JP2019141804A - イオン交換装置の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機物を吸着したイオン交換樹脂を十分に再生することができるイオン交換装置の再生方法を提供する。【解決手段】イオン交換樹脂層を有するイオン交換装置に再生薬液を通液する工程を有するイオン交換装置の再生方法において、イオン交換装置への再生薬液の通液を停止してイオン交換樹脂層を再生薬液に浸漬状態とする浸漬工程をさらに有することを特徴とするイオン交換装置の再生方法。イオン交換樹脂はアニオン交換樹脂特に弱塩基性アニオン交換樹脂が好ましく、再生薬液はアルカリ水溶液が好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、イオン交換装置の再生方法に係り、特に被処理水が工業用水、河川水、井水など有機物を含んでいる場合に好適なイオン交換装置の再生方法に関する。
イオン交換樹脂を用いて脱イオン処理する場合、被処理水中のTOC成分もイオン交換樹脂により除去される。TOC成分は弱酸性であるため、被処理水のpHが中性ないしはアルカリ性であると、TOC成分は解離し、アニオン交換樹脂に吸着される。
アニオン交換樹脂には、弱塩基性アニオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とがある。弱塩基性アニオン交換樹脂は、再生が容易であり、また安価であるが、官能基が弱塩基性であるため、被処理水がアルカリ性であるとイオン交換能が乏しく、中性ないし酸性の被処理水のみを処理対象とする。強塩基性アニオン交換樹脂は、全pH域でアニオン交換するが、再生に強塩基性の再生液が必要となる。そのため、有機物(TOC成分)を多く含む原水を処理して純水を製造する場合、弱塩基性アニオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とを組み合わせて用い、TOC成分由来のアニオンはなるべく弱塩基性アニオン交換樹脂で除去し、強塩基性アニオン交換樹脂への負荷を小さくすることがある。
イオン交換装置により純水を製造する際、原水として井水等の地下水,河川水,湖沼水あるいはこれらの混合水を使用することがある。このような原水中には、各種の不純物が含まれているため、この不純物を各種の処理法で除去した処理水をイオン交換処理して純水を製造している。
そこで例えば、原水にポリ塩化アルミニウムを添加すると共に、被処理水のpHを中性とし、水酸化アルミニウムを沈殿させると同時に原水中の主要不純物を凝集沈殿除去する方法を採用することがある。イオン交換処理による純水製造用の原水が、有機物、特に、フミン酸やフルボ酸を多く含むと、凝集沈殿法では有機物その他の不純物を十分には除去できない。そのため凝集沈殿槽の後段にある純水装置への有機物負荷が大きくなる。
イオン交換装置内のイオン交換樹脂が有機物を吸着した場合、装置の性能低下現象がすぐに発現することは少なく、経時的に時間をかけて発現することが殆どである。これは、イオン交換樹脂の性能低下は有機物の蓄積に影響されるためである。
アニオン交換樹脂に吸着した有機物は、苛性ソーダ等のアルカリ薬品で再生すればある程度樹脂から除去できることが知られている(特許文献1)。しかし、水源種や純水装置の設置地域、採水時の季節や気温、天候といった様々な外的環境に応じて給水の有機物組成が異なり、明確な分子式で表せないため、イオン交換樹脂の再生を的確に行うことができないことが多い。即ち、アニオン交換樹脂に付着した有機物は、選択係数等の物性パラメータが明らかではないため、どの程度薬液を流せば有機物が十分に除去されるか十分には明らかではない。
被処理水に有機物が含有されている場合、有機物はイオン交換樹脂に吸着され、特に、被処理水を下向流通水するイオン交換装置にあっては、イオン交換樹脂層の上部に有機物が多く吸着する。
本発明は、有機物を吸着したイオン交換樹脂を十分に再生することができるイオン交換装置の再生方法を提供することを目的とする。
本発明のイオン交換装置の再生方法は、イオン交換樹脂層を有するイオン交換装置に再生薬液を通液する工程を有するイオン交換装置の再生方法において、イオン交換装置への再生薬液の通液を停止してイオン交換樹脂層を再生薬液に浸漬状態とする浸漬工程をさらに有することを特徴とする。
本発明の一態様では、イオン交換装置に再生薬液を通液して第1通液工程を行い、再生薬液の通液を停止して前記浸漬工程を行い、再生薬液を通液して第2通液工程を行う。
本発明の一態様では、前記イオン交換装置は、被処理水が下向流通水されたものであり、前記第1及び第2通液工程では再生薬液を上向流通水し、前記第2通液工程の後、純水を上向流通水し、イオン交換装置内の再生薬液を排出する排出工程を行い、次いで、純水を下向流通水してイオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程を行う。
本発明の一態様では、前記洗浄工程の後、イオン交換装置に純水を下向流通水し、流出水をイオン交換手段でイオン交換処理した後、前記イオン交換装置に下向流通水する。
本発明の一態様では、イオン交換樹脂はアニオン交換樹脂特に弱塩基性アニオン交換樹脂であり、再生薬液はアルカリ薬剤の水溶液である。
本発明のイオン交換装置の再生方法では、イオン交換樹脂を再生薬液に浸漬した状態とする浸漬工程を行うので、イオン交換樹脂を十分に、かつ再生薬液を過剰に通液することなく、再生することができる。
本発明では、イオン交換装置に再生薬液を通液する通液工程と、再生薬液の通液を停止して浸漬状態とする浸漬工程とによって、イオン交換樹脂を再生する。再生薬液の通液方向は、イオン交換装置への被処理水(原水)の通水方向と反対方向であることが好ましい。原水の通水方向は下向流であることが好ましい。原水としては、井水、河川水、湖沼水、これらと同等水質の工場排水の少なくとも1種が好ましい。
イオン交換装置のイオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂が好適であり、特に弱塩基性アニオン交換樹脂が好適である。再生薬液としてはNaOH(苛性ソーダ)等のアルカリ水溶液が好適である。再生薬液は、40〜60℃特に45〜50℃に加温されたものであってもよい。
弱塩基性アニオン交換樹脂層を有した下降流通水方式のイオン交換装置を再生する場合、通液工程の条件は、濃度1〜10wt%、特に2〜4wt%のNaOH水溶液をLV=5〜20m/hr、特に10〜12m/hrの上向流で通液することが好ましい。浸漬工程では、通液を停止し、イオン交換樹脂を再生薬液に20〜60min特に30〜40min浸漬状態とすることが好ましい。なお、浸漬工程では、通液を完全に停止するのが好ましいが、微量の再生薬液を通液してもよい。
本発明では、イオン交換装置を再生する場合、再生薬液を通液する通液工程と、イオン交換樹脂を再生薬液に浸漬状態とする浸漬工程とを行う。
本発明では、後述の実施例のように、イオン交換装置に再生薬液をイオン交換樹脂層が浸漬状態となる量以上注入した後、注入を停止して浸漬工程を行い、その後再生薬液を通液する通液工程を行ってもよい。
好ましくは、本発明では、イオン交換装置を再生する場合、図2(a)のように、まずイオン交換装置に再生薬液を通液して第1通液工程を行った後、通液を停止して浸漬工程を行い、その後通液を再開して第2通液工程を行うことが好ましい。ただし、通液工程と浸漬工程とを1回ずつ行ってもよい。また、上記第2通液工程の後に第2浸漬工程や、さらに第3通液工程を行ってもよい。
本発明では、上記の通液工程と浸漬工程とによる薬液洗浄を行った後、純水によってイオン交換樹脂を洗浄することが好ましい。
この洗浄を行うには、図2(a)の通り、純水をイオン交換装置に上向流通水して装置内の再生薬液を排出する排出工程を行った後、純水を下向流通水して装置内の水(再生薬剤を少量含んでいる)を排出する洗浄工程を行うことが好ましい。また、本発明では、この洗浄工程の後、循環工程を行うことが好ましい。この循環工程では、上記洗浄工程の後、イオン交換装置内の水をイオン交換手段に通水してイオン交換処理し、このイオン交換処理した水を再度イオン交換装置に戻して下向流通水する。イオン交換手段としては、アニオン交換樹脂塔が好適である。
これにより、イオン交換装置内の水中の残留再生薬剤成分が十分に除去される。
この一連の工程によりなる再生が終了した後、原水を下向流にて通水する採水工程に復帰する。
上記の通液又は通水方向(下向流、上向流)は一例であり、上記とは逆の通液又は通水方向としてもよい。
なお、図2(b)は、通液のみを行うことにより再生を行う従来例を示す参考フロー図である。
[実施例1]
原水として、TOC濃度2ppmの井水を用いた。
原水として、TOC濃度2ppmの井水を用いた。
三菱ケミカル株式会社製の弱アニオン交換樹脂WA−30Cを0.6L(充填層高0.5m)収容したアニオン交換樹脂塔に原水をSV=100/Hrの下向流にて2Hr通水した後、再生を行った。
再生工程では、まず再生薬液(NaOH4wt%水溶液)を装置内を満たすように注入した後、注入を停止し、30min間浸漬状態とし、浸漬工程を行った。その後、上記再生薬液を10m/hrにて上向流通液した。この通液工程開始後における流出液(再生排液)の260nm吸光度を経時的に測定した。結果を図1に示す。
[比較例1]
実施例1において、再生に際して浸漬工程を行わず、通液工程のみを行った。再生薬液の濃度及び上向流通液速度は実施例1と同一とした。再生排液の吸光度の経時変化を図1に示す。
実施例1において、再生に際して浸漬工程を行わず、通液工程のみを行った。再生薬液の濃度及び上向流通液速度は実施例1と同一とした。再生排液の吸光度の経時変化を図1に示す。
図1の通り、通液開始から吸光度がピークとなるまでの時間は、実施例1及び比較例1とで殆ど差はない(実施例1の方が若干早い)が、ピーク高さは実施例1の方が高い。
また、吸光度がピークとなった時点から、吸光度がピーク吸光度の1/10にまで低下する時間を見ると、実施例1では2min(ピーク時間4min、1/10吸光度時間6min。6−4=2min)と短いのに対し、比較例1では、3min(ピーク時間4min、1/10吸光度時間7min。7−4=3min)と実施例1に比べて50%も長くなっていることが認められた。これは、実施例1では、浸漬工程の間に吸着有機物がイオン交換樹脂から剥離ないし溶離したためであると考えられる。
Claims (5)
- イオン交換樹脂層を有するイオン交換装置に再生薬液を通液する工程を有するイオン交換装置の再生方法において、イオン交換装置への再生薬液の通液を停止してイオン交換樹脂層を再生薬液に浸漬状態とする浸漬工程をさらに有することを特徴とするイオン交換装置の再生方法。
- 請求項1において、
イオン交換装置に再生薬液を通液して第1通液工程を行い、
再生薬液の通液を停止して前記浸漬工程を行い、
再生薬液を通液して第2通液工程を行う
ことを特徴とするイオン交換装置の再生方法。 - 請求項2において、前記イオン交換装置は、被処理水が下向流通水されたものであり、
前記第1及び第2通液工程では再生薬液を上向流通水し、
前記第2通液工程の後、純水を上向流通水し、イオン交換装置内の再生薬液を排出する排出工程を行い、
次いで、純水を下向流通水してイオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程を行うことを特徴とするイオン交換装置の再生方法。 - 請求項3において、前記洗浄工程の後、イオン交換装置に純水を下向流通水し、流出水をイオン交換手段でイオン交換処理した後、前記イオン交換装置に下向流通水することを特徴とするイオン交換装置の再生方法。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、イオン交換樹脂はアニオン交換樹脂であり、再生薬液はアルカリ薬剤の水溶液であることを特徴とするイオン交換装置の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018029853A JP2019141804A (ja) | 2018-02-22 | 2018-02-22 | イオン交換装置の再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018029853A Pending JP2019141804A (ja) | 2018-02-22 | 2018-02-22 | イオン交換装置の再生方法 |
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2018
- 2018-02-22 JP JP2018029853A patent/JP2019141804A/ja active Pending
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