JP2019145341A - ラミネート型蓄電素子 - Google Patents

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大輔 平田
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隆二 伊藤
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Abstract

【課題】負極が破断しても電池容量を減少させないようにすることが可能なラミネート型蓄電素子を提供する。【解決手段】ラミネート型蓄電素子であって、単体の金属あるいは前記金属を含む合金を負極活物質とした平面状の負極と、前記負極の一方の面に積層される平面状のセパレータと、前記セパレータに積層され、前記負極から溶解する前記金属のイオンを吸蔵可能な正極活物質を含む平面状の正極と、前記負極の他方の面に積層される平面状の樹脂製のフィルムと、を有してなる電極体と、絶縁性を有し、前記電極体を電解質と共に密封する扁平袋状の外装体と、前記負極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する負極端子と、前記正極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する正極端子と、を備え、前記フィルムの前記負極に向かう面は、導電性を有する。【選択図】 図1B

Description

本開示は、ラミネート型蓄電素子に関する。
アルミ箔などの金属箔の両面に絶縁性のフィルムを貼り合わせた金属箔ラミネートフィルムを用いて形成した扁平袋状の外装体の中に、平面状に形成した正極、負極、及びセパレータを電解液と共に密封し、正極に接続される正極端子と負極に接続される負極端子を外装体の外部に導出するように構成されるラミネート型電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
ラミネート型電池は、ICカードやタグ、トークン(ワンタイムパスワード生成機)のような薄型の電子機器の内蔵電源をはじめ、様々な機器の電源として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−104374号公報
FDK株式会社、"薄型リチウム一次電池"、[online]、[平成30年1月24日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/battery/lithium/lithium_thin.html>
このようなラミネート型電池は、薄型化と大容量化の両立を図るために、平面状に成形された単体のリチウム金属あるいはリチウム金属の合金を負極として用いることが多い。またこの場合、負極集電体として用いられる金属板を不要にできるため、ラミネート型電池をさらに薄型にできると共に、可撓性を持たせることも可能となる。
しかしながら、このようなラミネート型電池は、電力を消費していくにつれ、徐々に負極のリチウム金属の量が減少していくため、薄型であることも影響して、負極のリチウム金属が破断しやすい状態となる。
そして負極のリチウム金属が複数の破片に破断してしまうと、負極端子と導通していない破片は電力の供給に寄与しなくなるため、ラミネート型電池の電池容量が減少することになる。
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、負極が破断しても電池容量を減少させないようにすることが可能なラミネート型蓄電素子を提供することを一つの目的とする。
上記目的を達成するための本開示は、ラミネート型蓄電素子であって、単体の金属あるいは前記金属を含む合金を負極活物質とした平面状の負極と、前記負極の一方の面に積層される平面状のセパレータと、前記セパレータに積層され、前記負極から溶解する前記金属のイオンを吸蔵可能な正極活物質を含む平面状の正極と、前記負極の他方の面に積層される平面状の樹脂製のフィルムと、を有してなる電極体と、絶縁性を有し、前記電極体を電解質と共に密封する扁平袋状の外装体と、前記負極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する負極端子と、前記正極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する正極端子と、を備え、前記フィルムの前記負極に向かう面は、導電性を有する。
負極が破断しても電池容量を減少させないようにすることが可能なラミネート型蓄電素子を提供することができる。
ラミネート型蓄電素子の外観図である。 ラミネート型蓄電素子の分解斜視図である。 ラミネート型蓄電素子の構成要素の積層構造を示す図である。 フィルムの構成を示す図である。 フィルムの構成を示す図である。 フィルムの構成を示す図である。 負極が破断する様子を示す図である。 破断した負極の破片がフィルムを通じて負極端子に導通する様子を説明するための図である。
以下、ラミネート型蓄電素子の一実施形態として、ラミネート型電池1について添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
また以下の図面では、一部の部材や部位にハッチングを施し、他の部材や部位と区別しやすいようにしている。
==構成==
本実施形態に係るラミネート型電池1は、図1Aに示すように矩形平板状の外観形状を有し、外装体11の一辺13から正極端子23および負極端子33が同方向に導出されている。またラミネート型電池1の厚さは、例えば0.76mm(ミリメートル)以下に規定されている。
そして外装体11の内部には、図1Bに示す様に、電極体10が、不図示の電解質及び溶媒を含む電解液と共に密封されている。
外装体11は、絶縁性を有する扁平袋状の容器であり、図1Bに示す様に、一対の矩形状の金属箔ラミネートフィルム(以下、単にラミネートフィルムと記す)11a、11bを重ね合わせ、これらの二枚のラミネートフィルム(11a、11b)の周縁領域12(図1Bにおいて、網掛けのハッチングまたは点線の枠で示した領域)を熱圧着することにより扁平袋状に形成したものである。
ラミネートフィルム(11a、11b)は、図2に示す様に、アルミ箔などの金属箔14の両面に絶縁性樹脂層15が形成されて構成される。本実施形態に係るラミネートフィルム(11a、11b)は、金属箔14の一方の面(外装体11の外面側)に例えばポリアミド樹脂などからなる保護層15aが積層され、他方の面(外装体11の内面側)には例えばポリプロピレンなどの熱溶着性を有する接着層15bが積層された構造を有している。
そしてラミネート型電池1を組み立てる際には、2枚のラミネートフィルム(11a、11b)の接着層15b同士を向い合せにし、それら2枚のラミネートフィルム(11a、11b)の間に電極体10を配置する。
そして互いに対面するラミネートフィルム(11a、11b)の周縁領域12を熱圧着しつつ不図示の電解液を内部に密封するようにして、ラミネート型電池1を組み立てる。また2枚のラミネートフィルム(11a、11b)を熱圧着する際には、一辺13から正極端子23及び負極端子33を外部に突出させるようにする。
電極体10は、平面状に形成された正極20、セパレータ40、負極30、及び樹脂製のフィルム50が、この順に積層されて構成されている。言い換えれば、負極30の一方の面にセパレータ40が積層され、さらにセパレータ40に正極20が積層され、そして負極30の他方の面に、樹脂製あるいは樹脂を主成分とした材料からなるフィルム50が積層されている。
負極30は、平面状に成形した単体の金属あるいはこの金属を含む合金によって構成されている。この金属あるいは合金は、負極活物質と負極集電体を兼用している。本実施形態では、負極30は単体のリチウムを用いて構成されているが、リチウムと他の金属(例えばアルミニウム等)との合金や、単体のマグネシウムを用いても良い。
正極20は、アルミ箔等の金属箔などからなる正極集電体21の一方の面(セパレータ40と向かい合う面)に、負極30から溶解する金属のイオン(リチウムイオンやマグネシウムイオンなど)を吸蔵する正極活物質を含んだ正極材料22を配置することにより構成される。
正極材料22は、例えば、正極活物質となる二酸化マンガンと、導電補助材となるカーボンブラックと、をバインダー(フッ素系バインダーなど)とともに所定の割合(例えば、二酸化マンガン:導電補助材:バインダー=90wt%:5wt%:5wt%)で混合したものである。
そして正極20には、帯状の金属板からなる正極端子23が接続され、負極30には、帯状の金属板からなる負極端子33が接続されている。これらの正極端子23及び負極端子33は、外装体11の一辺13から、外装体11の外部に導出される。
フィルム50は、例えば厚さ12μm(マイクロメートル)〜数十μm程度の可撓性を有する樹脂製、あるいは樹脂を主成分とするシートである。本実施形態に係るフィルム50を図3Aに示す。
フィルム50は、絶縁性を有する樹脂製の第1フィルム51を基材とし、この第1フィルム51の一方の面に導電被膜層52aが形成されて構成されている。
そしてフィルム50は、第1フィルム51をラミネートフィルム11bの接着層15bに向け、導電被膜層52aを負極30に向けるように配置される。
フィルム50は、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)を第1フィルム51として用い、この第1フィルム51に、導電被膜層52aとして導電性高分子をコーティングすることにより構成することができる。このようなフィルムとして、例えば長岡産業株式会社製のスタクリア(登録商標)などが知られている。
あるいは、第1フィルム51に、導電被膜層52aとしてITO(Indium Tin Oxide)膜を形成しても良い。
このように、第1フィルム51に導電被膜層52aを形成するようにすることにより、フィルム50の厚さを抑制することができると共に、フィルム50に求められる特性(表面抵抗値など)に応じて、種々の特性を持った導電被膜層52aを第1フィルム51に形成するようにすることができる。
またフィルム50は、図3Bに示す様に、絶縁性を有する樹脂製あるいは樹脂を主成分とする第1フィルム51と、導電性を有する樹脂製あるいは樹脂を主成分とする第2フィルム52と、を貼り合わせて構成しても良い。
この場合、第2フィルム52として、銅粉などの導電粒子を樹脂製の基材フィルムに分散させたフィルムや、導電粒子をアクリルゴム等の高分子材料中に分散させた基材レスの導電フィルムを用いることができる。
またフィルム50は、図3Cに示す様に、導電性を有する樹脂製あるいは樹脂を主成分とする第2フィルム52を基材とし、この第2フィルム52の一方の面に絶縁被膜層51aを形成したものを用いても良い。
上記いずれの場合であっても、フィルム50は、導電性を有する面を負極30に向け、絶縁性を有する面をラミネートフィルム11bに向けるように配置される。
なお、フィルム50の導電性を有する面の表面抵抗値は、好ましくは1000Ω/sq以下にすると良い。本実施形態に係るフィルム50の表面抵抗値は150Ω/sqとしている。このような態様により、フィルム50の特性を、誘電性を確保しつつも、帯電を起こさないようにすることができる。
そしてこのようなフィルム50が電極体10に用いられることによって、外部からラミネート型電池1を折り曲げるような力が加わった場合に、電極体10を屈曲させることなく、しなやかに変形させるように作用することで、電極体10を物理的な損傷から保護することができる。
例えば、ラミネート型電池1を折り曲げようとする力が加わった場合であっても、負極30に用いるリチウム金属やマグネシウム金属、それらの合金の破断を防止することができる。そして負極30を破断させないようにすることにより、ラミネート型電池1の電池容量の減少を起こさせないようにすることが可能となる。
またフィルム50の溶解温度(融点)は、ラミネートフィルム11bの接着層15bの軟化温度よりも高くなるように設定されている。このため、これらの温度の範囲内でラミネートフィルム11bを加熱して接着層15bを熱溶解させることで、フィルム50を溶解させることなくラミネートフィルム11bに溶着させることができる。これにより、ラミネート型電池1の曲げ強さを向上させ、ラミネート型電池1の折れ曲がりをより一層起こしにくくすることが可能となる。
一方で、ラミネートフィルム11bは、接着層15bが熱溶解した際に、その部分の金属箔14が露出する場合がある。その場合、この金属箔14が電解液に曝されると、金属箔(アルミ等)14と負極30の金属(リチウムやマグネシウム等)との間で化学反応が起こり、電池性能に影響を及ぼす可能性がある。
しかしながら、本実施形態に係るフィルム50は、上述したように、絶縁性を有する面をラミネートフィルム11bに向けるように装着される。そのため、接着層15bが溶解して金属箔14が露出したとしても、この金属箔14は、絶縁性を保ちながらフィルム50によって覆われるため、電解液に曝されることもないし、負極30と化学反応を起こすこともない。これにより、負極30を構成する金属とラミネートフィルム11bを構成する金属箔14との間での化学反応を防止し、ラミネート型電池1の性能低下を防止することが可能となる。
またさらに、本実施形態に係るフィルム50は、上述したように、導電性を有する面を負極30に向けるように装着される。そのため、何らかの理由により負極30が破断して複数の破片30aに分離してしまった場合であっても、これら複数の破片30aと負極端子33との間の導電性を保ち、ラミネート型電池1の電池容量の低下を抑制することができる。その様子を図4A及び図4Bを参照しながら説明する。
図4Aは、負極30が複数の破片30aに破断した様子を示す図である。負極30の破断は、ラミネート型電池1に繰り返し折り曲げ方向の力が加わった場合や、電池の使用に伴って負極30を構成するリチウムやマグネシウム等の金属の量が減少した場合に起こりやすくなる。負極30が破断した場合には、負極端子33から分離してしまった負極30の破片30aは、ラミネート型電池1の電池容量に貢献できなくなる。
そこで、本実施形態に係るラミネート型電池1は、フィルム50の導電性を有する面(第2フィルム52や導電被膜層52a)を負極30に接触させるように装着される。その様子を図4Bに示す。
このような態様により、たとえ負極30が複数の破片30aに破断してしまった場合であっても、これらの破片30aは、負極端子33から分離してしまった破片30aも含めてフィルム50を通じて電気的に接続されるため、負極端子33と導電状態を維持することが可能となる。このため、負極30が破断した場合であっても、ラミネート型電池1の電池容量を減少させないようにすることが可能となる。
特に、放電末期で負極30の金属の量が減少した状態であっても、ラミネート型電池1の電池容量を無駄なく使用し続けることが可能となり、電池の寿命を延ばすことが可能となる。またこのような放電末期におけるラミネート型電池1の放電特性の急低下を防止し、電池の特性を向上させることが可能となる。
さらに、ラミネート型電池1に外部から様々な変形応力が加わっても安定した電力の供給を継続できるため、耐久性も向上させることが可能となる。
==評価試験==
次に、本実施形態に係るラミネート型電池1に対して行った評価試験について説明する。本実施形態では、曲げ試験、及び放電末期電力取り出し試験を行った。
詳細は後述するが、これらの評価試験により、本実施形態に係るラミネート型電池1は、比較品に対して、負極30が破断しにくく、また負極30が破断した場合であっても電池容量が減少しにくいことが確かめられた。
なお、曲げ試験及び放電末期電力取り出し試験の各試験は、以下に示すサンプルA、サンプルB、サンプルCを10個ずつ作製して行った。
サンプルAは、本実施形態に係るラミネート型電池1である。サンプルBは、比較用のラミネート型電池1xである。またサンプルCは、比較用のラミネート型電池1yである。
<サンプルA>
まずサンプルA(ラミネート型電池1)について説明する。
まずスラリー状の正極材料22を厚さ10〜30μmのアルミ箔からなる正極集電体21の片面に塗布したものを乾燥させて正極20を作製した。正極材料22は正極活物質となる二酸化マンガンと導電補助材となるカーボンブラックをバインダー(フッ素系バインダーなど)とともに所定の割合(二酸化マンガン:導電補助材:バインダー=90wt%:5wt%:5wt%)で混合したものである。
負極30は、薄いシート状のリチウム金属を用いた。そして正極20に正極端子23を接続し、負極30に負極端子33を接続した後、正極20と負極30をセパレータ40を介して対面させると共に、フィルム50を負極30に装着して電極体10を構成した。
フィルム50は、長岡産業株式会社製のスタクリア(登録商標)を用いた。このフィルム50は、第1フィルム51に相当するPETフィルムの片面に導電被膜層52aが形成されたものであり、表面抵抗値は150Ω/sqであり、厚みは12μmである。
そして、導電被膜層52aが負極30に接触するように、フィルム50を負極30に装着した。
そして上記の手順で組み立てた電極体10を2枚の矩形状のラミネートフィルム11a、11bで挟持する。このとき正極端子23及び負極端子33を2枚のラミネートフィルム11a、11bの外方に突出させる。
次に電極体10を挟持した状態で、積層された2枚のラミネートフィルム11a、11bの周縁領域12のうちの3辺を互いに熱溶着して袋状に成形する。
そしてその袋状のラミネートフィルム11a、11b内に電解液を注入する。電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)を電解質として含有する非水系溶媒に、支持塩としてLiN(CFSO)(以下、LiTFSAと記す)を添加剤とともに溶解させたものを使用した。
袋状のラミネートフィルム11a、11b内に電解液を注入後、ラミネートフィルム11a、11bの開口部(一辺13)を熱溶着してサンプルAを完成させた。
サンプルAのサイズは、縦=27mm、横=22mm、厚み=0.45mmである。
<サンプルB>
次に、サンプルB(比較用ラミネート型電池1x)について説明する。
サンプルBは、サンプルAに対して、フィルム50の代わりに比較用フィルム50xを用いた点が異なる。
比較用フィルム50xは、絶縁性の第1フィルム51のみからなり、導電被膜層52aが形成されていない。具体的には、評価試験で用いた比較用フィルム50xは、厚さ12μmのPETフィルムである。
<サンプルC>
次にサンプルC(比較用ラミネート型電池1y)について説明する。
サンプルCは、サンプルAに対して、フィルム50を用いていない点が異なる。
<曲げ試験>
曲げ試験は、上記説明したサンプルA、サンプルB、サンプルCをそれぞれ10個ずつ作成して行った。
曲げ試験は、JIS X6305−1(ISO/IEC10373−1)にて規定されている曲げ特性の試験方法に準じて行い(曲げ回数は、1000回、2000回、4000回とした)、各回数の曲げ試験完了時における外観を目視により評価した。
試験前の外観から変化が生じていない場合を合格、外観に変化が生じた場合を不合格とした。曲げ試験の結果を表1に示す。
Figure 2019145341
サンプルA及びサンプルBは、いずれも、1000回及び2000回の曲げ試験完了時点では、外観に変化が生じた個体はなかった。4000回の曲げ試験完了時点では、サンプルA及びサンプルB共に、それぞれ、1個の個体において外装体11にしわが発生し不合格となった。
4000回の曲げ試験完了後に、サンプルA及びサンプルBの各個体をそれぞれ分解して調査した。その結果、しわが発生した個体では、負極30を構成するリチウム金属に亀裂が生じていたが、外観に変化が生じなかった個体では、負極30の亀裂は生じていなかった。
サンプルAおよびサンプルBは、いずれも、可撓性を持つ第1フィルム51を有している。そのため、サンプルAおよびサンプルBでは、外部から折り曲げ方向の力が加えられた際に、この第1フィルム51がしなやかに変形することによって、内部の負極30を屈曲させず、物理的な損傷から保護したものと考えられる。
一方、サンプルCは、1000回の曲げ試験完了時点で1個の個体にしわが発生し、その後2000回の曲げ試験完了時点で5個、4000回の曲げ試験完了時点では8個の個体にしわが発生した。
サンプルCについても、4000回の曲げ試験完了後に各個体をそれぞれ分解して調査した。その結果、サンプルCでも、しわが発生した個体では負極30を構成するリチウム金属に亀裂が生じていたが、外観に変化が生じなかった個体では負極30の亀裂は生じていなかった。
サンプルCは、サンプルAやサンプルBに比べて、外部からの折り曲げ方向の力に弱いという結果になったが、この原因は、サンプルCがフィルム50を備えていないためであると考えられる。
<放電末期電力取り出し試験>
次に、放電末期電力取り出し試験について説明する。
放電末期電力取り出し試験は、上記説明したサンプルA、サンプルB、サンプルCをそれぞれ30個ずつ(合計90個)作成し、各サンプルを10個ずつ3つのグループに分けて各グループごとに行った。
そして、各個体に対して、JIS X6305−1(ISO/IEC10373−1)にて規定されている曲げ特性の試験方法に準じた曲げ試験を行った。ただし、第1グループの10個は1000回、第2グループの10個は2000回、第3グループの10個は4000回の曲げ試験を行った。
そして各個体を0.25mA(ミリアンペア)の定電流で放電させ、放電終止電圧(2.0V)になるまでの時間を計測し、曲げ試験を行わない個体が放電終止電圧になるまでの時間に対する比率を求めた。
なお、この0.25mAの値は、DOD0%の個体が曲げ試験を行わない状態で1/60Cで放電する場合の電流値である。
放電末期電力取り出し試験の結果を表2に示す。
Figure 2019145341
サンプルAは、1000回の曲げ試験を行った第1グループ、及び2000回の曲げ試験を行った第2グループ共に、放電終止電圧になるまでの時間は、曲げ試験を行わない場合の時間と差がなかった。つまり、これらの個体に電池容量の低下は見られなかった。
一方、4000回の曲げ試験を行った第3グループでは、放電終止電圧になるまでの時間が短くなった個体が発生した。しかしながら、10個の平均で見れば、放電終止電圧になるまでの時間は、曲げ試験前の98%を維持した。
このことから、サンプルAの第3グループでは、4000回の曲げ試験を行った後でも、平均で98%の電池容量を維持できる良好な結果となった。
このような良好な結果が得られたのは、サンプルAの各個体は、可撓性を有する第1フィルム51を有しているために、そもそも曲げ強さに優れている上、負極30に導電被膜層52aが接触しているため、たとえ曲げ試験によって負極30が破断したとしても、負極30の各破片30aが、導電被膜層52aを通じて負極端子33との導通を維持しているため、と考えられる。
次に、サンプルBは、1000回の曲げ試験を行った第1グループでは、放電終止電圧になるまでの時間は、曲げ試験を行わない場合の時間と差はなく、電池容量の低下は見られなかった。
また第2グループでは、一部の個体において、放電終止電圧になるまでの時間が短くなった。しかしながら、放電終止電圧になるまでの時間は、平均で、曲げ試験前の96%を維持できた。
しかしながら、第3グループでは、放電終止電圧になるまでの時間は、平均で、曲げ試験前の88%にまで低下した。
サンプルBの各個体は、可撓性を有する第1フィルム51を有しているために、曲げ強さには優れているが、導電被膜層52aを有していない。そのため、サンプルBの各個体では、曲げ試験によって負極30が一旦破断すると、負極端子33から分離してしまった負極30の破片30aは、もはや電池容量に寄与しなくなると考えられる。
次に、サンプルCは、1000回の曲げ試験を行った第1グループにおいて、放電終止電圧になるまでの時間が短くなった個体が発生した。しかしながら、放電終止電圧になるまでの時間は、平均で曲げ試験前の98%を維持できた。
しかしながら、第2グループでは、放電終止電圧になるまでの時間は、平均で曲げ試験前の80%にまで低下し、第3グループに至っては平均で72%にまで低下した。また第3グループでは10個の全ての個体で、放電終止電圧になるまでの時間が曲げ試験前よりも短くなった。
以上の曲げ試験、及び放電末期電力取り出し試験の結果からわかるように、本実施形態に係るラミネート型電池1は、優れた曲げ特性を有し、外部から曲げ方向に力が加わっても負極30が破断しにくく、また、たとえ負極30が破断したとしても、電池容量を減少させないという優れた特性を備えている。
特にリチウム金属を負極30に用いる場合には、ラミネート型電池1の電力が消費されていくにつれてリチウム金属の量が減少してしまうため、本実施形態のように、導電性を有する面を負極30に接触させるようにフィルム50を配置することにより、リチウム金属が少なくなって破断した場合であっても、無駄なくリチウム金属を利用することが可能となる。
またこのような特性を持つラミネート型電池1は、例えばICカードに好適と言える。このようなICカードは、財布やバッグ等に保管されて日常的に携帯されることが多いうえ、ATM等の読み取り機に挿入される頻度も多く、物理的な力が加わる機会が多い。また使用期間も数年に及び、負極30の金属は徐々に確実に消費されていく。そのため、本実施形態に係るラミネート型電池1をこのようなICカードに採用することにより、ICカードの長寿命化を実現することが可能となる。
また本実施形態に係るラミネート型電池1は、外装体11の内部にフィルム50を収容している。そのため、美観を損なうことなくラミネート型電池1の曲げ特性を向上させることができる。またこのとき、ラミネートフィルム11bの厚さよりも薄いフィルム50を用いることにより、より一層ラミネート型電池1の美観を損なわずに済む。
またこのフィルム50は、負極30とラミネートフィルム11bとの間に配置される。このため、負極30とラミネートフィルム11bとの間の隙間を塞ぐことができるため、外装体11にしわが発生することを防止することができる。
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、外装体11を構成するラミネートフィルム11a、11bが金属箔14を備えない構造である場合や、あるいは、金属箔14を備えていてもこの金属箔14が接着層15bから露出しない構造となっている場合には、フィルム50は、導電性を有する第2フィルム52のみで構成されていても良い。
そしてこの場合は、フィルム50の両面が導電性を有するため、負極端子33が、フィルム50とラミネートフィルム11bとに挟まれる位置においてフィルム50に接続されるようにしても良い。
また上記実施形態では、一例として、ラミネート型電池1を構成する外装体11の内部に電極体10が電解液と共に密封されている場合について説明したが、電極体10が固体の電解質と共に密封されていてもよい。
なお、本実施形態に係るラミネート型電池1は、一次電池の他、二次電池などにも適用することができる。
1 ラミネート型電池、1x 比較用のラミネート型電池、1y 比較用のラミネート型電池、10 電極体、11 外装体、11a,11b 金属箔ラミネートフィルム、12 周縁領域、13 外装体の一辺、14 金属箔、15 絶縁性樹脂層、15a 保護層、15b 接着層、20 正極、21 正極集電体、22 正極材料、23 正極端子、30 負極、30a 破片、32 負極材料、33 負極端子、40 セパレータ、50 フィルム、50x 比較用フィルム、51 第1フィルム、51a 絶縁被膜層、52 第2フィルム、52a 導電被膜層

Claims (7)

  1. ラミネート型蓄電素子であって、
    単体の金属あるいは前記金属を含む合金を負極活物質とした平面状の負極と、前記負極の一方の面に積層される平面状のセパレータと、前記セパレータに積層され、前記負極から溶解する前記金属のイオンを吸蔵可能な正極活物質を含む平面状の正極と、前記負極の他方の面に積層される平面状の樹脂製のフィルムと、を有してなる電極体と、
    絶縁性を有し、前記電極体を電解質と共に密封する扁平袋状の外装体と、
    前記負極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する負極端子と、
    前記正極に接続されると共に、前記外装体の外部に表れる部分を有する正極端子と、
    を備え、
    前記フィルムの前記負極に向かう面は、導電性を有する
    ことを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  2. 請求項1に記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記外装体は、金属箔の両面に絶縁性樹脂層が形成されてなる一対の金属箔ラミネートフィルムを重ね合わせて周縁領域を溶着することにより扁平袋状に形成されてなり、
    前記フィルムの前記外装体に向かう面は、絶縁性を有する
    ことを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  3. 請求項2に記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記フィルムは、
    絶縁性を有する樹脂製の第1フィルムと、
    前記第1フィルムに積層され、導電性を有する樹脂製の第2フィルムと、
    を有して構成されることを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  4. 請求項2に記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記フィルムは、
    絶縁性を有する樹脂製の第1フィルムと、
    前記第1フィルムの前記負極に向かう面に形成される導電被膜層と、
    を有して構成されることを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  5. 請求項2に記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記フィルムは、
    導電性を有する樹脂製の第2フィルムと、
    前記第2フィルムの前記外装体に向かう面に形成される絶縁被膜層と、
    を有して構成されることを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記フィルムの軟化温度は、前記外装体の前記絶縁性樹脂層の軟化温度よりも高い
    ことを特徴とするラミネート型蓄電素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のラミネート型蓄電素子であって、
    前記金属は、リチウムである
    ことを特徴とするラミネート型蓄電素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004356082A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用負極、およびこれを用いたリチウム二次電池
JP2018010751A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 Fdk株式会社 ラミネート型蓄電素子、ラミネート型蓄電素子の製造方法

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