている。この移動により、フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失(信号減衰)の増大に起因したフィーダリンクの通信品質の低下を抑制又は回避することができるので、サービスリンクの通信品質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、HAPS10の上記所定の目標位置への移動を、サービスリンクのセル100Cの地上又は海上におけるフットプリント100Fの位置及び形状を維持可能な範囲内で行っている。又は、上記所定の目標位置へのHAPS10の移動後又は移動中に、サービスリンクのセル100Cのフットプリント100Fの位置及び形状をHAPS10の移動前のフットプリントの位置及び形状に維持するようにサービスリンクの指向性ビームを制御している。従って、HAPS10を上記所定の目標位置へ移動させたときにサービスリンクのセル100C及びそのフットプリント100Fの位置及び形状を維持することができる。
なお、本明細書で説明された処理工程並びにHAPS等の通信中継装置の中継通信局、フィーダ局、ゲートウェイ局、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、基地局、基地局装置、RRH及びBBUの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、無線中継局、フィーダ局、ゲートウェイ局、基地局、基地局装置、無線中継局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 HAPS(通信中継装置)
11 中継通信局
12,12(1),12(2) フィーダリンク用アンテナ(FLアンテナ)
30 伝搬損失増大部
60 端末装置
70,70(1),70(2) ゲートウェイ局(GW局)
70’ 移動後のゲートウェイ局(GW局)
71 GW局装置
72 フィーダリンク用アンテナ(GWアンテナ)
100C 3次元セル
100F フットプリント

Claims (22)

  1. 空中滞在型の通信中継装置であって、
    ゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線通信を行うフィーダリンク通信部と、
    端末装置との間でサービスリンクの無線通信するサービスリンク通信部と、
    当該通信中継装置を移動させる駆動部と、
    前記ゲートウェイ局と当該通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで当該通信中継装置を移動させるように制御する駆動制御部と、
    を備え
    前記サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリントの位置及び形状を維持可能な範囲内で移動する、ことを特徴とする通信中継装置。
  2. 請求項1の通信中継装置において、
    フィーダリンク用のアンテナの機械的な駆動又は前記フィーダリンクにおける信号処理により前記ゲートウェイ局の方向を向くように前記フィーダリンク通信部の指向性ビームを制御することを特徴とする通信中継装置
  3. 求項1又は2の通信中継装置において、
    当該通信中継装置を移動させた後又は当該通信中継装置の移動中に、前記サービスリンクのセルの地上又は海上におけるフットプリントの位置及び形状を当該通信中継装置の移動前の前記フットプリントの位置及び形状に維持するように前記サービスリンク通信部の指向性ビームを制御することを特徴とする通信中継装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とする通信中継装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、前記気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とする通信中継装置。
  6. 請求項の通信中継装置において、
    前記ゲートウェイ局との間のフィーダリンクと、前記ゲートウェイ局とは異なる場所に位置するように地上又は海上に設けた無線装置との間のリンクとを含む、複数リンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記気象の空間的変動を検知又は予測することを特徴とする通信中継装置。
  7. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とする通信中継装置。
  8. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    当該通信中継装置が移動した先で前記フィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は前記通信品質を測定することを特徴とする通信中継装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    当該通信中継装置の周辺に他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、当該通信中継装置と前記他の通信中継装置とが互いに最適配置になるように前記他の通信中継装置と連動して移動することを特徴とする通信中継装置。
  10. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    当該通信中継装置の周辺に、管理運用主体が異なる他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、前記他の通信中継装置に移動先を指示することを特徴とする通信中継装置。
  11. 空中滞在型の通信中継装置と無線通信を行うゲートウェイ局であって、
    通信網との間で通信を行うネットワーク通信部と、
    前記通信中継装置との間でフィーダリンクの無線通信を行うフィーダリンク通信部と、
    当該ゲートウェイ局を移動させる駆動部と、
    当該ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで当該ゲートウェイ局を移動させるように制御する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とするゲートウェイ局。
  12. 請求項1のゲートウェイ局において、
    フィーダリンク用のアンテナの機械的な駆動又は前記フィーダリンクにおける信号処理により前記通信中継装置の方向を向くように前記フィーダリンク通信部の指向性ビームを制御することを特徴とするゲートウェイ局。
  13. 請求項1又は1のゲートウェイ局において、
    当該ゲートウェイ局と前記フィーダリンクの無線通信を行っている接続中の前記通信中継装置は複数であり、
    前記複数の接続中の通信中継装置にとって最適な位置に移動することを特徴とするゲートウェイ局。
  14. 請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局において、
    当該ゲートウェイ局と前記フィーダリンクの無線通信を行っている接続中の前記通信中継装置の周辺に、前記接続中の通信中継装置とは運用管理主体が異なる他の空中滞在型の通信中継装置が位置するとき、前記接続中の通信中継装置及び前記他の通信中継装置の両方にとって最適な位置に移動することを特徴とするゲートウェイ局。
  15. 請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局において、
    前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象情報を取得し、前記気象情報に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とするゲートウェイ局。
  16. 請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局において、
    前記フィーダリンクの無線伝搬路における局所的な伝搬損失増大部の発生に影響する気象の時間的変動又は空間的変動を検知又は予測し、前記気象の時間的変動又は空間的変動の検知結果又は予測結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とするゲートウェイ局。
  17. 請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局において、
    前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路における伝搬損失又は無線信号減衰量を測定し、前記測定の結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記通信品質の低下を抑制又は回避できる位置に移動することを特徴とするゲートウェイ局。
  18. 請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局において、
    当該ゲートウェイ局が移動した先で前記フィーダリンクの無線信号の減衰量若しくは伝搬損失又は前記通信品質を測定することを特徴とするゲートウェイ局。
  19. 請求項1乃至1のいずれかの通信中継装置と請求項1乃至1のいずれかのゲートウェイ局とを備え、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方を移動させることを特徴とする通信システム。
  20. 請求項19の通信システムにおいて、
    前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方は複数であり、複数のフィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を同時に抑制又は回避することを特徴とする通信システム。
  21. 請求項19又は2の通信システムにおいて、
    前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで移動させるための制御情報を前記通信中継装置及び前記ゲートウェイ局の少なくとも一方に送信する遠隔制御装置を、更に備えることを特徴とする通信システム
  22. 中滞在型の通信中継装置と無線通信を行うゲートウェイ局に設けられたコンピュータ又はプロセッサで実行されるプログラムであって、
    通信網との間で通信を行うためのプログラムコードと、
    前記通信中継装置との間でフィーダリンクの無線通信を行うためのプログラムコードと、
    前記ゲートウェイ局と前記通信中継装置との間のフィーダリンクの無線伝搬路に局所的な伝搬損失増大部が発生したとき又は前記伝搬損失増大部の発生が予測されるとき、前記フィーダリンクの無線伝搬路における前記伝搬損失増大部による通信品質の低下を抑制又は回避できる位置まで前記ゲートウェイ局を移動させるためのプログラムコードと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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