以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸を中心とする回転又は傾斜方向をθX方向、Y軸を中心とする回転又は傾斜方向をθY方向、Z軸を中心とする回転又は傾斜方向をθZ方向とする。本実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は上下方向であることとする。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。また、以下の説明においては、X軸及びY軸を含む所定面を適宜、XY平面、と称し、Y軸及びZ軸を含む面を適宜、YZ平面、と称し、Z軸及びX軸を含む面を適宜、ZX面、と称する。
[電子部品実装装置]
図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置1を模式的に示す平面図である。電子部品実装装置1は、電子部品Cを基板Pに実装する。電子部品実装装置1は、ベース部材2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、電子部品Cを供給する電子部品供給装置100と、ノズル4を有する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置6と、ノズル4を移動するノズル移動装置7とを備える。
ベース部材2は、基板搬送装置3、電子部品供給装置100、実装ヘッド5、ヘッド移動装置6、及びノズル移動装置7を支持する。
基板搬送装置3は、基板Pを実装位置DMに搬送する。実装位置DMは、基板搬送装置3の搬送経路に規定される。基板搬送装置3は、基板Pを搬送する搬送ベルト3Bと、基板Pをガイドするガイド部材3Gと、基板Pを保持する保持部材3Hとを有する。搬送ベルト3Bは、アクチュエータの作動により移動して、基板PをX軸方向に搬送する。また、不図示の昇降機構により、保持部材3Hと基板Pと搬送ベルト3BとがZ軸方向に移動する。基板Pは、X軸方向の実装位置DMに移動した後、昇降機構により上昇して、搬送ベルト3Bとガイド部材3Gとに挟持される。実装ヘッド5は、実装位置DMに配置された基板Pの表面に電子部品Cを実装する。
電子部品供給装置100は、電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置100は、複数のテープフィーダ10を含む。テープフィーダ10は、複数の電子部品Cを保持するキャリアテープを搬送する。電子部品供給装置100は、複数の電子部品Cのうち少なくとも1つの電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び−Y側の両方に配置される。なお、電子部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び−Y側の一方に配置されてもよい。
実装ヘッド5は、電子部品供給装置100から供給された電子部品Cをノズル4で保持して基板Pに実装する。実装ヘッド5は、複数のノズル4を有する。実装ヘッド5は、電子部品供給装置100から電子部品Cが供給される供給位置SMと、基板Pが配置されている実装位置DMとの間を移動可能である。供給位置SMと実装位置DMとは、XY平面内において異なる位置に規定される。実装ヘッド5は、供給位置SMに供給された電子部品Cをノズル4で保持して、実装位置DMに移動した後、実装位置DMに配置されている基板Pに電子部品Cを実装する。
ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向に移動するX軸移動装置6Xと、実装ヘッド5をY軸方向に移動するY軸移動装置6Yとを有する。X軸移動装置6X及びY軸移動装置6Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸移動装置6Xは、実装ヘッド5に連結される。X軸移動装置6Xの作動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸移動装置6Yは、X軸移動装置6Xを介して実装ヘッド5に連結される。Y軸移動装置6Yの作動によりX軸移動装置6XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
ノズル4は、電子部品Cを着脱可能に保持する。ノズル4は、電子部品Cを吸着保持する吸引ノズルである。ノズル4の先端部に開口が設けられる。ノズル4の開口は、真空システムと接続される。ノズル4の先端部と電子部品Cとが接触した状態で、ノズル4の先端部に設けられた開口からの吸引動作が実施されることにより、ノズル4の先端部に電子部品Cが吸着保持される。開口からの吸引動作が解除されることにより、ノズル4から電子部品Cが解放される。なお、ノズル4は、電子部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ノズル移動装置7は、複数のノズル4のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置7は、実装ヘッド5に支持される。ノズル4は、ノズル移動装置7を介して実装ヘッド5に支持される。
ノズル4は、ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。ノズル4が移動することにより、ノズル4に保持されている電子部品Cも、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル4は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
[電子部品供給装置]
次に、電子部品供給装置100について説明する。図2は、本実施形態に係る電子部品供給装置100を模式的に示す側面図である。電子部品供給装置100は、電気駆動方式の電子部品供給装置である。テープフィーダ10は、電動式テープフィーダである。
電子部品供給装置100は、キャスタ101に支持される台車102と、台車102に支持されるリールホルダ103と、台車102に支持されるフィーダバンク105と、フィーダバンク105に支持されるテープフィーダ10とを備える。テープリール104がリールホルダ103に装着される。
台車102は、キャスタ101により床面を移動可能である。リールホルダ103は、テープリール104を回転可能に保持する。テープリール104にキャリアテープ11が巻かれている。キャリアテープ11は、テープリール104に巻かれた状態で、電子部品供給装置100に装着される。複数の電子部品Cがキャリアテープ11に保持される。
フィーダバンク105は、複数のテープフィーダ10を着脱可能に保持する。テープフィーダ10は、フィーダバンク105においてX軸方向に複数配置される。テープリール104からテープフィーダ10にキャリアテープ11が供給される。テープフィーダ10は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11をY軸方向に搬送する。テープフィーダ10によりキャリアテープ11が移動することによって、キャリアテープ11に保持されている複数の電子部品Cのうち、特定の電子部品Cが供給位置SMに搬送される。
テープリール104は、第1のテープリール104Aと、第2のテープリール104Bとを含む。テープフィーダ10は、第1のテープリール104A及び第2のテープリール104Bのそれぞれから供給されるキャリアテープ11を搬送可能なダブルテープフィーダである。なお、テープフィーダ10は、ダブルテープフィーダでなくてもよい。
[キャリアテープ]
次に、キャリアテープ11について説明する。図3は、本実施形態に係るキャリアテープ11を模式的に示す平面図である。図4は、本実施形態に係るキャリアテープ11を模式的に示す断面図である。
図3及び図4に示すように、キャリアテープ11は、電子部品Cを収納するベーステープ12と、ベーステープ12に収納されている電子部品Cを覆うようにベーステープ12に接合されたカバーテープ13とを含む。
ベーステープ12は、複数の電子部品Cを保持する。ベーステープ12は、例えば紙又は合成樹脂のような柔軟材料により形成される。ベーステープ12は、電子部品Cが収納される収容部14と、収容部14に隣接する非収容部15と、スプロケットホール16とを有する。
収容部14は、電子部品Cを収納する。収容部14は、ベーステープ12に設けられた凹部を含む。複数の収容部14のそれぞれに電子部品Cが収納される。1つの収容部14に1つの電子部品Cが収納される。なお、1つの収容部14に複数の電子部品Cが収納されてもよい。
収容部14は、Y軸方向に間隔をあけて複数設けられる。Y軸方向は、キャリアテープ11の長手方向である。複数の収容部14は、Y軸方向に等間隔で設けられる。
非収容部15は、収容部14の開口の周囲に配置されたベーステープ12の上面を含む。電子部品Cは、非収容部15に収納されない。
非収容部15は、Y軸方向において収容部14に隣接する。非収容部15は、Y軸方向において隣り合う収容部14の間に配置される。非収容部15は、Y軸方向に間隔をあけて複数設けられる。複数の非収容部15は、Y軸方向に等間隔で設けられる。
後述するスプロケットのスプロケットピンがスプロケットホール16に挿入される。スプロケットホール16は、Y軸方向に間隔をあけて複数設けられる。複数のスプロケットホール16は、Y軸方向に等間隔で設けられる。
収容部14とスプロケットホール16とは、X軸方向に配置される。X軸方向は、キャリアテープ11の幅方向である。スプロケットホール16は、収容部14よりも−X側に配置される。
カバーテープ13は、電子部品Cを覆う。カバーテープ13は、例えば合成樹脂のような柔軟材料により形成される。カバーテープ13は、収容部14の開口を覆い、スプロケットホール16を覆わないように、ベーステープ12の上面に接合される。カバーテープ13は、電子部品Cが収容部14から脱落することを抑制する。
キャリアテープ11は、X軸方向において電子部品Cの両側にベーステープ12とカバーテープ13とを接合する接着材17及び接着材18を有する。カバーテープ13は、接着材17及び接着材18によりベーステープ12に接合される。接着材17及び接着材18は、ベーステープ12の上面とカバーテープ13の下面との間に設けられる。
X軸方向において、カバーテープ13の寸法は、ベーステープ12の寸法よりも小さい。接着材17は、収容部14よりも+X側のカバーテープ13の端部において、Y軸方向に延在する。カバーテープ13の下面の+X側の端部とベーステープ12の上面とが接着材17によって接合される。接着材18は、収容部14よりも−X側のカバーテープ13の端部において、Y軸方向に延在する。カバーテープ13の下面の−X側の端部とベーステープ12の上面とが接着材18によって接合される。接着材18は、X軸方向において、収容部14とスプロケットホール16との間に設けられる。
本実施形態において、ベーステープ12の厚さは、500[μm]以上1000[μm]以下である。カバーテープ13の厚さは、50[μm]以上70[μm]以下である。接着材17及び接着材18によって形成される接着層の厚さは、40[μm]以上60[μm]以下である。
[テープフィーダ]
次に、テープフィーダ10について説明する。図5は、本実施形態に係るテープフィーダ10を示す側面図である。
テープフィーダ10は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11を収容部14の間隔と等しい距離で断続的に移動し、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部を剥離し、カバーテープ13が剥離されたベーステープ12に保持されている電子部品Cを供給位置SMに搬送する。
テープフィーダ10は、メインフレーム20と、メインフレーム20に支持され、キャリアテープ11を搬送する搬送装置30と、メインフレーム20に支持され、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部を剥離する剥離部材60とを備える。
メインフレーム20は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11が挿入される入口21と、キャリアテープ11が移動する内部通路22と、キャリアテープ11が抜去される出口23とを有する。入口21に挿入されたキャリアテープ11は、搬送装置30により、内部通路22を移動した後、出口23から出て、剥離部材60に搬送される。図5に示す例において、入口21は、メインフレーム20の−Y側の端部に設けられる。出口23は、入口21よりも+Y側及び+Z側に配置される。剥離部材60は、出口23よりも+Y側に配置される。
搬送装置30は、キャリアテープ11を搬送する。搬送装置30は、入口21に供給されたキャリアテープ11を剥離部材60に搬送する。また、搬送装置30は、剥離部材60においてカバーテープ13の少なくとも一部が剥離されたベーステープ12を供給位置SMに搬送する。
搬送装置30は、Y軸方向にキャリアテープ11を搬送する。搬送装置30の搬送方向は、Y軸方向である。搬送装置30の搬送方向とキャリアテープ11の長手方向とは一致する。
キャリアテープ11は、搬送装置30により+Y方向に搬送される。以下の説明においては、キャリアテープ11が搬送される+Y方向を適宜、搬送方向の後方、と称し、搬送方向の後方と反対の方向を適宜、搬送方向の前方、と称する。
搬送装置30は、入口21の近傍に配置される第1スプロケット31と、第1スプロケット31よりも搬送方向の後方に配置される第2スプロケット32と、第2スプロケット32よりも搬送方向の後方に配置される第3スプロケット33と、第1スプロケット31を回転させる動力を発生する駆動モータ34と、第2スプロケット32及び第3スプロケット33を回転させる動力を発生する駆動モータ35とを有する。また、搬送装置30は、駆動モータ34で発生した動力を第1スプロケット31に伝達する動力伝達機構34Dと、駆動モータ35で発生した動力を第2スプロケット32及び第3スプロケット33のそれぞれに伝達する動力伝達機構35Dとを有する。
駆動モータ34は、メインフレーム20に支持される。駆動モータ34は、ステッピングモータである。動力伝達機構34Dは、複数のギヤを含む。動力伝達機構34Dは、駆動モータ34が発生する動力を第1スプロケット31に伝達する。第1スプロケット31は、X軸と平行な回転軸を中心に回転するように、メインフレーム20に支持される。
図6は、本実施形態に係る第1スプロケット31を模式的に示す図である。図5及び図6に示すように、第1スプロケット31は、キャリアテープ11のスプロケットホール16に挿入されるスプロケットピン31Pを有する。スプロケットホール16にスプロケットピン31Pが挿入されることにより、キャリアテープ11は第1スプロケット31に支持される。第1スプロケット31は、動力伝達機構34Dを介して伝達された駆動モータ34の動力に基づいて回転する。第1スプロケット31は、スプロケットホール16にスプロケットピン31Pを挿入して、キャリアテープ11を支持した状態で回転することにより、電子部品Cを収納するキャリアテープ11を+Y方向に搬送する。
キャリアテープ11は、入口21を介して第1スプロケット31に供給される。第1スプロケット31は、入口21から供給されたキャリアテープ11を支持した状態で回転して、第2スプロケット32に搬送する。
図5に示すように、駆動モータ35は、メインフレーム20に支持される。駆動モータ35は、ステッピングモータである。動力伝達機構35Dは、複数のギヤを含む。動力伝達機構35Dは、駆動モータ35が発生する動力を第2スプロケット32及び第3スプロケット33のそれぞれに伝達する。第2スプロケット32及び第3スプロケット33のそれぞれは、X軸と平行な回転軸を中心に回転するように、メインフレーム20に支持される。
第2スプロケット32は、剥離部材60よりも搬送方向の前方に配置される。第3スプロケット33は、剥離部材60よりも搬送方向の後方に配置される。搬送方向において、第2スプロケット32は、出口23と剥離部材60との間に配置される。
第2スプロケット32は、キャリアテープ11のスプロケットホール16に挿入されるスプロケットピン32Pを有する。スプロケットホール16に第2スプロケット32のスプロケットピン32Pが挿入されることにより、キャリアテープ11は第2スプロケット32に支持される。第2スプロケット32は、動力伝達機構35Dを介して伝達された駆動モータ35の動力に基づいて回転する。第2スプロケット32は、スプロケットホール16にスプロケットピン32Pを挿入して、キャリアテープ11を支持した状態で回転することにより、電子部品Cを保持するキャリアテープ11を+Y方向に搬送する。
第2スプロケット32は、第1スプロケット31から搬送されたキャリアテープ11を支持した状態で回転して、剥離部材60に搬送する。
剥離部材60は、第2スプロケット32から供給されたキャリアテープ11の端面11Tにおけるベーステープ12とカバーテープ13との境界に挿入される。これにより、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部が剥離される。
搬送方向において、供給位置SMは、剥離部材60と第3スプロケット33との間に規定される。実装ヘッド5は、カバーテープ13が剥離されたベーステープ12に保持されている電子部品Cをノズル4で保持することができる。
第3スプロケット33は、キャリアテープ11のスプロケットホール16に挿入されるスプロケットピン33Pを有する。スプロケットホール16に第3スプロケット33のスプロケットピン33Pが挿入されることにより、キャリアテープ11は第3スプロケット33に支持される。第3スプロケット33は、動力伝達機構35Dを介して伝達された駆動モータ35の動力に基づいて回転する。第3スプロケット33は、スプロケットホール16にスプロケットピン33Pを挿入して、キャリアテープ11を支持した状態で回転することにより、キャリアテープ11を+Y方向に搬送する。
第3スプロケット33は、剥離部材60を通過したキャリアテープ11を支持した状態で回転して、+Y方向に搬送する。
搬送装置30は、メインフレーム20の上部に装着されるカバー部材38を備える。カバー部材38は、メインフレーム20よりも上方に配置される上板部36と、メインフレーム20の側面の上部と対向する側板部37とを有する。
上板部36は、メインフレーム20の上面と対向する下面を有する。出口23から出たキャリアテープ11は、上板部36の下面とメインフレーム20の上面との間を移動して、剥離部材60に搬送される。
カバー部材38は、着脱可能にメインフレーム20に固定される。本実施形態において、カバー部材38の+Y側の端部は、ばね39を介してメインフレーム20に連結される。
[移行機構]
次に、先行するキャリアテープ11から後続するキャリアテープ11へ移行させる移行機構40について説明する。図7は、本実施形態に係る移行機構40を示す側断面図である。図8は、本実施形態に係る移行機構40を示す平面図である。図9及び図10は、本実施形態に係るテープフィーダ10の入口21の近傍を示す斜視図である。図11は、本実施形態に係る移行機構40を示す断面図であって、図8及び図10に示すA−A線矢視図に相当する。図12は、本実施形態に係る移行機構40を示す断面図であって、図8及び図10に示すB−B線矢視図に相当する。図13及び図14は、本実施形態に係る移行機構40を示す断面図である。
移行機構40は、入口21から挿入されたキャリアテープ11の幅方向の一端部である−X側の端部をY軸方向にガイドするガイド面43を有するガイド部材41と、キャリアテープ11の幅方向の他端部である+X側の端部に接触する接触面44を有し、キャリアテープ11の+X側の端部をキャリアテープ11の幅方向の中心に向かって押す弾性力を発生する弾性部材42とを有する。
ガイド部材41は、メインフレーム20に支持される。ガイド部材41は、Y軸方向に延在する。ガイド部材41は、入口21と第1スプロケット31との間に配置される。ガイド部材41は、入口21に挿入されたキャリアテープ11を第1スプロケット31までガイドする。
弾性部材42は、メインフレーム20に支持される。弾性部材42は、ガイド部材41と対向するように配置される。弾性部材42は、Y軸方向に延在する板ばねである。弾性部材42は、入口21と第1スプロケット31との間に配置される。弾性部材42は、入口21に挿入され、第1スプロケット31に搬送されるキャリアテープ11の+X側の端部を−X側に押す弾性力を発生する。
Y軸方向においてガイド部材41の一端部である−Y側の端部と弾性部材42の一端部である−Y側の端部とによって、入口21が規定される。入口21から挿入されたキャリアテープ11がガイド部材41と弾性部材42との間を通過して第1スプロケット31に移送される。第1スプロケット31は、入口21に挿入され、ガイド部材41と弾性部材42との間を通過したキャリアテープ11を支持した状態で回転して、第2スプロケット32に搬送する。
弾性部材42は、−X側を向く接触面44と、+X側を向く外面45とを有する。弾性部材42の接触面44は、YZ平面と実質的に平行な平坦面である。接触面44は、Y軸方向に延在する。弾性部材42の−Y側の端部及び+Y側の端部がメインフレーム20に固定される。−Y側の端部と+Y側の端部との間の弾性部材42の中間部は、メインフレーム20の内面から離れている。すなわち、図8及び図9等に示すように、弾性部材42の中間部において、弾性部材42の外面45とメインフレーム20の内面とは、間隙Gを介して対向する。
ガイド部材41と弾性部材42との間を通過するキャリアテープ11がガイド部材41にガイドされながら弾性部材42に常に接触するように、間隙Gの寸法が調整される。また、間隙Gの寸法が調整されることにより、弾性部材42がキャリアテープ11の+X側の端部を−X側に押す弾性力が調整される。
ガイド部材41は、2つのガイド面43を有する第1区間411と、3つのガイド面43を有する第2区間412とを有する。搬送方向において、入口21と第1スプロケット31との間に中間位置24が規定される。中間位置24は、Y軸方向において入口21から第1規定距離の位置である。第1区間411は、入口21と中間位置24との間の区間である。第2区間412は、中間位置24と第1スプロケット31との間の区間である。
図11は、第1区間411における断面図を示す。図12は、第2区間412における断面図を示す。図11に示すように、第1区間411のガイド面43は、キャリアテープ11の下面の少なくとも一部に対向する第1ガイド面431と、接触面44と実質的に平行な第2ガイド面432とを含む。図12に示すように、第2区間412のガイド面43は、キャリアテープ11の下面の少なくとも一部に対向する第1ガイド面431と、接触面44と実質的に平行な第2ガイド面432と、キャリアテープ11の上面の少なくとも一部に対向する第3ガイド面433とを含む。すなわち、第1区間411において、第3ガイド面433が設けられず、第2区間412において、第3ガイド面433が設けられる。
第1ガイド面431は、XY平面と実質的に平行である。第1ガイド面431は、入口21から第1スプロケット31までY軸方向に延在する。第1ガイド面431は、キャリアテープ11の下面の−X側の縁部領域を支持する。
第2ガイド面432は、YZ平面と実質的に平行である。第2ガイド面432の−Z側の端部は、第1ガイド面431の−X側の端部に接続される。第2ガイド面432は、入口21から第1スプロケット31までY軸方向に延在する。第2ガイド面432は、キャリアテープ11の−X側の端部に対向する。
第3ガイド面433は、XY平面と実質的に平行である。第3ガイド面433の−X側の端部は、第2ガイド面432の+Z側の端部に接続される。第3ガイド面433は、中間位置24から第1スプロケット31までY軸方向に延在する。第3ガイド面433は、キャリアテープ11の上面の−X側の縁部領域に対向する。
すなわち、入口21から中間位置24までの第1区間411においては、ガイド部材41のガイド面43は、XZ平面において直交する第1ガイド面431と第2ガイド面432とによって構成される。中間位置24から第1スプロケット31までの第2区間412においては、ガイド部材41のガイド面43は、XZ平面において直交する第1ガイド面431と第2ガイド面432と第3ガイド面433とによって構成される。入口21から挿入されたキャリアテープ11は、第1区間411において、第1ガイド面431と第2ガイド面432とによってガイドされる。第1区間411を通過したキャリアテープ11は、第2区間412において、第1ガイド面431と第2ガイド面432と第3ガイド面433とによってガイドされる。第1区間411と第2区間412との境界において、第1区間411の第1ガイド面431と第2区間412の第1ガイド面431とは、同一平面内に配置される(面一である)。同様に、第1区間411と第2区間412との境界において、第1区間411の第2ガイド面432と第2区間412の第2ガイド面432とは、同一平面内に配置される(面一である)。そのため、キャリアテープ11は、第1区間411から第2区間412に円滑に移動することができる。
図8、図10、及び図11に示すように、入口21において、弾性部材42の−Y側の端部よりも下方に、キャリアテープ11の下面の+X側の縁部領域を支持する支持部材50が配置される。支持部材50は、第1ガイド面431と同じ高さに配置される第4ガイド面51を有する。第4ガイド面51は、キャリアテープ11の下面の+X側の縁部領域を支持する。
支持部材50は、Y軸方向において入口21から第2規定距離まで延在する。第2規定距離は、入口21から中間位置24までの距離を示す第1規定距離よりも十分に短い。支持部材50は、ブロック状の部材である。
図9及び図10等に示すように、入口21の近傍において、+X側のメインフレーム20の上部と−X側のガイド部材41の上部とのそれぞれに連結されるアーチ部材55が設けられる。
図13に示すように、X軸方向において、第1スプロケット31とガイド面43との距離Waは、第1スプロケット31と接触面44との距離Wbよりも短い。すなわち、本実施形態において、ガイド部材41は、キャリアテープ11の+X側の端部及び−X側の端部のうち、スプロケットホール16との距離が短い方の−X側の端部をガイドする。弾性部材42は、キャリアテープ11の+X側の端部及び−X側の端部のうち、スプロケットホール16との距離が長い方の+X側の端部を支持する。
本実施形態において、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pは、第1スプロケット31の回転軸に対する放射方向において外側に向かって細くなる。すなわち、スプロケットピン31Pは、先端が細くなるテーパ状に形成されている。
[移行処理]
次に、本実施形態に係る移行機構40による移行処理について説明する。はじめに、先行するキャリアテープ11を搬送させる処理について説明する。作業者は、キャリアテープ11の先端部を保持して、入口21に挿入する。入口21の近傍においては、第3ガイド面433が設けられていない。そのため、作業者は、ガイド部材41及び弾性部材42の上方から、ガイド部材41と弾性部材42との間にキャリアテープ11を円滑に挿入することができる。
また、本実施形態においては、入口21の近傍に支持部材50が設けられる。作業者は、ガイド部材41及び弾性部材42の上方からキャリアテープ11をガイド部材41の第1ガイド面431及び支持部材50の第4ガイド面51に載せることができる。これにより、作業者は、キャリアテープ11を入口21に円滑に挿入することができる。
作業者は、ガイド部材41及び支持部材50にキャリアテープ11を支持させながら、キャリアテープ11の端面11Tが第1スプロケット31に移動するように、キャリアテープ11を操作する。キャリアテープ11の端面11Tは、第1区間411を通過した後、第2区間412に移動する。第2区間412においては、第1ガイド面431及び第2ガイド面432のみならず、第3ガイド面433が設けられているので、キャリアテープ11の端面11Tは、ガイド部材41にガイドされながら第1スプロケット31に向かって円滑に移動することができる。
また、キャリアテープ11は、弾性部材42によって−X側に押されながら第1スプロケット31に向かって移動する。キャリアテープ11が弾性部材42に押されることにより、キャリアテープ11は、位置ずれ又は蛇行が抑制された状態で、第1スプロケット31に向かって移動することができる。
第1スプロケット31に向かってキャリアテープ11が移動し、キャリアテープ11の端面11Tが第1スプロケット31に当たると、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pがスプロケットホール16に挿入される。本実施形態において、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pは、第1スプロケット31の回転軸に対する放射方向において外側に向かって細くなる。したがって、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pは、スプロケットホール16に円滑に挿入される。
スプロケットピン31Pがスプロケットホール16に挿入された後、駆動モータ34の駆動が開始される。駆動モータ34の駆動が開始されることにより、第1スプロケット31は、キャリアテープ11を支持した状態で回転する。これにより、キャリアテープ11は、第2スプロケット32に搬送される。
第1スプロケット31が回転している状態において、キャリアテープ11はガイド部材41によりガイドされ続ける。また、第1スプロケット31が回転している状態において、キャリアテープ11は弾性部材42により−X側に押され続ける。これにより、キャリアテープ11は、位置ずれ又は蛇行が抑制された状態で、第1スプロケット31から第2スプロケット32に搬送される。
本実施形態においては、X軸方向において、第1スプロケット31とガイド部材41との距離Waは、第1スプロケット31と弾性部材42との距離Wbよりも短い。そのため、第1スプロケット31がキャリアテープ11の+X側の端部に与える力が抑制される。これにより、キャリアテープ11の+X側の端部は、弾性部材42により円滑に支持され続ける。第1スプロケット31がキャリアテープ11の−X側の端部に与える力は+X側の端部に与える力よりも大きいものの、キャリアテープ11の−X側の端部は、第1ガイド面431に支持される。そのため、キャリアテープ11の−X側の端部がガイド部材41から脱落してしまうことが抑制される。
キャリアテープ11の端面11Tが第2スプロケット32に搬送され、スプロケットピン32Pがスプロケットホール16に挿入されると、駆動モータ35の駆動が開始される。駆動モータ35の駆動が開始されることにより、第2スプロケット32は、キャリアテープ11を支持した状態で回転する。これにより、キャリアテープ11は、剥離部材60に搬送される。
剥離部材60は、キャリアテープ11の端面11Tにおいて、ベーステープ12とカバーテープ13との境界に挿入される。これにより、カバーテープ13の少なくとも一部がベーステープ12から剥離され、ベーステープ12に保持されている電子部品Cが露出する。露出した電子部品Cは供給位置SMに移送される。実装ヘッド5は、供給位置SMにおいて電子部品Cをノズル4で保持し、実装位置DMに配置されている基板Pに実装する。
テープフィーダ10は、キャリアテープ11を収容部14の間隔と等しい距離で断続的に移動し、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部を剥離し、カバーテープ13が剥離されたベーステープ12に保持されている複数の電子部品Cを供給位置SMに順次搬送する。実装ヘッド5は、供給位置SMに順次搬送される電子部品Cを基板Pに順次実装する。
次に、先行するキャリアテープ11から後続するキャリアテープ11へ移行させる移行処理について説明する。
先行するキャリアテープ11の残りが少なくなってきた場合、図14に示すように、作業者は、先行するキャリアテープ11の+X側の端部が下方に移動するように、キャリアテープ11を保持して捩るように操作する。弾性部材42の接触面44は、YZ平面と実質的に平行な平坦面であるため、作業者は、キャリアテープ11の+X側の端部を簡単に下方に移動することができる。キャリアテープ11の+X側の端部が下方に移動することにより、キャリアテープ11のスプロケットホール16は、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pから外れる。
先行するキャリアテープ11のスプロケットホール16がスプロケットピン31Pから外れ、先行するキャリアテープ11の移動経路が変更された後、作業者は、先行するキャリアテープ11を入口21に挿入した手順と同様の手順で、後続するキャリアテープ11を入口21に挿入する。
後続するキャリアテープ11が入口21に挿入され、キャリアテープ11の端面11Tが第1スプロケット31に当たると、第1スプロケット31のスプロケットピン31Pがスプロケットホール16に挿入される。スプロケットピン31Pがスプロケットホール16に挿入された後、駆動モータ34の駆動が開始される。これにより、後続するキャリアテープ11は、第2スプロケット32に搬送される。第2スプロケット32にキャリアテープ11が搬送された後、上述と同様の手順で、実装ヘッド5による電子部品Cの実装が開始される。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、入口21と第1スプロケット31との間において、キャリアテープ11の幅方向の一端部がガイド部材41にガイドされ、キャリアテープ11の幅方向の他端部が弾性部材42に支持される。これにより、入口21に挿入されたキャリアテープ11は、位置ずれ又は蛇行が抑制された状態で、第1スプロケット31まで円滑に移動することができる。また、移行処理のために先行するキャリアテープ11の移動経路を変更するとき、作業者がキャリアテープ11を保持して捩るように操作するだけで、先行するキャリアテープ11の+X側の端部が接触面44をスライドして下方に移動する。これにより、キャリアテープ11のスプロケットホール16を第1スプロケット31のスプロケットピン31Pから外すことができる。このように、本実施形態によれば、先行するキャリアテープ11から後続するキャリアテープ11へ移行させる移行処理を簡単な機構で容易に実施することができる。
キャリアテープ11の幅方向において、第1スプロケット31とガイド面43との距離Waは、第1スプロケット31と接触面44との距離Wbよりも短い。これにより、キャリアテープ11の搬送において、第1スプロケット31からキャリアテープ11に−Z方向の力が付与されても、キャリアテープ11の+X側の端部が弾性部材42から脱落することが抑制される。
第1スプロケット31の近傍の第2区間412においては、キャリアテープ11は、第1ガイド面431と第2ガイド面432と第3ガイド面433との3つのガイド面43によってガイドされる。これにより、第1スプロケット31の近傍においては、キャリアテープ11は安定してガイドされる。
入口21の近傍の第1区間411においては、第3ガイド面433が設けられないことにより、キャリアテープ11を入口21に挿入する作業は円滑に実施される。
入口21の近傍に支持部材50が設けられることにより、キャリアテープ11を入口21に挿入する作業はより円滑に実施される。
第1スプロケット31のスプロケットピン31Pは、第1スプロケット31の回転軸に対する放射方向において外側に向かって細くなる。これにより、スプロケットピン31Pはスプロケットホール16に円滑に挿入される。