JP2019148542A - 電子時計、および電子時計の制御方法 - Google Patents

電子時計、および電子時計の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019148542A
JP2019148542A JP2018034420A JP2018034420A JP2019148542A JP 2019148542 A JP2019148542 A JP 2019148542A JP 2018034420 A JP2018034420 A JP 2018034420A JP 2018034420 A JP2018034420 A JP 2018034420A JP 2019148542 A JP2019148542 A JP 2019148542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pointer
electronic timepiece
display
scale
gradient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018034420A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6950579B2 (ja
Inventor
平出 拓也
Takuya Hiraide
拓也 平出
忠介 上瀧
Tadasuke Kamitaki
忠介 上瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2018034420A priority Critical patent/JP6950579B2/ja
Publication of JP2019148542A publication Critical patent/JP2019148542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6950579B2 publication Critical patent/JP6950579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)

Abstract

【課題】互いに異なる2点間の勾配を、指針の傾きで視覚的に示すことを可能にするアナログ式の電子時計を提供する。【解決手段】電子時計は、重力方向に垂直な水平面に対して、互いに異なる2点として、計測開始地点から現在位置までの勾配θを算出する。数値表示短針33は、9時位置となる目盛り部材と3時位置となる目盛り部材とを結ぶ方向に平行な仮想直線L1と数値表示長針33とがなす角度αにより、算出した勾配θを示す。【選択図】図7

Description

本発明は、電子時計、および電子時計の制御方法に関する。
近年、センサーが計測した情報を表示するアナログ式の電子時計が普及している。例えば、特許文献1には、指針により勾配を表示する電子時計が開示されている。
特開2017‐181478号公報
しかしながら、上述した従来のアナログ式の電子時計では、ユーザーが勾配を把握するには、指針が指示する目盛りを読む必要があった。
本発明は、アナログ式の電子時計において、互いに異なる2点間の勾配を、指針の傾きで視覚的に示すことを解決課題の一つとする。
本発明の好適な態様(第1態様)にかかる電子時計は、第1指針を含む表示部と、重力方向に垂直な水平面に対して、互いに異なる2点間の勾配を算出する勾配算出部と、を含み、前記第1指針は、前記表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ方向に平行な仮想直線と前記第1指針の指示する方向とのなす角度により前記勾配を示す。
重力方向に垂直な水平面を、重力方向に垂直な方向から見ると、直線となる。以上の態様では、表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ仮想直線に平行な仮想直線を、水平面とみなしている。第1態様において第1指針は、一つの線分とみなせる。さらに、表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ方向に平行な仮想と、線分とみなせる第1指針とのなす角度が、算出した勾配となる。
以上により、水平面とみなした仮想直線と、線分とみなせる第1指針とのなす角度が、算出した勾配と一致するため、線分とみなせる第1指針の傾きによって、水平面に対する傾きの度合い、すなわち勾配を示すことが可能になる。従って、ユーザーは、線分とみなせる第1指針の傾きを確認することにより、アナログ式の時計において、異なる2点間の勾配を指針の傾きで把握することが可能になる。
第1態様の好適例(第2態様)によれば、第2指針を含み、前記第2指針は、前記第1指針の指示する方向と反対の方向を指示する。
第2態様において、第2指針の向きが第1指針の向きとは反対となるため、第1指針および第2指針は、一つの線分とみなせる。そのため、第1指針のみで勾配を示す場合と比較して、容易に異なる2点間の勾配を指針の傾きで把握することが可能になる。
なお、平面視において、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸は重ならなくてもよいが、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸がより近くに位置するほど1つの線分とみなしやすくなる。従って、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸は近くに位置するほど好ましく、重なることが最も好ましい。
第1態様および第2態様の好適例(第3態様)によれば、前記2点間の高度差を算出する高度差算出部と、前記2点間の直線距離を算出する直線距離算出部と、を備え、前記勾配算出部は、前記高度差と、前記直線距離とに基づいて、前記勾配を算出する。
高度差と直線距離とに基づき算出した勾配は、互いに異なる2点を含む平面の勾配となる。従って、以上の態様によれば、ユーザーは、互いに異なる2点を含む平面の勾配を視覚的に把握することが可能になる。
第3態様の好適例(第4態様)によれば、前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、前記第3指針および前記第4指針で前記直線距離を指示する。
一つの指針で複数の桁の値を表示しようとすると、複数の桁の値を示す数字が配置された、大きな目盛りが必要になる。例えば、2桁の値を表示するならば、「0」から「99」までが示された目盛りが必要になる。大きな目盛りは表示部の領域を大きく占有するため、目盛りは小さい程好ましい。これに対し、上述した態様では、第3指針および第4指針が直線距離を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛りを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛りの大きさを小さくすることが可能になる。従って、上述した態様によれば、目盛りの大きさを小さくしつつ、直線距離を表示することが可能になる。
第1態様および第2態様の好適例(第5態様)によれば、前記2点間の高度差を算出する高度差算出部と、前記2点間を移動した経路において前記電子時計が移動した移動距離を算出する移動距離算出部と、を備え、前記勾配算出部は、前記高度差と、前記移動距離とに基づいて、前記勾配を算出する。
互いに異なる2点を移動する場合、2点間を一直線に移動すると、急勾配になる場合がある。この場合、互いに異なる2点間を移動する経路が、進行方向に対して斜めまたは横向きに近い方向に蛇行することによって、勾配を緩やかにすることができる。異なる2点間を移動する経路において電子時計が移動した距離と、高度差とに基づき算出した勾配は、互いに異なる2点間を移動した経路の勾配となる。従って、以上の態様によれば、ユーザーは、ユーザーが実際に移動した経路の勾配を直感的に把握することが可能になる。
第5態様の好適例(第6態様)によれば、前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、前記第3指針および前記第4指針で前記移動距離を指示する。
上述した態様では、第3指針および第4指針が移動距離を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛りを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛りの大きさを小さくすることが可能になる。従って、上述した態様によれば、目盛りの大きさを小さくしつつ、移動距離を表示することが可能になる。
第3態様および第5態様の好適例(第7態様)によれば、前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、前記第3指針および前記第4指針で前記高度差を指示する。
上述した態様では、第3指針および第4指針が高度差を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛りを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛りの大きさを小さくすることが可能になる。従って、上述した態様によれば、目盛りの大きさを小さくしつつ、高度差を表示することが可能になる。
第3態様から第7態様の好適例(第8態様)によれば、気圧センサーを備え、前記高度差算出部は、前記2点間の第1位置の気圧と第2位置の気圧とに基づいて、前記高度差を算出する。
以上の態様において、気圧から高度に変換する場合には、気圧から高度を変換する変換式に、気圧センサーが計測した第1位置における第1気圧および第2位置における第2気圧を代入することにより得ることができる。高度差を算出する他の方法としては、例えば、下記に示す2つの方法がある。第1方法では、電子時計は、GPS(Global Positioning System)衛星等の位置情報衛星から得られる衛星信号から第1位置と現在位置とを算出し、算出した位置同士の高さ方向の距離を高度差として算出する。第2方法では、電子時計は、3軸加速度センサーから得られる3軸方向の加速度のうち高さ方向の加速度を抽出し、抽出した加速度に2階積分を施すことにより高度差を算出する。
第1方法では、位置を算出するために、少なくとも4つの衛星から衛星信号を受信し、緯度、経度、高度、および、時刻という4つの変数の値を求めなければならないため、第2態様にかかる方法より処理負荷がかかる。第2方法では、第1位置から現在位置まで加速度を計測し続けなければならないため、第2態様にかかる方法より処理負荷がかかる。以上により、第2態様によれば、第1方法および第2方法と比較して、電子時計にかかる処理負荷を軽減させることが可能になる。
第1態様から第8態様の好適例(第9態様)によれば、前記表示部は、第5指針を含み、前記第5指針が前記電子時計の高度の単位時間当たりの変化量を指示する。
以上の態様によれば、ユーザーは、互いに異なる2点間の勾配を視覚的に把握しつつ、高度の単位時間当たりの変化量を把握することが可能になる。
本発明の好適な態様(第10態様)にかかる電子時計の制御方法は、第1指針を含む表示部を備える電子時計の制御方法であって、電子時計は、重力方向に垂直な水平面に対する互いに異なる2点間の勾配を算出し、前記表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ方向に平行な仮想直線と前記第1指針の指示する方向とのなす角度により前記勾配を示すように前記第1指針を制御する。
以上の態様によれば、ユーザーは、第1指針の傾きを確認することにより、互いに異なる2点間の勾配を視覚的に把握することが可能になる。
電子時計Wの平面図。 電子時計Wの底面図。 電子時計Wの正面図。 電子時計Wの背面図。 電子時計Wの左側面図。 電子時計Wの右側面図。 2時側情報表示部30を示す図。 電子時計Wの構成図。 制御部6の構成図。 勾配θと直線距離Distとの関係を示す図。 昇降度表示モードのフローチャートを示す図。 気圧表示モードのフローチャートを示す図。 第2実施形態における制御部6の構成図。 第2実施形態における昇降度表示モードのフローチャートを示す図。 第3実施形態における制御部6の構成図。 直線距離Distと移動距離との関係を示す図。 第2変形例における電子時計Wの平面図。 第2変形例における制御部6の構成図。 コンパスモードのフローチャートを示す図。 コンパスモードにおける指針の向きの一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
A.第1実施形態
以下、第1実施形態にかかる電子時計Wを説明する。
A.1.電子時計Wの概要
図1から図6に、第1実施形態における電子時計Wの六面図を示す。具体的には、図1に、電子時計Wの平面図を示す。図2に、電子時計Wの底面図を示す。図3に、電子時計Wの正面図を示す。図4に、電子時計Wの背面図を示す。図5に、電子時計Wの左側面図を示す。図6に、電子時計Wの右側面図を示す。電子時計Wは、操作ボタンAと、操作ボタンBと、操作ボタンCと、竜頭Dと、気圧センサーケースEと、第1バンド部Fと、第2バンド部Gと、表示部10とを有する。図1に示すように、電子時計Wは、時刻を表示するアナログ式の時計である。なお、図3から図6では、図面の煩雑化を避けるために、第1バンド部Fと第2バンド部Gを省略する。
図1において、表示部10の表示面における裏面から表面へと向かう方向をz軸正方向とする。そして、z軸に直交する2軸をxy軸とし、表示部10の中心から竜頭Dへの方向をx軸正方向とする。あるいは、表示部10の表示面の法線方向をz軸とし、表示面の中心から第1バンド部Fまたは第2バンド部Gへの方向をy軸、z軸およびy軸と直交する軸をx軸とすることもできる。第1バンド部Fから第2バンド部Gに向かう方向、すなわち、y軸正方向を、「12時方向」と定義する。従って、例えば、y軸負方向が「6時方向」となり、x軸正方向が「3時方向」となる。図1に示した座標系は、電子時計Wを基準とした座標を示す電子時計Wのローカル座標系である。電子時計Wの向きが変化すると、電子時計Wの向きが変化に応じてx軸、y軸、およびz軸の向きが変化する。
操作ボタンA、操作ボタンB、操作ボタンC、および、竜頭Dは、電子時計Wの側面に設けられる。図4および図5に示すように、操作ボタンAには、文字「A」が記載されている。同様に、図3および図5に示すように、操作ボタンBには、文字「B」が記載されている。同様に、図3および図6に示すように、操作ボタンCには、文字「C」が記載されている。電子時計Wの手引書には、操作ボタンA、操作ボタンB、および操作ボタンCについて記載されている。ユーザーは、電子時計Wの手引書に記載の操作ボタンが電子時計Wのどの操作ボタンなのかを、操作ボタンA、操作ボタンB、および操作ボタンCに記載された文字を閲覧することにより容易に判別することが可能である。
竜頭Dは、回転および引き出しが可能な部材である。気圧センサーケースEは、気圧センサー4(図8参照)を収納する。第1バンド部Fおよび第2バンド部Gは、電子時計Wをユーザーの手首に装着するための部材である。
表示部10は、文字板10aと、時針11と、分針12と、センター指針13と、ダイヤルリング14と、ベゼル15と、を有する。さらに、表示部10は、6時側に設けられた6時側情報表示部20と、2時側に設けられた2時側情報表示部30と、10時側に設けられた10時側情報表示部40と、日にち表示部50と、を有する。6時側情報表示部20、2時側情報表示部30、および、10時側情報表示部40には、文字板10aの一部が含まれる。日にち表示部50は、6時側情報表示部20の6時側に設けられる。
分針12には、貫通孔12aが設けられている。貫通孔12aにより、6時側情報表示部20、2時側情報表示部30および10時側情報表示部40内の文字等が見え易くなり、判読性を向上させることが可能である。ダイヤルリング14には、12時制の目盛り14aが環状に形成されている。例えば、目盛り部材14a9は、表示部10の9時位置に配置されている。同様に、目盛り部材14a3は、表示部10の3時位置に配置されている。さらに、ダイヤルリング14には、60進数の数値を示すマス目14bが配置されている。さらに、ダイヤルリング14には、複数の数値として、「0」〜「95」の値が示される目盛り14cが配置されている。時針11、分針12、およびセンター指針13は、目盛り14a、マス目14b、目盛り14cのそれぞれが示す数値を指示可能である。例えば、図1の例では、表示部10は、センター指針13がマス目14bを指示することにより「3」を表示し、センター指針13が目盛り14cを指示することにより「5」を表示する。
ベゼル15は、電子時計Wの保護および補強をする部材である。さらに、ベゼル15には、センター指針13が指示可能な複数のタイムゾーンが示された目盛り15aが配置されている。例えば、目盛り15aには、協定世界時(UTC)から時差がないタイムゾーンを示す文字列「UTC」、協定世界時から1時間早い時差を有するタイムゾーンを示す数字「1」、および、協定世界時から1時間遅い時差を有するタイムゾーンを示す数字「−1」等が記載されている。また、目盛り15a内に配置された2つの数字の間に配置された記号「.」は、その2つの数字の一方が示すタイムゾーンが有する時差と、他方が示すタイムゾーンが有する時差との間の時差を有するタイムゾーンを示す。例えば、目盛り15a内に配置された文字「3」と文字「4」との間の記号「.」は、協定世界時から3時間30分早い標準時を示す。同様に、ベゼル15内に記載された文字「5」と文字「6」との間の2つの記号「.」は、文字「5」に近い記号「.」が、協定世界時から5時間30分早い標準時を示し、文字「6」に近い記号「.」が、協定世界時から5時間45分早い標準時を示す。
6時側情報表示部20は、モード指針21と、目盛り22と、インジケーター指針25と、目盛り26とを有する。目盛り22には、動作モードを表す文字列と、目盛り線24とが記載されている。電子時計Wは、動作モードとして、現在時刻を表示する時刻表示モードと、電子時計Wの高度の単位時間当たりの変化量を表示する昇降度表示モードと、北の方位を表示するコンパスモードと、電子時計Wの周囲の気圧を表示する気圧表示モードとを有する。以下、電子時計Wの高度の単位時間当たりの変化量を、「昇降度」と称する。単位時間は、例えば、1秒である。目盛り22には、時刻表示モードを表す文字列23a「TIME」と、昇降度表示モードを表す文字列23b「ALT」と、コンパスモードを表す文字列23c「COM」と、気圧表示モードを表す文字列23d「BAR」が配置されている。
6時側情報表示部20は、モード指針21が文字列23aを指示することにより動作モードが時刻表示モードであることを表示する。また、6時側情報表示部20は、モード指針21が文字列23bを指示することにより動作モードが昇降度表示モードであることを表示する。また、モード指針21が文字列23cを指示することにより動作モードがコンパス表示モードであることを表示する。また、モード指針21が文字列23dを指示することにより動作モードが気圧表示モードであることを表示する。
A.1.1.時刻表示モードの概要
時刻表示モードでは、電子時計Wは、現在時刻を表示することができる。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23aを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードを時刻表示モードに設定する。
動作モードを時刻表示モードに設定している場合に、表示部10は、目盛り14aおよびマス目14bを基準にして、時針11および分針12を用いて、現在時刻の時および分を表示する。さらに、表示部10は、10時側情報表示部40によって現在時刻の秒を表示する。
10時側情報表示部40は、小秒針41(「第5指針」の例)と、目盛り42pと、目盛り42mと、目盛り42zと、目盛り43と、12時制の目盛り44と、目盛り45とを有する。時刻表示モードにおいて、10時側情報表示部40は、目盛り44を指示することによって現在時刻の秒を表示する。図1の例では、10時側情報表示部40は、現在時刻の秒が30秒であることを示す。
時刻表示モードにおいて、竜頭Dの一段引き出し操作を行うと、タイムゾーンの設定、および、サマータイムの設定を行うことが可能である。具体的には、竜頭Dの一段引き出し操作を行うと、センター指針13が目盛り15aを指示することによって現在のタイムゾーンを表示し、小秒針41が目盛り45を指示することにより現在のサマータイムがONかOFFかを表示する。目盛り45には、サマータイムがONであることを示す文字列「DST(Daylight Saving Time)」と、サマータイムがOFFであることを示す記号「・」が配置されている。竜頭Dの一段引き出し操作を行った後に、竜頭Dの回転操作を受け付けると、竜頭Dの回転操作に応じてセンター指針13が回転する。また、竜頭Dの一段引き出し操作を行った後に、操作ボタンCの所定時間以上の押下操作を受け付けると、小秒針41が回転し、サマータイムのONとOFFとが切り替わる。所定時間は、例えば、3秒である。竜頭Dの押し込み操作を受け付けると、電子時計Wは、センター指針13および小秒針41の現在の向きに応じたタイムゾーンおよびサマータイムの設定を記憶する。
また、時刻表示モードにおいて、操作ボタンBの押下操作を行うと、GPSレシーバー2(図8参照)が衛星信号を受信できた衛星の数を表示することが可能である。具体的には、小秒針41が、衛星信号を受信できた衛星の数を指示する。
A.1.2.昇降度表示モードの概要
昇降度表示モードでは、電子時計Wは、昇降度を表示することができる。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23bを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードを昇降度表示モードに設定する。
動作モードを昇降度設定モードに設定している場合に、10時側情報表示部40は、小秒針41と、リング盤41aと、目盛り42pと、目盛り42mと、目盛り42zと、目盛り43を用いて、昇降度を表示する。10時側情報表示部40は、一般的な昇降計を模した形態である。リング盤41aは、3時方向で切れている。目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zは、小秒針41が指示可能な複数の数値として、−5から5までの実数を示す。
目盛り42pは、複数の数値のうち正の数値の絶対値を示す数字「1」、数字「2」、数字「3」、数字「4」および数字「5」が配置されている。また、目盛り42mは、複数の数値のうち負の数値の絶対値を示す数字「1」、数字「2」、数字「3」、数字「4」および数字「5」が配置されている。また、目盛り42zは、複数の数値のうち0であることを示す数字「0」が配置されている。目盛り43には、小秒針41が指示した数値が正であることを示す正符号43p、および、小秒針41が指示した数値が負であることを示す負符号43mが配置されている。正符号43pは、符号「+」であり、負符号43mは、符号「−」である。リング盤41aには、目盛り42p内の数字に対応した目盛り線が配置されている。
昇降度表示モードにおいて、目盛り42pの各数字、目盛り42mの各数字、および目盛り42pの数字「0」は、小秒針41に対して「m/秒」の一の桁の値として使用される。図1の例では、10時側情報表示部40は、昇降度が−3m/秒であることを示す。
昇降度表示モードでは、昇降度に加えて、計測開始地点(「第1位置」の例)から電子時計Wの現在位置までの勾配θ(図10参照)を表示することができる。電子時計Wの現在位置は、「第2位置」の例である。以下、電子時計Wの現在位置を、単に「現在位置」と称する。勾配とは、重力方向に垂直な水平面に対する傾きの度合いである。計測開始地点は、どの位置でもよいが、例えば、出発地点、または、動作モードを昇降度設定モードに切り替えた時点の電子時計Wの位置である。そのため、計測開始地点と現在位置とは互いに異なる2点と定義することができる。動作モードを昇降度設定モードに設定している場合に、電子時計Wは、計測開始地点から現在位置までの勾配θを算出する。換言すると、電子時計Wは、互いに異なる2点間の勾配θを算出する。次に、電子時計Wは、2時側情報表示部30を用いて、算出した勾配θを、ユーザーが視覚的に把握することが可能なように表示する。
図7に、2時側情報表示部30を示す。2時側情報表示部30には、目盛り31a(「第1目盛り」の例)が配置されている。さらに、2時側情報表示部30は、数値表示短針32(「第2指針」の例)と、数値表示長針33(「第1指針」の例)とを有する。目盛り31aは、数値表示短針32および数値表示長針33が指示可能な複数の数値を示す数字として、「0」から「9」までが配置されている。
さらに、図7では、目盛り部材14a9(「9時位置」の例)と目盛り部材14a3(「3時位置」の例)とを結ぶ仮想直線に平行な仮想直線L1を表示する。図7では、2時側情報表示部30を可能な限り大きく表示するために、目盛り部材14a9および目盛り部材14a3の表示を省略する。電子時計Wは、仮想直線L1と数値表示短針32とがなす角度αが、算出した勾配θと一致するように、かつ、数値表示長針33の向きが数値表示短針32の向きの反対になるように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する。角度αが、勾配θと一致するようにとは、完全に一致しなくてもよい。例えば、角度αは、数値表示短針32が取り得る角度のうち、勾配θに最も近い角度であればよい。
説明を図1に戻す。
昇降度表示モードにおいて、現在の昇降度をログとして記録すること、記録したログを表示すること、および、記録したログを消去することが可能である。具体的には、操作ボタンCの所定時間以上の押下操作を行うことにより、電子時計Wは、現在の昇降度をログとして記録する。記録した昇降度には、ログ番号が割り当てられる。また、操作ボタンBの押下操作を行うことにより、小秒針41は、目盛り44を指示することにより、ログ番号を表示する。ログ番号の表示後、小秒針41は、表示されたログ番号が割り当てられた昇降度を指示する。また、ログ番号の表示後に、操作ボタンBの所定時間以上の押下操作を行うことにより、電子時計Wは、表示されたログ番号が割り当てられた昇降度を削除する。
A.1.3.コンパスモードの概要
コンパスモードでは、電子時計Wは、地理学的な真北(以下、単に「真北」と称する)の方位を示すことができる。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23cを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードをコンパスモードに設定する。
動作モードをコンパスモードに設定している場合に、表示部10は、3軸磁気センサー3(図8参照)によって計測された磁北の方位に基づいて、センター指針13が真北を向くようにセンター指針13を制御する。磁北の方位は、真北から偏角ずれているため、電子時計Wは、磁北の方位から偏角のずれを取り除くように補正することが好ましい。
コンパスモードにおいて、竜頭Dの一段引き出し操作を行うと、偏角の設定を行うことが可能である。具体的には、竜頭Dの一段引き出し操作を行うと、小秒針41が、現在の偏角が東偏であれば正符号43pを指示し、現在の偏角が西偏であれば負符号43mを指示する。さらに、数値表示長針33が、現在の偏角の百の桁の値を指示し、センター指針13が、現在の偏角の十の位の桁の値および一の位の桁の値として使用される。竜頭Dの一段引き出し操作を行った後に、竜頭Dの回転操作を受け付けると、竜頭Dの回転操作に応じて、小秒針41、数値表示長針33、およびセンター指針13が回転する。竜頭Dの押し込み操作を受け付けると、電子時計Wは、小秒針41、センター指針13、および、小秒針41の現在の向きに応じた偏角の設定を記憶する。
A.1.4.気圧表示モードの概要
気圧表示モードでは、電子時計Wは、電子時計Wの周囲の気圧、および、気圧の単位時間当たりの変化量の正負(以下、「気圧傾向」と称する)を示すことができる。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23dを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードを気圧表示モードに設定する。
動作モードを気圧表示モードに設定している場合に、表示部10は、気圧センサー4が計測した気圧を、2時側情報表示部30、センター指針13、および目盛り14cによって表示する。
気圧表示モードにおいて、目盛り31aの各数字は、数値表示短針32に対して「hpa」の千の位の桁の値として使用され、数値表示長針33に対して「hpa」の百の位の桁の値として使用される。さらに、目盛り14cの各数値は、センター指針13に対して「hpa」の十の位の桁の値および一の位の桁の値として使用される。
また、動作モードを気圧表示モードに設定している場合に、表示部10は、気圧センサー4が計測した気圧に基づいた気圧傾向を、10時側情報表示部40によって表示する。具体的には、気圧傾向が正である場合、小秒針41が正符号43pを指示する。また、気圧傾向が負である場合、小秒針41が負符号43mを指示する。
気圧表示モードにおいて、現在の気圧をログとして記録すること、記録したログを表示すること、および、記録したログを消去することが可能である。具体的な処理については、昇降度表示モードと同一であるため、説明を省略する。
日にち表示部50は、カレンダーの日にちを表示する日車51を有する。
A.1.5.電子時計Wの動作状態および電子時計Wの電池残量の概要
目盛り26には、電子時計Wの動作状態を示す記号と、電子時計Wの電池残量を示す記号と、目盛り線28とが配置されている。電子時計Wの動作状態として、基本動作状態と、機内動作状態とを有する。基本動作状態とは、電子時計Wが、現在日時を表示する他、外部からの電波を受信可能な状態である。機内動作状態とは、飛行機の機内にある場合に利用され、電波の受信が制限された状態である。目盛り26には、基本動作状態を示す文字27a「M」と、機内動作状態を示す飛行機を模したアイコン27bと、電子時計Wの電池残量が満充電状態であることを示す文字27c「F」と、電子時計Wの電池残量が完全放電状態であることを示す文字27d「E」とが配置されている。
6時側情報表示部20は、インジケーター指針25が文字27aを指示することにより電子時計Wの動作状態が通常動作状態であることを表示する。また、6時側情報表示部20は、インジケーター指針25がアイコン27bを指示することにより、電子時計Wの動作状態が機内動作状態であることを表示する。また、6時側情報表示部20は、インジケーター指針25が文字27cを指示することにより、電子時計Wの電池残量が満充電状態であることを表示する。また、6時側情報表示部20は、インジケーター指針25が文字27dを指示することにより、電子時計Wの電池残量が完全放電状態であることを表示する。
A.1.6.電子時計W内の記号の色
電子時計W内に配置された記号の色は、白色またはオレンジ色であり、表示部10に配置された記号の背景色(以下、「記号背景色」と称する)は、黒色である。記号には、数字、文字、文字列、マス目、および、目盛り線を含む。図1では、白色の記号を、黒の塗りつぶしにより示し、オレンジ色の記号を、白抜きにより示す。GPSレシーバー2、3軸磁気センサー3および気圧センサー4といった電子時計Wが有するセンサーが計測した計測結果の少なくとも一部を示す数字の色(以下、「計測結果数字色」と称する)は、白色である。計測結果には、センサーが計測した値そのものも含まれるし、計測した値に何らかの処理を施して得られた値も含まれる。時刻に関する記号の色(以下、「時刻記号色」)は、オレンジ色である。
計測結果の少なくとも一部を示す数字は、具体的には、目盛り14cの数字、目盛り31a内の数字、目盛り42p内の数字、目盛り42m内の数字、および目盛り42z内の数字である。目盛り14cの数字は、上述したように、センター指針13に指示されることによって、気圧センサー4が計測した計測結果となる気圧の一部を示す。同様に、目盛り31a内の数字は、数値表示短針32または数値表示長針33に指示されることによって、気圧センサー4が計測した計測結果となる気圧の一部を示す。目盛り42p内の数字、目盛り42m内の数字、および目盛り42z内の数字は、上述したように、小秒針41に指示されることによって、気圧センサー4が計測した計測結果となる昇降度を示す。
時刻に関する記号は、具体的には、マス目14b、目盛り15a内の文字列、数字ならびに「.」、目盛り44の数字、および、目盛り45内の文字列ならびに記号である。
計測結果の少なくとも一部を示さず、かつ、時刻にも関しない記号の色は、白色またはオレンジ色のいずれも可能である。具体的には、文字列23a、文字列23b、文字列23c、文字列23d、目盛り線24、文字27a、アイコン27b、文字27c、文字27d、目盛り線28、操作ボタンAの文字、操作ボタンBの文字、および操作ボタンCの文字は、計測結果の少なくとも一部を示す場合がなく、かつ、時刻にも関しない記号である。そして、第1実施形態では、文字列23aの色、文字列23bの色、文字列23cの色、文字列23dの色、および目盛り線24の色は白色である。文字27aの色、アイコン27bの色、文字27cの色、文字27dの色、目盛り線28の色、操作ボタンAの文字の色、操作ボタンBの文字の色、および操作ボタンCの文字の色は、オレンジ色である。
また、計測結果の少なくとも一部を示す記号であっても、数字でない記号の色は、白色またはオレンジ色のいずれも可能である。計測結果の少なくとも一部を示す記号であっても数字でない記号は、正符号43pおよび負符号43mである。正符号43pの色および負符号43mの色は、オレンジ色である。
A.1.7.電子時計W内の指針の色
電子時計Wが有する指針の先端部の色は、白色、オレンジ色、または黒色である。図1では、白色の先端部を、黒の塗りつぶしにより示し、オレンジ色の先端部を、網掛けにより示す。センサーが計測した計測結果に関する指針の先端部の色(以下、「計測結果指針色」と称する)は、白色となる。時刻に関する指針の先端部の色(以下、「時刻指針色」と称する)は、オレンジ色となる。
計測結果に関する指針は、具体的には、センター指針13、数値表示短針32、および数値表示長針33である。センター指針13、数値表示短針32、および数値表示長針33は、上述したように、気圧センサー4が計測した気圧に関する。時刻に関する指針は、具体的には、時針11および分針12である。
計測結果および時刻に関する指針の先端部の色は、白色またはオレンジ色のいずれも可能である。計測結果および時刻に関する指針は、小秒針41である。
計測結果にも関しなく、かつ時刻にも関しない指針の先端部の色は、白色、オレンジ色、または黒色のいずれも可能である。計測結果にも関しなく、かつ時刻にも関しない指針は、モード指針21およびインジケーター指針25である。モード指針21の先端部の色は、黒色と白色とで塗り分けられている。インジケーター指針25の先端部の色は、オレンジ色である。
また、時刻に関する箇所として、日にち表示部50の枠もオレンジ色である。図1では、日にち表示部50の枠がオレンジ色であることを、網掛けにより示す。
図8に、電子時計Wの構成図を示す。図8において、図1から図6に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
電子時計Wは、時針11、分針12およびセンター指針13に関する構成として、時針11、分針12、センター指針13、輪列機構201ならびに輪列機構202、ステッピングモーター301ならびにステッピングモーター302、および、モータードライバー401ならびにモータードライバー402を含む。モータードライバー401は、輪列機構201を介して時針11と分針12とを駆動するためにステッピングモーター301を駆動する。モータードライバー402は、輪列機構202を介してセンター指針13を駆動するためにステッピングモーター302を駆動する。
電子時計Wは、6時側情報表示部20に関する構成として、モード指針21、インジケーター指針25、輪列機構203ならびに輪列機構204、ステッピングモーター303ならびにステッピングモーター304、および、モータードライバー403ならびにモータードライバー404を含む。モータードライバー403は、輪列機構203を介してモード指針21を駆動するためにステッピングモーター303を駆動する。モータードライバー404は、輪列機構204を介してインジケーター指針25を駆動するためにステッピングモーター304を駆動する。
電子時計Wは、2時側情報表示部30に関する構成として、数値表示短針32、数値表示長針33、輪列機構205、ステッピングモーター305、および、モータードライバー405を含む。モータードライバー405は、輪列機構205を介して数値表示短針32および数値表示長針33を駆動するためにステッピングモーター305を駆動する。
電子時計Wは、10時側情報表示部40に関する構成として、小秒針41、輪列機構206、ステッピングモーター306、および、モータードライバー406を含む。モータードライバー406は、輪列機構205を介して小秒針41を駆動するためにステッピングモーター306を駆動する。
電子時計Wは、日にち表示部50に関する構成として、日車51、輪列機構207、ステッピングモーター307、モータードライバー407を含む。モータードライバー407は、輪列機構207を介して日車51を駆動するためにステッピングモーター307を駆動する。
電子時計Wは、さらに、発振回路1と、GPSレシーバー2と、3軸磁気センサー3と、気圧センサー4と、記憶部5と、制御部6と、3軸加速度センサー7と、操作ボタンAと、操作ボタンBと、操作ボタンCと、竜頭Dとを含む。
発振回路1は、時刻を計時するために用いられるクロック信号を生成する。クロック信号の周波数は、例えば、32.768kHzである。クロック信号の周波数が分周されて、周波数が1Hzとなったクロック信号が、制御部6に入力される。GPSレシーバー2は、位置情報衛星の一つであるGPS衛星からの衛星信号を受信する。3軸磁気センサー3は、xyz空間における磁北の方位を計測する。気圧センサー4は、電子時計Wの周囲の気圧を計測する。
記憶部5は、読み書き可能な不揮発性の記録媒体である。記憶部5は、例えば、フラッシュメモリーである。記憶部5は、フラッシュメモリーに限らず適宜変更可能である。記憶部5は、例えば、制御部6が実行するプログラムを記憶する。3軸加速度センサー7は、xyz空間における電子時計Wの加速度の方角を計測する。
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のコンピューターである。制御部6は、電子時計Wの全体の制御を司る。制御部6の構成について、図9を用いて説明する。
A.2.制御部6の構成
図9に、制御部6の構成図を示す。制御部6は、記憶部5に記憶されたプログラムを読み取り実行することにより、表示制御部61と、昇降度算出部62と、気圧傾向算出部63と、勾配算出部64と、高度差算出部641と、直線距離算出部642と、方位算出部65とを実現する。以下、昇降度表示モード、コンパスモード、気圧表示モードのそれぞれについて、制御部6の構成を説明する。
A.2.1.昇降度表示モードにおける制御部6の構成
昇降度表示モードにおいて、昇降度を表示するために、昇降度算出部62は、気圧センサー4が計測した気圧を1秒ごとに取得する。昇降度算出部62は、(1)式に従って、取得した気圧から高度を算出する。
ALT=153.8×(t0+273.2)×(1−(取得した気圧/P0)^0.1902)+手動オフセット値 (1)
t0は、基準温度であり、15度である。P0は、基準気圧であり、1013.25hPaである。ALTが、高度を示す。算出した高度の単位は、m(メートル)である。手動オフセット値は、ユーザーが設定可能な値である。手動オフセット値を設ける理由として、(1)式の右辺における第1項のみでは、季節や気候によって高気圧になったり低気圧になったりするため、算出された高度の精度が劣化することがある。そこで、目的地Dstの座標を設定する前に、実際の高度が判明している位置において、電子時計Wは、(1)式の手動オフセット値を0として、高度を算出する。その後、ユーザーは、実際の高度から、算出された高度を減じた値を、手動オフセット値として設定する。これにより、電子時計Wは、手動オフセット値が0である場合と比較して、より正確な高度を得ることが可能になる。
昇降度算出部62は、算出した高度を記憶部5に記憶する。さらに、昇降度算出部62は、算出した高度から、記憶部5に記憶した1秒前の高度を減じた値を昇降度として算出する。昇降度の単位は、m/秒となる。昇降度算出部62は、算出した昇降度を表示制御部61に出力する。表示制御部61は取得した昇降度を表示するように小秒針41を制御する。
さらに、昇降度表示モードにおいて、計測開始地点から現在位置までの勾配θを表示するために、勾配算出部64は、計測開始地点から現在位置までの勾配θを算出する。
勾配θの算出方法について、より詳細に説明する。
高度差算出部641は、計測開始地点から現在位置までの高度差ΔALTを算出する。計測開始地点から現在位置までの高度差ΔALTの算出方法は、例えば、下記に示す2つの方法がある。第1の方法として、高度差算出部641は、計測開始地点において、気圧センサー4から取得した計測開始地点の気圧を記憶部5に記憶する。次に、高度差算出部641は、現在位置において、現在位置の気圧を気圧センサー4から取得し、下記(2)式に従って、計測開始地点から現在位置までの高度差ΔALTを算出する。
ΔALT=153.8×(t0+273.2)×((1−(現在位置の気圧/P0)^0.1902)−(1−(計測開始地点の気圧/P0)^0.1902)) (2)
ΔALTが、計測開始地点から現在位置までの高度差ΔALTである。
第2の方法は、高度差算出部641は、計測開始地点において、気圧センサー4から取得した計測開始地点の気圧から、(1)式を用いて計測開始地点の高度を算出し、算出した計測開始地点の高度を記憶部5に記憶する。次に、高度差算出部641は、現在位置において、現在位置の気圧を気圧センサー4から取得し、(1)式を用いて現在位置の高度を算出する。そして、高度差算出部641は、算出した現在位置の高度から、記憶部5に記憶した計測開始地点の高度を減じた値を、計測開始地点から現在位置までの高度差ΔALTとして算出する。以下では、高度差算出部641が第1の方法によって高度差ΔALTを算出する例を用いて説明する。高度差算出部641は、算出した高度差ΔALTを、勾配算出部64に出力する。
直線距離算出部642は、計測開始地点から現在位置までの直線距離Dist(図10参照)を算出する。直線距離Distの算出方法は、例えば、以下に示す2つの方法がある。直線距離Distの第1の算出方法では、高度差算出部641は、GPSレシーバー2から得られた衛星信号に基づいて、直線距離Distを算出する。直線距離Distの第2の算出方法では、高度差算出部641は、3軸加速度センサー7から得られた加速度に基づいて、直線距離Distを算出する。
図10に、勾配θと直線距離Distとの関係を示す。図10では、計測開始地点を出発地点Depとし、現在位置を地点p1として、勾配θと直線距離Distとの関係を示す。図10に示すように、直線距離Dist、高度差ΔALT、および勾配θは、下記(3)式の関係にある。
Dist×sinθ=ΔALT (3)
直線距離Distの第1の算出方法について説明する。
例えば、直線距離算出部642は、計測開始地点において、GPSレシーバー2から得られた衛星信号に基づいて、計測開始地点の緯度、経度および高度を算出する。より具体的には、直線距離算出部642は、衛星信号に含まれるアルマナック(天体暦)およびエフェメリス(放送暦)等の軌道情報を取得する。次に、直線距離算出部642は、取得したアルマナックに基づいて衛星の概略位置を算出した後、エフェメリスに基づいて衛星の詳細な位置を算出する。さらに、直線距離算出部642は、算出した位置に基づいて、受信対象とする4個の衛星を決定し、決定した衛星から送信されるRF(Radio Frequency)信号をそれぞれ受信し、受信したRF信号を信号処理して解読することにより衛星信号を取得する。
直線距離算出部642は、衛星信号から、解析に必要なメジャメント情報を抽出する。メジャメント情報には、衛星信号を捕捉したコード位相およびドップラー周波数といった諸量および、電子時計Wと衛星との間の擬似距離や擬似距離変化率といった諸量が含まれる。直線距離算出部642は、これらのメジャメント情報を用いて、公知の位置計算および移動速度ベクトル計算を行って、計測開始地点の緯度、経度、高度を算出する。同様に、直線距離算出部642は、現在位置において、GPSレシーバー2から得られた衛星信号に基づいて、現在位置の緯度、経度、および高度を算出する。直線距離算出部642は、下記(4)式に従って、直線距離Distを算出する。
Dist=((計測開始地点の緯度−現在位置の緯度)^2+(計測開始地点の経度−現在位置の経度)^2+(計測開始地点の高度−現在位置の高度)^2)^0.5 (4)
直線距離算出部642は、算出した直線距離Distを、勾配算出部64に出力する。
直線距離Distの第2の算出方法について説明する。高度差算出部641は、3軸加速度センサー7から得られる3軸方向の加速度に2階積分を施すことにより、水平面における計測開始地点からの緯度方向の移動距離、経度方向の移動距離、および高さ方向の移動距離を算出する。ここで、電子時計Wが、直進以外の動作を生じた場合には、電子時計Wがジャイロセンサーを有し、ジャイロセンサーが計測した角速度に基づいて、3軸加速度センサー7から得られる3軸方向の加速度から、緯度方向の加速度、経度方向の加速度、および高さ方向の加速度を算出することが可能である。しかしながら、移動距離に精度を要求しない場合には、ジャイロセンサーを有さなくてもよい。高度差算出部641は、下記(5)式に従って、直線距離Distを算出する。
Dist=(緯度方向の移動距離^2+経度方向の移動距離^2+高さ方向の移動距離)^0.5 (5)
直線距離算出部642は、算出した直線距離Distを、勾配算出部64に出力する。
勾配算出部64は、高度差算出部641が算出した高度差ΔALTと、直線距離算出部642が算出した直線距離Distとに基づいて、計測開始地点から現在位置までの勾配θを算出する。例えば、勾配算出部64は、下記(6)式に従って、勾配θを算出する。
θ=sin−1(ΔALT/Dist) (6)
sin−1()は、逆正弦関数である。勾配算出部64は、算出した勾配θを表示制御部61に出力する。
図9の説明に戻る。
表示制御部61は、目盛り部材14a9と目盛り部材14a3とを結ぶ仮想直線L1と数値表示短針32とがなす角度が、算出した勾配θとなり、かつ、数値表示長針33の向きが数値表示短針32の向きの反対になるように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する。
A.2.2.コンパスモードにおける制御部6の構成
コンパスモードにおいて、方位算出部65は、3軸磁気センサー3が計測した磁北の方位を取得する。方位算出部65は、取得した磁北に基づいて、真北の方位を算出する。方位算出部65は、算出した真北の方位を表示制御部61に出力する。表示制御部61は、取得した真北の方位をセンター指針13が向くように、センター指針13を制御する。
A.2.3.気圧表示モードにおける制御部6の構成
気圧表示モードにおいて、気圧傾向算出部63は、気圧センサー4が計測した気圧を1秒ごとに取得する。気圧傾向算出部63は、取得した気圧を記憶部5に記憶する。さらに、気圧傾向算出部63は、取得した気圧を表示制御部61に出力する。さらに、気圧傾向算出部63は、取得した気圧から、記憶部5に記憶した1秒前の気圧を減じた値を算出する。気圧傾向算出部63は、算出した値が正であれば気圧傾向が正であると算出し、算出した値が負であれば気圧傾向が負であると算出する。気圧傾向算出部63は、算出した気圧傾向を表示制御部61に出力する。
表示制御部61は、取得した気圧を指示するように、数値表示短針32、数値表示長針33、およびセンター指針13を制御する。さらに、表示制御部61は、算出した気圧傾向を指示するように、小秒針41を制御する。
A.3.各動作モードのフローチャート
昇降度表示モード、気圧表示モードのそれぞれについて、具体的なフローチャートを用いて説明する。
A.3.1.昇降度表示モードのフローチャート
図11に、昇降度表示モードのフローチャートを示す。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23bを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードを昇降度表示モードに設定する。昇降度表示モードでは、制御部6は、現在時刻を表示するように時針11および分針12を制御し、センター指針13を12時位置で停止するように制御し、「0」を指示するように数値表示短針32および数値表示長針33を制御する。
制御部6は、動作モードを昇降度表示モードに設定している場合に、操作ボタンBの所定時間(例えば3秒)以上の押下操作を検出する(ステップS1)。所定時間は、3秒に限らず適宜変更可能である。所定時間以上の押下操作を検出すると、昇降度算出部62は、昇降度の算出を開始する。次に、昇降度算出部62は、気圧センサー4が計測した気圧を取得して、(1)式に従って昇降度を算出する(ステップS2)。そして、表示制御部61は、算出した昇降度を指示するように、小秒針41を制御する(ステップS3)。また、高度差算出部641は、(2)式に従って、計測開始位置から現在位置の高度差ΔALTを算出する(ステップS4)。また、直線距離算出部642は、(4)式または(5)式に従って、計測開始位置から現在位置の直線距離Distを算出する(ステップS5)。勾配算出部64は、(6)式に従って、計測開始地点から現在位置までの勾配θを算出する(ステップS6)。そして、表示制御部61は、算出した勾配θを指示するように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する(ステップS7)。
次に、制御部6は、動作モードを昇降度表示モードに設定してから1分間が経過した、または、操作ボタンBの押下操作を検出したかを判断する(ステップS8)。1分間が経過しておらず、かつ、操作ボタンBの押下操作を検出していない場合(ステップS8:No)、昇降度算出部62は、ステップS2の処理を、前回の実行から1秒後に実行する。一方、1分間が経過した、または操作ボタンBの押下操作を検出した場合(ステップS8:Yes)、制御部6は、一連の処理を終了する。
A.3.2.気圧表示モードのフローチャート
図12に、気圧表示モードのフローチャートを示す。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23dを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードを気圧表示モードに設定する。制御部6は、動作モードを気圧表示モードに設定している場合に、操作ボタンBの所定時間以上の押下操作を検出する(ステップS11)。所定時間以上の押下操作を検出すると、気圧傾向算出部63は、気圧および気圧傾向の算出を開始する。次に、気圧傾向算出部63は、気圧および気圧傾向を算出する(ステップS12)。そして、表示制御部61は、算出した気圧を指示するように、数値表示短針32、数値表示長針33、およびセンター指針13を制御する(ステップS13)。また、表示制御部61は、算出した気圧傾向を指示するように、小秒針41を制御する(ステップS14)。
そして、制御部6は、動作モードを気圧表示モードに設定してから1分間が経過した、または、操作ボタンBの押下操作を検出したかを判断する(ステップS15)。1分間が経過しておらず、かつ、操作ボタンBの押下操作を検出していない場合(ステップS15:No)、気圧傾向算出部63は、ステップS12の処理を、前回の実行から1秒後に実行する。一方、1分間が経過した、または操作ボタンBの押下操作を検出した場合(ステップS15:Yes)、制御部6は、一連の処理を終了する。
A.4.第1実施形態の効果
以上述べたように、電子時計Wは、計測開始地点から現在位置までの勾配θを視覚的に把握することが可能になる。勾配θを視覚的に把握することが可能になることについて、詳細に説明する。
水平面を、電子時計Wの進行方向および重力方向に垂直な方向から平面視すると、直線となる。第1実施形態では、図7に示した仮想直線L1を、平面視した場合の水平面とみなしている。さらに、本実施形態では、仮想直線L1の3時方向を、ユーザーの進行方向とみなしている。また、数値表示長針33の向きが数値表示短針32の向きとは反対となるため、数値表示短針32および数値表示長針33は、一つの線分とみなせる。さらに、仮想直線L1と、一つの線分とみなせる数値表示短針32および数値表示長針33とのなす角度が、算出した勾配θとなる。
以上により、水平面とみなした仮想直線L1と、一つの線分とみなせる数値表示短針32および数値表示長針33とのなす角度が、算出した勾配θとなるため、一つの線分とみなせる数値表示短針32および数値表示長針33の傾きによって、水平面に対する傾きの度合い、すなわち勾配θを示すことが可能になる。従って、ユーザーは、一つの線分とみなせる数値表示短針32および数値表示長針33の傾きを確認することにより、計測開始位置から現在位置までの勾配θを視覚的に把握することが可能になる。また、ユーザーは数値表示短針32および数値表示長針33が指示する数値を読む必要がないので、容易に勾配θを把握することが可能である。
また、第1実施形態では、数値表示短針32および数値表示長針33によって、計測開始位置から現在位置までの勾配θを示しつつ、時針11および分針12によって、時刻を示すことが可能である。
また、勾配算出部64は、高度差算出部641が算出した高度差ΔALTと、直線距離算出部642が算出した直線距離Distとに基づいて、勾配θを算出する。高度差ΔALTと直線距離Distとに基づき算出した勾配θは、計測開始位置と現在位置とを含む平面の勾配となる。従って、第1実施形態では、ユーザーは、計測開始位置と現在位置とを含む平面の勾配θを視覚的に把握することが可能になる。
また、高度差算出部641は、計測開始地点の気圧と現在位置の気圧とに基づいて、高度差を算出する。(1)式または(2)式以外に高度差を算出する他の方法としては、例えば、下記に示す2つの方法がある。第1方法では、電子時計Wは、GPS衛星等の位置情報衛星から得られる衛星信号から計測開始位置と現在位置とを算出し、算出した位置同士の高さ方向の距離を高度差として算出する。第2方法では、電子時計Wは、3軸加速度センサー7から得られる3軸方向の加速度のうち高さ方向の加速度を抽出し、抽出した加速度に2階積分を施すことにより高度差を算出する。
第1方法では、位置を算出するために、少なくとも4つの衛星から衛星信号を受信し、緯度、経度、高度、および、時刻という4つの変数の値を求めなければならないため、本実施形態にかかる方法より処理負荷がかかる。第2方法では、計測開始位置から現在位置まで常に加速度を計測し続けなければならないため、本実施形態にかかる方法より処理負荷がかかる。以上により、電子時計Wは、第1方法および第2方法と比較して、電子時計Wにかかる処理負荷を軽減させることが可能になる。
また、表示制御部61は、昇降度を表示する。これにより、ユーザーは、勾配θを視覚的に把握しつつ、昇降度を把握することが可能になる。昇降度を表示する理由として、例えば、ユーザーが、パラグライディングまたはハンググライディング等の航空スポーツを行っている場合、昇降度を得ることが重要であるためである。重要となる理由として、ユーザーは、判別できた昇降度を、上昇気流を探したり、下降気流を避けたりするために用いることが可能になるためである。航空スポーツを行わないユーザーであっても、ユーザーは、高速エレベーターに搭乗している場合に、昇降度を知りたいという関心を持つ場合がある。この場合に、電子時計Wは、ユーザーに昇降度を通知することが可能になる。
また、図1で述べたように、計測結果数字色は、白色である。一方、時刻記号色は、オレンジ色である。記号背景色は、黒色である。このように、計測結果数字色と記号背景色との明度差は、時刻記号色と記号背景色との明度差より大きい。一般的に、前景色と背景色との明度差が大きいほど、前景色がより見え易くなる。計測結果と時刻とを比較すると、計測結果の方がより重要な情報である。従って、電子時計Wは、時刻より重要である計測結果の少なくとも一部を示す数字を、より見え易くすることが可能になる。なお、明度とは色の明るさを表す指標であり、反射率100%の白色を明度10として、0から10の数値で表すことができる。明度は、色彩計や分光測色計により測定することができる。
また、計測結果数字色と記号背景色との色差は、時刻記号色と記号背景色との色差より大きい。ここで、第1色と第2色との色差とは、例えば、下記(7)式により得られる。
色差=((R2−R1)^2+(G2−G1)^2+(B2−B1)^2)^0.5 (7)
R1、G1、B1は、それぞれ、第1色の赤の要素、第1色の緑の要素、第1色の青の要素である。同様に、R2、G2、B2は、それぞれ、第2色の赤の要素、第2色の緑の要素、第2色の青の要素である。色差は、分光測色計や色彩色差計により測定したR1、G1、B1、R2、G2、B2の値から算出することができる。
一般的に、前景色と背景色との色差が大きいほど、前景色と背景色とが区別し易くなり、前景色が見え易くなる。従って、電子時計Wは、時刻より重要である計測結果の少なくとも一部を示す数字を、より見え易くすることが可能になる。
また、図1で述べたように、計測結果指針色は、白色である。一方、時刻指針色は、オレンジ色である。このように、計測結果指針色と記号背景色との明度差は、時刻指針色と記号背景色との明度差より大きい。従って、電子時計Wは、時刻より重要である計測結果に関する指針の先端部を、より見え易くすることが可能になる。
また、計測結果指針色と記号背景色との色差は、時刻指針色と記号背景色との色差より大きい。従って、電子時計Wは、時刻より重要である計測結果に関する指針の先端部を、より見え易くすることが可能になる。
B.第2実施形態
第2実施形態における昇降度表示モードでは、時針11(第2実施形態における「第2指針」の例)および分針12(第2実施形態における「第1指針」の例)が勾配θを表示する。以下、第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各形態および各変形例において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。さらに、以下に示す要素については、説明の省略のため、特に記載がない場合、第2実施形態に関する要素であるとする。
B.1.制御部6の構成
図13に、制御部6の構成図を示す。記憶部5に記憶されたプログラムを読み取り実行することにより、表示制御部61と、昇降度算出部62と、気圧傾向算出部63と、勾配算出部64と、高度差算出部641と、直線距離算出部642と、方位算出部65とを実現する。以下、昇降度表示モードにおいて、第1実施形態と異なる構成について説明を行う。
B.1.1.昇降度表示モードにおける制御部6の構成
昇降度表示モードにおいて、直線距離算出部642は、算出した直線距離Distを、勾配算出部64に出力するとともに、表示制御部61に出力する。表示制御部61は、数値表示短針32(「第3指針」の例)および数値表示長針33(「第4指針」の例)が、直線距離Distのそれぞれの桁の値を指示するように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する。
B.2.動作モードのフローチャート
次に、昇降度表示モードについて、具体的なフローチャートを用いて説明する。
B.2.1.昇降度表示モードのフローチャート
図14に、昇降度表示モードのフローチャートを示す。図14に示すフローチャートの各ステップのうち、ステップS21〜ステップS26は、図11に示したステップS1〜ステップS6の処理と同一であるため、説明を省略する。
ステップS26の処理終了後、表示制御部61は、算出した勾配θを指示するように、時針11および分針12を制御する(ステップS27)。また、表示制御部61は、算出した直線距離Distのそれぞれの桁の値を指示するように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する(ステップS28)。
次に、制御部6は、動作モードを昇降度表示モードに設定してから1分間が経過した、または、操作ボタンBの押下操作を検出したかを判断する(ステップS29)。1分間が経過しておらず、かつ、操作ボタンBの押下操作を検出していない場合(ステップS29:No)、昇降度算出部62は、ステップS22の処理を、前回の実行から1秒後に実行する。一方、1分間が経過した、または操作ボタンBの押下操作を検出した場合(ステップS29:Yes)、制御部6は、一連の処理を終了する。
B.3.第2実施形態の効果
以上述べたように、数値表示短針32および数値表示長針33が直線距離Distのそれぞれの桁の値を指示する。通常、一つの指針で複数の桁の値を表示しようとすると、複数の桁の値を示す数字が配置された、大きな目盛りが必要になる。例えば、2桁の値を表示するならば、「0」から「99」までが示された目盛りが必要になる。大きな目盛りは表示部10の領域を大きく占有するため、目盛りは小さい程好ましい。これに対し、第2実施形態では、数値表示短針32および数値表示長針33が直線距離Distのそれぞれの桁の値を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛り31aを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛り31aの大きさを小さくすることが可能になる。従って、目盛り31aの大きさを小さくしつつ、直線距離Distの複数の桁の値を表示することが可能になる。
C.第3実施形態
第3実施形態における昇降度表示モードでは、第2実施形態において用いられた直線距離Distの代わりに、計測開始位置から現在位置に至る経路において電子時計Wが移動した距離(以下、「移動距離」と称する)を用いて、勾配θを算出する。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、時針11(第3実施形態における「第2指針」の例)および分針12(第3実施形態における「第1指針」の例)が勾配θを表示する。なお、以下に例示する各形態および各変形例において作用や機能が第1実施形態または第2実施形態と同様である要素については、第1実施形態または第2実施形態で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。さらに、以下に示す要素については、説明の省略のため、特に記載がない場合、第3実施形態に関する要素であるとする。
C.1.制御部6の構成
図15に、制御部6の構成図を示す。記憶部5に記憶されたプログラムを読み取り実行することにより、表示制御部61と、昇降度算出部62と、気圧傾向算出部63と、勾配算出部64と、高度差算出部641と、移動距離算出部643と、方位算出部65とを実現する。以下、昇降度表示モードにおいて、第2実施形態と異なる構成について説明を行う。
C.1.1.昇降度表示モードにおける制御部6の構成
昇降度表示モードにおいて、移動距離算出部643は、移動距離を算出する。移動距離の算出方法として、移動距離算出部643は、計測開始地点から、計測開始地点に電子時計Wが位置する計測開始時刻から単位時間後の第1時刻に電子時計Wが位置する第1位置までの第1直線距離を算出する。さらに、移動距離算出部643は、第1位置から、第1時刻から単位時間後の第2時刻に電子時計Wが位置する第2位置までの第2直線距離を算出する。移動距離算出部643は、電子時計Wの現在位置に到達するまで、換言すると、ユーザーの操作によって動作モードが昇降度表示モードとなり、勾配θを表示することが必要になるまで、前述した直線距離を算出する処理を繰り返す。そして、勾配θを表示することが必要になった場合に、移動距離算出部643は、算出した第1直線距離から第n直線距離までを累積加算して得られた値を、移動距離として算出する。nは、自然数である。移動距離算出部643は、算出した移動距離を、勾配算出部64および表示制御部61に出力する。
勾配算出部64は、(6)式の直線距離Distの代わりに移動距離を代入することにより、勾配θを算出する。
表示制御部61は、数値表示短針32および数値表示長針33が、移動距離のそれぞれの桁の値を指示するように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する。
C.2.動作モードのフローチャート
昇降度表示モードのフローチャートは、第2実施形態のフローチャートとほぼ同一であるため、図示を省略する。異なる点は、ステップS25およびステップS28の「直線距離」が、「移動距離」に代わるのみである。
C.3.第3実施形態の効果
図16に、直線距離Distと移動距離との関係を示す。図16には、計測開始地点として出発地点Depと、現在位置として地点p1とを示す。さらに、図16には、出発地点Depと地点p1との直線距離Dist、および、出発地点Depから地点p1までに至る経路Rtを示す。図16に示すように、出発地点Depから地点p1に至る場合、出発地点Depから地点p1まで一直線に向かうと、急勾配になる場合がある。この場合、経路Rtのように、進行方向に対して斜めまたは横向きに近い方向に蛇行することによって、勾配を緩やかにすることができる。経路Rtにおいて電子時計Wが移動した移動距離と、高度差ΔALTとに基づき算出した勾配θは、経路Rtの勾配となる。従って、第3実施形態によれば、ユーザーは、ユーザーが実際に移動した経路Rtの勾配θを視覚的に把握することが可能になる。
また、実施形態3では、数値表示短針32および数値表示長針33が移動距離のそれぞれの桁の値を指示する。通常、一つの指針で複数の桁の値を表示しようとすると、複数の桁の値を示す数字が配置された、大きな目盛りが必要になる。例えば、2桁の値を表示するならば、「0」から「99」までが示された目盛りが必要になる。これに対し、第3実施形態では、数値表示短針32および数値表示長針33が移動距離のそれぞれの桁の値を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛り31aを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛り31aの大きさを小さくすることが可能になる。従って、目盛り31aの大きさを小さくしつつ、移動距離の複数の桁の値を表示することが可能になる。
D.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
D.1.第1変形例
第2実施形態では、数値表示短針32および数値表示長針33は、直線距離Distのそれぞれの桁の値を指示したが、これに限らない。例えば、数値表示短針32および数値表示長針33は、高度差算出部641が算出した高度差ΔALTのそれぞれの桁の値を指示してもよい。
これにより、数値表示短針32および数値表示長針33が高度差ΔALTのそれぞれの桁の値を指示するため、「0」から「9」までが示された目盛りを用いればよく、「0」から「99」までを示す場合と比較して、目盛りの大きさを小さくすることが可能になる。従って、上述した変形例では、目盛りの大きさを小さくしつつ、高度差ΔALTの複数の桁の値を表示することが可能になる。
D.2.第2変形例
以上の各形態におけるコンパスモードでは、真北の方位を示すことができた。一方、第2変形例におけるコンパスモードでは、真北の方位を示すことに加えて、ウェイポイントWpt(図19参照)の方位角および現在位置からウェイポイントWptまでの距離を示すことができる。ウェイポイントWptは、ナビゲーションにおける経路上の地点情報であり、例えば、記憶部5に予め登録された位置である。例えば、ユーザーが出張した場合に、電子時計Wは、ユーザーの操作によって、ユーザーの宿泊地となるホテルの位置をウェイポイントWptに登録する。そして、ユーザーがホテルから外出し、ホテルに戻ろうとする場合に、電子時計Wは、コンパスモードによって、ウェイポイントWptであるホテルの位置の方位角および現在位置からホテルの位置までの距離を示すことができる。
さらに、第2変形例では、現在位置からウェイポイントWptまでの距離の表示可能な範囲を設定することが可能である。表示可能な範囲を、以下、「レンジ」と称する。より具体的には、第2変形例では、電子時計Wは、ウェイポイントWptまでの距離のレンジを、0m以上10km未満の第1レンジ、0m以上100km未満の第2レンジ、0mから1000km未満の第3レンジのいずれかに設定することが可能である。
図17に、第2変形例における電子時計Wの平面図を示す。以下に示す要素については、説明の省略のため、特に記載がない場合、第2変形例に関する要素であるとする。図17では、領域Reg1を拡大した拡大領域EnReg1を示す。
拡大領域EnReg1に示すように、表示部10は、7時側情報表示部70を有する。7時側情報表示部70には、文字板10aの一部が含まれる。
7時側情報表示部70は、目盛り71を有する。目盛り71には、センター指針13が指示可能な複数の10のべき乗数が示されている。具体的には、目盛り71には、複数の10のべき乗数を示す数字として、数字「100」、数字「1000」、および数字「10000」が配置されている。以下、目盛り71に示されている10のべき乗数を、「レンジ値」と称する。センター指針13が第1レンジ値「100」を指示する場合、7時側情報表示部70は、現在のレンジが第1レンジであることを示す。センター指針13が第2レンジ値「1000」を指示する場合、7時側情報表示部70は、現在のレンジが第2レンジであることを示す。センター指針13が第3レンジ値「10000」を指示する場合、7時側情報表示部70は、現在のレンジが第3レンジであることを示す。
以下では、説明の簡略化のため、第1レンジの次のレンジを第2レンジとし、第2レンジの次のレンジを第3レンジとし、第3レンジの次のレンジを第1レンジとする。
目盛り71内の数字は、レンジを設定することに用いられるため、計測結果を示すことに用いられず、かつ、時刻に関しない。従って、目盛り71内の数字は、白色またはオレンジ色のいずれも可能である。第2変形例では、目盛り71内の数字は、オレンジ色である。
図17の例では、センター指針13は、数字「100」を指示しているため、現在のレンジが、第1レンジであることを示す。現在のレンジが第1レンジである場合、目盛り31aの各数字は、数値表示短針32に対して「km」の一の位の桁の値として使用され、数値表示長針33に対して「m」の百の位の桁の値として使用される。同様に、現在のレンジが第2レンジである場合、目盛り31aの各数字は、数値表示短針32に対して「km」の十の位の桁の値として使用され、数値表示長針33に対して「km」の一の位の桁の値として使用される。同様に、現在のレンジが第3レンジである場合、目盛り31aの各数字は、数値表示短針32に対して「km」の百の位の桁の値として使用され、数値表示長針33に対して「km」の十の位の桁の値として使用される。
D.2.1.コンパスモードの概要
コンパスモードでは、電子時計Wは、真北の方位、ならびに、ウェイポイントWptのまでの方位および距離を示すことができる。動作モードをコンパスモードに設定している場合に、表示部10は、3軸磁気センサー3によって計測された磁北の方位に基づいて、センター指針13が真北を向くようにセンター指針13を制御する。
さらに、表示部10は、小秒針41の向きによってウェイポイントWptの方位を示す。さらに、表示部10は、数値表示短針32および数値表示長針33が指示する数値によってウェイポイントWptの距離を示す。
D.2.2.第2変形例にかかる制御部6の構成
図18に、制御部6の構成図を示す。制御部6は、記憶部5に記憶されたプログラムを読み取り実行することにより、表示制御部61と、昇降度算出部62と、気圧傾向算出部63と、方位算出部65と、レンジ設定部66と、現在位置算出部67とを実現する。以下、コンパスモードについて、制御部6の構成を説明する。
D.2.2.1.コンパスモードにおける制御部6の構成
コンパスモードにおいて、レンジ設定部66は、レンジを設定する。具体的には、レンジ設定部66は、記憶部5から現在のレンジを取得する。現在のレンジが設定されていない場合、レンジ設定部66は、記憶部5に記憶されたレンジの初期値を取得する。レンジ設定部66は、取得したレンジを表示制御部61に出力する。表示制御部61は、取得したレンジのレンジ値を示すように、センター指針13を制御する。
次に、レンジ設定部66は、操作ボタンAの所定時間以上の押下操作の回数に応じて、レンジを設定する。例えば、レンジ設定部66は、操作ボタンAの所定時間以上の押下操作が1回あった場合、レンジを、現在のレンジの次のレンジに設定する。レンジを設定した場合、レンジ設定部66は、設定後のレンジを表示制御部61に出力する。表示制御部61は、設定後のレンジのレンジ値を示すように、センター指針13を制御する。
現在位置算出部67は、GPSレシーバー2から衛星信号を取得し、取得した衛星信号に基づいて現在位置の座標を算出する。現在位置算出部67は、算出した現在位置の座標を、表示制御部61に出力する。
表示制御部61は、記憶部5に予め登録された位置の座標と、現在位置算出部67が算出した現在位置の座標とから、現在位置からウェイポイントWptまでの距離およびウェイポイントWptの方位角を算出する。
表示制御部61は、現在位置からウェイポイントWptまでの距離を、現在のレンジ値で除した第1値に応じて、数値表示短針32および数値表示長針33が目盛り31aの数値を指示するように制御する。表示制御部61の制御により、数値表示短針32および数値表示長針33は、第1値に応じて、目盛り31aの数値を指示する。具体的には、表示制御部61は、第1値の十の桁の値を数値表示短針32で指示し、第1値の一の桁の値を数値表示長針33で指示する。例えば、算出した距離が1200mであり、現在のレンジ値が「100」であるとする。この場合、1200を100で除した第1値は12であるため、表示制御部61が数値表示短針32および数値表示長針33を制御することにより、数値表示短針32は「1」を指示し、数値表示長針33は「2」を指示する。
また、算出した方位角は、グローバル座標系におけるウェイポイントWptの方位角である。従って、表示制御部61は、方位算出部65が算出した真北を用いて電子時計Wのローカル座標系におけるウェイポイントWptの方位角に変換する。表示制御部61は、小秒針41の向きによって、変換した方位角を示すように小秒針41を制御する。
D.2.3.動作モードのフローチャート
コンパスモードについて、具体的なフローチャートを用いて説明する。
D.2.3.1.コンパスモードのフローチャート
図19に、コンパスモードのフローチャートを示す。ユーザーにより操作ボタンAが何度か押下されてモード指針21が文字列23cを指示する場合に、電子時計Wは、動作モードをコンパスモードに設定する。制御部6は、動作モードをコンパスモードに設定している場合に、竜頭Dの一段引き出し操作を受け付ける(ステップS31)。表示制御部61は、竜頭Dの引き出し操作を受け付けると、現在のレンジのレンジ値を指示するように、センター指針13を制御する(ステップS32)。
制御部6は、操作ボタンAの所定時間以上の押下操作を検出したか否かを判断する(ステップS33)。操作ボタンAの所定時間以上の押下操作を検出した場合(ステップS33:Yes)、表示制御部61は、次のレンジのレンジ値を指示するように、センター指針13を制御する(ステップS34)。ステップS34の処理後、または、操作ボタンAの所定時間以上の押下操作を検出していない場合(ステップS33:No)、制御部6は、竜頭Dの押し込み操作を検出したか否かを判断する(ステップS35)。竜頭Dの押し込み操作を検出していない場合(ステップS35:No)、制御部6は、処理をステップS33に戻す。
一方、竜頭Dの押し込み操作を検出した場合(ステップS35:Yes)、レンジ設定部66は、センター指針13が現在指示しているレンジ値のレンジを、現在のレンジとして設定する(ステップS36)。次に、制御部6は、操作ボタンBの所定時間以上の押下操作を受け付ける(ステップS37)。操作ボタンBの所定時間以上の押下操作を受け付けると、現在位置算出部67は、現在位置の座標の算出を開始し、方位算出部65は、真北の方位の算出を開始する。そして、現在位置算出部67は、現在位置の座標を算出する(ステップS38)。また、方位算出部65は、3軸磁気センサー3が計測した地磁気の方向に基づいて、真北の方位を算出する(ステップS39)。表示制御部61は、真北の方位を示すように、センター指針13を制御する(ステップS40)。
そして、表示制御部61は、現在位置の座標および記憶部5に記憶されたウェイポイントWptの座標に基づいて、現在位置からウェイポイントWptまでの距離を算出する(ステップS41)。さらに、表示制御部61は、現在位置の座標、ウェイポイントWptの座標、および、真北の方位に基づいて、電子時計Wのローカル座標系におけるウェイポイントWptの方位角を算出する(ステップS42)。表示制御部61は、設定したレンジに応じて、算出した距離を示すように、数値表示短針32および数値表示長針33を制御する(ステップS43)。また、表示制御部61は、ウェイポイントWptの方位角を示すように、小秒針41を制御する(ステップS44)。ステップS44の処理終了後、制御部6は、一連の処理を終了する。コンパスモードにおける数値表示短針32、数値表示長針33、センター指針13、および小秒針41の向きについて、図20を用いて説明する。
図20に、コンパスモードにおける指針の向きの一例を示す。ステップS40の処理により、センター指針13は、真北の方位を指示する。また、ステップS43の処理によって数値表示短針32および数値表示長針33は、算出した距離Lを示す。また、ステップS44の処理によって、小秒針41は、算出した方位角ψを示す。
D.2.4.第2変形例の効果
以上示したように、数値表示短針32および数値表示長針33は、現在位置からウェイポイントWptまでの距離を現在のレンジ値で除した値に応じて、目盛り31aの数値を指示する。これにより、電子時計Wは、レンジを適切に変更することにより、レンジを変更しない場合に比べて、目盛り31aを用いて表示可能な数値を増やすことが可能になる。例えば、現在位置からウェイポイントWptまでの距離が10km以上100km未満であり、レンジ値が「100」に設定されていると想定する。この想定では、レンジ値が「100」であり表示可能な数値を超えているため、数値表示短針32および数値表示長針33は、目盛り31aの数字「0」を指示し、正しい距離を指示することができない。そこで、電子時計Wは、ユーザーの操作によってレンジ値を「10000」に設定することにより、数値表示短針32および数値表示長針33は、現在位置からウェイポイントWptまでの距離に応じた目盛り31aの適切な数字を指示することが可能になる。
ユーザーは、数値表示短針32および数値表示長針33が指示する数値を閲覧して、例えば、ウェイポイントWptまで歩いて移動するか、タクシーで移動するかを適切に判断することが可能になる。
D.3.その他の変形例
第2変形例において、センター指針13が指示可能な10のべき乗数として、数字「100」、数字「1000」および数字「10000」が7時側情報表示部70内に配置されたが、これらの数字に限らない。例えば、10のべき乗数は、10の0乗である数字「1」でもよいし、10の−1乗である数字「0.1」でもよい。また、7時側情報表示部70内には、数字「10000」の代わりに、数字「105」または「1.0E5」というように指数表現された数字が配置されてもよい。
第1実施形態において、仮想直線L1の3時方向を、ユーザーの進行方向とみなしていたが、仮想直線L1の9時方向をユーザーの進行方向とみなしてもよい。この場合、図7の例では、数値表示短針32は、目盛り31aの数字「8」と数字「9」との間を向く。さらに、ユーザーの進行方向を数値表示短針32の向きによって示しているが、数値表示長針33の向きによってユーザーの進行方向を示してもよい。
第1実施形態では、第2指針の例が数値表示短針32であり、第1指針の例が数値表示長針33であった。また、第2実施形態では、第2指針の例が時針11であり、第1指針の例が分針12であった。平面視において、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸は重ならなくてもよいが、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸がより近くに位置するほど1つの線分とみなしやすくなる。従って、第1指針の指針軸および第2指針の指針軸は近くに位置するほど好ましく、重なることが最も好ましい。
また、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態において、第1指針と第2指針とを1つの線分とみなしたが、第1指針または第2指針のいずれか一方で勾配θを表示してもよい。または、第2指針の向きが第1指針の向きと同一、言い換えれば、第2指針が第1指針に重なるようにして、勾配θを表示してもよい。ただし、第2指針が第1指針の指示する方向と反対の方向を指示する場合と比較すると、第1指針と第2指針とによってみなされる1つの線分の長さが短くなる。線分が長いほど、ユーザーが視覚的に把握しやすくなるため、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態で示したように、第2指針が第1指針の指示する方向と反対の方向を指示することが好ましい。
以上の各形態において、高度差算出部641は、高度差を、気圧に基づいて算出したが、これに限らなく、例えば、以下に示す2つの方法がある。第1方法として、高度差算出部641は、GPSレシーバー2が得た衛星信号から、計測開始位置の座標と現在位置の座標とを算出し、算出した位置同士の高さ方向の距離を高度差として算出する。第2方法として、高度差算出部641は、3軸加速度センサー7から得られる3軸方向の加速度のうち高さ方向の加速度を抽出し、抽出した加速度に2階積分を施すことにより高度差を算出する。
以上の各形態において、第2位置の一例は、電子時計Wの現在位置であると説明したが、第2位置は、電子時計Wの現在位置に限らない。第2位置は、例えば、過去の第1時点において、第1時点における電子時計Wの現在位置を、第2位置として設定した位置でもよい。
以上の各形態において、目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zは、昇降度を表示するために用いられたが、他の数値を表示するために用いてもよい。例えば、目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zは、標高または気温を表示してもよい。標高を表示する場合、10時側情報表示部40は、目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zを対数目盛りとしても用いてもよい。例えば、図1において、目盛り42pの数字「1」は、10mを示し、目盛り42pの数字「2」は、100mを示し、目盛り42pの数字「3」は、1000mを示し、目盛り42pの数字「4」は、10000mを示し、目盛り42pの数字「5」は、100000mを示してもよい。同様に、目盛り42mの数字「1」は、−10mを示し、目盛り42mの数字「2」は、−100mを示すようにしてもよい。
以上の各形態において、昇降度の単位は、m/秒であったが、フィート/秒でもよい。
以上の各形態において、目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zには、数字「1」といったアラビア数字が配置されたが、これに限らない。目盛り42p、目盛り42m、および目盛り42zには、例えば、ローマ数字または漢数字が配置されてもよい。
以上の各形態において、目盛り42zには、0であることを数字「0」が配置されていたが、数字「0」以外の記号が配置されていてもよい。例えば、目盛り42zには、0であることを示す記号「・」でもよい。
以上の各形態において、計測結果数字色および計測結果指針色は、白色であり、時刻記号色および時刻指針色は、オレンジ色であり、記号背景色は黒色であったが、これに限らない。具体的には、計測結果数字色と記号背景色との明度差が、時刻記号色と記号背景色との明度差より大きければ、計測結果数字色および時刻記号色は、どのような色でもよい。または、計測結果数字色と記号背景色との色差が、時刻記号色と記号背景色との色差より大きければ、計測結果数字色および時刻記号色は、どのような色でもよい。同様に、計測結果指針色と記号背景色との明度差が、時刻指針色と記号背景色との明度差より大きければ、計測結果指針色および時刻指針色は、どのような色でもよい。または、計測結果指針色と記号背景色との色差が、時刻指針色と記号背景色との色差より大きければ、計測結果指針色および時刻指針色は、どのような色でもよい。
例えば、計測結果数字色の明度と記号背景色の明度とが同一である場合、計測結果数字色と記号背景色との明度差と、時刻記号色と記号背景色との明度差とが同一となる。しかしながら、計測結果数字色の明度と記号背景色の明度とが同一であっても、計測結果数字色と記号背景色との色差が、時刻記号色と記号背景色との色差より大きければ、電子時計Wは、時刻より重要である計測結果の少なくとも一部を示す数字をユーザーがより見え易くすることが可能になる。
以上の各形態において、表示部10の形状は、円形であったが、円形に限らない。例えば、表示部10の形状は、矩形でもよい。
以上の各形態において、電子時計Wが有する操作ボタンの数は、上述した各形態における3つに限られず、3つより少なくてもよいし、3つより多くてもよい。また、電子時計Wが有する操作ボタンの配置は、上述した各形態における位置に限らない。
上述した各形態において、6時側情報表示部20、10時側情報表示部40、2時側情報表示部30、および日にち表示部50の位置は、上述した各形態における位置に限らない。また、上述した各形態において、6時側情報表示部20、10時側情報表示部40、2時側情報表示部30、日にち表示部50の少なくとも1つがなくてもよい。
以上の各形態において、直線距離算出部642、移動距離算出部643、および現在位置算出部67は、GPSレシーバー2から衛星信号を取得するとしたが、直線距離算出部642、移動距離算出部643、および現在位置算出部67は、GPS以外の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の測位用衛星やGNSS以外の測位用衛星から衛星信号を取得してもよい。例えば、直線距離算出部642、移動距離算出部643、および、現在位置算出部67は、WAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European
Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal
NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou
Navigation Satellite System)等の衛星測位システムのうち1つ、あるいは2つ以上のシステムの衛星から衛星信号を取得してもよい。
本発明は、上述の電子時計Wを、上述に記載の電子時計Wの各部として機能させるように構成されたコンピュータープログラムまたは当該コンピュータープログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体として捉えることもできる。記録媒体は例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD−ROM等の光学式記録媒体の他、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の記録媒体を含み得る。また、本発明は上述した各態様にかかる電子時計Wの制御方法としても特定される。
1…発振回路、10…表示部、10a…文字板、11…時針、12…分針、13…センター指針、14…ダイヤルリング、14a…目盛り、14c…目盛り、15…ベゼル、15a…目盛り、20…6時側情報表示部、22…目盛り、30…2時側情報表示部、31a…目盛り、32…数値表示短針、33…数値表示長針、4…気圧センサー、40…10時側情報表示部、41…小秒針、42z…目盛り、42p…目盛り、42m…目盛り、43…目盛り、43m…負符号、43p…正符号、6…制御部、61…表示制御部、62…昇降度算出部、63…気圧傾向算出部、64…勾配算出部、641…高度差算出部、642…直線距離算出部、643…移動距離算出部、65…方位算出部、66…レンジ設定部、67…現在位置算出部、70…7時側情報表示部、71…目盛り、A…操作ボタン、B…操作ボタン、C…操作ボタン、D…竜頭、W…電子時計。

Claims (10)

  1. 第1指針を含む表示部と、
    重力方向に垂直な水平面に対して、互いに異なる2点間の勾配を算出する勾配算出部と、
    を含み、
    前記第1指針は、前記表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ方向に平行な仮想直線と前記第1指針の指示する方向とのなす角度により前記勾配を示す、
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 請求項1において、
    前記表示部は、第2指針を含み、
    前記第2指針は、前記第1指針の指示する方向と反対の方向を指示する、
    ことを特徴とする電子時計。
  3. 請求項1または2において、
    前記2点間の高度差を算出する高度差算出部と、
    前記2点間の直線距離を算出する直線距離算出部と、を備え、
    前記勾配算出部は、
    前記高度差と、前記直線距離とに基づいて、前記勾配を算出する、
    ことを特徴とする電子時計。
  4. 請求項3において、
    前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、
    前記第3指針および前記第4指針で前記直線距離を指示する、
    ことを特徴とする電子時計。
  5. 請求項1または2において、
    前記2点間の高度差を算出する高度差算出部と、
    前記2点間を移動した経路において前記電子時計が移動した移動距離を算出する移動距離算出部と、を備え、
    前記勾配算出部は、
    前記高度差と、前記移動距離とに基づいて、前記勾配を算出する、
    ことを特徴とする電子時計。
  6. 請求項5において、
    前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、
    前記第3指針および前記第4指針で前記移動距離を指示する、
    ことを特徴とする電子時計。
  7. 請求項3または5において、
    前記表示部は、第3指針および第4指針を含み、
    前記第3指針および前記第4指針で前記高度差を指示する、
    ことを特徴とする電子時計。
  8. 請求項3から7のいずれか一項において、
    気圧センサーを備え、
    前記高度差算出部は、
    前記2点間の第1位置の気圧と第2位置の気圧とに基づいて、前記高度差を算出する、
    ことを特徴とする電子時計。
  9. 請求項1から8のいずれか一項において、
    前記表示部は、第5指針を含み、
    前記第5指針が前記電子時計の高度の単位時間当たりの変化量を指示する、
    ことを特徴とする電子時計。
  10. 第1指針を含む表示部を備える電子時計の制御方法であって、
    電子時計は、
    重力方向に垂直な水平面に対する互いに異なる2点間の勾配を算出し、
    前記表示部の9時位置と3時位置とを結ぶ方向に平行な仮想直線と前記第1指針の指示する方向とのなす角度により前記勾配を示すように前記第1指針を制御する、
    ことを特徴とする電子時計の制御方法。
JP2018034420A 2018-02-28 2018-02-28 電子時計、および電子時計の制御方法 Active JP6950579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018034420A JP6950579B2 (ja) 2018-02-28 2018-02-28 電子時計、および電子時計の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018034420A JP6950579B2 (ja) 2018-02-28 2018-02-28 電子時計、および電子時計の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019148542A true JP2019148542A (ja) 2019-09-05
JP6950579B2 JP6950579B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=67850511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018034420A Active JP6950579B2 (ja) 2018-02-28 2018-02-28 電子時計、および電子時計の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6950579B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7435124B2 (ja) 2020-03-25 2024-02-21 カシオ計算機株式会社 電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526467A (ja) * 2004-03-03 2007-09-13 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス アナログ表示昇降計を備えた携帯用電子装置
CN201852579U (zh) * 2010-11-19 2011-06-01 淄博职业学院 指针式坡度测量仪
JP2017161251A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 セイコーエプソン株式会社 電子時計
JP2017181478A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 セイコーエプソン株式会社 電子時計
JP2018009961A (ja) * 2016-06-30 2018-01-18 セイコーインスツル株式会社 電子機器、表示システム、電子時計およびプログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526467A (ja) * 2004-03-03 2007-09-13 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス アナログ表示昇降計を備えた携帯用電子装置
CN201852579U (zh) * 2010-11-19 2011-06-01 淄博职业学院 指针式坡度测量仪
JP2017161251A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 セイコーエプソン株式会社 電子時計
JP2017181478A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 セイコーエプソン株式会社 電子時計
JP2018009961A (ja) * 2016-06-30 2018-01-18 セイコーインスツル株式会社 電子機器、表示システム、電子時計およびプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7435124B2 (ja) 2020-03-25 2024-02-21 カシオ計算機株式会社 電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6950579B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11194295B2 (en) Smart watch
JP5321654B2 (ja) 指針式電子時計
JP4426620B2 (ja) アナログ表示昇降計を備えた携帯用電子装置
JP2019148534A (ja) 時計
US10969225B2 (en) Electronic timepiece
US20060203617A1 (en) Electronic watch having a compass function
US6185157B1 (en) Timepiece including a GPS receiver, arranged in particular, for indicating the direction of a “target” location
JP7027954B2 (ja) 電子時計および指針制御方法
JP6780292B2 (ja) 電子時計
CN110209038B (zh) 钟表
US7782714B2 (en) Time piece forming a navigation aid for pilots and seamen
JP6950579B2 (ja) 電子時計、および電子時計の制御方法
US8924046B2 (en) Combined stand-by instrument and method for calibrating the combined stand-by instrument
JP2019148541A (ja) 電子時計、および指針制御方法
US10036637B2 (en) Electronic device and information notification method
JP2019128299A (ja) 電子時計、および電子時計の制御方法
RU2215995C1 (ru) Комплекс навигации и электронной индикации
EP0621459A1 (en) A map-reading electronic compass
JP2019128300A (ja) 電子時計、および電子時計の制御方法
KR101107187B1 (ko) 위치 측정 장치 및 위치 측정 장치의 목적지 방향 표시 방법
Larsen The Integration of Air Navigation Systems
WO2009037189A1 (en) Timepiece with mach number indicator
JPH05157576A (ja) 航法装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180910

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181121

RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20200807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6950579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150