JP2019145410A - 封止体の製造方法、及び封止体 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に封止体を形成し、且つ、材料の無駄を抑制できる封止体の製造方法、及び封止体を提供する。【解決手段】一対の第1帯状部材51の間に、複数の第2帯状部材52が配置される。また、溶着工程S12にて、第1帯状部材51と第2帯状部材52とが溶着によって固定される。これにより、一対の第1帯状部材51の間には、当該一対の第1帯状部材51及び一対の第2帯状部材52の組み合わせにより、矩形枠状の形状が連続的に形成される。切断工程S13では、第2帯状部材52の位置にて、Y軸方向(第1の方向)と交差するX軸方向(第2の方向)に沿って、第2帯状部材52及び一対の第1帯状部材51を切断する。これにより、矩形枠状の一次封止体21が容易に形成される。また、帯状部材51,52によって矩形枠状の形状が形成されるため、不要な材料の発生を抑制できる。【選択図】図5
Description
本発明は、封止体の製造方法、及び封止体に関する。
従来の蓄電装置として、バイポーラ電極を備えたバイポーラ電池が知られている(例えば特許文献1参照)。バイポーラ電極とは、電極板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極である。バイポーラ電極の縁部には枠状の封止体が積層される。この封止体により、複数のバイポーラ電極を積層させたときに、各バイポーラ電極間の封止がなされる。
例えば、封止体の製造方法として、シート材を封止体の形状に抜き打ち加工する方法が挙げられる。しかしながら、当該方法では、封止体の内周側の広い範囲におけるシート材は、不要な材料となる。従って、材料の無駄が多くなるという問題が生じる。また、容易な製造方法によって、当該無駄を抑制することが求められている。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、容易に封止体を形成し、且つ、材料の無駄を抑制できる封止体の製造方法、及び封止体を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る封止体の製造方法は、一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極に積層される矩形枠状の封止体の製造方法であって、互いに平行をなし、且つ離間させた状態で一対の第1帯状部材を配置させる第1帯状部材配置工程と、一対の第1帯状部材間に、当該第1帯状部材が延びる第1の方向に互いに離間するように、複数の第2帯状部材を配置させる第2帯状部材配置工程と、第1帯状部材と第2帯状部材とを溶着して固定する溶着工程と、第2帯状部材の位置にて、第1の方向と交差する第2の方向に沿って、第2帯状部材及び一対の第1帯状部材を切断し、封止体を形成する切断工程と、を備える。
この封止体の製造方法では、一対の第1帯状部材の間に、複数の第2帯状部材が配置される。また、溶着工程にて、第1帯状部材と第2帯状部材とが溶着によって固定される。これにより、一対の第1帯状部材の間には、当該一対の第1帯状部材及び一対の第2帯状部材の組み合わせにより、矩形枠状の形状が連続的に形成される。切断工程では、第2帯状部材の位置にて、第1の方向と交差する第2の方向に沿って、第2帯状部材及び一対の第1帯状部材を切断する。これにより、矩形枠状の封止体が容易に形成される。また、帯状部材によって矩形枠状の形状が形成されるため、不要な材料の発生を抑制できる。以上より、容易に封止体を形成し、且つ、材料の無駄を抑制できる。
また、封止体の製造方法において、第2帯状部材配置工程では、一対の第2帯状部材間の第1の方向における離間距離を、電極板の大きさに対応するように制御してよい。この場合、第2帯状部材配置工程の中で、封止体と電極板との位置関係の調整が同時に行われる。
また、封止体の製造方法において、第2帯状部材は、第1の方向において、封止体の辺部の二本分の寸法を有してよい。この場合、切断工程において、第2帯状部材の中央位置で切断を行うことで、二つの封止体の辺部を同時に形成することができる。
また、封止体の製造方法は、溶着工程と切断工程との間に、第1帯状部材及び第2帯状部材の上に、バイポーラ電極を配置させる電極配置工程を更に備えてよい。この場合、切断工程では、電極板との位置関係を考慮しながら、第2帯状部材の切断を行うことができる。
本発明の一側面に係る封止体は、一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極に積層される矩形枠状の封止体であって、互いに平行をなし、且つ離間した状態で配置される一対の第1辺部と、一対の第1辺部間に、当該第1辺部が延びる第1の方向に互いに離間するように、配置された一対の第2辺部と、第1辺部と第2辺部とを端部同士を溶着して固定する溶着部と、を備え、第2辺部は、切断された外周縁を有する。
この封止体によれば、上述の封止体の製造方法と同趣旨の作用・効果を奏する。
本発明によれば、容易に封止体を形成し、且つ、材料の無駄を抑制できる封止体の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る電極製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、複数の蓄電モジュール4を積層してなる蓄電モジュール積層体2と、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えて構成されている。
蓄電モジュール積層体2は、複数(本実施形態では3体)の蓄電モジュール4と、蓄電モジュール4,4間に配置された複数の導電板5とによって構成されている。蓄電モジュール4は、例えば後述するバイポーラ電極14を備えたバイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、或いは電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向に隣り合う蓄電モジュール4,4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側にもそれぞれ配置されている。蓄電モジュールの外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。また、蓄電モジュールの外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
各導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。各流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向とにそれぞれ直交する方向に互いに平行に延在している。これらの流路5aに冷媒を流通させることで、導電板5は、蓄電モジュール4,4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、蓄電モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8,8と、エンドプレート8,8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(蓄電モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、蓄電モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8,8によって挟持されて蓄電モジュール積層体2としてユニット化されると共に、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
次に、蓄電モジュール4の構成について更に詳細に説明する。図2は、蓄電モジュール4の内部構成を示す概略断面図である。同図に示すように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する封止体12とを備えて構成されている。
電極積層体11は、セパレータ13を介して複数のバイポーラ電極14を積層することによって構成されている。バイポーラ電極14は、一方面15a側に正極16が形成され、かつ他方面15b側に負極17が形成された電極板15からなる電極である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。また、電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
また、電極積層体11の積層端の一方には、負極終端電極18が配置され、電極積層体11の積層端の他方には、正極終端電極19が配置されている。負極終端電極18は、内面側(積層方向の中心側)に負極17が形成された電極板15であり、正極終端電極19は、内面側(積層方向の中心側)に正極16が形成された電極板15である。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層端の一方のバイポーラ電極14の正極16と対向している。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層端の他方のバイポーラ電極14の負極17と対向している。負極終端電極18の電極板15及び正極終端電極19の電極板15は、蓄電モジュール4に隣接する導電板5(図1参照)に対して電気的に接続される。
電極板15は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部(バイポーラ電極14の縁部)15cは、正極活物質及び負極活物質の塗工されない未塗工領域となっており、当該未塗工領域は、封止体12に埋没して保持されている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。また、負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって矩形の筒状に形成されている。封止体12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。封止体12は、バイポーラ電極14の積層によって形成される電極積層体11の側面11aを取り囲むように構成されている。
封止体12は、図2及び図3に示すように、バイポーラ電極14の電極板15の縁部に沿って設けられた一次封止体21と、一次封止体21を包囲するように設けられた二次封止体22とによって構成されている。一次封止体21は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、電極板15の一方面15a側の縁部15c(未塗工領域)において、電極板15の全ての辺にわたって連続的に設けられている。一次封止体21は、例えば溶着によって当該縁部15cに対して結合されている。
一次封止体21は、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14間を封止するほか、積層方向に隣り合うバイポーラ電極14,14の電極板15,15間のスペーサとして機能する。電極板15,15間には、一次封止体21の厚さによって規定される内部空間Vが形成され、当該内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。なお、図2及び図3の例では、電極板15の一方面15a側にのみ一次封止体21が形成されているが、一次封止体21は、一方面15a及び他方面15b側の双方に形成されていてもよく、電極板15の縁部15cが埋没するように形成されていてもよい。
二次封止体22は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、電極積層体11における積層方向の全長にわたって延在している。二次封止体22は、例えば射出成型時の熱により、一次封止体21の外表面及び電極板15の縁部15cの端面のそれぞれに対して溶着されている。二次封止体22には、図3に示すように、電極積層体11の外側に突出した肉厚部23が設けられている。肉厚部23は、二次封止体22の他の部分に対して倍程度の厚さを有しており、電極板15の各辺の中央部分に対応して一定の幅で設けられている。
続いて、上述した蓄電装置1に用いられる一次封止体21の製造方法について説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る一次封止体21の製造方法は、第1帯状部材配置工程S10と、第2帯状部材配置工程S11と、溶着工程S12と、切断工程S13と、を含んで構成されている。なお、図5を適宜参照して製造方法を説明するが、図5は、製造方法を説明するために、各構成要素の縁部の大きさや重なり具合などがデフォルメされた状態で示されている。
なお、図5を参照して、完成品となる一次封止体21の構成について説明する。一次封止体21は、長方形枠状の形状を有している。一次封止体21は、互いに対向する一対の短辺部(第1辺部)31と、互いに対向する一対の長辺部(第2辺部、辺部)32と、を備える。一方の短辺部31の両端部は、一対の長辺部32の一方の端部とそれぞれ溶着部53を介して固定されている。他方の短辺部31の両端部は、一対の長辺部32の他方の端部とそれぞれ溶着部53を介して固定されている。このような構成により、一次封止体21の長辺側の外周縁21aが、長辺部32の幅方向の一方の側縁によって構成される。外周縁21aは、切断工程にて切断されることで形成される。すなわち、外周縁21aは、切断工程での切り口によって構成される。一次封止体21の短辺側の外周縁21bが、短辺部31の幅方向の一方の側縁によって構成される。一次封止体21の長辺側の内周縁21cが、長辺部32の幅方向の他方の側縁によって構成される。一次封止体21の短辺側の内周縁21dが、短辺部31の幅方向の他方の側縁によって構成される。
また、以下に示す製造方法は、図6に示す製造装置によって実行される。製造装置100は、第1帯状部材51を送出する送出部54と、第2帯状部材52を配置する配置部61と、帯状部材51,52同士を溶着するプレス部62と、帯状部材51,52を切断する切断部63と、を備える。以降の製造工程の説明にて、製造装置100の各構成要素の動作について説明する。
第1帯状部材配置工程S10は、互いに平行をなし、且つ離間させた状態で一対の第1帯状部材51を配置させる工程である。第1帯状部材51は、一次封止体21の短辺部31を構成する部材である。第1帯状部材51の幅方向の寸法は、一次封止体21の短辺部31の幅方向の寸法と同一となる。一方の第1帯状部材51の側縁51aと、他方の第1帯状部材51の側縁51aとの間の離間距離は、一次封止体21の長手方向に対向する内周縁21d同士の間の離間距離と同一となる。
第1帯状部材51は、送出部54によって、当該第1帯状部材51が延びる方向に送出される。なお、図5及び図6では、XY座標を設定して以降の説明を行う場合がある。第1帯状部材51の延びる方向(第1の方向)がY軸方向に対応し、第1帯状部材51の幅方向がX軸方向(第2の方向)に対応する。送出部54は、ロール状に巻かれた第1帯状部材51のロール体56を保持する回転体によって構成されている。送出部54は、回転することによって、第1帯状部材51をY軸方向の正側へ送出する。なお、第1帯状部材51は、送出部54から送出された後、搬送部60の上面に配置され、当該搬送部60でY軸方向の正側へ搬送される。搬送部60は、ベルトコンベアなどによって構成される。なお、搬送方法はベルトコンベアを用いる方法に限定されず、チャックして引き出すことで搬送する方法、吸着して搬送する方法などを採用してもよい。
第2帯状部材配置工程S11は、一対の第1帯状部材51間に、Y軸方向に互いに離間するように、複数の第2帯状部材52を配置させる。第2帯状部材52は、一対の第1帯状部材51間において、X軸方向に延びるように配置される。第2帯状部材52の両側の端縁52aは、一対の第1帯状部材51の側縁51aと一致するように配置される(図5参照)。ただし、第2帯状部材52の端縁52a付近の部分は、第1帯状部材51と重なるように配置されてもよい。更に、第2帯状部材52の端縁52aが、第1帯状部材51の外周側の側縁(側縁51aの反対側の側縁)から外周側へはみ出てもよい。この場合、はみ出た部分は、トリミングによって除去される。第2帯状部材52は、幅方向、すなわちY軸方向において、一次封止体21の長辺部32の二本分の寸法を有する。なお、第2帯状部材52の幅方向における中央位置には、X軸方向に延びる切断ラインCLが設定される。
第2帯状部材52は、配置部61によって、搬送部60の上面に配置される。配置部61は、例えばロボットアームなどによって構成されてよい。配置部61は、搬送部60の外側にて第2帯状部材52を保持し、当該第2帯状部材52を搬送部60の所定の位置まで搬送し、位置合わせを行った上で、一対の第1帯状部材51間に配置する。
配置部61は、一対の第2帯状部材52間のY軸方向における離間距離を、電極板15の大きさに対応するように制御する。すなわち、図5において仮想線で示すように、電極板15の四方の外周縁は、一次封止体21の四方の辺部と重なるように配置される。電極板15の四方の外周縁は、一次封止体21の外周縁よりも外周側へはみ出さず、内周縁よりも内周側へはみ出ないように配置される。電極板15のY軸方向における寸法を「寸法L1」とする。このとき、寸法L1は、一次封止体21の内周縁21c間の距離よりも大きく、且つ、外周縁21a間の距離よりも小さくなる。この関係を満たすために、配置部61は、一対の第2帯状部材52の側縁52b間の寸法L2(一次封止体21の内周縁21c間の距離に等しい)が、寸法L1よりも小さくなるように制御する。また、配置部61は、一対の第2帯状部材52の切断ラインCL間の寸法L3(一次封止体21の外周縁21a間の距離に等しい)が、寸法L1よりも大きくなるように制御する。配置部61は、当該寸法関係が、第2帯状部材52の全ての対において成り立つように、位置の調整を行う。配置部61は、複数の第2帯状部材52がY軸方向において等ピッチとなるように制御する。
溶着工程S12は、第1帯状部材51と第2帯状部材52とを溶着して固定する工程である。当該工程では、プレス部62が、第1帯状部材51と第2帯状部材52とを熱を付与しながらプレスする。プレス部62は、第1帯状部材51の側縁51a及び第2帯状部材52の端縁52aを含む部分を溶着して溶着部53を形成する。
切断工程S13は、第2帯状部材52の位置にて、当該第2帯状部材52及び一対の第1帯状部材51を切断し、一次封止体21を形成する工程である。当該工程では、切断部63が、前述の切断ラインCLの位置にて、第2帯状部材52及び一対の第1帯状部材51を切断する。切断部63は、搬送部60によって切断部63の位置まで搬送されて来た第2帯状部材52を切断する。切断部63は、一の第2帯状部材52を切断した後、Y軸方向に隣り合う他の第2帯状部材52を切断する。これにより、送出部54からY軸方向に連続して延びる状態の第1帯状部材51は、切断部63の位置で切り離される。切り離された第1帯状部材51が、一次封止体21の短辺部31となる。また、第2帯状部材52は、切断ラインCLの位置で半分に切断される。半分に切断された第2帯状部材52が、一次封止体21の長辺部32となる。このような切断を繰り返し行うことで、一次封止体21が連続的に形成される。以上により、一次封止体21が完成し、図4に示す処理が終了する。
次に、本実施形態に係る一次封止体21の製造方法の作用・効果について説明する。
まず、比較例に係る製造方法として、平面状のシート材を一次封止体21の形状に抜き打ち加工する方法を挙げる。当該方法では、一次封止体21の内周側の広い範囲におけるシート材は、抜き打たれた後には不要な材料となる。従って、比較例に係る製造方法は、材料の無駄が多くなるという問題を有する。一方、比較例に係る製造方法として、長さが調整された四本の帯状部材を用いる方法を挙げる。当該方法では、各帯状部材の両端部同士を溶着することで、矩形枠状の一次封止体21が形成される。この方法では、帯状部材間の位置調整に手間がかかり、ハンドリングが難しいという問題がある。
これに対し、本実施形態に係る一次封止体21の製造方法では、一対の第1帯状部材51の間に、複数の第2帯状部材52が配置される。また、溶着工程S12にて、第1帯状部材51と第2帯状部材52とが溶着によって固定される。これにより、一対の第1帯状部材51の間には、当該一対の第1帯状部材51及び一対の第2帯状部材52の組み合わせにより、矩形枠状の形状が連続的に形成される。切断工程S13では、第2帯状部材52の位置にて、Y軸方向(第1の方向)と交差するX軸方向(第2の方向)に沿って、第2帯状部材52及び一対の第1帯状部材51を切断する。これにより、矩形枠状の一次封止体21が容易に形成される。また、帯状部材51,52によって矩形枠状の形状が形成されるため、不要な材料の発生を抑制できる。以上より、容易に一次封止体21を形成し、且つ、材料の無駄を抑制できる。
また、一次封止体21の製造方法において、第2帯状部材配置工程S11では、一対の第2帯状部材52間のY軸方向における離間距離を、電極板15の大きさに対応するように制御してよい。この場合、第2帯状部材配置工程S11の中で、一次封止体21と電極板15との位置関係の調整が同時に行われる。また、一つの第2帯状部材52から二つの一次封止体21の長辺部32が形成される。すなわち、一つの第2帯状部材52の位置調整を行うことで、二つの長辺部32の位置調整を同時に行うことができる。
また、一次封止体21の製造方法において、第2帯状部材52は、Y軸方向において、一次封止体21の長辺部32の二本分の寸法を有してよい。この場合、切断工程S13において、第2帯状部材52の中央位置で切断ラインCLに沿った切断を行うことで、二つの一次封止体21の長辺部32を同時に形成することができる。
また、本実施形態に係る一次封止体21は、一方面15aに正極16が形成され、他方面15bに負極17が形成された電極板15からなるバイポーラ電極14に積層される矩形枠状の一次封止体21であって、互いに平行をなし、且つ離間した状態で配置される一対の短辺部31と、一対の短辺部31間に、当該Y軸方向に互いに離間するように、配置された一対の長辺部32と、短辺部31と長辺部32とを端部同士を溶着して固定する溶着部53と、を備え、長辺部32は、切断された外周縁21aを有する。
この一次封止体21によれば、上述の一次封止体21の製造方法と同趣旨の作用・効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、第1帯状部材が短辺部に対応し、第2帯状部材が長辺部に対応していた。これにより、一次封止体を一つ作るために必要な第1帯状部材の送り量を減らすことができる。ただし、第1帯状部材が長辺部に対応し、第2帯状部材が短辺部に対応してもよい。この場合、長辺部が請求項の「第1辺部」に対応し、短辺部が請求項の「第2辺部」及び「辺部」に対応する。
また、図7に示すように、一次封止体21の製造方法は、溶着工程S12と切断工程S13との間に、第1帯状部材51及び第2帯状部材52の上に、バイポーラ電極14を配置させる電極配置工程を更に備えてよい。この場合、切断工程S13では、電極板15との位置関係を考慮しながら、第2帯状部材52の切断を行うことができる。
また、第1帯状部材がX軸方向に三列、並べられていてもよい。すなわち、切断前には、複数の第1帯状部材及び第2帯状部材により、網目状の形状が形成される。この場合、中央の第1帯状部材は二つ分の一次封止部材の辺部を有する事となる。従って、切断工程では、中央の第1帯状部材を切断することで、X軸方向において二つの一次封止部材を同時に取得できる。なお、第1帯状部材は四列以上でもよい。
なお、第2帯状部材は、一次封止体の辺部の二つ分の寸法を有していたが、二つ分の寸法より大きくてもよい。この場合、切断工程では、一つの第2帯状部材に対して、Y軸方向に並べられた二つの切断ラインが設定される。
1…蓄電装置、14…バイポーラ電極、15…電極板、15a…一方面、15b…他方面、15c…縁部、16…正極、17…負極、21…一次封止体(封止体)、31…短辺部(第1辺部、第2辺部、辺部)、32…長辺部(第1辺部、第2辺部、辺部)、51…第1帯状部材、52…第2帯状部材、53…溶着部。
Claims (5)
- 一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極に積層される矩形枠状の封止体の製造方法であって、
互いに平行をなし、且つ離間させた状態で一対の第1帯状部材を配置させる第1帯状部材配置工程と、
一対の前記第1帯状部材間に、当該第1帯状部材が延びる第1の方向に互いに離間するように、複数の第2帯状部材を配置させる第2帯状部材配置工程と、
前記第1帯状部材と前記第2帯状部材とを溶着して固定する溶着工程と、
前記第2帯状部材の位置にて、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って、当該第2帯状部材及び一対の前記第1帯状部材を切断し、前記封止体を形成する切断工程と、を備える、封止体の製造方法。 - 前記第2帯状部材配置工程では、一対の前記第2帯状部材間の前記第1の方向における離間距離を、前記電極板の大きさに対応するように制御する、請求項1に記載の封止体の製造方法。
- 前記第2帯状部材は、前記第1の方向において、前記封止体の辺部の二本分の寸法を有する、請求項1又は2に記載の封止体の製造方法。
- 前記溶着工程と前記切断工程との間に、前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の上に、前記バイポーラ電極を配置させる電極配置工程を更に備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の封止体の製造方法。
- 一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成された電極板からなるバイポーラ電極に積層される矩形枠状の封止体であって、
互いに平行をなし、且つ離間した状態で配置される一対の第1辺部と、
一対の前記第1辺部間に、当該第1辺部が延びる第1の方向に互いに離間するように、配置された一対の第2辺部と、
前記第1辺部と前記第2辺部とを端部同士を溶着して固定する溶着部と、を備え、
前記第2辺部は、切断された外周縁を有する、封止体。
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