JP2019136152A - Sapシート、および吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の構造のSAPシートを提供する。【解決手段】SAPの粒子群が配置されたSAPシートであって、繊維状材料からなる第1シートと、第1シートとの間にSAPの粒子群を挟むように該第1シートに対して配置される、繊維状材料からなる第2シートと、第1シートと第2シートとの間に配置され、SAPの粒子を含んで形成されたSAP層と、を備える。そして、SAP層は、SAPの粒子群の一部が第1シートと第2シートとの間に介在して両シートを接着し、該第1シートと該第2シートとに挟まれた閉空間を形成する接着部と、接着部の閉空間内に、該閉空間内で両シートに対して自由状態に封止された、SAPの粒子群の他の一部である自由SAP粒子群と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、高吸収性重合体であるSAPの粒子群が配置されたSAPシートに関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品においては、尿や体液を吸収する吸収材として、パルプや高吸収性重合体(Super Absorbent Polymer:SAP)が用いられている。通常、これらの吸収材は薄いシート状、マット状等の形状に成形された吸収体として、吸収性物品の肌当接面側に配置される。例えば、パルプマット中に、SAP粒子が分散配置された吸収体や、複数のパルプマットの層間に、前記SAP粒子が層状に配置された吸収体が知られている。
更に近年では、吸収性物品には排泄物の吸収性に優れ、漏れがないといった基本的な機能に加えて、着用感や装着時における外観の向上が求められている。そこで、吸収性物品の構成部材の中で比較的嵩高い吸収体を薄型化することが提案されている。例えば特許文献1には、不織布基材等に、熱可塑性樹脂等の結合剤を用いてSAP粒子を固定させることによって、SAP粒子の比率を増やした吸収性複合体等が開示されている。また、特許文献2には、2枚のシート部材の間にSAP粒子が配置されたSAPシートが開示されており、シート部材、SAP受容層、SAP粒子の間に互いに水素結合を生じさせることで、SAP粒子はSAP受容層を介してシートに固定される。
特開2000−24033号公報 特開2013−39804号公報
尿や体液等の液体の吸収を目的としてSAPシートを利用すると、薄型で高吸収性能を有する吸収体を形成することができる。しかし、SAP粒子は粒子サイズが比較的小さく、また軽量であるため、SAPシートの姿勢が変わるとその内部でSAP粒子が移動しやすくその動きを拘束するのは容易ではない。仮に、SAPシート内でSAP粒子が動きSAP粒子が偏在してしまうと、SAPシートにおいて局所的に吸収性能が低下する領域が生じる虞がある。
上記の従来技術で示すように、熱可塑性樹脂等の結合剤を用いてSAP粒子を、SAPシートのシート部材に対して固定すると、SAPシート内でのSAP粒子の動きは抑制し得るが、SAP粒子は結合剤と接触している分、SAP粒子がSAPシートに進入した液体と接触する表面積が減少してしまう。そのためSAPシートの液体の吸収速度が十分に上がらずその吸収性能は好適なものとなりにくい。また、水素結合を利用することでSAP粒子をシート部材に対して固定する場合、SAP粒子とシート部材との間の結合については言及されているが、SAPシート内におけるSAP粒子の動きがどのように拘束されるのかについては何ら言及がなされていない。
本発明は、上記した問題に鑑み、新規な構造のSAPシートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、SAP粒子を用いて、SAPシートを構成する2枚のシートを接着するとともにSAP粒子の動きを制限する構成を採用した。
具体的には、本発明は、高吸収性重合体であるSAPの粒子群が配置されたSAPシートであって、繊維状材料からなる第1シートと、前記第1シートとの間に前記SAPの粒子群を挟むように該第1シートに対して配置される、繊維状材料からなる第2シートと、前記第1シートと前記第2シートとの間に配置され、前記SAPの粒子を含んで形成されたSAP層と、を備える。そして、前記SAP層は、前記SAPの粒子群の一部が前記第1シートと第2シートとの間に介在して両シートを接着し、該第1シートと該第2シートとに挟まれた閉空間を形成する接着部と、前記接着部の前記閉空間内に、該閉空間内で両シートに対して自由状態に封止された、前記SAPの粒子群の他の一部である自由SAP粒子群と、を有する。なお、接着部は、閉空間を一又は複数形成してもよく、それぞれの閉空間の大きさや形状は、特定の大きさや形状に限られない。
本発明においてSAP粒子とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指すものとする。そして、「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。またSAPには、デンプン系、セルロース系、合成樹脂系の材料を使用可能であり、接着部を形成できる限りにおいてその粒子形状、粒子寸法は、特定の形状、寸法に限られない。
ここで、前記接着部において、該接着部を形成する前記SAPの粒子が前記第1シート及び前記第2シートのそれぞれの繊維状材料に絡み合うことで両シートが接着してもよい。更に、前記接着部は、前記SAPの粒子群の一部が前記第1シートと前記第2シートに挟まれて圧縮されることで形成されてもよい。
また、上記のSAPシートにおいて、前記SAP層は、前記SAPの粒子のみを含んで、前記接着部及び前記自由SAP粒子群が形成されてもよい。
また、上述までのSAPシートにおいて、前記接着部は、前記閉空間を複数形成してもよい。その場合、前記複数の閉空間のそれぞれは略同じ大きさを有してもよい。更に、前記複数の閉空間のそれぞれに、略同量の前記自由SAP粒子群が封止されてもよい。
また、本発明を、使い捨ておむつ、尿の吸収パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品の側面から捉えることもできる。例えば、当該吸収性物品は、上述までのSAPシートを少なくとも含む吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を覆うように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を覆うように配置されたバックシートと、を備えてもよい。当該吸収性物品では、上述までのSAPシートが一枚又は複数枚用いられてもよい。
更に、本発明を、SAPシートの製造方法の側面から捉えることもできる。すなわち、本発明は、高吸収性重合体であるSAPの粒子群が配置されたSAPシートの製造方法であって、繊維状材料からなる第1シート上に、前記SAPの粒子群を配置するステップと、前記SAPの粒子群が配置された前記第1シートとの間に該SAPの粒子群を挟むように、繊維状材料からなる第2シートを配置するステップと、所定の加圧力で、前記第1シートと前記第2シートの少なくとも一方のシートに対する加圧部位が、非加圧部位を囲む連続形状となるように加圧し、該加圧部位における前記第1シートと第2シートとの間に介在している前記SAPの粒子群の一部を加圧し両シートを接着するステップと、を含む。
上記の製造方法において、前記SAPの粒子群を配置するステップでは、該SAPの粒子群を前記第1シート上に前記SAPシートの厚さ方向に均等に配置してもよい。
また、上述までの製造方法において、前記両シートを接着するステップでは、前記第1シートと前記第2シートとの間に挟まれて配置された前記SAPの粒子群の、少なくとも環状に形成される最縁部を前記加圧部位に含めて、前記所定の加圧力での加圧が行われてもよい。
なお、上述までの製造方法において、前記両シートを接着するステップでは、前記連続形状の加圧部位に対応する連続形状の加圧表面部を有する加圧ローラに対して、前記SAPの粒子群を挟んでいる前記第1シートと前記第2シートが相対的に送り込まれることで、該加圧ローラによる前記所定の加圧力での加圧が行われてもよい。また、所定の加圧力での加圧を行う別法として、前記連続形状の加圧部位に対応する連続形状の加圧表面部を有する金型によるプレスを使用してもよい。
本発明によれば、新規な構造のSAPシートを提供することが可能となる。
本発明のSAPシートの概略構成を示す図である。 図1に示すSAPシートの断面図である。 加圧時のSAPシートとSAP粒子群の境界部位近傍の第1の拡大図である。 加圧時のSAPシートとSAP粒子群の境界部位近傍の第2の拡大図である。 SAPシートの製造に使用する加圧ローラの構成を示す図である。 図1に示すSAPシートの製造方法の流れを示す図である。 図5に示す製造方法に従ったときの、SAPシートの製造状態を段階的に示す図である。 図1に示すSAPシートを用いて形成された吸収性物品の概略構成を示す図である。 図7に示す吸収性物品を部品ごとに分解した図である。 図7に示す吸収性物品の断面図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るSAPシートについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<SAPシートの構成>
図1は、本実施形態のSAPシート6の概略構成を示す図である。SAPシート6は、繊維状材料からなる第1シート61及び第2シート62と、両シートの間に高吸収性重合体であるSAP(Super Absorbent Polymer:SAP)の粒子「以下、「SAP粒子」ともいう」を含んで形成されたSAP層63とを有している。また、図2は、SAPシート6を、図1に示すXX断面(SAPシート6の幅方向に沿った断面)、YY断面(SAPシート6の長さ方向に沿った断面)で切断した場合の断面図である。なお、図2では、SAPシート6の厚さ方向の変化を強調して各断面の状態を表している。
第1シート61及び第2シート62は、ともに繊維状材料から形成され、概ね同じ形状
(本実施形態では、矩形状)を有している。第1シート61は、SAP層63の表面を覆うシートであり、ユーザの肌側に配置して用いる。第1シート61は親水性のシートである。第2シート62は、SAP層63の背面を覆うシートであり、ユーザの肌と背向する面側に配置して用いる。第2シート62は、必ずしも第1シート61のように親水性のシートである必要はない。例えば、第2シート62は、撥水性材料によって構成されていてもよい。なお、第2シート62が親水性材料で形成されると、第2シート62側の面からも排泄物等の液体を吸収させることが可能となる。従って、SAPシート6全体の吸収効率を向上させることができる。また、第1シート61、第2シート62のいずれも、ユーザの肌と対向することができ、SAPシート6の利便性が高い。
ここで、一例として、第1シート61及び第2シート62は、ともにポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の合成繊維からなる不織布から形成できる。「不織布」とは、一例として、非セルロース系合成繊維からなる短繊維やフィラメントを接着ないし交絡させることにより形成されたシート又はウェブとすることができる。なお、各シートを親水性のシートにするためには、上記不織布の原綿に界面活性剤を塗布、スプレー、含浸させる等の親水化処理を行えばよい。
また、第1シート61及び第2シート62に使用する不織布の坪量は、10〜30g/mであることが好ましい。10g/m以上とすることで、各シートの強度を確保することができる。一方、30g/m以下とすることで、各シートの柔軟性、可撓性を確保し、SAPシート6全体を好適に薄型化することが可能となる。より好ましくは、不織布の坪量が15〜25g/mである。
また、第1シート61及び第2シート62を親水性シートとする場合、両シートを紙製とすることができる。一例として、「紙」は、セルロース系繊維を絡み合わせることにより形成されたシート又はウェブである。紙を構成するセルロース系繊維としては、例えば針葉樹や広葉樹の木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材パルプ、化学合成パルプ、コットン等由来のセルロース繊維の他、レーヨン(再生セルロース繊維)、リヨセル(精製セルロース繊維)等のセルロース系合成繊維も含まれる。2種以上のセルロース系繊維同士、或いはセルロース系繊維と非セルロース系合成繊維(PP、PET等の繊維)との混合繊維を用いることもできる。なお、紙製のシートによってSAP粒子の膨潤が妨げられず、SAPシート6により高い吸収性能を発揮させるためには、第1シート61及び第2シート62を形成する紙が、ティシュ又は吸収紙であることが好ましい。ティシュや吸収紙は他の紙に比して裂け易く、SAP粒子の膨潤の支障となりにくい。
次に、SAP層63に含まれるSAP粒子について説明する。SAP粒子は、粒状のSAPであり、SAPとしては、例えば、自重の5倍以上の水を吸収し保持することが可能なものを採用できる。また、SAPとしては、デンプン系、セルロース系、合成樹脂系等のSAPが使用でき、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、またはアクリル酸(塩)重合体からなるものであってもよい。また、SAPの粒子形状については、例えば破砕タイプのものやパールタイプのものが公知であるが、好ましくは破砕タイプのSAP粒子が採用される。
また、本実施形態のSAP粒子とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。ここで言う「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
また、SAP粒子に関する「粒状」には、例えば粒状、顆粒状等の形態が含まれる。これらの形状とすると、SAP粒子を配置した際に均一な厚さのSAP層を形成しやすくなる。また、SAP粒子の粒径や粒度分布について、後述するように加圧工程によりSAP粒子で第1シート61と第2シート62とを接着できる限りにおいて、特に制限はない。ただし、SAP層63での吸収性やSAP粒子による接着性の観点から、好ましくはSAP粒子の質量平均粒子径を180〜500μmとする。「質量平均粒子径」は公知の篩い分け法により測定することができる。
ここで、SAPシート6は、図1及び図2に示すように第1シート61と第2シート62との間にSAP層63が配置されている。その上で、SAP層63を形成するSAP粒子群の一部が、第1シート61と第2シート62とを接着する接着部として機能している。以下、このSAP粒子群によるシートの接着について説明する。
本願の発明者は、第1シート61と第2シート62にSAP粒子群を挟んだ状態で所定の加圧力で加圧すると、その所定の加圧力が作用した加圧部位に対応するSAP粒子が加圧されて各シートの繊維状部材と絡み合った結果、そのSAP粒子が第1シート61及び第2シート62に対して結合力を発揮し両シートを事実上接着する現象を見出した。ここで、図3A及び図3Bに、このように両シートが接着されたときの、各シートとSAP粒子群との境界部位近傍の拡大図を示す。図3A及び図3Bは、SEM (Scanning Electron Microscope)による顕微鏡写真であり、図3Aの倍率は200倍、図3Bの倍率は50
0倍である。両図においては、シートの繊維状部材に絡み合っているSAP粒子の一部を白丸で囲み、例示的に抽出している。特に図3Aでは、図の概ね左側においてシートの繊維状部材も加圧によって部材間の空隙が閉塞した状態となっており、その中にSAP粒子が入り込んでいることが理解できる。また、所定の加圧力によっては、SAP粒子が圧縮されて潰れたり変形したり等して両シートの繊維状部材に絡み合うことで、両シートの接着が実現されるとも考えられる。なお、所定の加圧力は、SAPの種類やその粒子径、第1シート61及び第2シート62の間に配置されたSAP粒子群の厚さ、第1シート61及び第2シート62の材質等により変化すると考えられる。そして、本実施形態では、この所定の加圧力での加圧を介したSAP粒子による接着を利用して、SAPシート6が形成される。
SAPシート6では、SAP層63を形成するSAP粒子群の一部による第1シート61及び第2シート62の接着部として、その幅方向(短手方向)に沿って端部接着部63Aと内部接着部63Bが形成され、その長さ方向(長手方向)に沿って端部接着部63Cと内部接着部63Dが形成されている。端部接着部63A、63Cは、それぞれSAPシート6の長さ方向及び幅方向の両端部に配置される。また、SAPシート6の長さ方向において、2本の端部接着部63Aの間に等間隔で5本の内部接着部63Bが配置され、端部接着部63Aの幅(SAPシート6の長さ方向の長さ)は、内部接着部63Bの幅よりも大きい。また、SAPシート6の幅方向においては、2本の端部接着部63Cの間に等間隔で4本の内部接着部63Dが配置され、端部接着部63Cの幅(SAPシート6の幅方向の長さ)は、内部接着部63Dと同程度である。したがって、SAPシート6では、SAP層63内に格子状の接着部が形成された状態となっている。
更に、SAPシート6では、その幅方向に沿って延在する端部接着部63A又は内部接着部63Bと、その長さ幅方向に沿って延在する端部接着部63C又は内部接着部63Dと、第1シート61及び第2シート62とによって、SAP層63を形成するSAP粒子群の他の一部が封止される、矩形状の封止空間60が複数個形成される。すなわち、封止空間60は、その周囲が端部接着部63A又は内部接着部63Bと、端部接着部63C又は内部接着部63Dで囲まれ、その上下方向(SAPシート6の厚さ方向)が第1シート
61及び第2シート62で囲まれた閉空間である。
上記の通りSAP層63内に格子状の接着部が形成されているため、SAPシート6には30個の封止空間60が配置されている。そして、封止空間60は、接着部の形成に際して所定の加圧力が作用しなかった非加圧部位に対応した位置に形成される。そのため、封止空間60に封止されているSAP粒子(上記のSAP粒子群の他の一部のSAP粒子)には所定の加圧力が作用していないことから、当該SAP粒子は、第1シート61及び第2シート62に対して自由状態で封止されていることになり、以て封止空間60に封止されているSAP粒子群は、本発明の自由SAP粒子群に相当する。
そして、封止空間60は、その内部に封止されたSAP粒子群が、封止空間の外に漏れ出さない程度に閉じられた空間である。そのため、封止空間60に封止されたSAP粒子群は、第1シート61及び第2シート62に対して自由状態でありながらも、その封止空間60の中ででしか移動できず、その動きは極めて制限された状態となる。一方で、尿や体液等の液体や空気は封止空間60に対しては進入可能である。すなわち、第1シート61や第2シート62を介して液体は封止空間60に進入し、そこに封止されているSAP粒子に吸収され得る。また、空気についても、第1シート61や第2シート62を介して封止空間60に出入りが自在であり、封止空間60は、SAPシート6の通気性を低下させるものではない。
なお、上記のように、封止空間60は非加圧部位に対応するものであるから、図2に示すように、SAPシート6において、封止空間60のSAP層63の厚さは、端部接着部63A、63Cや内部接着部63B、63DのSAP層63の厚さよりも大きくなる。そのため、封止空間60に封止されているSAP粒子の空間密度は相対的には小さくなっており、液体が封止空間60に進入しやすく、封止されたSAP粒子による液体の効果的な吸収が可能である。
このように構成されたSAPシート6では、封止空間60に封止されたSAP粒子群は、第1シート61及び第2シート62に対して自由状態となった上で、その動きが封止空間60内に制限されている。その結果、当該SAP粒子群の動きはSAPシート6において局所的に制限されるため、シート全体としてはSAP粒子の偏在を抑制でき、SAP粒子の可及的な均等配置が実現できる。また、封止されたSAP粒子群は、それぞれの封止空間において第1シート61及び第2シート62に対して結合剤等で固定されておらず自由状態であるから、当該封止空間60に進入してきた液体に対して好適な吸収性能を発揮することが可能である。
また、図1に示すSAPシート6に形成されている30個の封止空間60は、それぞれ同じ大きさを有しており、各封止空間60には概ね同量のSAP粒子が封止されている。このことからSAPシート6においてより均等にSAP粒子を配置することができ、以て、SAPシート6の吸収性能を高く維持することができる。特に、SAPシート6の吸収面積が大きくなるほど、その吸収面積に応じてより多くの封止空間60をSAPシート6に配置することで、吸収面積の増大にかかわらず吸収性能の維持を図ることができる。なお、SAPシート6に形成される封止空間60は、必ずしもすべて同じ大きさである必要はなく、SAPシート6上の配置場所等に応じて、適宜封止空間60の大きさを変えてもよい。例えば、SAPシート6において特に液体が相対的に多く進入し得る部位が存在する場合には、そのような部位を含む所定の領域には、他の領域と比べて封止されるSAP粒子量が多くなり、且つその所定の領域内において均等にSAP粒子が配置されるように、SAPシート6における封止空間60の大きさやその位置を調整してもよい。
また、端部接着部63A、63Cや内部接着部63B、63Dを形成するSAP粒子は
、封止空間60に封止されているSAP粒子と異なり加圧されて第1シート61と第2シート62に対して結合力を発揮しているが、封止空間60に進入してきた液体に接触するとその液体を吸収し得る。このとき、液体の吸収により第1シート61と第2シート62に対する結合力が低下する可能性はあるが、封止空間60に封止されていたSAP粒子の多くは既に進入してきた液体を吸収していると考えられ、膨潤状態となっており、液体吸収前のSAP粒子の偏在の問題が生じる可能性は極めて低いと考えられる。したがって、上記接着部を形成するSAP粒子も、封止空間60に封止されていたSAP粒子のように液体吸収が期待でき、SAPシート6全体の吸収性能の向上に貢献し得る。
なお、上記の実施形態では、SAP粒子が加圧されることで両シートを接着する端部接着部63A、63Cや内部接着部63B、63Dが形成されているが、その態様に代えて両シートを接着するために、上記のSAP粒子の加圧による接着方法に加えて、別の接着方法も併用することもできる。例えば、端部接着部63A、63Cの形成においては、上記のSAP粒子の加圧による接着方法とは異なる、従来のホットメルトを用いた接着方法や超音波溶着方法を採用することができる。その上で、内部接着部63B、63Dの形成においては、上記のSAP粒子の加圧による接着方法を採用すればよい。このような両シートの接着形態では、SAPシート6からその外部にSAP粒子が漏れ出すことをより確実に防ぐことができるとともに、SAPシート6の内側ではSAP粒子の偏在を防ぎつつSAPシート6全体の吸収性能を比較的高く保つことができる。
また、上記のSAP粒子の加圧による接着方法は、SAPシート6の完成体を製造するために採用できるだけではなく、SAPシート6の完成体を製造する前の段階で、第1シート61と第2シート62とを暫定的に接着するため、すなわち仮止めのための接着方法として採用することもできる。例えば、最終的にはホットメルトを用いて第1シート61と第2シート62とを接着してSAPシート6の完成体を製造する場合、そのホットメルトを利用する前の段階で、第1シート61と第2シート62との間にSAP粒子を挟んだ状態でこれらの位置決めを暫定的に行うために、上記のSAP粒子の加圧による接着方法を採用することができる。
<SAPシートの製造方法>
次に、図4から図6に基づいて、SAPシート6の製造方法について説明する。上記の通り、SAPシート6のSAP層63には、端部接着部63A、63C、内部接着部63B、63Dが格子状に形成される。詳細には、これらの端部接着部63A、63C、内部接着部63B、63Dは、図4に示す加圧ローラ75により、所定の加圧力が、第1シート61と第2シート62に挟まれたSAP層63のSAP粒子群に付与されることで形成される。このように所定の加圧力の付与を可能とするために、加圧ローラ75には、端部接着部63A、63C、内部接着部63B、63Dの形状に対応する加圧表面部が設けられている。
具体的には、加圧ローラ75は、円柱形状のローラであり、円柱状の本体71の中心軸が回転軸となり、その側面が回転表面となる。そして、加圧ローラ75は、その回転表面に、一枚のSAPシート6における30個の封止空間60に対応した、30個の凹部70を1群として、3群の凹部70が形成されている。凹部70の形状は、封止空間60の矩形状に概ね対応しており、1群における凹部70の並びは、1枚のSAPシート6における封止空間60の並びに対応している。
1群の凹部70と他の1群の凹部70との間の回転表面には、その幅方向(回転表面の回転方向に直交する方向)にわたって凹部70が配置されていない、第1加圧表面部73Aが形成されている。そして、1群の凹部70において、凹部70と凹部70との間に回転表面の幅方向に沿って延在する第2加圧表面部73Bが5本形成されている。また、1
群の凹部70において、回転表面の両方の最縁部でその回転方向に沿って延在する第3加圧表面部73Cが形成されている。そして、1群の凹部70において、凹部70と凹部70との間に回転表面の回転方向に沿って延在する第4加圧表面部73Dが4本形成されている。
このように形成される加圧ローラ75が、第1シート61と第2シート62に挟まれたSAP層63を加圧するために一方のシート(例えば、第1シート61)に接触すると、加圧ローラ75の回転表面と同一の高さを有する各加圧表面部は、第1シート61に接触し所定の加圧力を付与することになる。このように各加圧表面部が接触する第1シート61上の部位が、本発明の加圧部位に相当する。一方で、加圧ローラ75の回転表面より低い高さを有する凹部70は、第1シート61に接触しないことになる。このように凹部70に対向する第1シート61上の部位が、本発明の非加圧部位に相当する。したがって、加圧ローラ75を用いることで、第1シート61における加圧部位が、非加圧部位を囲む連続形状となるように、第1シート61への加圧を行うことができる。
そして、加圧ローラ75を用いた加圧により、第1加圧表面部73AはSAP層63における端部接着部63Aを形成し、第2加圧表面部73BはSAP層63における内部接着部63Bを形成し、第3加圧表面部73CはSAP層63における端部接着部63Cを形成し、第4加圧表面部73DはSAP層63における内部接着部63Dを形成することになる。このような加圧ローラ75によれば、第1加圧表面部73A及び第3加圧表面部73Cを有することで、SAPシート6の最縁部、すなわち第1シート61の矩形形状の各辺を含む縁部を加圧部位に含めて、所定の加圧力を付与することができる。これにより、SAPシート6の最縁部に沿った環状の接着部、すなわち端部接着部63A、63Cを形成することができる。これにより、製造過程において第1シート61と第2シート62との間に挟んだSAP粒子の多くを可及的にSAPシート6に利用することができ、製造時におけるSAP粒子の無駄を抑えることができる。
ここで、図5及び図6に基づいて、SAPシート6の製造方法の流れについて説明する。図5は、SAPシート6の製造方法の流れを示すフローチャートであり、図6は、SAPシート6の製造状態を段階的に示す図である。先ず、S101では、第1シート61の上にSAP粒子群を配置する。なお、このとき、SAP粒子群の厚さΔhが、第1シート61の全体において概ね一定の値となるように、公知の粉体フィーダ等を用いてそのSAP粒子群が配置される。これにより、製造されたSAPシート6でのSAPの均等配置を実現しやすくなる。次に、S102では、第1シート61上に配置されたSAP粒子群の上に第2シート62を配置する。第2シート62は、第1シート61上に配置されたSAP粒子群を過不足なく覆うように、その位置決めが行われる。そして、このS102で第2シート62が配置された状態が、加圧ローラ75による加圧前状態であり、その状態における第1シート61、SAP粒子群、第2シート62の積層体を、加圧前積層体65と称する。
そして、次にS103では、加圧ローラ75により加圧前積層体65に対して加圧処理を行う。具体的には、図6に示すように、加圧ローラ75と補助ローラ76との間の加圧領域に、加圧前積層体65が順次送り込まれる。補助ローラ76は、加圧ローラ75と同じように円柱状のローラであるが、その回転表面は平滑な表面とされ、凹部や突起部等は設けられていない。したがって、加圧領域に送り込まれた加圧前積層体65に対しては、加圧ローラ75に設けられた各加圧表面部を介した所定の加圧力の付与が行われることになる。その結果、各加圧表面部が接触した第1シート61上の加圧部位に対応して、図1に示す各接着部がSAP層63内に形成される。なお、上記の通り、加圧ローラ75には、30個の凹部70が3群形成されているから、加圧ローラ75の一回転で3つの加圧前積層体65への加圧処理が可能である。
S103における加圧処理では加圧ローラ75を利用しているが、加圧ローラ75の各加圧表面部と同等の加圧用の突起部を有する加圧用金型を利用して、プレス装置により同等の加圧処理を行うこともできる。
<変形例>
上記の実施形態では、封止空間60を概ね矩形状としているが、封止空間60の形状はこれに限られない。例えば、封止空間60が三角形や六角形等の多角形状や円形状等の形状となるように、加圧ローラ75の加圧表面部の形状を調整してもよい。また、SAPシート6のSAP層63に形成される各接着部は、必ずしもSAPシート6の長さ方向、幅方向に沿って延在させる必要はなく、各接着部がSAPシート6の長さ方向、幅方向に対して斜めに延在するように、加圧ローラ75の加圧表面部の形状を調整してもよい。
<SAPシートを用いた吸収性物品>
上記のSAPシート6を利用した吸収性物品の一例として、図7〜図9に開示のテープ型使い捨ておむつについて説明する。図7は、テープ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)1の斜視図である。おむつ1は、着用状態において着用者の陰部を覆う股下領域1Bと、股下領域1Bの前側に位置する前身頃領域1Fと、股下領域1Bの後ろ側に位置する後身頃領域1Rとを有する。後身頃領域1Rの左右両側の縁には、前身頃領域1Fの非着用者側の面に設けられたフロントパッチ2Fへ貼着可能なテープ2L、2Rが設けられている。よって、おむつ1は、前身頃領域1Fが着用者の腹側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背側に配置された状態でテープ2L、2Rがフロントパッチ2Fに貼着されると、着用者の腹囲と大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。当該吸収体に上記のSAPシート6が含まれる。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の大腿部を取り巻く部位に立体ギャザー3BL、3BRが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。立体ギャザー3BL、3BRとウェストギャザー3Rは、糸ゴムの弾性力で着用者の肌に密着する。よって、着用者の陰部から排出される液体は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
図8は、おむつ1の分解斜視図であり、図9は、股下領域1Bをその幅方向に切断した場合の断面図である。おむつ1は、装着状態において外表面を形成するカバーシート4を有する。カバーシート4は、長辺に相当する部位に括れ4KL、4KRを設けた略長方形の外観を有するシート状の部材である。括れ4KL、4KRは、着用者の大腿部が位置する箇所に設けられる。カバーシート4は、バックシート5の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。
そして、おむつ1は、カバーシート4の着用者側の面において順に積層されるバックシート5、吸収体としてのSAPシート6、トップシート7を有する。一例として、SAPシート6の第1シート61がトップシート7側に位置し、第2シート62がバックシート5側に位置するように、当該積層が行われる。SAPシート6の詳細については、上述の通りである。また、バックシート5、トップシート7は、何れも長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がカバーシート4の長手方向と一致する状態でカバーシート4に順に積層されている。なお、バックシート5は、カバーシート4と同様に、排泄物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである
。また、トップシート7は、SAPシート6の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート7は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が装着された状態において、着用者から排泄された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート7を通ってSAPシート6に進入し、そこで吸収される。例えば、織布、不織布、多孔質フィルムがトップシート7の材料として材用できる。さらにトップシート7も親水性を有していてもよい。
そして、バックシート5とSAPシート6とトップシート7が積層されているカバーシート4で着用者の陰部を覆うと、バックシート5とSAPシート6とトップシート7の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側までSAPシート6に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート7を介してSAPシート6に接触することになる。
また、おむつ1は、上述した立体ギャザー3BL、3BRを形成するための細長い帯状のサイドシート8L、8Rを有する。サイドシート8L、8Rは、トップシート7の長辺の部分に設けられる。サイドシート8L、8Rには、おむつ1の立体ギャザー3BL、3BRと同様、着用者の大腿部が位置する箇所に括れ8KL、8KRが設けられる。そして、括れ8KL、8KRには糸ゴム8EL、8ERが長手方向に沿って編み込まれている。よって、括れ8KL、8KRは、おむつ1が着用状態の形態、すなわち、おむつ1が側面視U字状の形態になると、糸ゴム8EL、8ERの収縮力で長手方向に引き寄せられてトップシート7から立ち上がり、液体の流出を防ぐ立体ギャザーとなる。
また、上述したウェストギャザー3Rを形成するための糸ゴム9ERは、SAPシート6の長手方向の端部よりも更に背側の位置において、バックシート5とトップシート7の間に設けられる。糸ゴム9ERは、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでバックシート5とトップシート7の間に設けられる。よって、糸ゴム9ERの左右両側に設けられるテープ2L、2Rが、着用者の腹側においてフロントパッチ2Fに貼着されると、糸ゴム9ERは、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。なお、SAPシート6の長手方向に沿った両側にも、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ糸ゴム9SL、9SRが設けられている。
このように構成されるおむつ1において、着用者から液体が排泄されると、排出された液体はトップシート7を介してSAPシート6に接触する。そして、上記の通り、SAPシート6においては、自由状態のSAP粒子を含みながら、SAPシート6の姿勢(すなわち、着用者の姿勢)にかかわらずSAP粒子の配置が可及的に均等に維持されている。その結果、SAPシート6は、着用者から排出された液体を好適に吸収し、液体がおむつ1から外部に漏れ出すのを好適に抑制する。
また、SAPシート6において液体が吸収される際には、SAP層63の一部である各接着部(端部接着部63A、63C、及び内部接着部63B、63D)も液体を吸収し得る。各接着部が液体を吸収することで、SAPシート6の第1シート61及び第2シート62に対する結合力が低下し、液体を吸収し膨潤状態となったSAPを保持しにくくなるが、既に液体を吸収しているのでそのことがSAPシート6の吸収性能の低下を招くことには繋がらない。また、図9に示すように、SAPシート6は、トップシート7とバックシート5とで囲まれているため、仮に上記結合力の低下が生じても、膨潤状態となったSAPがいたずらにおむつ1の外部に漏れ出すことは抑制される。
なお、上記のおむつ1には、SAPシート6を1枚使用しているが、それに代えて複数
枚のSAPシート6を利用してもよい。例えば、トップシート7とバックシート5とで囲まれた空間に、複数枚のSAPシート6を積層配置してもよい。
<実施形態の作用効果>
SAPシート6では、第1シート61と第2シート62との間にSAP層63が形成される。このSAP層63はSAP粒子を含んで形成されたものであり、より好ましくはSAP粒子のみで形成される。そして、SAP層63は、SAPシート6に配置されるSAP粒子群の一部のSAP粒子で形成された接着部と、他の一部のSAP粒子である自由SAP粒子群とを有する。この自由SAP粒子群は、閉空間である封止空間60に封止された状態となり、当該封止空間60の外に移動できない。したがって、自由SAP粒子群は封止空間60内に閉じ込められた状態となるが、尿や体液等の液体や空気は封止空間60とその外部とを移動できる。
この結果、自由SAP粒子群の動きはSAPシート6において局所的に制限されるため、シート全体としてはSAP粒子の偏在を抑制でき、更には、SAP粒子の可及的な均等配置も実現できる。また、自由SAP粒子群は、第1シート61及び第2シート62に対して結合剤等で固定されておらず自由状態であるから、封止空間60に進入してきた液体に対して好適な吸収性能を発揮することが可能である。
そして、SAPシート6のSAP層63がSAPの粒子のみを含んで、接着部及び自由SAP粒子群が形成される場合、SAPシート6でのSAP粒子による液体の吸収性能を最大限発揮させることができる。特に、接着部においても液体吸収が効果的に実現され、以てSAPシート6全体の吸収性能の向上が期待される。なお、接着部が液体を吸収した場合、接着部による第1シート61と第2シート62に対する接着性は、必ずしも液体を吸収する前と同程度を維持する必要はない。これは、接着部及び自由SAP粒子群に含まれるSAP粒子が液体を吸収してもその液体は保持され続けるため、上記接着性が低下してもSAPシート6の吸収性能を妨げるものではないからである。
SAPシート6において、複数の封止空間60が形成されているが、それぞれの封止空間60の大きさが略同じで、それぞれに封止されている自由SAP粒子群の量が同程度であれば、SAPシート6の全体においてより均等にSAP粒子を配置することができる。特に、SAPシート6におけるSAP粒子の配置面積が大きくなった場合でも、封止空間60をその配置面積に応じた数だけ並べることで、SAP粒子の均等配置を実現しやすくなる。
1 :おむつ(テープ型使い捨ておむつ)
4 :カバーシート
5 :バックシート
6 :SAPシート
7 :トップシート
60 :封止空間
61 :第1シート
62 :第2シート
63 :SAP層
63A :端部接着部
63B :内部接着部
63C :端部接着部
63D :内部接着部
65 :加圧前積層体
70 :凹部
71 :本体
73A :第1加圧表面部
73B :第2加圧表面部
73C :第3加圧表面部
73D :第4加圧表面部
75 :加圧ローラ

Claims (7)

  1. 高吸収性重合体であるSAPの粒子群が配置されたSAPシートであって、
    繊維状材料からなる第1シートと、
    前記第1シートとの間に前記SAPの粒子群を挟むように該第1シートに対して配置される、繊維状材料からなる第2シートと、
    前記第1シートと前記第2シートとの間に配置され、前記SAPの粒子を含んで形成されたSAP層と、
    を備え、
    前記SAP層は、
    前記SAPの粒子群の一部が前記第1シートと第2シートとの間に介在して両シートを接着し、該第1シートと該第2シートとに挟まれた閉空間を形成する接着部と、
    前記接着部の前記閉空間内に、該閉空間内で両シートに対して自由状態に封止された、前記SAPの粒子群の他の一部である自由SAP粒子群と、
    を有する、SAPシート。
  2. 前記接着部において、該接着部を形成する前記SAPの粒子が前記第1シート及び前記第2シートのそれぞれの繊維状材料に絡み合うことで両シートが接着する、
    請求項1に記載のSAPシート。
  3. 前記接着部は、前記SAPの粒子群の一部が前記第1シートと前記第2シートに挟まれて圧縮されることで形成される、
    請求項1又は請求項2に記載のSAPシート。
  4. 前記SAP層は、前記SAPの粒子のみを含んで、前記接着部及び前記自由SAP粒子群が形成される、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載のSAPシート。
  5. 前記接着部は、前記閉空間を複数形成し、
    前記複数の閉空間のそれぞれは略同じ大きさを有する、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載のSAPシート。
  6. 前記複数の閉空間のそれぞれに、略同量の前記自由SAP粒子群が封止される、
    請求項5に記載のSAPシート。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載のSAPシートを少なくとも含む吸収体と、
    少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を覆うように配置されたトップシートと、
    液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を覆うように配置されたバックシートと、
    を備える、吸収性物品。
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