JP2019136711A - 積層造形物の製造方法 - Google Patents
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(1) 凸形状のベース面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを形成するトーチをウィービングさせて前記ベース面に溶着ビードを積層させて積層造形物を造形する積層造形物の製造方法であって、
前記積層造形物を造形するために予め設定された造形計画データを読み込むデータ読み込み工程と、
読み込んだ前記造形計画データに基づいて、前記ベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対して前記トーチをウィービングさせるためのウィービング経路を求めるウィービング経路算出工程と、
求めた前記ウィービング経路に沿って前記トーチの先端が通るように前記トーチをウィービングさせることで、前記ベース面又は下層の前記溶着ビード層の上面に前記トーチによって前記溶着ビードを形成するウィービング工程と、
を含む積層造形物の製造方法。
図1は本発明の積層造形物の製造方法が適用される製造システムの模式的な概略構成図である。
まず、軌道演算部33が造形計画データを読み込む(ステップS1)。この造形計画データは、積層造形物Wを造形するために予め設定されたもので、積層造形物Wの形状、及び溶着ビード25を形成するベース面20aの形状データ、造形する溶着ビード25の幅・高さを含み、例えば、CADデータとして記憶部35に記憶されている。本例では、図5Aに示すように、母材20のベース面20aは、上方へ円弧状に突出する円弧面である。
さらに、軌道演算部33は、トーチ17をウィービングさせるウィービング経路Wrを求める(ステップS2)。このウィービング経路Wrは、読み込んだ造形計画データに基づいて、ベース面20a又は下層の溶着ビード層34の上面34aに溶着ビード25を形成する際にウィービングさせる経路である。例えば、図5Bに示すように、本例では、ベース面20aが円弧状に形成されているので、ウィービング経路Wrは、このベース面20aの外周側を通る経路となる。したがって、ウィービング経路Wrは、ベース面20aの円弧の曲率半径よりも大きな曲率半径の円弧を通る経路とする。
その後、制御部37は、軌道演算部33で求めたウィービング経路Wrに沿ってトーチ17の先端(溶加材Mの先端)が通るように、溶接ロボット19を制御してトーチ17をウィービングさせる(ステップS3)。これにより、トーチ17によってベース面20a又は下層の溶着ビード層34の上面34aに幅広の溶着ビード25を形成する。そして、トーチ17をウィービングさせながら母材20の長手方向へ移動させることで、幅広の溶着ビード25からなる溶着ビード層34を母材20の長手方向に沿って形成する。
また、ウィービング経路算出工程は、下層の溶着ビード25を形成するウィービング工程を行う度に行われようにしてもよく、その場合、下層の溶着ビード25の形状計測を行いながら、次の溶着ビード25を形成するため、より高精度に溶着ビードを形成することができる。
また、造形計画データにおける下層の溶着ビード層と、実際に形成された下層の溶着ビード層とは、通常、異なる形状となる。このため、造形計画データにおける下層の溶着ビード層と、実際に形成された下層の溶着ビード層の形状を予め対応付けすることで、この形状ずれをウィービング経路算出工程の際に考慮するようにしてもよく、或いは、造形計画データにフィードバックするようにしてもよい。
まず、溶着ビード層34の上面34aの形状を検出する。この上面34aの形状の検出は、例えば、タッチセンサ等によって検出する。
次に、軌道演算部33は、検出した上面34aの形状を基に、近似補正した補正ビード上面形状34bを求める。この補正ビード上面形状34bは、例えば、検出した上面34aに対して多項式曲線で円弧または直線に近似補正した形状となる。
(1) 凸形状のベース面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを形成するトーチをウィービングさせて前記ベース面に溶着ビードを積層させて積層造形物を造形する積層造形物の製造方法であって、
前記積層造形物を造形するために予め設定された造形計画データを読み込むデータ読み込み工程と、
読み込んだ前記造形計画データに基づいて、前記ベース面又は下層の前記溶着ビード層の上面に対して前記トーチをウィービングさせるためのウィービング経路を求めるウィービング経路算出工程と、
求めた前記ウィービング経路に沿って前記トーチの先端が通るように前記トーチをウィービングさせることで、前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面に前記トーチによって前記溶着ビードを形成するウィービング工程と、
を含む積層造形物の製造方法。
この積層造形物の製造方法によれば、積層造形物を造形するために予め設定された造形計画データに基づいて、ベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対してウィービングさせるためのウィービング経路を求める。そして、このウィービング経路に沿ってトーチの先端が通るようにトーチをウィービングさせることで、ベース面にトーチによって溶着ビードを形成する。したがって、凸形状のベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対するウィービング時におけるトーチの狙い位置のズレを極力抑制でき、ベース面又は下層の溶着ビード層の上面への溶着ビードの溶け込み量や溶着ビードの形状のばらつきを抑えつつ幅広の溶着ビードを形成し、高品質な積層造形物を製造することができる。
この積層造形物の製造方法によれば、円弧面からなるベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対して幅広の溶着ビードを正確に積層させることができる。
この積層造形物の製造方法によれば、ベース面に対して複数列の溶着ビードを形成する。つまり、ウィービングによって幅広に形成される溶着ビードを並べることで、溶着ビードからなる溶着ビード層の幅をさらに広くすることができる。
この積層造形物の製造方法によれば、ベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対するトーチの傾き及び間隔を一定に維持させながらウィービングさせて溶着ビードを形成させるので、トーチのウィービングの制御を簡略にでき、しかも、溶着ビードを形状のばらつきなく形成することができる。
この積層造形物の製造方法によれば、トーチをベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対して常に法線方向に配置させ、しかもベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対する間隔を一定に維持させながらウィービングさせて溶着ビードを形成させるので、ベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対して溶着ビードを形状のばらつきなくさらに高精度に形成することができる。
検出した前記下層の溶着ビード層の上面の形状を近似補正した補正ビード上面形状を求める補正ビード上面形状算出工程と、
をさらに含み、
前記ウィービング経路算出工程において、前記補正ビード上面形状に基づいて、前記ウィービング経路を求める(1)から(5)のいずれか一つに記載の積層造形物の製造方法。
この積層造形物の製造方法によれば、検出した下層の溶着ビード層の上面の形状を近似補正した補正ビード上面形状に基づいてウィービング経路を求める。したがって、例えば、下層の溶着ビード層の上面が凹凸を有していても、その上面に対しても的確にトーチをウィービングさせて溶着ビードを形成し、高品質な造形物を製造することができる。
この積層造形物の製造方法によれば、ウィービング経路算出工程は、下層の溶着ビードを形成するウィービング工程を行う度に行われるので、溶着ビードをより高精度に形成することができる。
20a ベース面
25 溶着ビード
34 溶着ビード層
34a 上面
34b 補正ビード上面形状
M 溶加材
W 積層造形物
Wr ウィービング経路
Claims (7)
- 凸形状のベース面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを形成するトーチをウィービングさせて前記ベース面に溶着ビードを積層させて積層造形物を造形する積層造形物の製造方法であって、
前記積層造形物を造形するために予め設定された造形計画データを読み込むデータ読み込み工程と、
読み込んだ前記造形計画データに基づいて、前記ベース面又は下層の溶着ビード層の上面に対して前記トーチをウィービングさせるためのウィービング経路を求めるウィービング経路算出工程と、
求めた前記ウィービング経路に沿って前記トーチの先端が通るように前記トーチをウィービングさせることで、前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面に前記トーチによって前記溶着ビードを形成するウィービング工程と、
を含む積層造形物の製造方法。 - 前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面は、上方へ膨出する円弧面からなり、前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面の曲率半径よりも前記ウィービング経路の曲率半径を大きくする請求項1に記載の積層造形物の製造方法。
- 前記ベース面に対して複数列の前記溶着ビードを形成する請求項1又は請求項2に記載の積層造形物の製造方法。
- 前記ウィービング工程において、前記トーチの傾き及び前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面に対する間隔を一定に維持させながら前記溶着ビードを形成させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層造形物の製造方法。
- 前記ウィービング工程において、前記トーチを前記ベース面又は前記下層の溶着ビード層の上面に対して常に法線方向に配置させて前記ベース面に対する間隔を一定に維持させながら前記溶着ビードを形成させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層造形物の製造方法。
- 前記下層の溶着ビード層の上面の形状を検出する形状検出工程と、
検出した前記下層の溶着ビード層の上面の形状を近似補正した補正ビード上面形状を求める補正ビード上面形状算出工程と、
をさらに含み、
前記ウィービング経路算出工程において、前記補正ビード上面形状に基づいて、前記ウィービング経路を求める請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層造形物の製造方法。 - 前記ウィービング経路算出工程は、前記下層の溶着ビードを形成する前記ウィービング工程を行う度に行われる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積層造形物の製造方法。
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