JP4233298B2 - 胚移植用器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胚移植用器具に関する。具体的には、生体外にて受精された胚(受精卵)を生体、具体的には、動物の子宮内に移植する場合に使用する器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
胚を移植する場合には、一般的に、卵子および精子を採取し、培養容器に卵子を入れ、これに精子懸濁液を添加する、いわゆる媒精を行い、受精させた受精卵またはこの受精卵の2分割、4分割、8分割した胚を動物、例えば、人間の子宮内に移植する。
そして、比較的硬いシースを膣口より挿入し子宮頸管を通過させる。次いで、このシース内に胚を直接もしくは胚を吸引したチューブを挿入し、さらに、チューブを押し込み、先端部を子宮口内に到達させた後、シリンジを押し胚を子宮内に移植する。そして、チューブおよび外套管を抜去し、移植を終了する。
【0003】
【特許文献】
上記のような胚移植用に使用可能な器具として、例えば、特開平4−224766号公報に示すものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のものでは、膣口より挿入し子宮頸管を通過させる際に膣もしくは子宮頸管に損傷を与えるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、操作性が良好であるとともに、挿入時に膣もしくは子宮頸管に損傷を与えることが極めて少ない胚移植用器具を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
胚移植用器具であって、該移植用器具は、先端外面に先端開口を閉塞しないように設けられた球状膨出部を備える可撓性チューブと、該可撓性チューブ内に設けられ、先端が前記可撓性チューブの先端面とほぼ等しいもしくは若干後端側に位置する塑性変形容易な金属製棒状部材と、前記可撓性チューブおよび該金属製棒状部材の後端部に固定されたハブと、先端から後端まで貫通した通路と、前記可撓性チューブの外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材とを備え、
前記生体内挿入深度調整部材は、前記可撓性チューブの外径と等しいかもしくは若干小さく形成されたリング状部材であり、かつ、弾性材料により形成されるとともに先端側が先端に向かって縮径するものであり、さらに、前記チューブの先端側に押すもしくは後端側に引くことにより、前記チューブ上を摺動するものであり、そして、前記移植用器具は、前記塑性変形容易な金属製棒状部材により、前記移植用器具を適宜形状に変形させることができるものとなっている胚移植用器具。
【0007】
(2) 前記可撓性チューブは、メインルーメンとサブルーメンを備え、前記金属製棒状部材は、前記サブルーメン内に挿入されている上記(1)に記載の胚移植用器具。
(3) 前記金属製棒状部材は、前記可撓性チューブの内壁内に配置されている上記(1)に記載の胚移植用器具。
(4) 前記可撓性チューブは、ルーメンを備え、前記金属製棒状部材は、該ルーメン内に挿入されている上記(1)に記載の胚移植用器具。
(5) 前記金属製棒状部材は、中実状もしくは中空状のものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の胚移植用器具。
(6) 前記胚移植用器具は、前記膨出部またはその後方に設けられた超音波造影マーカー機能を備えている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の胚移植用器具。
(7) 前記生体内挿入深度調整部材の後端側は、エッジのある端面となっている(1)ないし(6)のいずれかに記載の胚移植用器具。
(8) 前記移植用器具は、前記可撓性チューブ内に挿入可能であり、かつ、該可撓性チューブの先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部を備える移植用チューブ体を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の胚移植用器具。
(9) 前記移植用チューブ体は、柔軟性チューブ体と、該柔軟性チューブ体内に挿入されかつ先端が該柔軟性チューブ体の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体とを備えるものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の胚移植用器具。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の胚移植用器具を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の胚移植用器具の一実施例の正面図である。図2は、図1に示した移植用器具に用いられているシースの正面図である。図3は、図1に示した移植用器具に用いられているスタイレットの正面図である。図4は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを挿入した状態のシースの先端部拡大断面図である。図5は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを挿入した状態のシースの基端部分およびスタイレットの基端部分の拡大断面図である。図6は、図1に示した移植用器具に用いられている移植用チューブの基端部の拡大断面図である。図7は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを抜去し、移植用チューブ体を挿入した状態のシースの正面図である。図8は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを抜去し、移植用チューブ体を挿入した状態のシースの基端部および移植用チューブ体の基端部の拡大断面図である。
【0009】
本発明の胚移植用器具1は、先端から後端まで貫通した通路と先端外面に設けられた球状膨出部22とを備える可撓性シース2と、可撓性シース内に抜去可能に挿入され、かつ先端が前記シースの先端面とほぼ等しいもしくは若干突出する可撓性スタイレット3と、可撓性スタイレット3を抜去した状態の可撓性シース2内に挿入可能であり、かつ、可撓性シース2の先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部41aを備える移植用チューブ体4とを備えている。
この実施例の卵子若しくは胚移植用器具1は、可撓性シース2と、可撓性スタイレット3と、可撓性スタイレット3を抜去した状態の可撓性シース2内に挿入可能な移植用チューブ体4とからなる。
【0010】
可撓性シース2は、図1、図2、図4および図5に示すように、先端から後端まで貫通した通路27を有する可撓性シース本体21と、シース本体21の先端にシース本体21の先端開口を閉塞しないように固定された球状膨出部22と、シース本体21の後端に固定されたシースハブ23を備えている。
可撓性シース本体21は、長さ50〜300mm、好ましくは、100〜250mmである。また、外径は、1〜5mm、好ましくは、1.5〜3.5mmである。また、内径は、0.8〜4.8mm、好ましくは、1.3〜3.3mmである。可撓性シース本体の形成材料としては、ある程度の保形性を備えるものが好ましい。シース本体21の形成材料としては、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、ポリアミド(例えば、6ナイロン、66ナイロン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などが使用できる。また、シース本体21は、先端部分が湾曲部21aとなっている。湾曲部21aは、シース本体の先端から20〜100mmの部分を湾曲させることにより形成することが好ましい。さらに、シース2の外面には、図1に示すように、挿入深度確認用マーカ26を付すことが好ましい。
【0011】
また、球状膨出部22は、図4に示すように、貫通する通路を備える中空ビーズ状部材であり、シース本体21の先端に固定されている。膨出部のシース本体への固定は、接着剤、熱融着などにより行われる。膨出部の外径は、シース本体21の先端部の外径より0.7〜3mm大きいことが好ましい。好ましくは、1〜2mm大きいことである。球状膨出部は、図4に示すように先端側は先端に向かって縮径する半球状に形成されている。また、球状膨出部の後端側も後端に向かって縮径する半球状となるように形成されている。なお、このような球状膨出部を設けることにより、生体内への挿入および抜去時に生体内壁に損傷を与えることを防止できる。このような球状膨出部を設けることにより、生体内挿入時に膨出部が生体内壁に当接したときい、先端部の良好な逃げを生じさせるので、生体内の目的部位への先端部の挿入が容易となる。
【0012】
さらに、この実施例の移植用器具1では、膨出部は、内部通路の基端側がシース本体21の先端部を収納可能な拡径部となっているとともに、内部通路の先端側はシース本体21の外径より小さい内径を有する小径部となっている。このため、シース2の先端は、膨出部22により形成されており、シース本体21の先端面が露出しない形態となっている。このため、シース本体21の先端面の外周縁に起因する生体内壁への損傷付与を防止する。
また、球状膨出部22の形成材料としては、硬質樹脂が好適である。さらに、外面の摺動抵抗が少ないものがより好ましい。膨出部の形成材料としては、上述したシース本体21の形成材料が好適に使用できる。
【0013】
さらに、可撓性シース2は、膨出部22もしくはその後方に設けられた超音波造影マーカー機能25を備えていることが好ましい。マーカー25としては、超音波造影性材料により形成されたリング状部材もしくはコイル状部材が好ましい。このようなマーカーを設けることにより、シース2の先端部の位置確認、さらには、膨出部の位置確認が容易となる。図4に示す実施例のものでは、マーカー25は、膨出部22の後方のシース外面に設けられている。また、これに限らず、図9に示す実施例のように、膨出部22とシース本体21間に、マーカー25を設けてもよい。さらに、膨出部22自体に超音波造影性を付与したものとしてもよい。
【0014】
さらに、可撓性シース2は、シース本体21の外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材24を備えていることが好ましい。あらかじめ、所望の挿入長さとなる位置にこの調整部材24を配置することにより、シース2の生体内挿入作業が容易なものとなる。この実施例の調整部材24は、図1、図2および図5に示すように、先端側が先端に向かって縮径する半球状となるように形成されている。このため、この調整部材の当接による痛みを対象者に与えることを防止する。調整部材24は、図5に示すように、シース本体21の外径と等しいかもしくは若干小さく形成されたリング状部材である。この調整部材24は、ある程度の力を持って、シース2の先端側に押すもしくは後端側に引くことにより、シース本体21上を摺動する。そして、この実施例の調整部材のように、調整部材24の後端側をエッジのある端面とすることにより、上記の移動作業が容易なものとなる。調整部材24は、弾性材料により形成することが好ましい。形成材料としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、軟質塩化ビニール、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリウレタン、特に、熱可塑性ポリウレタン(熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタン、特に、好ましくは、ソフトセグメント部分とハードセグメント部分を有するセグメント化熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、より具体的には、ソフトセグメントの主成分としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが好ましく、ハードセグメントの主成分としては、1,4−ブタンジオールなどが好ましい。)等が使用できる。
【0015】
シースハブ23は、シース本体21の後端に接着材28により固定されている。シースハブ23は、シース本体21内の通路27と連通する通路を備える中空状ハブである、そして、図1に示すように、側面には把持用凹部とこの凹部表面に形成された滑り止め用のリブを備えている。さらに、後端部には、後述するスタイレット装着部およびスタイレットハブ突起収納用凹部を備えている。シースハブの形成材料としては、硬質樹脂が使用される。
スタイレット3は、スタイレット本体31とその後端に固定されたスタイレットハブ32からなる。スタイレット3を備えることにより、シース挿入時にシース内に生体分泌物などが侵入することを防止できる。そして、この実施例の移植用器具1では、スタイレット本体を31をシース本体21内に挿入し、スタイレットハブ32をシースハブ23に係合させた状態にて、スタイレット本体31の先端が若干シース2の先端より突出するように形成されている。スタイレット本体31のシース2からの突出長さとしては、5mm以下であることが好ましい。特に、2mm以下が好ましい。なお、スタイレット本体31の先端は、シース2の先端面とほぼ同じ位置となるものでもよい。
【0016】
スタイレット31の先端31aは、図4に示すように先端に向かって縮径する半球状に形成されている。このため、生体内への挿入および抜去時に生体内壁に損傷を与えることを防止できる。また、この実施例では、スタイレット本体31は、チューブ状部材により形成されている。なお、スタイレット本体は、中実状部材により形成してもよい。スタイレット本体の形成材料としては、上述したシース本体21において説明したもの、さらには、上述した調整部材24において説明したものが使用できる。スタイレット本体31は、シース本体21の内径より0.1〜0.5mm小さいことが好ましい。好ましくは、0.1〜0.2mm小さいことである。
スタイレットハブ32は、スタイレット本体31の後端に接着材33により固定されている。スタイレットハブ32は、スタイレット本体31の後端部を収納するとともに固定部となる通路を備えるとともに、シースハブ23の後端部23a内に侵入可能な内筒部32bとこの内筒部32を被包する外筒部32aを備えている。そして、外筒部32aには、先端側に突出するハブ係合用突起32cを備えている。このハブ係合用突起32cは、シースハブ23のスタイレットハブ突起収納用凹部と係合する。両者が係合することにより、シースに対するスタイレットの回転を規制する。
スタイレット抜去後のシース2内に挿入される移植用チューブ体4は、図1および図7に示すように、シース2の先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部を備えるものである。この実施例のチューブ体4は、柔軟性チューブ体41と、柔軟性チューブ体内に挿入されかつ先端が柔軟性チューブ体41の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体42と、可撓性チューブ体の後端に固定されたチューブハブ43とを備えている。
【0017】
移植用チューブ体4は、胚を移送するためのチューブであり、先端から後端まで貫通した通路46を備えている。この通路46は、剛性付与チューブ体42が存在する部分では、このチューブ体42内により形成され、このチューブ体42が存在しない移植用チューブ体4の先端部分では、柔軟性チューブ体41内により形成されている。
移植用チューブ体4の長さは、70〜800mm程度、特に、200〜600mm程度が好適であり、移植用チューブ体4の外径は、0.5〜3mm程度、特に、1〜2mm程度が好適である。また、柔軟性チューブ体41の内径は、0.3〜0.7mm程度、特に、0.4〜0.6mm程度が好適である。
【0018】
柔軟性チューブ体41の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、軟質塩化ビニール、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリウレタン、特に、熱可塑性ポリウレタン(熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタン、特に、好ましくは、ソフトセグメント部分とハードセグメント部分を有するセグメント化熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、より具体的には、ソフトセグメントの主成分としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが好ましく、ハードセグメントの主成分としては、1,4−ブタンジオールなどが好ましい。)等が使用できる。好ましくは、シリコーンゴムなどのゴム、もしくはエラストマーである。特に、好ましくは、シリコーンゴムである。シリコーンゴムとしては、200%モジュラス30〜90kg/cm2程度、好ましくは、40〜60kg/cm2のものが用いられる。
【0019】
剛性付与チューブ体42は、柔軟性チューブ体41の先端より5〜150mm基端側の位置に先端が位置するように設けることが好ましい。特に上記の長さは、10〜100mmが好ましい。このため、移植用チューブ体4は、先端部が柔軟性チューブ体41のみにより形成されているので、挿入時に生体内壁に損傷を与えることが少なく好ましい。また、剛性付与チューブ体42を備えているので、チューブ体4の基端側にて与えた押し込み力の伝達性が良好であるため、移植用チューブ4の目的部位への挿入作業が容易である。なお、剛性付与チューブ体42は、移植用チューブ体4を可撓性シース2内に挿入した時に、シース2の先端部より剛性付与チューブ体の先端部分が突出可能な長さを備えていることが好ましい。また、剛性付与チューブ42は外径は、柔軟性チューブ体41の内径とほぼ等しいか0.1〜0.5mm程度小さいことが好ましい。
【0020】
剛性付与チューブ体42の形成材料としては、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、ポリアミド(例えば、6ナイロン,66ナイロン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などが使用できる。
そして、移植用チューブ体4は、チューブハブ43を備えている。チューブハブ43は、ハブ本体45とキンク防止用部材44を備えている。柔軟性チューブ体41は後端内に挿入されたカシメ部材47によりハブ本体45に固定されている。剛性付与チューブ体42は後端がカシメ部材47内に挿入されている。剛性付与チューブ体42は、カシメ部材を含むチューブハブ内においてハブと固定されるか柔軟性チューブ内において接着剤などにより柔軟性チューブに固定されている。そして、チューブハブ43は、後端にシリンジなどの注入器具が装着可能なものとなっている。具体的には、ハブ本体45の内面は、シリンジの先端部を液密に装着可能なルアーテーパー部となっている。
【0021】
次に、本発明の他の実施例の胚移植用器具50について説明する。
図10は、本発明の胚移植用器具の他の実施例の正面図である。図11は、図10に示した移植用器具の部分省略拡大断面図である。図12は、図10に示した胚移植用器具の先端部の拡大断面図である。図13は、図10に示した胚移植用器具の基端部の拡大断面図である。図14は、図12のA−A線端面図である。図15は、他の実施例の移植用器具の先端部の拡大断面図である。図16は、図15のB−B線端面図である。図17は、他の実施例の移植用器具の先端部の拡大断面図である。図18は、図17のC−C線端面図である。図19は、他の実施例の移植用器具の拡大断面図である。図20は、図10に示した移植用器具に移植用チューブ体を挿入した状態の正面図である。
この実施例の胚移植用器具50は、先端外面に設けられた球状膨出部53を備える可撓性チューブ51と、可撓性チューブ51内に設けられ、先端が可撓性チューブ51の先端面とほぼ等しいもしくは若干後端側に位置する塑性変形容易な金属製棒状部材52と、可撓性チューブ51および金属製棒状部材52の後端部に固定されたハブ54と、先端から後端まで貫通した通路とを備えるものである。
【0022】
移植用器具50は、図10および図11に示すように、先端から後端まで貫通した通路55を有する可撓性チューブ51と、チューブ51の先端にチューブ51の先端開口を閉塞しないように固定された球状膨出部53と、チューブ51の後端に固定されたハブ54と、チューブ51内に配置された金属製棒状部材52を備えている。
可撓性チューブ51は、長さ50〜300mm、好ましくは、75〜250mmである。また、外径は、1〜5mm、好ましくは、1.3〜2.0mmである。また、この実施例の可撓性チューブは、メインルーメン55とサブルーメン56を備えている。メインルーメンの径は、0.4〜3.5mmが好ましく、特に好ましくは、0.5〜3.0mmである。また、サブルーメン56の径は、0.2〜1.0mmが好ましく、特に好ましくは、0.2〜0.8mmである。また、ルーメン55,56としては、断面が真円形のものに限定されるものではない。例えば、図14に示すルーメン55のように変形した円状となっているもの、さらには、多角形状のものであってもよい。メインルーメン55は、胚移植用のルーメンとして用いられる。
【0023】
可撓性チューブの形成材料としては、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、ポリアミド(例えば、6ナイロン,66ナイロン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)、さらには、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、軟質塩化ビニール、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリウレタン、特に、熱可塑性ポリウレタン(熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタン、特に、好ましくは、ソフトセグメント部分とハードセグメント部分を有するセグメント化熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、より具体的には、ソフトセグメントの主成分としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが好ましく、ハードセグメントの主成分としては、1,4−ブタンジオールなどが好ましい。)等が使用できる。
【0024】
さらに、チューブ51の外面には、挿入深度確認用マーカ(図示せず)を付してもよい。
また、球状膨出部53は、図11および図12に示すように、貫通する通路を備える中空ビーズ状部材であり、チューブ51の先端に固定されている。膨出部のチューブへの固定は、接着剤、熱融着などにより行われる。膨出部の外径は、チューブ51の先端部の外径より0.7〜3mm大きいことが好ましい。好ましくは、1〜2mm大きいことである。
球状膨出部は、図11および図12に示すように先端側は先端に向かって縮径する半球状に形成されている。また、球状膨出部の後端側も後端に向かって縮径する半球状となるように形成されている。なお、このような球状膨出部を設けることにより、生体内への挿入および抜去時に生体内壁に損傷を与えることを防止できる。このような球状膨出部を設けることにより、生体内挿入時に膨出部が生体内壁に当接したとき先端部に良好な逃げを生じさせるため、生体内の目的部位への先端部の挿入が容易となる。
【0025】
さらに、この実施例の移植用器具50においても、膨出部53は、内部通路の基端側がチューブ51の先端部を収納可能な拡径部となっているとともに、内部通路の先端側はチューブ51の外径より小さい内径を有する小径部となっている。このため、移植用器具50の先端は、膨出部53により形成されており、チューブ51の先端面が露出しない形態となっている。このため、チューブ51の先端面の外周縁に起因する生体内壁への損傷付与を防止する。
また、球状膨出部53の形成材料としては、硬質樹脂が好適である。さらに、外面の摺動抵抗が少ないものがより好ましい。膨出部の形成材料としては、上述した膨出部において説明したものは好適に使用できる。
【0026】
さらに、移植用器具50は、図15に示す実施例のように、膨出部53またはその後方に超音波造影マーカ−25を備えていてもよい。マーカー25としては、超音波造影性材料により形成されたリング状部材もしくはコイル状部材が好ましい。このようなマーカーを設けることにより、シース2の先端部の位置確認、さらには、膨出部の位置確認が容易となる。図15に示す実施例では、膨出部53とチューブ51間に、マーカー25が設けられている。また、マーカー25は、図4に示した実施例のように膨出部22の後方のチューブ外面に設けてもよい。さらに、膨出部53自体に超音波造影性を付与したものとしてもよい。
【0027】
さらに、移植用器具50は、図21に示す実施例のように、チューブ51の外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材24を備えていてもよい。調整部材24は、図1、図2および図5に示した実施例のように、先端側が先端に向かって縮径する半球状となるように形成されていることが好ましい。調整部材24としては、上述した調整部材24と同じものが好適に使用できる。
可撓性チューブ51内には、塑性変形容易な金属製棒状部材52が配置され、固定されている。この実施例のチューブ51では、サブルーメン56内に金属製棒状部材52が挿入され、固定されている。このような金属製棒状部材52を設けることにより、移植用器具を適宜形状に変形させることができるとともにその状態を保持することができる。金属製棒状部材52の先端は、少なくとも、可能性チューブ51の先端より突出しないことが必要である。好ましくは、図11および図12に示すように、金属製棒状部材52の先端は、膨出部の後端付近に位置することが好ましい。金属製棒状部材52の先端位置は、柔軟性チューブ51の先端より1〜10mm基端側となっていることが好ましい。特に上記の長さは、2〜5mmが好ましい。
金属製棒状部材としては、図11および図12に示す実施例の移植用器具50では、中実状の金属製棒状部材、言い換えれば、金属線52が用いられている。金属線61の外径は、柔軟性チューブ体51のサブルーメン56の径とほぼ等しいか0.01〜0.1mm程度小さいことが好ましい。
【0028】
また、金属製棒状部材52の配置形態は、上述したものに限定されるものではない。例えば、図15および図16に示す実施例のように、サブルーメンを形成することなく、金属製棒状部材52はチューブ51の内壁中に配置してもよい。このような形態は、例えば、チューブを形成する押出工程において、樹脂の吐出と同時に金属製棒状部材をともに押し出すことにより作製することができる。
また、例えば、図17および図18に示す実施例のように、サブルーメンを形成することなく、金属製棒状部材52は、チューブ51のルーメン55に配置してもよい。
【0029】
さらに、図19に示す実施例のように、金属製棒状部材としては、先端から後端まで貫通した通路を備える金属製パイプ61を用いてもよい。この場合、図19に示すように、このパイプ61内の通路により、移植用器具の先端から後端まで貫通した通路が形成されるものとしてもよい。さらに、チューブ51内にも通路55が形成されているものとしてもよい。また、金属製パイプ61の外径は、柔軟性チューブ体51の内径とほぼ等しいか0.05〜0.1mm程度小さいことが好ましい。
また、上述した金属製棒状部材52,61の形成材料としては、塑性変形可能な金属材料であればどのようなものでもよく、例えば、焼き鈍ししたステンレス鋼が好適である。
ハブ54は、チューブ51の後端に接着剤57により固定されている。
そして、ハブ54は、後端にシリンジなどの注入器具が装着可能なものとなっている。具体的には、ハブ54の内面は、シリンジの先端部を液密に装着可能なルアーテーパ部となっている。
【0030】
さらに、上記の移植用器具は、図20に示すように、移植用器具50内に挿入可能であり、かつ、移植用器具の先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部41aを備える移植用チューブ体4を備えるものであってもよい。移植用チューブ体4としては、上述したものが好適に使用できる。なお、上述した実施例と同様に、移植用チューブ体4は、柔軟性チューブ体41と、柔軟性チューブ体41内に挿入されかつ先端が柔軟性チューブ体41の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体42と、可撓性チューブ体の後端に固定されたチューブハブ43とを備えるものが好ましい。さらに、剛性付与チューブ体42は、柔軟性チューブ体41の先端より5〜150mm基端側に位置に先端が位置するように設けることが好ましい。特に上記の長さは、10〜100mmが好ましい。さらに、剛性付与チューブ体42は、移植用チューブ体4を移植用器具50内に挿入した時に、移植用器具の先端部より剛性付与チューブ体の先端部分が突出可能な長さを備えていることが好ましい。
【0031】
本発明の胚移植用器具1の作用について説明する。
採卵針を用いて経膣的もしくは腹腔鏡下にて卵子を採取し、採取した卵子を培養液が添加されている培養容器に入れ培養する。採取した精子は、例えば、遠心分離器で沈殿濃縮したもの再懸濁して培養液に添加したものを準備し、これを、4〜6時間培養した卵子培養液に添加し、媒精を行う。そして、雌雄前核を観察し、受精確認を行う。雌雄前核(前核を2個)を認めれば正常な受精胚(受精卵)と判断され、さらに培養を継続する。また、前核が3個以上認められた場合は、多精子受精である可能性が高いので排除し、また変性卵も排除する。受精胚の移植も可能であるが、通常は、受精胚を培養し、2分割、4分割、8分割した胚を受精する。一般的には、媒精後、44時間前後に4分割した、4細胞期胚を移植に用いる。
【0032】
本発明の移植用チューブ体4のハブ43に受精卵の培養に用いたものと同じ培養液を充填したシリンジ(図示せず)を取り付け、チューブ体4のルーメンに培養液を充填する。そして、チューブ体4の先端を培養容器内に入れ、胚付近の培養容器の底面に器具の先端を当接させた後、シリンジにて吸引し、チューブ体4のルーメン内に胚を吸引する。チューブ体4の先端面に開口があるため、胚の吸引作業が容易である。
そして、スタイレット3を装着した状態のシース2を膣口より挿入し子宮頸管を通過させる。次いで、このシース2内に胚を吸引した移植用チューブ体4を挿入し、さらに、チューブ体4を押し込み、先端部を子宮口内に到達させた後、シリンジを押し胚を子宮内に移植する。そして、チューブ体4およびシースを抜去し、移植を終了する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の胚移植用器具は、先端から後端まで貫通した通路と先端外面に設けられた球状膨出部を備える可撓性シースと、該可撓性シース内に抜去可能に挿入され、かつ先端が前記シースの先端面とほぼ等しいもしくは若干突出する可撓性スタイレットと、前記可撓性スタイレットを抜去した状態の前記可撓性シース内に挿入可能であり、かつ、該可撓性シースの先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部を備える移植用チューブ体とを備えている。
【0034】
特に、可撓性シースが先端外面に設けられた球状膨出部を備えるため、生体内への挿入および抜去時に生体内壁に損傷を与えることを防止できる。さらに、生体内挿入時に膨出部が生体内壁に当接したとき良好な逃げを生じさせ、生体内の目的部位への先端部の挿入が容易となる。さらに、シースの先端面とほぼ等しいもしくは若干突出する可撓性スタイレットを備えるため、この状態において生体内に挿入することにより、シース内への生体分泌物などの異物の侵入を防止でき、スタイレット抜去後の移植用チューブの挿入が容易なものとなる。さらに、スタイレット抜去後のシース内の挿入可能な移植用チューブを備えるので胚移植作業が容易なものとなる。
さらに、前記可撓性シースが、該シース外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材を備えるものであれば、シースの生体内への過剰挿入を防止できるとともに、挿入作業が容易なものとなる。
【0035】
さらに、移植用チューブ体が、柔軟性チューブ体と、該柔軟性チューブ体内に挿入されかつ先端が該柔軟性チューブ体の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体とを備えるものであれば、移植用チューブは、先端部分の柔軟性を保持した状態で、基端部分にて与えられた押し込み力の先端側への伝達性が良好なものとなるため、生体内への移植用チューブの挿入作業が容易なものとなる。
さらに、前記剛性付与チューブ体が、前記移植用チューブ体を前記可撓性シース内に挿入した時に、該シースの先端部より剛性付与チューブ体の先端部分が突出可能な長さを備えているものとすれば、シースより突出した移植用チューブが、シースの先端においてキンクすることを防止でき、生体内への移植用チューブの挿入作業が容易なものとなるとともに、チューブ内の移植のための通路の確保が確実なものとなる。
さらに、前記可撓性シースが、前記膨出部またはその後方に設けられた超音波造影マーカを備えているものであれば、シースの先端部の位置確認を容易に行うことができる。
【0036】
また、本発明の胚移植用器具は、先端外面に設けられた球状膨出部を備える可撓性チューブと、該可撓性チューブ内に配置され、先端が前記可撓性チューブの先端面とほぼ等しいもしくは若干後端側に位置する塑性変形容易な金属製棒状部材と、前記可撓性チューブおよび該金属製棒状部材の後端部に固定されたハブと、先端から後端まで貫通した通路とを備えるものである。
特に、可撓性シースが先端外面に設けられた球状膨出部を備えるため、生体内への挿入および抜去時に生体内壁に損傷を与えることを防止できる。さらに、生体内挿入時に膨出部が生体内壁に当接したとき良好な逃げを生じさせ、生体内の目的部位への先端部の挿入が容易となる。さらに、可撓性チューブ内に挿入された塑性変形容易な金属製棒状部材を備えているので、移植用器具を手で曲げることにより所望の形状とすることができかつその状態が保持されるので、生体内の挿入が容易なものとなる。
【0037】
さらに、前記金属製棒状部材が、先端から後端まで貫通した通路を備える金属製パイプであれば、パイプ内により胚移送用通路を形成することができる。
さらに、前記可撓性チューブが、該チューブ外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材を備えるものであれば、移植用器具の生体内への過剰挿入を防止できるとともに、挿入作業が容易なものとなる。
さらに、前記移植用器具が、前記可撓性チューブ内に挿入可能であり、かつ、該可撓性チューブの先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部を備える移植用チューブ体を備えるものであれば、移植作業が容易なものとなる。
さらに、前記移植用チューブ体が、柔軟性チューブ体と、該柔軟性チューブ体内に挿入されかつ先端が該柔軟性チューブ体の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体とを備えるものであれば、移植用チューブは、先端部分の柔軟性を保持した状態で、基端部分にて与えられた押し込み力の先端側への伝達性が良好なものとなるため、生体内への移植用チューブの挿入作業が容易なものとなる。
さらに、前記剛性付与チューブ体が、前記移植用チューブ体を前記移植用器具内に挿入した時に、該移植用器具の先端部より剛性付与チューブ体の先端部分が突出可能な長さを備えているものとすれば、移植用器具より突出した移植用チューブが、移植用器具の先端においてキンクすることを防止でき、生体内への移植用チューブの挿入作業が容易なものとなるとともに、チューブ内の移植のための通路の確保が確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の胚移植用器具の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した移植用器具に用いられているシースの正面図である。
【図3】図3は、図1に示した移植用器具に用いられているスタイレットの正面図である。
【図4】図4は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを挿入した状態のシースの先端部拡大断面図である。
【図5】図5は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを挿入した状態のシースの基端部分およびスタイレットの基端部分の拡大断面図である。
【図6】図6は、図1に示した移植用器具に用いられている移植用チューブの基端部の拡大断面図である。
【図7】図7は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを抜去し、移植用チューブ体を挿入した状態のシースの正面図である。
【図8】図8は、図1に示した移植用器具であってスタイレットを抜去し、移植用チューブ体を挿入した状態のシースの基端部および移植用チューブ体の基端部の拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の胚移植用器具の他の実施例の先端部の拡大断面図である。
【図10】図10は、本発明の胚移植用器具の他の実施例の正面図である。
【図11】図11は、図10に示した移植用器具の部分省略拡大断面図である。
【図12】図12は、図10に示した胚移植用器具の先端部の拡大断面図である。
【図13】図13は、図10に示した胚移植用器具の基端部の拡大断面図である。
【図14】図14は、図12のA−A線端面図である。
【図15】図15は、他の実施例の移植用器具の先端部の拡大断面図である。
【図16】図16は、図15のB−B線端面図である。
【図17】図17は、他の実施例の移植用器具の先端部の拡大断面図である。
【図18】図18は、図17のC−C線端面図である。
【図19】図19は、他の実施例の移植用器具の拡大断面図である。
【図20】図20は、図10に示した移植用器具に移植用チューブ体を挿入した状態の正面図である。
【図21】図21は、本発明の胚移植用器具の他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 胚移植用器具
2 可撓性シース
3 可撓性スタイレット
4 移植用チューブ体
22 球状膨出部
50 胚移植用器具
51 可撓性チューブ
52 金属製棒状部材
53 球状膨出部
Claims (9)
- 胚移植用器具であって、該移植用器具は、先端外面に先端開口を閉塞しないように設けられた球状膨出部を備える可撓性チューブと、該可撓性チューブ内に設けられ、先端が前記可撓性チューブの先端面とほぼ等しいもしくは若干後端側に位置する塑性変形容易な金属製棒状部材と、前記可撓性チューブおよび該金属製棒状部材の後端部に固定されたハブと、先端から後端まで貫通した通路と、前記可撓性チューブの外面を移動可能に設けられた生体内挿入深度調整部材とを備え、
前記生体内挿入深度調整部材は、前記可撓性チューブの外径と等しいかもしくは若干小さく形成されたリング状部材であり、かつ、弾性材料により形成されるとともに先端側が先端に向かって縮径するものであり、さらに、前記チューブの先端側に押すもしくは後端側に引くことにより、前記チューブ上を摺動するものであり、そして、前記移植用器具は、前記塑性変形容易な金属製棒状部材により、前記移植用器具を適宜形状に変形させることができるものとなっていることを特徴とする胚移植用器具。 - 前記可撓性チューブは、メインルーメンとサブルーメンを備え、前記金属製棒状部材は、前記サブルーメン内に挿入されている請求項1に記載の胚移植用器具。
- 前記金属製棒状部材は、前記可撓性チューブの内壁内に配置されている請求項1に記載の胚移植用器具。
- 前記可撓性チューブは、ルーメンを備え、前記金属製棒状部材は、該ルーメン内に挿入されている請求項1に記載の胚移植用器具。
- 前記金属製棒状部材は、中実状もしくは中空状のものである請求項1ないし4のいずれかに記載の胚移植用器具。
- 前記胚移植用器具は、前記膨出部またはその後方に設けられた超音波造影マーカー機能を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の胚移植用器具。
- 前記生体内挿入深度調整部材の後端側は、エッジのある端面となっている請求項1ないし6のいずれかに記載の胚移植用器具。
- 前記移植用器具は、前記可撓性チューブ内に挿入可能であり、かつ、該可撓性チューブの先端より所定長さ突出可能な柔軟先端部を備える移植用チューブ体を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の胚移植用器具。
- 前記移植用チューブ体は、柔軟性チューブ体と、該柔軟性チューブ体内に挿入されかつ先端が該柔軟性チューブ体の先端より所定長さ後端側に位置する剛性付与チューブ体とを備えるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の胚移植用器具。
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