JP2019140969A - 鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置 - Google Patents

鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置 Download PDF

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Abstract

【課題】収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる、鮮度保持方法を提供する。【解決手段】鮮度保持方法は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持方法であって、白色光の存在下において、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を照射する。そして、照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、がある。主照射期間がX時間であり、副照射期間がY時間であり、1日あたりの主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、光の照射によって野菜や果物等の鮮度を保持する鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に関する。
従来、収穫後の農作物に対して赤色光などを照射することで、農作物の鮮度を保持する方法が知られている。例えば、特許文献1には、イチゴ等に赤色光及び遠赤色光を同時又は交互に照射する鮮度保持方法が開示されている。
特開2016−26484号公報
しかしながら、特許文献1に係る鮮度保持方法では、白色光が存在する場合については、検討されておらず、白色光の存在下においても同様の鮮度保持の効果を得られるのかは不明である。
そして、特許文献1に係る鮮度保持方法のように、赤色光及び遠赤色光のみを照射した場合、照らされた農作物は赤みを帯びて見えてしまうため、農作物の視認性が低下してしまう。故に、そのような農作物について作業をする人の作業効率が低下するおそれがある。また、スーパーマーケット等の生鮮食品の陳列装置に組み込んだ場合等では、生鮮食品が自然な色味に見えないため、スーパーマーケット等の利用者の購買意欲が低下するおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。その目的は、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる、鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持方法であって、白色光の存在下において、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を照射し、前記照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、があり、前記主照射期間がX時間であり、前記副照射期間がY時間であり、1日あたりの前記主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす。
また、本発明に係る鮮度保持装置は、収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持装置であって、白色光を発する第1光源と、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を発する第2光源と、を備え、前記照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、があり、前記主照射期間がX時間であり、前記副照射期間がY時間であり、1日あたりの前記主照射期間の照射回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす
また、本発明に係る収納庫は、上述の鮮度保持装置と、前記農作物を収納する筐体と、を備える。
また、本発明に係る陳列装置は、上述の鮮度保持装置と、前記農作物が陳列される棚と、を備える。
本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置を用いれば、収穫後の農作物の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物の視認性を向上できる。
実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図 実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の動作の一例を示すフローチャート 実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図 実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図 実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図 発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図
以下では、実施の形態に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであって、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても一例に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化することがある。
(実施の形態1)
以下では、図1〜3を用いて実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100について説明する。図1は、実施の形態1に係る収納庫の外観の模式的な斜視図である。図2は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図3は、実施の形態1に係る収納庫が備える鮮度保持装置の動作の一例を示すフローチャートである。
[構成]
図1に示される収納庫100は、収納後の農作物30を収納(保管)する収納庫であって、例えば、農作物30を販売する店舗のバックヤードに設置される。収納庫100は、筐体20と、扉22と、鮮度保持装置10と、を備える。
筐体20は、外形が略直方体状であり、筐体20の内部の空間である直方体状の収納部21(収納スペース)に前方から農作物30が出し入れされる。筐体20は、例えば、アルミニウム等の金属により形成されるが、樹脂により形成されてもよい。なお、筐体20の形状、及び、筐体20の材質等は、一例であり、特に限定されない。
収納部21の前方には開閉自在な扉22(カバー)が設けられる。扉22を閉めて第1照射部13及び第2照射部14をオフにすると、収納部21内は暗室(0ルクスの環境)になる。
鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30の鮮度を保持するための装置である。図1及び図2に示されるように、鮮度保持装置10は、電力プラグ11と、コントローラ12と、第1照射部13と、第2照射部14と、を備える。
電力プラグ11は、受電部の一例であって、端子部11aと、電力変換部11bとを有する。電力プラグ11は、いわゆるACアダプタである。
端子部11aは、コンセントに差し込まれる金属製の端子である。端子部11aの形状及び材質等は、特に限定されない。
電力変換部11bは、端子部11aが受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ12と、第1照射部13と、第2照射部14とに直流電力を供給する。電力変換部11bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、収納庫100において、電力変換部11bは、筐体20の外に配置されるが、電力変換部11bは、筐体20に内蔵されていてもよい。
第1照射部13は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に照射光を照射する照射装置である。ここで、照射光とは、700nm以上1000nm以下の波長範囲に波長ピークを有する光のことである。照射光には、例えば、700nm以上800nm以下の波長範囲に波長ピークを有する遠赤色光を用いることができる。また、照射光には、例えば、700nm以上1000nm以下の波長範囲に波長ピークを有し、発光スペクトルの全体が400nm以上1200nm以下の範囲に含まれる光等を用いてもよい。
例えば、第1照射部13は、基板と、その基板に実装された複数の遠赤色光LED(Light Emitting Diode)とを備える発光モジュールとして構成される。しかしながら、第1照射部13は、700nm以上1000nm以下の波長範囲に波長ピークを有する光を発することができるものであれば、どのような態様であってもよい。例えば、700nm以上1000nm以下の波長範囲以外にも発光ピークを有する光を発する発光素子と分光フィルタとを組み合わせて、700nm以上1000nm以下の波長範囲にのみを発するような構成としてもよい。
なお、図1では、第1照射部13を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第1照射部13の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第1照射部13は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第1照射部13は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
ここで、第1照射部13は、農作物30に対して均一な照射光の照射を行うことが好ましい。照射光は鮮度保持へ主に影響すると考えられることから、照射光を均一に照射することで、効率的に農作物30の鮮度を保持することができる。照射光を均一に農作物30に照射する方法としては、導光板や乳白板等による面発光を用いる方法や、第1照射部13の光源をマトリクス状に配置する方法等が挙げられる。なお、乳白板としては、反射シートとアクリル板と拡散板とを組み合わせたもの等を用いることができる。
なお、第1照射部13が照射する照射光(照射光の発光スペクトル)は、典型的には1
つのピークを有するが、波長が異なる2以上のピークを有していてもよい。例えば、実施の形態1において、第1照射部13は、ピーク波長が720nmの遠赤色光、又は、ピーク波長が735nmの遠赤色光等を照射するが、第1照射部13は、波長720nmと735nmの両方にピークを有する遠赤色光を照射する構成としてもよい。この場合、例えば、第1照射部13は、ピーク波長720nmの遠赤色光LEDと、ピーク波長735nmの遠赤色光LEDとが基板に実装された構成とすることができる。
第2照射部14は、収納部21の上方に配置され、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に白色光を照射する。白色光としては、人間の目に白色に見える光であればよく、例えば、発光スペクトルの全体が380nm以上780nm以下の波長範囲に含まれる光や、発光スペクトルの全体が350nm以上800nm以下の範囲に含まれる光等を用いてもよい。
第2照射部14は、例えば、基板と、その基板に直接実装された複数の青色LEDと、黄色蛍光体粒子を含有する封止部材とからなるCOB(Chip On Board)構造の発光モジュールである。封止部材は、青色LEDを封止する。黄色蛍光体粒子としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体等を用いることができる。なお、第2照射部14は、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよし、リモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。
また、第2照射部14は、青色LEDと緑色LEDと赤色LEDとが組み合わされることによって白色光を発する構成としてもよい。或いは、第2照射部14は、紫外光LEDと、青色蛍光体と緑色蛍光体と赤色蛍光体と、を組み合わせて、白色光を発する構成としてもよい。
なお、図1では、第2照射部14を電球型に表しているが、これは模式的に表したに過ぎず、第2照射部14の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第2照射部14は、導光板等を用いて面発光するような構成としてもよい。或いは、第2照射部14は、ペンダントライトやダウンライトのような形状であってもよい。
なお、第1照射部13と第2照射部14とは、1つの照射部として構成されてもよい。このような照射部は、例えば、COB構造で構成する場合、基板上の遠赤色光LEDと青色LEDとを、黄色蛍光体粒子を含有した封止材で封止するような構成とすることができる。或いは、遠赤色光LEDと、青色LEDと、黄色LEDや緑色LEDとを組み合わせることで構成してもよい。
なお、第1照射部13及び第2照射部14の設置位置は、収納部21の上方に限定されない。例えば、第1照射部13と第2照射部14とを、収納部21の側面や底面に設置される構成としてもよい。また、第1照射部13は収納部21の天井面に設置され、第2照射部14は収納部21の側面に設置される、というように、第1照射部13と第2照射部14とは、別々の位置に設置されていてもよい。
コントローラ12は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、第1照射部13及び第2照射部14を制御するコントローラである。コントローラ12は、例えば、第1照射部13が照射する照射光の強度、及び、第1照射部13が照射する照射光の照射時間を制御する。また、コントローラ12は、例えば、第1照射部13の照射のオン及びオフ、並びに、第2照射部14の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ12は、第2照射部14の照射する白色光の強度を制御してもよい。
コントローラ12は、具体的には、第1照射部13の照度を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)制御回路(調光回路)、及び、第1照射部13の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ12は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。なお、収納庫100において、コントローラ12は、筐体20の外に配置されているが、コントローラ12の一部又は全部は、筐体20に内蔵されてもよい。
なお、コントローラ12は必須ではないが、鮮度保持装置10は、コントローラ12を有することが好ましい。また、照射光の強度を制御するコントローラと、照射光の照射時間を制御するコントローラとは、別体のコントローラとして構成されてもよい。また、コントローラ12は、第1照射部13又は第2照射部14と一体として構成されてもよい。コントローラ12の具体的態様は、特に限定されるものではなく、コントローラ12としては、従来の公知のコントローラが用いられるとよい。
なお、収納庫100は、収納部21内を冷却する冷却装置を備えていてもよい。もちろん、冷却装置は必須の構成ではない。
また、収納庫100が大きな収容部21を備える場合には、農作物30を移動させるベルトコンベアを備えていてもよい。この場合、ベルトコンベアの移動によって第1照射部13の下方に移動した農作物30が順番に、照射光の照射を受けるような構成とすることができる。
[鮮度保持装置の動作]
次に、鮮度保持装置10の鮮度保持動作(鮮度保持方法)について、図3のフローチャートを用いながら説明する。
収納部21に収穫後の農作物30が収納された状態において、第2照射部14は、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に白色光を照射する。言い換えれば、鮮度保持装置10のコントローラ12は、第2照射部14に白色光を照射させる。
鮮度保持動作が開始されると、第1照射部13は、第2照射部14によって白色光が照射されている状態で、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に照射光を、主照射条件で所定時間照射する(ステップS10)。照射光を主照射条件で照射する所定時間とは、10分以上の時間である。この所定時間は、主照射期間とする。
続いて、第1照射部13は、第2照射部14によって白色光が照射されている状態で、コントローラ12の制御に基づいて、収納部21に収納された農作物30に照射光を副照射条件で所定時間照射する(ステップS20)。或いは、ステップS20において、第1照射部13は、照射光を所定時間照射しない。照射光を副照射条件で照射する所定時間、或いは、照射光を照射しない所定時間とは、10分以上の時間である。この所定時間は、副照射期間とする。副照射期間については、主照射期間と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
鮮度保持装置10は、照射光の主照射条件での照射を所定回数繰り返す。副照射期間の経過後において、主照射条件での照射光の照射回数が所定回数に達していない場合(ステップS30でNo)、第1照射部13は、農作物30に照射光を、主照射条件で主照射期間の間、再び照射する(ステップS10)。
一方で、副照射期間の経過後において、主照射条件での照射光の照射回数が所定回数に達している場合(ステップS30でYes)、鮮度保持装置10は、鮮度保持動作を終了する。
ここで、主照射条件と副照射条件とは、副照射条件における照射光の照射照度は、主照射条件における照射光の照射照度の50%以下となる関係である。副照射期間において、第1照射部13は、主照射期間の照射光の照射照度の50%以下の照射照度で照射光を照射し、或いは、照射光を照射しない。
主照射期間は、0.16時間以上12時間以下である。副照射期間は、主照射期間以上の長さの時間である。そして、1日あたりの主照射期間繰り返し回数は、1回以上72回以下である。つまり、主照射期間をX時間とし、副照射期間をY時間とし、1日あたりの主照射期間の繰り返し回数をZ回とすると、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす。
ここで、繰り返し回数1回とは、主照射期間が、最初の主照射期間の1回のみであることを意味する。同様に、繰り返し回数2回とは主照射期間が2回あることを意味し、繰り返し回数3回とは主照射期間が3回であることを意味する。つまり、繰り返し回数n回とは、主照射期間がn回であることを意味する。
上記のような条件の下、農作物30に照射光を照射することで、農作物30の鮮度を効率的に保持することができる。
ここで、農作物30の鮮度保持の観点からは、主照射期間において、第1照射部13から照射される照射光の照射照度は、0.05W/m以上であることが好ましい。また、照射光の1日あたりの照射時間と1日あたりの照射照度との積算値が90J/m以上であることがより好ましい。
また、農作物30の鮮度保持の観点から、副照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に短くなっていくことが好ましい。また、主照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に長くなっていくことが好ましい。また、照射光の照射照度は、主照射期間を繰り返すごとに強くなっていくことが好ましい。また、1回の主照射期間内において、照射光の照射照度は、徐々に強くなっていくことが好ましい。
これらのように、照射照度や照射時間を変化させながら照射光を照射することで農作物30の鮮度をより効果的に保持できる理由としては、農作物30が照射光の刺激に順応することを抑制できると推察される。
[効果等]
ここで、あらためて、実施の形態1に係る鮮度保持装置10及び収納庫100の要点について説明する。また、本発明は鮮度保持方法についても有用であるため、実施の形態に係る鮮度保持方法についても以下で説明する。
実施の形態に係る鮮度保持方法は、収穫後の農作物30に照射光を照射する鮮度保持方法であって、白色光の存在下において、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を照射する。そして、照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、がある。主照射期間がX時間であり、副照射期間がY時間であり、1日あたりの主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす。
上記構成を有する鮮度保持方法を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、主照射期間における照射光の照射照度は、0.05W/m以上であることが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光の1日あたりの照射時間と1日あたりの照射照度との積算値が90J/m以上であることが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、副照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に短くなっていくことが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、主照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に長くなっていくことが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、照射光の照射照度は、照射光の照射を繰り返すごとに強くなっていくことが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
また、実施の形態に係る鮮度保持方法は、1回の主照射期間内において、照射光の照射照度は、徐々に強くなっていくことが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、収穫後の農作物30に照射光を照射する鮮度保持装置であって、白色光を発する第1光源と、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を発する第2光源と、を備える。そして、照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、がある。主照射期間がX時間であり、副照射期間がY時間であり、1日あたりの主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす。
上記構成を有する鮮度保持装置10を用いれば、収穫後の農作物30の鮮度を適切に保
持することができ、且つ、農作物30の視認性を向上させることができる。
また、実施の形態1に係る鮮度保持装置10は、主照射期間における照射光の照射照度は、0.05W/m以上であることが好ましい。
上記構成により、農作物30の視認性を特に向上させることができると同時に、収穫後の農作物30の鮮度をより効率的に保持することができる。
実施の形態1に係る収納庫100は、鮮度保持装置10と、農作物30を収納する筐体20と、を備える。
上記構成を有する収納庫100を用いれば、収穫後の農作物30を収納しながら、農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
(実施の形態2)
以下では、図4〜7を用いて、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、実施の形態2に係る陳列装置の外観の模式的な斜視図である。図5は、実施の形態2に係る陳列装置を側方から見たときの模試的な断面図である。図6は、実施の形態2に係る陳列装置が備える鮮度保持装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図7は、発光モジュールの一例の構成を示す模式的な斜視図である。
以下の説明では、実施の形態1での説明との重複部分については、説明を省略或いは簡略化する。また、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明する。
[構成]
陳列装置200は、収穫後の農作物30が陳列(載置)される複数の棚202を有する陳列装置であって、例えば、農作物30を販売する店舗の売り場等に設置される。陳列装置200は、本体部201と、棚202と、土台部203と、鮮度保持装置210と、を備える。
本体部201は、農作物30を収容するスペースを形成する。本体部201は、側板、天板、及び、後版、並びに、これらを保持するフレーム等からなり、本体部201の前方は、開放されている。本体部201は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属、及び、樹脂によって形成される。
棚202は、本体部201によって形成されるスペースを上下方向において区切るとともに、上面に収穫後の農作物30が陳列される板状の部材である。本体部201は、棚202を3つ有する。棚202は、具体的には、アルミニウム又は鉄等の金属によって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。
土台部203は、陳列装置200の土台となる部分であって、後述する鮮度保持装置210が有するコントローラ212が取り付けられる。また、土台部203の内部には、鮮度保持装置210が有する電力変換部211bが収容される。
鮮度保持装置210は、電力プラグ211と、電力変換部211bと、コントローラ212と、照射部213とを備える。
電力プラグ211は、受電部の一例であって、コンセントに差し込まれる金属製の端子を有し、その端子から交流電力を受電する。
電力変換部211bは、電力プラグ211が受電した交流電力を直流電力に変換し、コントローラ212、及び、照射部213に直流電力を供給する。電力変換部211bは、具体的には、AC−DCコンバータ回路である。なお、陳列装置200においては、電力変換部211bは、土台部203に内蔵されている。
コントローラ212は、制御部の一例であって、ユーザの操作に基づいて、照射部213を制御する。コントローラ212は、例えば、照射部213が照射する遠赤色光の強度、及び、照射部213が照射する遠赤色光の照射時間を制御するタイマ回路等から構成される。コントローラ212は、プロセッサ又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。
また、コントローラ212は、例えば、照射部213の照射光の照射のオン及びオフ、並びに、照射部213の白色光の照射のオン及びオフを制御する。コントローラ212は、照射部213の照射する白色光の強度を制御してもよい。
照射部213は、各棚202の上方に配置され、コントローラ212の制御に基づいて、棚202に陳列された農作物30に照射光及び白色光を照射する。実施の形態2では、実施の形態1の第1照射部13と第2照射部14とが一体となったものと同様の構成である照射部213を用いて説明する。
図5に示すように、照射部213は、基台213eと、LED213bが実装された基板213aである発光モジュール213cと、拡散カバー213dとを有する。
基台213eは、発光モジュール213cの取り付け台及びヒートシンクであり、且つ、照射部213の棚202への取り付け用部材としても機能する。基台213eは、例えば、アルミダイキャスト等の金属により形成される。
拡散カバー213dは、発光モジュール213cから発せられる光を拡散及び透過し、農作物30に光を照射する。
発光モジュール213cは、LED213bが実装される基板213aである。以下、図7を用いて発光モジュール213cの構造を詳細に説明する。
図7に示すように、発光モジュール213cは、より詳細には、基板213aと、基板213a上を一列に実装された複数のLED213bと、配線223と、コネクタ224と、コネクタ225とを備える。
基板213aは、長尺矩形状の基板である。基板213aは、樹脂を基材とするCEM−3(Composite Epoxy Material−3)基板であるが、その他の樹脂基板であってもよいし、メタルベース基板又はセラミック基板であってもよい。その他の樹脂基板としては、FR−4(Flame Retarrdant−4)基板が例示される。セラミック基板としては、酸化アルミニウム(アルミナ)からなるアルミナ基板又は窒化アルミニウムからなる窒化アルミニウム基板等が例示される。また、メタルベース基板としては、アルミニウム合金基板、鉄合金基板又は銅合金基板等が例示される。
LED213bは、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LED213bとしては、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する光を発するLEDと、白色光を照射するためのLEDとを用いる。LED213bのぞれぞれは、例えば、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって基板213aにダイボンディング実装されている。
700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する光を発するLEDとしては、例えば、遠赤色光を発する遠赤色光LED等を用いることができる。
白色光を照射するために、照射部213は、LED213bとして、例えば、青色LEDと緑色LEDと赤色LEDとの3種類のLEDを備える構成とすることができる。或いは、白色光を照射するために、照射部213は、LED213bとして青色LEDを備えており、青色LEDと黄色蛍光体粒子とを組み合わせる構成としてもよい。
これら遠赤色光LEDや、青色LEDや、緑色LED等のLED213bは、同種のLED213b同士が隣り合わないように基板213a上に配置される方が好ましい。この構成により、光の出射場所による色の偏りを軽減することができ、均一な光を得ることができる。
配線223は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線である。配線223は、複数のLED213b同士を電気的に接続するとともに、LED213bとコネクタ224及びコネクタ225とを電気的に接続するための所定形状にパターン形成されている。
なお、図7では、配線223は、一列に並んだLED213bを直列に接続しているが、配線223の構成はこれに限定されない。例えば、配線223は、一列に並んだ所定数のLED213bからなるLED素子列を並列に接続するような構成としてもよい。
また、配線223は、遠赤色光LEDや、青色LEDや、緑色LED等のLED213bのうち同種のLED213bを直列に繋いだLED素子列とし、そのLED素子列を並列に接続する構成とすることが好ましい。この構成により、それぞれの種類のLED213bの発光強度を個別に制御することができるようになり、農作物30の鮮度保持や視認性の観点から、適切な光に調整することができる。
或いは、配線223は、農作物30の鮮度保持に主に寄与する700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する光を発するLEDと、他の種類のLEDとを並列に接続する構成としてもよい。この構成により、農作物30の鮮度保持に主に寄与する照射光の強度や照射時間を調整することができるようになり、農作物30の鮮度をより適切に保持することができる。
コネクタ224とコネクタ225は、発光モジュール213cに給電を行うためのコネクタである。コネクタ224又はコネクタ225には、コントローラ212から直流電力が供給される。これにより、発光モジュール213cが発光する。
[効果等]
ここで、あらためて、実施の形態2に係る陳列装置200の要点について説明する。
実施の形態2に係る陳列装置200は、鮮度保持装置210と、農作物30が陳列される棚202と、を備える。
上記構成を有する陳列装置200を用いれば、収穫後の農作物30を陳列した状態で、農作物30の鮮度を適切に保持でき、且つ、農作物30の視認性を向上できる。
(実施の形態の補足)
まず、農作物について補足する。また、上記実施の形態において、「農作物」とは、農
業的手法によって収穫できる作物全般をいう。農作物は、特に限定されないが、農作物には、例えば、通常行われる利用部位に応じた分類(園芸的分類又は人為的分類と呼ばれる)における、野菜類、果実類、又は、花卉類が含まれる。
野菜類には、例えば、果菜類、葉茎類、根菜類、及び、菌茸類等が含まれる。
ここで、果菜類には、ナス、ペピーノ、トマト、ミニトマト、タマリロ、タカノツメ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、パプリカ、カラーピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ゴーヤ、トウガン、ハヤトウリ、ヘチマ、ユウガオ、オクラ、イチゴ、スイカ、メロン、マクワウリなどに加えて、トウモロコシなどの穀物類、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマなどのマメ類が含まれる。
また、葉茎類には、アイスプラント、アシタバ、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、コマツナ、サラダナ、サニーレタス、サイシン、サンチュ、山東菜、シソ、シュンギク、ジュンサイ、シロナ、セリ、セロリ、タアサイ、ダイコンナ(スズシロ)、タカナ、チシャ、チンゲンサイ、ツケナ、菜の花、野沢菜、白菜、パセリ、ハルナ、フダンソウ、ホウレンソウ、ホトケノザ、ミズナ、ミドリハコベ、コハコベ、ウシハコベ、ミブナ、ミツバ、メキャベツ、モロヘイヤ、リーフレタス、ルッコラ、レタス、ワサビナなどの葉菜類、ネギ、細ネギ、アサツキ、ニラ、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ヨウサイ、ネギ、ワケギ、タマネギなどの茎菜類、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、なばな、フキノトウ、ミョウガなどの花菜類、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根などの発芽野菜が含まれる。
また、根菜類には、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、ワサビ、ホースラディッシュ、ゴボウ、チョロギ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根などに加えて、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ(大和芋)、ヤマノイモ(山芋、自然薯)などのイモ類が含まれる。
また、菌茸類には、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサタケ、シイタケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギタケ、チチタケ、ナメコ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ブナシメジ、ブナピー、ポルチーニ、ホンシメジ、キシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケ、ヤマブシタケ、ショウロ、トリュフなどが含まれる。
また、果実類には、例えば、ミカンなど各種柑橘類、リンゴ、モモ、ナシ、西洋ナシ、バナナ、ブドウ、サクランボ、グミ、キイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クワ、ビワ、イチジク、カキ、アケビ、マンゴー、アボカド、ナツメ、ザクロ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、パパイア、アンズ、ウメ、スモモ、モモ、キウイフルーツ、カリン、ヤマモモ、クリ、ミラクルフルーツ、グァバ、スターフルーツ、アセロラなどが含まれる。
また、花卉類には、例えば、ホリホック、ブーバルジア、ゴデチア、ツキミソウ、ストック、ハボタン、ルナリア、アシダンセラ、イリス、グラジオラス、ハナビシソウ、ペペロミア、カルセオラリア、キンギョソウ、トレニア、サクラソウ、シクラメン、マツバギク、アンスリウム、カラー、カラジウム、ショウブ、シンゴニウム、スパシフィルム、ディーフェンバキア、フィロデンドロン、サボテン類、アジュガ、カクトラノオ、サルビア、ベゴニア、クルクマ、スイレン、ポーチュラカ、スミレ、フワイトレースフラワー、セトクレアセア、ムラサキオモト、ムラサキツユクサ、ホウセンカ、ツノナス、ペチュニア、ホオズキ、カーネーション、ナデシコ、セキチク、カスミソウ、宿根カスミソウ、ムシ
トリナデシコ、グズマニア、ストレリチア、シバザクラ、フロックス、オイランソウ、キョウカノコ、アマクリナム、アマリリス、キク、マーガレット、クンシラン、キルタンサス、スイセン、スノーフレーク、タマスダレ、ネリネ、ハマオモト、ユーチャリス、リコリス、リュウゼツラン、ケイトウ、センニチコウ、アサガオ、エボルブルス、クレオメ、ゼラニウム、カランコエ、スカビオサ、スイートピー、ルピナス、ルリジオ、ワスレナグサ、アスチルベ、ユキノシタ、アガパンサス、アマドコロ、アロエ、オーニソガルム、オモト、オリズルラン、ギボウシ、クロユリ、グロリオーサ、コルチカム、サンセベリア、サンダーソニア、ジャノヒゲ、チューリップ、ツルバキア、ドイツスズラン、ドラセナ、トリテレイア、ナルコユリ、ニューサイラン、バイモ、ヒアシンス、ホトトギス、ヤブカンゾウ、ヤブラン、ユリ、アルストロメリア、ルスカス、アツモリソウ、エビネ、オンシジウム、カトレア、コルマナラ、シラン、シンビジウム、セロジネ、デンドリビウム、ドリテノプシス、ナゴラン、パフィオペディルム、バンダ、ビルステケラ、ファレノプシス、ブラウナウ、ミルトニア、エキザカム、トルコギキョウ、リンドウ、ランタナ、バラ、サクラ、ガーベラなどが挙げられ、さらには葉を鑑賞するために用いられるサカキ、ソテツ、シダ、ドラセナ、ハラン、モンステラ、ポトス、コンパクター、ポリシャス、ジャングルブッシュ、リキュウソウ、ベアグラス、ピトスポラムなどが含まれる。
以上、いくつかの農作物が例示されたが、上記実施の形態の鮮度保持方法は、例示された農作物以外の農作物にも適用可能である。
次に、鮮度保持について補足する。上記実施の形態において、「鮮度保持」とは、農作物の鮮度を可能な限り長く保持することをいう。農作物に必要とされる鮮度保持効果は、その農作物の種類や商品価値等によって異なる。
例えば、レタスやホウレンソウ等の葉部又は茎部が主に利用される野菜(葉菜類)においては、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。また、イチゴやトマト等の果実が主に利用される野菜(果菜類)、又は、リンゴ等の果樹類では、変色(黄化や褐変等)防止、軟化防止、及びカビ発生防止等が重要となる。さらに、花卉類では、しおれ防止(水分保持率の低下の抑制)、変色(黄化や褐変等)防止、及びカビ発生防止等が重要となる。
次に、上記実施の形態の鮮度保持方法の使用場面について補足する。上記実施の形態では、店舗のバックヤードにおける農作物が保管される場面、又は、店舗の売り場において農作物が陳列されている場面において、鮮度保持方法が使用されたが、鮮度保持方法は、その他の場面において使用されてもよい。
収穫後の農作物は、例えば、農家、農業協同組合、農作物の予冷を行う専用施設等を経て、保冷車によって都市に輸送される。そして、収穫後の農作物は、市場において卸売業者購入された後、スーパーマーケット等のバックヤードに保管され、売り場に陳列される。
上記の経路においては、専用施設、保冷車、スーパーマーケット等のバックヤード、及び、売り場等において鮮度保持方法を使用することができる。
また、収穫後の農作物は、例えば、農家、第1の宅配営業所を経由した後、宅配車によって、第2の宅配営業所に輸送される。その後、収穫後の農作物は、宅配車によって、購入者宅(個人宅)に輸送される場合もある。
上記の経路においては、第1の宅配営業所、宅配車、保冷車、第2の宅配営業所等において鮮度保持方法を使用することができる。
また、例えば、上記実施の形態の鮮度保持方法は、収穫後の農作物ではなく、収穫前の農作物に使用されてもよい。
また、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光は、農作物の収納容器として使われる一般的な材質(例えば、ポリエチレン等)を透過する。このため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、箱詰めされた常態の農作物にも袋詰めされた状態の農作物にも使用することができる。
また、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光は、農作物も透過することがあるため、上記実施の形態の鮮度保持方法は、他の農作物と重ねられた農作物にも使用することができる。
また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、真っ暗な環境(暗闇)で使用されても良いし、白色LED等により人工的に照明された環境下で使用されてもよい。また、上記実施の形態の鮮度保持方法は、太陽光の下で使用されてもよい。
また、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光が照射された後の農作物は、真っ暗な環境(暗闇)で保管されてもよいし、白色LED等により人工的に照明された環境下で保管されてもよいし、太陽光の下で保管されてもよい。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態1及び2を用いて、本発明に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置について説明してきたが、本発明は、実施の形態1及び2に係る鮮度保持方法、鮮度保持装置、収納庫及び陳列装置に限定されるものではない。
例えば、実施の形態1及び2では、光源としてLEDを用いて説明してきたが、発光素子はLEDのみに限定されない。例えば、光源として、蛍光管、メタルハイライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、ネオン管、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、ケミルミネッセンス(化学発光)、又は、レーザ等を使用してもよい。
なお、光源が蛍光管等のように、必要な波長域以外の波長域においても発光を有する光源を用いる場合、分光フィルタ等と組み合わせることで、必要な波長域のみを有する光として用いることができる。
また、照射光の照射態様は、特に限定されない。例えば、照射光をストロボ等のように、非常に大きい光量を瞬間的に照射してもよい。
また、本発明に係る鮮度保持装置や、収納庫や、陳列装置は、照度センサを備えていてもよい。照度センサを用いることで、本発明に係る鮮度保持装置や収納庫や陳列装置は、照射光や白色光の照射照度を、周囲環境等に応じて調整することができるようになる。
また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、コントローラ等)の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよいし、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
なお、上述の各実施の形態については、本発明の実施態様の例示に過ぎず、数値、素材、形状、構成要素、動作等についても好ましいものの例示に過ぎず、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではない。また、上記の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素である。本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。
以下の説明において、「照射照度」とは、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光の照射照度のことであり、単に「照射照度」というときは、主照射期間における照射照度のことである。単位は、W/mである。
また、「積算光量」とは、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光の1日あたりの積算光量のことである。単位は、J/mである。積算光量は、照射光の1日あたりの照射時間と照射光の1日あたりの照射照度との積から求められる。
また、「照射照度割合」とは、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光の、主照射期間における照射照度に対する、副照射期間における照射照度の割合をパーセントで表したものである。
また、「照射回数」とは、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を照射する主照射期間の回数のことである。
また、「鮮度保持期間倍率」とは、農作物の水分量が初期水分量の95%以上に保たれている期間が、照射光を照射しない場合の水分量が初期水分量の95%以上に保たれている期間の何倍であるかを示す数値である。ここで、農作物の水分量は、農作物の重量の初期値からの変化量が、農作物から蒸発した水分の重量であるとして算出する。
なお、以下に示す結果は、同様の実験を5サンプルで行ったものの平均の結果である。
(実験1)
280mm×600mm×220mmの直方体状のアクリル製容器内に葉茎類の野菜であるホウレンソウ1束を入れて、鮮度保持の実験を行う。実験時の温度は、摂氏5度で、湿度は80〜85%の条件で実験を行う。
700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光の光源として、波長735nmにピークを有する遠赤色光LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置する。また、白色光源としては、色温度4000Kの白色LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置し、実験中は白色LEDからの2500lxで光の照射を常時行う。ホウレンソウは、天井面に設置された光源から200mm離れた位置に配置し、サンプルへの光の照射は、72時間にわたって行う。
[照射時間と照射回数の影響について]
上記の実験条件の下、照射光の放射照度は1.0W/mとし、主照射期間と副照射期間と照射回数とを実施例1〜6及び比較例1〜6の条件で実験を行う。ここで、副照射期間では、照射光の照射を行わない。実施例1〜6及び比較例1〜6の実験条件と鮮度保持期間倍率とを表1に示す。ここで、比較例1は、照射光を照射しない実験例である。故に、鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1
の何倍であるかを示す。
Figure 2019140969
表1に示す通り、主照射期間が0.16時間以上12時間以下であり、副照射期間が主照射期間以上の長さであり、1日あたりの主照射期間繰り返し回数が1回以上72回以下である実施例1〜6では、鮮度保持期間倍率が1.5以上の値である。一方で、上記条件満たさない比較例2〜6では、鮮度保持期間倍率は1.4以下の値である。
例えば、主照射時間が0.16時間未満である比較例2では、鮮度保持期間倍率は0.94である。また、主照射時間が12時間より長い比較例4及び5では、鮮度保持期間倍率はそれぞれ1.3と1.4である。また、副照射時間が主照射時間より短い比較例3及び6では、鮮度保持期間倍率はそれぞれ0.88と1.4である。
つまり、主照射期間をX時間とし、副照射期間をY時間とし、1日あたりの主照射期間の繰り返し回数をZ回とすると、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす場合、効果的に農作物の鮮度を保持できる。
[照射照度の影響について]
上記の実験条件の下、照射光の照射照度を変化させて実施例7〜12、比較例7及び8の条件で実験を行う。ここで、副照射期間では、照射光の照射を行わない。実施例7〜12、比較例7及び8の実験条件と鮮度保持期間倍率とを表2に示す。ここで、上述の比較例1は、照射光を照射しない実験例である。故に、鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。
Figure 2019140969
表2に示す通り、X=1、Y=7及びZ=3の条件を満たし、又は、X=2、Y=4及びZ=4の条件を満たし、照射照度が0.05W/m以上である実施例7〜12では、鮮度保持期間倍率が1.3以上である。一方で、照射照度が0.04W/mである比較例7及び8では、鮮度保持期間倍率が、それぞれ0.99と1.02であり、照射光を照射しない場合と、ほぼ同じ鮮度保持期間である。つまり、鮮度保持の観点から、主照射期間における照射光の照射照度は、0.05W/m以上であることが好ましい。
[積算光量の影響について]
上記の実験条件の下、積算光量を変化させて実施例13〜15及び比較例9の条件で実験を行う。ここで、副照射期間では、照射光の照射を行わない。実施例13〜15及び比較例9の実験条件と鮮度保持期間倍率とを表3に示す。ここで、上述の比較例1は、照射光を照射しない実験例である。故に、鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。
Figure 2019140969
表3に示す通り、積算光量が90J/m以上である実施例13〜15では、鮮度保持期間倍率が1.4以上である。一方、積算光量が88J/mである比較例9では、鮮度保持期間倍率が1.09であり、照射光を照射しない場合と、ほぼ同じ鮮度保持期間である。つまり、鮮度保持の観点から、照射光の1日あたりの照射時間と1日あたりの照射照度との積算値である積算光量が90J/m以上であることが好ましい。
[照射照度割合の影響について]
上記の実験条件の下、主照射時間を1時間、副照射時間を7時間、照射回数を3回の条件で、照射照度割合を変化させて実施例16〜18、比較例10及び11の条件で実験を行う。実施例16〜18、比較例10及び11の実験条件と鮮度保持期間倍率とを表4に示す。ここで、上述の比較例1は、照射光を照射しない実験例である。故に、鮮度保持期間倍率は、農作物の水分量が初期水分量の95%以下になる時間が比較例1の何倍であるかを示す。
Figure 2019140969
表4に示す通り、照射照度割合が50%以下である実施例16〜18では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方で、照射照度割合が50%より大きい比較例10及び11では、鮮度保持期間倍率が1.3程度である。つまり、鮮度保持の観点から、副照射期
間においては、直前の主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは照射光を照射しないことが好ましい。
(実験2)
280mm×600mm×220mmの直方体状のアクリル製容器内に葉茎類の野菜であるホウレンソウ1束、葉茎類の野菜であるレタス1玉、果実類であるモモ1個又は果菜類であるイチゴ1粒を入れて、鮮度保持の実験を行う。実験時の温度は、摂氏10度で、湿度は80〜85%の条件で実験を行う。
700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光の光源として、波長735nmにピークを有する遠赤色光LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置する。また、白色光源としては、色温度4000Kの白色LEDを、上記アクリル製容器の天井面に設置し、実験中は白色LEDからの2500lxで光の照射を常時行う。ホウレンソウは、天井面に設置された光源から200mm離れた位置に配置する。
サンプルへの光の照射は、ホウレンソウ及びレタスについては72時間にわたって行い、モモ及びイチゴについては240時間にわたって行う。また、実験2では、副照射時間には、照射光の照射を行わない。
ここで、鮮度保持期間は、農作物の水分量が初期水分量の95%以上に保たれている期間のことであり、単位は日である。鮮度保持期間倍率は、ホウレンソウ及びレタスでは、各条件における鮮度保持期間が、照射光を照射せず白色光のみを72時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間の何倍であるかを示す。また、モモ及びイチゴでは、鮮度保持期間倍率は、各条件における鮮度保持期間が、照射光を照射せず白色光のみを240時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間の何倍であるかを示す。
なお、ホウレンソウに照射光を照射せず白色光のみを72時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間は1.3時間である。また、レタスに照射光を照射せず白色光のみを72時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間は1.5時間である。また、モモに照射光を照射せず白色光のみを240時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間は5.5日である。また、イチゴに照射光を照射せず白色光のみを240時間照射し続けたサンプルにおける鮮度保持期間は6.2日である。
以下に説明する実施例19〜50及び比較例12〜15の鮮度保持期間及び鮮度保持期間倍率を、表5に示す。
[実施例19〜22]
実施例19及び21はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例20及び22はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は3時間に固定し、副照射期間は18時間から、14時間、10時間、9時間と主照射期間を繰り返すたびに段々と減らしながら、主照射期間を5回繰り返す。実施例19及び20では主照射期間の照射光の照射照度は1W/mであり、実施例21及び22では主照射期間の照射光の照射照度は3W/mである。
[実施例23〜26]
実施例23及び25はサンプルとしてモモを用い、実施例24及び26ではサンプルとしてイチゴを用いる。主照射時間は3時間に固定し、副照射時間は20時間から、19時間、18時間のように主照射期間を繰り返すたびに1時間ずつ減らしながら、主照射期間を15回繰り返す。実施例23及び24では主照射期間の照射光の照射照度は1W/mであり、実施例25及び26では主照射期間の照射光の照射照度は3W/mである。
[実施例27〜30]
実施例27及び29はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例28及び30はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は1.5時間から、3時間、4.5時間のように主照射期間を繰り返すたびに1.5時間ずつ増加させ、副照射時間は10.5時間に固定し、主照射期間を5回繰り返す。実施例27及び28では主照射期間の照射光の照射照度は1W/mであり、実施例29及び30では主照射期間の照射光の照射照度は3W/mである。
[実施例31〜34]
実施例31及び33はサンプルとしてモモを用い、実施例32及び34はサンプルとしてイチゴを用いる。主照射期間は1時間から、2時間、3時間のように主照射期間を繰り返すたびに1時間ずつ増加させ、副照射時間は12時間に固定し、主照射期間を15回繰り返す。実施例31及び32では主照射期間の照射光の照射照度は1W/mであり、実施例33及び34では主照射期間の照射光の照射照度は3W/mである。
[実施例35及び36]
実施例35はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例36はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は4.5時間に固定し、副照射期間は10.5時間に固定し、主照射期間を5回繰り返す。主照射期間における照射光の照射照度は、1W/mから、3W/m、5W/mのように主照射期間を繰り返すたびに2W/mずつ増加させる。
[実施例37及び38]
実施例37はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例38はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間及び副照射期間は2.25時間から、4.5時間、6.75時間というように主照射期間を繰り返すたびに2.25時間ずつ増加させ、主照射期間を5回繰り返す。主照射期間における照射光の照射照度は、1W/mから、2W/m、3W/mのように主照射期間を繰り返すたびに1W/mずつ増加させる。
[実施例39及び40]
実施例39はサンプルとしてモモを用い、実施例40はサンプルとしてイチゴを用いる。主照射期間は1時間に固定し、副照射期間は7時間に固定し、主照射期間を30回繰り返す。主照射期間における照射光の照射照度は、0.1W/mから、0.3W/m、0.5W/mというように、主照射期間を繰り返すたびに0.2W/mずつ増加させる。
[実施例41及び42]
実施例41はサンプルとしてモモを用い、実施例42はサンプルとしてイチゴを用いる。主照射期間は1時間に固定し、副照射期間は7時間に固定し、主照射期間を30回繰り返す。主照射期間における照射光の照射照度は、0.1W/mから、0.2W/m、0.4W/mというように、主照射期間を4回繰り返すごとに、2倍の照射照度に増加させる。
[実施例43及び44]
実施例43はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例44はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は3時間に固定し、副照射期間は10.5時間に固定し、主照射期間を5回繰り返す。主照射期間開始直後における照射光の照射照度は、0.5W/mから、1W/m、1.5W/mというように照射期間を繰り返すたびに0.5W/mずつ増加させる。また、1回の主照射期間内においても、照射光の照射照度は、0.5W/mから1W/mや、1から1.5W/mというように線形的に0.5W/mずつ増加させる。
[実施例45及び46]
実施例45はサンプルとしてホウレンソウを用い、実施例46はサンプルとしてレタスを用いる。主照射時間は6時間に固定し、副照射期間は10.5時間に固定し、主照射期間を5回繰り返す。主照射期間開始直後における照射光の照射照度は、1W/mから、1.5W/m、2W/mというように照射期間を繰り返すたびに0.5W/mずつ増加させる。また、1回の主照射期間内において、最初の3時間では、主照射期間開始直後の照射照度を維持し、残りの3時間では、1W/mから1.5W/mや、1.5W/mから2W/mというように線形的に0.5W/mずつ増加させる。
[実施例47及び48]
実施例47はサンプルとしてモモを用い、実施例48はサンプルとしてイチゴを用いる。主照射期間は5時間に固定し、副照射期間は24時間に固定し、主照射期間を9回繰り返す。主照射期間開始直後における照射光の照射照度は、0.5W/mから、1W/m、1.5W/mというように照射期間を繰り返すたびに0.5W/mずつ増加させる。また、1回の主照射期間内においても、照射光の照射照度は、0.5W/mから1W/mや、1から1.5W/mというように線形的に0.5W/mずつ増加させる。
[実施例49及び50]
実施例49はサンプルとしてモモを用い、実施例50はサンプルとしてイチゴを用いる。主照射期間は24時間に固定し、副照射期間は24時間に固定し、主照射期間を5回繰り返す。主照射期間開始直後における照射光の照射照度は、1W/mから、1.5W/m、2W/mというように照射期間を繰り返すたびに0.5W/mずつ増加させる。また、1回の主照射期間内において、最初の12時間では、主照射期間開始直後の照射照度を維持し、残りの12時間では、1W/mから1.5W/mや、1.5W/mから2W/mというように線形的に0.5W/mずつ増加させる。
[比較例12及び13]
比較例12はサンプルとしてホウレンソウを用い、比較例13はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は1時間に固定し、副照射期間は7時間に固定し、主照射期間を9回繰り返す。主照射期間の照射光の照射照度は1W/mである。
[比較例14及び15]
比較例14はサンプルとしてホウレンソウを用い、比較例15はサンプルとしてレタスを用いる。主照射期間は1時間に固定し、副照射期間は7時間に固定し、主照射期間を30回繰り返す。主照射期間の照射光の照射照度は1W/mである。
Figure 2019140969
[照射条件を段々と変化させることの影響について]
表5に示す通り、照射条件を変化させながら農作物(ホウレンソウ、レタス、モモ又はイチゴ)に照射光を照射する実施例19〜50では、鮮度保持期間倍率が1.5以上である。一方で、照射条件を変化させずに農作物(ホウレンソウ、レタス、モモ又はイチゴ)に照射光を照射する比較例12〜15では、鮮度保持期間倍率が1.3〜1.45程度である。
つまり、照射条件を変化させずに照射光を照射しても鮮度保持の効果は得られるが、照射条件を変化させながら照射光を照射した方が、より効果的に農作物の鮮度を保持することができる。
より具体的には、サンプルとしてホウレンソウ、レタス、モモ、イチゴのいずれを用いても、主照射期間を繰り返すたびに副照射期間を短くしていく実施例19〜26は、照射条件を変化させずに照射する比較例12〜15よりも鮮度保持期間倍率の数値が大きい。つまり、鮮度保持の観点から、副照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に短くなっていくことが好ましい。
また、サンプルとしてホウレンソウ、レタス、モモ、イチゴのいずれを用いても、主照射期間を繰り返すたびに主照射期間を長くしていく実施例27〜34は、照射条件を変化させずに照射する比較例12〜15よりも鮮度保持期間倍率の数値が大きい。つまり、鮮度保持の観点から、主照射期間は、照射光の照射を繰り返す毎に長くなっていくことが好ましい。
また、サンプルとしてホウレンソウ、レタス、モモ、イチゴのいずれを用いても、主照射期間を繰り返すたびに主照射期間の照射照度を大きくしていく実施例35〜42は、照射条件を変化させずに照射する比較例12〜15よりも鮮度保持期間倍率の数値が大きい。つまり、鮮度保持の観点から、照射光の照射照度は、照射光の照射を繰り返すごとに強くなっていくことが好ましい。
また、サンプルとしてホウレンソウ、レタス、モモ、イチゴのいずれを用いても、1回の主照射期間内で照射光の照射照度を大きくしていく実施例43〜50は、照射条件を変化させずに照射する比較例12〜15よりも鮮度保持期間倍率の数値が大きい。つまり、鮮度保持の観点から、1回の主照射期間内において、照射光の照射照度は、徐々に強くなっていくことが好ましい。
以上、実施例に沿って本実施の形態の内容を説明したが、本実施の形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
10、210 鮮度保持装置
20 筐体
30 農作物
100 収納庫
200 陳列装置
202 棚

Claims (11)

  1. 収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持方法であって、
    白色光の存在下において、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を照射し、
    前記照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、があり、
    前記主照射期間がX時間であり、前記副照射期間がY時間であり、1日あたりの前記主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす、鮮度保持方法。
  2. 前記主照射期間における前記照射光の照射照度は、0.05W/m以上である、請求項1記載の鮮度保持方法。
  3. 前記照射光の1日あたりの照射時間と1日あたりの照射照度との積算値が90J/m以上である、請求項1又は2記載の鮮度保持方法。
  4. 前記副照射期間は、前記照射光の照射を繰り返す毎に短くなっていく、請求項1〜3のいずれか一項記載の鮮度保持方法。
  5. 前記主照射期間は、前記照射光の照射を繰り返す毎に長くなっていく、請求項1〜4のいずれか一項記載の鮮度保持方法。
  6. 前記照射光の照射照度は、前記照射光の照射を繰り返すごとに強くなっていく、請求項1〜5のいずれか一項記載の鮮度保持方法。
  7. 1回の前記主照射期間内において、前記照射光の照射照度は、徐々に強くなっていく、請求項1〜6のいずれか一項記載の鮮度保持方法。
  8. 収穫後の農作物に照射光を照射する鮮度保持装置であって、
    白色光を発する第1光源と、700nm以上1000nm以下の波長範囲にピークを有する照射光を発する第2光源と、を備え、
    前記照射光が照射される10分以上の主照射期間と、直前の前記主照射期間の平均照射照度の50%以下の照射照度で照射し或いは前記照射光を照射しない10分以上の副照射期間と、があり、
    前記主照射期間がX時間であり、前記副照射期間がY時間であり、1日あたりの前記主照射期間の繰り返し回数がZ回である場合、0.16≦X≦12、且つ、X≦Y、且つ、1≦Z≦72の関係を満たす、鮮度保持装置。
  9. 前記主照射期間における前記照射光の照射照度は、0.05W/m以上である、請求項8記載の鮮度保持装置。
  10. 請求項8又は9記載の鮮度保持装置と、
    前記農作物を収納する筐体と、を備える、収納庫。
  11. 請求項8又は9記載の鮮度保持装置と、
    前記農作物が陳列される棚と、を備える、陳列装置。
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