JP2019146085A - スピーカ装置 - Google Patents

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要平 横田
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Abstract

【課題】シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させること。【解決手段】実施形態に係るスピーカ装置は、振動素子と、駆動部と、パネルとを備える。駆動部は、超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を振動素子へ印加する。パネルは、振動素子が設けられ、かかる振動素子へ駆動部により駆動信号が印加されることによって振動領域が形成されるとともに、かかる振動領域から発生する互いに異なる方向へ進行する第1および第2の超音波によってユーザの頭部を挟むように配置される。【選択図】図1C

Description

開示の実施形態は、スピーカ装置に関する。
従来、超指向性を有する複数の放射器(スピーカ)と、通行人を検知する複数のセンサとを組み合わせ、複数のスピーカからは音声案内メッセージのアナウンスを流すことで、視覚障害者などを適切にユニバーサルサインまで誘導する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。なお、かかる技術は、言い換えれば、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させる技術とも言える。
特開2006−288609号公報
しかしながら、上記した従来技術は、シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させるうえで、更なる改善の余地がある。具体的には、上記した従来技術では、適正な位置に対して複数のスピーカや複数のセンサを組み合わせる必要があり、構成が複雑になりやすかった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させることができるスピーカ装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るスピーカ装置は、振動素子と、駆動部と、パネルとを備える。前記駆動部は、超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を前記振動素子へ印加する。前記パネルは、前記振動素子が設けられ、該振動素子へ前記駆動部により前記駆動信号が印加されることによって振動領域が形成されるとともに、該振動領域から発生する互いに異なる方向へ進行する第1および第2の超音波によってユーザの頭部を挟むように配置される。
実施形態の一態様によれば、シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させることができる。
図1Aは、実施形態に係るスピーカ装置の概略構成を示す図である。 図1Bは、各帯状振動領域から発生する第1の超音波と第2の超音波との進行方向を示す図である。 図1Cは、実施形態に係るスピーカ装置の配置例を示す図である。 図1Dは、実施形態に係るスピーカ装置の機能を示す図である。 図2は、実施形態に係るスピーカ装置のブロック図である。 図3は、パネルに形成される帯状振動領域と定在波との関係を示す図である。 図4は、パネルに形成される定在波とスピーカ装置の指向性との関係を説明するための図である。 図5は、超音波が互いに強め合う角度と超音波の進行方向との関係を示す図である。 図6Aは、第1の変形例の説明図(その1)である。 図6Bは、第1の変形例の説明図(その2)である。 図7Aは、第2の変形例の説明図(その1)である。 図7Bは、第2の変形例の説明図(その2)である。 図8Aは、第3の変形例の説明図(その1)である。 図8Bは、第3の変形例の説明図(その2)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するスピーカ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[1.スピーカ装置1の概要]
まず、図1A〜図1Dを用いて、本実施形態に係るスピーカ装置1の概要について説明する。図1Aは、本実施形態に係るスピーカ装置1の概略構成を示す図である。また、図1Bは、各帯状振動領域Agから発生する第1の超音波S1と第2の超音波S2との進行方向を示す図である。また、図1Cは、本実施形態に係るスピーカ装置1の配置例を示す図である。また、図1Dは、本実施形態に係るスピーカ装置1の機能を示す図である。
図1Aに示すように、スピーカ装置1は、音出力部2と、駆動部3とを備える。スピーカ装置1は、たとえば、車両に搭載される音響システムのスピーカ装置として機能する。なお、スピーカ装置1の搭載対象は、車両の音響システムに限定されず、住宅等の施設に設けられる音響システムであってもよい。
音出力部2は、パネル10と、振動素子11とを備える。パネル10は、振動素子11の振動に応じて振動する板状部材であり、たとえば、ガラスなどの素材で形成される。振動素子11は、たとえばピエゾ素子であり、一例としてパネル10の端部に設けられる。振動素子11は、たとえば、印加される交流電圧の駆動電圧Voに応じて伸縮することで、パネル10を振動させる。
振動素子11に印加される駆動電圧Voは、駆動部3によって生成される。駆動部3は、パネル10に縞状の振動領域Asを発生させるように、超音波帯域(概ね20kHz以上の周波数帯域)の周波数成分を含む駆動電圧Voを生成する。具体的には、駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域(概ね20kHz未満)の音声信号Ssで変調した変調信号Smを増幅することによって振動素子11へ印加する駆動電圧Voを生成する。
なお、音声信号Ssは、たとえばスピーカ装置1に接続された外部装置50から入力される。外部装置50は、可聴波帯域の音声信号Ssをスピーカ装置1へ出力する装置であり、たとえば、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、スマートフォン、PC(Personal Computer)などのように外部に音声信号Ssを出力できる装置である。
振動素子11への駆動電圧Voの印加によって、パネル10が振動し定在波が発生してパネル10に縞状の振動領域Asが形成される。縞状の振動領域Asは、複数の帯状振動領域Agを含んでおり、かかる帯状振動領域Agは、それぞれが、音声信号Ssで変調された超音波を放射する帯状の音源として機能する。
図1Aに示す例では、パネル10の長手方向(Y軸方向)の両端部に、パネル10の短手方向(X軸方向)に延伸する振動素子11がそれぞれ設けられる。そして、振動素子11の振動によってパネル10の長手方向に定在波が形成され、パネル10の短手方向に延伸する複数の帯状振動領域Agがパネル10の長手方向に等間隔で形成される。なお、図1A(および後に示す図3)では、帯状であることの一例として、帯状振動領域Agを線状に表している。
スピーカ装置1では、このように形成される複数の帯状振動領域Agから発生した超音波同士の強調や干渉、および、変調処理をした超音波の非線形歪みによる自然復調現象によって特定方向に音声信号Ssに応じた音波が生成され、ユーザの耳元で可聴音として再生される。これにより、スピーカ装置1は、狭指向性を有するスピーカ装置として機能する。
ところで、スピーカ装置1の各帯状振動領域Agからは、第1の方向に進行する第1の超音波に加え、パネル10の短手方向(X軸方向)から視てパネル10に垂直な方向を軸として、第1の方向とは対称の方向である第2の方向に進行する第2の超音波が出力される。
図1Bに示すように、スピーカ装置1では、パネル10の帯状振動領域Agから発生する第1の超音波S1と第2の超音波S2とは、パネル10に垂直な方向(Z軸方向)を軸として対称に進行する。すなわち、スピーカ装置1は、互いに異なる方向に進行する第1の超音波S1と第2の超音波S2とによって、異なる2方向への狭指向性を有する。
言い換えれば、スピーカ装置1は、第1の超音波S1に対応する第1の方向への指向性を有する第1の放音領域R1と、第2の超音波S2に対応する第2の方向への指向性を有する第2の放音領域R2とを有している。
これは、見方を変えれば、第1の放音領域R1と第2の放音領域R2との間には、音声信号Ssに応じた音波が可聴音として再生されにくい領域(以下、「非再生領域」と言う場合がある)を形成でき、仮にユーザが音声信号Ssに応じた可聴音を聴取できたならば、それは、ユーザの耳元が非再生領域からはズレた位置にあることを意味する。
そこで、かかる点に着目し、本実施形態では、シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させることができるように、スピーカ装置1のパネル10を配置することとした。たとえば、ユーザが車両Cの運転者Dである場合を例に挙げる。
図1Cに示すように、スピーカ装置1が車両Cの車室100に搭載されるものとする。なお、符号20が示すのはステアリング・ホイールである。図1Cに示すように、本実施形態では、スピーカ装置1のパネル10を、運転席に着座する運転者Dの前方に配置する。パネル10は、前述のように透明なガラスなどの素材で形成されることから、たとえばインストルメント・パネルなどに組み込むことができる。
このとき、パネル10は、運転者Dが正しい運転姿勢をとったときに、運転者Dの頭部が前述の非再生領域に位置するように調整された向きに配置される。すなわち、パネル10は、互いに異なる方向へ進行する前述の第1の超音波S1および第2の超音波S2によって運転者Dの頭部を挟むように配置される。また別の言い方をすれば、図1Cに示すように、パネル10は、第1の放音領域R1および第2の放音領域R2の間に、正しい運転姿勢の運転者Dの頭部が位置付くように配置される。
そして、本実施形態では、駆動部3が、運転者Dを正常な位置(正常な運転姿勢と言い換えても可)へ誘導する内容の音声信号Ssで搬送波Scを変調して生成した駆動電圧Voを、原則的に運転者Dが運転席へ着座している間の常時、振動素子11へ印加する。したがって、運転者Dが車両Cを運転している間、第1の放音領域R1および第2の放音領域R2には、運転者Dを正常な位置へ誘導する内容の音声が出力されている。
このため、図1Dに示すように、運転者Dが体勢を崩して頭部がたとえば第1の放音領域R1に掛かった場合(図中の矢印101参照)、運転者Dは左耳の耳元でスピーカ装置1から放音されている音声を聴取することとなる。
かかる音声は、たとえば図1Dに音声Sd_1として示すように、「ピー、ピー、ピー」といった高い音が間断的に、あるいは、連続的に流れる耳障りな警告音のようなものであってもよいし、音声Sd_2として示すように、「運転姿勢が正しくありません」といったガイダンスメッセージのようなものであってもよい。
これにより、運転者Dに、運転姿勢が正しくないことを知覚させるとともに、耳に障る音声が聞こえなくなる正しい位置へと、運転者Dを誘導することが可能となる。
上述したように、本実施形態に係るスピーカ装置1は、振動素子11と、駆動部3と、パネル10とを備える。駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域の音声信号Ssで変調した駆動電圧Voを振動素子11へ印加する。また、駆動部3は、ユーザを正常な位置へ誘導する内容の音声信号Ssで搬送波Scを変調する。
パネル10は、振動素子11が設けられ、振動素子11へ駆動部3により駆動電圧Voが印加されることによって帯状振動領域Agが形成されるとともに、帯状振動領域Agから発生する互いに異なる方向へ進行する第1の超音波S1および第2の超音波S2によってユーザの頭部を挟むように配置される。
したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、シンプルな構成で、ユーザに適正な位置からのズレを知覚させることができる。以下、本実施形態に係るスピーカ装置1の構成についてさらに具体的に説明する。
[2.スピーカ装置1の具体的構成]
図2は、本実施形態に係るスピーカ装置1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すように、スピーカ装置1は、音出力部2と、駆動部3とを備える。
[2.1.音出力部2]
音出力部2は、上述したように、パネル10と、パネル10に配置される振動素子11とを備える。
パネル10は、振動素子11の振動に応じて振動する矩形状の板状部材であり、上述したように、たとえばガラスなどの素材で形成されるが、ガラスに限られず、金属やプラスチックなど他の部材を用いることもできる。また、パネル10は、矩形状に限られず、正方形状、円形状、三角形状など、その他の形状であってもよい。
なお、図2はブロック図であるので図には表れていないが、上述したように、パネル10は、帯状振動領域Agから発生する互いに異なる方向へ進行する第1の超音波S1および第2の超音波S2によってユーザの頭部を挟むように配置される。
振動素子11は、上述したように、ピエゾ素子であるが、駆動部3から供給される駆動電圧Voの周波数で振動できる構成であればよく、ピエゾ素子以外の振動素子であってもよい。また、図2に示す例では、パネル10に配置される振動素子11が2つである場合を示したが、振動素子11は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
[2.2.駆動部3]
駆動部3は、振動素子11を振動させるための駆動電圧Voを生成して、振動素子11に印加する。振動素子11は、駆動部3から供給される駆動電圧Voによって伸縮することでパネル10を振動させ、パネル10に複数の帯状振動領域Agを含む縞状の振動領域Asを発生させる。
図2に示すように、スピーカ装置1は、外部装置50と接続されており、外部装置50から入力される音声信号Ssに基づいて、パネル10を振動させ、音声信号Ssで変調された搬送波Scに応じた超音波を発生させる。
外部装置50は、上述したように可聴波帯域の音声信号Ssをスピーカ装置1へ出力する装置であり、たとえば本実施形態では、ユーザを正常な位置へ誘導する内容の音声信号Ssを出力する。
駆動部3は、取得部31と、搬送波生成部32と、変調部33と、増幅部34とを備え、振動素子11を振動させるための駆動電圧Voを生成し、生成した駆動電圧Voを振動素子11に印加する。かかる駆動部3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Desk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや増幅回路などの各種回路を含む。
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することによって、駆動部3の取得部31、搬送波生成部32および変調部33として機能する。また、駆動部3の取得部31、搬送波生成部32および変調部33の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアで構成することもできる。また、増幅部34は、たとえば、パワーアンプなどの増幅回路によって構成される。
取得部31は、外部装置50から出力される音声信号Ssを取得し、取得した音声信号Ssを変調部33へ出力する。なお、取得部31は、音声信号Ssのゲイン(振幅)を調整し、調整後の音声信号Ssを変調部33へ出力することもできる。また、取得部31は、可聴波帯域の信号を通過させるローパスフィルタを有していてもよく、かかるローパスフィルタによって可聴波帯域以外の信号を除去することができる。
搬送波生成部32は、搬送波Scを生成し、変調部33へ出力する。搬送波Scは、超音波帯域の正弦波信号であり、パネル10に定在波を発生させ、縞状の振動領域Asを形成する周波数を有する。
変調部33は、搬送波生成部32から入力される搬送波Scを取得部31から入力される音声信号Ssで変調した信号である変調信号Smを生成し、増幅部34へ出力する。変調部33による変調は、AM(Amplitude Modulation)変調、または、FM(Frequency Modulation)変調によって行われる。なお、AM変調は、たとえば、DSB(Double Sideband)変調、または、SSB(Single Sideband)変調である。
変調部33から増幅部34へ出力された変調信号Smは、各増幅部34によって増幅され、変調信号Smの波形に応じた交流電圧の駆動電圧Voとして各振動素子11へ印加される。振動素子11は、印加された駆動電圧Voに応じて伸縮し、パネル10に定在波を発生させる。かかる定在波の腹が帯状振動領域Agとなる。
図3は、パネル10に形成される帯状振動領域Agと定在波Wとの関係を示す図である。図3においては、定在波Wの腹を実線で示し、定在波Wの節を破線で示しており、定在波Wの腹部分が帯状振動領域Agとして機能する。定在波Wの腹部分は、パネル10の長手方向(Y軸方向)に沿って等間隔で発生するため、帯状振動領域Agは、パネル10の長手方向に沿って等間隔で発生する。なお、図3では、説明の便宜上、パネル10の長手方向に定在波Wによって7つの帯状振動領域Agが発生している例を示しているが、帯状振動領域Agの数は、7つに限定されず、また、搬送波Scの周波数を高くするほど多くすることができる。
次に、スピーカ装置1の指向性について説明する。図4は、パネル10に形成される定在波Wとスピーカ装置1の指向性との関係を説明するための図である。図4においては、説明を分かりやすくするために、定在波Wを部分的に示している。また、定在波Wにおいて位相が等しく、隣り合う腹を帯状振動領域Ag1,Ag2とし、帯状振動領域Ag1,Ag2で発生する超音波のパネル10に対する角度θを表している。
任意の角度θに対して、帯状振動領域Ag1,Ag2で発生する超音波は、距離dcosθだけ位相がズレる。搬送波Scの波長をλとすると、距離dcosθが波長λ/2の奇数倍となる角度θにおいて帯状振動領域Ag1,Ag2で発生する超音波は互いに打消し合う。つまり、距離dcosθが波長λ/2の奇数倍となる角度θでは、超音波がキャンセルされる。一方で、距離dcosθが波長λの整数倍(波長λ/2の偶数倍)となる角度θでは、帯状振動領域Ag1,Ag2で発生する超音波が互いに強め合う。そして、超音波が空間を伝搬する際や超音波が物体に反射する際の超音波の非線形歪みによる自然復調現象により、可聴波帯域の音波が生成される。
このように、複数の帯状振動領域Agから発生する超音波は位相干渉(強調および打ち消し)することで、特定方向に超音波を進行させることができる。そして、超音波の非線形歪みによる自然復調現象により可聴波帯域の音波が生成されることによって、スピーカ装置1は、特定方向への狭指向性を有することができる。
このように、スピーカ装置1は、特定方向への狭指向性を有することができるが、超音波が互いに強め合う角度θ(以下、角度θdと記載する)は、パネル10に直交する軸に対して対称に存在する。
図5は、超音波が互いに強め合う角度θdと超音波の進行方向との関係を示す図である。図5に示すように、各帯状振動領域Agから角度θdで発生した第1の超音波S1と第2の超音波S2とは、たとえばパネル10に直交する軸L1に対して対称の方向に進行する。このために、スピーカ装置1は、異なる2方向への狭指向性を有することとなる。
[3.第1の変形例]
ところで、図1Cおよび図1Dを用いて上述した例では、パネル10が、帯状振動領域Agから発生する互いに異なる方向へ進行する第1の超音波S1および第2の超音波S2によって左右方向からユーザの頭部を挟むように配置される場合を示したが、挟む方向を限定するものではない。たとえば、挟む方向が上下方向であってもよい。かかる場合を第1の変形例として、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。
図6Aおよび図6Bは、第1の変形例の説明図(その1)および(その2)である。図6Aに示すように、パネル10は、帯状振動領域Agから発生する互いに異なる方向へ進行する第1の超音波S1および第2の超音波S2によって上下方向からユーザの頭部を挟むように、すなわち、パネル10は、第1の放音領域R1および第2の放音領域R2の間に、正しい運転姿勢の運転者Dの頭部が位置付くように配置されてもよい。
かかる場合、図6Bに示すように、仮に運転者Dが居眠りをして頭部が下がり、第1の放音領域R1に掛かった場合に(図中の矢印601参照)、運転者Dはスピーカ装置1から放音されている音声(たとえば上述した音声Sd_1)を聴取することとなる。
これにより、運転者Dに、居眠りで頭部が下がっていることを知覚させるとともに、居眠りから覚醒させて運転者Dを正しい運転姿勢へ戻すことが可能となる。
なお、図6A、図6B、および、既に示した図1Cおよび図1Dでは、パネル10が、インストルメント・パネルなどに組み込まれることによって運転者Dの前方に配置される例を挙げたが、図6Aに示すように、パネル10をバックミラー70などに組み込んでもよい。
[4.第2の変形例]
ところで、これまでは、駆動部3が、運転者Dを正常な位置へ誘導する内容の音声信号Ssで搬送波Scを変調して生成した駆動電圧Voを、原則的に運転者Dが運転席へ着座している間の常時、振動素子11へ印加する場合について説明した。すなわち、運転者Dが車両Cを運転している間、第1の放音領域R1および第2の放音領域R2に、運転者Dを正常な位置へ誘導する内容の音声が出力され続けている例であるが、運転中であっても、運転者Dが運転姿勢を変えざるを得ない場合なども存在する。
したがって、かかる場合などには、駆動部3が、例外的に振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止することによって、パネル10からの放音を停止してもよい。かかる場合を第2の変形例として、図7Aおよび図7Bを用いて説明する。
図7Aおよび図7Bは、第2の変形例の説明図(その1)および(その2)である。図7Aに示すように、車両Cが駐車場へ入退場する場合、車両Cはたとえば発券機や精算機といった駐車場装置200の前で一旦停車することがある。また、かかる場合、運転者Dは車両Cの窓を開けて、駐車券を受け取ったり、駐車料金を精算したりするために、運転姿勢を崩して窓から手を伸ばす必要などがある。
こうした場合に、運転者Dの頭部が第1の放音領域R1や第2の放音領域R2に掛かり、運転者Dにたとえば耳障りな音声を知覚させてしまうと、運転者Dに煩わしさや不快感を与える可能性が高い。そこで、こうした場合には、駆動部3は、例外的に振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止し、パネル10からの放音を停止させることができる。
具体的には、図7Aに示すように、駆動部3は、車両Cが停車した場合に、振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止することによって、パネル10からの放音を停止させる。換言すれば、駆動部3は、車両Cの速度または加速度が所定値以上である場合に、駆動電圧Voを振動素子11へ印加する。
または、駆動部3は、駐車場装置200に対する操作などのために車両Cの窓が開けられた場合に、振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止する。これにより、運転者Dが運転姿勢を崩す必要がある場合に、パネル10から放音される音声によって運転者Dに煩わしさや不快感を与えてしまうのを防止することができる。
また、例外的に放音を停止した方がよい場合として、たとえば車両Cの他の搭乗者がいる場合がある。図7Bに示すように、車室100の左側後部座席に搭乗者Pが着座しているものとする。
かかる場合に、運転者Dの前方に配置されたパネル10から、運転者Dを正常な位置へ誘導する内容の音声が出力され続けると、搭乗者Pに煩わしさや不快感を与える可能性が高い。そこで、こうした場合にも、駆動部3は、例外的に振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止し、パネル10からの放音を停止させることができる。
具体的には、図7Bに示すように、駆動部3は、たとえば車室100に搭載された図示略のセンサなどによってパネル10の放音方向の搭乗者Pを検知した場合に、振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止することによって、パネル10からの放音を停止させる。これにより、パネル10の放音方向に運転者D以外の他の搭乗者Pがいる場合に、パネル10から放音される音声によって搭乗者Pに煩わしさや不快感を与えてしまうのを防止することができる。
[5.第3の変形例]
ところで、これまでは、スピーカ装置1のパネル10が、車室100内のインストルメント・パネルやバックミラー70などに組み込まれる場合を例に挙げたが、パネル10の配置例を限定するものではない。また、スピーカ装置1は、車両C以外に搭載されても構わない。かかる場合を第3の変形例として、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。
図8Aおよび図8Bは、第3の変形例の説明図(その1)および(その2)である。図8Aに示すように、スピーカ装置1は、3D表示器300や液晶ディスプレイといった所定の視野角を有する表示部に対し、パネル10が組み込まれてもよい。
かかる場合、具体的には、パネル10は、表示部に対し、第1の超音波S1および第2の超音波S2の進行方向がなす角度と表示部の視野角とが略一致するように設けられる。このようにパネル10が配置されることで、表示部に対し、ユーザUの頭部がズレてたとえば第1の放音領域R1に掛かった場合(図中の矢印801参照)、ユーザUは左耳の耳元でスピーカ装置1から放音されている音声を聴取することとなる。
このとき、たとえば図8Aに音声Sd_3として示すように、「視聴位置がよくありません」といった視聴位置が正しくないことを示すガイダンスメッセージなどが放音されていれば、ユーザUは正しい視聴位置となるように視聴姿勢を調整することができる。
また、スピーカ装置1は、証明写真機やシール写真機といった所定の画角を有するセルフ撮影機400の画面などに対し、パネル10が組み込まれてもよい。
かかる場合、具体的には、パネル10は、たとえばセルフ撮影機400の画面に対し、第1の超音波S1および第2の超音波S2の進行方向がなす角度とセルフ撮影機400の画角とが略一致するように設けられる。
このようにパネル10が配置されることで、セルフ撮影機400に対し、ユーザUの頭部がズレてたとえば第1の放音領域R1に掛かった場合(図中の矢印802参照)、ユーザUは左耳の耳元でスピーカ装置1から放音されている音声を聴取することとなる。
このとき、たとえば図8Bに音声Sd_4として示すように、「もっと中に寄ってください」といった、正しい撮像位置への誘導のためのガイダンスメッセージなどが放音されていれば、ユーザUは正しい撮像位置へ頭部が位置付くように、姿勢を調整することができる。
上述してきたように、本実施形態に係るスピーカ装置1は、振動素子11と、駆動部3と、パネル10とを備える。駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域の音声信号Ssで変調した駆動電圧Vo(「駆動信号」の一例に相当)を振動素子11へ印加する。パネル10は、振動素子11が設けられ、かかる振動素子11へ駆動部3により駆動電圧Voが印加されることによって振動領域Asが形成されるとともに、かかる振動領域Asから発生する互いに異なる方向へ進行する第1の超音波S1および第2の超音波S2によってユーザUの頭部を挟むように配置される。
したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、シンプルな構成で、ユーザUに適正な位置からのズレを知覚させることができる。
また、駆動部3は、ユーザUを正常な位置へ誘導する内容の音声信号Ssで搬送波Scを変調する。したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、ユーザUを正常な位置へ誘導することができる。
また、ユーザUは、車両Cの運転者Dであって、パネル10は、運転者Dが第1の超音波S1および第2の超音波S2に基づいて運転姿勢の異常を知覚するように配置される。したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、車両Cの運転者Dに運転姿勢の異常を知覚させ、正しい運転姿勢へ誘導することができる。
また、駆動部3は、車両Cの速度または加速度が所定値以上である場合に、駆動電圧Voを振動素子11へ印加する。したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、運転姿勢を正しく保つことが求められる走行中について、運転者Dに運転姿勢の異常を知覚させ、正しい運転姿勢へ誘導することができる。
また、駆動部3は、車両Cの窓が開けられた場合に、駆動電圧Voの印加を停止する。したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、運転姿勢を正しく保つ必要のない駐車場への入退場時などに、運転者Dへ放音による煩わしさや不快感を与えることがない。
また、パネル10は、所定の視野角を有する表示部に対し、第1の超音波S1および第2の超音波S2の進行方向がなす角度と上記視野角とが略一致するように設けられる。したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、所定の視野角を有する表示部の視聴時に、ユーザUに正しい視聴位置となるように視聴姿勢を調整させることができる。
なお、上述した実施形態では、車両Cの停車時や窓を開けたときで、正常な運転姿勢をとる必要のない場合に、スピーカ装置1からの放音を停止する例を挙げたが、他にも、車両Cの後退時に放音を停止するようにしてもよい。かかる場合、駆動部3は、たとえば、車両Cの変速機のセレクトレバーがリバースレンジへ入れられたことを契機に、振動素子11への駆動電圧Voの印加を停止してもよい。
また、上述した実施形態では、スピーカ装置1が、外部装置50が音声信号Ssを取得する場合を例に挙げたが、外部装置50によることなく、スピーカ装置1が予め内部メモリに音源を保持しておき、かかる内部メモリから音声信号Ssを生成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 スピーカ装置
2 音出力部
3 駆動部
10 パネル
11 振動素子
31 取得部
32 搬送波生成部
33 変調部
34 増幅部
50 外部装置
100 車室
C 車両
D 運転者
U ユーザ

Claims (6)

  1. 振動素子と、
    超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を前記振動素子へ印加する駆動部と、
    前記振動素子が設けられ、該振動素子へ前記駆動部により前記駆動信号が印加されることによって振動領域が形成されるとともに、該振動領域から発生する互いに異なる方向へ進行する第1および第2の超音波によってユーザの頭部を挟むように配置されるパネルと
    を備えることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記駆動部は、
    前記ユーザを正常な位置へ誘導する内容の前記音声信号で前記搬送波を変調する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記ユーザは、車両の運転者であって、
    前記パネルは、
    前記運転者が前記第1および第2の超音波に基づいて運転姿勢の異常を知覚するように配置される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記駆動部は、
    前記車両の速度または加速度が所定値以上である場合に、前記駆動信号を前記振動素子へ印加する
    ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカ装置。
  5. 前記駆動部は、
    前記車両の窓が開けられた場合に、前記駆動信号の印加を停止する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のスピーカ装置。
  6. 前記パネルは、
    所定の視野角を有する表示部に対し、前記第1および第2の超音波の進行方向がなす角度と前記視野角とが略一致するように設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のスピーカ装置。
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