JP2019143220A - 堆積膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 堆積膜を安価に形成可能な、堆積膜形成方法を提供する。【解決手段】 堆積膜形成装置を用いて、基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成工程、および、堆積膜形成工程の後、堆積膜形成装置から基体を搬出し、クリーニングガスを用いたプラズマCVD法によって、堆積膜形成装置の内部をクリーニングするクリーニング工程を有する堆積膜形成方法において、堆積膜形成装置から基体を搬出した後、堆積膜形成用の原料ガスを堆積膜形成装置の内部に流して放電を開始し、その後、原料ガスをクリーニングガスに徐々に切り替えて堆積膜形成装置の内部をクリーニングする。【選択図】 図2

Description

本発明はCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いた堆積膜形成方法に関する。
膜を形成する方法として、反応容器に導入された原料ガスを熱やプラズマなどのエネルギーで分解し、その分解生成物を基体の表面に被着させ、堆積膜を形成する方法が知られている。このような方法(堆積膜形成方法)は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法と呼ばれ、広く採用されている。例えば、CVD法で形成されたa−Si(アモルファスシリコン)膜の用途には、太陽電池や液晶表示装置で使用される薄膜トランジスター、半導体メモリー、電子写真感光体などが挙げられる。
基体の上に堆積膜を形成する場合、堆積膜を形成する反応容器の内部の他の構成部材などに堆積膜が形成されたり、粉体状の重合物(以下「ポリシラン」とも表記する。)が付着したりする場合がある。
これらの堆積膜やポリシランは、次回の堆積膜形成時に形成される堆積膜中に不純物として取り込まれる場合がある。その結果、得られる膜の特性を悪化させたり、基体の上にポリシランが付着し、堆積膜に欠陥を生じさせたりする場合がある。
こうしたことから、数回の堆積膜形成サイクルの後、または、堆積膜形成サイクルごとに反応容器の内部を清掃し、目的とする堆積膜形成箇所以外の部分に形成された堆積膜や付着したポリシランを除去して、クリーニングすることが行われる。
その際のクリーニング方法として、気相化学反応により、堆積膜またはポリシランを構成している元素を気相分子で還元してクリーニングする、いわゆる、ドライエッチングクリーニング方法が知られている。
ドライエッチングクリーニング方法(以下「クリーニング処理」とも表記する。)は、まず、ClF、CF、NF、SFなどのクリーニングガスを、反応容器の内部に導入する。そして、プラズマ、熱、光などのエネルギーによりクリーニングガスを励起状態とし、堆積膜やポリシランと反応させ、それらの元素を気相分子とし、排気手段によって排除してクリーニングする方法である。
特許文献1には、ClFを、高周波電力により分解してクリーニングする方法が開示されている。
クリーニングガスを分解することでクリーニング時間は大幅に短縮されるが、高周波電力を用いてグロー放電を生起させる場合、放電が円滑に生起しない場合がある。この原因は、堆積膜形成時に使用する原料ガスとクリーニング処理で使用するクリーニングガスが異なるため、堆積膜形成終了時の負荷側のインピーダンスと、クリーニング処理開始時の負荷側のインピーダンスが大きく変化するためである。
放電が円滑に生起しないと、高周波の反射電力が増大するため、高周波電源側の保護回路が働き、高周波出力をシャットダウンしてしまう。このため、クリーニング工程が停止してしまい、装置の稼働率が低下してしまう。
また、あまりに大きな反射電力が発生してしまうと、場合によっては電源が故障して、交換や修理などで装置の稼働率が下がり、さらなるメンテナンス費が発生してしまう。
特許文献2には、放電点火装置を用いて円滑に放電を開始させる方法が開示されている。
特許文献3には、ドライエッチング開始前に整合器の可変コンデンサーを所定の位置に移動させてインピーダンス調整した後に、高周波電力を導入することで、円滑に放電を開始させる方法が開示されている。
特開2002−212731号公報 特開平6−120144号公報 特開2008−300322号公報
上述の方法によれば、クリーニング処理開始時に円滑に放電を開始させることは可能であるが、装置が複雑となるため、装置コストが増加し、その結果、堆積膜の製造コストが増加してしまう。
そのため、クリーニングガスを使用する際の上述した問題点を解決しつつ、安価に堆積膜を形成する方法が望まれている。
本発明は、堆積膜を安価に形成可能な、堆積膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、
堆積膜形成装置を用いて基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成工程、および、
前記堆積膜形成工程の後、前記堆積膜形成装置から前記基体を搬出し、クリーニングガスを用いたプラズマCVD法によって、堆積膜形成装置の内部をクリーニングするクリーニング工程
を有する堆積膜形成方法において、
前記堆積膜形成装置から前記基体を搬出した後、堆積膜形成用の原料ガスを前記堆積膜形成装置の内部に流して放電を開始し、その後、前記原料ガスを前記クリーニングガスに徐々に切り替えて堆積膜形成装置の内部をクリーニングする
ことを特徴とする堆積膜形成方法である。
本発明によれば、クリーニング処理を開始する際に円滑に放電を開始させることが可能となり、装置稼働率を向上させることができる。それを、装置コストを増加させずに実施することができるので、安価に堆積膜を形成することができる。
a−Si電子写真感光体の製造するための堆積膜形成装置の一例を示す模式図である。 本発明のクリーニング処理開始時の、ガス流量、可変コンデンサーの容量、および、高周波電力の一例を示すグラフである。 従来のクリーニング処理開始時の、ガス流量、可変コンデンサーの容量、および、高周波電力の一例を示すグラフである。 従来のクリーニング処理開始時の、ガス流量、可変コンデンサーの容量、および、高周波電力の一例を示す別のグラフである。 a−Si電子写真感光体の層構成の一例を示す模式図である。
(堆積膜形成装置)
図1は、RF(Radio Frequency)−CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法)によってa−Si電子写真感光体を製造するための堆積膜形成装置100の一例を示す模式図である。
堆積膜形成装置100は、プラズマ処理によって円筒状の基体上(基体102上)に堆積膜を形成する装置である。円筒状のカソード電極103、絶縁体104、上壁105、ゲート弁106、底壁107により、減圧可能な反応容器101を形成している。
基体102は、使用目的に応じた材質であればよい。基体102の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンや、これらの合金が挙げられる。これらの中でも、加工性や製造コストを考慮すると、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金の場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金が好ましい。
反応容器101の内部には、加熱用ヒーター108が設けられている。加熱用ヒーター108は、真空中で使用可能なものであることが好ましい。具体的には、シース状ヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター、カーボンヒーターのような電気抵抗発熱体や、ハロゲンランプ、赤外線ランプのような熱放射ランプや、液体、気体を熱媒とした熱交換手段が挙げられる。
また、反応容器101の内部には、反応容器101の内部に堆積膜形成用の原料ガスを導入するための原料ガス導入管(原料ガス導入手段)109が設けられている。原料ガス導入管109は、保持される基体102の長手方向に平行に延びている。原料ガス導入管109は、接続配管120を介して、原料ガスの流量を調整するためのマスフローコントローラー(不図示)を介在させたミキシング装置121と、原料ガス流入バルブ122とを有するガス供給系に接続されている。
堆積膜形成装置100が備える排気系は、排気手段である真空ポンプユニット127が、排気配管123を介して、底壁107の排気口124に接続されている。排気配管123には、排気メインバルブ125が設けられている。また、反応容器101には、その内部の圧力を測定する真空計126が取り付けられている。これらを用いて、反応容器101の内部を、各工程に適した圧力に維持することができる。真空ポンプユニット127には、例えば、ロータリーポンプや、メカニカルブースターポンプを用いることができる。
カソード電極103には、オートマッチング機能を有するマッチングボックス110を介して、高周波電源(印加手段)111が電気的に接続されている。カソード電極103の上下は、セラミックス製の絶縁体104により、上壁105および底壁107と絶縁されている。上壁105には、反応容器101の内部と外部とを連通させる開閉部であるゲート弁106が設置されており、ここから、反応容器101に、基体102を保持する基体ホルダー112が搬入、搬出および設置される。
反応容器101の下部には、基体102および円筒状の補助基体113が装着された基体ホルダー112の長手方向の一端側を回転可能に保持する回転保持機構130が設けられている。回転保持機構130は、基体ホルダー112を回転させるための回転台131と、この回転台131を支持する支柱132と、モーター133を有している。回転台131は、モーター133により回転させられる。したがって、基体102は、基体ホルダー112上に装着された状態で、回転台131と共に支柱132を中心として回転させることができる。このとき、回転保持機構130は全て導電部材で構成されているため、基体112と底壁107は電気的に接続する状態となる。
以上のように構成された堆積膜形成装置100を用いて堆積膜を形成する手順の一例について図1および図2を用いて説明する。
(堆積膜形成方法)
まず、反応容器101の内部に、基体102および補助基体113が装着された基体ホルダー112を搬入し、回転保持機構130の上に載置した後、ゲート弁106を閉める。
その後、真空ポンプユニット127により排気された反応容器101の内部に、ミキシング装置121、原料ガス流入バルブ122、接続配管120および原料ガス導入管109を介して、基体102の加熱に必要な、例えば、ArやHeなどのガスを導入する。そして、反応容器101の内部を所定の圧力になるように、真空計126を確認しながら真空ポンプユニット127の回転周波数を調整する。この調整は、例えば、真空ポンプユニット127のメカニカルブースターポンプの回転周波数を調整することによって行うことができる。
次に、所定の圧力になった後、加熱用ヒーター108により基体102の温度を好ましくは200〜450℃、より好ましくは250〜350℃の温度に制御する。
以上の手順によって堆積膜を形成する準備が完了した後、基体102の外周面上に堆積膜の形成を行う。このために、まず、堆積膜形成用の原料ガスとして、原料ガスと希釈ガスおよび特性改善ガスを、ミキシング装置121を介して混合して導入し、導入ガスが所望の流量になるように調整する。その際、反応容器101の内部の圧力が13.3mPa〜1330Paの圧力になるように、真空計126を確認しながら真空ポンプユニット127の回転周波数を調整する。
堆積膜形成時に使用する原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、四フッ化ケイ素(SiF)、六フッ化二ケイ素(Si)のアモルファスシリコン形成用の原料ガスや、それらの混合ガスを用いることができる。希釈ガスとしては、例えば、水素(H)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)を用いることができる。また、特性改善ガスとしては、例えば、窒素原子を含むもの、酸素原子を含むもの、炭素原子を含むもの、フッ素原子を含むもの、これらの混合ガスを併用してもよい。窒素原子を含むものとしては、例えば、窒素(N)、アンモニア(NH)が挙げられる。酸素原子を含むものとしては、例えば、酸素(O)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、酸化二窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)が挙げられる。炭素原子を含むものとしては、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、アセチレン(C)、プロパン(C)の炭化水素が挙げられる。フッ素原子を含むものとしては、例えば、四フッ化ゲルマニウム(GeF)、フッ化窒素(NF)が挙げられる。また、ジボラン(B)、フッ化ホウ素(BF)、ホスフィン(PH)の特性改善ガスをともに放電空間に導入してもよい。
次に、反応容器101の内部の圧力が安定した後、高周波電源111を所定の電力に設定して、高周波電力を、マッチングボックス110を介してカソード電極103に供給する。マッチングボックス110のオートマッチィング機能により、マッチングボックス110に内蔵されている可変コンデンサーを動かし、負荷側のインピーダンスを調整することで、高周波グロー放電を生起させる。供給電力は、例えば、13.56MHzの周波数とすることができる。この放電エネルギーによって、反応容器101の中に導入された堆積膜形成用の原料ガスが励起されて励起種が生成されて、すなわち、分解されて、基体102の外周面上に堆積膜が形成される。
均一な堆積膜を形成するために、堆積膜を形成するのと同時期、または、基体102を加熱する段階から、基体102を回転させる。この回転は、0.5〜20rpm、例えば10rpmの回転速度とする。こうすることで、基体102の周方向に均一な堆積膜が形成される。
以上のようにして基体102の外周面上に堆積膜が形成される。
堆積膜が形成された後には、堆積膜形成用の原料ガスおよび高周波電力、加熱用ヒーター108の電力の供給を停止し、反応容器101の中を排気する。その後、反応容器101および原料ガス導入管109内をパージガス、例えば、ArやHeのような不活性ガスやNのガスなどを用いてパージ処理する。パージ処理完了後、基体102が装着された基体ホルダー112を反応容器101の中から搬出する。
(クリーニング処理)
反応容器101の内部に堆積した堆積膜およびポリシランをクリーニング処理する。手順としては、まず、基体102の替わりに、略同一形状のクリーニング用ダミー基体(不図示)を装着した基体ホルダー112を、反応容器101に搬入し、設置する。
次に、真空ポンプユニット127により反応容器101の中を排気する。
続いて、反応容器101の中にミキシング装置121および原料ガス導入管109を介して、堆積膜形成に使用したのと同じ堆積膜形成用の原料ガスを導入する。
そして、反応容器101の内部の圧力を所定の圧力になるように真空計126を確認しながら真空ポンプユニット127の回転周波数を調整する。
反応容器101の内部の圧力が安定した後、高周波電源111を所定の電力に設定して、高周波電力を、マッチングボックス110を介してカソード電極103に供給する。
マッチングボックス110のオートマッチィング機能により、マッチングボックス110に内蔵されている可変コンデンサーを動かし負荷側のインピーダンスを調整することで、高周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって、反応容器101の中に導入された堆積膜形成用の原料ガスが励起されて励起種が生成され、すなわち、分解される。
続いて、高周波電力をカソード電極103に供給した状態で、反応容器101の中にミキシング装置121および原料ガス導入管109を介してクリーニング処理に必要なクリーニングガスを徐々にクリーニング処理を行うガス流量まで導入していく。それとともに、堆積膜形成用の原料ガスを徐々に減少させていき、供給を停止する。
こうすることで、高周波グロー放電が円滑に生起し、かつ、高周波グロー放電を維持したまま、クリーニング処理に移行できる。
この放電エネルギーによって、反応容器101の中に導入されたクリーニングガスが分解され、反応容器101の内部のクリーニング処理が開始される。
クリーニング処理時に使用するクリーニングガスとしては、例えばCF(四フッ化炭素)、CF/O、SF、NF(三フッ化窒素)、ClF(三フッ化塩素)が挙げられる。これらの中でも、NF(三フッ化窒素)、CF(四フッ化炭素)およびNF(三フッ化窒素)からなる群より選択される少なくとも一種のガスが好ましい。クリーニング時間を短縮する観点から、ClF(三フッ化塩素)がより好ましい。また、クリーニングガスの濃度を調整するためにも、希釈用の不活性ガスを用いることが有効である。この不活性ガスとしては、例えば、He、Ne、Arなどのガスが挙げられるが、これらの中でもArのガスが好ましい。
図2は、この時のガス流量、マッチングボックス110の可変コンデンサーの容量、高周波電力の入射電力と反射電力の変化を示すグラフである。
図2において、それぞれ横軸は経過時間を示している。
ガス流量のグラフにおいて、実線は堆積膜形成用の原料ガスを示し、一点鎖線はクリーニングガスを示す。
マッチングボックス110の可変コンデンサーの容量のグラフにおいて、実線は高周波の導入経路に対して直列に設置されている可変コンデンサーTの容量を示し、破線は高周波の導入経路に対して並列に設置されている可変コンデンサーMの容量を示す。
高周波電力のグラフにおいて、実線は入射電力を示し、破線は反射電力を示す。
堆積膜形成が完了した時点で、マッチングボックス110の可変コンデンサーは、それぞれ、T1、M1の容量で動作が停止する。その後、反応容器101のパージ工程や、基体102の搬出工程およびダミー基体(不図示)の搬入工程の間は、高周波電源111およびマッチングボックス110は停止している。よって、マッチングボックス110の可変コンデンサーは、それぞれ、T1、M1の容量を維持している。
その後、クリーニング開始時は、前述のように、まず、堆積膜形成に使用したのと同じ堆積膜形成用の原料ガスが導入される。そして、高周波電力がカソード電極103に供給される。この時、マッチングボックス110の可変コンデンサーは、堆積膜形成が完了した時点の容量T1、M1を維持している。反応容器101のインピーダンスも、堆積膜形成が完了した時点のインピーダンスに極めて近い状態となる。その結果、インピーダンス整合が調整された状態で高周波電力が導入されるので、高周波電力のグラフに示されているように円滑に放電が生起する。また、マッチングボックス110のオートマッチィング機能により、反射電力も短時間で低下する。
その後、堆積膜形成用の原料ガスとクリーニングガスの入れ替えが行われるが、それぞれのガスを徐々に変化させて入れ替えが実施される。そのため、マッチングボックス110のオートマッチィング機能も十分に追従が可能となり、反射電力の増大が生じにくく、ガスの入れ替えが完了する。マッチングボックス110の可変コンデンサーは、クリーニングガスによるクリーニング工程開始時の容量のT2、M2となる。
クリーニング工程開始時に導入される堆積膜形成用の原料ガスは、反応容器101のインピーダンスが、堆積膜形成が完了した時点のインピーダンスに近い状態になることが好ましい。特に、堆積膜形成が完了した時点で使用していた原料ガスを用いることが、円滑に放電を開始させる観点から、より好ましい。
堆積膜形成用の原料ガスとクリーニングガスの入れ替え方は、放電が維持するように入れ替えることが好ましい。例えば、クリーニングガスの、反応容器101への導入のタイミングは、堆積膜形成用の原料ガスが一定の時に導入を開始してもよいし、堆積膜形成用の原料ガスが減少中の時に導入してもよい。
堆積膜形成用の原料ガスの停止のタイミングは、クリーニングガスがクリーニング処理を行うガス流用に達してから停止してもよいし、クリーニングガスの流量が増加中に停止してもよい。
それぞれのガスの変化のさせ方に関しては、連続的に変化させてもよいし、ステップ状に変化させてもよい。また、連続的に変化させる場合においては、直線的に変化させてもよいし、曲線的に変化させてもよい。
その後、例えば、所定の時間が経過後、クリーニング処理用の原料ガスおよび高周波電力の供給を停止し、反応容器101の中を排気する。その後、反応容器101および原料ガス導入管109の内部をパージガス、例えば、ArやHeのような不活性ガスやNのガスなどを用いてパージ処理する。パージ処理完了後、クリーニング用のダミー基体(不図示)が装着された基体ホルダー112を反応容器101から搬出する。
以上のように構成される堆積膜形成方法によれば、クリーニング処理を開始する際に、円滑に放電を開始させることが可能となり、装置稼働率を向上させることができる。それを、放電添加装置や、可変コンデンサーをあらかじめ所定の位置に移動させる装置などを設置せずに実施が可能なので、装置コストが増加せず、安価に堆積膜を形成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〈実施例1〉
図1に示す堆積膜形成装置100を用いて、アルミニウム製の直径84mm、長さ381mm、肉厚3mmの円筒状の基体102の表面に、表1に示す条件で、堆積膜を形成して、図5に示す層構成のa−Si電子写真感光体を作製した。符号501は円筒状の基体を示し、符号502は下部阻止層(第1層)を示し、符号503は光導電層(第2層)を示し、符号504は表面層(第3層)を示す。
作製したa−Si電子写真感光体を堆積膜形成装置100から取り出した後、クリーニング用のダミー基体(不図示)が装着された基体ホルダー112を反応容器101に設置し、表2に示す条件で、クリーニング処理を行った。
まず、a−Si電子写真感光体の作製が完了した時点となる表面層形成時と同じ原料ガスであるSiHとCHを、原料ガス導入管109を介して反応容器101に導入した。そして、反応容器の圧力も表面層形成時と同じ値に維持して、高周波電力を表面層形成時の電力になるように、徐々に導入した。高周波グロー放電が生起し、高周波電力が所定の値に達したら、この状態で30秒間放電を維持させた。
その後、ミキシング装置121内のマスフローコントローラーにより、SiHとCHを徐々に減少させ、それとともにClFとArを徐々に増加させていった。そして、60秒かけて、SiHとCHを停止し、それとともにClFとArをクリーニング処理の条件の流量とした。
また、同時に、反応容器101の内圧に関しては、真空ポンプユニット127のメカニカルブースターポンプの回転周波数を調整して、70Paから100Paに徐々に増加させた。また、高周波電力も徐々にクリーニング処理時の値に増加させた。
いずれの場合も、直線的に変化させた。
そして、11000秒経過した時点で、クリーニング処理用の原料ガスおよび高周波電力の供給を停止し、反応容器101の中を排気した。その後、反応容器101および原料ガス導入管109の内部を、Nを用いてパージ処理した。パージ処理完了後、クリーニング用のダミー基体(不図示)が装着された基体ホルダー112を反応容器101から搬出した。
以上のようにして、a−Si電子写真感光体の作製およびクリーニング処理を連続20回実施した。
1回目のクリーニング工程開始時の、ガス流量、マッチングボックス110の可変コンデンサーの容量、高周波電力の入射電力と反射電力の変化を図2のグラフに示す。
連続20回実施したところ、いずれも、図2のように、クリーニング開始時に円滑に放電が開始され、かつ円滑にクリーニング処理を実施することができた。
Figure 2019143220
Figure 2019143220
〈比較例1〉
比較例1では、実施例1と同様に、a−Si電子写真感光体を作製した。ただし、比較例1では、表3に示す条件で、クリーニング処理を行った。
そして、実施例1と同様にして、a−Si電子写真感光体の作製およびクリーニング処理を連続20回実施した。
連続20回実施したところ、5回クリーニング開始時に高周波電源111が異常警報を発報し、いずれの場合も高周波電源111がシャットダウンした。
いずれの場合も、工程を中断し、堆積膜形成装置100に不具合が無いか調査を行った。そして、異常がないことが確認されたら、再度通常のクリーニング工程を再開した。
すなわち、高周波電源111がシャットダウンしてクリーニング工程が再開されるまで、製造工程が停止することになった。
図3と図4に、高周波電源111がシャットダウンしたときの典型的なガス流量、マッチングボックス110の可変コンデンサーの容量、高周波電力の入射電力と反射電力の変化のグラフを示す。
図3および図4において、それぞれ、横軸は経過時間を示している。
ガス流量のグラフにおいて、実線は堆積膜形成用の原料ガスとクリーニングガスを示す。
マッチングボックス110の可変コンデンサーの容量のグラフにおいて、実線は高周波の導入経路に対して直列に設置されている可変コンデンサーTの容量を示し、破線は高周波の導入経路に対して並列に設置されている可変コンデンサーMの容量を示す。
高周波電力のグラフにおいて、実線は入射電力を示し、破線は反射電力を示す。
前述のように、クリーニング工程が開始する直前までは、マッチングボックス110の可変コンデンサーはそれぞれ堆積膜形成が完了した時点での容量T1、M1を維持している。
図3においては、高周波電力を上昇していると、グラフの「P」の位置で、高周波電源111がシャットダウンしている。可変コンデンサーの容量のグラフでは、可変コンデンサーTおよび可変コンデンサーMともに、マッチングボックス110のオートマッチング機能により、クリーニング条件時の整合ポイントT2、M2(グラフのカッコ内に示す。)に向かって、制御を開始している。
しかし、T1とT2およびM1とM2それぞれが離れているため、T2、M2に達する前に反射電力が規定値を超えてしまい、高周波電源111が異常を検知してしまう。
可変コンデンサーの動作スピードをアップすることは可能であるが、スピードアップすることで、いわゆるハンチング現象が生じてしまう。ハンチング現象とは、可変コンデンサーの動作スピードが上昇した結果、マッティングポイントを行き過ぎてしまい、それが連続して起こった場合に、反射電力が一定の周期で大きく変動する現象である。
図4においては、高周波電力を上昇していると、グラフの「Q」の位置で、一度放電が生起し、反射電力も一度低下している。その後は、入射電力の上昇に伴い、反射電力も上昇してくる。
可変コンデンサーの容量のグラフでは、可変コンデンサーTおよび可変コンデンサーMともに、マッチングボックス110のオートマッチング機能により、クリーニング条件時の整合ポイントT2、M2(グラフのカッコ内に示す。)に向かって、制御を開始している。しかし、T1とT2およびM1とM2それぞれが離れているため、T2、M2に達する前に反射電力が規定値を超えてしまい、高周波電源111が異常を検知してしまう。
比較例1において、高周波電源111のシャットダウンが発生していないときは、図4のように、一度放電が生起し、その後の反射電力の上昇のときに規定値をかろうじて超えなくて、その後、可変コンデンサーが、T2、M2の容量に達していた。
Figure 2019143220
実施例1および比較例1から明らかなように、本発明の堆積膜形成方法によれば、クリーニング処理を開始する際に、円滑に放電を開始させることが可能となり、装置稼働率を向上させることができる。それを、放電添加装置や、可変コンデンサーをあらかじめ所定の位置に移動させる装置などを設置せずに実施が可能なので、装置コストが増加せず、安価に堆積膜を形成することができる。
100 堆積膜形成装置
101 反応容器
102 基体
103 カソード電極
104 絶縁体
105 上壁
106 ゲート弁
107 底壁
108 加熱用ヒーター
109 原料ガス導入管
110 マッチングボックス
111 高周波電源
112 基体ホルダー
113 補助基体
120 接続配管
121 ミキシング装置
122 原料ガス流入バルブ
123 排気配管
124 排気口
125 排気メインバルブ
126 真空計
130 回転保持機構
131 回転台(軸)
132 支柱
133 モーター

Claims (5)

  1. 堆積膜形成装置を用いて、基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成工程、および、
    前記堆積膜形成工程の後、前記堆積膜形成装置から前記基体を搬出し、クリーニングガスを用いたプラズマCVD法によって、前記堆積膜形成装置の内部をクリーニングするクリーニング工程
    を有する堆積膜形成方法において、
    前記堆積膜形成装置から前記基体を搬出した後、堆積膜形成用の原料ガスを前記堆積膜形成装置の内部に流して放電を開始し、その後、前記原料ガスを前記クリーニングガスに徐々に切り替えて堆積膜形成装置の内部をクリーニングする
    ことを特徴とする堆積膜形成方法。
  2. 前記原料ガスが、炭化水素を含み、
    前記クリーニングガスが、三フッ化塩素、四フッ化炭素および三フッ化窒素からなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む
    請求項1に記載の堆積膜形成方法。
  3. 前記クリーニングガスが、三フッ化塩素を含む請求項2に記載の堆積膜形成方法。
  4. 前記クリーニングガスが、さらにアルゴンを含む請求項2または3に記載の堆積膜形成方法。
  5. 前記原料ガスが、シランおよびメタンを含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
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