JP2019138744A - 回転電機および電気掃除機ならびに回転電機のバランス試験方法 - Google Patents
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また、本発明に係る回転電機のバランス試験方法は、駆動シャフトにより貫挿される貫挿孔部が前記駆動シャフトに嵌装されて前記駆動シャフトに装着されるファンを備え、前記ファンは前記貫挿孔部における少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部分が設けられている回転電機において、前記ファンのバランスを試験するにあたり、前記駆動シャフトに対し非装着状態にある前記ファンの前記貫挿孔部を直立する支持ジャーナルに嵌装して取付け、前記支持ジャーナルから供給される流体圧力を前記面取り部分に加圧して前記ファンを浮かせるようにしたことを特徴とするものである。
本発明に係る実施の形態1を図1から図8までに基づいて説明する。図1は実施の形態における回転電機1の構成を示す縦断面図である。
回転電機1はフレーム2を有し、前記フレーム2にステーター3とローター4が取り付けられている。前記ステーター3はマグネットあるいは出力軸方向に積層された積層鉄心にコイルが巻回された構造である。前記ローター4は、駆動シャフト5を有し、前記駆動シャフト5にローターコア6とファン7および前記駆動シャフト5を支承する一対のベアリング8が取り付けられている。前記ローターコア6は、マグネットあるいは出力軸方向に積層された積層鉄心で構成される。前記ベアリング8は、前記ローターコア6と前記ファン7との間に取り付けられ、ベアリング8の各々に予圧を負荷するためのばね9が、一対のベアリングの間に配置されている。
ファン7についてバランス試験を行う際には、ファン7は回転電機1の駆動シャフト13から取り外されて非装着状態とされ、前述の通りバランス試験装置15の支持ジャーナル14に嵌装されて面取り部14に加えられる流体圧力により浮上状態となり、空気ノズル29からの気流30によって回転されて、バランス状態を検出するバランス試験が行われるものである。ファン7についての前記バランス状態検出結果に基づいてファン7のバランス調整が実行される。
積層鉄心にコイルが巻回されるステーター3と、駆動シャフト5を有しローターコアで構成されるローター4と、前記ステーター3および前記ローター4が組み付けられたフレーム2と、前記駆動シャフト5により貫挿される孔13からなる貫挿孔部THが前記駆動シャフト5に嵌装されて前記駆動シャフト5に装着される回転体としてのファン7と、前記ローター4のローターコアと前記ファン7の間で前記駆動シャフトを支承するベアリング8からなる1対の軸受とを備え、前記ローター4のローターコアにおける軸方向端部と前記ファン7の外周面に切削痕があるものであって、前記ファン7は駆動シャフト5により貫挿される貫挿孔部THが前記駆動シャフト5に挿入されて前記駆動シャフト5に装着されるものであり、前記ファン7は孔13からなる前記貫挿孔部THにおける少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有するC面取りにより傾斜角面としての受圧平面を形成した面取り部14からなる面取り部分が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン7について簡潔な構成手段でバランス試験を行える回転電機を得ることができ、このファン7を搭載した回転電機1において低振動化および低騒音化が図れるものであり、この回転電機1を搭載した電気掃除機36においても低騒音化および低振動化を実現できるものである。
駆動シャフト5により貫挿される孔13からなる貫挿孔部THが前記駆動シャフト5に嵌装されて前記駆動シャフト5に装着される回転体としてのファン7を備え、前記ファン7は前記貫挿孔部THにおける少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部14からなる面取り部分が設けられている回転電機について、前記ファン7のバランスを試験するにあたり、前記駆動シャフト5に装着する前の状態か前記駆動シャフト5から取り外した状態にあって前記駆動シャフト5に対し非装着状態にあり前記駆動シャフト5に装着されていない前記ファン7の前記貫挿孔部を直立する支持ジャーナル18に嵌装して取付け、前記支持ジャーナル18から供給される流体圧力を前記面取り部分に加圧して前記ファンを浮かせるようにしたものである。
本発明に係る実施の形態1において試験方法の対象となるファン7は、中心軸に孔13からなる貫挿孔部THを備えており、孔13の片側側面の角部がC面取りによる平面を形成する面取り部14とされている。C面取りによる面取り部14の面積と流体圧力の積がファンの自重よりも大きいことが特徴となる。バランス試験装置15側の支持ジャーナル18が備える軸方向中心孔から供給される流体により、ファン7のC面取りによる面取り部14に流体圧力がファン7を浮かせる方向に作用し、浮かせることができる。
すなわち、駆動シャフト5に対し被装着状態にあるファン7のように支持ジャーナルを備えていない回転体のつりあい試験方法において、流体を用いて駆動させる場合に、ファン7を安定的に浮かせてバランスを高精度で測定することができるため、アンバランスが小さいファン7を製造できる。これを用いた回転電機において、低振動化が図れる。
そして、装置側に副孔が不要となるため、装置自体をコンパクト化およびコストを削減できる。また、ファン7の孔13のバリも面取りで除去できるため、バリにより装置側の支持ジャーナル18を傷つける恐れもない。
本発明に係る実施の形態2を図9に基づいて説明する。図9は実施の形態2における回転電機のファン37を示す縦断面図である。ファン37が有する孔38からなる貫挿孔部THの端面角部の一方が面取りされ面取り部39が設けられている。面取り部39における面取りの形状は、実施の形態2では弧状の湾曲面を形成するR面取りとしている。R面取りによる面取り部39の場合、ファン37を浮かせる際に重要なパラメータである軸方向の投影面積SBを弧状の湾曲面を形成する半径を示すR寸法から求めることができるので、実施の形態1のC面取りによる場合と比べて計算しやすい。なお、貫挿孔部THにおける端面角部の両端が面取りされていてもよく、バランス測定装置15(図2参照)にファン37をセットする際に、上下のどちらの面を下側にセットしてもよいため、作業性が改善する。ただし、加工時間がかかるというデメリットがある。R面取りによる面取り部39によって、ファン37の端面角部に出ているバリを除去することができ、バランス測定装置15でファン37を浮かせる際に、安定してファン37を浮かせることができるといったことや、バリによるバランスの悪化を防止することができる。
実施の形態1におけるファン7に相当するファン37の貫挿孔部THの少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する弧状の湾曲面を形成するR面取りによる面取り部39からなる面取り部分が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン37について簡潔な構成手段でバランス試験を行うことができバランス試験における作業性を改善できる回転電機を得ることができる。
本発明に係る実施の形態3を図10に基づいて説明する。図10は、実施の形態3における回転電機のファン41を示す縦断面図である。ファン41が有する孔42からなる貫挿孔部THにおける端部の一方が段付き部を有する構造となっている。ファン41を浮かせる力は、段差部43の面積と段差部43に供給される圧力の積で与えられ、ファン41の自重による重力よりも大きくなるように段差部43の面積と圧力を調整するとよい。実施の形態1や実施の形態2の面取り形状と比べて、段差構造の方が加工性がよいため、非常に精度が良い面積が得られる。ただし、段差部のファン端面側の角部44にバリが出るため、ファン41を安定的に浮かせるにあたってバリを除去する必要がある。この角部44を面取りすることで、この問題を解消できるが、工数がかかるため、コスト増となる。なお、両端に段差部を設けてもよく、バランス測定装置15(図2参照)にファン41をセットする際に、上下のどちらの面を下側にセットしてもよいため、作業性が改善する。ただし、加工時間がかかるというデメリットがある。
実施の形態1におけるファン7に相当するファン41の孔42からなる貫挿孔部THの少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する段差部43からなる段付き部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン41について簡潔な構成手段でバランス試験を行うことができ加工性を改善できる回転電機を得ることができる。
本発明に係る実施の形態4を図11に基づいて説明する。図11は、実施の形態4における回転電機のファン45を示す縦断面図である。ファン45が有する孔からなる貫挿孔部THに別部品としてブッシュ46が組まれている。ブッシュ46は、ファン45が成型品の場合には、ファンと一体成型することで組み合わされる。ファン45が成型品でない場合には、圧入によって組み合わされる。成型品であっても、ブッシュ46をファン45に圧入してもよい。ブッシュ46は孔47からなる貫挿孔部分を有しており、その中心軸はファン45が有する孔からなる貫挿孔部THと同一である。ブッシュ46が有する孔47からなる貫挿孔部分の端面角部の一方が面取りされ面取り部51が形成されている。面取り部51の面取り形状は、実施の形態4ではC面取りとしている。ブッシュ46は、ファン45よりも加工性がよい材料で作られる。これにより、面取り部51を精度良く後切削で加工できる。
実施の形態1におけるファン7に相当するファン45に設けられた孔からなる貫挿孔部THにブッシュ46からなる別部品としての装着部品を内装し、前記装着部品は孔47からなる貫挿孔部分を有するものであって、ブッシュ46からなる前記装着部品の孔47からなる前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する受圧平面を形成するC面取りによる面取り部51からなる面取り部分が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン45について簡潔な構成手段でバランス試験を行うことができ加工性を改善できる回転電機を得ることができる。
本発明に係る実施の形態5を図12に基づいて説明する。図12は、実施の形態5における回転電機を構成するファン48を示す縦断面図である。ファン48が有する孔からなる貫挿孔部THに別部品としてブッシュ49が組まれている。ブッシュ49は、ファン48が成型品の場合には、ファン48と一体成型することで組み合わされる。ファン48が成型品でない場合には、圧入によって組み合わされる。成型品であっても、ブッシュ49をファン48に圧入してもよい。ブッシュ49は孔47からなる貫挿孔部分を有しており、その中心軸はファン48が有する孔からなる貫挿孔部THと同一である。ブッシュ49が有する孔47の端面角部の一方が面取りされ面取り部50が形成されている。面取り部50の面取り形状は、実施の形態5ではR面取りとしている。なお、ブッシュの両端に面取り部を設けてもよく、バランス測定装置15(図2参照)にファン48をセットする際に、上下のどちらの面を下側にセットしてもよいため、作業性が改善する。
実施の形態1におけるファン7に相当するファン48の貫挿孔部THに別部品としてのブッシュ49からなる装着部品を内装し、前記装着部品は孔47からなる貫挿孔部分を有するものであって、前記装着部品の孔47からなる前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する弧状の湾曲面を形成するR面取りによる面取り部50からなる面取り部分が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン48について簡潔な構成手段でバランス試験を行うことができ加工性を改善できる回転電機を得ることができる。
本発明に係る実施の形態6を図13に基づいて説明する。図13は、実施の形態5における回転電機を構成するファン52を示す縦断面図である。ファン52が有する孔からなる貫挿孔部THに別部品としてブッシュ53が組まれている。ブッシュ53は、ファン52が成型品の場合には、ファン52と一体成型することで組み合わされる。ファン52が成型品でない場合には、圧入によって組み合わされる。成型品であっても、ブッシュ53をファン52に圧入してもよい。ブッシュ52は孔47からなる貫挿孔部分を有しており、その中心軸はファン52が有する孔からなる貫挿孔部THと同一である。
実施の形態1におけるファン7に相当するファン52の貫挿孔部THに別部品としての装着部品を内装し、前記装着部品は貫挿孔部分を有するものであって、前記装着部品の前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部44に所定の受圧面積を有する段差部43からなる段付き部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、回転電機を構成するファン52について簡潔な構成手段でバランス試験を行うことができ加工性を改善できる回転電機を得ることができる。
Claims (13)
- 駆動シャフトにより貫挿される貫挿孔部が前記駆動シャフトに嵌装されて前記駆動シャフトに装着されるファンを備え、前記ファンは前記貫挿孔部における少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部分が設けられていることを特徴とする回転電機。
- 積層鉄心にコイルが巻回されるステーターと、駆動シャフトを有しローターコアで構成されるローターと、前記ステーターおよび前記ローターが組み付けられたフレームと、前記駆動シャフトに装着されるファンと、前記ローターコアと前記ファンの間で前記駆動シャフトを支承する1対の軸受とを備え、前記ローターコアの軸方向端部と前記ファンの外周面に切削痕があるものであって、前記ファンは前記駆動シャフトにより貫挿される貫挿孔部が前記駆動シャフトに挿入されて前記駆動シャフトに装着されるものであり、前記ファンは前記貫挿孔部における少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部分が設けられていることを特徴とする回転電機。
- 前記ファンの前記貫挿孔部の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する平面を形成する面取り部分が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 前記ファンの前記貫挿孔部の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する弧状の湾曲面を形成する面取り部分が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 前記ファンの前記貫挿孔部の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する段付き部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 前記ファンの貫挿孔部に装着部品を内装し、前記装着部品は貫挿孔部分を有するものであって、前記装着部品の前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部分が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 前記装着部品の前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する平面を形成する面取り部分が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 前記装着部品の前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する弧状の湾曲面を形成する面取り部分が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 前記装着部品の前記貫挿孔部分の少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する段付き部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の回転電機を搭載した電気掃除機。
- 駆動シャフトにより貫挿される貫挿孔部が前記駆動シャフトに嵌装されて前記駆動シャフトに装着されるファンを備え、前記ファンは前記貫挿孔部における少なくとも一方の端面角部に所定の受圧面積を有する面取り部分が設けられている回転電機について、前記ファンのバランスを試験するにあたり、前記駆動シャフトに装着されていない前記ファンの前記貫挿孔部を直立する支持ジャーナルに嵌装して取付け、前記支持ジャーナルから供給される流体圧力を前記面取り部分に加圧して前記ファンを浮かせるようにしたことを特徴とする回転電機のバランス試験方法。
- 前記支持ジャーナルの中心部から前記支持ジャーナルと前記ファンの前記貫挿孔部との間に供給し前記面取り部分に加圧することを特徴とする請求項11に記載の回転電機のバランス試験方法。
- 前記支持ジャーナルはバランス試験装置に設けられた基台の上面に突設されるものであって、前記支持ジャーナルに嵌装される前記ファンを前記基台の上面に配設する工程と、前記支持ジャーナルと前記ファンの前記貫挿孔部との間に供給される流体圧力により前記面取り部分を加圧し前記ファンの重力に抗して前記ファンを浮上させる工程と、浮上状態にある前記ファンを回転させる工程と、浮上し回転状態にある前記ファンにより前記支持ジャーナルに加えられる振動状況によって前記ファンのバランス特性を検出する工程とを含むことを特徴とする請求項12に記載の回転電機のバランス試験方法。
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