JP2019140921A - 便通改善用または肥満改善用であるごぼう茶、および、ごぼう茶葉 - Google Patents

便通改善用または肥満改善用であるごぼう茶、および、ごぼう茶葉 Download PDF

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Abstract

【課題】新たな用途を有するごぼう茶、ごぼう茶葉、及び、ごぼう茶葉の製造方法の提供。【解決手段】有効成分としてイヌリンとクロロゲン酸とを含み、便通改善用又は肥満改善用である、ごぼう茶又はごぼう茶葉。イヌリンの含有量が2〜80mg/100g、クロロゲン酸の含有量が0.05〜0.50mg/100gであることが好ましく、更にメラノイジンを含み、波長460nmにおける吸光度が0.020〜1.400であることが好ましい、ごぼう茶。イヌリンの含有量が2000〜40000mg/100g、クロロゲン酸の含有量が20〜500mg/100gであることが好ましい、ごぼう茶葉。又、裁断工程S1と、加熱工程S2と、乾燥工程S3と、焙煎工程S4と、確認工程S5と、調製工程S6と、を含むごぼう茶葉の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ごぼうの根部を用いて製造したごぼう茶、ごぼう茶葉、および、ごぼう茶葉の製造方法に関する。
ごぼうは古くから広く親しまれている食材ではあるものの、ごぼうは灰汁が強いため、飲食品として利用する際は、灰汁抜きをするなどの処理が必要である。
そして、このような処理に関し、特許文献1、2では、以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、土臭さや重くてこもったような香気成分の印象を軽減し、かつそれでいてゴボウ等の原料素材の特徴的風味を活かした飲食物原料を提供することを目的として、ゴボウの搾汁液を処理して得られた調整ゴボウ搾汁液を減圧蒸留後、カラム濃縮法によって得られる香気成分濃縮物の成分が、特定の関係式を全て満足することを特徴とする飲食物原料が記載されている。
また、特許文献2には、野菜類は、体積に対して含有される成分量が少ないことから、多くの量を食さなければ必要とする量の成分を摂取できない不都合があるため、そのような特徴的な成分を容易に摂取することができ、健康の維持や増進に寄与し得るようにすることを目的として、原料の中国野菜であるサンジャーサイ(別名、皇帝菜)を少なくとも乾燥及び/又は焙煎することにより、体積に対して、含有される特徴的な成分の割合を増大した茶風物としたことを特徴とする中国野菜による茶風物が記載されている。
特開2005−312366号公報 特開平7−374830号公報
特許文献1に記載の技術は、土臭さや重くてこもったような香気成分を除去することができるが、同時に、ごぼう本来の美味しさや香りなども除去され、嗜好の低いものとなってしまうという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術は、茶用飲料としては生っぽさが残ってしまうため、味、風味、香りに劣るという問題があった。
このような問題を解消すべく、本発明者らは、ごぼう本来の味、風味、香りをそのまま活かし、かつ、飲食し易いごぼう茶やごぼう茶葉の開発を進めてきた。
そして、この開発過程の中で、本発明者らは、ごぼう茶やごぼう茶葉について、現代の消費者の健康志向の高まりに適合するような新たな用途(効果)を見出すことができれば、商品に大きな付加価値を与えるだけでなく、消費者の健康増進の一助となるのではと考えた。
そこで、本発明は、新たな用途を有するごぼう茶、ごぼう茶葉、および、ごぼう茶葉の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)有効成分としてイヌリンとクロロゲン酸とを含み、便通改善用または肥満改善用であることを特徴とすることを特徴とするごぼう茶。
(2)前記イヌリンの含有量が2〜80mg/100g、前記クロロゲン酸の含有量が0.05〜0.50mg/100gであることを特徴とする前記1に記載のごぼう茶。
(3)1日あたりの摂取量として、前記イヌリンが20〜800mg、前記クロロゲン酸が0.5〜5.0mgであることを特徴とする前記1又は前記2に記載のごぼう茶。
(4)有効成分としてメラノイジンをさらに含み、波長460nmにおける吸光度が0.020〜1.400であることを特徴とする前記1から前記3のいずれか1つに記載のごぼう茶。
(5)有効成分としてイヌリンとクロロゲン酸とを含み、便通改善用または肥満改善用であることを特徴とすることを特徴とするごぼう茶葉。
(6)前記イヌリンの含有量が2000〜40000mg/100g、前記クロロゲン酸の含有量が20〜500mg/100gであることを特徴とする前記5に記載のごぼう茶葉。
(7)1日あたりの摂取量として、前記イヌリンが20〜800mg、前記クロロゲン酸が0.5〜5.0mgであることを特徴とする前記5又は前記6に記載のごぼう茶葉。
(8)有効成分としてメラノイジンをさらに含み、色彩色差計によって測定されるL値が15.00〜50.00、a値が4.00〜15.00、b値が10.00〜35.00であることを特徴とする前記1から前記7のいずれか1つに記載のごぼう茶葉。
(9)便通改善用または肥満改善用のごぼう茶葉の製造方法であって、表皮を含むごぼう根部を所定の形状および大きさのごぼう茶葉に裁断する裁断工程と、前記裁断工程の前および前記裁断工程の後の少なくとも一方に、表皮を含むごぼう根部またはごぼう茶葉に対して40〜90℃で10〜175分間の加熱処理を施す加熱工程と、前記裁断工程および前記加熱工程の後に、ごぼう茶葉に対して35〜65℃の乾燥処理を施す乾燥工程と、前記乾燥工程の後に、ごぼう茶葉に対して137〜175℃で10〜50分間の焙煎処理を施す焙煎工程と、前記焙煎工程の後に、ごぼう茶葉のイヌリンとクロロゲン酸との含有量を検査し、前記イヌリンの含有量が2000mg/100g以上であるとの要件Aと、前記クロロゲン酸の含有量が20mg/100g以上であるとの要件Bとを満たすか否かを確認する確認工程と、前記確認工程の後に、前記要件Aおよび前記要件Bの少なくとも一方を満たさない場合、前記要件Aおよび前記要件Bの両方を満たすように前記ごぼう茶葉を調製する調製工程と、を含むことを特徴とするごぼう茶葉の製造方法。
本発明に係るごぼう茶とごぼう茶葉は、便通改善用または肥満改善用という新たな用途を提供することができる。
また、本発明に係るごぼう茶葉の製造方法は、所定の各工程を含むことから、便通改善用または肥満改善用という新たな用途を有するごぼう茶葉を製造することができる。
本実施形態に係るごぼう茶葉の製造方法のフローを示すフローチャートである。 本実施形態に係るごぼう茶葉の製造方法のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係るごぼう茶、ごぼう茶葉、および、ごぼう茶葉の製造方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
≪ごぼう茶≫
本実施形態に係るごぼう茶は、後記するごぼう茶葉から抽出して(ごぼう茶葉を煮出して)得られるごぼう茶飲料であり、便通改善用または肥満改善用という新たな用途を有する。そして、本実施形態に係るごぼう茶は、これらの用途の飲料として好適に使用するため、イヌリンの含有量が所定範囲内であり、クロロゲン酸の含有量が所定範囲内である。また、本実施形態に係るごぼう茶は、波長460nmにおける吸光度が所定値以上となるようにメラノイジンを含んでいてもよい。
以下、本実施形態に係るごぼう茶の各特徴を詳細に説明する。
<用途>
(便通改善用)
本実施形態に係るごぼう茶の便通改善用とは、使用者(詳細には、便秘傾向を有する使用者)の便通を良くするという用途であり、より詳細には、1回の排便における便量の増加用といった用途である。
(肥満改善用)
本実施形態に係るごぼう茶の肥満改善用とは、使用者(詳細には、BMI値が20.0kg/m以上30.0kg/m未満の使用者)の肥満の程度を改善させるという用途であり、より詳細には、BMI値低減用、体重低減用、ウエスト周囲径減少用、ヒップ周囲径減少用、二の腕周囲径減少用、太もも周囲径減少用といった用途である。
<推察される作用機序>
本実施形態に係るごぼう茶には、イヌリンとクロロゲン酸とが共存している。そして、イヌリンとクロロゲン酸の量は、発明者らが想定していたよりも非常に少ない量で優れた効果を発揮する(前記した2つの用途に好適に適用できる)ことから、ごぼう茶においてイヌリンとクロロゲン酸とが相乗的に作用して効果を発揮しているものと推察する。
さらに、本実施形態に係るごぼう茶は、後記のとおり、加熱、乾燥、焙煎工程を経て製造されることから、メラノイジンを多く含有している。そして、このメラノイジンが、イヌリン、クロロゲン酸の発揮する効果を更に高めることにより、前記のとおりイヌリン、クロロゲン酸の量が非常に少なくとも優れた効果を発揮するのではないかと推察する。
<イヌリン>
イヌリン(inulin)とは、果糖の重合体の一種である。そして、このイヌリンを含有するごぼう茶は、便通改善の効果を発揮するとともに、肥満改善の効果も発揮する。
ごぼう茶のイヌリンの含有量は、2mg/100g以上が好ましく、5mg/100g以上がより好ましく、10mg/100g以上がさらに好ましい。イヌリンの含有量が所定量以上であることにより、後記のクロロゲン酸と互いに作用しながら、便通改善の効果と肥満改善の効果を発揮させることができる。
一方、ごぼう茶のイヌリンの含有量が多いということは、ごぼう茶葉の製造工程中にイヌリンが分解されることによって生じるフルクトースの含有量も比例して多いことを意味しているため、甘味が強くなり過ぎ、ごぼう茶の香味に適さなくなる。よって、ごぼう茶の香味上の観点から、ごぼう茶のイヌリンは80mg/100g以下が好ましく、60mg/100g以下がより好ましく、50mg/100g以下がさらに好ましい。
ごぼう茶として摂取するイヌリンの1日あたりの摂取量は、20mg以上が好ましく、50mg以上がより好ましく、100mg以上がさらに好ましい。イヌリンの摂取量(1日あたり)が所定量以上であることにより、便通改善の効果と肥満改善の効果をより確実に発揮させることができる。
一方、ごぼう茶として摂取するイヌリンの1日あたりの摂取量は、前記した効果が飽和するという観点から、800mg以下が好ましく、600mg以下がより好ましく、500mg以下がさらに好ましい。
イヌリンの含有量は内在性の分解酵素の影響を受けやすいが、後記するごぼう茶葉の製造方法の加熱工程、乾燥工程、焙煎工程での温度、時間、含水率を精緻に制御することによってコントロールできるとともに、さらに、確認工程と調製工程によって、確実に所定量以上(所定範囲内)とすることができる。
ごぼう茶に含まれるイヌリンは、例えば、総フルクタン量としてフルクタン測定キット(Megazyme社製、輸入販売 日本バイオコン株式会社)を用いて測定することができる。詳細には、Megazyme社の「AOAC Method 999.03 AACC Method 32.32 Codex Type III Method」に記載されている分析手順に沿って分析すればよい。なお、ごぼう茶の総フルクタン量の少ない場合は、適宜、フルクタンを抽出し希釈する工程(前記の分析手順に記載されている項目1、2)を省略してもよい。
<クロロゲン酸>
クロロゲン酸(chlorogenic acid)とは、ポリフェノールの一種であり、詳細には、5−カフェオイルキナ酸(CAS登録番号:327−97−9)である。そして、このクロロゲン酸を含有するごぼう茶は、便通改善の効果を発揮するとともに、肥満改善の効果も発揮する。
ごぼう茶のクロロゲン酸の含有量は、0.05mg/100g以上が好ましく、0.07mg/100g以上がより好ましく、0.10mg/100g以上がさらに好ましい。クロロゲン酸の含有量が所定量以上であることにより、前記のイヌリンと互いに作用しながら、便通改善の効果と肥満改善の効果を発揮させることができる。
一方、ごぼう茶のクロロゲン酸の含有量が多いということは、ごぼう茶葉の製造工程中にクロロゲン酸が反応することによって生じる苦味成分の含有量も比例して多いことを意味しているため、苦味が強くなり過ぎ、ごぼう茶の香味に適さなくなる。よって、ごぼう茶の香味上の観点から、ごぼう茶のクロロゲン酸は0.50mg/100g以下が好ましく、0.45mg/100g以下がより好ましく、0.40mg/100g以下がさらに好ましい。
ごぼう茶として摂取するクロロゲン酸の1日あたりの摂取量は、0.5mg以上が好ましく、0.7mg以上がより好ましく、1.0mg以上がさらに好ましい。クロロゲン酸の摂取量(1日あたり)が所定量以上であることにより、便通改善の効果と肥満改善の効果をより確実に発揮させることができる。
一方、ごぼう茶として摂取するクロロゲン酸の1日あたりの摂取量は、前記した効果が飽和するという観点から、5.0mg以下が好ましく、4.5mg以下がより好ましく、4.0mg以下がさらに好ましい。
クロロゲン酸の含有量は、後記するごぼう茶葉の製造方法の加熱工程、乾燥工程、焙煎工程での温度、時間、含水率を精緻に制御することによってコントロールできるとともに、さらに、確認工程と調製工程によって、確実に所定量以上とすることができる。
ごぼう茶に含まれるクロロゲン酸は、例えば、高速液体クロマトグラムを用いたHPLC法によって測定することができる。HPLC法の条件は、例えば、以下のとおりである。
なお、クロロゲン酸の含有量が少ない場合は、適宜、エバポレーターによってごぼう茶を濃縮(例えば20倍)してから測定すればよい。
測定波長:325nm
カラム:CAPCELLPAK C18 ACR, φ4.6mm×150mm, 粒径3μm
カラム温度:30℃
移動相:水、アセトニトリル及びリン酸の混液(920:80:2)
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
<メラノイジン>
メラノイジンとは、メイラード反応によって生じる褐色色素のことである。そして、このメラノイジンを含有するごぼう茶は、イヌリン及びクロロゲン酸と相乗的に作用し、便通改善と肥満改善の効果をより向上させると推察する。
なお、ごぼう茶のメラノイジンの含有量は、波長460nmにおける吸光度の値に略比例する。
ごぼう茶がメラノイジンを含有することにより、ごぼう茶の波長460nmにおける吸光度が0.020以上となっているのが好ましく、0.040以上となっているのがより好ましく、0.060以上となっているのがさらに好ましい。ごぼう茶の波長460nmにおける吸光度が所定値以上となっていることによって、便通改善と肥満改善の効果をより明確に発揮する。
一方、ごぼう茶の波長460nmにおける吸光度は、高過ぎると飲食には適さなくなる(消費者の食欲を抑制してしまう)という観点から、1.400以下となっているのが好ましく、0.750以下となっているのがより好ましく、0.550以下となっているのがさらに好ましい。
なお、波長460nmにおける吸光度は、何も入れていない空のセルをブランクとし、例えば、分光光度計(バイオスペクトロメーター ベーシック、エッペンドルフ社製)を用いて測定することができる。
<その他>
本実施形態に係るごぼう茶には、一般的に茶飲料に含まれる成分、例えば、香料、酸化防止剤(ビタミンC)等が含まれていてもよい。
また、本実施形態に係るごぼう茶は、一般的に流通している容器、例えば、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、瓶、紙容器等に充填されていてもよい。
≪ごぼう茶葉≫
本実施形態に係るごぼう茶葉は、後記する製造方法によって製造することができ、当該ごぼう茶葉をお湯で抽出することにより、前記したごぼう茶(ごぼう茶飲料)となる。
以下では、ごぼう茶葉について説明するが、前記したごぼう茶と説明が重複する部分については説明を割愛する。
<イヌリン>
ごぼう茶葉のイヌリンの含有量は、2000mg/100g以上が好ましく、5000mg/100g以上がより好ましく、8000mg/100g以上がさらに好ましい。イヌリンの含有量が所定量以上であることにより、抽出したごぼう茶において、イヌリンが後記のクロロゲン酸と互いに作用しながら、便通改善の効果と肥満改善の効果を発揮させることができる。
一方、ごぼう茶葉のイヌリンの含有量が多いと、製造工程中にイヌリンが分解されることによって生じるフルクトースの含有量も比例して多くなる結果、抽出したごぼう茶の甘味が強くなり過ぎ、ごぼう茶の香味に適さなくなる。よって、ごぼう茶の香味上の観点から、ごぼう茶葉のイヌリンは40000mg/100g以下が好ましく、37000mg/100g以下がより好ましく、35000mg/100g以下がさらに好ましい。
なお、イヌリンの1日あたりの摂取量は、ごぼう茶の説明において示したとおりである。
ごぼう茶葉に含まれるイヌリンの含有量は、例えば、ごぼう茶葉を2g採取し、1000gのお湯(80〜100℃)で3分間抽出したごぼう茶について、前記した方法によってイヌリンの含有量を測定する。その後、溶出効率を100%と仮定してごぼう茶葉のイヌリンの含有量を算出すればよい。
<クロロゲン酸>
ごぼう茶葉のクロロゲン酸の含有量は、20mg/100g以上が好ましく、30mg/100g以上がより好ましく、40mg/100g以上がさらに好ましい。クロロゲン酸の含有量が所定量以上であることにより、抽出したごぼう茶において、クロロゲン酸が前記したイヌリンと互いに作用しながら、便通改善の効果と肥満改善の効果を発揮させることができる。
一方、ごぼう茶葉のクロロゲン酸の含有量が多いと、製造工程中にクロロゲン酸が反応することによって生じる苦味成分の含有量も比例して多くなる結果、抽出したごぼう茶の苦味が強くなり過ぎ、ごぼう茶の香味に適さなくなる。よって、ごぼう茶の香味上の観点から、ごぼう茶葉のクロロゲン酸は500mg/100g以下が好ましく、400mg/100g以下がより好ましく、300mg/100g以下がさらに好ましい。
なお、クロロゲン酸の1日あたりの摂取量は、ごぼう茶の説明において示したとおりである。
ごぼう茶葉に含まれるクロロゲン酸の含有量は、例えば、ごぼう茶葉を2g採取し、1000gのお湯(80〜100℃)で3分間抽出したごぼう茶について、前記した方法によってクロロゲン酸の含有量を測定する。その後、溶出効率を100%と仮定してごぼう茶葉のクロロゲン酸の含有量を算出すればよい。
<メラノイジン>
ごぼう茶葉のメラノイジンの含有量は、色彩色差計で測定したL値が15.00以上、a値が4.00以上、b値が10.00以上となっているのが好ましく、L値が19.00以上、a値が5.00以上、b値が12.00以上となっているのがより好ましく、L値が24.00以上、a値が6.00以上、b値が15.00以上となっているのがさらに好ましい。ごぼう茶葉のL値、a値、b値がそれぞれ所定値以上となっていることによって、メラノイジンの含有量が多く、抽出したごぼう茶の便通改善と肥満改善の効果をより明確に発揮する。
一方、ごぼう茶葉のL値、a値、b値は、高過ぎると飲食には適さなくなる(消費者の食欲を抑制してしまう)という観点から、L値が50.00以下、a値が15.00以下、b値が35.00以下となっているのが好ましく、L値が43.00以下、a値が13.00以下、b値が30.00以下となっているのがより好ましく、L値が41.00以下、a値が11.00以下、b値が26.00以下となっているのがさらに好ましい。
なお、ごぼう茶葉のメラノイジンの含有量は、色彩色差計で測定したL値、a値、b値の合計に略比例する。また、ごぼう茶葉のL値は、例えば、色彩色差計(CR−400、コニカミノルタ社製)を用いて測定することができる。なお、ごぼう茶葉の色にばらつきがある場合、複数回(例えば、4回程度)測定して得られた値の平均値を算出すればよい。
また、ごぼう茶葉のメラノイジンの含有量は、ごぼう茶葉2gを1000gのお湯(80〜100℃)で3分間抽出して得られたごぼう茶の波長460nmにおける吸光度が0.020以上となっているのが好ましく、0.040以上となっているのがより好ましく、0.060以上となっているのがさらに好ましい。ごぼう茶の波長460nmにおける吸光度が所定値以上となっていることによって、便通改善と肥満改善の効果をより明確に発揮する。
一方、前記のようにして得られたごぼう茶の波長460nmにおける吸光度は、高過ぎると飲食には適さなくなる(消費者の食欲を抑制してしまう)という観点から、1.400以下となっているのが好ましく、0.750以下となっているのがより好ましく、0.550以下となっているのがさらに好ましい。
<ごぼう茶葉に適用する抽出条件>
本実施形態に係るごぼう茶葉の抽出条件は特に限定されないものの、ごぼう茶とした場合にイヌリンの含有量とクロロゲン酸の含有量とを前記した範囲内とするため、ごぼう茶葉Zgに対してお湯(50〜100℃、好ましくは、80〜100℃)をZ×50〜Z×5000g(好ましくは、Z×450〜Z×550g)注ぎ、抽出時間を30秒以上(好ましくは、150〜200秒)とするのが好ましい。
<その他>
本実施形態に係るごぼう茶葉には、本発明の効果が阻害されない範囲で、一般的に流通している他の茶葉、例えば、緑茶、抹茶等や、消費者の健康増進に寄与するような自然植物・食材が付加されていてもよい。
本実施形態に係るごぼう茶葉は、一般的に緑茶の茶葉等が流通している形態、例えば、100〜500gの個包装充填、所定量を固めた固形物、粉砕された粉末物、0.5〜5g/パックのティーバッグ等として提供することができる。
なお、1日あたりのイヌリン、クロロゲン酸を適切に消費者が摂取できるように、抽出条件、1日に摂取すべきごぼう茶の量等が、ごぼう茶葉の商品のパッケージ等に記載されていてもよい。
なお、本実施形態に係るごぼう茶、および、ごぼう茶葉には、クロロゲン酸(5−カフェオイルキナ酸)以外のクロロゲン酸類が含まれていてもよく、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲において、適宜、添加してもよい。
このクロロゲン酸類としては、クロロゲン酸(5−カフェオイルキナ酸)以外に、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸、5−フェルロイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸、1−カフェオイルキナ酸、1,4−ジカフェオイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−3−マロイルキナ酸、1,4−ジカフェオイル−3−マロイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−4−マロイルキナ酸、1,3−ジカフェオイル−4,5−ジマロイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−3−サクシノイルキナ酸、1,4−ジマロイル−3,5−ジカフェオイルキナ酸、1,5−ジカフェオイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−3−サクシノイル−4−マロイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−4−サクシノイルキナ酸、1,5−ジカフェオイル−3,4−ジサクシノイルキナ酸、1,3,5−トリカフェオイル−4−マロイルキナ酸、1,3,5−トリカフェオイル−4−サクシノイルキナ酸、1,3,5−トリカフェオイルキナ酸等を挙げることができる。
≪その他の飲食品≫
本実施形態に係るごぼう茶葉は、当該ごぼう茶葉のまま、および、ごぼう茶を製造する際に使用した使用済みごぼう茶葉(いわゆる出し殻)のうちの少なくとも一つを使用することにより、種々のごぼう茶葉含有食品としてもよい。例えば、惣菜類、煮物加工食品、スナック、デザート、ふりかけ、お粥やピラフに添加する調味料的な具材として使用することができる。また、本実施形態に係るごぼう茶葉とあわせて使用することのできる食材としては、例えば、穀類、葉菜類、根菜類、果実類、肉類、魚介類、海藻類などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。一般的な料理に使用される食材であればどのような食材でも使用することができる。
≪ごぼう茶葉の製造方法≫
本実施形態に係るごぼう茶葉の製造方法は、図1に示すように、裁断工程S1と、加熱工程S2と、乾燥工程S3と、焙煎工程S4と、確認工程S5と、調製工程S6と、を含む。なお、図2に示すように、裁断工程S1の前に加熱工程S2が実施されてもよい。
以下、本実施形態に係るごぼう茶葉の製造方法の各工程について詳細に説明する。
<裁断工程>
裁断工程S1は、表皮を含むごぼう根部(生の状態または加熱処理後の状態)を所定の形状および大きさのごぼう茶葉に裁断する工程である。
この裁断工程S1でごぼう茶葉の形状および及び大きさがほぼ決定される。裁断して得られる形状および大きさは、適宜設定することができる。例えば、ごぼう根部を四つ切り、または、八つ切りにし、厚さが0.2〜3mm程度となるようにしたり、ささがき状態としたりすることができる。
そして、ごぼうの味成分、風味成分、香り成分は、生のごぼう根部の表皮に多く含有されているため、裁断工程S1における対象を「表皮を含むごぼう根部」とすることによって、ごぼう本来の味、風味、香りをそのまま活かすことができる。
なお、粉末状のごぼう茶葉とする場合は、後記する乾燥工程S3後に、粉砕機によって45〜500メッシュ程度に微粉砕して行うのが製品の取り扱い上好ましい。
<加熱工程>
加熱工程S2は、ごぼう茶葉に加熱処理を施す工程である。
加熱工程S2においてごぼう茶葉に加熱処理を施すことにより、ごぼうに含まれているイヌリン分解酵素などの働きを促進させてイヌリンを一部分解させることで、フルクトースを増やし、甘味を持たせることで香味上の改善を行うことができる。また、このような加熱処理を施すと、ごぼうに含まれているポリフェノール酸化酵素を失活させることで、クロロゲン酸の含有量を減らし難くすることができる。また、このような加熱処理を施すと、メラノイジンの増加を促進させることにもなる。
この加熱工程S2における加熱温度は、40〜90℃、好ましくは45〜85℃、より好ましくは77〜87℃であり、加熱時間は、10〜175分間、好ましくは15〜145分間である。
加熱温度が低い、または、加熱時間が短い場合、イヌリンの分解があまり生じずフルクトースの生成量が少なくなり、香味上の改善が期待できないおそれがある。また、メラノイジンが十分に生成されないおそれもある。一方、加熱温度が高い、または、加熱時間が長い場合、イヌリンの分解が過度となり、フルクトースの生成量が多くなり過ぎて甘味が強くなり過ぎ、さらに、イヌリンの含有量が減りすぎるおそれがある。
なお、加熱工程S2での加熱処理の加熱温度および加熱時間は、前記した条件の範囲内で任意に設定することができる。例えば、加熱温度を40℃とした場合は、加熱時間を175分間などとし、加熱温度を90℃とした場合は、加熱時間を10分間などとすることができる。
加熱工程S2での加熱処理は、蒸すことにより行うことができるがこれに限定されるものではない。例えば、焙焼、湯浴、焙煎、温蔵庫や蒸し庫で加熱することなどによっても行うことができる。
前記したとおり、裁断工程S1の前に加熱工程S2を実施することができるが、この場合は加熱処理の対象が表皮を含むごぼう根部(生の状態)となる。
<乾燥工程>
乾燥工程S3は、ごぼう茶葉に対して乾燥処理を施す工程である。
乾燥工程S3においてごぼう茶葉に乾燥処理を施すことにより、ごぼうに含まれているイヌリン分解酵素によってイヌリンの一部を分解して低分子化することによってフルクトース生成量を適度に増加させることができる。
乾燥工程S3における乾燥温度は、35〜65℃、好ましくは41〜59℃、より好ましくは46〜54℃であり、乾燥時間は特に限定されないものの、ごぼう茶葉の含水率が5.2〜9.7%、好ましくは5.5〜7.0%となるように乾燥を施す。
乾燥温度が低い場合、イヌリンの分解が行われないため、たとえ長時間乾燥させたとしても、フルクトースの生成量が不十分となるとともに、程よい甘みとごぼうの旨みとなるこく味を得ることが困難となる。一方、乾燥温度が高い場合、乾燥し過ぎてしまうため、所謂こげ臭が発生してしまい、嗜好の低いものとなるおそれがある。また、イヌリンの分解が過度となり、イヌリンの含有量が減りすぎるおそれがある。
そして、乾燥後のごぼう茶葉の含水率が低い場合、乾燥温度が高い場合と同様、こげ臭が発生してしまう。一方、乾燥後のごぼう茶葉の含水率が高い場合、長期保存に不向きとなる。
乾燥工程S3での乾燥処理は、通風乾燥によるのが好ましいがこれに限定されるものではない。例えば、温度条件を前記した範囲に制御して行う凍結乾燥、蒸気乾燥、過熱蒸気乾燥、減圧乾燥や天日干しなどによっても行うことができる。
<焙煎工程>
焙煎工程S4は、ごぼう茶葉に対して焙煎処理を施す工程である。
焙煎工程S4においてごぼう茶葉に焙煎処理を施すことにより、これまでの工程で生成されたフルクトースやごぼうに元々含まれている還元糖と、ごぼう茶葉に含まれるアミノ酸とがメイラード反応することによって焙煎香(ロースト香)が付与されるとともに、ごぼう茶葉の色を褐色にすることができ、メラノイジンの含有量を増加させることができる。さらに、ごぼうに含まれているポリフェノール酸化酵素をより確実に失活させることができるので、クロロゲン酸の含有量を高く保つことができる。
焙煎工程S4における焙煎温度は、137〜175℃、好ましくは142〜162℃であり、焙煎時間は、10〜50分間、好ましくは25〜40分間である。
焙煎温度が低い場合、または、焙煎時間が短い場合、メイラード反応が起き難いため、焙煎香を付与し難く、焙煎による褐色も呈さなくなり、メラノイジンが十分に生成されない。一方、焙煎温度が高い場合、または、焙煎時間が長い場合、メイラード反応が進みすぎるため、焙煎香が強くなり過ぎてコゲ臭が発生してしまい嗜好に劣るおそれや、ごぼう茶葉を使用してごぼう茶葉を淹れた場合に色が濃くなり過ぎるおそれがあり、さらには、クロロゲン酸やイヌリンが肥満改善または便通改善の効果が得られないレベルまで減少するおそれがある。
ごぼう茶葉の焙煎は、焙煎温度及び焙煎時間によって、前記した条件の範囲内で任意に設定することができる。例えば、焙煎温度を137℃とした場合は、焙煎時間を46〜50分間などとし、焙煎温度を175℃とした場合は、焙煎時間を10〜12分間などとすることができる。焙煎時間をこのような範囲とすれば確実に肥満改善または便通改善効果を保持することができる。なお、焙煎温度が175℃である場合、焙煎時間が12分間を超えると焦げてしまい、クロロゲン酸やイヌリンの量が大幅に減少するおそれがある。
<確認工程>
確認工程S5は、ごぼう茶葉のイヌリンとクロロゲン酸との含有量を検査し、イヌリンの含有量が所定値以上であるとの要件Aと、クロロゲン酸の含有量が所定値以上であるとの要件Bとを満たすか否かを確認する工程である。
確認工程S5での確認処理は、例えば、ごぼう茶葉を2g採取し、1000gのお湯(80〜100℃)で3分間抽出してごぼう茶を得る。そして、得られたごぼう茶のイヌリンとクロロゲン酸との含有量をそれぞれ、フルクタン測定キットとHPLC法によって検査する。そして、検査で得られたごぼう茶のイヌリンとクロロゲン酸の含有量の数値から、ごぼう茶葉に含まれるイヌリンとクロロゲン酸の含有量を算出する。例えば、前記の条件で抽出したごぼう茶にイヌリンが10mg/100g含有していた場合、ごぼう茶葉のイヌリンの含有量は5000mg/100g(=10×1000/2)というように、溶出効率を100%と仮定して算出することができる。
そして、算出したイヌリン(総フラクタンとして)のごぼう茶葉における含有量が2000mg/100g以上であるとの要件Aを満たすか否かを確認し、算出したクロロゲン酸のごぼう茶葉における含有量が20mg/100g以上であるとの要件Bを満たすか否かを確認する。
なお、確認工程S5での確認処理の頻度は特に限定されないものの、品質保証の観点から、ロット毎(例えば、1〜1000kg毎)に実施すればよい。
<調製工程>
調製工程S6は、要件Aおよび要件Bの少なくとも一方を満たさない場合、要件Aおよび要件Bの両方を満たすようにごぼう茶葉を調製する工程である。
調製工程S6での調製処理は、具体的には、対象となるごぼう茶葉が要件Aと要件Bの両方を満たさないとの結果であった場合、イヌリンとクロロゲン酸の含有量の多いごぼう茶葉(事前に準備した別のごぼう茶葉)を添加することで、要件Aと要件Bの両方を満たすように調製する。
また、調製工程S6での調製処理は、対象となるごぼう茶葉が要件Aのみを満たさないとの結果であった場合、少なくともイヌリンの含有量の多いごぼう茶葉(事前に準備した別のごぼう茶葉)を添加することで、要件Aと要件Bの両方を満たすように調製する。
また、調製工程S6での調製処理は、対象となるごぼう茶葉が要件Bのみを満たさないとの結果であった場合、少なくともクロロゲン酸の含有量の多いごぼう茶葉(事前に準備した別のごぼう茶葉)を添加することで、要件Aと要件Bの両方を満たすように調製する。
なお、確認工程S5において、対象となるごぼう茶葉が要件Aおよび要件Bの両方を満たすとの結果が得られた場合は、調製工程S6での調製処理は実施されない。
対象となるごぼう茶葉に添加する「別のごぼう茶葉」の添加量については、対象となるごぼう茶葉の総量や各成分(イヌリン、クロロゲン酸)の含有量、別のごぼう茶葉の各成分の含有量等に基づいて算出すればよい。
なお、調製工程S6での調製処理として、対象となるごぼう茶葉に別のごぼう茶葉を添加する方法を説明したが、この方法に限定されず、例えば、イヌリンやクロロゲン酸を単体(ごぼう茶葉等の食品から単離させた状態)で添加するといった方法でもよい。
<その他の工程、及び、変形例>
調製工程S6の後に、ごぼう茶葉のイヌリンとクロロゲン酸の含有量を再度確認する再確認工程(処理内容は前記の確認工程S5の処理と同じ)や、さらにその後に、ごぼう茶葉のイヌリンとクロロゲン酸の含有量を再度調製する再調製工程(処理内容は前記の調製工程S6の処理と同じ)を実施してもよい。
なお、ごぼう茶葉を製品とする場合は、前記の調製工程S6や再調製工程の後に、個包装に充填したり、固形物とすべく固めたり、粉末物とすべく粉砕したり、ティーバッグに詰めたり、といった一般的に茶葉を製品化する際に行われる処理を実施すればよい。
前記した確認工程S5では、要件A、Bについて、イヌリン、クロロゲン酸の下限値のみを設定したが、下限値に加えて上限値を設定してもよい。なお、下限値、上限値については、ごぼう茶及びごぼう茶葉の説明箇所において示した値に、適宜変更してもよい。
また、前記した確認工程S5では、2つの要件A、Bを用いたが、メラノイジンの含有量の要件C(ごぼう茶葉の色彩色差計で測定したL値、a値、b値の下限値のみ、又は、下限値と上限値・抽出したごぼう茶の波長460nmにおける吸光度の下限値のみ、又は、下限値と上限値)を用いてもよい。
≪ごぼう茶の製造方法≫
本実施形態に係るごぼう茶の製造方法は、前記したごぼう茶葉の調製工程S6や再調整工程の後に、抽出工程を含む。
抽出工程での抽出処理は、例えば、ごぼう茶葉Zgに対してお湯(50〜100℃、好ましくは、80〜100℃)をZ×50〜Z×5000g(好ましくは、Z×450〜Z×550g)注ぎ、抽出時間を30秒以上(好ましくは、150〜200秒)といった処理が挙げられる。
なお、ごぼう茶を製品とする場合は、前記の抽出工程の後に、各種容器に充填したり、殺菌したり、といった一般的に飲料を製品化する際に行われる処理を実施すればよい。
次に、本発明の要件を満たす実施例を例示して、本発明に係るごぼう茶について説明する。
≪実施例1≫
まず、実施例1では、ごぼう茶が発揮する便通改善について確認する。
<試験品およびプラセボ品>
前記した製造方法によって得られたごぼう茶葉1パック(2g)を約1リットルのお湯で煮出し、イヌリンの含有量が約310mg/kg、クロロゲン酸の含有量が約2.4mg/kg、波長460nmにおける吸光度が約0.228、となったごぼう茶を試験品とした。
なお、プラセボ茶葉としては、前記した試験品と色・風味・味を略同じとするとともに、茶葉からイヌリンやクロロゲン酸を除くために、ごぼう茶葉をお湯で煮出した後に茶殻を回収し、乾燥、焙煎することを数回繰り返したものを用いた。
<被験者>
30〜59歳の男女であって、便秘傾向を有する24名を被験者とした。
なお、被験者には、食物アレルギーを持つ者、試験結果に影響を及ぼす可能性がある医薬品、サプリメント、健康食品を服用している者、ホルモン補充療法を受けている者、妊娠中、授乳中の者、試験統括責任担当医師が適切でないと認めた者は、含まれていない。
<試験方法、試験期間、摂取法、検査法>
(試験方法)
試験方法は、試験品とプラセボ品を用いた無作為化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験とした。
(試験期間)
試験期間は、前観察期間(2週間)、摂取期間I(2週間)、ウォッシュアウト期間(2週間)、摂取期間II(2週間)とした。
なお、試験期間中は、新たにサプリメント等の摂取を開始しないこと、暴飲暴食を避け、間食を避け、アルコールの1日の摂取量は缶ビール1本(350mL)を目安とすることを指示し、日誌の提出を義務付けた。
(摂取法)
被験者は、2週間の摂取期間IまたはIIの間、前記した試験品またはプラセボ品について、毎日1日1リットルを朝・昼・夜の3回に分けて摂取した。
なお、摂取期間Iで試験品を摂取した被験者グループ(13名:男2名、女11名)は、摂取期間IIでプラセボ品を摂取し、摂取期間Iでプラセボ品を摂取した被験者グループ(11名:男9名、女2名)は、摂取期間IIで試験品を摂取した。
(検査法)
試験品とプラセボ品のそれぞれの摂取期間の2週間の排便の状態について、被験者に日誌で報告させ、「便回数」「排便日数」「便量」を評価した。
便回数は2週間での排便のあった回数、排便日数は2週間で排便のあった日数を示し、便量は被験者に直径2.5cm、長さ5cmのホースを配布し、その1本分を「1」単位として「1点:0.5以下」「2点:1」「3点:1.5」「4点:2」「5点:2.5以上」と被験者自身が評価し、排便回数で割った平均値で表した。
<統計処理>
結果の解析はITT(Intention to treat)を採用し、測定値および点数は平均値±標準偏差で示した。
飲用前と飲用後の経時比較については対応のあるt検定、試験品とプラセボ品との群間比較についてはStudent-t検定を行った。なお、解析ソフトは、Statcel4(柳井,2015)とExcel統計2015(SSRI社, 2015)を使用した。
前記の試験結果を表1に示す。
Figure 2019140921
<試験結果の検討>
表1に示すように、特に「便量」については、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較でも有意な差が示された。
≪実施例2≫
次に、実施例2では、ごぼう茶が発揮する肥満改善について確認する。
<試験品およびプラセボ品>
試験品およびプラセボ品については、実施例1と同じものを使用した。
<被験者>
30〜59歳の男女であって、BMI値が20.0kg/m以上30.0kg/m未満の43名を被験者とした。
なお、被験者には、食物アレルギーを持つ者、試験結果に影響を及ぼす可能性がある医薬品、サプリメント、健康食品を服用している者、ホルモン補充療法を受けている者、妊娠中、授乳中の者、試験統括責任担当医師が適切でないと認めた者は、含まれていない。
<試験方法、試験期間、摂取法、検査法>
(試験方法)
試験方法は、試験品とプラセボ品を用いた無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験とした。
(試験期間)
試験期間は、12週間とした。
なお、試験期間中は、新たにサプリメント等の摂取を開始しないこと、暴飲暴食を避け、間食を避け、アルコールの1日の摂取量は缶ビール1本(350mL)を目安とすることを指示し、日誌の提出を義務付けた。
(摂取法)
被験者は、12週間の間、前記した試験品またはプラセボ品について、毎日1日1リットルを朝・昼・夜の3回に分けて摂取した。
なお、試験品を摂取した被験者グループは、21名(男11名、女10名)であったが、試験期間中に3名が諸事情により離脱し18名(男8名、女10名)となった。
また、プラセボ品を摂取した被験者グループは22名(男8名、女14名)であったが、試験期間中に2名が諸事情により離脱し20名(男8名、女12名)となった。
(検査法)
試験品とプラセボ品のそれぞれの摂取前と摂取後4週、8週、12週の測定値(BMI値、体重、体脂肪率、ウェスト周囲径、ヒップ周囲径、二の腕周囲径、太もも周囲径)を比較した。
BMI値・体重・体脂肪率については、検査員が高精度型体組成計DF860(大和製衡(株)製)で1回計測を行なった。
ウェスト、ヒップ、二の腕、太ももの各周囲径はテープメジャー1.5m(シンワ社製)を用いて3回計測し、3つの測定値のうち中央値を採用した。
ウエスト周囲径は臍、ヒップ周囲径は尾てい骨を起点として計測した。二の腕周囲径は腕の付け根から肘までの中間位置の周囲径を計測し、太もも周囲径は脚の付け根から膝までの中間位置の周囲径を計測した。
<統計処理>
結果の解析はFAS(Full analysis set)を採用し、測定値は平均値±標準偏差で示した。
摂取前と摂取4週、8週、12週後の経時比較については対応あるt検定、試験品とプラセボ品との群間比較についてはStudent-t検定を行なった。なお、解析ソフトは、Statcel4(柳井,2015)とExcel統計2015(SSRI社, 2015)を使用した。
前記の試験結果を表2、3に示す。
Figure 2019140921
Figure 2019140921
<試験結果の検討>
表2から以下の事項が確認できた。
試験品群の「BMI値」について、8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「BMI値」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
試験品群の「体重」について、8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「体重」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
表3から以下の事項が確認できた。
試験品群の「ウエスト周囲径」について、4週後と8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「ウエスト周囲径」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、4週後と8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
試験品群の「ヒップ周囲径」について、4週後と8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「ヒップ周囲径」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、4週後と8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
試験品群の「二の腕周囲径」について、4週後と8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「二の腕周囲径」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、4週後と8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
試験品群の「太もも周囲径」について、4週後と8週後と12週後に有意な減少がみられた。また、「太もも周囲径」について、試験品群とプラセボ品群との変化量の群間比較では、4週後と8週後と12週後の試験品に有意な減少が示された。
以上、本発明に係るごぼう茶、ごぼう茶葉、および、ごぼう茶葉の製造方法について、発明を実施するための形態及び実施例により詳細に説明したが本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。また、当業者であれば本願の特許請求の範囲、明細書及び図面に基づいて種々の変形例を創案することが可能であり、そのような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
S1 裁断工程
S2 加熱工程
S3 乾燥工程
S4 焙煎工程
S5 確認工程
S6 調製工程

Claims (9)

  1. 有効成分としてイヌリンとクロロゲン酸とを含み、
    便通改善用または肥満改善用であることを特徴とすることを特徴とするごぼう茶。
  2. 前記イヌリンの含有量が2〜80mg/100g、前記クロロゲン酸の含有量が0.05〜0.50mg/100gであることを特徴とする請求項1に記載のごぼう茶。
  3. 1日あたりの摂取量として、前記イヌリンが20〜800mg、前記クロロゲン酸が0.5〜5.0mgであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のごぼう茶。
  4. 有効成分としてメラノイジンをさらに含み、
    波長460nmにおける吸光度が0.020〜1.400であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のごぼう茶。
  5. 有効成分としてイヌリンとクロロゲン酸とを含み、
    便通改善用または肥満改善用であることを特徴とすることを特徴とするごぼう茶葉。
  6. 前記イヌリンの含有量が2000〜40000mg/100g、前記クロロゲン酸の含有量が20〜500mg/100gであることを特徴とする請求項5に記載のごぼう茶葉。
  7. 1日あたりの摂取量として、前記イヌリンが20〜800mg、前記クロロゲン酸が0.5〜5.0mgであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のごぼう茶葉。
  8. 有効成分としてメラノイジンをさらに含み、
    色彩色差計によって測定されるL値が15.00〜50.00、a値が4.00〜15.00、b値が10.00〜35.00であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のごぼう茶葉。
  9. 便通改善用または肥満改善用のごぼう茶葉の製造方法であって、
    表皮を含むごぼう根部を所定の形状および大きさのごぼう茶葉に裁断する裁断工程と、
    前記裁断工程の前および前記裁断工程の後の少なくとも一方に、表皮を含むごぼう根部またはごぼう茶葉に対して40〜90℃で10〜175分間の加熱処理を施す加熱工程と、
    前記裁断工程および前記加熱工程の後に、ごぼう茶葉に対して35〜65℃の乾燥処理を施す乾燥工程と、
    前記乾燥工程の後に、ごぼう茶葉に対して137〜175℃で10〜50分間の焙煎処理を施す焙煎工程と、
    前記焙煎工程の後に、ごぼう茶葉のイヌリンとクロロゲン酸との含有量を検査し、前記イヌリンの含有量が2000mg/100g以上であるとの要件Aと、前記クロロゲン酸の含有量が20mg/100g以上であるとの要件Bとを満たすか否かを確認する確認工程と、
    前記確認工程の後に、前記要件Aおよび前記要件Bの少なくとも一方を満たさない場合、前記要件Aおよび前記要件Bの両方を満たすように前記ごぼう茶葉を調製する調製工程と、を含むことを特徴とするごぼう茶葉の製造方法。
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