JP2019144628A - タッチパネルのコントローラ回路、静電スイッチのコントローラ回路、それらを用いた入力装置、電子機器、ならびにタッチパネルの制御方法 - Google Patents

タッチパネルのコントローラ回路、静電スイッチのコントローラ回路、それらを用いた入力装置、電子機器、ならびにタッチパネルの制御方法 Download PDF

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Yuji Shimada
雄二 嶋田
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Hironori Oishi
裕紀 大石
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Abstract

【課題】高速動作が可能なタッチパネルのコントローラ回路を提供する。【解決手段】コントローラIC400は、相互容量方式の第1容量検出回路402と、自己容量方式の第2容量検出回路404を備える。第1容量検出回路402は、複数の送信端子TXを順に選択しながら、選択された送信端子TXにパルスの駆動電圧VDRVを印加し、そのときに複数の受信端子RXに入力される電気信号IRXを検出する。第2容量検出回路404は、送信電極Xにパルスの駆動電圧VDRVが印加されたときに、送信電極Xにソースされ、またはシンクされる電荷量を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量の検出技術に関する。
近年のコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、ポータブルオーディオ機器などの電子機器には、ユーザインタフェースとして、タッチ式の入力装置が搭載される。タッチ式の入力装置としては、タッチパッド、ポインティングデバイスなどが知られており、指やスタイラスを接触あるいは近接することにより様々な入力が可能となっている。
タッチ式入力装置は大きく、抵抗膜方式と静電容量方式に分類される。静電容量方式は、ユーザ入力に応じて、センサ電極が形成する静電容量(以下、単に容量ともいう)の変化を電気信号に変換することにより、ユーザ入力の有無、座標を検出する。
静電容量測定には、自己容量(Self Capacitance)方式と、相互容量(Mutual Capacitance)方式がある。特許文献2には、自己容量方式の容量検出回路が開示される。自己容量方式は非常に高感度であり、タッチのみでなく指の近接を検出可能であるが、水滴の付着をタッチと区別できず、また2点タッチを検出できないという問題がある。一方、相互容量方式は、2点タッチ(あるいはそれ以上のマルチタッチ)を検出可能であり、水滴の影響を受けにくいという利点がある。
タッチパネルのコントローラ回路に、自己容量方式と相互容量方式の両方を切り替え可能なものが存在する(特許文献3)。このコントローラ回路によれば、状況に応じて、2つの検出方式を切り替えることにより、それぞれの利点を享受できる。
特開2001−325858号公報 特開2012−182781号公報 特開2017−021597号公報
本発明者は、従来のコントローラ回路について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
自己容量方式と相互容量方式によって容量変化を、水滴の付着の検出に利用することを考えた。すなわち、水滴の付着がなければ、2つの方式による検出結果は同等となるが、水滴の付着がある場合、自己容量方式によってのみ、容量変化が検出される。ここで、従来のコントローラ回路は、自己容量方式と相互容量方式を時分割で動作させる必要があった。そのため、2つの検出方式がパネルの同じ状態を測定しているとは限らず、これが水滴の検出精度を低下させる要因となり得る。
また、インセルパネルの普及と相まって、高速センシングの要求が高まっている。従来の時分割による自己容量方式と相互容量方式の切り替えは、高速動作の妨げとなる。
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、高速動作が可能なタッチパネルのコントローラ回路の提供にある。
本発明のある態様は、タッチパネルのコントローラ回路に関する。タッチパネルは、第1方向に離間して設けられる複数の送信電極と、第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる複数の受信電極と、を備える。コントローラ回路は、複数の送信電極と接続される複数の送信端子と、複数の受信電極と接続される複数の受信端子と、複数の送信端子を順に選択しながら、選択された送信端子にパルスの駆動電圧を印加する駆動回路と、駆動電圧に応じて複数の受信端子それぞれが受信する電気信号を検出する第1検出回路と、駆動回路が送信端子にソースし、またはシンクする電荷量を検出する第2検出回路と、を備える。
本発明の別の態様もまた、コントローラ回路である。コントローラ回路は、複数の送信電極と接続される複数の送信端子と、複数の受信電極と接続される複数の受信端子と、複数の送信端子を順に選択しながら、選択された送信端子にパルスの駆動電圧を印加し、そのときに複数の受信端子に入力される電気信号を検出する相互容量方式の第1容量検出回路と、送信端子にパルスの駆動電圧が印加されたときに、送信電極にソースされ、またはそれからシンクされる電荷量を検出する自己容量方式の第2容量検出回路と、を備える。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、高速なセンシングが可能となる。
第1の実施の形態に係る入力装置を示す図である。 図1の入力装置の動作を示すタイムチャートである。 図3(a)は、従来の時分割によるセンシングを説明する図であり、図3(b)は、第1の実施の形態に係るセンシングを説明する図である。 駆動回路、第1検出回路および第2検出回路の回路図である。 図4の駆動回路、第1検出回路、第2検出回路の動作を説明する図である。 変形例に係るコントローラICのブロック図である。 第3検出回路の構成例を示す回路図である。 図6のコントローラICの動作を示すタイムチャートである。 第2の実施の形態に係る入力装置を示す図である。
(実施の形態の概要)
本明細書に開示される一実施の形態は、タッチパネルのコントローラ回路に関する。タッチパネルは、第1方向に離間して設けられる複数の送信電極と、第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる複数の受信電極と、を備える。コントローラ回路は、複数の送信電極と接続される複数の送信端子と、複数の受信電極と接続される複数の受信端子と、複数の送信端子を順に選択しながら、選択された送信端子にパルスの駆動電圧を印加する駆動回路と、駆動電圧に応じて複数の受信端子それぞれが受信する電気信号を検出する第1検出回路と、駆動回路が送信端子にソースし、またはシンクする電荷量を検出する第2検出回路と、を備える。
この実施の形態によると、自己容量方式と相互容量方式とで、共通の駆動電圧を用いることで、並行して2つの方式でセンシングが可能となる。
駆動回路は、パルス状の制御信号を生成する制御信号発生器と、制御信号を受ける入力と、送信端子に接続されるプッシュプル形式の出力段と、を有するアンプと、を含んでもよい。
この実施の形態によれば、以下の少なくともひとつの利点を享受できる。
・出力段のトランジスタを、ダイオード接続する必要がなくなるため、ヘッドルームを小さくでき、容量検出の精度を高めることができる。
・駆動回路の応答遅れにより、静電容量の電圧をわずかに鈍らせることが可能である。これにより、充電電流、放電電流の急峻な変化を抑制できるため、信号の伝搬経路上の寄生容量の影響を低減できる。
・駆動回路は、プッシュプル動作が可能であるから、交流ノイズが入力したときに、交流ノイズの影響がそのまま検出電流に現れる。このノイズは、フィルタにより除去しやすく、また、1周期分を積分すればゼロとなるため、ノイズの耐性を高めることができる。
・充電動作と放電動作の両方をセンシングに割り当てることができるため、無駄な電力消費を低減できる。またセンシングの精度を高め、あるいはセンシングの周波数を高めることが可能となる。
第2検出回路は、駆動回路の出力段に流れる電流のレプリカである検出電流を生成する電流検出回路と、検出電流を積分し、検出電圧を生成する積分回路と、を含んでもよい。
アンプは、ボルテージフォロアであってもよい。また、アンプは、駆動電圧に応じたフィードバック信号が制御信号と一致するように、出力段のハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタを制御する差動入力段をさらに含んでもよい。電流検出回路は、ハイサイドトランジスタと制御端子が共通に接続される第1トランジスタと、ローサイドトランジスタと制御端子が共通に接続される第2トランジスタと、を含んでもよい。検出電流は、第1トランジスタに流れる電流と第2トランジスタに流れる電流の差分に応じていてもよい。
コントローラ回路は、ひとつの半導体集積回路上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
(実施の形態)
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る入力装置200を示す図である。入力装置200は、タッチパネル220と、タッチパネルコントローラ(以下、コントローラIC)400と、を備える。入力装置200は、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラ、カーナビゲーションシステムなど、さまざまな電子機器に搭載される。
タッチパネル220は、複数M本(M≧2)の送信電極X〜Xと、複数N本(N≧2)の受信電極Y〜Yを備える。複数の送信電極X〜Xは、第1方向に離間して設けられ、複数の受信電極Y〜Yは、第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる。送信電極Xと受信電極Yは相互に絶縁されている。送信電極Xと受信電極Yの形状は特に限定されない。
コントローラIC400は、複数の送信端子TX〜TXと、複数の受信端子RX〜RXと、駆動回路410と、第1検出回路420と、第2検出回路430と、を備え、ひとつの半導体基板に集積化され、パッケージ化される。
複数の送信端子TX〜TXは、複数の送信電極X〜Xと接続される。複数の受信端子RX〜RXは、複数の受信電極Y〜Yと接続される。
駆動回路410は、複数の送信端子TX〜TXを順に選択しながら、選択された送信端子TX(i=1,2・・・,M)にパルスの駆動電圧VDRViを印加する。駆動電圧VDRViは、送信端子TXを介して送信電極Xに印加される。
たとえば駆動回路410は、複数の駆動ユニット412と、制御信号発生器414を含む。制御信号発生器414は、パルスの制御信号SCTRL1〜SCTRLMを時分割で複数の駆動ユニット412に供給する。駆動ユニット412は、制御信号に応じた駆動電圧VDRVを出力する。
送信電極Xは、複数の受信電極Y〜Yと容量結合(電磁界結合)している。送信電極Xと受信電極Y(j=1,2,・・・,N)の間の相互容量をCmijと表記する。この相互容量Cmijは、ユーザのタッチに応じて変化する。
受信端子RXには、受信電極Yが受信した信号に応じた電気信号(電流信号)が入力される。第1検出回路420は、複数の受信端子RX〜RXに流れる受信電流IRX1〜IRXNに応じた検出データDmi1〜DmiNを生成する。検出データDmi1〜DmiNは、相互容量Cmi1〜CmiNと相関を有する。
第2検出回路430は、駆動回路410が送信端子TX(送信電極X)にソースし(注入)、またはシンクする(引き抜く)電荷量Qを検出する。電荷量Qは、送信電極Xが周囲との間に形成する自己容量Csに比例する。詳しくは後述するが、電荷量Qは、駆動回路410が送信端子TX(送信電極X)にソースし(注入)、またはシンクする(引き抜く)駆動電流IDRVを検出し、この駆動電流IDRViに応じた検出電流Isを積分することで取得することができる。
第2検出回路430は、電荷量+Q,−Qの少なくとも一方にもとづく検出データDsを生成する。検出データDsは、信号処理部440に供給される。
別の観点から見ると、コントローラIC400は、第1容量検出回路402および第2容量検出回路404を備える。相互容量方式の第1容量検出回路402は、複数の送信端子TX〜TXを順に選択しながら、選択された送信端子TXにパルスの駆動電圧VDRViを印加し、そのときに複数の受信端子RX〜RXに入力される電気信号(受信電流IRX1〜IRXN)を検出する。
自己容量方式の第2容量検出回路404は、送信電極Xにパルスの駆動電圧VDRViが印加されたときに、送信電極Xにソースされ、またはそれからシンクされる電荷量+Q,−Qを検出する。
以上が入力装置200の構成である。続いてその動作を説明する。図2は、図1の入力装置200の動作を示すタイムチャートである。
初めに、自己容量の検出を説明する。
駆動回路410によって、複数の送信電極X〜Xが順に選択され、順にパルス状の駆動電圧VDRV1〜VDRVMが印加される。i番目の送信電極Xが選択される期間Tの間、対応する駆動電流IDRViが流れる。駆動電流IDRViは、送信電極Xに流れ込む向きを正にとっている。
駆動電圧VDRViが増加するとき、送信電極Xは充電され、したがって正の駆動電流IDRViが流れる。正の駆動電流IDRViのパルスの積分すると、送信電極Xが形成する自己容量Csに供給される電荷量Qが得られる。駆動電圧VDRViの変化量をΔVとすると、以下の式が成り立つ。
=Cs×ΔV …(1)
式(1)から式(2)が得られる。
Cs=Q/ΔV …(2)
ΔVは定数とみなすことができるから、自己容量Csは、電荷量+Qに比例する。
反対に駆動電圧VDRViが低下するとき、送信電極Xは放電され、したがって負の駆動電流IDRViが流れる。負の駆動電流IDRViのパルスの積分すると、送信電極Xが形成する自己容量Csから引き抜かれた電荷量−Qが得られる。自己容量Csは、電荷量−Qにも比例する。
センス期間Ts,Ts,…Tsそれぞれにおいて、複数の送信電極X〜Xが形成する静電容量(自己容量)Cs〜Csを検出することができる。
続いて相互容量の検出を説明する。センス期間Tの間、複数の受信電極Y〜Yには、受信電流IRX1〜IRXNが流れる。受信電流IRXjの振幅は、相互容量Cmijに応じて変化する。第1検出回路420は、受信電流IRX1〜IRXNの振幅に応じた検出データDmi1〜DmiNを生成する。
センス期間Ts,Ts,…Tsそれぞれにおいて、複数の相互容量Cm11〜Cm1N,Cm21〜Cm2N,…CmM1〜CmMNを検出することができる。
以上が入力装置200の動作である。この入力装置200によれば、自己容量方式と相互容量方式とで、共通の駆動電圧を用いることで、並行して2つの方式でセンシングが可能となる。図3(a)は、従来の時分割によるセンシングを説明する図であり、図3(b)は、第1の実施の形態に係るセンシングを説明する図である。図3(a)と(b)の対比から明らかなように、本実施の形態によれば、センシング周期Tsを短縮できるため、高速なセンシングが可能となる。
続いて、コントローラIC400の具体的な構成例を説明する。
図4は、駆動回路410、第1検出回路420および第2検出回路430の回路図である。図4には、1個の送信端子TXと1個の受信端子RXに対応する1チャンネル分の構成のみが示される。
・駆動回路
駆動ユニット412は、アンプであり、その入力に制御信号SCTRLiを受ける。駆動ユニット412は、送信端子TXに接続されるプッシュプル形式の出力段416を有する。たとえば駆動ユニット412は、差動入力段418を含み、駆動電圧VDRViに応じたフィードバック信号SFBiが制御信号SCTRLiに近づくように、出力段416のハイサイドトランジスタMおよびローサイドトランジスタMの制御端子(ゲート)の電圧を調節する。
たとえば駆動ユニット412はボルテージフォロアであり、差動入力段418の非反転入力端子には制御信号SCTRLiが入力され、その反転入力端子には、駆動電圧VDRViがフィードバック信号VFBiとして入力される。駆動ユニット412は、反転アンプであってもよいし、非反転アンプであってもよい。
・第1検出回路
第1検出回路420は、積分回路422、A/Dコンバータ424、マルチプレクサ426を含む。積分回路422は、受信端子RXに流れる電流IRXjを積分する。積分回路422の構成は限定されないが、たとえばキャパシタCINTとオペアンプ423で構成してもよい。積分回路422の出力電圧Vmは、相互容量Cmijと相関を有する。A/Dコンバータ424は、積分回路422の出力電圧Vmをデジタル値Dmに変換する。A/Dコンバータ424の前段にマルチプレクサ426を挿入し、複数のチャンネルでA/Dコンバータ424を共有することができる。
・第2検出回路
第2検出回路430は、電流検出回路432、積分回路434、およびA/Dコンバータ436を備える。電流検出回路432は、駆動ユニット412の出力段416に流れる駆動電流IDRViのレプリカである検出電流Isを生成する。
第2検出回路430は、ハイサイドトランジスタMとゲート同士、ソース同士が接続される第1トランジスタM11と、ローサイドトランジスタMとゲート同士、ソース同士が接続される第2トランジスタM12と、を含む。第1トランジスタM11には、ハイサイドトランジスタMに流れるソース電流ISRCに比例した電流ISRC’が流れ、第2トランジスタM12には、ローサイドトランジスタMに流れるシンク電流ISINKに比例した電流ISINK’が流れる。検出電流Isは、第1トランジスタM11に流れる電流ISRC’と第2トランジスタM12に流れる電流ISINK’の差分に対応する。
積分回路434は、検出電流Isを積分し、自己容量Csに供給された(あるいは引き抜かれた)電荷量Qを示す検出電圧Vsを生成する。A/Dコンバータ436は、検出電圧Vsをデジタル値Dsに変換する。A/Dコンバータ436の前段にマルチプレクサ438を挿入し、複数のチャンネルで、A/Dコンバータ436を共有することができる。積分回路434は、積分回路422と同様に構成してもよい。
なお図4に示した駆動回路410、第1検出回路420、第2検出回路430の構成は例示であり、公知の、あるいは将来利用可能なその他の回路を用いることができる。
図5は、図4の駆動回路410、第1検出回路420、第2検出回路430の動作を説明する図である。制御信号SCTRLiに応じて、送信端子TXに駆動電圧VDRViが印加される。この駆動電圧VDRViは、電源電圧VDDと接地電圧0V間をフルスイングせず、ヘッドルームとフットルームが存在する。ヘッドルームとフットルームは、出力段のハイサイドトランジスタ、ローサイドトランジスタの飽和電圧に応じており、典型的には0.1V程度となる。電源電圧が3.5Vであるとき、駆動電圧VDRVの変化幅ΔVは、3.3V程度となる。
受信電流IRXは、積分回路422によって積分され、検出電圧Vmが生成される。A/Dコンバータ424は、所定の周期で検出電圧Vmをサンプリングし、検出データDmに変換する。たとえば2つの隣接する検出データDmの差分を、相互容量Cmとすることができる。
また、駆動電流IDRViに応じた検出電流Isが積分され、検出電圧Vsに変換される。A/Dコンバータ436は、所定の周期で検出電圧Vsをサンプリングし、検出データDsに変換する。たとえば2つの隣接する検出データDsの差分を、自己容量Csとすることができる。
図4の構成の利点を説明する。
・第1の利点
特許文献3に記載の回路では、ゲートドレイン間が結線されたMOS(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)トランジスタを利用して、電極を充電する。この場合、電極に生ずる電圧には、MOSトランジスタが形成するダイオードの順方向電圧に相当するヘッドルームが導入され、0.6V程度となる。電極の電圧変化の幅は、電源電圧を3.5Vとした場合、2.9Vとなる。
これに対して図4の駆動ユニット412によれば、駆動電圧VDRVのヘッドルーム電圧を0.1V程度まで小さくできる。同程度のフットルーム電圧が導入されるが、それであっても駆動電圧VDRVの変化幅ΔVは、3.5−0.2=3.3Vとなり、特許文献3の回路に比べて拡大される。
式(1)から明らかなように、自己容量Csの検出に際して、駆動電圧VDRVの変化幅ΔVが大きいほど、自己容量Csに供給されあるいは引き抜かれる電荷量Qが大きくなるため、検出感度を高めることができる。
・第2の利点
特許文献3の回路では、自己容量の検出に際して、自己容量の電圧を変化させたときに流れる充電電流は急峻であり、高い周波数成分を含む。高周波成分は、充電電流を検出信号に変換する過程において寄生のローパスフィルタによりフィルタリングされ、検出精度の低下を招く。
一方、図4の回路によれば、駆動ユニット412の応答速度の影響で、駆動電圧VDRVの変化速度(スルーレート)が制限されており、駆動電流IDRVに含まれる周波数成分が、低周波数側にシフトしている。そのため、駆動電流IDRVを検出信号Vsに変換する過程において、フィルタリングにより失われる成分が少なくなり、検出精度の低下を抑制することができる。なお、制御信号SCTRLの傾きを制限することで、この効果をさらに高めてもよい。
・第3の効果
特許文献3の回路では、電極を充電するときのみ、自己容量の検出が可能であり、放電動作は自己容量の検出に寄与しない。したがって電極に交流のノイズが入力されたとき、検出電流Iは、ノイズのうち半波の影響を受けることとなり、したがって、検出電圧にも、ノイズの半波分の影響が現れ、ノイズ成分のフィルタリングが難しくなる。
これに対して、図4の構成によれば、駆動ユニット412は、プッシュプル動作が可能であるから、交流ノイズが入力したときに、交流ノイズの影響がそのまま検出電流Iに現れる。検出電流Iに含まれるノイズは、フィルタにより除去しやすく、また、1周期分を積分すればゼロとなる。したがって図4の構成によれば、ノイズの耐性を高めることができる。
・第4の効果
特許文献3の回路では、放電はリセットに利用されており、無駄な電力を消費していた。これに対して、図4の構成によれば、充電動作と、放電動作それぞれにおいて、自己容量Csを検出できる。したがって、無駄な電力消費を低減できる。
・第5の効果
また、充電と放電それぞれで自己容量Csを検出することにより、センシングの周波数を2倍に高めることが可能である。
(変形例)
続いてコントローラIC400の変形例を説明する。図6は、変形例に係るコントローラIC400Aのブロック図である。コントローラIC400Aは、図1のコントローラIC400に加えて、第3検出回路450をさらに備える。第3検出回路450は、複数の受信端子RX〜RXと接続され、複数の受信電極Y〜Yが形成する自己容量Cs〜Csを検出可能に構成される。
図7は、第3検出回路450の構成例を示す回路図である。第3検出回路450は、複数の駆動ユニット452、複数の電流検出回路454、複数の積分回路456を含む。駆動ユニット452は、対応する受信端子RXにパルス状の駆動電圧VDRViを印加する。電流検出回路454は、駆動ユニット452がソース、シンクする駆動電流IDRViを検出する。積分回路456は、駆動ユニット452が検出した電流を積分し、電荷量Qを示す電圧Vsを生成する。
駆動ユニット452、電流検出回路454、積分回路456は、図4の駆動ユニット412、電流検出回路432、積分回路434と同様に構成してもよい。
図8は、図6のコントローラIC400Aの動作を示すタイムチャートである。複数の送信電極X〜Xが形成する自己容量の検出と、相互容量の検出が並列的に行われる。続いて複数の受信電極Y〜Yが形成する自己容量の検出が行われる。これにより、第1方向、第2方向の両方について、自己容量方式によってもタッチの検出が可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、タッチパネルのコントロールICを説明したが、本発明の適用はそれに限定されず、よりシンプルな静電スイッチのコントロールICにも適用可能である。
図9は、第2の実施の形態に係る入力装置500を示す図である。入力装置500は、静電スイッチ520と、そのコントローラ(以下、コントローラIC)600と、を備える。入力装置500は、洗濯機、テレビ、冷蔵庫などの家電製品、スマートフォンなどの情報端末などに搭載される。
静電スイッチ520は、ひとつ(または複数の)の送信電極522と、ひとつ(または複数の)受信電極524を備える。コントローラIC600は、送信電極522が形成する自己容量Csを検出するとともに、送信電極522と受信電極524の間に形成される相互容量Cmを検出する。
コントローラIC600は、ひとつ(または複数の)送信端子TXと、ひとつ(または複数の)の受信端子RXと、駆動回路610と、第1検出回路620と、第2検出回路630と、を備え、ひとつの半導体基板に集積化され、パッケージ化される。
駆動回路610は、図1の駆動回路410と同様に構成される。第1検出回路620、第2検出回路630は、図1の第1検出回路420、第2検出回路430と同様に構成される。
駆動回路610は、送信端子TXにパルスの駆動電圧VDRVを印加する。第1検出回路620は、駆動電圧VDRVに応じて受信端子RXが受信する電気信号IRXを検出する。第2検出回路630は、駆動回路610が送信端子TXにソースし、またはシンクする電荷量を検出する。信号処理部640は、第1検出回路620、第2検出回路630それぞれの検出結果を処理し、静電スイッチ520がタッチされたか(あるいはユーザの指が近接したか)を判定する。
別の観点から見ると、相互容量方式の第1容量検出回路602は、送信端子TXにパルスの駆動電圧VDRVを印加し、そのときに受信端子RXに入力される電気信号IRXを検出する。自己容量方式の第2容量検出回路604は、送信端子TXにパルスの駆動電圧VDRVが印加されたときに、送信電極522にソースされ、またはそれからシンクされる電荷量を検出する。
200 入力装置
220 タッチパネル
X 送信電極
Y 受信電極
TX 送信端子
RX 受信端子
400 コントローラIC
402 第1容量検出回路
404 第2容量検出回路
410 駆動回路
412 駆動ユニット
414 制御信号発生器
416 出力段
418 差動入力段
420 第1検出回路
422 積分回路
424 A/Dコンバータ
426 マルチプレクサ
430 第2検出回路
432 電流検出回路
434 積分回路
436 A/Dコンバータ
438 マルチプレクサ
440 信号処理部
450 第3検出回路
452 駆動ユニット
454 電流検出回路
456 積分回路
500 入力装置
520 静電スイッチ
522 送信電極
524 受信電極
600 コントローラIC
602 第1容量検出回路
604 第2容量検出回路
610 駆動回路
620 第1検出回路
630 第2検出回路

Claims (11)

  1. タッチパネルのコントローラ回路であって、
    前記タッチパネルは、
    第1方向に離間して設けられる複数の送信電極と、
    前記第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる複数の受信電極と、
    を備え、
    前記コントローラ回路は、
    前記複数の送信電極と接続される複数の送信端子と、
    前記複数の受信電極と接続される複数の受信端子と、
    前記複数の送信端子を順に選択しながら、選択された前記送信端子にパルスの駆動電圧を印加する駆動回路と、
    前記駆動電圧に応じて前記複数の受信端子それぞれが受信する電気信号を検出する第1検出回路と、
    前記駆動回路が前記送信端子にソースし、またはシンクする電荷量を検出する第2検出回路と、
    を備えることを特徴とするコントローラ回路。
  2. 前記駆動回路は、
    パルス状の制御信号を生成する制御信号発生器と、
    前記制御信号を受ける入力と、前記送信端子に接続されるプッシュプル形式の出力段と、を有するアンプと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のコントローラ回路。
  3. 前記第2検出回路は、
    前記駆動回路の前記出力段に流れる電流のレプリカである検出電流を生成する電流検出回路と、
    前記検出電流を積分し、検出電圧を生成する積分回路と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のコントローラ回路。
  4. 前記アンプは、ボルテージフォロアであることを特徴とする請求項2または3に記載のコントローラ回路。
  5. 前記アンプは、前記駆動電圧に応じたフィードバック信号が前記制御信号と一致するように、前記出力段のハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタを制御する差動入力段をさらに含み、
    前記電流検出回路は、
    前記ハイサイドトランジスタと制御端子が共通に接続される第1トランジスタと、
    前記ローサイドトランジスタと制御端子が共通に接続される第2トランジスタと、
    を含み、
    前記検出電流は、前記第1トランジスタに流れる電流と前記第2トランジスタに流れる電流の差分に応じていることを特徴とする請求項3に記載のコントローラ回路。
  6. タッチパネルのコントローラ回路であって、
    前記タッチパネルは、
    第1方向に離間して設けられる複数の送信電極と、
    前記第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる複数の受信電極と、
    を備え、
    前記コントローラ回路は、
    前記複数の送信電極と接続される複数の送信端子と、
    前記複数の受信電極と接続される複数の受信端子と、
    前記複数の送信端子を順に選択しながら、選択された前記送信端子にパルスの駆動電圧を印加し、そのときに前記複数の受信端子に入力される電気信号を検出する相互容量方式の第1容量検出回路と、
    前記送信電極に前記パルスの駆動電圧が印加されたときに、前記送信電極にソースされ、またはそれからシンクされる電荷量を検出する自己容量方式の第2容量検出回路と、
    を備えることを特徴とするコントローラ回路。
  7. ひとつの半導体集積回路上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコントローラ回路。
  8. タッチパネルと、
    前記タッチパネルを制御する請求項1から7のいずれかに記載のコントローラ回路と、
    を備えることを特徴とする入力装置。
  9. タッチパネルと、
    前記タッチパネルを制御する請求項1から7のいずれかに記載のコントローラ回路と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  10. タッチパネルの制御方法であって、
    前記タッチパネルは、
    第1方向に離間して設けられる複数の送信電極と、
    前記第1方向と直交する第2方向に離間して設けられる複数の受信電極と、
    を備え、
    前記制御方法は、
    前記複数の送信電極を順に選択しながら、選択された前記送信電極にパルスの駆動電圧を印加するステップと、
    前記駆動電圧に応じて前記複数の受信電極それぞれが受信する電気信号を検出するステップと、
    前記駆動電圧に応じて、前記送信電極にソースされ、または前記送信電極からシンクされる電荷量を検出するステップと、
    を備えることを特徴とする制御方法。
  11. 静電スイッチのコントローラ回路であって、
    前記静電スイッチは、送信電極と、受信電極と、を備え、
    前記コントローラ回路は、
    前記送信電極と接続される送信端子と、
    前記受信電極と接続される受信端子と、
    前記送信端子にパルスの駆動電圧を印加する駆動回路と、
    前記駆動電圧に応じて前記受信端子が受信する電気信号を検出する第1検出回路と、
    前記駆動回路が前記送信端子にソースし、またはシンクする電荷量を検出する第2検出回路と、
    を備えることを特徴とするコントローラ回路。
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