JP2019147087A - ミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置 - Google Patents

ミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置 Download PDF

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雅治 吉田
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Abstract

【課題】冷却能力を同等に維持しつつ加圧気体の消費量を低減するミストノズル噴霧式冷却方法を提案する。【解決手段】液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに前記加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給するミストノズル噴霧式冷却方法において、前記パルス噴霧による熱伝達係数を(1)式で示すモデル式で評価し、前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径を、少なくとも前記熱伝達係数の評価に基づいて設定するミストノズル噴霧式冷却方法である。ここで、hは熱伝達係数[W/m2・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧気体の流量[Nm3/min]、Qwは液体の流量[l/min]、Dpは液体のミスト粒子径[m]である。【選択図】図1

Description

本発明は、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルを用い、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置に関するものである。
製鉄所の高炉鉄皮や連続鋳造設備での鋳片等の冷却対象の冷却等に用いられるミストノズル噴霧式冷却装置のミストノズルは、一般に、液体(主に水)と加圧気体(主に加圧空気)の2流体を連続的に供給することにより液体を微細化して噴霧し、その噴霧した液体でそれらの冷却対象を冷却する。
ところで、近年の省エネルギーの要請により、加圧気体の消費量の低減も求められており、加圧気体の消費量を低減するミストノズルとして、ニードル弁を内蔵し、液体・気体の吐出流路をそのニードル弁で同時に開閉可能な構造を持ち、そのニードル弁を高速で開閉させることによりパルス状に液体を噴霧するノズルが市販されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、高速で開閉するニードル弁方式では、液体もパルス状に供給するため加圧気体のみならず冷却水の量も低下するので、冷却能力当たりの加圧気体消費量はほとんど低減出来ない。また、このニードル弁方式のミストノズルは、部品点数が多いため通常のミストノズルより高価格であり、しかもニードル弁の駆動部が液体・気体の双方に関与するので、液体に汚れや異物混入等があると詰まりや故障が発生し易いという不都合がある。
このため先に本願出願人は、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給し、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置を提案している(特許文献2参照)。
特開平10−319630号公報 特開2016−159200号公報
このようにミストノズルに加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給する冷却方法および冷却装置は、加圧気体のみをパルス状にするので、冷却水量を低減させないことで冷却能力を維持しつつ、加圧気体の消費量を低減することが可能であるが、パルスの周波数を上げるとパルス弁の開閉頻度が多くなるため設備的に過酷な条件となってパルス弁が短寿命になるという不都合がある。
そこで本発明者は、本願出願人が先に提案した上述のミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置についてさらに研究を進めて、パルス噴霧時の熱伝達係数を数値化するモデル式を作成し、周波数とパルス噴霧時の熱伝達係数の関係を調査し、パルス噴霧時の効果およびパルス弁補修費用から投資効率の高くなる周波数を評価することにより、投資効果が最大となる最適な冷却方法(操作点)の知見を得た。
それゆえ本発明の課題は、本発明者の上記知見に基づき、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給し、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置において、最適な冷却方法(操作点)を提案することにある。
上記課題を有利に解決する本発明のミストノズル噴霧式冷却方法は、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに前記液体を連続的に供給するとともに前記加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給し、そのミストノズルからパルス噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却方法において、
前記パルス噴霧による熱伝達係数を、前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径を変数とする、以下の(1)式で示すモデル式で評価し、
前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径を、少なくとも前記熱伝達係数の評価に基づいて設定することを特徴としている。
Figure 2019147087
ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧気体の流量[Nm/min]、Qwは液体の流量[l/min]、Dpは液体のミスト粒子径[m]である。
また、上記課題を有利に解決する本発明のミストノズル噴霧式冷却装置は、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルと、前記ミストノズルと前記加圧気体の供給源との間に介挿されて前記加圧気体をパルス状にするパルス弁とを具え、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却装置において、
前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径が、少なくとも以下の(1)式で示すモデル式で評価された熱伝達係数に基づいて設定されていることを特徴とするものである。
Figure 2019147087
ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧気体の流量[Nm/min]、Qwは液体の流量[l/min]、Dpは液体のミスト粒子径[m]である。
本発明のミストノズル噴霧式冷却方法によれば、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに前記液体を連続的に供給するとともに前記加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給し、そのミストノズルからパルス噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却方法において、パルス噴霧による冷却能力に対応する熱伝達係数を、液体の流量、加圧気体の流量、加圧気体のパルス周波数および液体のミスト粒子径を変数とする上記(1)式で示すモデル式で評価し、液体の流量、加圧気体の流量、加圧気体のパルス周波数および液体のミスト粒子径を、少なくとも上記熱伝達係数の評価に基づいて設定するので、パルス弁の寿命を考慮しつつパルス噴霧時の冷却能力を確保するとともに加圧気体流量を低減するように液体の流量と加圧気体の流量と加圧気体のパルス周波数とミスト粒子径とを設定した冷却方法で、冷却対象の冷却を行うことができる。
また、本発明のミストノズル噴霧式冷却装置によれば、液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルと、ミストノズルと加圧気体の供給源との間に介挿されて加圧気体をパルス状にするパルス弁とを具え、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却装置において、液体の流量、加圧気体の流量、加圧気体のパルス周波数および液体のミスト粒子径が、少なくとも、上記(1)式で示すモデル式で評価された、パルス噴霧による冷却能力に対応する熱伝達係数に基づいて設定されているので、パルス弁の寿命を考慮しつつパルス噴霧時の冷却能力を確保するとともに加圧気体流量を低減するように、液体の流量と加圧気体の流量と加圧気体のパルス周波数とミスト粒子径とを設定して、冷却対象の冷却を行うことができる。
なお、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記液体は冷却水であり、前記加圧気体は加圧空気であると好ましい。
このようにすれば、容易に入手可能な冷却水と加圧空気とを用いてミストノズル噴霧式冷却を行う場合に、パルス弁の寿命を考慮しつつパルス噴霧時の冷却能力を確保するとともに加圧空気流量を低減するように冷却水流量と加圧空気流量と加圧空気のパルス周波数とミスト粒子径とを設定して、冷却対象の冷却を行うことができる。
また、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記(1)式は以下の(2)式で示す推定式であると好ましい。
Figure 2019147087
ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Fcはベースとするパルス周波数5[Hz]、Qaは加圧空気の流量[Nm/min]、Qwは冷却水の流量[l/min]、Dpは冷却水のミスト粒子径[m]である。
上記(2)式の第1項をaln((1/{1+(Fc/F)0.5))に設定したのは、熱伝達係数hは1次のハイパスフィルタの入力周波数Fに対するゲインTと同様の特性を持つことが本発明者の実験により判明し(図5参照)、上記第1項の式によればその特性を近似できるからである。
また、上記(2)式の加圧空気の流量Qaと冷却水の流量Qwとの累乗数を異ならせたのは、それらの変数の影響度に応じた重み付けのためである。
なお、カットオフ周波数FcHzの1次のハイパスフィルタの入力周波数Fに対するゲインTの式は、T=1/{1+(Fc/F)0.5であり、この式によれば、FがFcより小さい時、TはFの増大に応じて増大し、FがFcの時、Tは1/√2になり、FがFcより大きい時、TはFが増大する程1に近づき、Fc=5Hzとすれば、概ね図5の特性になる。
このようにすれば、上記(2)式の推定式における係数a,b,c,d,eに実験で求めた値をそれぞれ当てはめることにより、各変数を変化させた場合に、実験を行わなくても計算で熱伝達係数を精度良く推定することができる。
さらに、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記加圧気体のパルス周波数は、前記熱伝達係数の上昇率と前記パルス弁の寿命の低下率とが共に小さくなる周波数とすると好ましい。
このようにすれば、パルス噴霧時の冷却能力を確保しつつ、パルス弁の寿命の余分な低下をなくしてパルス弁補修費用を抑制することができる。
また、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記加圧気体のパルス周波数は、熱伝達係数による冷却効果金額+加圧空気流量低減効果金額である前記パルス噴霧による効果金額からパルス弁補修費を減じて求めた純利益が最大値近傍となる周波数とすると好ましい。
なお、パルス周波数をF、パルス噴霧による効果金額をE、熱伝達係数による冷却効果金額をH、加圧空気流量の低減効果金額をRとすると、E=H(F)+R(F)となり、熱伝達係数による冷却効果金額Hは、パルス周波数Fの上昇に応じて指数関数的に増加する関数となる(図6)。
その一方、冷却能力を維持しての加圧空気の低減量は、パルス周波数F=5Hzでは22%(図4)であるが、F=5Hzよりも小さい周波数ではパルス周波数Fの減少に応じて効果は低減する。
このようにすれば、ミストノズル噴霧式冷却を行う際の費用対効果を最大限に得ることができる。
そして、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記加圧気体のパルス周波数は、3[Hz]以上で6[Hz]以下とすると好ましい。このようにすれば、ミストノズル噴霧式冷却を行う際のパルス噴霧純利益を十分得ることができる。
さらに、本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置においては、前記加圧気体のパルス周波数は、4[Hz]以上で5[Hz]以下とするとさらに好ましい。このようにすれば、ミストノズル噴霧式冷却を行う際のパルス噴霧純利益を最大値近傍とすることができる。
本発明の一実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法の実施に用いる本発明の一実施形態のミストノズル噴霧式冷却装置の構成を模式的に示す断面図である。 上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置で用いるミストノズルを例示する断面図である。 上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置における熱伝達係数の計算値と実測値との関係を示す関係線図である。 上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置における空気流量と熱伝達係数との関係を加圧空気のパルス状供給と連続供給とについてそれぞれ示す関係線図である。 上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置におけるパルス周波数と熱伝達係数およびパルス弁寿命との関係をそれぞれ示す関係線図である。 上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置におけるパルス周波数と効果金額、補修金額および純利益との関係をそれぞれ示す関係線図である。
図1は、本発明の一実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法の実施に用いる本発明の一実施形態のミストノズル噴霧式冷却装置の構成を模式的に示す断面図、図2は、上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置で用いるミストノズルを例示する断面図である。
この実施形態のミストノズル噴霧式冷却装置は、液体としての冷却水と加圧気体としての加圧空気との2流体を混合部1aで混合することで冷却水を微細化してチップ1bから噴霧するミストノズル1と、ミストノズル1に図示しない冷却水供給源から冷却水を供給する冷却水供給配管2と、ミストノズル1に図示しない加圧空気供給源から加圧空気を供給する加圧空気供給配管3と、加圧空気供給配管3の途中に介挿されたパルス弁4とを具えている。
ここにおけるミストノズル1は、高炉鉄皮等の比較的低い温度の冷却対象の冷却に用いるもので、後方から加圧空気を供給するとともに側方から冷却水を供給することで水滴を気流で剪断して微細化させる通常タイプのものであり、冷却水と加圧空気とを混合する混合部1aと、その混合により冷却水を微細化したミストを先端から噴出するチップ1bとを有している。
ここにおけるパルス弁4は、外部パイロット式でも内部パイロット式でもよく、また、連続的に供給される加圧空気のパイロット圧で主弁の開閉を繰り返してパルス状の加圧空気を吐出するタイプのものが好ましいが、電磁弁の開閉によって断続的に供給される加圧空気のパイロット圧で主弁の開閉を繰り返してパルス状の加圧空気を吐出するタイプのものでもよい。何れのタイプでも吐出する加圧空気のパルス周波数を任意に設定することができる。
この実施形態のミストノズル噴霧式冷却装置が実施する上記実施形態のミストノズル噴霧式冷却方法は、ミストノズル1に、冷却水供給配管2から冷却水を連続的に供給するとともに加圧空気供給配管3からパルス弁4でパルス状にした加圧空気を供給し、その加圧空気と冷却水をミストノズル1内で混合することで冷却水を微細化してミストとし、そのミストをミストノズル1から冷却対象にパルス噴霧して冷却対象を冷却するものである。
(実施例1)
この冷却を行うために、この実施形態の方法では、パルス噴霧による冷却能力を表すものである熱伝達係数を、冷却水流量、加圧気体量の他、パルス周波数およびミスト粒子径の関数として仮定した下記の(1)式で評価する。
Figure 2019147087
ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧空気の流量[Nm/min]、Qwは冷却水の流量[l/min]、Dpは冷却水のミスト粒子径[m]である。
上記の(1)式に基づき、具体的な熱伝達係数の推定式として下記の式(2)を設定した。
Figure 2019147087
ここで、h,F,Qa,Qw,Dpの意味および単位は(1)式におけるものと同一であり、Fcはベースとするパルス周波数5[Hz]である。
上記(2)式の第1項をaln((1/{1+(Fc/F)0.5))に設定したのは、熱伝達係数hは1次のハイパスフィルタの入力周波数Fに対するゲインTと同様の特性を持つことが本発明者の実験により判明し、上記第1項の式によればその特性を近似できるからである。
また、上記(2)式の加圧空気の流量Qaと冷却水の流量Qwとの累乗数を異ならせたのは、それらの変数の影響度に応じた重み付けのためである。
熱伝達係数hについて、ミストノズル1を用いた実験による実測値と(2)式での計算値とを比較しながら各パラメータa,b,c,d,eを求めたところ、以下の表1のようになり、これらのパラメータを適用することにより、図3に示すように、実測値と計算値とが良好に一致した。
Figure 2019147087
従って、(2)式の推定式を用いることにより、熱伝達係数hを、冷却水流量Qw、加圧気体量Qa、パルス周波数Fおよびミスト粒子径Dpを設定することで、実験をしなくても高い精度で推定することができる。
(実施例2)
上記のミストノズル1を用いた実験に伴い、パルス弁4のパルス周波数Fを5Hzとして加圧空気をパルス状にしてミストノズル1に供給する場合と、加圧空気を連続的にミストノズル1に供給する場合とにつき、互いに熱伝達係数hが概ね等しくなるようにそれぞれ3点ずつ条件を設定して、空気流量Qaと熱伝達係数hとの関係を調べた。
即ち、加圧空気を5Hzのパルス状にしてミストノズル1に供給する場合については、条件1:冷却水量Qw=3.2l/min,圧力=0.13MPa;加圧空気流量Qa=14.3Nm/min,圧力=0.13MPa、条件2:冷却水量Qw=12.0l/min,圧力=0.28MPa;加圧空気流量Qa=16.5Nm/min,圧力=0.28MPa、条件3:冷却水量Qw=23.0l/min,圧力=0.48MPa;加圧空気流量Qa=17.3Nm/min,圧力=0.48MPaとした。冷却水のミスト粒子径は、条件1:Dp=142μm、条件2:Dp=173μm、条件3:Dp=187μmであった。
一方、加圧空気を連続的にミストノズル1に供給する場合については、条件1:冷却水量Qw=3.2l/min,圧力=0.079MPa;加圧空気流量Qa=19.3Nm/min,圧力=0.13MPa、条件2:冷却水量Qw=12.0l/min,圧力=0.278MPa;加圧空気流量Qa=21.1Nm/min,圧力=0.28MPa、条件3:冷却水量Qw=23.0l/min,圧力=0.538MPa;加圧空気流量Qa=22.3Nm/min,圧力=0.48MPaとした。冷却水のミスト粒子径は、条件1:Dp=145μm、条件2:Dp=179μm、条件3:Dp=194μmであった。
上記の実験の結果、図4に示すように、加圧空気をパルス弁4で5Hzのパルス状にしてミストノズル1に供給する場合(図中実線で示す)は、連続的にミストノズル1に供給する場合(図中点線で示す)と概ね同様の傾向により、空気流量Qaの増加に応じて熱伝達係数hも増加することが判り、これにより、冷却能力を低減させず同等の熱伝達係数hを得ながら、加圧空気の使用量を概ね22%削減できることが判明した。
(実施例3)
パルス弁4のパルス周波数Fとパルス噴霧時の熱伝達係数hおよびパルス弁寿命Lとの関係を、図4の条件2と同様に冷却水量:12.0l/min、加圧空気流量:16.5Nm/minとして、実験により調べた結果、図5に示すように、パルス弁4のパルス周波数Fが増加することにより熱伝達係数hは向上するものの3Hz以上で上昇率が減って4Hz〜5Hzで上限値近くになり概ね6Hz以上で上限値となることが判明した。よって、冷却能力を維持するためには周波数は3〜6Hzとすることが望ましく、4〜5Hzとするとするのがより望ましい。
一方、パルス弁4の寿命は、周波数Fが増加すれば機械的な動作が増加することで短くなるものの、3Hz以上で下降率が減り概ね6Hz以上で漸減する。よって、図6に示すように、周波数Fの増加に応じてパルス弁4のランニングコスト(パルス弁補修費用)が増加するため経済性が悪くなる。
このように周波数Fの増加に応じてパルス弁補修費用が増加するのは、製鉄所の高炉鉄皮や連続鋳造設備での鋳片等の冷却対象の冷却等に用いられるミストノズル噴霧式冷却装置の部品は、簡単に設備を停止させて交換できるものでないため一定期間継続的に使用したら交換するという補修方法を採るので、パルス弁についても、定期的に行われる定期修理を利用して状態の悪いものを交換することになるからである。
パルス噴霧時の効果金額Eからパルス弁補修費用を減じた額が、パルス弁4を用いた本実施形態の冷却方法および冷却装置により得られる純利益となり、この純利益を評価すると、図6に示すように、パルス弁4のパルス周波数F=3〜6Hzで補修費用より十分大きい値になり、特にF=4〜5Hzで最大値近傍となることが判明した。
なお、パルス周波数をF、パルス噴霧による効果金額をE、熱伝達係数による冷却効果金額をH、加圧空気流量の低減効果金額をRとすると、E=H(F)+R(F)となり、熱伝達係数による冷却効果金額Hは、パルス周波数Fの上昇に応じて指数関数的に増加する関数となる(図6)。
以上、図示例に基づき説明したが、本発明のミストノズル噴霧式の冷却方法および冷却装置は、上記例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、本発明を連続鋳造設備での鋳片等の比較的高い温度の対象の冷却に適用する場合には、ミストノズル1を、後方から冷却水を供給するとともに側方から加圧空気を供給することで水滴を自水圧で微細化させた後に気流で加速してさらに微細化させる大水量タイプのものとしてもよい。
またミストノズル1には所要に応じて、例えば冷却油等の冷却水以外の液体を供給してもよく、例えば不活性ガス等の加圧空気以外の加圧気体を供給してもよい。
そして今後のパルス弁の技術の進歩とともにパルス弁の寿命が向上すれば、6Hz以上のパルス周波数でも純利益が十分得られるようになると推定されるので、使用条件等に応じて6Hz以上のパルス周波数で使用するようにしてもよい。
本発明のミストノズル噴霧式冷却方法およびミストノズル噴霧式冷却装置によれば、冷却液量を減らさず冷却性能を同等に維持しつつ、噴霧用の加圧気体の消費量を大幅に低減することができ、しかも、冷却装置を簡易かつ安価に構成できるとともに、パルス弁の詰まりや故障の可能性を低減させて冷却装置の信頼性を高めることができる。
1 ミストノズル
1a 混合部
1b チップ
2 冷却水供給配管
3 加圧空気供給配管
4 パルス弁

Claims (10)

  1. 液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルに前記液体を連続的に供給するとともに前記加圧気体をパルス弁でパルス状にして供給し、そのミストノズルからパルス噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却方法において、
    前記パルス噴霧による熱伝達係数を、前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径を変数とする以下の(1)式で示すモデル式で評価し、
    前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径を、少なくとも前記熱伝達係数の評価に基づいて設定することを特徴とするミストノズル噴霧式冷却方法。
    Figure 2019147087
    ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧気体の流量[Nm/min]、Qwは液体の流量[l/min]、Dpは液体のミスト粒子径[m]である。
  2. 前記液体は冷却水であり、前記加圧気体は加圧空気であることを特徴とする、請求項1記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
  3. 前記(1)式は以下の(2)式であることを特徴とする、請求項2記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
    Figure 2019147087
    ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Fcはベースとするパルス周波数5[Hz]、Qaは加圧空気の流量[Nm/min]、Qwは冷却水の流量[l/min]、Dpは冷却水のミスト粒子径[m]である。
    また、係数a,b,c,d,eは、熱伝達係数hの、ミストノズルを用いた実験による実測値と(2)式での計算値とが一致するようにそれぞれ定めたものである。
  4. 前記加圧気体のパルス周波数は、前記熱伝達係数の上昇率と前記パルス弁の寿命の低下率とが共に小さくなる周波数とすることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
  5. 前記加圧気体のパルス周波数は、前記パルス噴霧による効果金額からパルス弁補修費を減じた純利益が最大値近傍となる周波数とすることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
  6. 前記加圧気体のパルス周波数は、3[Hz]以上で6[Hz]以下とすることを特徴とする、請求項4または5記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
  7. 前記加圧気体のパルス周波数は、4[Hz]以上で5[Hz]以下とすることを特徴とする、請求項6記載のミストノズル噴霧式冷却方法。
  8. 液体と加圧気体の2流体を混合することで液体を微細化して噴霧するミストノズルと、前記ミストノズルと前記加圧気体の供給源との間に介挿されて前記加圧気体をパルス状にするパルス弁とを具え、そのミストノズルから噴霧した液体で冷却対象を冷却するミストノズル噴霧式冷却装置において、
    前記液体の流量、前記加圧気体の流量、前記加圧気体のパルス周波数および前記液体のミスト粒子径が、少なくとも以下の(1)式で示すモデル式で評価された熱伝達係数に基づいて設定されていることを特徴とするミストノズル噴霧式冷却装置。
    Figure 2019147087
    ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Qaは加圧気体の流量[Nm/min]、Qwは液体の流量[l/min]、Dpは液体のミスト粒子径[m]である。
  9. 前記液体は冷却水であり、前記加圧気体は加圧空気であることを特徴とする、請求項8記載のミストノズル噴霧式冷却装置。
  10. 前記(1)式は以下の(2)式であることを特徴とする、請求項9記載のミストノズル噴霧式冷却装置。
    Figure 2019147087
    ここで、hは熱伝達係数[W/m・K]、Fはパルス周波数[Hz]、Fcはベースとするパルス周波数5[Hz]、Qaは加圧空気の流量[Nm/min]、Qwは冷却水の流量[l/min]、Dpは冷却水のミスト粒子径[m]である。
    また、係数a,b,c,d,eは、熱伝達係数hの、ミストノズルを用いた実験による実測値と(2)式での計算値とが一致するようにそれぞれ定めたものである。
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