JP2019148665A - 光学素子およびこれを備える光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】設計波長において高い回折効率を有しつつ、広い波長域において十分に高い回折効率を有する光学素子および光学機器を提供すること。【課題を解決するための手段】第1の光学的パワーを有する第1の状態と、第1の光学的パワーより大きい第2の光学的パワーを有する第2の状態と、に切り替え可能な光学素子であって、回折面を有する基板と、基板に近接し、印加される電圧に応じて屈折率を変化させる電気活性材料と、を有し、第1の状態において0次回折光の回折効率が最大となる第1の波長と、第2の状態において1次回折光の回折効率が最大となる第2の波長との差は50nmより小さく、第1の状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上である【選択図】図1
Description
本発明は、可変焦点機能を有する光学素子およびこれを備える光学機器に関する。
従来、単焦点レンズ、遠近両用累進レンズ、または二重焦点レンズなどを用いた老眼鏡が知られている。正視の高齢者においては、読書時などの近点に焦点を合わせる際に、単焦点レンズの老眼鏡を用いることで老視が解消される。一方、非正視の高齢者は、無限遠などの遠点に焦点が合うように調整されたレンズであって、その一部が老眼用に加工された遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを備えた眼鏡を用いる必要がある。
しかしながら、遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを備えた眼鏡では、レンズ内に光学的パワー(焦点距離)の異なる領域が混在している。そのため、そのような眼鏡を用いて遠方を見る際に景色が歪んで見えたり、ピントが合わない部分が生じてぼけて見えたりしてしまう。また、二重焦点レンズでは老眼用パワー部の小玉がレンズの一部分に付加されており、眼鏡自体の見た目が好ましくない。
特許文献1には、使用者が遠方を見る際に老眼用パワー部に光学的パワーを付加せず、至近を見る際に老眼用パワー部に光学的パワーを付加することが可能な電気活性素子(液晶回折レンズ)を用いた眼鏡が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、基板と不活性化状態における電気活性材料の屈折率が短波長域において一致する構成としているため、波長550nm付近での設計波長での回折効率を高めることが困難である。
本発明は、設計波長において高い回折効率を有しつつ、広い波長域において十分に高い回折効率を有する光学素子および光学機器を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光学素子は、第1の光学的パワーを有する第1の状態と、前記第1の光学的パワーより大きい第2の光学的パワーを有する第2の状態と、に切り替え可能な光学素子であって、回折面を有する基板と、前記基板に近接し、印加される電圧に応じて屈折率を変化させる電気活性材料と、を有し、前記第1の状態において0次回折光の回折効率が最大となる第1の波長と、前記第2の状態において1次回折光の回折効率が最大となる第2の波長との差は50nmより小さく、前記第1の状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、設計波長において高い回折効率を有し、かつ、広い波長域において十分に高い回折効率を有する光学素子および光学機器を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図13および図14を参照して、従来例の光学素子(液晶回折レンズまたは電気活性レンズ)の問題点について説明する。従来例の光学素子は、回折構造を有する基板と電気活性材料とを有する。電気活性材料に電圧を印加することで、電気活性材料の屈折率が変化し、光学素子の光学的パワーが変化する。
図13は、三井化学株式会社製の基板材料MR−10(登録商標)と電気活性材料MDA−98−1602の波長ごとの屈折率を示している。電気活性材料に電圧を印加することで、電気活性材料の屈折率は平均屈折率naveから常光屈折率noに変化し、基板材料と電気活性材料の屈折率差に応じた回折により付加パワーが発生する。また、基板材料の屈折率と電気活性材料の平均屈折率naveは短波長域において一致している。
図14は、従来例の光学素子の回折効率を示している。回折効率は、入射光束に対する各回折方向へ伝播する光束の割合として定義される。図14(A)および図14(B)はそれぞれ、電気活性材料に所定値以上の電圧が印加されていない状態(不活性化状態)および電気活性材料に所定値以上の電圧が印加されている状態(活性化状態)の光学素子の回折効率を示している。不活性化状態および活性化状態では、回折効率が最大となる波長が異なっている。このため、光学素子の状態変化に伴い、観察する対象物の色合いが変化してしまう。また、不活性化状態において、0次回折光の回折効率が波長470nmにて最大となり、設計波長である波長550nmにて低下している。このため、不活性化状態において、0次回折光以外の不要回折光が設計波長付近で発生している。人の明所視感度は波長550nm付近で最大となるため、波長550nm付近の不要回折光は観察物の見えを大きく悪化させてしまう。
以下、本発明の実施形態に係る光学素子(液晶回折レンズまたは電気活性レンズ)100の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光学素子100の断面図である。
光学素子100は、第1の基板110、第2の基板120、液晶層(電気活性材料)130、電極140、150、および配向膜160、170を有する。光学素子100は、可変焦点機能を有し、老眼鏡(光学機器)に用いられた場合、無限遠などの遠方を見る際は老眼用パワー部に光学的パワーを付加せず、読書時などに至近を見る際にのみ老眼用パワー部に光学的パワーを付加することができる。
第1の基板110は、それぞれ平坦な両面を有する。第2の基板120は、液晶層130側にレリーフ面(回折面)を有する。レリーフ面のレリーフ形状(周期凹凸形状)は、機械加工、型による転写、またはエッチング等を用いて成形することが可能である。液晶層130は、第1の基板110および第2の基板120の間に、第1の基板110および第2の基板120に近接するように設けられている。
電極140、150は、液晶層130を挟むように設けられた一対の透明電極であり、不図示の制御部からの指示に応じて液晶層130に対して電圧を印加可能である。電極140、150は、例えば、透過性の伝導性酸化物(ITO等)または伝導性有機材料(PEDOT:PSSまたはカーボンナノチューブ)などで構成される。電極140、150の厚さは、例えば、1μmとすることができるが、0.1μmであることが好ましい。液晶層130に電圧が印加されると、電極140、150の間に電界が発生し、液晶層130内の液晶分子の配向方向が変化する。このような構成により、液晶層130の屈折率および屈折率分散が変化する。
配向膜160、170は、液晶層130に接するように設けられた薄膜であり、ポリイミド材料などで構成される。配向膜160,170の厚さは、0.1μm以下であることが好ましい。配向膜160、170は、ラビング処理、または紫外線を直線偏光にして照射した光配向処理が施される。このような構成により、液晶層130内の液晶分子の初期配向を制御することができる。
光学素子100は、液晶層130に印加される電圧に応じて、少なくとも2つの状態に切り替え可能に構成されている。前述したように、液晶層130に電圧が印加されると、液晶層130の屈折率が変化する。本実施形態では、光学素子100は、液晶層130に所定値以上の電圧が印加されていない場合に不活性化状態(第1の状態)になり、第1の光学的パワー(焦点距離)を有する。また、光学素子100は、液晶層130に所定値以上の電圧が印加されている場合に活性化状態(第2の状態)になり、第1の光学的パワーより大きい第2の光学的パワーを有する。すなわち、光学素子100は、不活性化状態と活性化状態とで異なる光学的パワーを有する。代表的な例としては、光学素子100は、不活性化状態において実質的に光学的パワーを有しておらず、活性化状態において所望の光学的パワー(例えば、+2D)を有する。なお、所定値以上の電圧が印加されていない場合には、所定値より小さい電圧が印加されている場合および実質的に電圧が印加されていない場合が含まれている。
光学素子100において、垂直入射(図1の上下方向に沿って入射)した入射光束に対する回折効率を最大にするためには、レリーフ面の山と溝との間の光路長差を波長の整数倍とすればよい。このとき、以下の条件式(1)が成立する。
(n2(λ0)−n1(λ0))d=mλ0 (1)
式(1)において、λ0は設計波長、dはレリーフ形状の高さ、n1(λ)は波長λに対応する液晶層130の屈折率、n2(λ)は波長λに対応する第2の基板120の屈折率、mは回折次数である。
式(1)において、λ0は設計波長、dはレリーフ形状の高さ、n1(λ)は波長λに対応する液晶層130の屈折率、n2(λ)は波長λに対応する第2の基板120の屈折率、mは回折次数である。
式(1)が成立しない波長λの光のm次回折光の回折効率ηは、以下の式(2)で表される。
η(λ)=[sin{π(φ(λ)−m)}/{π(φ(λ)−m)}]2 (2)
式(2)において、φ(λ)=(n2(λ)−n1(λ))d/λである。式(1)が全ての波長λで成立している場合、回折効率ηの波長依存性は解消される。d線、C線およびF線において式(1)が成立する場合、以下の式(3)が導出される。
η(λ)=[sin{π(φ(λ)−m)}/{π(φ(λ)−m)}]2 (2)
式(2)において、φ(λ)=(n2(λ)−n1(λ))d/λである。式(1)が全ての波長λで成立している場合、回折効率ηの波長依存性は解消される。d線、C線およびF線において式(1)が成立する場合、以下の式(3)が導出される。
(n2(λd)−n1(λd))/{(n2(λF)−n2(λC))−(n1(λF)−n1(λC))}=λd/(λF−λC) (3)
式(3)において、λd、λC、λFはそれぞれ、d線、C線、F線の波長である。式(3)の右辺は定数であり、−3.45である。このため、式(3)の左辺において、分子を正の値とすると分母は負の値とする必要がある。すなわち、広い波長域において高い回折効率を実現するためには、高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料とを組み合わせて光学素子100を構成する必要がある。
式(3)において、λd、λC、λFはそれぞれ、d線、C線、F線の波長である。式(3)の右辺は定数であり、−3.45である。このため、式(3)の左辺において、分子を正の値とすると分母は負の値とする必要がある。すなわち、広い波長域において高い回折効率を実現するためには、高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料とを組み合わせて光学素子100を構成する必要がある。
一例として、3つの波長450nm、550nm、650nmにおいて、回折効率が最大となる条件を求める。
光学素子100が活性化状態である場合、各波長の光のm1次回折光はそれぞれ、以下の条件式(4)〜式(6)を満足する。
Δn1(λ550)d=m1λ550 (4)
Δn1(λ450)d=m1λ450 (5)
Δn1(λ650)d=m1λ650 (6)
式(4)〜式(6)において、Δn1は活性化状態での第2の基板120と液晶層130との屈折率差、m1は活性化状態において回折効率が最大となる回折次数(設計回折次数)である。
Δn1(λ450)d=m1λ450 (5)
Δn1(λ650)d=m1λ650 (6)
式(4)〜式(6)において、Δn1は活性化状態での第2の基板120と液晶層130との屈折率差、m1は活性化状態において回折効率が最大となる回折次数(設計回折次数)である。
光学素子100が不活性化状態である場合、各波長の光のm2次回折光はそれぞれ、以下の式(7)〜式(9)を満足する。
Δn2(λ550)d=m2λ550 (7)
Δn2(λ450)d=m2λ450 (8)
Δn2(λ650)d=m2λ650 (9)
式(7)〜(9)において、Δn2は不活性化状態での第2の基板120と液晶層130との屈折率差、m2は不活性化状態において回折効率が最大となる回折次数(設計回折次数)である。
Δn2(λ450)d=m2λ450 (8)
Δn2(λ650)d=m2λ650 (9)
式(7)〜(9)において、Δn2は不活性化状態での第2の基板120と液晶層130との屈折率差、m2は不活性化状態において回折効率が最大となる回折次数(設計回折次数)である。
式(4)は、以下の式(4’)に変形可能である。
d=m1λ550/Δn1(λ550) (4’)
式(4’)において、活性化状態での設計回折次数m1および活性化状態での屈折率差Δn1を決定することで、レリーフ形状の高さdを決定することが可能である。式(5)および式(6)はそれぞれ、式(4’)により、以下の式(5’)および式(6’)に変形可能である。
式(4’)において、活性化状態での設計回折次数m1および活性化状態での屈折率差Δn1を決定することで、レリーフ形状の高さdを決定することが可能である。式(5)および式(6)はそれぞれ、式(4’)により、以下の式(5’)および式(6’)に変形可能である。
Δn1(λ450)=Δn1(λ550)λ450/λ550 (5’)
Δn1(λ650)=Δn1(λ550)λ650/λ550 (6’)
また、式(7)〜式(9)はそれぞれ、式(4’)〜式(6’)により、以下の式(7’)〜式(9’)に変形可能である。
Δn1(λ650)=Δn1(λ550)λ650/λ550 (6’)
また、式(7)〜式(9)はそれぞれ、式(4’)〜式(6’)により、以下の式(7’)〜式(9’)に変形可能である。
Δn2(λ550)=Δn1(λ550)m2/m1 (7’)
Δn2(λ450)=Δn1(λ450)m2/m1 (8’)
Δn2(λ650)=Δn1(λ650)m2/m1 (9’)
式(5’)〜式(9’)の右辺には、活性化状態における波長550nmでの屈折率差が含まれており、それ以外は定数である。すなわち、活性化状態における波長550nmでの屈折率差を決定することで、不活性化状態および活性化状態における各波長での屈折率差が満足すべき条件が導出される。
Δn2(λ450)=Δn1(λ450)m2/m1 (8’)
Δn2(λ650)=Δn1(λ650)m2/m1 (9’)
式(5’)〜式(9’)の右辺には、活性化状態における波長550nmでの屈折率差が含まれており、それ以外は定数である。すなわち、活性化状態における波長550nmでの屈折率差を決定することで、不活性化状態および活性化状態における各波長での屈折率差が満足すべき条件が導出される。
図2は、上述した回折条件を満足するために必要な基板および液晶層の屈折率を示している。図2(A)では、活性化状態での設計回折次数m1を1、不活性化状態での設計回折次数m2を−1としている。この構成では、式(5’)および(6’)より、活性化状態において、波長550nmでの屈折率差に対して、波長450nmでの屈折率差は小さく、波長650nmでの屈折率差は大きくなる。また、式(7’)〜式(9’)より、不活性化状態において、各波長での屈折率差は、活性化状態における屈折率差の逆符号となる。液晶層では、屈折率が高くなるにつれて、屈折率分散が小さくなる(屈折率分散の値が正から負に変化する)。しかしながら、一般的な液晶では、屈折率が低い状態では屈折率分散は小さくなり、屈折率が高い状態では屈折率分散は大きくなる。したがって、図2(A)の構成において求められる不活性化状態および活性化状態において広い波長域で回折効率を高めるための条件(屈折率差)は、現実的な材料から得られる屈折率差の関係から大きく乖離する。
図2(B)では、活性状態での設計回折次数m1を1、不活性化状態での設計回折次数m2を0としている。この構成では、式(5’)および(6’)より、活性化状態において、波長550nmでの屈折率差に対して、波長450nmでの屈折率差は小さく、波長650nmでの屈折率差は大きくなる。また、式(7’)〜(9’)より、不活性化状態において、各波長での屈折率差は0となる。不活性化状態または活性化状態の一方の状態での設計回折次数を0とすることで、一方の状態において基板および液晶層の屈折率が一致する。これにより、図2(B)の構成において求められる不活性化状態および活性化状態において広い波長域で回折効率を高めるための条件(屈折率差)と現実的な材料から得られる屈折率差の関係との乖離を小さくすることができる。そのため、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で十分に高い回折効率を取得可能である。
本発明では、上述したように、不活性化状態または活性化状態の一方の状態において、設計回折次数を0とし、不活性化状態または活性化状態の他方の状態において、設計回折次数を1とすればよい。本実施形態では、代表的な例として、不活性化状態での設計回折次数を0、活性化状態での設計回折次数を1とする。このような構成により、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で十分に高い回折効率を有する光学素子を実現可能となる。
液晶層130の複屈折率Δn(=2(nave―no))は、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で回折効率を取得するために、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
0.03<Δn<0.20 (10)
液晶層130の複屈折率Δnは、以下の条件式(10’)を満足することがより好ましい。
液晶層130の複屈折率Δnは、以下の条件式(10’)を満足することがより好ましい。
0.05<Δn<0.18 (10’)
一般に流通している液晶では、複屈折率が大きくなるほど、不活性化状態と活性化状態との間で屈折率分散の差が大きくなってしまう。そのため、複屈折率Δnが条件式(10)の上限値より大きくなると、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で回折効率を高めるための条件は、現実的な材料から得られる屈折率差の関係から大きく乖離してしまう。また、複屈折率Δnが条件式(10)の下限値より小さくなると、レリーフ形状の高さdが大きくなり過ぎ、レリーフ形状の加工が困難となる。
一般に流通している液晶では、複屈折率が大きくなるほど、不活性化状態と活性化状態との間で屈折率分散の差が大きくなってしまう。そのため、複屈折率Δnが条件式(10)の上限値より大きくなると、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で回折効率を高めるための条件は、現実的な材料から得られる屈折率差の関係から大きく乖離してしまう。また、複屈折率Δnが条件式(10)の下限値より小さくなると、レリーフ形状の高さdが大きくなり過ぎ、レリーフ形状の加工が困難となる。
第2の基板120の屈折率nsubと液晶層130の活性化状態での屈折率noとの屈折率差nsub−noは、以下の式(11)を満足することが好ましい。
0.03≦nsub−no≦0.10 (11)
活性化状態において、垂直入射した入射光束に対する回折効率を最大にするためには、レリーフ面の山と溝との間の光路長差を波長の整数倍とする必要がある。人の視覚システムは、可視光スペクトルの全ての波長の光に対して一様に応答しない。具体的には、人の視覚システムは可視光スペクトルの中央付近で大きい応答を示すが、両端部の赤や青の波長に対してはその応答は小さくなる。明順応条件での応答ピークは波長550nm付近にあるため、設計波長を550nm付近に設定することが一般的である。例えば、設計波長を550nm、設計回折次数を1とする場合、式(1)より、屈折率差nsub−noは550nm/dと算出される。
活性化状態において、垂直入射した入射光束に対する回折効率を最大にするためには、レリーフ面の山と溝との間の光路長差を波長の整数倍とする必要がある。人の視覚システムは、可視光スペクトルの全ての波長の光に対して一様に応答しない。具体的には、人の視覚システムは可視光スペクトルの中央付近で大きい応答を示すが、両端部の赤や青の波長に対してはその応答は小さくなる。明順応条件での応答ピークは波長550nm付近にあるため、設計波長を550nm付近に設定することが一般的である。例えば、設計波長を550nm、設計回折次数を1とする場合、式(1)より、屈折率差nsub−noは550nm/dと算出される。
屈折率差nsub−noが式(11)の上限値より大きくなると、レリーフ形状の高さdが小さくなり過ぎ、レリーフ形状の加工が困難となる。レリーフ形状は機械加工、型による転写、またはエッチングを含む多数の技術を用いて成形することが可能であるが、理想的にはレリーフ形状の高さは5〜20μmとなることが好ましい。また、屈折率差(nsub−no)が式(11)の下限値より小さくなると、レリーフ形状の高さdが大きくなり過ぎ、レリーフ形状の加工が困難となる。レリーフ形状の高さdとレリーフ形状の幅pとのアスペクト比d/pが1より大きくなると、レリーフ形状の加工が困難になる。
第2の基板120の屈折率nsubと液晶層130の不活性化状態での屈折率naveとの屈折率差nsub−naveは、以下の式(12)を満足することが好ましい。
0.001≦nsub−nave≦0.003 (12)
不活性化状態において、設計回折次数を0とすると、式(1)の右辺が0となる。レリーフ形状の高さdは、活性化状態での1次回折光の回折効率を高める条件によって決定されるため、屈折率差nsub−naveを0に近い値にする必要がある。屈折率差nsub−naveが式(12)の上限値より大きくなると、屈折率差nsub−naveが0から大きくずれてしまい、0次回折光の回折効率を高めることが困難となる。屈折率差nsub−naveが式(12)の下限値より小さくなると、第2の基板120と液晶層130の組み合わせが高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料との組み合わせにならず、広い波長域において高い回折効率を取得することが困難になる。
不活性化状態において、設計回折次数を0とすると、式(1)の右辺が0となる。レリーフ形状の高さdは、活性化状態での1次回折光の回折効率を高める条件によって決定されるため、屈折率差nsub−naveを0に近い値にする必要がある。屈折率差nsub−naveが式(12)の上限値より大きくなると、屈折率差nsub−naveが0から大きくずれてしまい、0次回折光の回折効率を高めることが困難となる。屈折率差nsub−naveが式(12)の下限値より小さくなると、第2の基板120と液晶層130の組み合わせが高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料との組み合わせにならず、広い波長域において高い回折効率を取得することが困難になる。
液晶層130の不活性化状態でのアッベ数νaveおよび活性化状態でのアッベ数νoは、以下の式(13)を満足することが好ましい。
1/νave−1/νo≦0.02 (13)
左辺の値が右辺の値より大きくなると、液晶層130の不活性化状態および活性化状態の屈折率差が波長によって大きく異なってしまう。これにより、不活性化状態での0次回折光の回折効率および活性化状態での1次回折光の回折効率を同時に高くすることが困難となる。
左辺の値が右辺の値より大きくなると、液晶層130の不活性化状態および活性化状態の屈折率差が波長によって大きく異なってしまう。これにより、不活性化状態での0次回折光の回折効率および活性化状態での1次回折光の回折効率を同時に高くすることが困難となる。
液晶層130の液晶材料は、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることが好ましい。コレステリック液晶は、ネマチック液晶と同様に、光学的に一軸性であり複屈折性を有する。ただし、コレステリック液晶に関しては、液晶分子のディレクタが液晶材料の厚さ方向に渡って螺旋状に回転する。液晶分子のディレクタが360°回転するまでの回転軸に沿った長さをツイストピッチと呼ぶ。ツイストピッチに相当する波長を有し、液晶分子のディレクタに垂直に伝播する光波に対して、コレステリック液晶は平均屈折率nave(=(no+ne)/2)を有する。十分に強い電圧が印加された場合、液晶分子のディレクタは電場の向きに平行になる。このため、電場の向きに伝播する光波に対して、コレステリック液晶は常光屈折率noを有する。したがって、コレステリック液晶は、印加された電場強度に従って液晶分子の配向を変化させ、ディレクタの回転軸に沿って伝播する光波に対して平均屈折率naveと常光屈折率noとの間の屈折率値を有する。
また、ネマチック液晶にカイラルツイスト剤を添加することにより、コレステリック液晶と同等の特性を得ることが可能である。カイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は、元のネマチック液晶と同じ常光屈折率noおよび異常光屈折率neを有し、添加するカイラルツイスト剤のヘリカルツイスト力によりツイストピッチを所望の値に調整することが可能である。
コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶の平均屈折率naveは、入射光束の偏光状態に依存しない一定値となるため、コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は偏光不感受性を有する。このため、液晶層130の液晶材料として、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶を用いることにより、ランダムに偏光された光束に対して一様に収束力を付加することが可能となる。
図3は、本実施例の光学素子100を構成する材料の屈折率および屈折率分散(アッベ数の逆数)の例を示している。ただし、屈折率はd線に対する値であり、アッベ数はd線を基準波長とした値である。図4は、各材料の波長ごとの屈折率を示している。図3に示されるように、第1の基板110および第2の基板120を形成する基板材料Aの屈折率および屈折率分散は、不活性化状態と活性化状態とで変化しない。液晶層130を形成する液晶材料Aの屈折率および屈折率分散は、不活性化状態と活性化状態とで変化する。そのため、基板材料Aと液晶材料Aとの屈折率差は、不活性化状態と活性化状態とで変化する。具体的には、不活性化状態では屈折率差は小さいが、活性化状態では屈折率差は大きい。図3では、基板材料Aの屈折率nsubおよびアッベ数νsubはそれぞれ、1.586、38.00である。液晶材料Aの不活性化状態での屈折率(平均屈折率)naveおよびアッベ数νaveはそれぞれ、1.583、25.70である。液晶材料Aの活性化状態での屈折率(常光屈折率)noおよびアッベ数νoはそれぞれ、1.504、32.00である。基板材料Aと液晶材料Aとの屈折率差は、不活性化状態では0.003であり、活性化状態では0.082である。このような構成により、不活性化状態で0次回折光の回折効率を高め、活性化状態で1次回折光の回折効率を高めることが可能であり、不活性化状態および活性化状態で回折による光学的パワーを変化させることができる。また、活性化状態および不活性化状態において、基板材料Aおよび液晶材料Aは高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料との組合せとなっている。このような構成により、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で高い回折効率を取得可能である。また、図4に示されるように、基板材料Aの屈折率と液晶材料Aの平均屈折率naveは設計波長付近において一致している。
図5は、本実施例の光学素子100の回折効率を示す図である。図5(A)および図5(B)はそれぞれ、不活性化状態および活性化状態での回折効率を示している。
不活性化状態では、波長520nmの光の0次回折光の回折効率が最大となっている。活性化状態では、波長530nmの光の1次回折光の回折効率が最大となっている。このように、不活性化状態で0次回折光の回折効率が最大となる波長(第1の波長)と活性化状態で1次回折光の回折効率が最大となる波長(第2の波長)とを近づけることにより、それぞれの状態での観察物の色合いを揃えることができる。具体的には、不活性化状態で0次回折光の回折効率が最大となる波長と活性化状態で1次回折光の回折効率が最大となる波長との差は50nmより小さければよい。これにより、光学素子100の状態変化に伴う違和感を軽減することができる。なお、活性化状態で1次回折光の回折効率が最大となる波長は、500nm以上600nm以下であればよい。
不活性化状態において、波長550nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、活性化状態において、波長550nmの光の1次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、不活性化状態および活性化状態において、波長400nmから700nmまでの広い波長域で十分高い回折効率が得られている。不活性化状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上であり、波長700nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上である。活性化状態において、波長400nmの光の1次回折光の回折効率は70%以上であり、波長700nmの光の1次回折光の回折効率は80%以上である。したがって、本実施例の光学素子100を光学機器に用いることで、不活性化状態および活性化状態において、フレアの少ない良好な視界を得ることが可能である。
図6は、本実施例の光学素子100を構成する材料の屈折率および屈折率分散(アッベ数の逆数)の例を示している。ただし、屈折率はd線に対する値であり、アッベ数はd線を基準波長とした値である。図7は、各材料の波長ごとの屈折率を示している。図6では、第1の基板110および第2の基板120を形成する基板材料Bの屈折率nsubおよびアッベ数νsubはそれぞれ、1.560、50.00である。液晶層130を形成する液晶材料Bの不活性化状態での屈折率(平均屈折率)naveおよびアッベ数νaveはそれぞれ、1.558、33.80である。液晶材料Bの活性化状態での屈折率(常光屈折率)noおよびアッベ数νoはそれぞれ、1.497、41.40である。基板材料Bと液晶材料Bとの屈折率差は、不活性化状態では0.002であり、活性化状態では0.063である。このような構成により、不活性化状態で0次回折光の回折効率を高め、活性化状態で1次回折光の回折効率を高めることが可能であり、不活性化状態および活性化状態で回折による光学的パワーを変化させることができる。また、活性化状態および不活性化状態において、基板材料Bおよび液晶材料Bは高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料との組合せとなっている。このような構成により、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で高い回折効率を取得可能である。また、図6に示されるように、基板材料Bの屈折率と液晶材料Bの平均屈折率naveは設計波長付近において一致している。
図8は、本実施例の光学素子100の回折効率を示す図である。図8(A)および図8(B)はそれぞれ、不活性化状態および活性化状態での回折効率を示している。また、図7に示されるように、基板材料Bの屈折率と液晶材料Bの平均屈折率naveは設計波長付近において一致している。
不活性化状態では、波長520nmにおいて0次回折光の回折効率が最大となっている。活性化状態では、波長540nmにおいて1次回折光の回折効率が最大となっている。このように、不活性化状態で0次回折光の回折効率が最大となる波長(第1の波長)と活性化状態で1次回折光の回折効率が最大となる波長(第2の波長)とを近づけることにより、それぞれの状態での観察物の色合いを揃えることができる。これにより、光学素子100の状態変化に伴う違和感を軽減することができる。
不活性化状態において、波長550nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、活性化状態において、波長550nmの光の1次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、不活性化状態および活性化状態において、波長400nmから700nmまでの広い波長域で十分高い回折効率が得られている。不活性化状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上であり、波長700nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上である。活性化状態において、波長400nmの光の1次回折光の回折効率は70%以上であり、波長700nmの光の1次回折光の回折効率は80%以上である。したがって、本実施例の光学素子100を光学機器に用いることで、不活性化状態および活性化状態において、フレアの少ない良好な視界を得ることが可能である。
図9は、本実施例の光学素子100を構成する材料の屈折率および屈折率分散(アッベ数の逆数)の例を示している。ただし、屈折率はd線に対する値であり、アッベ数はd線を基準波長とした値である。図10は、各材料の波長ごとの屈折率を示している。図9では、第1の基板110および第2の基板120を形成する基板材料Cの屈折率nsubおよびアッベ数νsubはそれぞれ、1.519、52.00である。液晶層130を形成する液晶材料Cの不活性化状態での屈折率(平均屈折率)naveおよびアッベ数νaveはそれぞれ、1.518、40.20である。液晶材料Cの活性化状態での屈折率(常光屈折率)noおよびアッベ数νoはそれぞれ、1.477、42.20である。基板材料Cと液晶材料Cとの屈折率差は、不活性化状態では0.001であり、活性化状態では0.042である。このような構成により、不活性化状態で0次回折光の回折効率を高め、活性化状態で1次回折光の回折効率を高めることが可能であり、不活性化状態および活性化状態で回折による光学的パワーを変化させることができる。また、活性化状態および不活性化状態において、基板材料Cおよび液晶材料Cは高屈折率・低分散材料と低屈折率・高分散材料との組合せとなっている。このような構成により、不活性化状態および活性化状態において広い波長域で高い回折効率を取得可能である。また、図10に示されるように、基板材料Cの屈折率と液晶材料Cの平均屈折率naveは設計波長付近において一致している。
図11は、本実施例の光学素子100の回折効率を示す図である。図11(A)および図11(B)はそれぞれ、不活性化状態および活性化状態での回折効率を示している。
不活性化状態では、波長530nmにおいて0次回折光の回折効率が最大となっている。活性化状態では、波長550nmにおいて1次光回折効率が最大となっている。このように、不活性化状態で0次回折光の回折効率が最大となる波長(第1の波長)と活性化状態で1次回折光の回折効率が最大となる波長(第2の波長)とを近づけることにより、それぞれの状態での観察物の色合いを揃えることができる。これにより、光学素子100の状態変化に伴う違和感を軽減することができる。
不活性化状態において、波長550nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、活性化状態において、波長550nmの光の1次回折光の回折効率は95%以上であり、波長550nm付近で不要回折光はほとんど発生していない。また、不活性化状態および活性化状態において、波長400nmから700nmまでの広い波長域で十分高い回折効率が得られている。不活性化状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上であり、波長700nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上である。活性化状態において、波長400nmの光の1次回折光の回折効率は70%以上であり、波長700nmの光の1次回折光の回折効率は80%以上である。したがって、本実施例の光学素子100を光学機器に用いることで、不活性化状態および活性化状態において、フレアの少ない良好な視界を得ることが可能である。
図12は、各実施例の光学素子100を備える光学機器としての一例である眼鏡(老眼鏡)10を示している。眼鏡10のレンズとして、光学素子100が用いられている。
眼鏡フレームには、左眼用および右眼用の2つの光学素子100が保持されている。制御部12は、各光学素子の電極を介して液晶層に印加する電圧を制御して、液晶層を不活性化状態と活性化状態とに切り替える。すなわち、光学素子100にパワーを付加しない状態とパワーを付加する状態とに切り替える。
光学素子100またはこれと同様の構成を有する液晶光学素子は、眼鏡だけでなく、双眼鏡やヘッドマウントディスプレー等、種々の光学機器に用いることができる。本実施例によれば、互いにパワーが異なる複数の状態を有する光学素子およびこれを備える光学機器を、容易に製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 光学素子
110 液晶層(電気活性材料)
130 第2の基板(基板)
110 液晶層(電気活性材料)
130 第2の基板(基板)
Claims (16)
- 第1の光学的パワーを有する第1の状態と、前記第1の光学的パワーより大きい第2の光学的パワーを有する第2の状態と、に切り替え可能な光学素子であって、
回折面を有する基板と、
前記基板に近接し、印加される電圧に応じて屈折率を変化させる電気活性材料と、を有し、
前記第1の状態において0次回折光の回折効率が最大となる第1の波長と、前記第2の状態において1次回折光の回折効率が最大となる第2の波長との差は50nmより小さく、
前記第1の状態において、波長400nmの光の0次回折光の回折効率は85%以上であることを特徴とする光学素子。 - 前記電気活性材料を挟むように設けられ、前記電気活性材料に対して電圧を印加可能な電極を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 前記第1の状態において、波長550nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
- 前記第2の状態において、波長550nmの光の1次回折光の回折効率は95%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第2の状態において、波長400nmの光の1次回折光の回折効率は70%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第1の状態において、波長700nmの光の0次回折光の回折効率は95%以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第2の状態において、波長700nmの光の1次回折光の回折効率は80%以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第2の波長は、500nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記基板の屈折率をnsub、前記電気活性材料の前記第1の状態での屈折率をnave、前記基板のアッベ数をνsub、前記電気活性材料の前記第1の状態でのアッベ数をνaveとするとき、
nsub>nave
νsub>νave
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記基板の屈折率をnsub、前記電気活性材料の前記第2の状態での屈折率をno、前記基板のアッベ数をνsub、前記電気活性材料の前記第2の状態でのアッベ数をνoとするとき、
νsub>νo
nsub>no
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記基板の屈折率をnsub、前記電気活性材料の前記第1の状態での屈折率をnaveとするとき、
0.001≦nsub−nave≦0.003
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記基板の屈折率をnsub、前記電気活性材料の前記第2の状態での屈折率をnoとするとき、
0.03≦nsub−no≦0.10
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記電気活性材料の前記第1の状態および前記第2の状態でのアッベ数をそれぞれνave、νoとするとき、
1/νave−1/νo≦0.02
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記電気活性材料は、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第1の状態において、入射光束に対する回折効率が最大となる回折次数は0であり、
前記第2の状態において、入射光束に対する回折効率が最大となる回折次数は1であり、
前記電気活性材料の複屈折率をΔnとするとき、
0.03<Δn<0.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光学素子。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の光学素子と、
前記電気活性材料の屈折率を変化させる制御部と、を有することを特徴とする光学機器。
Priority Applications (1)
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JP2018032441A JP2019148665A (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | 光学素子およびこれを備える光学機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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