JP2019136250A - 家畜の子宮内注入用器具 - Google Patents

家畜の子宮内注入用器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2019136250A
JP2019136250A JP2018021267A JP2018021267A JP2019136250A JP 2019136250 A JP2019136250 A JP 2019136250A JP 2018021267 A JP2018021267 A JP 2018021267A JP 2018021267 A JP2018021267 A JP 2018021267A JP 2019136250 A JP2019136250 A JP 2019136250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
livestock
end portion
intrauterine injection
inner catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018021267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6620279B2 (ja
Inventor
弘靖 御澤
Hiroyasu Ozawa
弘靖 御澤
祐理 古賀
Yuuri Koga
祐理 古賀
梨英 瀧下
Rie Takishita
梨英 瀧下
豊 橋谷田
Yutaka Hashiyada
豊 橋谷田
安信 蓮田
Yasunobu Hasuda
安信 蓮田
紗智子 江川
Sachiko Egawa
紗智子 江川
貴也 森井
Takaya Morii
貴也 森井
左和子 本山
Sawako Motoyama
左和子 本山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nat Livestock Breeding Center
Saga Prefecture
Misawa Medical Industry Co Ltd
National Livestock Breeding Center
Original Assignee
Nat Livestock Breeding Center
Saga Prefecture
Misawa Medical Industry Co Ltd
National Livestock Breeding Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nat Livestock Breeding Center, Saga Prefecture, Misawa Medical Industry Co Ltd, National Livestock Breeding Center filed Critical Nat Livestock Breeding Center
Priority to JP2018021267A priority Critical patent/JP6620279B2/ja
Publication of JP2019136250A publication Critical patent/JP2019136250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6620279B2 publication Critical patent/JP6620279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】家畜、特に豚への負担が小さく容易に使用することができる子宮内注入器具を提供すること。【解決手段】外側カテーテル11と、内側カテーテル12と、を備えた家畜の子宮内注入用器具1において、巻きバネ13が、外側カテーテル11の内側面11Pに接着されており、内側カテーテル12が、巻きバネ13の伸長方向(X軸方向)に移動可能な状態で、巻きバネ13の内側に挿入されている構成により、外側カテーテル11の外径が細くなるから、受精卵等を移植される豚などの家畜への負担を小さくすることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、豚などの家畜に対する受精卵移植(胚移植)や人工授精に用いられる子宮内注入用器具に関する。
従来、優良な遺伝形質を持つ家畜を効率良く生産することを目的として、胚移植や人工授精が行われている。家畜の中でも豚は、子宮角が長く蛇行しているため生殖器の構造が解剖学的に複雑であり、また繁殖生理学上も未解明な部分が多い。このため、従来、豚の胚移植は、子宮頚管を経由する非外科的な手法ではなく、開腹手術を行い雌畜の生殖器内に受精卵を移植する外科的手法が広く用いられている。外科的手法を用いた胚移植では、一般に受精卵が子宮角の深部(先端部)に移植されることから、子宮頚管を経由する非外科的な手法による胚移植においても、同様に子宮の深部に受精卵を注入する方法が用いられている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
US2002/0072650号公報 特開2008−206881号公報
特許文献1および特許文献2に記載された方法はいずれも、豚の子宮角の深部に受精卵を注入するものである。このため、これらの文献に記載された器具は受精卵を子宮角の深部に注入するために、膣口から挿入した外側カテーテルの先端部を子宮頚部と子宮角との間に固定し、そこから子宮角の深部にまで内側カテーテルを突出させる構成を備えている。このように、豚への胚移植は、従来、子宮角の深部にまで受精卵を注入することを目的としていたから、胚移植等を受ける豚の負担が大きく、また器具の使用者にも高い技術が要求されていた。
そこで、本発明は、家畜、特に豚への負担が小さく容易に使用することができる子宮内注入器具を提供することを目的とする。
本発明の家畜の子宮内注入器具は、子宮頚管を経由する非外科的な手法を用いた胚移植や人工授精における家畜への負担を小さくするために、以下の構成を備えている。
〔1〕外側カテーテルと、内側カテーテルと、を備えた家畜の子宮内注入用器具において、巻きバネが、前記外側カテーテルの内側面に接着されており、前記内側カテーテルが、前記巻きバネの伸長方向に移動可能な状態で、前記巻きバネの内側に挿入されていることを特徴とする、家畜の子宮内注入用器具。
〔2〕前記巻きバネが、密着巻きバネである〔1〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔3〕前記巻きバネが、前記外側カテーテルの先端部から突き出た突出部を有しており、前記突出部が、前記外側カテーテルよりも柔らかい筒状の可撓体によって覆われており、前記可撓体が、外側面に形成された螺旋状の凸条部を備えている、〔1〕または〔2〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔4〕前記可撓体の先端部の内径よりも大きい外径を有するキャップが、前記内側カテーテルの先端部に設けられており、前記キャップが前記可撓体の先端部に係止されることによって、前記内側カテーテルの基端部方向への移動が規制される〔3〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔5〕前記キャップが前記可撓体の先端部に係止された状態において、前記外側カテーテルの外に位置する前記内側カテーテルに係止部が設けられており、前記係止部が前記外側カテーテルの基端部に係止されることによって、前記内側カテーテルの先端部方向への移動が規制される、〔4〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔6〕前記係止部が、前記内側カテーテルにおける位置を変更可能に構成されている、〔5〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔7〕前記内側カテーテルが軟質塩化ビニルまたはシリコーンゴムである、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔8〕前記家畜が豚である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の家畜の子宮内注入用器具。
〔9〕子宮内への受精卵移植に用いられる、〔8〕に記載の家畜の子宮内注入用器具。
本発明の家畜の子宮内注入器具は、内側面に巻きバネを接着することにより、外側カテーテルを強くしてその外径を細くすることができる。外側カテーテルの外径を細くする構成により、子宮内に受精卵などを注入する際の家畜への負担を軽減することができる。また、負担の軽減により家畜がおとなしくなることから、子宮内を傷つけにくく、器具を容易に使用することができる。このため、子宮の構造が複雑である豚に対しても、受精卵移植や人工授精を円滑に行うことが可能になる。
本発明の実施形態に係る家畜の子宮内注入器具の全体構成を概略的に示す正面図(a)キャップが可撓体の先端部に係止されて、内側カテーテルの基端部方向への移動が規制された状態、(b)前記係止部が前記外側カテーテルの基端部に係止されて、前記内側カテーテルの先端部方向への移動が規制された状態 図1(a)における一点鎖線で囲った部分AをX軸方向の中心線に沿ってXY平面で切断した断面図 図1(a)における一点鎖線で囲った部分BをX軸方向の中心線に沿ってXY平面で切断した断面図(a)キャップが可撓体の先端部に係止された状態、(b)キャップが可撓体の先端部から突出した状態 図1(a)における一点鎖線で囲った部分Aの他の実施形態を示す、X軸方向の中心線に沿ってXY平面で切断した断面図
本発明を家畜の子宮内注入用器具(以下、適宜「子宮内注入器具」という。)として実施するための形態について、図を参照しつつ、以下に説明する。各図面において同じ部材には同じ番号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る家畜の子宮内注入器具1の全体構成を概略的に示す正面図であり、(a)はキャップ23が可撓体21の先端部21Sに係止されて、内側カテーテル12の基端部12K方向への移動が規制された状態を示しており、(b)は係止部31が外側カテーテル11の基端部11Kに係止されることによって、内側カテーテル12の先端部12S方向への移動が規制された状態を示している。
図2は、図1(a)における一点鎖線で囲った部分Aの構成を示す断面図である。
図3は、図1(a)における一点鎖線で囲った部分Bの構成を示す断面図であり、図3(a)はキャップ23が可撓体21の先端部21Sに係止された状態、図3(b)はキャップ23が可撓体21の先端部21Sから突出した状態を示している。
図1〜3に示すように、子宮内注入器具1は、外側カテーテル11と、内側カテーテル12と、を備えており、外側カテーテル11の内側面11Pには巻きバネ13が接着されている。内側カテーテル12は、巻きバネの伸長方向(X軸方向)に移動可能な状態で、外側カテーテル11内の巻きバネ13の内側に挿入されている。
外側カテーテル11の内側面11Pに接着された巻きバネ13は、外側カテーテル11の先端部11Sから突き出た突出部13Tを有している。突出部13Tは、外側カテーテル11よりも柔らかい筒状の可撓体21によって覆われている。この構成により、巻きバネ13の外側カテーテル11に接着された部分よりも、可撓体21によって覆われた突出部13Tが柔軟に変形する。このように、子宮内注入器具1の先端側がより柔軟に変形する構成とすることにより、子宮内への挿入を円滑化することができる。また、可撓体21は外側面に螺旋状の凸条部22を備えている。この構成により子宮内への挿入を円滑にすることができる。挿入を円滑にする観点から、可撓体21の長さは、25〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
可撓体21は、巻きバネ13の突出部13Tを覆う部分が、突出部13Tの表面に直接接着されている。可撓体21の先端部21S側における突出部13Tに接着されていない部分に、X方向に移動可能な状態でキャップ23を収納している。そして、可撓体21の先端部21Sとは反対側における突出部13Tに接着されていない部分が、外側カテーテル11を介して巻きバネ13を覆っている。
可撓体21は、子宮頚部内面形状に嵌合するように、螺旋状の凸条部22がその外側面に形成されている。外側面に螺旋状の凸条部22が設けられていることにより、子宮頚部内への円滑な挿入とともに、挿入後において子宮頚部と子宮角との間の所定位置に可撓体21を安定的に保持することができる。
可撓体21は、子宮内注入器具1を挿入する際の家畜の負担を軽減すると共に、家畜に挿入された後に所定位置に固定されるものである。このため、外側カテーテル11よりも柔らかく、外側カテーテル11よりも大きな外径を備えている。可撓体21を構成する素材としては、例えば、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。家畜への挿入を円滑にする観点から、可撓体21の外径は、凸条部22が設けられた太い部分において5〜12mmが好ましく、7〜10mmがより好ましい、凸条部22が設けられていない細い部分において3〜10mmが好ましく、5〜8mmがより好ましい。
内側カテーテル12の先端部12Sには、中空のキャップ23が設けられている。キャップ23の先端部23Sは球状に形成されており、挿入の円滑化に寄与している。また、キャップ23の円筒状の部分には孔23Hが設けられている。可撓体21の先端部21Sから内側カテーテル12を突出させた状態で(図3(b)参照)、受精卵や人工授精用の精子等がキャップ23の孔23Hから家畜の子宮内の子宮角の浅部に注入される。
キャップ23のY軸方向の外径D23は、可撓体21の先端部21SのY軸方向の内径D21よりも大きい。このため、キャップ23が可撓体21の先端部21Sに係止されることによって、基端部12K方向へ移動が規制されて、内側カテーテル12が基端部12K方向に移動しなくなる。キャップ23が可撓体21の先端部21Sに係止された状態では、内側カテーテル12が外側カテーテル11および可撓体21の内部に収納される。内側カテーテル12が収納された状態で挿入することにより、家畜への子宮内注入器具1の挿入を円滑に行うことができる。
キャップ23が可撓体21の先端部21Sに係止された状態において、外側カテーテルの外に位置する内側カテーテル12の露出部12Rには係止部31が設けられている。図1(b)に示すように、係止部31が外側カテーテル11の基端部11Kに係止されることにより、先端部12S方向への移動が規制されて、内側カテーテル12は先端部12S方向に移動しなくなる。
内側カテーテル12が外側カテーテル11内を移動可能な距離は、図1(a)に示す状態における外側カテーテル11の基端部11Kから係止部31までの内側カテーテル12の長さLである。内側カテーテル12が外側カテーテル11内を移動することにより、内側カテーテル12の先端部12Sに設けられたキャップ23が可撓体21の先端部21Sから突出する。このため、図1(a)に示す外側カテーテル11の基端部11Kから係止部31までの長さLは、図1(b)に示すキャップ23が可撓体21の先端部21Sから突出する長さLと等しい。
子宮内注入器具1は、受精卵等が注入される家畜および器具使用者の負担を軽減するために、外側カテーテル11の外径を細くすることに加えて、家畜の子宮の浅部に受精卵等を注入する。このため、キャップ23が可撓体21の先端部21Sから突出することができる長さLを短くしている。家畜および器具使用者の負担を軽減する観点から、長さLは30cm以下が好ましく、15cm以下がより好ましく、10cm以下がさらに好ましい。
係止部31は、内側カテーテル12の露出部12Rにおける位置を変更可能に構成されていてもよい。係止部31の位置を変更可能とすれば、例えば、個々の家畜の状況などに応じて、可撓体21の先端部21Sからキャップ23が突出する長さLを調整することができる。
外側カテーテル11の基端部11Kには、グリップ32が設けられている。グリップ32は、子宮内注入器具1の使用者の持ち手として使用され、例えば樹脂により形成される。また、内側カテーテル12の基端部12Kの周囲にはガイド33が設けられている。ガイド33によって、内側カテーテル12内への受精卵や精子等の注入が容易になる。
ガイド33は、内側カテーテル12の基端部12Kと連通しており、開口が着脱可能な蓋34によって開閉可能な構成とされている。なお、図1(a)および図1(b)には、ガイド33から蓋34が外れた状態を示している。グリップ32は、外側カテーテル11に固定されており、ガイド33は内側カテーテル12に固定されており内側カテーテル12と連動する。このため、グリップ32とガイド33との距離を変化させることにより、外側カテーテル11内における内側カテーテル12の位置を変化させて、外側カテーテル11の先端部11Sに設けられた可撓体21から内側カテーテル12を出し入れすることができる。
図1(a)に示す、可撓体21の先端部21Sにキャップ23が接触して係止された状態から、同図に白抜き矢印で示す方向に内側カテーテル12を外側カテーテル11内に押し込む操作により、内側カテーテル12が外側カテーテル11の先端部11S側に向かって進み、内側カテーテル12の先端部12Sが可撓体21の先端部21Sから突出する。
子宮内注入器具1は、グリップ32とガイド33を用いて、外側カテーテル11内の内側カテーテル12を前後に移動させることによって、可撓体21から突出するキャップ23の位置を制御する。このため、内側カテーテル12は、露出部12Rに加えられた操作をキャップ23に伝えることができる程度の硬さを備えたものとすればよい。
従来の器具は、子宮角の深部にまで到達させるために、内側カテーテル12の弾性を高くしている。対して、本件は、外側カテーテル11の外径を小さくするために、外側カテーテル11の内側面11Pに巻きバネ13を接着している。この構成により、外径を細くするとともに十分な弾性および柔軟性を外側カテーテル11に付与することができる。したがって、家畜の生殖器に子宮内注入器具1を挿入する際における家畜の負担を軽減することが可能になる。また、家畜の負担を軽減することにより、技量の低い作業者でも容易に器具を使用することができる。
外側カテーテル11は樹脂により構成されている。当該樹脂としては、天然ゴム、合成ゴム、塩化ビニル樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)の合成樹脂が挙げられる。
外側カテーテル11は、例えば、外径4〜7mm程度、肉厚0.2〜0.5mm程度、内径3.5〜6.8mm程度、長さ600〜1000mm程度の形状のものを用いることができる。外側カテーテル11の内側面11Pに接着されている巻きバネ13より、外側カテーテル11および巻きバネ13の動きが相互に制限されるから、外側カテーテル11に弾性を持たせつつ、十分な強度を持たせることができる。したがって、外側カテーテル11の外径を細くすることができる。
内側カテーテル12を構成する樹脂としては、天然ゴム、合成ゴム、塩化ビニル樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)の合成樹脂が挙げられる。内側カテーテル12は、子宮角の浅部に受精卵等を注入するものである。このため、可撓体21の先端部21Sから遠くにまでキャップ23を到達させる必要がない。したがって、軟質塩化ビニルまたはシリコーンゴムなどの柔らかい素材を用いて内側カテーテル12を構成することができ、また、外径を細くすることができる。このように、内側カテーテル12を柔らかい素材で構成して外径を細くすることにより、家畜への負担を軽減できる。
先端部12Sに接続されたキャップ23を子宮の浅部に突き出すために、外側カテーテル11の巻きバネ13内を内側カテーテル12が移動する。この移動を円滑にする観点から、内側カテーテル12と巻きバネ13とは、摩擦抵抗が低い素材の組み合わせを用いて構成すればよい。なお、外側カテーテル11は内側カテーテル12と直接接触しないから、内側カテーテル12との摩擦抵抗が小さく、すべりが良い素材を用いる必要はない。
内側カテーテル12は、例えば、外径1.5〜2.3mm程度、肉厚0.2〜0.5mm程度、内径0.8〜1.6mm程度、長さ760〜1160mm程度の形状のものを用いることができる。
巻きバネ13は、内側カテーテル12ではなく、外側カテーテル11に弾性を付与することを目的としている。このため、図2の一点鎖線で示した部分の拡大図に示すように、内側カテーテル12の外側面ではなく、外側カテーテル11の内側面11Pに接着されている。
巻きバネ13は、内径が内側カテーテル12の外径以上で、外径が外側カテーテル11の内径と同程度のものを用いる。巻きバネ13を構成するワイヤ等の線状体は、外側カテーテル11を強くして、その外径をできるだけ小さく構成するために、断面矩形のものが好ましい。
外側カテーテル11、内側カテーテル12および巻きバネ13の形状の好ましい組み合わせとしては、例えば、外側カテーテル11の外径5.5mm、内径3.6mm、肉厚0.9mm、内側カテーテル12の外径1.9mm、内径1.2mm、肉厚0.35mm、巻きバネ13の外径3.4mm、内径2.4mm、肉厚0.5mmのものがあげられる。巻きバネ13の内径と、内側カテーテル12の外径との差は、0.01〜0.1mm程度が好ましい。
巻きバネ13を構成する素材としては、金属やプラスチック(樹脂)などが挙げられるが、外側カテーテル11の強度を向上させて外径を細くするために、ステンレスなどの金属が好ましい。また、表面に防錆処理が施された金属を用いてもよい。
図4は、図1におけるAの部分の他の実施形態を示す、X軸方向の中心線に沿ってXY平面で切断した断面図である。同図に示すように、巻きバネ13の代わりに、コイルを構成する隣接する線状体(ワイヤ)の間にすき間が空いた、コイルの伸長方向に圧縮可能に構成された巻きバネ14を用いてもよい。
ただし、外側カテーテル11の弾性を高くする観点から、コイルを構成する隣接する線状体が接触しており、その伸長方向に圧縮することができない構成の巻きバネ13(密着巻きバネ、引っ張り巻きバネ)が好ましい(図2参照)。
以上説明したように、本発明の子宮内注入器具1は、外側カテーテル11の外径が小さく、かつ、家畜の子宮内に固定された可撓体21から繰り出す内側カテーテル12の長さが短い。このため、子宮内注入器具1を用いることにより、家畜への負担を減らすとともに、器具の使用者も従来よりも容易に受精卵移植や人工授精を行うことができる。子宮内注入器具1は、子宮形状が複雑な豚用に特に適している。
<豚の受精卵移植方法>
本発明は、豚の子宮の浅部に受精卵を供給する、豚の受精卵移植方法として実施することができる。上述した子宮内注入器具1を豚の子宮内に配置し、具体的には、可撓体21を豚の子宮頚部と子宮角との間に固定した状態で、内側カテーテル12を先端部12S方向に移動させて、内側カテーテル12から豚の子宮の浅部に受精卵を供給する。
従来の常識であった豚の子宮角の「深部」ではなく、「浅部」に受精卵を供給することにより、豚への負担を軽減するとともに、使用者も容易に受精卵移植を実施することができる。本発明において、子宮の「浅部」とは、豚の子宮頚部からの距離が、子宮角の最も遠い部分までの距離の1/4以下である部分をいう。
外側カテーテル11の外径5.5mm、内側カテーテル12の移動可能長さL5.5cmである子宮内注入器具1を用いて豚に受精卵を移植したところ、5つの被検体のうち4つが成功し、成功率が80%であった。
1 :子宮内注入器具
11 :外側カテーテル
11K :基端部
11P :内側面
11S :先端部
12 :内側カテーテル
12K :基端部
12R :露出部
12S :先端部
13 :巻きバネ
13T :突出部
14 :巻きバネ
21 :可撓体
21S :先端部
22 :凸条部
23 :キャップ
23H :孔
23S :先端部
31 :係止部
32 :グリップ
33 :ガイド
34 :蓋
A、B :部分
D21 :内径
D23 :外径
L :長さ

Claims (9)

  1. 外側カテーテルと、内側カテーテルとを備えた家畜の子宮内注入用器具において、
    巻きバネが、前記外側カテーテルの内側面に接着されており、
    前記内側カテーテルが、前記巻きバネの伸長方向に移動可能な状態で、前記巻きバネの内側に挿入されていることを特徴とする、
    家畜の子宮内注入用器具。
  2. 前記巻きバネが、密着巻きバネである、
    請求項1に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  3. 前記巻きバネが、前記外側カテーテルの先端部から突き出た突出部を有しており、
    前記突出部が、前記外側カテーテルよりも柔らかい筒状の可撓体によって覆われており、
    前記可撓体が、外側面に形成された螺旋状の凸条部を備えている、
    請求項1または2に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  4. 前記可撓体の先端部の内径よりも大きい外径を有するキャップが、前記内側カテーテルの先端部に設けられており、
    前記キャップが前記可撓体の先端部に係止されることによって、前記内側カテーテルの基端部方向への移動が規制される、
    請求項3に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  5. 前記キャップが前記可撓体の先端部に係止された状態において、前記外側カテーテルの外に位置する前記内側カテーテルに係止部が設けられており、
    前記係止部が前記外側カテーテルの基端部に係止されることによって、前記内側カテーテルの先端部方向への移動が規制される、
    請求項4に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  6. 前記係止部が、前記内側カテーテルにおける位置を変更可能に構成されている、
    請求項5に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  7. 前記内側カテーテルが軟質塩化ビニルまたはシリコーンゴムである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  8. 前記家畜が豚である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の家畜の子宮内注入用器具。
  9. 子宮内への受精卵移植に用いられる、
    請求項8に記載の家畜の子宮内注入用器具。
JP2018021267A 2018-02-08 2018-02-08 家畜の子宮内注入用器具 Active JP6620279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018021267A JP6620279B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 家畜の子宮内注入用器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018021267A JP6620279B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 家畜の子宮内注入用器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019136250A true JP2019136250A (ja) 2019-08-22
JP6620279B2 JP6620279B2 (ja) 2019-12-18

Family

ID=67692620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018021267A Active JP6620279B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 家畜の子宮内注入用器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6620279B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115153784A (zh) * 2022-07-19 2022-10-11 太平洋康泰科学仪器(济南)有限公司 胚胎移植管、移植组件及使用方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115153784A (zh) * 2022-07-19 2022-10-11 太平洋康泰科学仪器(济南)有限公司 胚胎移植管、移植组件及使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6620279B2 (ja) 2019-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3361778B2 (ja) 家畜の人工授精用精子または受精卵移植用卵子の注入器及びその操作方法
CN107072763B (zh) 包括特别用于定位宫颈的观察系统的用于动物阴道深入的器具
JP6620279B2 (ja) 家畜の子宮内注入用器具
CA2742409C (en) Device and method for inserting or obtaining a fluid in the oviduct of a sow
JP2012125410A (ja) 卵採取及び胚移植用器具
JP2008206881A (ja) 家畜の子宮深部注入用器具
JPS58206741A (ja) 外科用具
CN115944430B (zh) 一种牛用胚胎移植装置及牛胚胎移植方法
JP3162023U (ja) カテーテル挿入補助器具
JPH0670657A (ja) 生物へのトランスポンダ挿入方法
US20020038113A1 (en) Apparatus and method for artificial insemination and embryo transfer of animals
JP4769913B2 (ja) 家畜用胚の移植用深部注入器
WO2021122953A1 (en) System for investigation of a small animal
US11229455B2 (en) Instrument for fixedly transplanting living body embryo into uterus
US10595956B2 (en) Marker loading assembly
JPH06154254A (ja) 胚の移植方法及び移植器具
JP4233298B2 (ja) 胚移植用器具
EP3318219B1 (en) Device for inseminating animals
CA2213252C (en) Trans-cervical infusion pipette, and method
JP6758612B2 (ja) 胚移植用具および胚移植用器具
CN220424018U (zh) 一种小鼠子宫药棒置入装置
JPH0511917U (ja) 家畜用受精卵深部移植器
KR101757161B1 (ko) 가축의 인공수정 및 수정란 이식장치
JP2859364B2 (ja) 受精卵移植装置
US9615903B2 (en) Non-surgical embryo transfer method and apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6620279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250