JP2019145437A - 蓄電モジュールの製造方法 - Google Patents

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麻依子 福岡
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一輝 山内
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Abstract

【課題】枠体にて保持される集電体の一部への負荷の集中による不具合の発生を抑制できる蓄電モジュールの製造方法を提供する。【解決手段】蓄電モジュールの製造方法は、集電体を準備する工程と、集電体の縁部上に、多孔質の基材を形成する工程と、集電体及び基材をめっきすることによって、基材の空隙に充填される金属多孔体を形成する工程と、基材を除去する工程と、基材を除去する工程後、集電体の縁部、及び金属多孔体を枠体に埋め込む工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電モジュールの製造方法に関する。
蓄電装置として、バイポーラ電極が積層された積層体を有する蓄電モジュールが知られている。下記特許文献1には、集電体と、集電体の一方面上に設けられた正極層と、集電体の他方面上に設けられた負極層とを含むバイポーラ電極が積層された積層体を有する蓄電モジュールが開示されている。
特開2008−78109号公報
上述したようなバイポーラ電極の集電体は、蓄電モジュールの製造時に印加される外力、及び蓄電モジュールの充放電時の内圧変動等に起因して変形してしまうことがある。この集電体の変形を抑制するために、例えば、各バイポーラ電極の集電体の縁部を枠体によって保持することがある。
しかしながら、集電体を枠体によって保持すると、上記外力及び上記内圧変動に起因して、枠体と、当該枠体によって保持される集電体の縁部との境界に負荷(例えば、せん断応力)が集中する傾向にある。この負荷の集中に起因して集電体及び/または枠体の破断等が発生し、電気抵抗の増加、電池内での短絡、電解液の漏洩等の不具合が生じるおそれがある。
本発明の目的は、枠体にて保持される集電体の一部への負荷の集中による不具合の発生を抑制できる蓄電モジュールの製造方法を提供することである。
本発明に係る蓄電モジュールの製造方法は、集電体を準備する工程と、集電体の縁部上に、多孔質の基材を形成する工程と、集電体及び基材をめっきすることによって、基材の空隙に充填される金属多孔体を形成する工程と、基材を除去する工程と、基材を除去する工程後、集電体の縁部、及び金属多孔体を枠体に埋め込む工程と、を備える。
この蓄電モジュールの製造方法によれば、多孔質の基材を用いて集電体の縁部上に形成された金属多孔体は、当該縁部と共に枠体に埋め込まれている。このため、枠体は、集電体と金属多孔体とが互いに一体化した状態を保持している。これにより、集電体の剛性が金属多孔体によって良好に補強される。加えて、蓄電モジュールの充放電時等に集電体に対して圧力が印加されたとき、集電体に加わる負荷(せん断応力)が金属多孔体に伝達される。ここで、金属多孔体には多数の孔が設けられているので、金属多孔体の表面及び内部は複雑な形状を呈している。このため、金属多孔体に伝達される負荷は、その表面及び内部にて様々な方向に分散しやすくなっている。これにより、枠体と、当該枠体によって保持される集電体の縁部との境界への負荷の集中を抑制できる。したがって、枠体にて保持される集電体の一部への負荷の集中による不具合の発生を抑制できる。
金属多孔体を形成する工程では、集電体のめっき膜と一体化している金属多孔体を形成してもよい。この場合、金属多孔体がめっき膜と一体化しているので、金属多孔体が集電体に対して強固に接合される。また、集電体に加わる負荷が、めっき膜を介して金属多孔体に良好に伝達される。加えて、集電体をめっきすると同時に金属多孔体を形成できるので、めっき工程を簡略化できる。これにより、バイポーラ電極を形成する際の製造費、設備費を低減できる。さらには、金属多孔体を形成する際の金属材料の使用量も低減できるので、バイポーラ電極の材料費も低減できる。
基材を形成する工程では、縁部に沿った枠形状を呈する基材を形成してもよい。この場合、縁部に沿った枠形状を呈する金属多孔体を形成できる。これにより、集電体の全体において、枠体と、当該枠体によって保持される縁部との境界への負荷の集中を抑制できる。
基材を形成する工程では、縁部において、集電体の第1主面上と、第1主面の反対側に位置する集電体の第2主面上とに基材を形成してもよい。この場合、第1主面上と第2主面上との両方に金属多孔体が形成される。これにより、第1主面上と第2主面上との両方において、枠体と、当該枠体によって保持される縁部との境界への負荷の集中を抑制できる。
基材を除去する工程では、集電体、基材、及び金属多孔体を760℃以上1050℃以下で加熱してもよい。この場合、集電体及び金属多孔体に損傷を与えることを抑制しつつ、良好に基材のみを除去できる。
基材を除去する工程後であって、集電体の縁部、及び金属多孔体を枠体に埋め込む工程前に、金属多孔体の一部を集電体に抵抗溶接してもよい。この場合、集電体に金属多孔体をより強固に接合できる。
金属多孔体の一部を集電体に抵抗溶接した後であって、集電体の縁部及び金属多孔体を枠体に埋め込む工程の前に、金属多孔体に枠体に含まれる樹脂組成物とは異なる樹脂組成物を充填してもよい。この場合、例えば枠体を形成する前に金属多孔体に樹脂組成物が充填されることによって、枠体の形成時に金属多孔体の形状変化が発生することを抑制できる。加えて、金属多孔体に充填された樹脂組成物が枠体に対して接着することによって、バイポーラ電極に対する枠体のシール性を向上できる。
集電体の縁部、及び金属多孔体を枠体に埋め込む工程では、金属多孔体に枠体に含まれる樹脂組成物を充填してもよい。この場合、金属多孔体の形状変化が、当該樹脂組成物によって抑制される。
基材は、発泡ウレタン樹脂であってもよい。この場合、集電体の縁部上に容易に基材を形成できる。
本発明によれば、枠体にて保持される集電体の一部への負荷の集中による不具合の発生を抑制できる蓄電モジュールの製造方法を提供できる。
図1は、実施形態に係る蓄電モジュールを備える蓄電装置を示す概略断面図である。 図2は、図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。 図3(a)は、蓄電モジュールの要部拡大断面図であり、図3(b)は、図3(a)にて破線で囲った領域の拡大図である。 図4(a)〜(c)は、蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。 図5(a)〜(c)は、蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。 図6(a),(b)は、蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。 図7(a)は、図4(b)に示される基材の一部拡大図である。図7(b)は、図4(c)に示される基材及び金属多孔体の一部拡大図である。図7(c)は、図5(a)に示される金属多孔体の一部拡大図である。 図8は、シーム溶接装置の概略図である。 図9は、シーム溶接を説明するための概略図である。 図10(a),(b)は、比較例に係る電池モジュールの要部拡大断面図である。 図11(a)は、実施形態の変形例の蓄電モジュールを示す要部拡大断面図であり、図11(b)は、図11(a)にて破線で囲った領域の模式斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。なお、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1を参照しながら、蓄電装置の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る蓄電モジュールを備える蓄電装置を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置10は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置10は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール12を備えるが、単一の蓄電モジュール12を備えてもよい。蓄電モジュール12は、バイポーラ電池である。蓄電モジュール12は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池である。二次電池は、全固体電池であってもよい。また、蓄電モジュール12は、電気二重層キャパシタであってもよい。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
複数の蓄電モジュール12は、例えば金属板等の導電板14を介して積層される。複数の蓄電モジュール12の積層方向(Z方向)から見て、蓄電モジュール12及び導電板14は、例えば矩形形状を呈する。各蓄電モジュール12の詳細については後述する。導電板14は、複数の蓄電モジュール12の積層方向において両端に位置する蓄電モジュール12の外側にもそれぞれ配置される。導電板14は、隣り合う蓄電モジュール12と電気的に接続される。これにより、複数の蓄電モジュール12が積層方向に直列に接続される。積層方向において、一端に位置する導電板14には正極端子24が接続されており、他端に位置する導電板14には負極端子26が接続されている。正極端子24は、接続される導電板14と一体であってもよい。負極端子26は、接続される導電板14と一体であってもよい。正極端子24及び負極端子26は、複数の蓄電モジュール12の積層方向に交差する方向(本実施形態では図1に示すX方向)に延在している。これらの正極端子24及び負極端子26により、蓄電装置10の充放電を実施できる。以下では、蓄電モジュール同士が積層する方向を単に「積層方向」とする。本実施形態では、「積層方向から見る」は、平面視に相当する。
導電板14は、蓄電モジュール12において発生した熱を放出するための放熱板としても機能し得る。導電板14の内部に設けられた複数の空隙14aを空気や気体等の冷媒が通過することにより、蓄電モジュール12からの熱を効率的に外部に放出できる。各空隙14aは、例えば積層方向に交差する方向(本実施形態では図1に示すY方向)に延在する。積層方向から見て、導電板14は、蓄電モジュール12よりも小さいが、蓄電モジュール12と同じかそれより大きくてもよい。
蓄電装置10は、交互に積層された蓄電モジュール12及び導電板14を積層方向に拘束する拘束部材16を備え得る。拘束部材16は、一対の拘束プレート16A,16Bと、拘束プレート16A,16B同士を連結する連結部材(ボルト18及びナット20)とを備える。各拘束プレート16A,16Bと導電板14との間には、例えば樹脂フィルム等の絶縁フィルム22が配置される。各拘束プレート16A,16Bは、例えば鉄等の金属によって構成されている。積層方向から見て、各拘束プレート16A,16B及び絶縁フィルム22は例えば矩形形状を呈する。絶縁フィルム22は導電板14よりも大きくなっており、各拘束プレート16A,16Bは、蓄電モジュール12よりも大きくなっている。積層方向から見て、拘束プレート16Aの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔16A1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。同様に、積層方向から見て、拘束プレート16Bの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔16B1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。積層方向から見て各拘束プレート16A,16Bが矩形形状を呈している場合、挿通孔16A1及び挿通孔16B1は、拘束プレート16A,16Bの角部に位置する。
一方の拘束プレート16Aは、負極端子26に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられ、他方の拘束プレート16Bは、正極端子24に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられている。ボルト18は、例えば一方の拘束プレート16A側から他方の拘束プレート16B側に向かって挿通孔16A1及び挿通孔16B1に通される。他方の拘束プレート16Bから突出するボルト18の先端には、ナット20が螺合されている。これにより、絶縁フィルム22、導電板14及び蓄電モジュール12が挟持されてユニット化されると共に、積層方向に拘束荷重が付加される。
図2を参照して、蓄電装置を構成する蓄電モジュールについて説明する。図2は、図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。図2に示される蓄電モジュール12は、積層方向に沿って積層された複数のバイポーラ電極32を含む積層体30を備える。積層方向から見て、積層体30は、例えば矩形形状を呈する。積層方向に沿って隣り合うバイポーラ電極32同士の間には、セパレータ40が配置され得る。すなわち、積層体30は、複数のバイポーラ電極32と、複数のセパレータ40とを有する。
蓄電モジュール12は、積層方向に延在し、積層体30を収容する筒状の樹脂部50を備える。樹脂部50は、積層体30を取り囲むように構成されている部材である。樹脂部50は、バイポーラ電極32の積層方向から見て、例えば矩形の枠形状を呈している。すなわち、樹脂部50は、例えば角筒形状を呈している。樹脂部50を構成する樹脂組成物としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。樹脂部50は、例えば射出成形等によって形成される。
樹脂部50は、積層体30に接触して保持する複数の第1シール部52と、積層方向に交差する交差方向(X方向及びY方向、以下では「水平方向」と呼称される)において第1シール部52の外側に設けられた第2シール部54とを有する。第2シール部54は、第1シール部52とシールされた状態で設けられている。すなわち、積層方向から見て、第1シール部52は積層体30の周囲に設けられて複数のバイポーラ電極32を保持しており、筒状の第2シール部54は第1シール部52の周囲に設けられている。
樹脂部50の内壁を構成する第1シール部52は、対応するバイポーラ電極32を保持するために設けられており、対応するバイポーラ電極32(すなわち積層体30)の各縁を全周にわたって覆う枠体である。第1シール部52は、水平方向において対応するバイポーラ電極32の周囲に配置される。積層方向において、第1シール部52の厚さは、バイポーラ電極32の厚さと、セパレータ40の厚さとの合計よりも大きい。第1シール部52は、例えばバイポーラ電極32に液密及び気密に溶着されることによって形成される。また、積層方向において隣り合う第1シール部52同士は、液密及び気密に溶着されている。これにより、積層方向に隣り合うバイポーラ電極32間には、当該バイポーラ電極32,32と第1シール部52とによって液密及び気密に仕切られた内部空間が形成されている。当該内部空間には、例えば水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、もしくはこれらの混合液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。なお、「内部空間の体積」と言う場合は、セパレータ40の空隙を含む体積を意味する。
樹脂部50の外壁を構成する第2シール部54は、積層方向に延在する第1シール部52の外周面52aを覆っている。第2シール部54の内周面は、第1シール部52の外周面52aに例えば溶着されており、その外周面52aをシールする。すなわち、第2シール部54は、第1シール部52の外周面52aに接合されている。第1シール部52に対する第2シール部54の溶着面(接合面)は、例えば4つの矩形平面を呈する。また、第1シール部52の内周面52bは、第2シール部54から露出している。
次に、図2に加えて図3(a),(b)を参照しながら、バイポーラ電極32について詳細に説明する。図3(a)は、蓄電モジュールの要部拡大断面図であり、図3(b)は、図3(a)にて破線で囲った領域の拡大図である。図2及び図3に示されるように、複数のバイポーラ電極32のそれぞれは、集電体34と、正極層36と、負極層38と、金属多孔体60とを備える。集電体34は、積層方向に交差する一対の板面を有している。集電体34において、一方の板面である第1主面34a上には正極層36及び金属多孔体60の第1部分61が設けられ、第1主面34aに対して反対側に位置する第2主面34b上には負極層38及び金属多孔体60の第2部分62が設けられている。このため、集電体34は、積層方向に沿って正極層36と負極層38とによって挟持されている。正極層36を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極層38を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。バイポーラ電極32の製造直後において、集電体34の第1主面34aにおける正極層36の領域は、集電体34の第2主面34bにおける負極層38の領域に対して一回り小さくてもよい。
集電体34は、水平方向に延在する板形状を呈する可撓性の導電体である。集電体34は、例えば鋼板、ステンレス鋼板等である。鋼板としては、例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)が挙げられる。ステンレス鋼板としては、例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304等が挙げられる。集電体34の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。
本実施形態では、集電体34の表面にはめっき膜35が設けられている。めっき膜35は、集電体34を保護すると共に集電体34の性能を向上するために設けられており、集電体34の一部としてみなしてもよい。めっき膜35は、例えば電解めっき膜である。本実施形態では、めっき膜35は、ニッケルめっき膜である。めっき膜35の厚さは、例えば8μm以上15μm以下である。
図3(a)に示されるように、集電体34の縁部34cは、正極層36及び負極層38が設けられない未塗工領域となっている。換言すると、正極層36及び負極層38のそれぞれは、水平方向において集電体34の縁部34cよりも内側に位置している。縁部34cと、縁部34cに設けられる金属多孔体60とは、第1シール部52によって埋め込まれている。このため、集電体34の縁部34cは、第1シール部52によって覆われ保持されている。加えて、集電体34には、水平方向にて、正極層36及び負極層38が設けられる領域(塗工領域)と、縁部34cとの間に位置する露出部34dが設けられる。
縁部34cには、集電体34に接合される金属多孔体60が設けられている。金属多孔体60は、複数の孔が設けられる三次元多孔質金属体であり、積層方向から見て縁部34cに沿った枠形状を呈している。金属多孔体60内の孔同士は、例えば互いにつながっている。本実施形態では、金属多孔体60は、めっき膜35と一体化している。金属多孔体60の詳細な形状、及びその製造方法については後述する。
上述したように、金属多孔体60は、第1主面34a上に設けられる第1部分61と、第2主面34b上に設けられる第2部分62とを有する。第1部分61及び第2部分62は、互いに離間しており、それぞれ積層方向から見て枠形状を呈している。第1部分61及び第2部分62のそれぞれは、積層方向において互いに重なっており、水平方向において第1シール部52の内周面52bよりも外側であって集電体34の端34eよりも内側に位置している。第1部分61は、非溶接部63と、非溶接部63に一体化すると共に集電体34に溶接される溶接部64とを有する。
非溶接部63は、第1部分61において集電体34に載置されている部分である。非溶接部63は、水平方向において溶接部64よりも外側であって、集電体34の端34eよりも内側に位置する。積層方向に沿った非溶接部63の長さ(高さ)は、例えば、積層方向に沿った正極層36の厚さ以下である。この場合、非溶接部63が第1シール部52から露出しにくい。図3(b)に示されるように、非溶接部63は、導電性を示す本体部63aと、複数の孔63bとを有する。本体部63aは、三次元において不規則に広がる網状体である。このため、本体部63aの表面及び内部は、複雑な形状を呈している。複数の孔63bの形状は、本体部63aの形状に依拠しており、互いに異なっている。複数の孔63bには、樹脂組成物が充填されている。本実施形態では、当該樹脂組成物は、第1シール部52を構成する樹脂組成物と同一である。非溶接部63の空孔率は、例えば90%以上97%以下である。非溶接部63の空孔率が90%より低い場合、樹脂組成物を複数の孔63bに充填する流れの抵抗が大きくなり、非溶接部63において樹脂組成物が充填されない空隙部分が形成される傾向にある。このため、シール性が低下し電解液の漏洩が発生する可能性がある。非溶接部63の空孔率が97%より大きい場合、三次元網状体の強度が低くなり、樹脂組成物を複数の孔63bに充填する流れの力によって非溶接部63が破断する傾向にある。このため、非溶接部63の三次元網目形状が維持されなくなり、金属多孔体60に伝達される負荷が分散されずに集中してしまうことがある。加えて、シール性が低下し電解液の漏洩が発生する可能性がある。
溶接部64は、第1部分61において集電体34に接合している部分である。溶接部64は、水平方向において非溶接部63よりも内側であって、第1シール部52の内周面52bよりも外側に位置する。溶接部64は、非溶接部63と同様に、導電体を示す三次元網状体であり、樹脂組成物が充填された複数の孔を有する。溶接部64は、例えば抵抗溶接にて集電体34に溶接される。この際、溶接部64が加圧されて圧縮されるので、積層方向に沿った溶接部64の長さ(高さ)は、非溶接部63の高さよりも低くなっている。溶接部64の高さは、例えば非溶接部63の高さの3%以上40%以下である。溶接部64の空孔率は、非溶接部63の空孔率以下であり、例えば1%以上32%以下である。
水平方向において、溶接部64の幅W2は、非溶接部63の幅W1以下であり、第1部分61の幅(W1+W2)の1/3以上半分以下である。これにより、第1部分61が集電体34から剥離しにくくなると共に、第1部分61におけるアンカー効果(詳細は後述)を良好に発揮できる。
第2部分62は、第1部分61と略同一形状を呈しており、非溶接部65と、非溶接部65に一体化すると共に集電体34に溶接される溶接部66とを有する。このため、非溶接部65と溶接部66とのそれぞれは、導電体を示す網状体であり、樹脂組成物が充填された複数の孔を有する。また、非溶接部65は積層方向において非溶接部63と重なっており、溶接部66は積層方向において溶接部64と重なっている。非溶接部65の空孔率は非溶接部63の空孔率と同様であり、溶接部66の空孔率は溶接部64の空孔率と同様である。加えて、非溶接部65の幅と溶接部66の幅との比率は、非溶接部63の幅W1と溶接部64の幅W2との比率に相当する。
セパレータ40は、例えば矩形形状を呈するシート状の絶縁部材である。セパレータ40を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ40は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されたものであってもよい。
積層方向において、積層体30の一端(図示上側)には、内側面(図示下側の面)に正極層36が配置された集電体34が配置される。この集電体34は、正極側の終端電極に相当する。積層方向において、積層体30の他端(図示下側)には、内側面(図示上側の面)に負極層38が配置された集電体34が配置される。この集電体34は負極側の終端電極に相当する。これら終端電極の集電体34は、それぞれ隣り合う導電板14(図1参照)に接続される。本実施形態に係る積層体30は、積層された複数のバイポーラ電極32と、積層方向における各終端電極とにより構成されている。積層体30の両端に配置された各終端電極の集電体34の縁部にも、第1部分61及び第2部分62を有する金属多孔体60が設けられている。加えて、当該縁部と金属多孔体60とは、第1シール部52に埋没されている。
次に、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)、図6(a),(b)、及び図7(a)〜(c)を参照しながら本実施形態の蓄電モジュール12の製造方法の一例を説明する。図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)、及び図6(a),(b)のそれぞれは、蓄電モジュール12の製造方法を説明するための図である。図7(a)は、図4(b)に示される基材の一部拡大図である。図7(b)は、図4(c)に示される基材及び金属多孔体の一部拡大図である。図7(c)は、図5(a)に示される金属多孔体の一部拡大図である。
まず、図4(a)に示されるように、集電体34を準備する(第1工程)。
次に、図4(b)に示されるように、集電体34の縁部34c上に、第1基材71及び第2基材72を有する多孔質の基材70を形成する(第2工程)。第2工程では、縁部34cに沿った枠形状を呈する基材70を形成する。具体的には、集電体34の第1主面34a上に枠形状を呈する第1基材71を設けると共に、集電体34の第2主面34b上に枠形状を呈する第2基材72を設ける。基材70は、金属多孔体60の型として機能し、例えば複数の気泡、連続気泡等が内在する発泡体である。発泡体は、例えばポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン等を主成分とした発泡プラスチックである。本実施形態では、基材70の形成容易性の観点から、基材70として発泡ウレタン樹脂が用いられる。基材70の形成方法は、特に限定されないが、例えば射出成型、スプレー塗布等である。図7(a)に示されるように、基材70には、多孔質形状に成形された樹脂部分73と空隙74とが設けられている。このため、基材70の表面は、単に外表面だけではなく、空隙74を画成する内表面も含む。空隙74は、三次元において不規則に広がる網目形状を呈している。第2工程では、基材70の表面にカーボンブラック等の導電材料を付着させる。導電材料は、後に説明するめっき処理におけるシード層として機能する。
次に、図4(c)及び図7(b)に示されるように、集電体34及び基材70をめっきすることによって、基材70の空隙74に充填される金属多孔体60を形成する(第3工程)。第3工程では、まず、集電体34及び基材70をめっき液に浸漬する。これにより、集電体34の表面にめっき膜35を形成する。また、図4(c)に示されるように基材70の外表面を被覆すると共に、図7(b)に示されるように基材70中の空隙74に充填される金属多孔体60を形成する。第1基材71には金属多孔体60の第1部分61が形成され、第2基材72には金属多孔体60の第2部分62が形成される。第3工程では、めっき膜35及び金属多孔体60が同時に形成されるため、めっき膜35と一体化している金属多孔体60を形成する。金属多孔体60は、上記導電材料をシード層とし、空隙74の形状に沿って形成されためっき金属体である。このため、金属多孔体60の孔には、樹脂部分73が充填されているとも言える。本実施形態では、めっき液としてニッケルめっき液が用いられるので、金属多孔体60としてニッケル多孔体が形成される。なお、金属多孔体60には複数の金属が含まれてもよい。
次に、図5(a)及び図7(b)に示されるように、基材70を除去する(第4工程)。第4工程では、集電体34、基材70、及び金属多孔体60を、還元性雰囲気下で、760℃以上1050℃以下の加熱処理をすることによって、基材70を焼失する。第4工程後、樹脂部分73が孔になり、空隙74の形状に沿った三次元網目形状を呈する金属多孔体60が露出する。また、第4工程後、集電体34及び金属多孔体60の残留応力が開放される。これによって、集電体34に後に設けられる正極層36及び負極層38の膨張収縮によって発生する応力が、集電体34及び金属多孔体60によって吸収されやすくなる。
次に、図5(b)に示されるように、金属多孔体60の一部を集電体34の縁部34cに溶接する(第5工程)。第5工程では、金属多孔体60の第1部分61の一部と、第2部分62との一部とを、集電体34の縁部34cに対して同時に抵抗溶接する。これにより、第1部分61に非溶接部63及び溶接部64を形成すると共に、第2部分62に非溶接部65及び溶接部66を形成する。
本実施形態では、抵抗溶接の一種であるシーム溶接装置を用いたシーム溶接が実施されており、上記第2工程及び上記第3工程は、実質的に同時に実施される。以下にて、図8及び図9を参照しながらシーム溶接装置、及びシーム溶接装置を用いたシーム溶接の詳細について説明する。図8は、シーム溶接装置の概略図であり、図9は、シーム溶接を説明するための概略図である。
まず、シーム溶接装置の要部について説明する。図8に示されるように、シーム溶接装置80は、電力供給部81と、電力供給部81に電気的に接続される導電性の回転軸82,83と、回転軸82に回転自在に取り付けられる第1ローラ電極84と、回転軸83に回転自在に取り付けられる第2ローラ電極85とを備える。電力供給部81は、回転軸82を介して第1ローラ電極84に電力を供給すると共に、回転軸83を介して第2ローラ電極85に電力を供給する。回転軸82,83の各回転軸は、互いに平行になっており、X方向に沿って延在している。また、回転軸82,83は、上下左右に移動可能である。第1ローラ電極84及び第2ローラ電極85は、導電性材料から形成されている。Z方向において、第1ローラ電極84の外周面84aと、第2ローラ電極85の外周面85aとは、間隔Sを空けて離間している。第1ローラ電極84及び第2ローラ電極85のそれぞれにおける左右の円周端には、面取りがなされている。本実施形態では、第1ローラ電極84及び第2ローラ電極85のそれぞれにおける各円周端にはR面取りがなされているが、C面取りがなされてもよい。
続いて、シーム溶接装置80を用いたシーム溶接の具体例について説明する。図9に示されるように、集電体34及び金属多孔体60を第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とによって挟む。第1ローラ電極84と第2ローラ電極85との間隔S内に、第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とを配置する。続いて、第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とをZ方向において近接させる。これにより、金属多孔体60の第1部分61と第2部分62とが、第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とにそれぞれ接触される。さらに第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とをZ方向において近接させ、金属多孔体60を加圧する。このため、金属多孔体60において、第1ローラ電極84及び第2ローラ電極85に接触する部分が圧縮される。そして、集電体34及び金属多孔体60を介して、第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とを通電させる。このようにシーム溶接では、第1ローラ電極84及び第2ローラ電極85によって、金属多孔体60を加圧しながら抵抗溶接する。抵抗溶接中、回転軸82,83を例えばY方向に沿って移動させ、第1ローラ電極84と第2ローラ電極85とを転動させる。これにより、集電体34と金属多孔体60とを連続的に溶接し、溶接部64,66を同時に形成する。本実施形態では、集電体34と、金属多孔体60の第1部分61及び第2部分62とが、集電体34の縁部34cに沿って全周にわたって溶接される。このようなシーム溶接を実施することによって、集電体34に金属多孔体60を効率的に溶接できる。
次に、図5(c)に戻って、集電体34の縁部34cに金属多孔体60を形成した後、第1主面34a上に正極層36を形成する(第6工程)。第6工程では、例えば、第1主面34a上に正極活物質を塗布することによって正極層36が形成される。次に、図6(a)に示されるように、第2主面34b上に負極層38を形成する(第7工程)。第7工程では、例えば、第2主面34b上に負極活物質を塗布することによって負極層38が形成される。第5工程後、バイポーラ電極32が形成される。
次に、図6(b)に示されるように、集電体34の縁部34cと金属多孔体60とを、第1シール部52に埋め込む(第8工程)。第8工程では、例えば、まず、縁部34cの全体に対して樹脂組成物を射出成形する。このとき、金属多孔体60に設けられた複数の孔(孔63b等)に当該樹脂組成物を含浸させる。そして、樹脂組成物を冷却等によって硬化することによって、上記孔に樹脂組成物を充填させつつ、集電体34の縁部34cと金属多孔体60とを埋め込む第1シール部52を形成する。
次に、複数のバイポーラ電極32を積層する(第9工程)。第9工程では、積層方向において隣り合うバイポーラ電極32同士の間にセパレータ40を挟みながら、複数のバイポーラ電極32を積層する。第9工程では、接触する第1シール部52同士を溶着してもよい。続いて、第1シール部52の外周面52aを覆う第2シール部54を形成する(第10工程)。第10工程では、例えば外周面52aの全体に対して樹脂組成物を射出成形した後、当該樹脂組成物を冷却等によって硬化することで第2シール部54を形成する。なお、第10工程の終了後、隣り合うバイポーラ電極32と、第1シール部52とによる内部空間内には、電解液が収容される。以上の工程を経て、蓄電モジュール12が製造される。
以下では、本実施形態に係る電池モジュールの作用効果について、図10(a),(b)に示される比較例を参照しながら説明する。図10(a),(b)は、比較例に係る電池モジュールの要部拡大断面図である。図10(a)は、負極層38が膨張する前の状態を示しており、図10(b)は、負極層38が膨張した後の状態を示している。図10(a),(b)に示されるように、比較例におけるバイポーラ電極132の縁部134cには、本実施形態に係る金属多孔体60が設けられていない。
上述したように、バイポーラ電極132が繰り返し充放電することによって、図10(b)に示されるように負極層38が膨張する傾向にある。例えば、蓄電モジュールが多数の充放電反応を実施した後、負極活物質(例えば、水素吸蔵合金)の体積の膨張率は、正極活物質(例えば、水酸化ニッケル)の体積の膨張率よりも数倍になることがある。負極層38の膨張は、例えば、蓄電装置の充電時に水素吸蔵合金が水素を吸蔵すること、及び、充放電反応の繰り返しに伴って水素吸蔵合金が微粉化することによって発生する。水素吸蔵合金の微粉化は、水素吸蔵合金が水素の吸蔵放出を繰り返す時、水素の動きに起因した応力が、水素吸蔵合金の粒子の内部に繰り返し付加される。これにより、粒子内部の結晶粒界や結晶亜粒界に転位が蓄積されて空孔が発生及び成長し、合金内に亀裂が進展することによって発生する。
上述した負極層38の膨張等が発生した場合、バイポーラ電極132における集電体134の縁部134cが第1シール部52によって拘束されているので、集電体134は、負極層38の膨張に応じて伸長することが妨げられている。このため、負極層38の膨張に起因して発生するせん断応力が、集電体134に印加される。このせん断応力は、バイポーラ電極132の構成上、第1シール部52と縁部134cとの境界Bに集中する傾向にある。このようなせん断応力の集中は、第1シール部52によって集電体134が拘束されているため、発生しやすくなっている。したがって比較例に係るバイポーラ電極132では、境界Bにおける集電体134の破断、及び/または樹脂部50(特に、第1シール部52)の亀裂もしくは破断が発生しやすくなる。このような破断等が発生してしまうと、バイポーラ電極132の電気抵抗の増加だけではなく、蓄電モジュール12内での短絡、電解液の漏洩等の不具合が生じるおそれがある。
これに対して本実施形態に係る製造方法によって製造された蓄電モジュール12によれば、基材70を用いて集電体34の縁部34c上に形成された金属多孔体60は、縁部34cと共に第1シール部52に埋め込まれている。このため、第1シール部52は、集電体34と金属多孔体60とが互いに一体化した状態を保持している。これにより、集電体34の剛性が金属多孔体60によって良好に補強される。加えて、蓄電モジュール12の充放電時等に集電体34に対して圧力が印加されたとき、集電体34に加わる負荷(せん断応力)が金属多孔体60に伝達される。ここで、金属多孔体60には多数の孔(例えば、孔63b)が設けられているので、金属多孔体60の表面及び内部は複雑な形状を呈している。このため、金属多孔体60に伝達される負荷は、その表面及び内部にて様々な方向に分散しやすくなっている。これにより、第1シール部52と、第1シール部52によって保持される集電体34の縁部34cとの境界への負荷の集中を抑制できる。したがって、第1シール部52にて保持される集電体34の一部への負荷の集中による不具合の発生を抑制できる。
また、集電体34の剛性が金属多孔体60によって補強されることによって、バイポーラ電極32を形成するにあたって、集電体34に撓み等が発生しにくくなる。このため、集電体34の取り扱いが容易になり、不良品も発生しにくくなる。これにより、バイポーラ電極32の製造時間の短縮化を実現しつつ、バイポーラ電極32の歩留まり向上が可能になる。
加えて、例えば樹脂部50を射出成形にて形成するとき、集電体34には樹脂の射出圧力が印加される。また、樹脂の射出が完了した後、当該樹脂を冷却して成形するときに、樹脂の熱収縮に起因した荷重が縁部34cに印加される。このような圧力及び荷重もまた、金属多孔体60によって良好に分散される。上記圧力及び上記荷重は、第1シール部52及び第2シール部54のそれぞれの成形時に発生する。
なお、上記比較例では、上述した不具合を抑制すべく、集電体134の厚さを大きくし、その破断強度等を高くすることが考えられる。しかしながら、集電体134の厚さを大きくすると、同一外形寸法の蓄電モジュールに収容されるバイポーラ電極132の数が低減してしまい、蓄電装置の充放電特性のエネルギー量を示す電池容量が低下してしまう。加えて、蓄電装置自体の重量も増加してしまう。このため、蓄電装置を車両に搭載した場合、当該車両の燃費性能が低下してしまう。これに対して本実施形態に係る蓄電モジュール12によれば、集電体34に金属多孔体60が設けられることによって、集電体34の厚さを低く抑えることができる。このため、蓄電装置10の軽量化も実現可能である。
金属多孔体60に設けられる複数の孔には樹脂組成物が充填される。このため、金属多孔体60の形状変化が、当該樹脂組成物によって抑制される。加えて本実施形態では、上記樹脂組成物は第1シール部52を形成する樹脂組成物と同一物である。このため、金属多孔体60に充填された樹脂組成物がアンカー効果を発揮することによって、バイポーラ電極32と、第1シール部52とが強固に接合する。このため、金属多孔体60が設けられることによって、バイポーラ電極32へ対する第1シール部52のシール性を向上できる。
上記第3工程では、集電体34上に設けられるめっき膜35と一体化している金属多孔体60を形成している。このため、金属多孔体60がめっき膜35と一体化しているので、金属多孔体60が集電体34に対して強固に接合される。また、集電体34に加わる負荷が、めっき膜35を介して金属多孔体60に良好に伝達される。加えて、集電体34をめっきすると同時に金属多孔体60を形成できるので、めっき工程を簡略化できる。これにより、バイポーラ電極32を形成する際の製造費、設備費を低減できる。さらには、金属多孔体60を形成する際の金属材料の使用量も低減できるので、バイポーラ電極32の材料費も低減できる。
上記第2工程では、縁部34cに沿った枠形状を呈する基材70を形成している。このため、縁部34cに沿った枠形状を呈する金属多孔体60を形成できる。これにより、集電体34の全体において、第1シール部52と、第1シール部52によって保持される縁部34cとの境界への負荷の集中を抑制できる。
上記第2工程では、縁部34cにおいて、集電体34の第1主面34a上と第2主面34b上とに第1基材71及び第2基材72とをそれぞれ形成している。このため、第1主面34a上と第2主面34b上との両方に金属多孔体60が形成される。これにより、第1主面34a上と第2主面34b上との両方において、第1シール部52と、第1シール部52によって保持される縁部34cとの境界への負荷の集中を抑制できる。
上記第5工程では、基材70を除去した後、金属多孔体60の一部を集電体34に抵抗溶接する。このため、集電体34に金属多孔体60をより強固に接合できる。
上記第4工程では、集電体34、基材70、及び金属多孔体60を760℃以上1050℃以下で加熱している。このため、集電体34及び金属多孔体60に損傷を与えることを抑制しつつ、良好に基材70のみを除去できる。
上記第5工程では、金属多孔体60に第1シール部52に含まれる樹脂組成物を充填する。このため、金属多孔体60の形状変化が、当該樹脂組成物によって抑制される。
本実施形態では、基材70は、発泡ウレタン樹脂である。このため、集電体34の縁部34c上に容易に基材70を形成できる。
次に、図11(a),(b)を参照しながら、上記実施形態の変形例について説明する。図11(a)は、上記実施形態の変形例の蓄電モジュールを示す要部拡大断面図であり、図11(b)は、図11(a)にて破線で囲った領域の模式斜視図である。
図11(a),(b)に示されるように、変形例の金属多孔体60における複数の孔63bには、第1シール部52を構成する樹脂組成物とは異なる樹脂組成物91が充填されている。この樹脂組成物91は、例えば集電体34の縁部34cに金属多孔体60を溶接した後であって第1シール部52を形成する前に、金属多孔体60に充填される。すなわち、上記実施形態において、金属多孔体60の一部を集電体34の縁部34cに溶接する(上記第5工程)よりも後であって、集電体34の縁部34cと金属多孔体60とを第1シール部52に埋め込む(上記第8工程)よりも前に、樹脂組成物91が金属多孔体60に充填される。樹脂組成物91は、例えば熱溶着性を示すポリエチレン、ポリプロピレン等である。このような変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、第1シール部52の形成時に金属多孔体60の形状変化が発生することを抑制できる。さらには、金属多孔体60に充填された樹脂組成物91が第1シール部52に対して接着することによって、バイポーラ電極32へ対する第1シール部52のシール性を向上できる。
本発明に係る蓄電モジュールの製造方法は、上記実施形態及び上記変形例に限定されず、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び上記変形例では、金属多孔体は第1部分及び第2部分を有しているが、これに限られない。金属多孔体は、第1部分または第2部分を有してもよい。第1部分及び第2部分は、互いに略同一形状を呈しているが、これに限られない。また、第1部分及び第2部分は、互いに積層方向において重なっているが、これに限られない。加えて、第1部分及び第2部分は、互いに枠形状を呈しているが、これに限られない。例えば、第1部分及び第2部分の少なくとも一方は、縁部の一部のみに沿って設けられてもよいし、間欠的に設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、金属多孔体の第1部分及び第2部分は、同時に集電体に溶接されているが、これに限られない。例えば、第1部分を集電体の縁部に溶接した後、第2部分を縁部に溶接してもよい。このような場合、溶接工程は、シーム溶接ではなくてもよい。また、上記第2工程及び上記第3工程は、実質的に同時に実施されなくてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、蓄電モジュールの製造方法の各工程の順番は、限定されない。例えば、第6工程〜第8工程の順序は、限定されない。このため、第8工程は、第6工程の前に実施されてもよい。また、第7工程は、第6工程の前に実施されてもよい。
上記変形例では、金属多孔体に充填される樹脂組成物は第1シール部を構成する樹脂組成物と異なるものであるが、これに限られない。第1シール部が形成される前に金属多孔体に樹脂組成物が充填される場合、当該樹脂組成物は、第1シール部を構成する樹脂組成物と同一物質であってもよい。
さらに、基材70は、金属多孔体60の型として機能し、連続空間等が内在する樹脂であれば発泡体でなくてもよい。
10…蓄電装置、12…蓄電モジュール、30…積層体、32…バイポーラ電極、34…集電体、34a…第1主面、34b…第2主面、34c…縁部、35…めっき膜、36…正極層、38…負極層、40…セパレータ、50…樹脂部、52…第1シール部(枠体)、52b…内周面、54…第2シール部、60…金属多孔体、61…第1部分、62…第2部分、63,65…非溶接部、63a…本体部、63b…孔、64,66…溶接部、70…基材、71…第1基材、72…第2基材、80…シーム溶接装置、B…境界、S…間隔、W1,W2…幅。

Claims (9)

  1. 集電体を準備する工程と、
    前記集電体の縁部上に、多孔質の基材を形成する工程と、
    前記集電体及び前記基材をめっきすることによって、前記基材の空隙に充填される金属多孔体を形成する工程と、
    前記基材を除去する工程と、
    前記基材を除去する前記工程後、前記集電体の縁部、及び前記金属多孔体を枠体に埋め込む工程と、
    を備える蓄電モジュールの製造方法。
  2. 前記金属多孔体を形成する前記工程では、前記集電体上に設けられるめっき膜と一体化している前記金属多孔体を形成する、請求項1に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  3. 前記基材を形成する前記工程では、前記縁部に沿った枠形状を呈する前記基材を形成する、請求項1又は2に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  4. 前記基材を形成する前記工程では、前記縁部において、前記集電体の第1主面上と、前記第1主面の反対側に位置する前記集電体の第2主面上とに前記基材を形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  5. 前記基材を除去する前記工程では、前記集電体、前記基材、及び前記金属多孔体を760℃以上1050℃以下で加熱する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  6. 前記基材を除去する前記工程後であって、前記集電体の縁部、及び前記金属多孔体を枠体に埋め込む前記工程前に、前記金属多孔体の一部を前記集電体に抵抗溶接する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  7. 前記金属多孔体の一部を前記集電体に抵抗溶接した後であって、前記集電体の前記縁部及び前記金属多孔体を前記枠体に埋め込む工程の前に、前記金属多孔体に前記枠体に含まれる樹脂組成物とは異なる樹脂組成物を充填する、請求項6に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  8. 前記集電体の前記縁部、及び前記金属多孔体を前記枠体に埋め込む工程では、前記金属多孔体に前記枠体に含まれる樹脂組成物を充填する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  9. 前記基材は、発泡ウレタン樹脂である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
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