JP2019136658A - 管類内部の超音波洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

管類内部の超音波洗浄方法及び洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エネルギープラント等の施設で使用される油や水等が流通する配管や、内壁に不純物等が付着しやすいような中空素材等の管類の内壁に付着する不純物を超音波により効果的に除去する。【解決手段】 パイプPの外周部に超音波伝播ユニット1を装着することによってパイプ外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部3を画成して水を貯留できるようにするとともに、この水を循環回路12を通して循環させることで溶存気体を所定値以下に脱気すると同時に所定温度以下に冷却し、超音波伝播ユニット1の超音波発振部8から超音波を発振して超音波伝播液貯留空間部3内の水を通してパイプP内部に超音波を伝播させ、パイプP内部を洗浄する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばエネルギープラント等の施設で使用されている油や水等が流通する配管や、内壁に不純物等が付着しやすいような中空素材等の管類の内壁に付着する不純物を超音波により効果的に除去するための洗浄技術に関する。
従来、管類の内部に付着する不純物等を超音波で除去する技術として、管類の内部に超音波を発生する小型の洗浄ユニットを設け、この洗浄ユニットを管類の管の中に挿入して洗浄ユニットから超音波を放射して洗浄する技術(例えば、特許文献1、2)とか、超音波が発振される超音波洗浄槽の洗浄液中に管類を浸漬すると同時に、管内に洗浄流体を流通させて洗浄する技術(例えば、特許文献3参照。)とか、管路の一部を閉塞して所定管路内領域を密閉し、この密閉空間内に微小気泡を含有し且つ超音波が放射される水を充満させて所定時間維持し、その後密閉空間内の水を排出し、この充満と維持と排水を繰り返すことで管内を洗浄するような技術(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
特開2002−112963号公報 特開20012−112963号公報 特表平11−504256号公報 特開2011−230106号公報
ところで、上記特許文献1、2の技術のように、管類の管の中に超音波を発生する小型の洗浄ユニットを挿入するような技術では、管類の内径等によって振動子のサイズ等に制約を受けることが多く、洗浄するのに適切な周波数を発振したり、強力な超音波を発振したりするのに制約を受けることが多かった。また、特許文献3や特許文献4のような技術も、管類の内部に付着する不純物を除去する効果が十分でなかった。
一方、管類の管の外周部に直接振動板等を接触させて、管類の内部に超音波を伝播しようとする場合、通常、管類の外周面はざらざらでしかも湾曲しているため、振動板全体をしっかり密着させることが難しく、管内に強力な超音波を送り込むことができないという問題があった。また、接触面にグリスやシリコン等を塗布して振動板と管類の外周面を密着させようとした場合にも、グリスやシリコン等の介在によって、超音波が減衰するため、同様に管内に強力な超音波を送り込むことができなかった。
そこで、本発明は、例えばエネルギープラント等の施設で使用されている油や水等が流通する配管や、内壁に不純物等が付着しやすいような中空素材等の管類の内壁に付着する不純物を超音波により効果的に除去できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、管類の内部に付着する異物等を超音波で除去する管類内部の超音波洗浄方法において、前記管類の外部に超音波伝播ユニットを装着することによって前記管類外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部を画成し、この超音波伝播液貯留空間部内に超音波伝播液を貯留するとともに、前記超音波伝播ユニットの超音波発振部から超音波を発振することにより、前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液を通して管類の内部に超音波を伝播させ、管類の内部を洗浄するようにした。
また、装置としては、管類の外部に装着可能な超音波伝播ユニットを設け、この超音波伝播ユニットとして、前記管類に装着した状態で前記管類外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部を画成できるようにするとともに、この超音波伝播液貯留空間部内には、超音波を伝播するための超音波伝播液を貯留可能とし、また、前記超音波伝播ユニットには、前記超音波伝播液に向けて超音波を発振することのできる超音波発振部を設けるようにした。
このように、管類の外部に装着可能な超音波伝播ユニットを設け、この超音波伝播ユニットに、超音波を発振する超音波発振部と、超音波伝播液を貯留する超音波伝播液貯留空間部を設け、超音波発振部から発振した超音波を超音波伝播液を通して管類内部に伝播させることにより、強力な超音波を管類内部に送り込むことができ、管類内面に付着する不純物等の除去効果を高めることができる。この際、管類の外周面に接触するのは、超音波伝播液であるため、振動板等を直接管類の外周面に接触させることに較べて、超音波の伝播効率を飛躍的に高めることができる。
また、本発明の洗浄方法では、前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液として、溶存気体を所定値以下に脱気するとともに所定温度以下に冷却するようにし、その装置として、前記超音波伝播ユニットに、前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液を循環させる循環回路を接続し、この循環回路に、超音波伝播液の溶存気体を所定値以下に脱気するための脱気手段と、超音波伝播液を所定温度以下に冷却するための冷却手段を設けるようにした。
このように、超音波伝播液を循環回路によって循環させ、循環回路中の脱気手段によって溶存気体を所定値以下に脱気し、しかも超音波伝播液を所定温度以下に冷却することにより、超音波をより強力にすることができ、不純物等の除去効果を高めることができる。
なお、脱気手段によって伝播液に溶解する溶存気体の脱気の程度としては、2mg/l程度以下にすることが好ましく、また、伝播液の温度としては、12℃程度以下にすることが好ましいことが本発明者等の実験等によって実証されている。
管類の内壁に付着する不純物を超音波により効果的に除去するため、管類の外部に装着可能な超音波伝播ユニットを設け、この超音波伝播ユニットとして、管類に装着した状態で前記管類外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部を画成できるようにするとともに、この超音波伝播液貯留空間部内に、超音波伝播液を貯留可能とし、また、この超音波伝播液に向けて超音波を発振することのできる超音波発振部を設けることにより、管類内に強力な超音波を伝播させることができ、不純物等の除去効果を高めることができる。この際、超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液の溶存気体を所定値以下に脱気し、また、超音波伝播液を所定温度以下に冷却することによって、超音波をより強力にすることができ、不純物等の除去効果を一層高めることができる。
本発明に係る管類内部の超音波洗浄方法を説明するための構成概要図である。 超音波伝播ユニットを管類の外部に装着した状態を示す説明図であり、一部を断面にして示す斜視図である。
本発明に係る管類内部の超音波洗浄方法および装置の一例について添付した図面に基づき説明する。
本発明に係る洗浄方法は、管類の外部に超音波伝播ユニットを装着し、この超音波伝播ユニットに貯留される超音波伝播液を通して超音波を管類の内部に送り込むことを特徴としており、強力な超音波によって管類内壁の不純物等を効果的に除去できるようにされている。
すなわち、超音波伝播ユニット1は、図2に示すように、管類の一例としてのパイプPに装着することができるようにされ、本実施例では、複数本の結束バンド2を備えており、パイプPの所定箇所に結束バンド2を巻き付けることで装着すると、パイプPの外周部の一部領域を密閉された超音波伝播液貯留空間部3として画成するため略矩形状に周囲を囲む隔壁4とその先端のパッキン材5を備えるとともに、各隔壁4は、振動板6の前面に突出する状態で取り付けられている。
また、振動板6の裏面側には、複数の振動子7が取り付けられており、これら振動子7を同期して駆動することにより、振動板6を通して超音波振動を発振させることができるようにされている。
そして、これら振動子7や振動板6によって超音波発振部8が構成されている。
以上のような超音波伝播ユニット1が組み込まれる超音波洗浄装置10について、図1に基づき説明する。
前記超音波伝播ユニット1には、前記超音波伝播液貯留空間部3内に超音波伝播液としての水を貯留するための給水ライン11や、給水された水を循環させながら脱気し同時に冷却するための循環回路12が接続されており、給水部12aから水を送り込むとともに、排水部12bから水を引き出して循環させることができるようにされている。
すなわち、循環回路12には、排水部12bから水を引き出すための循環ポンプ13や、水に含まれる異物等を除去するためのストレーナ14や、フィルタfが設けられ、その下流には、水に含まれる酸素等の気体を除去して脱気するための真空中空糸等の脱気モジュール15が配設され、この脱気モジュール15には、真空ポンプ16が接続されている。
そして、この脱気モジュール15により、水に溶解する気体の量が、2mg/l程度以下になるようにしており、このような脱気により、超音波伝播液貯留空間部3内に向けて放射される超音波のキャビテーションの衝撃効果を高めることができ、強力な超音波を発生させて伝播することが可能となる。
また、前記給水ライン11と循環回路12の交差部には水を所定温度以下に冷却するための冷却手段としての熱交換器17を配設しており、給水される水や循環する水を12℃程度以下に冷却するようにしている。
そして、この水の冷却も、超音波伝播液貯留空間部3内に向けて放射される超音波のキャビテーションの衝撃効果を高めるのに効果的である。
なお、前記超音波振動子7の振動周波数は、20〜25KHz程度が、強力な超音波放射のために好適である。
以上のような超音波洗浄装置10によるパイプP内の洗浄方法について説明する。
まず、洗浄すべきパイプPの内部に液体を充填し、両端部をシール部材18(図2)でシールして内部を密閉し、パイプPの外周部の所定箇所に結束バンド2によって超音波伝播ユニット1を装着する。
因みに、パイプP内に充填される液体は、パイプPの用途等によって適切なものを選定し、例えば、パイプPが油管のような場合は油を、水管のような場合には水等を選択する。
次いで、超音波伝播液貯留空間部3内に給水ライン11から脱気した水を充填し、循環回路12を通して循環させながら、超音波振動子7を駆動して超音波を発振する。
すると、超音波発振部8から発振された超音波は、超音波伝播液貯留空間部3内の脱気され且つ冷却された水によって強力な衝撃力となり、この強力な衝撃力を伴う超音波が、パイプPを通してパイプP内の液体に伝達され、パイプP内面に付着する不純物が効果的に除去される。
そして、必要に応じて、パイプPに対する超音波伝播ユニット1の装着箇所を移動させれば、パイプP内の全域に付着する不純物等を綺麗に洗浄することができる。
以上のような要領により、管類の内部に付着する不純物等を完全に且つ綺麗に除去することができるようになった。
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、管類の一例としてパイプPの場合を説明したが、内壁に不純物等が付着しやすいような中空素材でもよく、また、超音波伝播ユニット1の装着方法等は例示である。
エネルギープラント等における油や水等が流通する配管の内側の汚れを除去するのに効果的であるため、このような洗浄技術として広い分野における普及が期待される。
1…超音波伝播ユニット、3…超音波伝播液貯留空間部、8…超音波発振部、10…超音波洗浄装置、12…循環回路、15…脱気モジュール、17…熱交換器、P…パイプ。

Claims (4)

  1. 管類の内部に付着する異物等を超音波で除去する管類内部の超音波洗浄方法であって、前記管類の外部に超音波伝播ユニットを装着することによって前記管類外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部を画成し、この超音波伝播液貯留空間部内に超音波伝播液を貯留するとともに、前記超音波伝播ユニットの超音波発振部から超音波を発振することにより、前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液を通して管類の内部に超音波を伝播させ、管類の内部を洗浄することを特徴とする管類内部の超音波洗浄方法。
  2. 前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液は、溶存気体が所定値以下に脱気されるとともに所定温度以下に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の管類内部の超音波洗浄方法。
  3. 管類の内部に付着する異物等を超音波で除去する管類内部の超音波洗浄装置であって、前記管類の外部に装着可能な超音波伝播ユニットを備え、この超音波伝播ユニットは、前記管類に装着した状態で前記管類外面の所定領域に密閉された超音波伝播液貯留空間部を画成できるようにされるともに、この超音波伝播液貯留空間部内には、超音波を伝播するための超音波伝播液が貯留可能となり、また、前記超音波伝播ユニットには、前記超音波伝播液に向けて超音波を発振することのできる超音波発振部が設けられることを特徴とする管類内部の超音波洗浄装置。
  4. 前記超音波伝播ユニットには、前記超音波伝播液貯留空間部内の超音波伝播液を循環させる循環回路が接続され、この循環回路には、超音波伝播液の溶存気体を所定値以下に脱気するための脱気手段と、超音波伝播液を所定温度以下に冷却するための冷却手段が設けられることを特徴とする請求項3に記載の管類内部の超音波洗浄装置。
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