JP2019139843A - 導電性組成物、多孔質導電体及びその製造方法、素子接合体の製造方法、積層体の製造方法、プリコートベアチップ及びその製造方法、並びに、電子デバイス - Google Patents
導電性組成物、多孔質導電体及びその製造方法、素子接合体の製造方法、積層体の製造方法、プリコートベアチップ及びその製造方法、並びに、電子デバイス Download PDFInfo
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Abstract
Description
数十nm以下の金属粒子は、粒子径が小さくなるにつれて、バルクの金属とは異なる種々の物理的、化学的特性を示すことが知られている。例えば、金属粒子の融点は、粒子径が小さくなると、バルクの金属の融点よりも低くなることが知られている。そのため、焼結時の温度を低温化する点から、粒子径の小さい金属粒子を用いることが検討されている。
本発明者らは、取り扱い性を向上するために、金属粒子を含有するペーストのシート化について検討を行った。
金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子である。
前記金属粒子が金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子であり、
前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)が80℃以上200℃以下であり、
前記金属粒子の焼結温度(Tp)との差(Tp−Ts)が20℃以上である。
基材上に、前記第1の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)以上、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)未満の温度で加熱する工程と、を有する。
基材上に、前記第2の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)以上、焼結温度(Tp)未満の温度で加熱する工程と、を有する。
前記多孔質導電体上に、素子を配置する工程と、
前記多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより素子を接合する工程と、を有する。
前記多孔質導電体上に、2個以上の素子を配置する工程と、
前記多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより、2個以上の素子を同時に接合する工程と、を有する。
前記第1の多孔質導電体上に第1の層を配置する工程と、
前記第1の層上、又は、基材の第1の層とは反対側の面上に、第2の多孔質導電体を配置する工程と、
前記第2の多孔質導電体上に第2の層を配置する工程と、
前記各多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより、各層を同時に接合する工程と、を有し、前記第1の多孔質導電体及び前記第2の多孔質導電体がそれぞれ前記多孔質導電体である。
前記塗膜を、前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)以上、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)未満の温度で加熱する工程と、
前記半導体ウエハを切断する工程と、を有する。
前記塗膜を、前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)以上、焼結温度(Tp)未満の温度で加熱する工程と、
前記半導体ウエハを切断する工程と、を有する。
本発明の第1の実施形態に係る導電性組成物(第1の導電性組成物ということがある)は、第1金属粒子と、前記第1金属粒子焼結開始温度よりも焼結温度が高い第2金属粒子とを含有する。
本発明において焼結開始温度及び焼結温度は、対象となる金属粒子を示差熱(DTA)分析することにより決定できる。
図3を参照してより具体的に説明する。図3は、後述する実施例2で得られた銀ペーストのDTA測定結果を示すグラフである。図3に示されるように、実施例2の銀ペーストは、一次粒径が20nmの銀粒子(第1金属粒子)の焼結に関連するピーク1と、一次粒径が90nmの銀粒子(第2金属粒子)の焼結に関連するピーク2とを有している。本発明において焼結開始温度(Ts)は、金属粒子が焼結を開始する温度を意味し、当該各ピークの立ち上がり部分の温度とする。また、本発明において焼結温度(Tp)は、当該ピークのピークトップの温度とする。図3の例では、第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)がピーク1の立ち上がり温度120〜130℃であり、第2金属粒子の焼結温度Tp2がピーク2のピークトップにおける温度230〜240℃である。なお、本発明において焼結開始温度及び焼結温度は、温度差があることが示される程度の精度を有すれば十分である。図3の例では、2つの金属粒子の焼結開始温度の温度差(Tp2−Ts1)が少なくとも100℃あることがわかる。また、図3の例では、第1金属粒子と第2金属粒子とを混合した後に焼結開始温度を測定しているが、第1金属粒子のみを含むペーストと、第2金属粒子のみを含むペーストとを別々に測定して、焼結開始温度を決定してもよい。また、金属粒子は、ペースト状で測定してもよく、溶媒を含有しない粉体の状態で測定してもよい。DATの測定条件は、例えば、窒素又は大気雰囲気下で、昇温速度を10℃/min〜20℃/minとし、室温〜500℃程度まで測定すればよい。
本発明において第1金属粒子は、後述する第2金属粒子よりも焼結開始温度が低いものの中から適宜選択すればよい。第1金属粒子は、後述する多孔質導電体において、金属焼結体となるものである。第1金属粒子は、市販品を用いてもよく、後述の方法等により調製してもよい。
第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)は特に限定されないが、80℃以上200℃以下であることが好ましい。
電気伝導性の点から、中でも、銅、銀、金、及びニッケルより選択される1種以上の金属を含むことが好ましく、銀、又は銅であることがより好ましい。
第1金属粒子の粒径は、所望の焼結開始温度が得られる範囲で適宜選択すればよい。例えば、1nm以上500nm以下の範囲で選択することができ、5nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上250nm以下であることがより好ましい。
なお、第1金属粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察された任意の20個の金属核粒子の一次粒子径の算術平均値であり、例えば、解析ソフト(例えば、Win ROOF)を用いた円形分離による粒子計測により、測定することができる。
第1金属粒子は、酸化防止や、各種媒体に対する分散性の向上の点から、有機物化合物を含む被覆層により被覆された被覆金属粒子となっていてもよい。第1金属粒子を被覆する有機化合物は、当該用途に用いられる公知のものの中から適宜選択すればよい。本発明においては、分散性や耐酸化性の点から、脂肪族カルボン酸、又は脂肪族アルデヒドであることが好ましい。
当該脂肪族カルボン酸において、脂肪族基の炭素原子数は、第1金属粒子の分散性や、耐酸化性の点から、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5以上であることが更により好ましい。一方、脂肪族基の炭素原子数が17以下であることが好ましく、16以下であることがより好ましく、15以下であることが更により好ましい。
脂肪族アルデヒドは、脂肪族化合物に1個又は2個以上のアルデヒド基が置換された構造を有する化合物であり、本発明においては、脂肪族化合物に1個のアルデヒド基が置換された構造、即ち、脂肪族炭化水素基と、1個のアルデヒド基を有する化合物が好ましい。本発明においては、通常、第1金属粒子表面に、脂肪族アルデヒドのアルデヒド基が配置されて、第1金属粒子を被覆する。金属核粒子表面にアルデヒド基が配置されることにより、脂肪族アルデヒドの還元作用による、金属核粒子表面の酸化抑制や、汚染物質の洗浄効果が得られる。更に検討の結果、基材表面の異物や酸化物を除去する効果を有するものと推定される。
好ましい脂肪族アルデヒドの具体例としては、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、オクダデシルアルデヒド、ヘキサデセニルアルデヒドなどが挙げられる。脂肪族アルデヒドは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上の分析結果から、被覆金属粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸等の分子数は下記式(a)で表される。
[脂肪族カルボン酸等の分子数]=MA/(Mw/NA) ・・・(a)
ここで、MAは被覆金属粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸等の質量(g)であり、Mwは脂肪族カルボン酸等の分子量(g/mol)であり、NAはアボガドロ定数である。2種以上の脂肪族カルボン酸等が含まれる場合には、各成分ごとに分子数を算出し、合計する。
第1金属粒子の形状を球体と近似して、被覆金属粒子の質量から有機成分量を差し引いて第1金属粒子の質量MB(g)を求める。被覆金属粒子1g中の第1金属粒子数は下式(b)で表される。
[第1金属粒子数]=MB/[(4πr3/3)×d×10−21] ・・・(b)
ここで、MBは被覆金属粒子1gに含まれる金属粒子の質量(g)であり、rはSEM画像観察により算出した一次粒径の半径(nm)であり、dは金属の密度である(銅の場合d=8.94)。被覆金属粒子1gに含まれる第1金属粒子の表面積は式(b)から、下式(c)で表される。
[第1金属粒子の表面積(nm2)]=[第1金属粒子数]×4πr2 ・・・(c)
以上から、脂肪族カルボン酸等による金属粒子の被覆密度(分子/nm2)は、(a)式及び(c)式を用いて、下記式(d)で算出される。
[被覆密度]=[脂肪族カルボン酸等の分子数]/[第1金属粒子の表面積]・・・(d)
上記被覆金属粒子は、前記第1金属粒子となる金属を含む金属カルボン酸塩と、上記脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子を用い、特開2016−69716号公報の段落0031から段落0066まで、及び段落0085の記載を参考にして製造することが好ましい。即ち、被覆金属粒子の好ましい製造方法は、金属カルボン酸塩と、脂肪族カルボン酸等と、媒体を含む反応液を準備し、当該反応液中で生成する錯化合物を熱分解処理して、第1金属粒子の表面に肪族カルボン酸等が1nm2当り2.5〜5.2分子の密度で配置された被覆金属粒子を得ることができる。
以下、上記の製造方法についてより具体的に説明する。
上記反応液は、第1金属粒子となる金属を含む金属カルボン酸塩と、当該第1金属粒子の表面に被覆する脂肪族カルボン酸等と、媒体とを含有するものであり、好ましくは更にアミノアルコールを含有し、必要に応じてさらに他の成分を含有してもよいものである。以下、反応液に含まれる成分について説明するが、脂肪族カルボン酸等については前記金属核粒子の表面に被複する脂肪族カルボン酸等と同様であるため、ここでの説明は省略する。
前記金属カルボン酸塩におけるカルボン酸は、金属の種類や、金属カルボン酸塩の製造容易性などの観点から適宜選択することができる。カルボン酸としては、ギ酸、シュウ酸、クエン酸等が挙げられる。また金属の種類に応じて、カルボン酸の代わりに炭酸を用いてもよい、金属として銅を用いる場合には、金属カルボン酸塩としてギ酸銅を用いることが好ましい。また、金属として銀を用いる場合には、金属カルボン酸塩として、ギ酸銀、シュウ酸銀、炭酸銀、シュウ酸銀などが挙げられ、中でも熱分解温度が高いことから、シュウ酸銀を用いることが好ましい。金属カルボン酸塩を構成する金属については、前記第1金属粒子と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、反応液中の脂肪族カルボン酸等の含有割合は、反応液中の金属カルボン酸に対して2.5〜40モル%であることが好ましく、5.0〜20モル%であることがよりこのましい。上記上限値以下であれば、粘度の上昇が抑制される。一方、上記下限値以上とすることで、十分な反応速度が得られ、生産性が向上し、粒度の変動率が小さくなる傾向がある。
上記反応液中に、金属カルボン酸塩と錯形成可能なアミノアルコールを含有することが好ましい。金属カルボン酸塩とアミノアルコールとが錯形成することで、後述する溶媒への溶解性が向上する。
アミノアルコールは、少なくとも1つのアミノ基を有するアルコール化合物であってあればよい。アミノアルコールは、モノアミノモノアルコール化合物であることが好ましく、アミノ基が無置換のモノアミノモノアルコール化合物であることがより好ましい。またアミノアルコールは、単座配位性のモノアミノモノアルコール化合物であることもまた好ましい。
なお、本発明においてSP値は、Hildebrandの定義による溶解パラメータを用いるものとし、各化合物のSP値は適宜文献値を参照することができる。
反応液を構成する媒体は、金属カルボン酸塩の金属の還元を阻害しないものの中から、適宜選択して用いることができる。当該媒体は、通常、有機溶媒である。媒体は、少なくともアミノアルコールと相溶性の低い主媒体を有し、必要に応じて、アミノアルコールと相溶可能な補助媒体を有していてもよい。
主媒体としては、中でも、使用するアミノアルコールのSP値と、当該主媒体のSP値の差(ΔSP値)が4.2以上であるものを選択することが好ましい。上記ΔSP値が4.2以上であると、形成される被覆金属粒子の粒度分布の幅がより狭い、粒子径の揃った被覆金属粒子が得られる。中でも、反応場の形成性と被覆金属粒子の品質の観点から、ΔSP値4.5以上が好ましく、5.0以上がより好ましい。ΔSP値の上限は特に限定されないが、11.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。
主媒体のSP値は、アミノアルコールよりも小さいことがより好ましい。主媒体のSP値は11.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましい。主媒体のSP値の下限は特に制限されないが、7.0以上であることが好ましい。
さらに主媒体は、水と共沸混合物を形成可能な有機溶剤であることもまた好ましい。水と共沸混合物を形成可能であると、熱分解処理によって反応液中に生成した水を容易に反応系から除去することができる。
このような好ましい補助媒体としては、EO(エチレンオキサイド)系グリコールエーテル、PO(プロピレンオキサイド)系グリコールエーテル、ジアルキルグリコールエーテルなどのグリコールエーテルを挙げることができる。より具体的には、メチルジグリコール、イソプロピルグリコール、ブチルグリコール等のEO系グリコールエーテル;メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレントリグリコール、プロピルプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール等のPO系グリコールエーテル、ジメチルジグリコール等のジアルキルグリコールエーテルなどが挙げられる。
2種以上を併用して用いる場合、主媒体のSP値、補助媒体のSP値は、各々独立に、モル容積の加重平均値を用いるものとする。
反応液中に生成する錯化合物としては、金属イオンと、配位子としてカルボン酸及びアミノアルコールを含むことが好ましい。配位子としてアミノアルコールを含むことで、錯化合物の熱分解温度が低下する。例えば、ギ酸銅の熱分解温度は約220℃であるが、ギ酸銅がアミノアルコールとともに錯化合物を形成することで、その熱分解温度は110〜120℃程度となる。
反応液中に生成した錯化合物は、熱分解処理によって還元された金属を生成する。熱分解処理の温度は、上述の通りアミノアルコールが配位した錯化合物の熱分解温度を考慮して適宜調整すればよい。熱分解処理の温度を低く設定することにより、脂肪族カルボン酸とアミノアルコールとの脱水反応による酸アミドの生成が抑制され、得られる被覆金属粒子の洗浄性が向上する傾向がある。
本発明において第2金属粒子は、前記第1金属粒子よりも焼結開始温度が高いものの中から適宜選択すればよい。第2金属粒子は、後述する多孔質導電体において、焼結性を有する金属粒子となるものである。
第2金属粒子の材質や、好ましく用いられる被覆層などの構成は、前記第1金属粒子と同様のものとすることができるので、ここでの説明は省略する。以下、第1金属粒子と第2金属粒子の違いについて説明する。
前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)は、特に限定されないが、130℃以上400℃以下であることが好ましい。
一例として、第2金属粒子として、第1金属粒子の一次粒径よりも大きい一次粒径を有する金属粒子を用いることにより、Tp2−Ts1>0とすることができる。この場合、第1金属粒子の平均一次粒径(R1)と第2金属粒子の平均一次粒径(R2)との差(R2−R1)が20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることが更により好ましい。R2−R1が20nm以上であることにより、第1金属粒子及び第2金属粒子がそれぞれ粒度分布を有する場合であっても、焼結開始温度に差を設けることができ、後述する多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子とを含む多孔質導電体の製造が可能となる。
本発明の導電性組成物は、通常、前記第1金属粒子及び前記第2金属粒子を分散する溶媒を含有する。
溶媒は、導電性組成物の印刷法などに応じて、公知の溶媒の中から適宜選択することができる。
例えば、導電性組成物がスクリーン印刷用やインクジェット印刷用の場合、溶媒として、炭化水素系溶媒;高級アルコール系溶媒;セロソルブ、セロソルブアセテート、カルビトール等、アルキレンオキサイドを有する溶媒;グリセリン;脂肪酸;脂肪族アルデヒド等を好適に用いることができる。なお本発明において溶媒は少なくとも25℃において液体である。
スクリーン印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜95質量%とすることができる。また、インクジェット印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜90質量%とすることができる。ここで導電性組成物の固形分とは、溶媒を除く各成分の総量を意味する。
導電性組成物は、必要に応じて更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤、ポリエステル系分散剤、ポリアクリル酸系分散剤等の分散剤、ポリメタクリル酸系増粘剤等の増粘剤等が挙げられる。
金属粉の材質は、前記金属核粒子で例示したものと同様のものとすることができる。金属粒子の材質は、前記金属核粒子と同一であってもよく、異なっていてもよい。
当該金属粉を用いる場合、導電性組成物中の金属核粒子と、金属粉との質量比(被覆金属粒子:金属粉)は用途等に応じて適宜選択すればよい。焼結性と導電性との点から、20:80〜80:20が好ましく、30:70〜70:30がより好ましく、40:60〜60:40が更により好ましい。
本発明の第2の実施形態に係る導電性組成物(第2の導電性組成物ということがある)は、金属粒子を含有する導電性組成物であって、
前記金属粒子が金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子であり、
前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)が80℃以上200℃以下であり、
前記金属粒子の焼結温度(Tp)との差(Tp−Ts)が20℃以上である。
金属粒子の焼結開始温度(Ts)及び焼結温度(Tp)は、第1の実施形態と同様にDTA分析により測定することができる。
本実施形態において金属粒子は、金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子であり、前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)が80℃以上200℃以下であり、前記金属粒子の焼結温度幅(Tp−Ts)が20℃以上である。
金属粒子の焼結温度幅(Tw)は20℃以上であればよく、焼結を制御しやすい点から30℃以上200℃以下であることが好ましく、40℃以上180℃以下であることがより好ましい。焼結開始幅が20℃以上であれば、後述する多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子とを含む多孔質導電体の製造が可能となる。
本発明に係る多孔質導電体は、多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子とを含む。
上記多孔質導電体は、焼結性を有する金属粒子を有しながら、用途に応じて所望の成形体とすることができるため、取り扱い性に優れ、例えば剥離性基材上に形成した場合、基材を剥離して、焼結性を有する金属ペーストのシートとして用いることも可能である。また、当該多孔性導電体は焼結性を有しているため、基材と素子とを接合する用途に用いることができる。また、多孔性導電体はクッション性を有し、焼結性を有する金属粒子を焼結する2段階目の焼結時に加圧することにより、得られる導電体の厚みを調整することができる。
また、前記第2の導電性組成物の場合、金属粒子の一部が金属焼結体となり、残りの金属粒子が、焼結性を有する金属粒子となる。
また前記第2の導電性組成物の場合、当該塗膜を前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)以上で、且つ、焼結温度幅(Tp−Ts)の範囲内の温度で加熱すればよい。
また、焼結時の雰囲気は、金属粒子の材質等に応じて適宜選択することができる。例えば、金属粒子として銀や金などの比較的酸化しにくい材質を用いる場合には、低酸素雰囲気下であっても大気中であってもよい。また、金属粒子として銅などの比較的酸化しやすい材質を用いる場合は、低酸素雰囲気であることが好ましい。低酸素雰囲気は、炉内の空気を、窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換することや、減圧することで得られる。
本発明の多孔質導電体は、この状態で導電体として使用することも可能である。一方、導電性及び機械強度に優れる点から、更に焼結性を有する金属粒子を焼結することが好ましい。
当該金属粒子の焼結は、当該金属粒子の焼結開始温度以上で行うこと以外は、前記と同様の焼結条件で焼結を行うことができる。
前記多孔質導電体(1)上に第1の層を配置する工程と、
前記第1の層上、又は、基材の第1の層とは反対側の面上に、前記本発明の多孔質導電体(2)を配置する工程と、
前記多孔質導電体(2)上に第2の層を配置する工程と、
前記各多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより、各層を同時に接合する工程と、を有する、積層体の製造方法が挙げられる。
当該積層体の製造方法において、例えば、前記第1の層と前記第2の層として、それぞれ所望の回路が形成された基板を用いることにより、多層基板を得ることができる。また、例えば、第1の層を、公知の金属板、金属箔、金属繊維、又はこれらの組み合わせとし、第2の層を半導体素子とすることで、例えば、電気伝導性、熱伝導性、応力緩和性、マイグレーション耐性等の物性を付与することができる。なお当該積層体は、更に第3以降の層を有していてもよい。
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8500F
測定条件:加速電圧 15〜20kV
観察倍率 ×1,500〜×30,000
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8500F
平均一次粒子径:サンプル20点の平均値
変動率:サンプル20点の標準偏差/平均値で計算される値
オーブン装置:丸祥電器SPM100−16V
焼成条件:100℃ 1h保持後、任意℃(150〜300℃) 1h保持
雰囲気:不活性ガス(窒素)又は大気
(銅粒子測定条件)
METTLER TOREDO社製
測定温度:室温(25℃)〜500℃
昇温条件:20℃/min
雰囲気:窒素又は大気
(銀粒子測定条件)
測定装置:リガク社製 TG8120
測定温度:25℃〜500℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素又は大気
被覆銀粒子Ag1の製造
スターラーバー、温度計、および還流冷却管を備えた300mLガラス製ナスフラスコを100℃のオイルバス内に設置した。
上記フラスコ内に、シュウ酸銀無水物30g(0.1モル)と、ウンデカン酸(関東化学社製)6g(0.3当量/シュウ酸銀無水物)と、媒体(補助媒体)としてのトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成社製)10g(0.5当量/シュウ酸銀無水物)と、媒体(主媒体)としての石油系炭化水素(C9アルキルシクロヘキサン混合物)(ゴードー社製「スワクリーン150」)54g(4.3当量/シュウ酸銀無水物)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、上記フラスコ内の内容物をオイルバスで加温しながら、液温度が50℃になるまで、攪拌しながら混合した。
上記混合物に対して、錯化剤として3−アミノ−1−プロパノール(東京化成社製)52g(7.0当量/シュウ酸銀無水物)をゆっくり滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物をオイルバスで加温して、液温度が85℃付近になるまで、攪拌しながら混合し、さらにこの温度での加熱攪拌を続けた。滴下終了後から3時間後にオイルバスの過熱を停止して反応を終了し、反応液を室温まで自然冷却した。
室温まで冷却した上記反応液に対して、メタノール(関東化学社製)160gを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。上記沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)80gと、アセトン(関東化学社製)80gとを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。これらの操作(メタノールおよびアセトンの添加とデカンテーション)をさらにもう一回繰り返した。
得られた沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)80gとイソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチル1.7gとを添加し、混合した。これをナスフラスコに入れ、回転式エバポレータに設置し、内容物を減圧乾燥(真空乾燥)した。減圧乾燥(真空乾燥)後、室温まで自然冷却した後、ナスフラスコ内を窒素置換しながら減圧解除した。以上のようにして、18gの銀色の被覆銀粒子Ag1を得た。被覆銀粒子Ag1は脂肪族カルボン等の被覆密度が4.46分子/nm2、焼結開始温度が182℃であった。
被覆銀粒子Ag2の製造
製造例3において、ウンデカン酸をオレイン酸(関東化学社製)6g(0.2当量/シュウ酸銀無水物)に変更した以外は製造例3と同様にして、18gの被覆銀粒子Cu2得た。被覆銀粒子Ag2は脂肪族カルボン等の被覆密度が4.08分子/nm2、焼結開始温度が235℃であった。
被覆銅粒子Cu1の製造
攪拌機、温度計、還流冷却管、および窒素導入管を備えた3000mLガラス製四ツ口フラスコを150℃のオイルバス内に設置した。
上記フラスコ内に、ギ酸銅無水物484g(3.1モル)と、オクタン酸(関東化学社製)98g(0.2当量/ギ酸銅無水物)と、媒体(補助媒体)としてのトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成社製)150g(0.2当量/ギ酸銅無水物)と、媒体(主媒体)としての石油系炭化水素(C9アルキルシクロヘキサン混合物)(ゴードー社製「スワクリーン150」)562g(1.4当量/ギ酸銅無水物)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、上記フラスコ内の内容物をオイルバスで加温しながら、液温度が50℃になるまで、150rpmで攪拌しながら、混合した。
上記混合物に対して、錯化剤として3−アミノ−1−プロパノール(東京化成社製)712g(3.0当量/ギ酸銅無水物)をゆっくり滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物をオイルバスで加温して、液温度が120℃付近になるまで、攪拌しながら、混合した。液温度の上昇に伴って、反応液は濃青色から茶褐色に変化し、炭酸ガスの発泡が生じた。炭酸ガスの発泡が収まった時点を反応終点として、オイルバス温調を停止し、室温まで自然冷却した。
室温まで冷却した上記反応液に対して、メタノール(関東化学社製)1200gを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。上記沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)1200gと、アセトン(関東化学社製)390gとを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。これらの操作(メタノールおよびアセトンの添加とデカンテーション)をさらにもう一回繰り返した。
得られた沈殿物を、メタノール(関東化学社製)400gを用いて500mLナスフラスコに移した。これを30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションした。
得られた沈殿物に対して、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチル18gを添加し、混合した。その後、ナスフラスコを回転式エバポレータに設置し、内容物を減圧乾燥(真空乾燥)した。減圧乾燥(真空乾燥)後、室温まで自然冷却した後、ナスフラスコ内を窒素置換しながら減圧解除した。以上のようにして、200gの茶褐色粘稠体の被覆銅粒子Cu1を得た。被覆銅粒子Cu1は脂肪族カルボン等の被覆密度が3.67分子/nm2、焼結開始温度が277℃であった。
被覆銅粒子Cu2の製造
製造例3において、オクタン酸をラウリン酸(関東化学社製)68g(0.1当量/ギ酸銅無水物)に変更した以外は製造例1と同様にして、200gの被覆銅粒子Cu2得た。被覆銅粒子Cu2は脂肪族カルボン等の被覆密度が3.66分子/nm2、焼結開始温度が310℃であった。
製造例1の被覆銀粒子Ag1を2.0g、製造例2の被覆銀粒子Ag2を2.0g、粒子径が約1μmの銀粉を4.0g(三井金属社製、SL01)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.4g添加し混練して、銀色粘稠体の銀ペースト1(導電性組成物)を得た。
得られた銀ペースト1を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレート上に塗工し、次いで、大気条件下、150℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銀色多孔質導電体1が得られた。得られた多孔質導電体1は、多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子を含んでいた。
当該多孔質導電体1をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、大気雰囲気下、多孔質導電体1の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
一次粒径が約20nmの銀粒子と、一次粒径が約90nmの銀粒子と、平均一次粒径が約2μmの銀粉を含有する銀ペースト2(導電性組成物)を得た。得られた銀ペースト2を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラス基材上に塗工し、次いで、大気条件下、150℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銀色多孔質導電体2が得られた。
得られた多孔質導電体2は、多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子を含んでいた。
当該多孔質導電体2をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、大気雰囲気下、多孔質導電体2の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
製造例3の被覆銅粒子Cu1を2.0g、製造例4被覆銅粒子Cu2を2.0g、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.2g添加し混練して、銅色粘稠体の銅ペースト1(導電性組成物)を得た。
得られた銅ペースト1を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレート上に塗工し、次いで、窒素条件下、250℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銅色多孔質導電体3が得られた。得られた多孔質導電体3は、多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子を含んでいた。
当該多孔質導電体3をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、窒素雰囲気下、多孔質導電体3の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、350℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
製造例1の被覆銀粒子Ag1を5.0g、粒子径が約1μmの銀粉を5.0g(三井金属社製、SL01)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し混練して、銀色粘稠体の銀ペースト3(導電性組成物)を得た。
得られた銀ペースト3を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレート上に塗工し、次いで、大気条件下、150℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銀色多孔質導電体4が得られた。得られた多孔質導電体4は、多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子を含んでいた。
当該多孔質導電体4をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、大気雰囲気下、多孔質導電体4の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
前記実施例1の銀ペースト1を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレート上に塗工し、次いで、大気条件下、300℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銀色多孔質導電体5が得られた。得られた多孔質導電体5は焼結性を有する金属粒子を含んでいなかった。
当該多孔質導電体5をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、大気雰囲気下、多孔質導電体5の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
前記実施例2の銀ペースト2を、開口部が9mm四方×厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレート上に塗工し、次いで、大気条件下、300℃で60分間加熱した。加熱終了後、フィルム状の銀色多孔質導電体6が得られた。得られた多孔質導電体6は焼結性を有する金属粒子を含んでいなかった。
当該多孔質導電体6をAu(金)メッキされた素子同士に挟み込み、大気雰囲気下、多孔質導電体6の厚み方向に5MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。
実施例1〜4及び参考例1〜2で得られた素子接合体について、下記の測定条件によりダイシェアテストを行い、接合強度を評価した。結果を表2に示す。
(測定条件)
測定装置:ボンドテスター Conder Sigma(XYZTEC社製)
測定条件:シェア高さ10μm、シェア移動速度25μm/s
実施例1〜4で得られた素子接合体の接合強度は20MPa以上を示し良好な接合状態を発現できていることが分かった。一方、参考例で得られた接合品の接合強度は20MPa以下であった。
実施例1〜4に示されるように、第1金属粒子と、前記第1金属粒子よりも焼結開始温度が高い第2金属粒子とを含有する導電性組成物を前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)以上、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)未満で加熱した多孔質導電体を用いることにより、優れた接合強度を有する素子接合体が得られた。
参考例1、2に示されるとおり、実施例1と同様の銀ペースト1および2を使用した場合であっても、Tp2温度以上で加熱した場合には、良好な接合状態が得られなかった。
前記実施例1の銀ペースト1を9mm四方で厚みが0.05mmのメタルマスクを用いて10mm四方で厚みが0.5mmのAuメッキされた素子上に塗工した。塗工された素子を大気雰囲気下、175℃で60分間加熱し、銀色の多孔質導電体が形成された素子を得た。
実施例5で得られた多孔質導電体素子について、マイクロカッターを用いて下記の条件でダイシングし、多孔質導電体の焼結膜強度を評価した。
(ダイシング方法)
装置名:MICRO CUTTER MC−201N(マルトー社製)
ダイシングブレード:ダイヤモンドノッチブレード(0.16t×75mmφ)
ダイシングブレード回転数:100rpm
上記ダイシングを実施したところ、素子上に形成された多孔質導電体は素子からの剥離等は確認できなかった。
実施例5で得られた多孔質導電体素子は使用している銀ペーストの焼結開始温度Tsを超え、さらに、その極大ピーク付近の領域の温度条件で大気乾燥していることから、多孔質導電体の焼結膜強度が向上しており、ダイシングプロセス耐性を発揮できたと考える。
実施例5で得られた多孔質導電体形成素子のダイシング個片化物をAu(金)メッキされた素子上に設置し、大気雰囲気下、多孔質導電体形成素子の厚み方向に12MPaの圧力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結し、素子同士を接合し素子接合体を得た。得られた素子接合体の接合強度は94MPaを示し良好な接合状態を発現できていることが分かった。
前記実施例2の銀ペースト2を12mm×16mmで厚みが0.25mmtのメタルマスクを用いてAMB基板上に塗工した。塗工されたAMB基板を真空条件下、100℃で20分間乾燥し、銀色の多孔質導電体が形成されたAMB基板を得た。その多孔質導電体形成AMB基板上に2.0mm四方で厚みが0.5mmのAuメッキされた素子を6個設置したものを、大気雰囲気下で厚み方向に10MPaの力をかけながら、250℃で10分間加熱焼結して、AMB基板と素子とを接合し、素子接合体を得た。
実施例6で得られた接合品に関して、6個の素子中、任意に選んだ4個の素子の接合強度を評価した。結果を表3に示す。
表3に示されるように、6つの素子を一括加圧した場合であっても、各素子は十分な接合強度を有しており、各素子に対してほぼ均一な力で加圧接合が可能であることが明らかとなった。
Claims (20)
- 第1金属粒子と、前記第1金属粒子の焼結開始温度よりも焼結温度が高い第2金属粒子とを含有する、導電性組成物。
- 前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)と、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)との差(Tp2−Ts1)が5℃以上である、請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)が、80℃以上200℃以下である、請求項1又は2に記載の導電性組成物。
- 前記第2金属粒子の一次粒径が、前記第1金属粒子の一次粒径よりも大きい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 前記第1金属粒子、及び、前記第2金属粒子が、
金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の導電性組成物。 - 前記第2金属粒子が有する脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子の炭素原子数が、前記第1金属粒子が有する脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子の炭素原子数より大きい、請求項5に記載の導電性組成物。
- 金属粒子を含有する導電性組成物であって、
前記金属粒子が金属核粒子と、前記金属核粒子の表面に1nm2当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む被覆金属粒子であり、
前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)が80℃以上200℃以下であり、
前記金属粒子の焼結温度(Tp)との差(Tp−Ts)が20℃以上である、導電性組成物。 - 多孔性の金属焼結体と、焼結性を有する金属粒子とを含む、多孔質導電体。
- 前記金属粒子が一様に分布する、請求項8に記載の多孔質導電体。
- 接合に用いられる、請求項8又は9に記載の多孔質導電体。
- 基材上に、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)以上、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)未満の温度で加熱する工程と、を有する、多孔質導電体の製造方法。 - 基材上に、請求項7に記載の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)以上、焼結温度(Tp)未満の温度で加熱する工程と、を有する、多孔質導電体の製造方法。 - 基材上に、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体を配置する工程と、
前記多孔質導電体上に、素子を配置する工程と、
前記多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより素子を接合する工程と、を有する、素子接合体の製造方法。 - 基材上に、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体をパターン状に配置する工程と、
前記多孔質導電体上に、2個以上の素子を配置する工程と、
前記多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより、2個以上の素子を同時に接合する工程と、を有する、素子接合体の製造方法。 - 基材上に、第1の多孔質導電体を配置する工程と、
前記第1の多孔質導電体上に第1の層を配置する工程と、
前記第1の層上、又は、基材の第1の層とは反対側の面上に、第2の多孔質導電体を配置する工程と、
前記第2の多孔質導電体上に第2の層を配置する工程と、
前記各多孔質導電体を、加圧しながら、前記金属粒子の焼結開始温度以上の温度で加熱することにより、各層を同時に接合する工程と、を有し、前記第1の多孔質導電体及び前記第2の多孔質導電体がそれぞれ請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体である、積層体の製造方法。 - 基材上に、第1の多孔質導電体層と、第1の層と、第2の多孔質導電体層と、第2の層とをこの順に有し、前記第1の多孔質導電体及び前記第2の多孔質導電体がそれぞれ請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体である、積層体。
- 半導体ウエハ上に、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体を備える、プリコートベアチップ。
- 半導体ウエハ上に、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記第1金属粒子の焼結開始温度(Ts1)以上、前記第2金属粒子の焼結温度(Tp2)未満の温度で加熱する工程と、
前記半導体ウエハを切断する工程と、を有する、プリコートベアチップの製造方法。 - 半導体ウエハ上に、請求項7に記載の導電性組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を、前記金属粒子の焼結開始温度(Ts)以上、焼結温度(Tp)未満の温度で加熱する工程と、
前記半導体ウエハを切断する工程と、を有する、プリコートベアチップの製造方法。 - 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の多孔質導電体、又は、当該多孔質導電体の焼結体を含む、電子デバイス。
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