JP2019143757A - 車両内装材の装着構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ピラートリムのアッパ部材20と一体をなして形成されたボルト固定部41を備え、ボルト固定部41を貫通するボルト50を用いて、アッパ部材20をピラーパネル10に装着する構造において、さらに、ボルト固定部41に隣接して連なり、ピラーパネル10から離れる方向に傾斜する仮保持部42を備える。ボルト固定部41から仮保持部42にわたって連続して延びるスリット43が形成されている。ボルト50は、軸部52が仮保持部42においてスリット43を貫通し、軸部52にセッティングワッシャ60が嵌められた状態で、仮保持される。
【選択図】 図4
Description
上記構成によれば、車両内装材の車体パネルへの装着に、ボルトとともにクリップが用いられ、ボルトによる装着に先立って、クリップが用いられることになる。クリップ座に取り付けられているクリップを車体パネルに嵌め込むためには、車両内装材を車体パネルに向かって叩くことになり、車両内装材に外力が加わる。このとき、ボルトは、車体パネルから離れる方向に傾斜する仮保持部に保持されており、車体パネルには当たらないので車体パネルからの衝撃を受けることはない。そのため、ボルトが車両内装材から脱落することを防止できる。
上記構成によれば、クリップ座、ボルト固定部及び仮保持部は、ロア部材が重ねられるアッパ部材の下端部に配置されるので、車室内から目視されず、ピラートリムの車室側の外観を損ねることはない。
図1、図2に示すように、アッパ部材20の下端部20Aには、車長方向の前側と後側の離間した位置に、それぞれ下方に突出する前側脚部30と後側脚部40がアッパ部材20と一体をなして設けられている。ピラーパネル10には、前側脚部30はクリップにより、後側脚部40はボルトにより、装着される。
図2に示すように、前側脚部30の裏面(車外側の面)には、クリップ座31が設けられている。クリップ座31は、車幅方向の車外側に突出しており、側板部32と、その先端側の座板部33とを有している。座板部33には、その中央部から下部に渡ってクリップ装着孔33aが形成されている。クリップ装着孔33aは、半円弧状の上端部を有し、下方に進むに従い一定幅の領域と、幅が広くなる領域とを有しており、下側の側板部32まで達している。
図3〜図6に示すように、この実施形態で用いられるボルト50は頭部にフランジ部51を有するとともに、軸部52の先端側にねじ部が形成されている。
ボルト50による後側脚部40のピラーパネル10への固定に先立って、クリップによる前側脚部30の固定を行う。そのため、クリップによる固定後に、ボルト50によるピラーパネル10への固定作業を円滑かつ容易に行うことができるように、ボルト50は、予め仮保持部41に保持される。
仮保持部42におけるスリット43に、車室側からボルト50の軸部52を通し、フランジ部51の座面を座面支持部44に当接させる。この状態で、軸部52にセッティングワッシャ60(抜け止めワッシャ)を取り付けて、後側脚部40の裏面(車外側の面)からは離間させておく。セッティングワッシャ60は、紙製で環状に形成され、内周に沿ってその中心方向に突出する突起61を有している。この突起61が軸部52のねじ部に噛み込まれて、軸部52はセッティングワッシャ60に圧入状態となるので、ボルト50のスリット43からの抜け落ちが防止される。このようにして、ボルト50は、アッパ部材20に仮保持部42で仮保持される。尚、セッティングワッシャ60は、樹脂、金属、その他の素材であってもよい。
次に、アッパ部材20の前側脚部30をクリップ(図示せず)によりピラーパネル10に固定するために、クリップ座31に取り付けられたクリップをピラーパネル10のクリップ係止孔(図示せず)に嵌め込む。そのためには、ピラーパネル10に位置合わせされ、上部が固定されたアッパ部材20の車室側から、前側脚部30のクリップ座31に相当する位置をピラーパネル10に向かって叩く(図1参照)。これにより、アッパ部材20には外力が加わるものの、ボルト50は、車体パネルから離れる方向に傾斜する仮保持部42に保持されているので、ピラーパネル10に当たらない。そのため、ピラーパネル10からの衝撃を受けることによるボルト50の脱落を防止できる。
図4に示すように、アッパ部材20の上部と前側脚部30とがピラーパネル10に固定された状態では、アッパ部材20にねじれ変形が生じることにより、後側脚部40とピラーパネル10との間にわずかに隙間Gが生じる。ボルト50は,仮保持部42に保持され、後側脚部40の下方に位置している。このボルト50を、図5に示すように、セッティングワッシャ60を取り外さずに、スリット43に沿って上方のボルト固定部41へと移動させる。このとき、ボルト50の軸部52は、後側脚部40とピラーパネル10との隙間Gを通る。また、セッティングワッシャ60が、軸部52において後側脚部40の裏面から離れた位置にあることにより、ボルト50は、仮保持部42とボルト固定部41との間の屈曲部を容易に通過できる。図6に示すように、ボルト固定部41でボルト50をピラーパネル10の螺合部11にねじ込むことにより、後側脚部40は、ボルト50によってピラーパネル10に固定される。
車両内装材は、ピラートリムのアッパ部材に限られず、ロア部材でもよく、ルーフサイドトリム、ドアトリム、インストルメントパネル等の種々の車両内装材であってもよい。
前側脚部にボルト固定部と仮保持部を設け、後側脚部にクリップ座を設けてもよい。
上記実施形態では、フランジ部を有するボルトを用いたが、フランジ部のないボルトを用いてもよい。
20 ピラートリムのアッパ部材(車両内装材)
20A アッパ部材の下端部
31 クリップ座
41 ボルト固定部
42 仮保持部
43 スリット
50 ボルト
52 軸部
60 セッティングワッシャ(抜け止めワッシャ)
Claims (3)
- 車両内装材と一体をなして形成されたボルト固定部を備え、上記ボルト固定部を貫通するボルトを用いて、上記車両内装材を車体パネルに装着する構造において、
さらに、上記ボルト固定部に隣接して連なり、上記車体パネルから離れる方向に傾斜する仮保持部を備え、
上記ボルト固定部から上記仮保持部にわたって連続して延びるスリットが形成されており、
上記ボルトは、その軸部が上記仮保持部において上記スリットを貫通し、この軸部に抜け止めワッシャが嵌められた状態で、仮保持されることを特徴とする車両内装材の装着構造。 - 上記車両内装材と一体をなして形成されたクリップ座をさらに備え、
このクリップ座には、上記車両内装材の車体パネルへの装着に用いられるクリップが取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両内装材の装着構造。 - 上記車両内装材がピラートリムのアッパ部材であって、上記アッパ部材の下端部に上記クリップ座と上記ボルト固定部が車長方向に離れて配置され、上記仮保持部が上記ボルト固定部から下方に向かって車室側に傾斜しており、上記アッパ部材の下端部に上記ピラートリムのロア部材の上端部が車室側から車幅方向に重なるようにして連結されることを特徴とする請求項2に記載の車両内装材の装着構造。
Priority Applications (1)
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JP2018030521A JP6916127B2 (ja) | 2018-02-23 | 2018-02-23 | 車両内装材の装着構造 |
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