JP2013226134A - 発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品 - Google Patents

発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品 Download PDF

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Abstract

【課題】ごぼうの有する機能をよりいっそう引き出すことができる、発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品を提供する。
【解決手段】ごぼうに対してブランチングを行うブランチング工程と、前記ブランチングされたごぼうに対し、麹を用いて発酵させる発酵工程と、を含むことを特徴とする、発酵ごぼう食品の製造方法、並びに、これにより製造される食品。さらには、麹を用いてごぼうを発酵させることにより得られた発酵ごぼうを含むことを特徴とする、機能性食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品に関する。
現代の食生活においては、高脂肪・低食物繊維食の傾向が強くなっている。また、精神的なストレスの増大等も重なり、肥満や腸管疾患の増加が問題になっている。特に、内臓脂肪の蓄積や腸内環境の悪化は、糖尿病のほか、大腸がんや炎症性腸疾患を引き起こし、これらの予防として食習慣の見直しが重要視されている。
動物性脂肪を多く含む食生活は、内臓脂肪を増大させる。内臓脂肪が蓄積すると、例えば蓄積した内臓脂肪から遊離脂肪酸が過剰に放出され、膵臓のβ細胞を障害し、インスリン分泌が阻害される。さらに、放出された遊離脂肪酸が、肝臓、筋肉、脂肪組織等、インスリンが作用する臓器(組織)で、インスリン作用を阻害するため、II型糖尿病の原因となる。
また、脂肪を多く摂取すると、腸内細菌バランスが悪化し、便秘となり、さらに過剰に分泌された胆汁酸が二次胆汁酸に変わる。二次胆汁酸は、酸化ストレスを増大させ、炎症を引き起こし大腸炎や大腸がんの原因となる。
大腸がんや炎症性腸疾患等の大腸疾病の原因は、ウィルス、細菌、寄生虫、病原性抗原、食物抗原等の多くの物質も原因となり得る。ヒトは、これらの物質を摂取した場合であっても、腸内における物理的なバリア機能による腸管内への侵入防止と、腸管内に侵入された場合であっても生物的なバリア機能による排除と、によって健康状態を維持している。そして、生物的なバリア機能にはIgA(Immunoglobulin A;免疫グロブリンA)等の免疫機能が大きく関与している。
そのような中、近年、クエン酸等の有機酸が、抗疲労効果や(非特許文献1)ピロリ菌生育阻害作用(非特許文献2)を奏することについて報告されている。また、大麦を麹(A. kawachii)で発酵させたエキスが血流改善効果を示し、その主たる成分はクエン酸で
あるとも報告されている(非特許文献3)。
腸内細菌叢を構成する腸内細菌は、互いに共生するだけでなく、宿主であるヒトとも共生関係にある。ヒトに対して有益に働く菌は、腸管感染防御作用、免疫機能の増強作用及び腸内腐敗の抑制作用等を示し、腸内環境を改善することから善玉菌と呼ばれる。一方、二次胆汁酸やニトロソアミンのような物質を生成する菌は、悪玉菌と呼ばれる。
具体例を挙げると、ビフィズス菌(Bifidobacterium)は、乳酸産生菌群で、善玉菌と
しての作用を示す。近年、ビフィズス菌に整腸作用、高血圧降下作用、抗変異原・抗腫瘍作用、血中コレステロール低減作用、免疫調節作用等、老化やがんの予防にむすびつくような生体調節機能のあることが見出された。
しかしながら、ビフィズス菌は乳酸菌と異なり、増殖促進物質を添加しないと増殖しにくい。また、ビフィズス菌は、酸素の存在が生残率を抑えることもあって、ビフィズス菌を豊富に含む食品を製造することは現在でも非常に困難である。
このような背景の下、消費者の健康向上を目的とした機能性食品のニーズが高まっている。これらの機能性食品の原料としては様々なものが用いられているが、例えば、日本において古くから親しまれ、食物繊維等を豊富に有するごぼうが注目されている。
特に、ごぼうの抗酸化活性の高さが見出され、ブランチングや焙煎により、抗酸化指標であるORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity;活性酸素吸収能力)値が増大することが明らかになっている(非特許文献4参照)。この非特許文献4には、国内産ごぼうを、蒸気加熱(ブランチング)後にカットし、乾燥した後、さらに130℃〜180℃で焙煎を行うことが記載されている。かかる方法によって焙煎されたごぼうのORAC値は、計算上、30100であったのに対し、生のままのごぼうのORAC値は2170、ブランチングしたのみの段階では5780、焙煎前の乾燥した段階では20700であったと報告されている。
また、前記の焙煎されたごぼうをラットに摂取させると、腸内環境、特に二次胆汁酸の減少、腸管免疫能の指標である免疫グロブリンA(Immunogloblin A;IgA)を増加させることが明らかになっている(特許文献1参照)。
このような処理のほかにも、例えば特許文献2には、麹、酵母及び乳酸菌を用いてごぼう等を発酵させる処理が記載されている。
特開2009−227609号公報 特開2010−130945号公報
J. Clin. Biochem. Nutr., 41, 224-230 (2007) Wien Klin Wochenschr 123, 38-40 (2011) 日本ヘモレオロジー学会誌、第5巻、89頁(2002) 日本調理科学会大会研究発表要旨集 第21巻第1086頁(2009)
特許文献2に記載の技術においては、麹に加えて、乳酸菌や酵母を併用して発酵させている。これにより、ごぼう等に含まれるタンパク質等がより分解されて、味覚、消化性、栄養価、機能性等の向上が期待できるとされている。しかしながら、特許文献2に記載されている技術によってごぼうの有する機能を引き出すという観点においては、特許文献2に記載の技術は依然として不十分なものであった。
即ち、ごぼうは特に多くの機能を有していると考えられる。そのため、ごぼうの有する機能をより多く引き出すことができれば、摂取(例えば飲食)により様々な疾患の改善等が期待される。この観点から、摂取によって例えば内臓脂肪蓄積の抑制や腸内環境の改善が可能となれば、糖尿病や炎症性腸疾患等の予防や治療を容易に行うことができるようになる。即ち、投薬等とは異なり、日常生活の中での「摂取」により、様々な疾患の予防や治療を行うことができるようになる。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ごぼうの有する機能をよりいっそう引き出すことができる、発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ごぼうに対してブランチングを行うブランチング工程と、前記ブランチングされたごぼうに対し、麹を用いて発酵させる発酵工程と、を少なくとも経ることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、ごぼうの有する機能をよりいっそう引き出すことができる、発酵ごぼう食品の製造方法及びそれにより製造された食品を提供することができる。即ち、本発明によって製造された発酵ごぼう食品は、それを摂取することにより、腸内環境改善や肥満抑制効果等の効果を奏するものである。
表2に示す内蔵組織量を示すグラフである。 表4に示す総有機酸量を示すグラフである。 表5に示すIgA量を示すグラフである。 表6に示す腸内細菌叢を示すグラフである。 表9の実施例7及び比較例7を示すグラフである。 表9の実施例8及び比較例8を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。なお、菌体名は通常は斜体で記載されるが、本明細書においては、便宜上、通常の字体にて記載している。
[1.発酵ごぼう食品の製造方法]
本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法は、ごぼうに対してブランチングを行うブランチング工程と、前記ブランチングされたごぼうに対し、麹を用いて発酵させる発酵工程と、を含むものである。そして、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法においては、ブランチング工程及び発酵工程を行うこと以外の各条件は、任意である。ただし、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法は、さらに、詳細は後記する乾燥工程及び殺菌工程を含むことが好ましい。
そこで、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法がブランチング工程、乾燥工程、殺菌工程及び発酵工程をこの順で含む場合を例に、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法を説明する。ただし、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法においては、前記のように、ブランチング工程及び発酵工程以外は、任意に設定することができる。
(ブランチング工程)
はじめに、本実施形態の発酵ごぼう食品の原料としてのごぼうが準備される。利用可能なごぼうの原産地や種類は特に制限されず、任意のごぼうを用いればよい。
準備されたごぼうは、通常、土壌から採取(収穫)された未処理のものである。このような未処理の状態であると、ごぼう独特の風味ゆえ、ごぼうを摂取しにくいという課題がある。そこで、はじめに、ごぼうに対してブランチングを行うことが好ましい。
ブランチングは、ごぼうに含まれる多糖類を分解し、イヌリンやフラクトオリゴ糖等を得るために行うものである。ブランチングは、例えば蒸すことにより行うことができるがこれに限定されるものではない。例えば、焙焼、湯浴、焙煎、温蔵庫や蒸し庫で加熱すること等によっても行うことができる。
また、ブランチングの処理温度及び処理時間は、甘みの強弱等消費者の嗜好に合わせて任意に設定することができる。例えば、ブランチングの処理温度を35℃とした場合は処理時間を180分間とし、ブランチングの処理温度を95℃とした場合は処理時間を5分間とすることができる。なお、ブランチングの処理温度が低く、処理時間を短くすると、多糖類の分解があまり行われないため、フルクトースの生成量が少なくなり、甘みが弱くなる傾向になる。一方、ブランチングの処理温度が高く、処理時間が長くなると、多糖類の分解が多く行われるため、フルクトースの生成量が多くなり、甘みが強くなる傾向になる。従って、これらを勘案し、処理温度及び処理時間を決定すればよい。
なお、ブランチングの処理温度としては、処理量及び設備によっても異なるが、大型の蒸し庫であれば、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、また、好ましくは90℃以下、より好ましくは60℃以下とすることが望ましい。また、処理時間としては、通常は10分以上150分以下である。
(切断工程)
ブランチングされたごぼうは、ごぼうの乾燥及び発酵を行い易くするとともに粉砕を容易にするために、通常は皮むき及びカット(切断)される。ごぼうの皮むき及びカットは、市販の自動野菜加工機、例えば、ごぼう皮むき機や電動ごぼう切り機等で行うことができる。ごぼうの皮むきは、ごぼうの外皮を除去できればよく、ごぼうのカットは、薄切り、輪切り、半月切り、いちょう切り、短冊切り、斜め切り、ささがき等とすればよい。これらはもちろん、作業員の手によって行うこともできる。
(乾燥工程)
皮(表皮)が剥かれ、カットされたごぼうは、乾燥工程に供される。ごぼうの乾燥は、ポリフェノールオキシダーゼによるポリフェノール成分の酸化減少を抑制し、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity;活性酸素吸収能力)値を高く維持するためと、色、味、風味といった官能を優れたものにするために行うものである。乾燥時の温度及び時間は特に制限されない。ただし、乾燥温度としては、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、また、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下とすることが望ましい。
中でも、乾燥温度が50℃程度であると、ごぼうが明るい褐色を呈し、ごぼうの甘み及び香りもよく、ポリフェノール成分の含有量が高くなるので特に好ましい。このような温度範囲で乾燥を行うことにより、早期にごぼう中の水分を除去することができ、その結果、ポリフェノールオキシダーゼによるポリフェノール成分の酸化減少を抑制することができる。また、色、味、風味といったごぼうの官能を優れたものとすることができる。さらには、酵素の失活を防止することができる。
一方で、乾燥温度が30℃未満であると、乾燥が不十分となる可能性があり、ごぼうに含まれるポリフェノールオキシダーゼによるポリフェノール成分の酸化減少が促進する可能性がある。また、黒っぽい褐色を呈し、酸味が強く、風味は生臭くなる可能性がある。一方、乾燥温度が70℃を超えると乾燥し過ぎてしまい、メイラード反応が促進して黒っぽい褐色を呈し、えぐみと酸味が強くなる可能性がある。また、ポリフェノール成分の酸化による減少が促進される可能性もある。
また、乾燥時間としては、前記した温度範囲であれば、例えば、好ましくは30分以上、より好ましくは5時間以上、また、好ましくは8時間以下、より好ましくは6時間以下とすればよい。ただし、所望の効果を奏するようにごぼうを乾燥することができれば、特にこの乾燥時間に限定されるものではない。なお、乾燥時間が長いほどごぼうの酸化が進み、酸味が強くなる傾向にあるため、なるべく短時間であることが好ましい。
乾燥の具体的な方法としては、例えば天日干し、熱風乾燥等適宜の方法により行うことができる。
ごぼうの乾燥は、水分率が2%以上15%以下となる程度まで行うことが好ましい。水分率がこの範囲にあればポリフェノールオキシダーゼによるポリフェノール成分の酸化減少を抑制することや、ORAC値を高く維持すること、色、味、風味といった官能を優れたものとすることが可能である。一方、水分率が15%を超えると、乾燥が不十分となる可能性があり、ごぼうに含まれるポリフェノールオキシダーゼによるポリフェノール成分の酸化減少が促進される可能性がある。また、ごぼうの色が黒っぽい褐色を呈し、酸味が強く、風味は生臭くなる可能性もある。
(殺菌工程)
乾燥後のごぼうは、水に分散される。分散させる乾燥ごぼうの量に特に制限は無く、通常は等量の水に対してごぼうを分散させればよい。具体的には例えば、乾燥されたごぼう30kgを30Lの水に分散させることができる。このような量的関係にすることにより、乾燥させたごぼうが十分に吸水される。
吸水したごぼうは殺菌される。殺菌時の圧力、時間及び温度は特に制限されず、例えば、1気圧(101kPa(絶対圧))、121℃で20分間加圧することにより、ごぼうが殺菌される。そして、殺菌が完了すると、ごぼうは種切り温度(後記する麹摂取時の温度)付近まで冷却される。具体的には、通常は35℃以上36℃以下程度まで冷却される。
(発酵工程)
種切り温度まで放熱されたごぼうに対して、麹が接種される(種切り)。即ち、種切り温度のごぼうに対して、種麹が接種される(製麹)。麹の摂取量としては特に制限されないが、例えば30kgのごぼうに対して、30gの種麹を接種することができる(即ち、0.1質量%接種)。麹の接種後、発酵が生じる温度及び時間にて、ごぼうの発酵が行われる。発酵の温度及び時間は特に制限されるものではないが、例えば30℃以上40℃以下(好ましくは35℃程度)で40時間程度とすることが好ましい。このような条件とすることにより、発酵を十分に進行させることができ、ごぼうにおけるポリフェノール類の重合やリグニン類の低分子化等が低くなる等の機能性低下を防止することができる。なお、発酵の程度は、発酵物の酸性プロテアーゼ活性を測定することで確認することができる。
このように、本工程において、ごぼうが麹を用いて発酵されることになる。このような処理をごぼうに対して施すことにより、ごぼうにおけるポリフェノール類の重合やリグニン類の低分子化等を促進することができると考えられる。さらには、麹を用いてごぼうを発酵させることにより、クエン酸を生成させることができる。
本工程において用いられる麹の具体的な種類は特に制限されない。本工程において適用可能な麹としては、例えば、Aspergillus awamori(A. awamori)、Aspergilluskawachii(A. kawachii)、Aspergillusinuii(A. inuii)、Aspergillussaitoi(A. saitoi)等
が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意に組み合わされて用いられてもよい。これらの具体例の中でも、クエン酸を生成することもできるという観点から、麹は、A. awamoriであることが好ましい。
麹は、アスペルギルス属の糸状菌である。そして、このような麹は、米を原料として泡盛の製造にも用いられる菌種である。従って、麹は市販されている微生物であり、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(所謂当業者)であれば、麹は容易に入手可能である。具体的には、例えばA. awamoriはヤヱガキF&S社から購入することができる。そのため、本願においては、麹の寄託機関への寄託は行っていない。
(出麹及び別の乾燥工程)
麹によってごぼうが十分に発酵された後、その全体が乾燥される。乾燥時の温度は特に制限されないが、乾燥時の温度は高すぎないことが好ましい。具体的には、乾燥時の温度としては、例えば40℃程度で乾燥させることができる。このような温度で乾燥させることにより、発酵により生じた酵素の失活をより確実に防止することができる。
(粉砕及び篩分け工程)
乾燥後のごぼうは、発酵により生じた成分(酵素やクエン酸等)を含んだ状態である。そこで、これらの成分を含んだ状態でごぼうを粉砕し、篩分けを行う。粉砕及び最終産物の大きさの程度は特に制限されない。ただし、発酵ごぼう食品を摂取し易いという観点からは粉末状となるように粉砕及び篩分けを行うことが好ましいが、摂取の形態に応じて適宜決定すればよい。そして、通常は、本工程を経た産物が、「本実施形態の発酵ごぼう食品」となる。
以上の点をまとめると、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法は、ごぼうに対してブランチングを行うブランチング工程と、前記ブランチングされたごぼうに対し、麹を用いて発酵させる発酵工程と、を含むものである。また、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法は、前記ブランチング工程を経て得られたごぼうを乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程において乾燥されたごぼうを殺菌する殺菌工程と、をさらに含むことが好ましい。そして、前記殺菌工程において殺菌されたごぼうが、前記発酵工程に供されることが好ましい。
[2.発酵ごぼう食品]
本実施形態の発酵ごぼう食品は、前記した製造方法によって製造される。そして、ブランチング工程を経たごぼうに対し、麹を用いて製造された発酵ごぼう食品は、それを摂取することにより、体内の脂肪を減少させたり、腸内環境を改善させたりすることができる。即ち、前記した製造方法によって製造された発酵ごぼう食品は、機能性食品であることとなる。換言すれば、本実施形態の機能性食品は、麹を用いてごぼうを発酵させることにより得られた発酵ごぼうを含むものである。なお、発酵ごぼう食品及び機能性食品のそれぞれが麹を用いて発酵させたものであるか否かは、発酵ごぼう食品及び機能性食品のそれぞれに含まれるDNAの16SrDNA解析を行うことにより確認することができる。
また、本実施形態の発酵ごぼう食品は、その製造時にクエン酸生成能の高い麹を用いることが好ましい。このような麹を用いた場合、得られる発酵ごぼう食品は、多くのクエン酸を含むことが可能となる。そして、クエン酸を多く含む発酵ごぼう食品を摂取することにより、抗疲労効果やピロリ菌生育阻害作用といった利点が得られる。
即ち、本実施形態の発酵ごぼう食品の製造方法により製造された発酵ごぼう食品によれば、体内脂肪の減少、腸内環境の改善という、従来の発酵ごぼう食品では知られていなかった様々な有利な効果が得られる。しかも、本実施形態の発酵ごぼう食品は、その原料として、ごぼう及び麹を用いている。従って、食の安全性という観点からも、本実施形態の発酵ごぼう食品は好ましい食品である。特に、本実施形態の発酵ごぼう食品は、例えば、抗肥満食品、整腸食品等の機能性食品として好適である。
本発明者らの検討によれば、例えば腸内環境の改善(整腸作用)は、本実施形態の発酵ごぼう食品を摂取することにより腸内にビフィズス菌(Bifidobacterium)が増加することに起因することと考えられる。
また、本実施形態の発酵ごぼう食品には、例えば、カフェオイルキナ酸、クエルセチン、リグナン等のポリフェノール及びこれらの誘導体も含有され得る。なお、カフェオイルキナ酸の誘導体としては、例えば、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、イソクロロゲン酸、トリカフェオイルキナ酸、ロスマリン酸等を挙げることができる。クエルセチンの誘導体は、配糖体としてクエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルシメリトリン、アビクラリン、ヒペリン、レイノウトリン、クエルシツロン、ルチン等がある。リグナンの誘導体は、アルクチゲニンやジアルクチゲニン、アルクチイン、lappaol A〜F、isolappaol C等がある。また、これら以外にも、前記した各工程において生成し、増加した成分がごぼう由来抽出物として含有され得る。
そして、これらの成分により、前記のような内臓脂肪蓄積の抑制、腸内有機酸(具体的にはクエン酸)の増加、ビフィズス菌の増殖のほか、IgAの産生促進といった新たな効果を奏している可能性がある。
本実施形態の発酵ごぼう食品は、内臓脂肪の蓄積を抑制する効果や、腸内の有機酸、IgAの産生を促進、ビフィドバクテリウム増殖させる効果を有している。そのため、生活習慣病を予防し腸内環境を改善する効果を有していると言える。
前記した機能性飲食料品として発揮する機能としては、内臓脂肪蓄積抑制機能、IgA産生促進機能、整腸機能、腸内環境改善機能を挙げることができる。機能性飲食料品は、飲料品(機能性飲料品)であってもよく、また、食料品(機能性食料品)であってもよい。食料品としては、前記した発酵ごぼう食品をそのまま、あるいは必要に応じて粉末物としたうえで混合したパン、菓子、惣菜等を挙げることができる。
[3.効果]
本実施形態の発酵ごぼう食品によれば、それを摂取することにより、腸内環境改善や肥満抑制効果等を発揮することができる。腸内環境改善として具体的には、腸内のビフィズス菌を増殖させることができたり、腸内有機酸(例えば酪酸等)を増加させたり、腸管免疫を上昇させたりすることができる。また、肥満抑制効果として具体的には、例えば内臓脂肪の蓄積が抑制される。
このような内臓脂肪の蓄積抑制は、腸内環境改善として具体的に挙げたように、腸内のビフィズス菌が増殖することにより生じる現象であると考えられる。即ち、腸内でビフィズス菌が増殖することにより、腸内環境が改善したり、内臓脂肪の蓄積が抑制されたりすることができる。
さらに、本実施形態の発酵ごぼう食品は、血糖値を低下させる効果を奏する。具体的には、例えばグルコース等を摂取した場合に血糖値は上昇するが、本実施形態の発酵ごぼう食品を食べることにより、この上昇した血糖値を速やかに低下させることができる。従って、本実施形態の発酵ごぼう食品は、抗糖尿病薬としての利用も期待される。
以下、実施例を挙げて、本実施形態をより具体的に説明する。
[発酵ごぼう食品の製造]
はじめに、ごぼうを水洗いした後、50℃で15分間のブランチングを行った(ブランチング工程)。そして、ブランチングしたごぼうを水冷した後、カット(2mm×2mm×20mm)した。次いで、カットしたごぼうを50℃で4時間熱風乾燥した(乾燥工程)。
そして乾燥したごぼう30kgを同重量の30Lの水に分散させ、121℃1気圧(101kPa(絶対圧))で加圧殺菌した(殺菌工程)。35℃まで冷却し、A. awamori(ヤヱガキF&S社製)の種麹を30g接種した。その後、35℃で41時間培養した(発酵工程)。発酵後、40℃で4時間送風乾燥した。乾燥後、気流式粉砕機(ダルトン社製)で粉砕を行った。これにより、実施例1の発酵ごぼう食品が得られた。
また、実施例2として、A.awamoriに代えてAspergillus oryzae(A. oryzae;ヤヱガキF&S社製)を用いたこと以外は同様にして発酵ごぼう食品を得た。さらに、比較例1として、発酵を行わずに、気流式粉砕機で粉砕を行ったものを得た。
<評価1>
製造した発酵ごぼう食品のクエン酸、食物繊維及びフラクトオリゴ糖等の成分分析を行った。クエン酸量はHPLC(High Pressure Liquid Chromatography)法を用いて分析した。なお、クエン酸量は、100gの麹を等量のごぼうに対して接種した場合に、実施例1及び2の発酵ごぼう食品に含まれる量として算出した。食物繊維量の成分分析は酵素−重量法を用いて分析した。フラクトオリゴ糖については、日本食品分析センターに依頼し、HPLC法により、果糖、ショ糖、1−ケストース(GF2)、ニストース(GF3)、フラクトフラノシルニストース(GF4)の含有量について分析した。それらの結果を表1に示す。
(1)抗酸化能の測定
抗酸化能の測定は、米国農務省(USDA)が推奨するORAC法(Cao, G.; Alessio, H. M.; Culter, R. G. Oxygen-radical absorbance capacity assay for antioxidants. Free Radical Biol. Med. 1993, 14, P.303-311)により行った。抗酸化能の測定は、同じ条件で3検体ずつ測定し、平均の値を用いた。
蛍光強度を測定する測定装置は、超高速シングルフォトンカウンターを搭載したベルトールド社製ミトラスLB940マルチラベルプレートリーダーを用いた。蛍光強度の測定条件は、測定間隔:2分間、測定回数:46回(90分)、蛍光測定条件:励起波長485nm、測定波長520nm、検出測定方向:TOPであった。
(i)抗酸化能の測定
ごぼうの粉末2.0gに10倍容量(20ml)の70%エタノール水溶液を加え、ホモジナイザー(POLYTRON社製 PT-MR2100)を用いて30秒間ホモジナイズした。次いで、遠心分離機を用いて4000×g(gは重力加速度。以下同じ。)で10分間遠心分離し、上清を供試サンプルとし、これの10倍希釈液、100倍希釈液、1000倍希釈液を調製した。
96ウェルプレートに、供試サンプルを20μlずつ分注した。測定開始直前に、94.4nMのFluorescein sodium salt溶液を、8チャンネルマイクロピペットを用いて200μlずつ添加し、37℃で10分間インキュベートした。あらかじめ37℃に保温した8.6mg/ml(31.7mM)のAAPH(2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩)溶液を75μlずつ分注し、軽く攪拌して2分毎に90分間、前記した測定装置で傾向強度を測定した。そして希釈したサンプルを用いて、トロロックス6.25μM〜100μMの活性範囲に収まる濃度を決定した。例えば、1000〜10000倍希釈液がトロロックスの活性に入っている場合、さらに2500倍希釈液、5000倍希釈液及び7500倍希釈液を調製して前記と同様にして測定した。その結果(ORAC値)を表1に前記分析結果と併せて示す。
TE・・・トロロックス当量(trolox equivalent)
表1の実施例1及び実施例2に示すように、A. awamori及びA. oryzaeのいずれを用いた場合でも、クエン酸が生成していた。特に、麹としてA. awamoriを用いた場合(実施例1)、クエン酸の生成量が特に多かった。
さらに、表1に示すように、発酵ごぼう食品(実施例1)は、37.3%の食物繊維を含み、発酵前(比較例1)と比較して約1.5倍に増加していた。また、発酵ごぼう食品(実施例2)も、発酵前(比較例1)と比較して食物繊維の量が有意に増加していた。一方、フラクトオリゴ糖である1−ケストース、ニストース、フラクトフラノシルニストースは発酵によって消失した。また、抗酸化活性の指標となるORAC値は、発酵によって約2倍に増加していた(実施例1)。即ち、麹を用いてごぼうを発酵させることにより、抗酸化能が向上した。
[動物飼育]
実験動物としてSD(Sprague-Dawley)系雄ラット(3週齢、初体重40g〜50g、Charles River Japan Inc.社製)を用いた。実験動物の飼育は、国立大学法人広島大学の実験動物取扱規程に準じて行った。
具体的には、ステンレス製ケージに1匹ずつ入れ、12時間明暗交代(8:00〜20:00明、20:00〜翌朝8:00暗)の恒温環境(24℃±1℃)で飼育した。予備飼育期間は7日間とし、市販の固形飼料(MF、オリエンタル酵母社製)、及び脱イオン水を自由に摂取させた。予備飼育後、ラットは3群(8匹/1群)に分け、30%牛脂の高脂肪食の条件下で一定量の制限食(下記表2参照)とし、21日間、飼育した。実験食の組成は、ごぼう粉末と麹発酵させた発酵ごぼう粉末とをそれぞれ5%添加しており、これらを添加していない群をコントロールとした。
実験食は、1日目に9g、2〜4日目に10g、5〜7日目に12g、8〜13日目に14g、及び14〜21日目に15gを毎日定刻(19:00)にラットに与えた。いずれも翌朝までに食べきる量を与えた。体重は毎朝定刻(10:00)に測った。飼育最後の3日間に糞を採取した。糞の湿重量を測定し、12時間凍結乾燥後、乳鉢を用いて磨り潰した。乾燥糞は、−30℃で冷凍保存し、糞中IgAの分析を行った。
飼育終了日の午前(8:00)に餌を抜き取り、12時頃に体重を測り、午後(13:00〜15:00)にジエチルエーテル麻酔下で断頭屠殺を行い、血液、肝臓、副睾丸脂肪、腎周囲脂肪及び盲腸と大腸の内容物を速やかに採取した。盲腸内容物の一部からは、DNA(Deoxyribonucleic acid;デオキシリボ核酸)抽出を行った。血液は採取後、氷の中で2〜3時間放置した後に4℃で2000×g、20分間遠心分離し、得られた血清を−80℃で冷凍保存した。
[分析方法]
・糞中IgA測定方法
糞中IgAの測定は、Sharmaらの方法(Sharma A, Honma K, Evans RT, Hruby DE, Genco RJ. Oral Immunization with Recombinant Streptococcus gordoni Expressing Porphyromonas gingivalis FimA Domains. Infection and Immunity. 69: 2928-2934, 2001)に従って以下のようにして行った。
(IgAの抽出)
乾燥糞(0.1g)に40倍量のトリプシンインヒビター(0.1mg/ml、大豆由来、和光純薬社製)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)50mM、フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF、1mM)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.2)を加えた。試験管ミキサーで1分間攪拌後、4℃で一晩静置した。その後、4℃、9000×gで10分遠心分離し、上清を回収し、IgA測定用サンプルとした。得られたサンプルは、測定まで−30℃で冷凍保存した。
(IgA量の測定)
IgA量の測定は、Rat IgA ELISA Quantitation Kit(BETHYL社製)を用いたELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法によって行った。
抗原としてヤギ抗ラットIgA抗体を使用し、0.05M炭酸カルシウム緩衝液(pH9.6)で1μl抗原原液/0.1ml濃度となるように希釈した。この希釈溶液を96穴プレートの各ウェルに100μl入れ、4℃で一晩静置させて抗原処理を行った。翌日、各ウェルを洗浄液(0.05%Tween20、50mM Tris緩衝液、0.14M NaCl、pH8.0)で3回洗浄し、各ウェルに、1%BSA(Bovine Serum Albumine)を含む50mM Tris緩衝液、0.14M NaCl溶液(pH8.0)200μlを加え、マイクロプレートミキサーで攪拌後、室温(20℃〜25℃)で30分間ブロッキングした。
サンプル又はラットIgA抗体の標準液を、希釈液(1%BSA、0.05%Tween20、50mM Tris緩衝液−0.14M NaCl、pH8.0)で希釈した。各ウェルを洗浄液で3回洗浄後、サンプル及びラットIgA抗体の標準品100μlを加え、マイクロプレートミキサーで攪拌後、室温(20〜25℃)で1時間インキュベートした。
各ウェルを洗浄液で5回洗浄後、2次抗体として、希釈したHRP標識ヤギ抗ラットIgA抗体液を100μl加え、マイクロプレートミキサーで攪拌後、室温(20〜25℃)で1時間インキュベートした。各ウェルを洗浄液で5回洗浄後、0.4mg/ml濃度のオルトフェニルジアミン(OPD;和光純薬社製)と0.026%Hを含む0.1Mクエン酸リン酸緩衝液(pH5.0)を加えアルミホイルで遮光しながら室温(20〜25℃)で15分間反応させた。反応後、2M HSOを100μl加えて反応を停止し、450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにより測定した。
(3)腸内細菌の遺伝子解析
(T−RFLP法の原理)
腸内細菌の遺伝子解析は、T−RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism)法により行った。T−RFLP法とは、末端を蛍光標識したプライマセットで鋳型DNAをPCR(Polymerase Chain Reaction)にて増幅し、制限酵素による消化後、フラグメント解析を行い、塩基配列の違いから制限酵素切断部位が異なることを利用し、検出ピークの強度、位置、数により評価・比較する断片多型性解析である。
(盲腸内容物中の腸内細菌DNAの抽出)
腸内細菌叢の解析には、市販のキット(UltraCleanTM Fecal DNA Kit 、Mo BIO Laboratories, Inc.社製)を用いて行った。このキットの原理は、ビーズ−フェノール法を用いて盲腸内容物のDNAを抽出するものである。
まず、チューブのなかにサンプルとビーズを入れて振動させてビーズがサンプルにぶつかることで物理的に細菌の細胞壁を破壊し、さらに溶菌バッファを加えて菌体を破砕した。次に、フェノール・クロロホルム抽出による不要なタンパク質を除去し、イソプロパノール沈殿を行った後、エタノールでリンスし、TEバッファにDNAを溶解させることにより、盲腸内容物サンプルからDNAを抽出した。
(盲腸内容物中の腸内細菌16SrDNAの解析)
前記したDNAの抽出の操作によって得られた盲腸内容物中の腸内細菌DNA抽出物を前記したT−RFLP法を用いて解析した。T−RFLP法による腸内細菌叢の解析は、細菌の16SrDNA遺伝子が標的となる。
T−RFLP法は、末端を蛍光標識した共通のプライマを用いて盲腸内容物中のDNAを増幅し、得られた16SrDNAを制限酵素で消化した後、キャピラリー電気泳動法を用いたDNAシークエンサーによって蛍光標識された末端を含むDNA断片(T−RF;Terminal Restriction Fragment)のみを検出する方法である。腸内フローラの構成菌種においては16SrDNAの塩基配列が異なるため、制限酵素による切断部位は菌種固有のものとなる。
これらの処理によって得られるT−RFに対応したピークの位置(断片長)、面積(菌数)及び数(菌種の多様性)を解析することで、糞便中の構成菌種及びその割合を推定した。具体的には、各サンプルの細菌叢に由来する16SrDNA(16SrRNA)部分塩基配列のT−RFLP解析を行い、得られたデータに基づいてサンプル中の主要な分類群の推定及びクラスター解析によるサンプル間の比較を行った。
T−RFLP解析の主な方法は長島らの方法(Bioscience and Microflora Vol. 25 (2006) , No. 3 pp.99-107)に基づき行った。なお、フラグメント解析にはABI PRISM 3130xl DNA Sequencer(Applied Biosystem, CA, USA)及びGeneMapper (Applied Biosystems,CA, USA)を使用した。各フラグメントの長さはoperational taxonomic unit(以下OUTと省略)で判断した。クラスター解析は、解析ソフトGene Maths (Applied Biosystems, CA, USA)を使用した。クラスタリングの方法は、Pearson correlation、UPGMA
(非加重結合法(Unweighted Pair Group Method with Arithmetic mean)を選択した。
(4)盲腸内有機酸
盲腸内容物の有機酸(コハク酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸)の分析は、HPLC法で測定した。
サンプル調製方法とHPLC分析条件は以下のとおりである。盲腸内容物200〜300mgを2.0mlマイクロテストチューブ(エッペンドルフ社製)に精秤し、10mMクロトン酸(10mM NaOHに溶解)を1.0ml加え、ホモジネート攪拌混合した。
15000rpm、4℃の条件で10分間遠心分離して得られた上清を2.0mlマイクロテストチューブに分取した後、0.8mlのクロロホルムを加え、30秒間振とうした。10000rpm、4℃の条件で15分間遠心分離を行い、上層500μlを1.5mlマイクロテストチューブ(エッペンドルフ社製)に分取した。そして、除たんぱく処理のため、10%過塩素酸を50μl添加して混合し、HPLC分析まで−30℃で凍結させた。
HPLCインジェクトの前に解凍し、15000rpm、4℃で10分間遠心分離した。上清をフィルター付きマイクロテストチューブ(Ultrafree-MC,エッペンドルフ社製)に採取し、0.22μmフィルターで遠心ろ過(5000rpm、4℃、5分間)し、10μlをインジェクトした。
〔HPLC条件〕
カラム:Shim−pack SCR−102H(8.0mm I.D.×300mm)ガードカラム:SCR−102H
移動相:5mM p−トルエンスルホン酸水溶液
流量:0.8 ml/min.
温度:40℃
(検出条件)
試薬:5mM p−トルエンスルホン酸水溶液及び100μM EDTAを含む20mM
Bis−Tris水溶液
検出:電気伝導度検出器(Shimadzu CDD−10A)
ポンプ:Shimadzu(LC−20Aシリーズ)
得られた測定値は平均値±標準誤差(SE)で表した。統計的有意性は、スチューデントのT検定により評価し、P<0.05の場合有意差有りとした。
(5)血清トリグリセライド測定法
血清トリグリセライドの定量は、市販のキット(トリグリセライドE−テストワコー、和光純薬社製)を用いて行った。このキットの測定方法は、3,5−ジメトキシ−N−エチル−N−(2’−ヒドロキシ−3’−スルホプロピル)−アニリンナトリウム(DAOS)法である。
試料中のトリグリセライドは、リポプロテインリパーゼ(LPL)の作用によりグリセリンと脂肪酸に分解される。生成したグリセリンは、ATPの存在下でグリセロールキナーゼ(GK)の作用でグリセロール−3−リン酸になる。生成したグリセロール−3−リン酸は、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ(GPO)の作用を受けて酸化され、同時に過酸化水素を生じる。生成した過酸化水素は、ペルオキシダーゼ(POD)の作用によりDAOSと4−アミノアンチピリンを定量的に酸化縮合させ、青色の色素を生成させる。この青色の色素を600nmで比色定量させ、得られた吸光度よりトリグリセライド濃度を計算した。
(6)血清コレステロール測定法
血清コレステロールの定量には、市販キット(コレステロールE−テストワコー、和光純薬社製)を用いて行った。このキットの測定方法は、3,5−ジメトキシ−N−エチル−N−(2’−ハイドロキシ−3’−スルホプロピル)−アニリンナトリウム(DAOS)法である。
試料に発色試液を作用させると、試料中のコレステロールエステル類は、コレステロールエステラーゼの作用により遊離のコレステロールと脂肪酸に分解される。生成したコレステロールは、既存の遊離型コレステロールと共にコレステロールオキシダーゼの作用を受けて酸化され、同時に過酸化水素を生じる。生成した過酸化水素は、ペルオキシダーゼ(POD)の作用によりDAOSと4−アミノアンチピリンを定量的に酸化縮合させ青色の色素を生成させる。この青色の色素を600nmで比色定量させ、得られた吸光度より総コレステロール濃度を計算した。
(7)統計処理方法
実験により得られた各群のデータは、平均±標準誤差で示し、各群の有意差の判定はScheffe’s multiple-range testを用いて行った(P<0.05)。
[結果]
発酵ごぼう食品の摂取による腸内環境に及ぼす影響は次のようになった。下記表2に最終体重、食餌摂取量、肝臓重量、内臓脂肪重量及び糞重量を示した。なお、表2中、異なるアルファベットは有意差があることを示している(P<0.05)。表3以降の表においても同様である。
平均±標準誤差(n=8)
表2に示すように、最終体重(g)、食餌摂取量(g/3週間)、肝臓重量(g)、糞重量(g/3日間)は、各群間で有意な差はみられなかった(P>0.05)。一方、発酵ごぼう食品を摂取した群は、有意に脂肪組織が減少していた。
また、表2中の「脂肪組織」量を、図1にプロットした。図1に示すように、実施例1(A. awamoriを用いてごぼうを発酵させて得られたごぼう発酵食品)を摂取した場合には、脂肪組織が有意に減少していることが認められた。
(8)血清中の脂質、コレステロール
下記表3に血清中のトリグリセライド、コレステロール、遊離脂肪酸量を示した。
平均±標準誤差(n=8)
表3に示すように、血清中のトリグリセリド(mg/100ml)、コレステロール(mg/100ml)、遊離脂肪酸(mmol/l)において、各群間で有意差はみられなかった(P>0.05)。
(9)盲腸内容物の有機酸濃度、及び糞中パラメータ
下記表4に盲腸内容物の有機酸濃度を示す。実施例1(発酵ごぼう粉末群)では、コハク酸以外の有機酸の有意な増加が見られた(P<0.05)。比較例1(ごぼう粉末群)では、乳酸のみの増加が見られた(P<0.05)。
平均±標準誤差(n=8)
表4に示すように、盲腸内容物である盲腸内有機酸量(μmol/cecum contents)は、コハク酸は変化がなかったがその他の全ての有機酸が増加した。その効果は、発酵ごぼう食品に顕著な効果が見られた。総有機酸は、約3倍に増加した。
さらに、糞に関するパラメータを表5に示す。
平均±標準誤差(n=8)
また、前記の表2に示したように、糞の乾燥重量(g/3日間)において、各群間で有意差はみられなかった(P>0.05)。一方、表5に示すように、糞中のIgA量(mg/3日間))は約4.5倍の有意な増加がみられた(P<0.05)。
表4に示す総有機酸量を図2に示した。図2に示すように、総有機酸量は、実施例1で有意に増加した。これは、A. awamoriの有機酸生成能が高いためであると考えられる。また、表5に示すIgA量を図3に示した。図3に示すように、発酵することによりIgAの量が若干増加した。これは、腸管免疫が活性化されたためであると考えられる。
(10)盲腸内容物のミクロフローラ
下記表6に盲腸内容物の腸内細菌叢の分布を示した。発酵ごぼう粉末群において、Bifidobacterium(ビフィズス菌)の著しい増加とBacteroidesの有意な減少が示された(P<0.05)。他の腸内細菌叢には有意な変動はみられなかった(P>0.05)。
平均±標準誤差(n=8)
[考察]
以上の結果から、発酵ごぼう食品の摂取による内臓脂肪蓄積抑制と腸内環境改善とに及ぼす影響について次のように考察される。
表4及び表6の実施例1に示すように、発酵ごぼう粉末が腸内細菌のビフィズス菌を著しく増加させ、腸内発酵産物である酪酸等の有機酸を増加させ、腸内環境を改善させることが明らかとなった。これらの効果は、ごぼう粉末群(比較例1)の効果と比較しても顕著なものであり、ブランチング工程を経たごぼうを発酵させることにより、腸内環境を改善させる効果を引出すことができることが確認された。
特に、ビフィズス菌が著しく増加したことにより、表2の実施例1に示すように、内臓周辺の脂肪組織重量が減少したと考えられる。一方で、比較例1では、このような現象は生じなかった。従って、麹を用い、ブランチング工程を経たごぼうを発酵させることにより、肥満を抑制する効果を備える発酵ごぼう食品が得られる、
また、麹を用い、ブランチング工程を経たごぼうを発酵させることにより、ごぼうの有効成分であるポリフェノール類が何らかの構造変換を受け、抗酸化能が増加すると考えられる。そして、これにより、内臓脂肪蓄積抑制やBifidobacteriumの増殖、有機酸の増加、また腸内の免疫反応を担うIgA増加のような腸内環境の改善が生じると考えられる。特に、Bifidobacteriumの数は、図4に示すように、発酵させることにより極めて増加した。これにより、腸内環境が改善されると考えられる。
このように、生のごぼうを摂取するだけでは得られなかった新たな機能性が、麹を用い、ブランチング工程を経たごぼうを発酵させることによって得られる。従って、このようにして得られる発酵ごぼう食品を、普段の食生活のなかで取り入れることによって、II型糖尿病予防や炎症性腸疾患の予防につながる。
<評価2>
次に、実施例1(A. awamoriによる発酵有り)及び実施例2(A. oryzaeによる発酵有り)それぞれについて、含まれる酵素(α−アミラーゼ、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ及びアルカリプロテアーゼ)の活性を測定した。酵素活性の測定は、次の方法に従って行った。
α−アミラーゼ活性は、国税庁所定分析法(第四回改正国税庁所定分析法注解, 221−228頁(1993))に準じて、α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン社製)を用いて測定した(醸協, 91, 889−894頁(1996))。酸性プロテアーゼ活性、中性プロテアーゼ活性及びアルカリプロテアーゼ活性は、国税庁所定分析法の麹の酵素活性測定法に準じて測定した(第四回改正国税庁所定分析法注解, 221−228頁(1993))。
その結果を表7に示す。
n.d.は測定していないことを示す。
表7に示すように、A. awamori(実施例1)を用いて発酵させることにより、A. oryzae(実施例2)を用いた場合よりも、酸性プロテアーゼ活性が2倍程度まで増加した。また、A. awamoriを用いて発酵させることにより、α−アミラーゼ活性及び中性プロテアーゼ活性が減少していた。これは、ごぼうをA. awamoriで発酵させることで、発酵ごぼう食品の酸性プロテアーゼ活性が高まり、これにより胃の中でタンパク質(α−アミラーゼ及び中性プロテアーゼ等)の分解が促進されたためであると考えられる。
タンパク質はプロテアーゼにより分解されるとアミノ酸を生じる。そして、アミノ酸は小腸で吸収され、筋肉の肥大の要因となったり、腸内細菌の餌となったりする。これらのことから、筋肉が肥大したことにより脂肪量が減少し、腸内細菌の餌が増加することにより、腸内での発酵が促進されたと考えられる。さらに、腸内での発酵が促進された結果、腸内でのビフィズス菌が増加したものと考えられる。即ち、ごぼう発酵食品を摂取することにより、ビフィズス菌を腸内で良好に増殖させることができ、腸内環境を改善させることができると考えられる。
<評価3>
酸化ストレスによる高血糖発症が抑制されることを確認するため、正常マウスを4群に分け、コントロール食(オリエンタル社製 AIN−93M)と、当該コントロール食に対して5質量%割合で実施例1の発酵ごぼう食品を混合させた発酵ごぼう添加食とを、それぞれのマウスに14週間摂取させた。アロキサン及び生理食塩水をそれぞれ投与し1週間後の血糖値を測定した。
具体的な実験方法は、Wakana K, Wakana D, Kazunori T, Kohji I, Da-Hong W, Hitoshi S, Sen-ichi O, Noriyoshi M. Effect of vitamin E on alloxan-induced mouse diabetes. (http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S000991201300091X)に従った。
また、アロキサンをマウスに投与すると、マウスの体内で過酸化水素が生成する。この過酸化水素は酸化ストレスによる糖尿病を引き起こすことがあるため、速やかに分解されることが好ましい。ここで、カタラーゼ遺伝子を有するマウスであれば、過酸化水素を分解することができる。従って、このようなマウスであれば、アロキサンを投与しても、血糖値は上昇しにくい。しかしながら、カタラーゼ遺伝子が欠損したマウスは、体内でカタラーゼが産出されないため、血糖値が上昇し易い。従って、アロキサンによる影響を調べるために、カタラーゼ欠損マウスについても正常マウスと同様にして、マウス体重1kgあたり300mgの割合でアロキサンを投与した場合の血糖値についても調べた。
結果を表8に示す。
アロキサンを与えなかったマウス(実施例4及び比較例4、並びに、実施例6及び比較例6)においては、いずれも血糖値はほとんど変化しなかった。しかし、アロキサンを与えたマウス(実施例3及び比較例3、並びに、実施例5及び比較例5)は、いずれも血糖値が上昇し、高血糖が発症していた。特に、カタラーゼ欠損マウス(実施例5及び比較例5)は、正常マウス(実施例3及び比較例3)と比較して、血糖値が高かった。
しかしながら、正常マウスにおいて、本実施形態の発酵ごぼう食品を含む発酵ごぼう添加食を与えた実施例3は、コントロール食を与えた比較例3と比べて、血糖値の上げ幅が小さく、高血糖発症率が10%低下していた。また、この傾向はカタラーゼ欠損マウスにおいても同様であり、本実施形態の発酵ごぼう食品を含む発酵ごぼう添加食を与えた実施例5は、コントロール食を与えた比較例5と比べて、血糖値の上げ幅が小さく、高血糖発症率が10%低下していた。従って、本実施形態に発酵ごぼう食品によれば、酸化ストレスによる高血糖発症を抑制可能な抗糖尿病食品として好適であることがわかった。
<評価4>
前記の評価3において参照した文献記載の方法に基づいて、マウス体重1kgあたり200mgの割合でアロキサンを投与したマウスに体重1kgあたりグルコースを2g与えた場合の、各マウスの血糖値を測定した。その結果を表9に示す。
ただし、実施例7の検体数は7、比較例7の検体数は8、実施例8の検体数は5、比較例8の検体数は5である。また、食事には、マウス体重1kgあたり、200mgのアロキサンを含む。
また、表9の結果をグラフ化したものを、図5(実施例7及び比較例7)、並びに、図6(実施例8及び比較例8)に示す。
図5に示すように、正常マウスに対してグルコースを与えた直後には、実施例7及び比較例7のいずれにおいても血糖値が上昇したが、その後時間が経過するとともに、血糖値は徐々に低下した。ただし、グルコースを与えた直後の血糖値の上昇幅は、実施例7の方が小さかった。
また、図6に示すように、カタラーゼ欠損マウスに対してグルコースを与えた直後には、実施例8及び比較例8のいずれにおいても血糖値が上昇したが、その後時間が経過するとともに、血糖値は徐々に低下した。ただし、低下の度合は、比較例8では緩やかに低下したのに対し、実施例8では速やかに低下した。この実施例8の低下の度合は、正常マウスにおける実施例7の低下の度合と似ている。従って、実施例8の結果によれば、カタラーゼ欠損マウスにおいても、正常マウスと同様に、上昇した血糖値を速やかに低下させることができることがわかった。
図5及び図6の結果をまとめると、本実施形態の発酵ごぼう食品によれば、血糖値の上昇幅を抑制できることがわかった。また、血糖値がいったん上昇した後でも、速やかに血糖値を低下させることができることがわかった。従って、本実施形態の発酵ごぼう食品は、抗糖尿病食品として好適であることがわかった。
糖尿病は、一般に、生活習慣によるものと、遺伝によるものとの、2種類が知られている。これを本実施例にあてはめると、生活習慣によるものは正常マウスを用いた実施例7及び比較例7、遺伝によるものはカタラーゼ欠損マウスを用いた実施例8及び比較例8といえる。従って、どちらのマウスにおいても有利な効果があった本実施形態の発酵ごぼう食品によれば、糖尿病の原因によらず、好適に抗糖尿病食品としての利用が期待される。

Claims (8)

  1. ごぼうに対してブランチングを行うブランチング工程と、
    前記ブランチングされたごぼうに対し、麹を用いて発酵させる発酵工程と、を含むことを特徴とする、発酵ごぼう食品の製造方法。
  2. 前記ブランチング工程を経て得られたごぼうを乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程において乾燥されたごぼうを殺菌する殺菌工程と、をさらに含み、
    前記殺菌工程において殺菌されたごぼうが、前記発酵工程に供されることを特徴とする、発酵ごぼう食品の製造方法。
  3. 前記麹は、A. awamoriであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発酵ごぼう食品の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の発酵ごぼう食品の製造方法により製造されたことを特徴とする、発酵ごぼう食品。
  5. 前記発酵ごぼう食品が機能性食品であることを特徴とする、請求項4に記載の発酵ごぼう食品。
  6. 前記機能性食品が抗肥満食品であることを特徴とする、請求項5に記載の発酵ごぼう食品。
  7. 前記機能性食品が整腸食品であることを特徴とする、請求項5に記載の発酵ごぼう食品。
  8. 前記機能性食品が抗糖尿病食品であることを特徴とする、請求項5に記載の発酵ごぼう食品。
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