JP2019142263A - ケーブルクランプ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも自由に、向きを変えたり回動したりできるケーブルクランプ構造を提供する。【解決手段】ケーブルクランプ構造は、球状表面85を有しケーブル93,94の長手方向中間部分を把持する球状クランプ部材81と、球状クランプ部材81を包囲して球状表面と摺接する凹状曲面、凹状曲面の一側にあってケーブルの一端側が通される一方開口82p、および凹状曲面の他側にあってケーブルの他端側が通される他方開口82qを有し、球状クランプ部材を回動可能に保持するホルダ部材82とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、繰り返し曲げ伸ばしされる電気ケーブルを保持する構造に関する。
電動車両の車輪内部にインホイールモータを設け、該車輪をインホイールモータで駆動する技術が従来知られている。かかる電動車両では、車体にエンジンやモータを搭載する必要がなく、居室空間や荷室空間等、車体の内部空間を大きくすることができる点で有利である。電動車両の車体には、サスペンション装置を介して、インホイールモータが連結される。また車体には、インホイールモータの制御部、バッテリ、およびインバータが搭載される。そしてサスペンション装置のばね下(車輪側)に連結されるインホイールモータと、サスペンション装置のばね上(車体側)に搭載されるインバータとを電気ケーブルで接続する。
電気ケーブルは、大電流が流れるため、あるいは多数の信号線を束ねてなるため、太くされる。また電気ケーブルは、可撓性を有し、車輪およびインホイールモータの転舵や、路面の凹凸に応じた車輪およびインホイールモータの上下動に追随する。このとき電気ケーブルは繰り返し曲げ伸ばしされたり、あるいは繰り返しねじれたり、あるいはインホイールモータとの接続部で繰り返しこじられたりするので、電気ケーブルの耐久性が問題となる。
電気ケーブルの耐久性を向上させる技術としては従来、例えば、特許4628136号公報(特許文献1)に記載の構造が知られている。特許文献1記載の構造は、電気ケーブルを略水平に配線し、電気ケーブル(配線ともいう)の中間箇所を配線保持部で把持する。配線保持部は車体から車幅方向外側に突き出たアームの先端にピンで連結され、ピンを中心として回動可能である。インホイールモータが車体に対して相対変位すると配線保持部が回動し、車体側のケーブル取付部で電気ケーブルに捻じり方向に力が発生するのを防止し、ケーブル取付部の首元でケーブルが断線するのを防止するというものである。
また特許文献1には、他の例として、4本の電気ケーブルを把持する配線クランプとサスペンション装置のアッパーアームをボールジョイントで連結することが記載される。
特許4628136号公報 図10および図4
上述した曲げ伸ばしやねじれの原因として電気ケーブルの端部が変位したり、向きを変えたり、ねじれたりすることによって当該端部から電気ケーブル全体に作用する外力が挙げられる。電気ケーブルに作用する外力として、電気ケーブルの延在方向に作用する押し引きと、電気ケーブルを中心線として周方向に作用するねじれと、電気ケーブルの延在方向と交差する曲げがある。かかる外力が電気ケーブルのクランプ箇所に受け止められる際、電気ケーブルが曲げ伸ばしされたり、ねじれたり、こじれたり等して疲労する。
そこで電気ケーブルの疲労を緩和するために、クランプ箇所が電気ケーブルに作用する外力に追従して、変位したり、向きを変えたり、回動するとよく、特に、互いの動きが独立している等によって動きの自由度が大きいとよい。
ところが特許文献1記載のピンで連結する構造では、配線保持部がピンを中心軸線として変位を伴って回動するのみであり、向きを変える方向が軸線直角方向に限定されていた。また特許文献1記載のボールジョイントで連結する構造では、配線クランプがボールジョイントを中心として回動したり、変位したりできるものの、配線クランプはボールジョイントを支点とする動きに限定される。このため従来の構造では、回動および向きの自由度に制約があった。換言すると、従来の配線保持部および配線クランプは位置を変えることなく向きを変える動きが制約されていた。
本発明は、上述の実情に鑑み、従来よりも自由度の大きな動きを可能にするクランプ構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるケーブルクランプ構造は、一端がインホイールモータ駆動装置に接続され、他端が車体に接続され、これら一端および他端間で曲げ伸ばしされるケーブルを支持する構造であって、球状表面を有しケーブルの長手方向中間部分を把持する球状クランプ部材と、周を描くように延びて球状クランプ部材を包囲し当該クランプ部材の球状表面と摺接する凹状表面、凹状表面の一側にあってケーブルの一端側が通される一方開口、および凹状球面の他側にあってケーブルの他端側が通される他方開口を有し、球状クランプ部材を回動可能に保持するホルダ部材とを備える。
かかる本発明によれば、球状クランプ部材が向きの変更と回動を別々に行うことから、球状クランプ部材が従来よりも自由に向きを変えたり、自由に回動したりすることができる。したがってケーブルの曲げ伸ばしを従来よりも緩和して、ケーブルの耐久性を向上させることができる。ホルダ部材は、インホイールモータ駆動装置、あるいはサスペンション部材、あるいは車体に固定される。サスペンション部材および車体はインホイールモータ駆動装置からみて車体側に取り付けられていることから、車体側メンバともいう。ホルダ部材の凹状曲面は球状表面を包囲するソケットの役割を果たすものであればよく凹状曲面の種類は特に限定されない。凹状曲面は例えば凹状球面である。また凹状球面に平面を継ぎ足してもよい。
本発明の一局面として球状クランプ部材は、ケーブルが通される貫通孔から球状クランプ部材の表面まで延びる分割面で複数のセグメントに分割可能であり、1のセグメントは爪部を有し、他のセグメントは1のセグメントの爪部と係合する被係合部を有する。かかる局面によれば、球状クランプ部材にケーブルを取り付ける作業を効率良く行うことができる。他の局面として、ボルト等の連結手段を用いてセグメント同士を連結固定してもよい。
本発明の好ましい局面として球状クランプ部材は、ケーブルの断面形状に対応する形状の切欠きと、切欠きに通されるケーブル部分を覆うセグメントを有する。かかる局面によれば、ケーブルが切欠きに嵌め込まれ仮止めされる。したがって球状クランプ部材にケーブルを取り付ける作業を効率良く行うことができる。他の局面として、切欠きとケーブルの間に緩衝材を附設してもよい。好ましい局面として、ケーブルを仮止めするセグメントを他のセグメントで覆うことによって、該ケーブルは球状クランプ部材に確り固定される。
ホルダ部材の一方開口および他方開口は、球状クランプ部材の直径よりも小さくされる。これにより球状クランプ部材はホルダ部材から脱落しない。本発明のさらに好ましい局面としてホルダ部材の一方開口および他方開口は、一方領域から中央領域を経て他方領域まで細長く形成された長穴であり、ホルダ部材の凹状曲面は、長穴の一方領域を構成する一方凹状球帯と、長穴の他方領域を構成する他方凹状球帯を含み、ホルダ部材は長穴の中央領域を構成して互いに向き合う1対の円弧溝をさらに有し、かかる円弧溝の一方は一方凹状球帯および凹状球帯の一端同士と接続し、円弧溝の他方は一方凹状球帯および他方凹状球帯の他端同士と接続する。かかる局面によれば、球状クランプ部材はホルダ部材内部で変位可能となり、一層自由に動くことができる。したがってケーブルの曲げ伸ばしを一層緩和することができる。他の局面として、ホルダ部材の一方開口および他方開口は、真円であってもよい。
本発明の一局面として、ホルダ部材の凹状曲面は一方開口側の凹状曲面と他方開口側の凹状曲面を含み、ホルダ部材はこれら両側の凹状曲面同士を接続する面をさらに有する。かかる局面によれば、凹状曲面が幅広に形成され、一方開口から他方開口までの寸法が拡幅される。したがって球状クランプ部材が一方開口および他方開口間を変位することができる。これら両側の凹状曲面同士を接続する面は、円筒の内周面であったり、平面であったりする。
本発明の一局面として、一方向に延びてホルダ部材を一方向に案内するガイド手段をさらに備える。かかる局面によれば、ホルダ部材を変位させることにより球状クランプ部材を変位させることができる。したがってケーブルの曲げ伸ばしを一層緩和することができる。他の局面として、ホルダ部材は相手材、例えば車体に固定されてもよい。
インホイールモータ駆動装置は、車輪の内部に配置され、車輪とともに転舵したり、上下方向にバウンド・リバウンドしたりする。このためインホイールモータ駆動装置は、サスペンション装置を介して車体に取り付けられる。本発明の一局面として、ホルダ部材は車体に連結される。車体として例えば、車体ボデーであったり、車体ボデーに連結されるサブフレームであったりする。これによりケーブルの中間部分は車体に支持される。本発明の他の局面として、ホルダ部材はサスペンション装置に連結される。サスペンション装置として例えばサスペンション装置のアーム部材であったり、リンク部材であったりする。これによりケーブルの中間部分はサスペンション装置に支持される。
このように本発明によれば、クランプ部材が自身の位置を変えることなく自由な方向に回転することができる。
本発明のケーブルクランプ構造をインホイールモータ駆動装置およびサスペンション装置とともに示す模式図であり、車幅方向内側からみた状態を表す。 図1に対応する実施形態を示す模式図であり、車両前方からみた状態を表す。 図1に対応する実施形態を示す模式図であり、車両上方からみた状態を表す。 インホイールモータ駆動装置を示す模式図であり、車幅方向外側からみた状態を表す。 ケーブルクランプ構造の第1実施形態を示す側面図である。 ケーブルクランプ構造の第1実施形態を示す正面図である。 ケーブルクランプ構造の第1実施形態を示す横断面図である。 ケーブルクランプ構造の第1実施形態を示す斜視図である。 ケーブルクランプ構造の第1実施形態を示す分解図である。 第1実施形態から球状クランプ部材を取り出して示す正面図である。 第1実施形態の球状クランプ部材を示す分解図である。 球状クランプ部材の向きが変わる様子を示す斜視図である。 球状クランプ部材が回動する様子を示す斜視図である。 球状クランプ部材の変形例を示す横断面図である。 球状クランプ部材の他の変形例を示す横断面図である。 変形例のホルダ部材を示す正面図である。 変形例のホルダ部材を示す側面図である。 他の変形例のホルダ部材を示す正面図である。 他の変形例のホルダ部材を示す側面図である。 別な変形例のホルダ部材を示す正面図である。 別な変形例のホルダ部材を示す側面図である。 第2実施形態を示す斜視図である。 第3実施形態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明のケーブルクランプ構造をインホイールモータ駆動装置およびサスペンション装置とともに示す模式図であり、車幅方向内側からみた状態を表す。図2は、図1に対応する実施形態を示す模式図であり、車両前方からみた状態を表す。図3は、図1に対応する実施形態を示す模式図であり、車両上方からみた状態を表す。図2に示すように車体101(車体101の車幅方向外側部分のみ示す)の車幅方向外側に車輪ホイールW、インホイールモータ駆動装置10、およびサスペンション装置70が配置される。また車輪ホイールW、インホイールモータ駆動装置10、およびサスペンション装置70は車体101の車幅方向両側に左右対称に配置され、電動車両を構成する。
車輪ホイールWの外周には仮想線で示すタイヤTが嵌合する。車輪ホイールWおよびタイヤTは車輪を構成する。車輪ホイールWのリム部Wrは、車輪の内空領域を区画する。かかる内空領域にはインホイールモータ駆動装置10が配置される。インホイールモータ駆動装置10は車輪ホイールWと連結して車輪を駆動する。
サスペンション装置70はストラット式サスペンション装置であり車幅方向に延びるロアアーム71と、ロアアーム71よりも上方に配置されて上下方向に延びるストラット76を含む。ストラット76は車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10よりも車幅方向内側に配置され、ストラット76の下端がインホイールモータ駆動装置10と結合し、ストラット76の上端が車輪ホイールWよりも上方で車体101と連結する。なおストラット76と、車輪ホイールWの上部と、インホイールモータ駆動装置10の上部は、車体101の車幅方向外側に形成されるホイールハウス102に収容される。
ストラット76は上端領域にショックアブソーバ77を内蔵して上下方向に伸縮可能なサスペンション部材である。ショックアブソーバ77の外周には仮想線で概略を示すコイルスプリング78が配置され、ストラット76に作用する上下方向の軸力を緩和する。ストラット76の上端部および中央部には、コイルスプリング78の上端および下端を挟んで保持する1対のコイルスプリングシート79b,79cが設けられる。ショックアブソーバ77の内部にはストラット76に作用する軸力を減衰させるダンパーが設けられる。
ロアアーム71は、インホイールモータ駆動装置10の軸線Oよりも下方に配置されるサスペンション部材であって、車幅方向外側端72および車幅方向内側端73d,73fを含む。ロアアーム71は、車幅方向外側端72で、ボールジョイント60を介してインホイールモータ駆動装置10に連結される。またロアアーム71は車幅方向内側端73d,73fで図示しない車体側メンバに連結される。車幅方向内側端73d,73fを基端とし、車幅方向外側端72を遊端として、ロアアーム71は上下方向に揺動可能である。なお車体側メンバとは説明される部材からみて車体側に取り付けられる部材をいう。車幅方向外側端72とストラット76の上端76aを結ぶ直線は、上下方向に延びて転舵軸線Kを構成する。転舵軸線Kは基本的には上下方向に延びるが、車幅方向および/または車両前後方向に若干傾斜してもよい。
ロアアーム71よりも上方にはタイロッド69が配置される。タイロッド69は車幅方向に延び、タイロッド69の車幅方向外側端がインホイールモータ駆動装置10と回動可能に連結する。タイロッド69の車幅方向内側端は図示しない操舵装置と連結する。操舵装置はタイロッド69を車幅方向に進退動させて、インホイールモータ駆動装置10および車輪ホイールWを転舵軸線K回りに転舵させる。
サスペンション装置70の作用により、インホイールモータ駆動装置10は上下方向にバウンド・リバウンドしたり、左右方向に転舵したりすることができる。
次にインホイールモータ駆動装置につき説明する。
図4は図1〜図3に示すインホイールモータ駆動装置を取り出して示す模式図であり、車幅方向外側からみた状態を表す。インホイールモータ駆動装置10は、車輪ホイールWの中心と連結する車輪ハブ軸受部11と、車輪の車輪ホイールWを駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両のホイールハウス(図2の符号102)に配置される。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されるのではなく、図4に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。インホイールモータ駆動装置10は電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
図1に示すようにインホイールモータ駆動装置10の上部には動力ケーブル端子箱25bが設けられる。動力ケーブル端子箱25bはモータ部(図4の符号21)の上部に形成され、複数の動力ケーブル接続部91を有する。本実施形態の動力ケーブル端子箱25bは、3個の動力ケーブル接続部91を有し、三相交流電力を受電する。各動力ケーブル接続部91には動力ケーブル93の一端が接続される。動力ケーブル93の芯線は、動力ケーブル端子箱25b内部で、モータ部(図4の符号21)から延びる導線と接続する。
インホイールモータ駆動装置10の車幅方向内側面25vには信号ケーブル端子箱25cが設けられる。信号ケーブル端子箱25cは、動力ケーブル端子箱25bから離隔する。信号ケーブル端子箱25cは図1に示すように軸線Oから車両前後方向にずらして配置される。信号ケーブル端子箱25cはモータ部21の回転角度を検出する図示しない回転角センサを収容する。信号ケーブル端子箱25cには信号ケーブル接続部61が設けられる。信号ケーブル接続部61は信号ケーブル端子箱25cの壁部分と、該壁部分を貫通する貫通孔と、この貫通孔に近接する壁部分に設けられた雌ねじ孔(図示せず)を有する。貫通孔にはスリーブ62および信号ケーブル94が通される。スリーブ62は、筒状体であり、信号ケーブル94の外周に密着して、信号ケーブル94を保護し、貫通孔と信号ケーブル94との環状隙間を封止する。スリーブ62の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部63が形成される。ボルト64は舌部63を貫通して信号ケーブル接続部61に形成される雌ねじ孔にねじ込まれ、これによりスリーブ62は信号ケーブル接続部61に取付固定される。
信号ケーブル94は導電体からなる複数の芯線と、複数の芯線を束ねるように被覆する絶縁体の被覆部からなり、屈曲可能である。信号ケーブル94の一端は、信号ケーブル接続部61と接続する。図示はしなかったが信号ケーブル94は一端から車体101(図2)まで延びる。
各動力ケーブル接続部91も、信号ケーブル接続部61と同様に構成され、動力ケーブル端子箱25bの壁部分と、該壁部分を貫通する貫通孔と、この貫通孔に近接する壁部分に設けられた雌ねじ孔(図示せず)を有する。貫通孔にはスリーブ92および動力ケーブル93の一端部が通される。スリーブ92および動力ケーブル93は、動力ケーブル接続部91の貫通孔から車体101側へ延出する。動力ケーブル93はスリーブ92に通されて、スリーブ92から車体101側へ延出する。各スリーブ92は、筒状体であり、動力ケーブル93の外周に密着して、動力ケーブル93を保護する。また各スリーブ92は、動力ケーブル93の一端部とともに動力ケーブル接続部91の貫通孔に差込固定されて、動力ケーブル93の一端部を保持し、さらに動力ケーブル93と貫通孔との環状隙間を封止する。スリーブ92を抜け止めするため、スリーブ92の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部92tが形成される。図1に示すボルト91bは、舌部92tを貫通し、動力ケーブル接続部91に形成される雌ねじ孔にねじ込まれる。これによりスリーブ92は動力ケーブル接続部91に取付固定される。
動力ケーブル93および信号ケーブル94を区別しない場合、単にケーブルともいう。これらのケーブルは、一端でインホイールモータ駆動装置に接続され、他端で車体に接続され、インホイールモータ駆動装置10のバウンド・リバウンドおよび転舵に伴ってこれら一端および他端間で曲げ伸ばしされる。詳しくは後述するが、本実施形態のケーブルは図2に細い矢で示すように回動したり、向きを変えたりする。
次に電気ケーブルの配線構造につき説明する。
車体101には図示しないインバータが搭載される。インバータとインホイールモータ駆動装置10の間には複数本の電気ケーブルが配線される。具体的には3本の太い動力ケーブル93と1本の細い信号ケーブル94が配線される。インバータはインホイールモータ駆動装置10およびサスペンション装置70からみて車体に設けられることから、車体側メンバともいう。
3本の動力ケーブル93は三相交流電力を車体101からモータ部21に供給する。各動力ケーブル93は導電体からなる芯線と、芯線の全周を覆う絶縁体の被覆部からなり、屈曲可能である。動力ケーブル93の一端は、各動力ケーブル接続部91およびスリーブ92によって、他端側が車両後方かつ車幅方向内側に向かって斜めの姿勢になるよう保持される。動力ケーブル93の他端は、車体101に搭載されるインバータ(図示せず)と接続する。
図2に示すように各動力ケーブル93は、動力ケーブル93の一端と他端の間の中間箇所93jでケーブルクランプ構造80に把持される。各動力ケーブル93は、一端と中間箇所93jの間に、連続して延びる3つの領域を含む。これら3つの領域のうち、インホイールモータ駆動装置10と接続する側の領域をインホイールモータ駆動装置側領域93dと呼び、車体101と接続する側の領域を車体側領域93fと呼び、インホイールモータ駆動装置側領域93dと車体側領域93fの間の領域を中間領域93eと呼ぶ。
インホイールモータ駆動装置側領域93dは、転舵軸線Kに沿って上下方向に延び、インホイールモータ駆動装置側領域93dの上側でインホイールモータ駆動装置10側と接続し、インホイールモータ駆動装置側領域93dの下側で中間領域93eと接続する。車体側領域93fは、上下方向に延び、車体側領域93fの下側で中間領域93eと接続し、車体側領域93fの上側で車体101側と接続する。中間領域93eは、中間領域93eの両側を上方とし中間領域93eの中間部分を下方として湾曲して延びる。
複数の動力ケーブル93は、ケーブルクランプ構造80に束ねられ、上下方向に延びるよう保持される。ケーブルクランプ構造80の上下方向位置は、3個の動力ケーブル接続部91のうち少なくとも1個の上下方向位置と重なる。このため動力ケーブル93の一端側は、下向きに膨らむU字状に湾曲した状態で、インホイールモータ駆動装置10および車体101に配線される。つまりケーブルクランプ構造80は、連続して延びるインホイールモータ駆動装置側領域93dと中間領域93eと車体側領域93fが略U字状で下向きにたわむように、動力ケーブル93を把持する。動力ケーブル93のうち中間箇所93jおよび中間箇所93jの近傍部分は、ケーブルクランプ構造80によって上下方向に延びる姿勢に保持される。
インホイールモータ駆動装置側領域93dは相対的に車幅方向外側に配置され、車体側領域93fは車幅方向内側に配置される。このため中間領域93eは車幅方向に延びる。中間領域93eは、両側をインホイールモータ駆動装置側領域93dおよび車体側領域93fによって吊り下げられ、クランプ部材によって把持されず、宙に浮いている。インホイールモータ駆動装置側領域93dと中間領域93eと車体側領域93fは、何ら把持されず、ホイールハウス102内で宙空に架設される。車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10が車体101に対して相対変位すると、動力ケーブル93のたるみ形状が変化する。
ケーブルクランプ構造80は、ホイールハウス102を区画する壁に設けられる。当該壁の車幅方向内側壁面にケーブルクランプ構造80を配置することにより、車体側領域93fをホイールハウス102よりも車幅方向内側に配線することができる。そしてホイールハウス102を区画する壁を迂回するように動力ケーブル93を配線し得るのみならず、ホイールハウス102の壁面をインホイールモータ駆動装置10に近づけてホイールハウス102を小さくすることができる。
図1に示すように各動力ケーブル接続部91と接続する各動力ケーブル93の一端部は、インホイールモータ駆動装置側領域93dに向かって水平方向に延出するが、まもなく下方へ向きを変えて延び、インホイールモータ駆動装置側領域93dの上側に連なる。
動力ケーブル端子箱25bおよび3個の動力ケーブル接続部91は軸線Oよりも車両前方に配置され、各動力ケーブル接続部91は車両後方に指向する。これによりインホイールモータ駆動装置側領域93dを転舵軸線Kの近傍に配線することができる。あるいは図示しない変形例として、動力ケーブル端子箱25bおよび3個の動力ケーブル接続部91は軸線Oよりも車両後方に配置され、各動力ケーブル接続部91は車両前方に指向してもよい。
また車輪ホイールWが転舵しない直進状態で、3個の動力ケーブル接続部91は軸線Oよりも車両前方に配置され、ケーブルクランプ構造80は軸線Oよりも車両後方に配置される。これによりインホイールモータ駆動装置側領域93dを転舵軸線Kの近傍に配線することができる。あるいは図示しない変形例として、3個の動力ケーブル接続部91は軸線Oよりも車両後方に配置され、ケーブルクランプ構造80は軸線Oよりも車両前方に配置されてもよい。いずれにせよ直進状態で、インホイールモータ駆動装置側領域93dの車両前後方向位置が、車体側領域93fの車両前後方向位置に重なるよう配置されるとよい。
図2に示すように各動力ケーブル93は、中間箇所93jと他端の間に、第2たるみ領域93gを含む。車体側領域93fと中間箇所93jと第2たるみ領域93gは、上下方向に連続して延びる。
連続して略U字状に延びるインホイールモータ駆動装置側領域93dと中間領域93eと車体側領域93fは、下向きに膨らむたるみ形状の第1たるみ領域に相当する。第2たるみ領域93gは、逆U字状に延びて上向きに膨らむたるみ形状であり、中間箇所93jから他端に向かうほど上向きから下向きへ徐々に向きを変えて延びる。第2たるみ領域93gの他端側は、中間箇所93jとは別なケーブルクランプ構造80に把持される。
第2たるみ領域93gの他端側は、ケーブルクランプ構造80に束ねられ、上下方向に延びるよう保持される。このケーブルクランプ構造80の上下方向位置も、3個の動力ケーブル接続部91のうち少なくとも1個の上下方向位置と重なる。このため動力ケーブル93の他端側は、上向きに膨らむ逆U字状に湾曲した状態で、車体101に配線される。つまり車幅方向外側のケーブルクランプ構造80および車幅方向内側のケーブルクランプ構造80は、第2たるみ領域93gが逆U字状のたるみ形状になるように、動力ケーブル93を把持する。
このため第2たるみ領域93gは車幅方向に延びる。第2たるみ領域93gは、両端をケーブルクランプ構造80,80によって支持され、その他のクランプ部材によって把持されず、宙に浮いている。車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10が車体101に対して相対変位すると、ケーブルクランプ構造80が向きを変えたり、回動したり、変位して、第2たるみ領域93gのたるみ形状が変化する。
次にケーブルクランプ構造につき詳細に説明する。
図5は第1実施形態のクランプ構造を示す側面図であり、電気ケーブルの短手方向にみた状態を表す。図6は第1実施形態のクランプ構造を示す正面図であり、電気ケーブルの長手方向にみた状態を表す。図7は第1実施形態のクランプ構造を示す横断面図であり、電気ケーブルの長手方向にみた状態を表す。図8は第1実施形態のクランプ構造を示す斜視図である。図9は第1実施形態のクランプ構造を示す分解図である。
ケーブルクランプ構造80は、可動部材になる球状クランプ部材81および固定部材になるホルダ部材82を備える。球状クランプ部材81は球体であるが、厳密には球体の中心を通る中心直線の両側で球体を中心直線に直角な平面で切り落とした形状にされる。かかる一方端面83bから他方端面83cまで複数の貫通孔が形成され、各貫通孔に動力ケーブル93が通される。これにより動力ケーブル93の長手方向中間部分は球状クランプ部材81に把持される。同様に信号ケーブル94の長手方向中間部分も球状クランプ部材81に把持される。これにより各動力ケーブル93の長手方向中間部分および信号ケーブル94の長手方向中間部分は球状クランプ部材81によって整列される。図6に示すように電気ケーブルの延在方向にみて、電気ケーブルは方形に配置される。図10は、球状クランプ部材81を取り出して示す正面図である。球状クランプ部材81は、一方端面83bと他方端面83cの間で球状表面85を有する。球状表面85は球状クランプ部材81の全周に亘って形成される凸状の球帯である。
図10に示すように球状クランプ部材81は各電力ケーブルが通される大径の貫通孔81mと、小径の貫通孔81nが形成される。図11は球状クランプ部材81を取り出して示す分解図であり、球状クランプ部材81は複数のセグメントから構成される。
中心セグメント81cは立方体から4箇所の角部を円弧状に切り欠いた形状とされる。これら切欠きのうち、1箇所の切欠き81eは残る3箇所の切欠き81dよりも小さくされる。
2個の外周セグメント81aはそれぞれ、180°の凸状の球帯81qおよび方形の凹部81gを組み合わせた形状とされる。凹部81gは中心セグメント81cの半分と嵌合し、中心セグメント81cの2箇所の切欠き81d,81d(あるいは切欠き81d,81e)を覆う。このとき大径の各動力ケーブル93は各切欠き81dに係合し、外周セグメント81aおよび中心セグメント81cで挟み込まれる。貫通孔81mと動力ケーブル93の隙間には緩衝材81kが介在する。小径の信号ケーブル94は切欠き81eに係合し、外周セグメント81aおよび中心セグメント81cで挟み込まれる。貫通孔81nと信号ケーブル94の隙間には緩衝材81kが介在する。
各外周セグメント81aには、球帯81qから凹部81gまで延びる貫通孔81hが形成される。貫通孔81hと球帯81qの接続箇所は貫通孔81hよりも大径の丸穴81iにされる。中心セグメント81cには、貫通孔81hと接続する雌ねじ穴81fが形成される。
貫通孔81hには丸穴81iからボルト81bが通され、ボルト81bの軸部が雌ねじ穴81fと螺合し、ボルト81bの頭部が丸穴81iに収容されて丸穴81iの底面に接触する。これにより複数のセグメントは互いに結合して球状クランプ部材81を構成するとともに、動力ケーブル93および信号ケーブル94は球状クランプ部材81に把持される。
図6および図7に示すようにホルダ部材82は、Ω字形状あるいは逆U字形状の金属製バンドであり球状表面85に沿って球状クランプ部材81に巻き付いている。本実施形態では180°を越え360°未満の範囲で巻き付いている。ホルダ部材82は球状表面85と摺接する凹状球面82dを有する。図5に示すようにホルダ部材82は球状表面85よりも幅狭とされる。
ホルダ部材82は両端部でボルト84等の固定手段により基部86に固定される。図9を参照して本実施形態の組み立ては、まず図10に示す球状クランプ部材81で電気ケーブルを把持し、次にホルダ部材82の両端間を開くように弾性変形させてこれら両端間に球状クランプ部材81を入れ込むとよい。
両端部をボルト84で基部86に固定されたホルダ部材82は、球状クランプ部材81を確りと保持する。基部86は、ホイールハウス102(図2)の壁であったり、車体ボデーであったり、車体側に取り付けられたサブフレームであったりする。あるいは基部86はプレート等の部材であって、車体101に連結される。
ホルダ部材82の幅方向一方および他方は、電気ケーブルが通される一方開口82pおよび他方開口82qとされる。球状クランプ部材81は、ホルダ部材82に保持されながら、左右方向または上下方向に向きを変えることができる。球状クランプ部材81の向きの変更はユニバーサルジョイントまたはボールジョイントと同様、方向自在である。
図12はホルダ部材82に保持される球状クランプ部材81が傾斜する動きを示す。かかる傾斜はいずれの方向にも可能であり、動力ケーブル93および信号ケーブルがホルダ部材82と干渉しない範囲で球状クランプ部材81は任意の方向に向きを変えることができる。図13はホルダ部材82に保持される球状クランプ部材81が回動する動きを示す。かかる回動は正転・逆転いずれも可能である。さらに図12に表される傾斜する動きと図13に表される回動する動きは組み合わせ自在である。
図5〜図13に示す実施形態によれば、球状クランプ部材81において、傾斜および回動を互い独立させることができ、自由度の大きな動きが実現する。
次に本実施形態の変形例につき説明する。
図14は変形例の球状クランプ部材を示す横断面図であり、前述した図7の球状クランプ部材に対応する。変形例につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。中心セグメント81oは、立方体の4箇所の角部に切欠き81p,81rをそれぞれ設ける。切欠き81pは円形断面であり、大径の貫通孔81mの径と等しい。切欠き81rは円形断面であり、大径の貫通孔81nの径と等しい。各動力ケーブル93および信号ケーブル94は、各切欠き81p,81rに嵌め込まれ、仮固定される。
外周セグメント81sは、半円形状の輪郭を有する。外周セグメント81sの円弧部分に沿って球帯81qが形成される。また当該円弧部分の両端部には切欠き81uがそれぞれ形成される。また当該半円形状の弦の中央部には方形の凹部81gが形成される。さらに外周セグメント81sの両端部には貫通孔81vがそれぞれ形成される。各貫通孔81vは各切欠き81uと接続する。
外周セグメント81tは、前述した外周セグメント81aと同じ半円状の外観形状であるが、外周セグメント81tの両端部には雌ねじ穴81wがそれぞれ形成される。外周セグメント81s,81tの凹部81gに中心セグメント81oが係合して球状クランプ部材81が組み立てられると、外周セグメント81s,81tの端部同士が隣接し、各貫通孔81vは各雌ねじ穴81wと接続する。
各貫通孔81vには切欠き81uからボルト81bが通され、ボルト81bの軸部が雌ねじ穴81wと螺合し、ボルト81bの頭部が切欠き81uに収容されて外周セグメント81sの端部に接触する。これにより複数のセグメントは互いに結合して球状クランプ部材81を構成するとともに、動力ケーブル93および信号ケーブル94は球状クランプ部材81に把持される。またボルト81bの頭部は球帯81qよりも内径側に配置される。
図14に示す変形例の球状クランプ部材81も、前述した図10に示す球状クランプ部材81と同様、動力ケーブル93および信号ケーブル94が通される貫通孔81m,81nから球状クランプ部材81の表面まで延びる分割面で複数のセグメント81o,81s,81tに分割可能である。
また球状クランプ部材81は、動力ケーブル93の断面形状に対応する円形の切欠き81pと、信号ケーブル94の断面形状に対応する形状の切欠き81rと、これらの切欠き81p,81rに通される電気ケーブルを覆う外周セグメント81tを有することから、球状クランプ部材81の組立作業において電気ケーブルを仮止めすることができ、球状クランプ部材81を効率的に組み立てることができる。
図14に示す変形例では、電気ケーブルを仮止めする中心セグメント81oを別な部材(外周セグメント81s,81t)で覆うことによって、該電気ケーブルは球状クランプ部材81に確り固定される。ボルト81b等の連結手段は、外周セグメント81s,81t同士を連結固定するものであって、中心セグメント81oを外周セグメント81s,81tに連結固定するものではない。しかしながら結果的に中心セグメント81oは外周セグメント81s,81tに包囲されて、全てのセグメントが1個の球状クランプ部材81にまとめられる。
次に本実施形態の他の変形例につき説明する。
図15は他の変形例の球状クランプ部材を示す横断面図であり、前述した図7の球状クランプ部材に対応する。他の変形例につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。他の変形例の球状クランプ部材81は、外周セグメント81x,81yおよび中心セグメント81oで構成される。
外周セグメント81yは、互いに対向する1対の腕部81l,81lを有し、かかる1対の腕部81l,81lで外周セグメント81xを抱えるように保持する。外周セグメント81xの両側には爪部81jがそれぞれ形成される。腕部81lには爪部81jと係合する凹部81zが形成される。爪部81jと凹部81zの係合によって、外周セグメント81xは外周セグメント81yに取付固定される。
外周セグメント81yの外周縁は、一方の腕部81lから外周セグメント81yの中央領域を経て他方の腕部81lまで一連の円弧を構成する。かかる円弧には前述した図11に示すように球帯81qが形成される。外周セグメント81xの外周縁にも球帯81qが形成される。外周セグメント81yの球帯81qは180°を超える領域を占め、外周セグメント81xの球帯81qは180°未満の超える領域を占める。外周セグメント81xと外周セグメント81yが結合すると、両者の球帯81q,81qは互いに接続して、360°全周に球状表面85(図8)を形成する。
図15に示す他の変形例の外周セグメント81xは爪部81jを有し、外周セグメント81yは爪部81jと係合する凹部81zを有する。他の変形例によれば、ボルト81bを用いることなく、外周セグメント81xと中心セグメント81oと外周セグメント81yを互いに連結固定して1個の組立体、すなわち球状クランプ部材81、を組み立てることができる。
次に本実施形態の変形例につき説明する。
図16は変形例のホルダ部材を示す正面図であり、開口の貫通方向にみた状態を表す。図17は変形例のホルダ部材を示す側面図であり、開口の貫通方向と直角な方向にみた状態を表す。変形例につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。
変形例のホルダ部材82は直方体であり、一方面の中心部に円形の一方開口82pが形成され、他方面の中心部に円形の他方開口82qが形成され、これらの開口82p,82qは互いに接続して貫通孔をなす。ホルダ部材82の一方開口82pおよび他方開口82qには図示しない電気ケーブルが通される。
蓋材82aと基材82bに2分割可能である。蓋材82aと基材82bの分割線82cは、一方開口82pおよび他方開口82qを2等分する位置とされる。蓋材82aと基材82bの結合は図示しない連結手段、例えばボルト及び雌ねじ穴、による。
基材82bの両端部には突起82eがそれぞれ形成され、各突起82eにはボルト84が通される貫通孔が穿設される。基材82bはボルト84によって基部86に固定される。変形例のホルダ部材82に保持される球状クランプ部材81は、前述した図12および図13と同様、自由な方向に向きを変えたり、回動したりすることができる。
次に本実施形態の他の変形例につき説明する。
図18は他の変形例のホルダ部材を示す正面図であり、開口の貫通方向にみた状態を表す。図19は他の変形例のホルダ部材を示す側面図であり、開口の貫通方向と直角な方向にみた状態を表す。他の変形例につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。
他の変形例のホルダ部材82は環状部材82fとブラケット82gを有する。環状部材82fは閉じた帯鋼からなる。環状部材82fの中心孔は、図18に示すように長穴形状とされ、図19に示すように貫通方向の一方および他方で、一方開口82pおよび他方開口82qをそれぞれ構成する。図18に示すように長穴形状における一方領域は、凹状球帯82jとされる。また長穴形状における他方領域も凹状球帯82kとされる。また長穴形状における中央領域は、凹状球帯82jの端部と凹状球帯82kの端部を連絡する1対の円弧溝82lとされる。つまり環状部材82fの内周面は全周に亘って円弧溝をなす。図18に示すように正面視において凹状球帯82j,82kは半円とされ、円弧溝82lは直線とされる。ただし円弧溝82lは平行であればよく、直線に限定されない。
これら凹状球帯82j,82kおよび円弧溝82lの曲率は、球状クランプ部材81の外径と対応する。1対の円弧溝82lの距離は球状クランプ部材81の直径よりも小さい。このため球状クランプ部材81が一方開口82pおよび他方開口82qから環状部材82fの外部へ抜け出すことはない。
ブラケット82gは帯板からなる。ブラケット82gの中央部は環状部材82fの外周面と結合し、一方の円弧溝82lに沿って延びる。ブラケット82gの全長は一方の凹状球帯82jから他方の凹状球帯82kまでの最大寸法よりもさらに長い。ブラケット82gの両端部には段差が形成され、これによりブラケット82gの一方端部は一方の凹状球帯82jから離れるよう配置され、ブラケット82gの他方端部は他方の凹状球帯82kから離れるよう配置される。
ブラケット82gの両端部には貫通孔がそれぞれ穿設される。これらの貫通孔にはボルト84が通される。各ボルト84の軸部が基部86に形成された雌ねじ穴に螺合し、各ボルト84の頭部がブラケット82gの端部に係止することにより、ブラケット82gは基部86に取付固定される。
図示しない球状クランプ部材は、他の変形例のホルダ部材82に保持されて、1対の円弧溝82lに沿って変位可能である。また球状クランプ部材は、前述した図12および図13に示すように、向きを変えたり回動したりする動きが可能である。
次に本実施形態の別な変形例につき説明する。
図20は別な変形例のホルダ部材を示す正面図であり、開口の貫通方向にみた状態を表す。図21は別な変形例のホルダ部材を示す側面図であり、開口の貫通方向と直角な方向にみた状態を表す。別な変形例につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。
別な変形例のホルダ部材82は、前述した図16および図17の変形例と同様に、分割可能なセグメントを組み立てたものである。さらに別な変形例のホルダ部材82は、上述した図18および図19の変形例と同様に、図示しない球状クランプ部材を保持しながら、球状クランプ部材が向きを変えるよう傾斜したり、回動したり、変位したりする動きを、各々独立して許容する。
別な変形例では上述した凹状球帯82j,82kおよび円弧溝82lに代えて、1周をなして連続する幅広溝82jj,82kk,82llを有する。
図21に示す幅広溝82llは、上述した円弧溝82l(図19)を幅方向に拡大したものである。幅広溝82llの溝底は平面とされ、1対の幅広溝82llの溝底同士が平行にされる。かかる溝底同士の距離は、球状クランプ部材81の直径に対応する。
幅広溝82llの溝側面は、凹状の円弧断面にされる。該円弧断面の曲率は球状クランプ部材81表面の曲率に対応する。
各幅広溝82jj,82kkの溝断面は、幅広溝82llと同じ断面形状である。ただし各幅広溝82jj,82kkは半円形状をなすように延びる。当該半円形状の直径は、球状クランプ部材81の直径に対応する。
球状クランプ部材81は幅広溝82jj,82kk,82llに保持されつつ、該幅広溝の溝底に沿って溝幅方向に変位可能である。また球状クランプ部材81は該幅広溝の溝側面に係止され、幅広溝82jj,82kk,82llからの抜け出しを防止される。
別な変形例によれば、図21に示すように幅広溝82jj,82kk,82llが一方開口82p側の凹状曲面と他方開口82q側の凹状曲面を含む。幅広溝82llはこれら両側の凹状曲面同士を接続する平面をさらに含む。また幅広溝82jj,82kkはこれら両側の凹状曲面同士を接続する面をさらに含む。これにより、幅広溝82jj,82kk,82llは幅広に形成され、一方開口82pから他方開口82qまでの寸法が拡幅される。したがって球状クランプ部材81が一方開口82pおよび他方開口82q間を変位することができる。
次に本実施形態の第2実施形態につき説明する。
図22は第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態のケーブルクランプ構造100につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。
第2実施形態の基部86は、ガイド部材87に固定される。ガイド部材87は互いに向き合うように突出する1対の爪部87fを有する。各爪部87fは、ガイドレール88に形成された各溝88gに係合する。1対の爪部87fは、平行に配置される所定の長さの突条である。
ガイドレール88は、ガイド部材87よりも長尺な形状であり、ガイドレール88の長手方向に延びている正面88bおよび1対の溝88gを有する。溝88gは正面88bの両側に配置される。
1対の爪部87fは1対の溝88gに係合したままとされ、これによりガイドレール88はガイド部材87によって脱落しないよう保持される。さらにガイド部材87はガイドレール88に沿って摺動可能である。これによりガイド部材87は正面88b上を変位する。ガイド部材87およびガイドレール88は一組のガイド手段である。
ガイドレール88の両端部には貫通孔65が形成される。貫通孔65にはボルト等の連結手段が通されるとともに当該ボルトの軸部が図示しない相手材に螺合することによって、ガイドレール88は相手材に取付固定される。ここでいう相手材とは例えば車体であったり、あるいはロアアーム等のサスペンション部材であったりする。
図22に示す第2実施形態では、ガイドレール88が一方向に延び、ホルダ部材82がガイド部材87によってガイドレール88の延在方向に案内されることから、ガイドレール88の長さに応じて、球状クランプ部材81の変位量を大きくすることができる。
次に本発明の第3実施形態を説明する。
図23は第3実施形態を示す斜視図である。第3実施形態のケーブルクランプ構造110につき、上述した実施形態と共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、上述した実施形態と異なる部分について適宜説明する。
第3実施形態のガイドレール88は、ガイド部材89に固定される。ガイド部材89は、ガイドレール88の背面と結合し、互いに向き合うように突出する1対の爪部89fを有する。各爪部89fは、ガイドレール90に形成された各溝90gに係合する。1対の爪部89fは、平行に配置される所定の長さの突条である。
ガイドレール90は、ガイド部材89よりも長尺な形状であり、ガイドレール90の長手方向に延びている正面90bおよび1対の溝90gを有する。溝90gは正面90bの両側に配置される。
1対の爪部89fは1対の溝90gに係合したままとされ、これによりガイドレール90はガイド部材89によって脱落しないよう保持される。さらにガイド部材89はガイドレール90に沿って摺動可能である。これによりガイド部材89は正面90b上を変位する。ガイドレール90の両端部には貫通孔65が形成される。ガイド部材89およびガイドレール90は別な一組のガイド手段である。
ガイドレール88,90は異なる方向に延びるように配置される。第3実施形態のガイドレール88,90は直角方向に配置される。
図23に示す第3実施形態では、ガイドレール88,90がそれぞれ別な方向に延び、ホルダ部材82がガイド部材87によってガイドレール88の延在方向に案内されるとともにガイド部材89によってガイドレール90の延在方向に案内される。これによりホルダ部材82は2次元の変位が可能になり、球状クランプ部材81の自由な変位を実現できる。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述した他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
本発明のケーブルクランプ構造は、インホイールモータ駆動装置を有する電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 インホイールモータ駆動装置、 70 サスペンション装置、
71 ロアアーム(サスペンション部材)、
76 ストラット(サスペンション部材)、
80 ケーブルクランプ構造、 81 球状クランプ部材、
81a,81s,81t,81x,81y 外周セグメント、
81c,81o 中心セグメント、 81f,81w 雌ねじ穴、
81g,81z 凹部、 81m,81n 貫通孔、
81j 爪部、 81k 緩衝材、 81q 球帯81q、
82 ホルダ部材、 82d 凹状球面(凹状曲面)、
82j,82k 凹状球帯(凹状曲面)、 82l 円弧溝(凹状曲面)、
82p 一方開口、 82q 他方開口、
82jj,82kk,82ll 幅広溝、 85 球状表面、
86 基部、 87,89 ガイド部材(ガイド手段)、
88,90 ガイドレール(ガイド手段)。

Claims (7)

  1. 一端がインホイールモータ駆動装置に接続され、他端が車体に接続され、前記一端および前記他端間で曲げ伸ばしされるケーブルを支持する構造であって、
    球状表面を有し前記ケーブルの長手方向中間部分を把持する球状クランプ部材と、
    前記球状クランプ部材を包囲して前記球状表面と摺接する凹状曲面、前記凹状曲面の一側にあって前記ケーブルの一端側が通される一方開口、および前記凹状曲面の他側にあって前記ケーブルの他端側が通される他方開口を有し、前記球状クランプ部材を回動可能に保持するホルダ部材とを備える、ケーブルクランプ構造。
  2. 前記球状クランプ部材は、前記ケーブルが通される貫通孔から前記球状クランプ部材の表面まで延びる分割面で複数のセグメントに分割可能であり、1の前記セグメントは爪部を有し、他の前記セグメントは前記爪部と係合する被係合部を有する、請求項1に記載のケーブルクランプ構造。
  3. 前記球状クランプ部材は、前記ケーブルの断面形状に対応する形状の切欠きと、前記切欠きに通される前記ケーブル部分を覆うセグメントを有する、請求項1または2に記載のケーブルクランプ構造。
  4. 前記一方開口および前記他方開口は、一方領域から中央領域を経て他方領域まで細長く形成された長穴であり、
    前記ホルダ部材の前記凹状曲面は、前記長穴の前記一方領域を構成する一方凹状球帯と、前記長穴の前記他方領域を構成する他方凹状球帯を含み、
    前記ホルダ部材は、前記長穴の前記中央領域を構成して互いに向き合う1対の円弧溝をさらに有し、
    前記円弧溝の一方は前記一方凹状球帯および前記他方凹状球帯の一端同士を接続し、
    前記円弧溝の他方は前記一方凹状球帯および前記他方凹状球帯の他端同士を接続する、請求項1または2に記載のケーブルクランプ構造。
  5. 前記ホルダ部材の前記凹状曲面は、前記一方開口側の凹状曲面と前記他方開口側の凹状曲面を含み、
    前記ホルダ部材は、これら両側の凹状曲面同士を接続する面をさらに有する、請求項1〜4のいずれかに記載のケーブルクランプ構造。
  6. 一方向に延びて前記ホルダ部材を前記一方向に案内するガイド手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のケーブルクランプ構造。
  7. 前記ホルダ部材は、前記車体に連結される、請求項1〜6のいずれかに記載のケーブルクランプ構造。
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