JP2019145628A - 活物質粒子およびそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents

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大石 昌弘
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昌弘 大石
佳太郎 大槻
Keitaro Otsuki
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Abstract

【課題】電気二重層容量を利用した蓄電デバイスの容量と出力を向上する。【解決手段】炭素安定同位体13Cを含む活性炭から構成され、前記炭素安定同位体13Cの含有量は、炭素安定同位体比δ13Cで−30〜−20‰である活物質粒子である。【選択図】図1

Description

本発明は、活物質粒子およびそれを用いた蓄電デバイスに関する。
エネルギーを電気として蓄える蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタが小型電子機器や電力貯蔵設備などに用いられている。特に電気二重層キャパシタは出力特性に優れる特徴があり、高出力が必要な用途に用いられている。電気二重層キャパシタは電極表面への電荷の吸着により容量を発現する原理であることから、容量は電極が持つ表面積によって決定される。電気二重層キャパシタの容量を向上させるために様々な試みがされている。例えば、電気二重層に用いられる活性炭の賦活処理の方法を変更したり、擬似容量を発現する材料と混合することなどにより、容量の増加を図ることが例として挙げられる(特許文献1)。
特開2000−323362
しかし、擬似容量を付与すると出力特性が低下することなどの理由から、出力と容量の両方を向上させることは困難であった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高容量と高出力を得ることが可能な活物質粒子と、その電気二重層容量を利用した蓄電デバイスを提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明にかかる活物質粒子は、炭素安定同位体13Cを含む活性炭から構成され、前記炭素安定同位体13Cの含有量は、炭素安定同位体比δ13Cで−30〜−20‰である。
上記の手段により、高容量かつ高出力な蓄電デバイスを得ることができる。
また、上記活物質粒子において、前記炭素安定同位体13Cが、活性炭の表面に偏在していることが好ましい。
上記の手段により、高容量かつ高出力な蓄電デバイスを得ることができる。
これによれば高容量かつ高出力な蓄電デバイスを提供することができる。
本実施形態に係る電気二重層キャパシタをその一部を切り欠いて示す斜視図である。 本実施形態に係る電気二重層キャパシタの切断線I−Iに沿った断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の活物質粒子の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明の活物質粒子は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<活物質粒子>
本実施形態に係る活物質粒子は活性炭から構成される。活性炭の成分元素である炭素は12Cを主として含み、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで−30〜−20‰含有する。活物質粒子は、微量の不純物等を含んでもよい。
本発明において、炭素安定同位体比は、同位体質量分析装置によって測定し、数値は、下記式(1)にて算出した値である。
δ13C=(試料の13C/12Cモル比)/(標準試料の13C/12Cモル比−1)×1000・・・(1)
本実施形態に係る同位体質量分析装置を用いた測定において、標準試料は矢石の12Cが98.894%、13Cが1.106%のものを用いることができる。
活性炭に炭素安定同位体13Cが炭素安定同位体比δ13Cで−30〜−20‰含有されることにより、活物質粒子は下記の効果を奏する。
炭素安定同位体13Cは、12Cに比べ電子密度が高いと考えられており、12Cに対して13Cがある程度存在することによって、活性炭から構成された活物質粒子に分極が生じると考えられる。活性炭は、構造上多孔質であることから表面積が大きく、活性炭に炭素安定同位体13Cがある程度存在すると、活物質粒子表面にも分極が生じる。活性炭から構成される活物質粒子が、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで−30‰以上−20‰以下含むと、分極を帯びた活物質粒子表面に電荷を有するイオンが吸着し、活物質層に当該イオンと対になる電荷が蓄えられる。これにより、容量が向上することとなる。
一方、炭素安定同位体13Cが炭素安定同位体比δ13Cで−20‰より多いと、活性炭を構成する炭素のうち13Cの割合が多くなるため、活性炭の分極の程度が弱くなり、電解質溶液に含まれるイオンの吸着が生じにくくなり、容量が低下する。
また、−30‰より少ないと、活性炭を構成する炭素のうち13Cの割合が少なくなるため、導電膜の分極が小さくなり、電解質溶液に含まれるイオンの吸着が生じにくくなり、容量が低下するものと考えられる。
容量を一層向上する観点で、活性炭は、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで、−30‰以上、−20‰以下含むことが好ましく、−26‰以上、−22‰以下含むことがより好ましい。
炭素安定同位体13Cは、活性炭の表面に偏在していることが好ましい。炭素安定同位体13Cが活性炭の表面に偏在していることによって、活性炭から構成される活物質粒子表面に分極がより一層生じ易くなる。これにより、活物質粒子表面にはイオンがより吸着し易くなり、活物質層には当該イオンと対になる電荷がより多く蓄えられることとなる。
活物質粒子の径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましく、5〜25μmであることがさらに好ましい。活物質粒子の径は、以下のように測定する。高分解能走査型電子顕微鏡で観察したイメージに基づいて、活物質粒子の投影面積から投影面積円相当径を測定する。投影面積円相当径とは、活物質粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ球を想定し、その球の直径(円相当径)を粒子径として表したものである。20個の活物質粒子に対してそれぞれ投影面積円相当径を測定し、その平均値を活物質粒子の径とする。
活物質粒子は、例えば、下記の方法によって作製することができる。13Cの純度が99%の13Cメタンガスと12Cの純度が99.9%の12Cメタンガスとの混合ガス(12C/13C混合メタンガス)を環状炉に流し、熱分解反応により環状炉中に炭素粒子を生成させる。生成した炭素粒子は水蒸気賦活やアルカリ賦活により、比表面積を増加させ活性炭を作製することができる。
<電気二重層キャパシタ>
本実施形態に係る活物質粒子を用いた電極体、及び当該電極体を用いた電気二重層キャパシタについて説明する。本実施形態に係る電極体は、集電体と、上記活物質粒子を含み上記集電体上に設けられた活物質層と、を備える。図1は、当該電極を用いた本実施形態に係る電気二重層キャパシタ100をその一部を切り欠いて示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る電気二重層キャパシタの切断線I−Iに沿った断面図である。
電気二重層キャパシタ100は、2つの電極体4a,4bが隔壁6を介して積層された積層体8と、積層体8を収容する外装体10と、リード50a,50b,52a,52bとを備えている。
電極体4aは、帯状の正極20a/帯状のセパレータ40/帯状の負極30a/帯状のセパレータ40の順に積層された帯状の積層体が長手方向に巻かれた巻回体である。電極体4bは、帯状の正極20b/帯状のセパレータ40/帯状の負極30b/帯状のセパレータ40の順に積層された帯状の積層体が長手方向に巻かれた巻回体である。電極体4a,4bは、帯状の積層体の幅方向に垂直な断面が略楕円状を呈している。電極体4a,4bは、帯状の積層体の幅方向の一端が外装体10の開口部12に面するように配置されており、電極体4a,4bのそれぞれの一側面は、隔壁6に接している。
正極20aは、帯状の正極用集電体22aと、正極用集電体22aの対向する二面に形成された正極用活物質層24aとを備える。負極30aは、帯状の負極用集電体32aと、負極用集電体32aの対向する二面に形成された負極用活物質層34aとを備える。正極20bは、帯状の正極用集電体22bと、正極用集電体22bの対向する二面に形成された正極用活物質層24bとを備える。負極30bは、帯状の負極用集電体32bと、負極用集電体32bの対向する二面に形成された負極用活物質層34bとを備える。なお、本実施形態において、「正極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のアニオンが吸着する電極であり、「負極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のカチオンが吸着する電極である。なお、電気二重層キャパシタに対して一度特定の正負の向きに電圧を印加して充電した後に再充電する際には、通常最初と同じ向きに充電を行い、逆向きに電圧を印加して充電することは少ない。
また、本実施形態に係る炭素安定同位体13Cの含有量を制御した活物質粒子は、正極または負極のいずれかに適応可能であるが、もちろん正極と負極の両方の電極に適応してもよい。したがって、例えば前記活物質粒子を正極に適応した場合には負極を対極として用い、前記活物質粒子を負極に適応した場合には正極を対極として用いる。
正極用集電体22a,22b及び負極用集電体32a,32bとしては、一般的に高い導電性を有する材料であれば特に限定されないが、低電気抵抗の金属材料が好ましく用いられ、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。正極用集電体22a,22b及び負極用集電体32a,32bの厚みは、例えば10〜50μm程度である。正極用集電体22a,22b及び負極用集電体32a,32bには、リード接続用のタブ54が設けられており、タブ54は、電極体4a,4bにおいて外装体10の開口部12側に突出している。
正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bは、活物質及びバインダを含み、活物質の少なくとも一部に本実施形態に係る活物質粒子を含む。さらに、導電助剤を含むことが好ましい。
活物質として、本実施形態に係る活物質粒子とともに、種々の電子伝導性を有する多孔体を用いることができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料が挙げられる。より大きな容量と出力を得るためには、活物質全体において、本実施形態に係る活物質粒子を、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含むことが好ましい。
バインダとしては、上記の活物質、及び好ましくは導電助剤を集電体に固定することができれば特に限定されず、種々の結着剤を使用できる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、グルテン等)との混合物等が挙げられる。
導電助剤は、正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bの電子伝導性を高めるために添加される材料である。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bの厚さは、例えば1〜200μm程度である。正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bは、リードが設けられるタブ54を避けるように集電体上に形成されている。正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bは、公知の方法で作製することができる。
セパレータ40は、正極20a及び負極30a間と、正極20b及び負極30b間とをそれぞれ電気的に絶縁するものであって、電気絶縁性の多孔体である。セパレータ40としては、特に限定されず、種々のセパレータ材料を使用することができる。例えば、電気絶縁性の多孔体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や、上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。セパレータ40の厚さは、例えば5〜50μm程度である。
隔壁6は、2つの電極体4a、4bにそれぞれ含まれる後述の電解質溶液を透過させない材料からなり、例えばエポキシ樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム,ステンレス等の金属シートを樹脂フィルム(ポリプロピレン等)でラミネートしたものにより形成されている。隔壁6の厚さは、例えば10〜100μm程度である。隔壁6を設けることにより、2つの電極体4a、4bにそれぞれ含まれる電解質溶液が互いに混合することが抑制され、電気二重層キャパシタ100の電圧の低下を抑制できる。
リード50a,50b,52a,52bは、正極用集電体22a,22b及び負極用集電体32a,32bに対して電流の入出力端子の役割を果たす導電性部材であり、矩形板形状をなしている。リード50a,50b,52a,52bの厚さは、例えば50〜1000μm程度である。
リード50aの長手方向の一端は、一方の電極体4aにおける正極20aの正極用集電体22aに電気的に接続されており、リード52aの長手方向の一端は、電極体4aにおける負極30aの負極用集電体32aに電気的に接続されており、リード50bの長手方向の一端は、他方の電極体4bにおける正極20bの正極用集電体22bに電気的に接続されており、リード52bの長手方向の一端は、電極体4bにおける負極30bの負極用集電体32bに電気的に接続されている。リード50a,50b,52a,52bと各集電体に設けられたタブ54とは、例えば、導電性の接着剤、ハンダ、溶接等により固定されている。リード50a,50b,52a,52bは、各リードの上記一端から、開口部12を通って外装体10の外側へ伸びている。
リード50a及びリード52bは、開口部12における電極体4a,4bの積層方向に離隔して対向する位置からそれぞれ突出しており、外装体10の外部で互いに接触し、電気的に接続されている。これにより、互いに極性の異なる集電体に接続されたリード50a,52b同士が電気的に接続されることによって、2つの電極体4a、4b同士を直列接続し、電気二重層キャパシタ100の電圧を向上させることができる。
外装体10は、電極体4a,4bを密封し、ケース内部へ空気や水分が進入するのを防止するものである。外装体10としては、例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム,ステンレス等の金属シートを樹脂フィルム(ポリプロピレン、ポリエチレン等)でラミネートしたものを使用することができる。外装体10の壁の厚さは、例えば10〜500μm程度である。
外装体10の開口部12におけるリード50a,50b,52a,52bの周囲には、封止部材60が配置されており、この封止部材60が外装体10の内壁と各リードと密着することにより、開口部12が封止されている。封止部材60としては、開口部12との熱融着時に、開口部12との密着性が良好である材料を用いればよく、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、ポリプロピレン重合体、等を用いることができる。
外装体10の内部空間には、電解質溶液(図示せず)が充填され、その一部は、正極20a,20b、負極30a,30b及びセパレータ40の内部に含浸されている。
電解質溶液としては、電解質を有機溶媒に溶解させたものが使用される。電解質としては、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA+BF )、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA+BF )等の4級アンモニウム塩を用いるのが好ましい。
なお、これらの電解質は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、公知の溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
電極体4aの正極20a及び負極30aと、電極体4bの正極20b及び負極30bとにおける活物質層の面積の相関関係は、電圧バランスを最適化する観点から、適宜調節することができる。正極20aの正極用活物質層24aの面積、及び、正極20bの正極用活物質層24bの面積のうちの最小値に対する最大値の比、並びに、負極30aの負極用活物質層34aの面積、及び、負極30bの負極用活物質層34bの面積のうちの最小値に対する最大値の比は、容量比を整合させ劣化を低減させる観点から、適宜調節することができる。なお、活物質層の面積は、巻回されて電気二重層キャパシタとして機能する状態での面積であるが、通常、この面積は巻回される前の帯状の電極の活物質層の面積と同等である。また、本実施形態において、一方の電極の活物質層の面積とは、1つの電極体の一方の電極の全ての活物質層の面積の合計である。活物質層の面積は、集電体の長さや幅、集電体上に形成する活物質層の長さや幅等を変えることにより容易に調節することができる。
正極活物質層24a,24b及び負極活物質層34a,34bの形状や、これらの層の各集電体の対向する二面間における面積の分配比は、特に限定されない。なお、24a,24b及び負極用活物質層34a,34bは、それぞれ、集電体の対向する二面において同じ面積であることが好ましい。
本実施形態に係る電気二重層キャパシタ100においては、正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bに含まれる活物質として、炭素安定同位体13Cを含む活性炭から構成され、炭素安定同位体13Cの含有量が、炭素安定同位体比δ13で−30〜−20‰である活物質粒子が用いられる。分極を帯びた活物質粒子表面に電荷を有するイオンが吸着し、活物質側に当該イオンと対になる電荷が蓄えられることとなり、本実施形態に係る電気二重層キャパシタ100は容量が向上することとなる。
本発明は上記実施形態に限られず、様々な変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では、2つの電極体4a,4bが直列接続されているが、3つ以上の電極体が直列接続されていてもよい。3つ以上の電極体が直列接続されている場合であっても、正極用活物質層24a,24b及び負極用活物質層34a,34bに含まれる活物質としての活物質粒子が、炭素安定同位体13Cを含む活性炭から構成され、炭素安定同位体13Cの含有量が、炭素安定同位体比δ13で−30〜−20‰であればよい。
また、各活物質層は、各集電体の一方の面のみに形成されていてもよい。更に、上記実施形態では、電極体4a,4bは巻回体であるが、これに限られるものではなく、積層体、九十九折り体等であってもよい。
本発明の電気二重層キャパシタは、自走式のマイクロマシン、ICカード等の電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途にも使用することが可能である。
(実施例1)
環状炉を1Paまで減圧し、700℃に加熱した状態で、13Cの純度が99%の13Cメタンガスと12Cの純度が99.9%の12Cメタンガスとの混合ガス(12C/13C混合メタンガス)を流すことにより炭素粒子を得た。13Cメタンガスと12Cメタンガスとの混合比を変化させることにより、12C/13C混合を調整した。炭素粒子は水蒸気賦活することにより、比表面積を増大させた。合成した粒子の同位体比は同位体質量測定装置を用いて測定した。粒子から測定される炭素安定同位体比δ13(‰)は原料の12C/13Cの仕込み組成と同一であった。また、活性炭表面には13Cが偏析していることを確認した。
活物質として上記方法により作製した炭素粒子を用い、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。活物質と結着剤と炭素粒子をそれぞれ85質量%、15質量%混合し、Nメチルピロリドン(MNP)を加えてスラリー状の塗料とし、アルミニウム箔に塗布、乾燥、圧延することにより、正極および負極を作製した。
<電気二重層キャパシタの作製>
作製した正極及び負極並びにセパレータを、所定の型に打ち抜いた。セパレータとしては、ポリエチレン多孔質膜を用いた。負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層し、正極及び負極のいずれか1つと、1つのセパレータとの組み合わせを1層として、これを6つ重ねて6層の積層体を作製した。電解液にはプロピレンカーボネート(PC)を溶媒に、LiBFが1Mとなるよう溶解させたものを電解液として用いた。上記積層体を、アルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液を注入した後、真空シールし、実施例1の電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例2〜6、比較例1)
12Cの純度が99.9%の12Cメタンガスとの混合ガスの混合比を変えることにより12C/13C混合を調整した炭素粒子を作製し、賦活処理した。それ以外は実施例1と同様にして実施例2〜6および比較例1の電気二重層キャパシタを作製した。
<容量および出力特性の測定>
25℃において定電流放電を行った際の放電容量(F)を測定した。これを、Cレートが1C、50Cの条件でそれぞれ実施し、1Cレートにおける放電容量と50Cにおける放電容量の容量比を比較した。
Figure 2019145628
4a,4b…電極体、20a,20b…正極、30a,30b…負極、22a,22b…正極用集電体、24a,24b…正極用活物質層、32a,32b…負極用集電体、34a,34b…負極用活物質層、40…セパレータ、100…電気二重層キャパシタ。

Claims (3)

  1. 炭素安定同位体13Cを含む活性炭から構成され、
    前記炭素安定同位体13Cの含有量は、炭素安定同位体比δ13Cで−30〜−20‰である活物質粒子。
  2. 前記炭素安定同位体13Cは、前記活性炭の表面に偏在していることを特徴とする請求項1に記載の活物質粒子。
  3. 請求項1または2の活物質粒子を有する電極と、セパレータと、前記セパレータを介して前記電極に対向する対極と、電解質溶液と、を備える蓄電デバイス。
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