JP2019136055A - 生体測定電極装置 - Google Patents

生体測定電極装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019136055A
JP2019136055A JP2018018810A JP2018018810A JP2019136055A JP 2019136055 A JP2019136055 A JP 2019136055A JP 2018018810 A JP2018018810 A JP 2018018810A JP 2018018810 A JP2018018810 A JP 2018018810A JP 2019136055 A JP2019136055 A JP 2019136055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
conductive
support member
cloth
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018018810A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7078414B2 (ja
Inventor
輝 舩橋
Akira Funahashi
輝 舩橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2018018810A priority Critical patent/JP7078414B2/ja
Publication of JP2019136055A publication Critical patent/JP2019136055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7078414B2 publication Critical patent/JP7078414B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】生体への広い接触面積を安定して確保することができ、生体に与える不快感が少なく、長時間または繰り返し使用することができる生体測定電極装置を提供する。【解決手段】生体測定電極装置は、導電体を含有するゴムで形成されたゴム電極部と、ゴム電極部からの電気信号を受けて当該電気信号を処理する信号処理回路と、ゴム電極部が一方の面側に配置され、信号処理回路が他方の面側に配置された支持部材と、ゴム電極部と支持部材とを貫通し、ゴム電極部と信号処理回路とを電気的に接続する導電性糸とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、生体測定電極装置に関する。
心電図測定では、複数の電極が生体の複数の部位に接触させられる。また、近年、筋電義手および筋電義足が開発されている。筋電義手の技術では、生体の上肢の複数の部位の表面筋電位を測定し、これらに基づいて、義手の動きを制御する。筋電義足の技術では、生体の下肢の複数の部位の表面筋電位を測定し、これらに基づいて、義足の動きを制御する。表面筋電位の測定では、複数の電極が生体の複数の部位に接触させられる。
一般に、電極は金属で製造されている。また、生体への接触面積を高めるとともに、生体へ電極を固定するために、電極と生体の間に導電性ゲルまたは導電性クリームを配置することが、行われている。特許文献1〜3は、このような導電性ゲルの使用を開示する。
特開2008−212488号公報 特開2012−183302号公報 特開2015−123198号公報
しかし、金属の電極は、硬さが高く、熱伝導率が高いため、生体に不快感を与えることがある。このため、長時間、電極を生体に装着する技術には特に不適切である。また、導電性ゲルまたは導電性クリームの使用も、生体に不快感を与えることがあり、長時間、電極を生体に装着する技術には特に不適切である。また、導電性ゲルまたは導電性クリームは、経時的に性質が変化するため、長時間の使用または繰り返しの使用には不適切である。
そこで、本発明は、生体への広い接触面積を安定して確保することができ、生体に与える不快感が少なく、長時間または繰り返し使用することができる生体測定電極装置を提供する。
本発明のある態様に係る生体測定電極装置は、導電体を含有するゴムで形成されたゴム電極部と、前記ゴム電極部からの電気信号を受けて当該電気信号を処理する信号処理回路と、前記ゴム電極部が一方の面側に配置され、前記信号処理回路が他方の面側に配置された支持部材と、前記ゴム電極部と前記支持部材とを貫通し、前記ゴム電極部と前記信号処理回路とを電気的に接続する導電性糸とを備える。
本発明の態様においては、ゴム電極部を生体に向けて、生体測定電極装置を使用することができる。ゴム電極部は、ゴム弾性を有するため、生体から力を受けると生体の輪郭に順応して変形するため、ゴム電極部自体で、生体への対向面積または接触面積を安定して確保することができる。このため、導電性ゲルまたは導電性クリームを使用することが必要ではなく、生体に不快感を与えることが少ない。また、ゴム電極部は、硬さが低く、熱伝導率が低いため、生体に与える不快感が少ない。さらにゴム電極部は、導電性ゲルまたは導電性クリームに比べて、性質が安定しているため、長時間または繰り返し使用することができる。ゴム電極部と信号処理回路との電気的接続には、ゴム電極部と支持部材とを貫通する導電性糸が使用される。生体測定電極装置の製造時に、例えば縫い針を用いて、導電性糸がゴム電極部と支持部材とを貫通するように縫うことによって、容易に生体測定電極装置を製造することができる。
好ましくは、前記支持部材は、生体の部位に接触させられる布、皮革または合成皮革である。この場合、生体測定電極装置の製造時に、導電性糸が布、皮革または合成皮革である支持部材を容易に貫通することができる。
好ましくは、前記導電性糸は、前記ゴム電極部よりも高い導電率を有する。この場合、電気信号の伝達性を向上させることができる。
好ましくは、前記ゴム電極部は、薄肉部分と厚肉部分を有しており、前記薄肉部分の前記支持部材側の面と、前記厚肉部分の前記支持部材側の面は面一であり、前記導電性糸は、前記薄肉部分と前記支持部材とを貫通する。この場合、生体測定電極装置の使用時に、厚肉部分が生体に向けられ、薄肉部分を貫通する導電性糸が生体に接触するおそれが少ない。したがって、生体とは、ゴム電極の厚肉部に相当する領域のみの接触となるので、導電性糸が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止されるか、ノイズの発生の頻度が低減する。
好ましくは、前記ゴム電極部は、互いに離間した複数の厚肉部分を有し、複数の厚肉部分の間に前記薄肉部分が配置されている。この場合、互いに離間した厚肉部分の間に、薄肉部分が配置されているので、薄肉部分を貫通する導電性糸が生体に接触するおそれが少ない。したがって、導電性糸が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止されるか、ノイズの発生の頻度が低減する。さらに、薄肉部分を挟んで互いに離間した厚肉部分が生体に向けられるため、生体測定電極装置の接触圧が厚肉部分で均一化され、生体への接触状態が安定し、電気信号が安定する。
好ましくは、前記ゴム電極部の前記薄肉部分の前記支持部材とは反対側には、布が配置されており、前記導電性糸は、前記布と前記薄肉部分と前記支持部材とを貫通する。この場合、導電性糸は、ゴム電極部の薄肉部分を覆う布と薄肉部分を貫通する。ゴム電極部が低い強度の材料で形成されていたとしても、薄肉部分を覆う布で薄肉部分が補強されているので、生体測定電極装置の製造時に、例えば縫い針を用いて導電性糸を薄肉部分に貫通させても、薄肉部分の裂けを防止または低減することができる。
好ましくは、前記布は、前記ゴム電極部よりも高い導電率を有する導電性布であり、前記ゴム電極部の厚肉部分に導通している。仮に、薄肉部分を覆う布が絶縁性である場合には、生体測定電極装置の使用時に、電気信号の大部分は、ゴム電極部の厚肉部分から導電性糸を経て、信号処理回路に伝達されるが、薄肉部分を貫通する導電性糸と薄肉部分の接触状態によっては、電気信号が信号処理回路に安定的に伝達されないおそれや、電気信号にノイズが混入するおそれがある。しかし、薄肉部分を覆う布がゴム電極部よりも高い導電率を有する導電性布であり、ゴム電極部の厚肉部分に導通している場合には、生体測定電極装置の使用時に、電気信号の大部分は、ゴム電極部の厚肉部分から導電性布を経て、導電性糸を通り、信号処理回路に安定的に伝達される。
好ましくは、導電性布は、導電性接着剤によって、ゴム電極部の薄肉部分に接合されている。この場合、導電性接着剤によって、導電性布と薄肉部分の伝導状態が安定するので、電気信号が信号処理回路に安定的に伝達される。
好ましくは、前記導電性糸の端部と前記導電性布とを覆う絶縁性コーティングが配置されている。この場合、生体測定電極装置の使用時に、絶縁性コーティングによって導電性糸と導電性布が生体に接触するおそれが排除され、導電性糸と導電性布が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止される。
好ましくは、前記絶縁性コーティングは、前記厚肉部分の前記支持部材とは反対側の面よりも、前記支持部材の近くに配置されている。この場合、生体測定電極装置の使用時に、絶縁性コーティングは、生体から離間することになり、厚肉部分の生体への接触を阻害しない。したがって、厚肉部分の生体への広い対向面積を安定的に確保することができる。
好ましくは、前記ゴム電極部と前記支持部材との間には、絶縁性布が配置されており、前記導電性糸は、前記ゴム電極部と前記絶縁性布と前記支持部材とを貫通する。この場合、導電性糸は、ゴム電極部と絶縁性布を貫通する。ゴム電極部が低い強度の材料で形成されていたとしても、絶縁性布でゴム電極部が補強されているので、生体測定電極装置の製造時に、例えば縫い針を用いて導電性糸をゴム電極部に貫通させても、ゴム電極部の裂けを防止または低減することができる。また、導電性糸がゴム電極部と絶縁性布を貫通した後、導電性糸が支持部材を貫通する前に、導電性糸に横方向の力が与えられたとしても、導電性糸が貫通する絶縁性布で導電性糸の横移動が抑制されるため、ゴム電極部の裂けを防止または低減することができる。絶縁性布は絶縁性であるから、生体測定電極装置の使用時に、絶縁性布は、導電性糸を通って伝達される電気信号にノイズを与えない。
好ましくは、絶縁性布は、ゴム電極部に接合されている。この場合、絶縁性布とゴム電極部を有する電極ユニットを、支持部材に取り付ける前に、1つのブロックとして、取り扱うことができ、管理および運搬が容易である。また、生体測定電極装置の製造時に、導電性糸がゴム電極部と絶縁性布を貫通した後、導電性糸が支持部材を貫通する前に、絶縁性布がゴム電極部および導電性糸から脱落することが防止される。
好ましくは、前記絶縁性布は、前記支持部材に縫製糸で固定されている。この場合、生体測定電極装置の製造時に、絶縁性布を支持部材に縫製糸で縫製することにより、容易に固定することができる。
好ましくは、前記ゴム電極部の前記支持部材とは反対側の面には、導電性ゴムコーティングが接触しており、前記導電性ゴムコーティングは、導電体を含有するゴムで形成され、前記ゴム電極部よりも低い面抵抗率を有する。
この場合には、面抵抗率が低い導電性ゴムコーティングを生体に接触させることによって、生体からゴム電極への伝導性が向上し、生体からゴム電極への伝導状態が安定するので、電気信号が信号処理回路に安定的に伝達される。導電性ゴムコーティングは、ゴム弾性を有するため、生体から力を受けると生体の輪郭に順応して変形するため、導電性ゴムコーティング自体で、生体への広い接触面積を安定して確保することができる。このため、導電性ゲルまたは導電性クリームを使用することが必要ではなく、生体に不快感を与えることが少ない。また、導電性ゴムコーティングは、硬さが低く、熱伝導率が低いため、生体に与える不快感が少ない。さらに導電性ゴムコーティングは、導電性ゲルまたは導電性クリームに比べて、性質が安定しているため、長時間または繰り返し使用することができる。
本発明の第1実施形態に係る生体測定電極装置を示す斜視図である。 図1のII-II線矢視断面図である。 図2の一部を拡大した断面図である。 生体測定電極装置の電極ユニットを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る生体測定電極装置を示す断面図である。 図5の一部を拡大した断面図である。 本発明の第3実施形態に係る生体測定電極装置を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る生体測定電極装置を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施形態を説明する。図面において縮尺は、必ずしも実施形態の製品を正確に表してはおらず、一部の寸法を誇張して表現している場合もある。
下記の実施形態に係る生体測定電極装置は、例示として、人間の被験者の腕の複数の部位の表面筋電位を測定するために使用される。測定された表面筋電位は、例えば、筋電義手の動きの制御に使用されうる。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る生体測定電極装置1は、支持部材2を有する。支持部材2は、被験者の腕に巻かれて、腕に接触させられる布、皮革または合成皮革である。布は、織布でも、不織布でも、網でもよい。支持部材2は、ブレイス、サポーター、ベルトまたはバンドと呼ぶこともできる。図示の実施形態では、支持部材2には、例えば面ファスナーのようなファスナー4,6が設けられており、ファスナー4,6を用いて、支持部材2を腕の周りで固定することができる。但し、支持部材2は、伸縮性を有する布材料から形成されたエンドレスベルトまたはエンドレスバンドでもよい。本実施形態では、支持部材2は、被験者の腕に巻かれて、後述する電極ユニット8を被験者に押圧する力を電極ユニット8に与えるが、支持部材2は、被験者の腕に巻かれずに、電極ユニット8を被験者に押圧する荷重を電極ユニット8に与えてもよい。
生体測定電極装置1は、支持部材2の一方の面側に配置された複数の電極ユニット8と、支持部材2の他方の面側に配置された複数の信号処理回路10とを有する。図1においては、2つの電極ユニット8と2つの信号処理回路10が示されているが、電極ユニット8の数と信号処理回路10の数は3以上でもよい。これらの電極ユニット8と信号処理回路10は、一対一の関係で、それぞれ対応する。各信号処理回路10からはリード線12が延びている。
図2および図4に示すように、電極ユニット8は、ゴム電極部14、導電性ゴムコーティング20A,20B、導電性布22、および絶縁性布28を備える。
ゴム電極部14は、導電体を含有するゴムで形成されている。導電体としては、例えば炭素粒子であってもよいし、金属粒子であってもよいし、その他の導電体粒子であってもよい。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムであってよい。
ゴム電極部14は、互いに離間した一対の厚肉部分15A,15Bと、厚肉部分15A,15Bの間に配置された薄肉部分15Cとを有する。薄肉部分15Cの支持部材2側の面と、厚肉部分15A,15Bの支持部材2側の面は面一である。図2に示すように、生体測定電極装置1の使用時において、厚肉部分15A,15Bの支持部材2とは反対側の面が、被験者(生体)の腕Hに向けられ、薄肉部分15Cは、厚肉部分15A,15Bよりも腕Hから遠くに位置することになる。
図1、図2および図4から理解されるように、厚肉部分15A,15Bと薄肉部分15Cの各々は、矩形の板である。厚肉部分15A,15Bの各矩形の一辺の長さは5〜20mmであり、他辺の長さも5〜20mmである。厚肉部分15A,15B同士の間隔(電極ユニット8の長手方向における薄肉部分15Cの長さ)は、被験者の腕Hの損傷の程度、腕Hの太さ、またはその他の要因によって変わりうる。厚肉部分15A,15Bの厚さは、約1mmであり、薄肉部分15Cの厚さは、約0.5mmである。但し、各部分の形状は、矩形には限定されず、寸法も限定されない。
このようなゴム電極部14は、例えば、ゴム電極部14全体の形状に対応する内部空間を有する型を用いて、プレス成形または射出成形によって、形成してもよい。あるいは、1つの広い部品14Cに一対の部品14A,14Bを重ねて、ゴム電極部14を形成してもよい。図2において、符号Bで特定される仮想線は、部品14Cの一面、すなわち部品14A,14Bに対する境界面を示す。
導電性ゴムコーティング20A,20Bが、それぞれ厚肉部分15A,15Bに重ねられている。すなわち、ゴム電極部14の支持部材2とは反対側の面には、導電性ゴムコーティング20A,20Bが接触している。図2に示すように、生体測定電極装置1の使用時において、導電性ゴムコーティング20A,20Bが、腕Hに接触させられる。実施形態において、導電性ゴムコーティング20A,20Bの形状、電極ユニット8の長手方向における長さ、および電極ユニット8の幅方向における長さは、厚肉部分15A,15Bと同じである。導電性ゴムコーティング20A,20Bの厚さは、0.03〜0.1mmである。但し、導電性ゴムコーティング20A,20Bの形状は、矩形には限定されず、寸法も限定されない。
導電性ゴムコーティング20A,20Bは、導電体を含有するゴムで形成され、ゴム電極よりも低い面抵抗率を有する。導電体としては、例えば銀粒子、塩化銀粒子、金粒子、銅粒子、またはこれらのいずれかの組合せであってよい。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムであってよい。ゴム電極部14および導電性ゴムコーティング20A,20Bの材料の好ましい例としては、国際公開第2018/008688号に記載されている材料を使用してよい。
図2および図4に示すように、ゴム電極部14の薄肉部分15Cの支持部材2とは反対側には、導電性布22が配置されている。導電性布22は、導電性接着剤24によって、薄肉部分15Cの支持部材2とは反対側の面に接合されている。また、導電性布22の両端部は、それぞれゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに接触し、厚肉部分15A,15Bに導通している。導電性布22の厚さは、限定されないが、例えば、0.1mmである。
導電性布22は、ゴム電極部14よりも高い導電率を有する。例えば、導電性布22の基材は、綿または合成繊維から形成されている。基材は、織布でも、不織布でも、網でもよい。導電性布22は、例えば、銀粒子、金粒子などの金属粒子または金属化合物粒子を含有する導電性シリコーンゴムを基材に含浸させ硬化させることにより、形成することができる。導電性接着剤24は、例えば、銀粒子、金粒子などの金属粒子または金属化合物粒子を含有するエポキシ樹脂である。
ゴム電極部14の支持部材2側には、絶縁性布28が配置されている。したがって、図2に示すように、電極ユニット8を支持部材2に取り付けると、絶縁性布28は、ゴム電極部14と支持部材2との間に配置される。絶縁性布28は、ゴム電極部14よりも大きな面積を有しており、ゴム電極部14の支持部材2側の面全体を覆う。絶縁性布28は、絶縁性接着剤30によって、ゴム電極部14に接合されている。絶縁性布28は、綿または合成繊維から形成されている。絶縁性布28は、織布でも、不織布でも、網でもよい。絶縁性接着剤30は、例えば、エポキシ樹脂を含有する接着剤である。
図2に示すように、上記構成の電極ユニット8は、縫製糸35,36によって、支持部材2に固定されている。具体的には、電極ユニット8の絶縁性布28が、縫製糸35,36を用いた縫製によって、支持部材2に固定されている。縫製糸35,36の各縫い目は、絶縁性布28と支持部材2を貫通する。
電極ユニット8と、電極ユニット8に対応する信号処理回路10との電気的接続は、1本の導電性糸32によって達成されている。導電性糸32は、導電性布22、導電性接着剤24、ゴム電極部14の薄肉部分15C、絶縁性接着剤30、絶縁性布28、および支持部材2を貫通し、ゴム電極部14と信号処理回路10とを電気的に接続する。生体測定電極装置1の製造時に、例えば、縫い針(図示せず)を用いて、導電性糸32が上記の所要の要素を貫通するように縫うことによって、容易に生体測定電極装置1を製造することができる。
導電性糸32の一端部には、結び目(糸コブ、ノット)34が形成されている。結び目34は導電性布22の表面に接触させられる。導電性糸32の他端部は、例えば、導電性接着剤または半田で信号処理回路10に固定されている。したがって、電極ユニット8と支持部材2に対する導電性糸32の相対的な移動が抑制されている。結び目34を接着剤で導電性布22に固定してもよい。
電極ユニット8の2箇所、すなわち2つの導電性ゴムコーティング20A,20Bが腕Hに接触させられるが、電極ユニット8には1本の導電性糸32だけが設けられている。したがって、生体測定電極装置1の使用時において、信号処理回路10には、2つの導電性ゴムコーティング20A,20Bに由来する電気信号が合成されて、合成された電気信号が導電性糸32を通じて供給される。
信号処理回路10は、合成された電気信号を受けて当該電気信号を処理する。具体的には、信号処理回路10は、例えば、電気信号のノイズキャンセル処理と増幅処理を実行する。
ノイズキャンセル処理と増幅処理が施された電気信号は、リード線12を通じて、図示しない測定ユニットに供給される。測定ユニットは、複数の信号処理回路10から供給された電気信号の電位、すなわち腕の複数の表面筋電位を測定する。
導電性糸32は、ゴム電極部14よりも高い導電率を有する。導電性糸32は、例えば、銅またはステンレス鋼により形成されている。したがって、電気信号の伝達性を向上させることができる。導電性糸32は、撚糸でもよいが、好ましくは単糸であり、より好ましくは長手方向における異なる断面が一様な形状(例えば円形)と一様な断面積を有する。
導電性糸32だけでなく導電性布22も、ゴム電極部14よりも高い導電率を有する。したがって、図2および図3に点線で例示する電気信号の主経路Pが得られる。主経路Pは、2つの導電性ゴムコーティング20A,20Bから出発し、ゴム電極部14の2つの厚肉部分15A,15Bを経て、導電性布22で合流し、導電性糸32を経て、信号処理回路10に至る。ゴム電極部14の全体と導電性接着剤24も導電性を有するので、当然ながら、主経路P以外にも多くの電気信号の経路があるが、主経路Pは最も電流が流れやすい経路である。
ゴム電極部14の薄肉部分15Cの上には、導電性糸32の端部の結び目34と導電性布22とを覆う絶縁性コーティング26が配置されている。絶縁性コーティング26は、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bの支持部材2とは反対側の面よりも、支持部材2の近くに配置されている。絶縁性コーティング26は、接着剤で導電性布22に固定してもよい。
絶縁性コーティング26は、例えばシリコーン樹脂から形成されている。絶縁性コーティング26の厚さは、限定されないが、例えば、0.1mmである。
この生体測定電極装置1の製造においては、まずゴム電極部14を上記の通り作成する。そして、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに、導電性ゴムコーティング20A,20Bを積層させる。例えば、国際公開第2018/008688号に記載されているように、導電体粒子を含有するシリコーンゴムペーストを塗布し、次いで、シリコーンゴムペーストを硬化させてよい。
さらに、ゴム電極部14の薄肉部分15Cに、導電性接着剤24によって導電性布22を接合する。そして、ゴム電極部14の他面に、絶縁性接着剤30によって絶縁性布28を接合する。このようにして、図4に示す電極ユニット8が完成する。
次に、図2に示すように、電極ユニット8を支持部材2に載せる。そして、例えば、縫い針を用いて、導電性糸32を導電性布22、導電性接着剤24、ゴム電極部14の薄肉部分15C、絶縁性接着剤30、絶縁性布28、および支持部材2に貫通させる。さらに、導電性糸32の端部に、導電性糸32の抜け止めとして結び目34を形成する。結び目34を接着剤で導電性布22に固定してもよい。あるいは、結び目34を形成せずに、導電性糸32の端部を接着剤で導電性布22に固定してもよい。このようにして、電極ユニット8と信号処理回路10が、電気的にも機械的にも接続される。
次に、導電性糸32の他端部を、例えば、導電性接着剤または半田で信号処理回路10に固定する。さらに、縫製糸35,36を用いた縫製によって、電極ユニット8の絶縁性布28を支持部材2に固定する。このようにして、支持部材2に電極ユニット8が固定される。必要な数の電極ユニット8と信号処理回路10を支持部材2に取り付けることにより、生体測定電極装置1が完成する。
この実施形態では、ゴム電極部14と導電性ゴムコーティング20A,20Bを生体に向けて、生体測定電極装置1を使用することができる。ゴム電極部14と導電性ゴムコーティング20A,20Bは、ゴム弾性を有するため、生体から力を受けると生体の輪郭に順応して変形するため、ゴム電極部14自体で、生体への広い対向面積を安定して確保することができ、導電性ゴムコーティング20A,20B自体で、生体への広い接触面積を安定して確保することができる。このため、導電性ゲルまたは導電性クリームを使用することが必要ではなく、生体に不快感を与えることが少ない。また、ゴム電極部14と導電性ゴムコーティング20A,20Bは、硬さが低く、熱伝導率が低いため、生体に与える不快感が少ない。さらにゴム電極部14と導電性ゴムコーティング20A,20Bは、導電性ゲルまたは導電性クリームに比べて、性質が安定しているため、長時間または繰り返し使用することができる。
ゴム電極部14と信号処理回路10との電気的接続には、ゴム電極部14と支持部材2とを貫通する導電性糸32が使用される。生体測定電極装置1の製造時に、例えば縫い針を用いて、導電性糸32がゴム電極部14と支持部材2とを貫通するように縫うことによって、容易に生体測定電極装置1を製造することができる。
支持部材2は、生体の部位に接触させられる布、皮革または合成皮革である。したがって、生体測定電極装置1の製造時に、導電性糸32が布、皮革または合成皮革である支持部材2を容易に貫通することができる。
導電性糸32は、ゴム電極部14よりも高い導電率を有する。したがって、電気信号の伝達性を向上させることができる。
ゴム電極部14は、薄肉部分15Cと厚肉部分15A,15Bを有しており、薄肉部分15Cの支持部材2側の面と、厚肉部分15A,15Bの支持部材2側の面は面一である。生体測定電極装置1の使用時に、厚肉部分15A,15Bが生体に向けられ、薄肉部分15Cを貫通する導電性糸32が生体に接触するおそれが少ない。したがって、導電性糸32が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止されるか、ノイズの発生の頻度が低減する。
また、互いに離間した厚肉部分15A,15Bの間に、薄肉部分15Cが配置されているので、薄肉部分15Cを貫通する導電性糸32が生体に接触するおそれが少ない。したがって、導電性糸32が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止されるか、ノイズの発生の頻度が低減する。さらに、薄肉部分15Cを挟んで互いに離間した厚肉部分15A,15Bが生体に向けられるため、生体測定電極装置1の接触圧が厚肉部分15A,15Bでバランスよく均一化され、生体への接触状態が安定し、電気信号が安定する。
ゴム電極部14の薄肉部分15Cの支持部材2とは反対側には、布(この実施形態では導電性布22)が配置されており、導電性糸32は、ゴム電極部14の薄肉部分15Cを覆う布と薄肉部分15Cを貫通する。ゴム電極部14が低い強度の材料で形成されていたとしても、薄肉部分15Cを覆う布で薄肉部分15Cが補強されているので、生体測定電極装置1の製造時に、例えば縫い針を用いて導電性糸32を薄肉部分15Cに貫通させても、薄肉部分15Cの裂けを防止または低減することができる。
この実施形態では、その布は、ゴム電極部14よりも高い導電率を有する導電性布22であり、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに導通している。したがって、主経路Pの説明として上記した通り、生体測定電極装置1の使用時に、電気信号の大部分は、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bから導電性布22を経て、導電性糸32を通り、信号処理回路10に安定的に伝達される。第1実施形態のこの効果については、第2実施形態に関連して、詳しく後述する。
導電性布22は、導電性接着剤24によって、ゴム電極部14の薄肉部分15Cに接合されている。導電性接着剤24によって、導電性布22と薄肉部分15Cの導電状態が安定するので、電気信号が信号処理回路10に安定的に伝達される。
この実施形態では、導電性糸32の端部と導電性布22とを覆う絶縁性コーティング26が配置されている。したがって、生体測定電極装置1の使用時に、絶縁性コーティング26によって導電性糸32と導電性布22が生体に接触するおそれが排除され、導電性糸32と導電性布22が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止される。
絶縁性コーティング26は、厚肉部分15A,15Bの支持部材2とは反対側の面よりも、支持部材2の近くに配置されている。すなわち、生体測定電極装置1の使用時に、絶縁性コーティング26は、生体から離間することになり、厚肉部分15A,15Bの生体への接触を阻害しない。したがって、厚肉部分15A,15Bの生体への広い対向面積を安定的に確保することができる。
ゴム電極部14と支持部材2との間には、絶縁性布28が配置されており、導電性糸32は、ゴム電極部14と絶縁性布28と支持部材2とを貫通する。ゴム電極部14が低い強度の材料で形成されていたとしても、絶縁性布28でゴム電極部14が補強されているので、生体測定電極装置1の製造時に、例えば縫い針を用いて導電性糸32をゴム電極部14に貫通させても、ゴム電極部14の裂けを防止または低減することができる。また、導電性糸32がゴム電極部14と絶縁性布28を貫通した後、導電性糸32が支持部材2を貫通する前に、導電性糸32に横方向の力が与えられたとしても、導電性糸32が貫通する絶縁性布28で導電性糸32の横移動が抑制されるため、ゴム電極部14の裂けを防止または低減することができる。絶縁性布28は絶縁性であるから、生体測定電極装置1の使用時に、絶縁性布28は、導電性糸32を通って伝達される電気信号にノイズを与えない。
絶縁性布28は、ゴム電極部14に接合されている。したがって、絶縁性布28とゴム電極部14を有する電極ユニット8を、支持部材2に取り付ける前に、1つのブロックとして、取り扱うことができ、管理および運搬が容易である。また、生体測定電極装置1の製造時に、導電性糸32がゴム電極部14と絶縁性布28を貫通した後、導電性糸32が支持部材2を貫通する前に、絶縁性布28がゴム電極部14および導電性糸32から脱落することが防止される。この実施形態では、絶縁性接着剤30によって、絶縁性布28がゴム電極部14に接合されているが、他の取付け手段、例えばネジまたはステープルで、絶縁性布28がゴム電極部14に接合されてもよい。
絶縁性布28は、支持部材2に縫製糸35,36で固定されている。したがって、生体測定電極装置1の製造時に、絶縁性布28を支持部材2に縫製糸35,36で縫製することにより、容易に固定することができる。但し、他の取付け手段、例えばネジまたはステープルで、絶縁性布28が支持部材2に固定されてもよい。
ゴム電極部14の支持部材2とは反対側の面には、導電性ゴムコーティング20A,20Bが接触しており、導電性ゴムコーティング20A,20Bは、導電体を含有するゴムで形成され、ゴム電極部14よりも低い面抵抗率を有する。面抵抗率が低い導電性ゴムコーティング20A,20Bを生体に接触させることによって、生体からゴム電極への導電性が向上し、生体からゴム電極への導電状態が安定するので、電気信号が信号処理回路10に安定的に伝達される。
第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る生体測定電極装置1を示す。図5は、図2と同様に、図1のII-II線矢視断面図である。図5以降の図面において、すでに説明した構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
この実施形態では、電極ユニット8の代わりに電極ユニット40が設けられている。電極ユニット40においては、第1実施形態の導電性布22の代わりに絶縁性布42が設けられ、導電性接着剤24の代わりに絶縁性接着剤44が設けられている。具体的には、ゴム電極部14の薄肉部分15Cの支持部材2とは反対側には、絶縁性布42が配置されている。絶縁性布42は、絶縁性接着剤44によって、薄肉部分15Cの支持部材2とは反対側の面に接合されている。また、絶縁性布42の両端部は、それぞれゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。絶縁性布42の厚さは、限定されないが、例えば、0.1mmである。
第2実施形態に係る生体測定電極装置1の製造においては、第1実施形態と同じく、まずゴム電極部14を上記の通り作成し、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに、導電性ゴムコーティング20A,20Bを積層させる。
さらに、ゴム電極部14の薄肉部分15Cに、絶縁性接着剤44によって絶縁性布42を接合する。そして、ゴム電極部14の他面に、絶縁性接着剤30によって絶縁性布28を接合する。このようにして、電極ユニット40が完成する。
次に、図電極ユニット40を支持部材2に載せる。そして、例えば、縫い針を用いて、導電性糸32を絶縁性布42、絶縁性接着剤44、ゴム電極部14の薄肉部分15C、絶縁性接着剤30、絶縁性布28、および支持部材2に貫通させる。さらに、導電性糸32の端部に、導電性糸32の抜け止めとして結び目34を形成する。結び目34を接着剤で絶縁性布42に固定してもよい。あるいは、結び目34を形成せずに、導電性糸32の端部を接着剤で絶縁性布42に固定してもよい。このようにして、電極ユニット40と信号処理回路10が、電気的にも機械的にも接続される。
次に、導電性糸32の他端部を、例えば、導電性接着剤または半田で信号処理回路10に固定する。さらに、縫製糸35,36を用いた縫製によって、電極ユニット40の絶縁性布28を支持部材2に固定する。このようにして、支持部材2に電極ユニット40が固定される。必要な数の電極ユニット40と信号処理回路10を支持部材2に取り付けることにより、生体測定電極装置1が完成する。
導電性糸32の端部の結び目34は、厚肉部分15A,15Bの支持部材2とは反対側の面よりも、支持部材2の近くに配置されている。すなわち、生体測定電極装置1の使用時に、導電性糸32は、生体(ここでは被験者の腕H)から離間することになり、厚肉部分15A,15Bの生体への接触を阻害しない。したがって、厚肉部分15A,15Bの生体への広い対向面積を安定的に確保することができる。また、導電性糸32は、生体から離間することになるため、導電性糸32が生体に接触することにより生じうるノイズの発生が防止されるか、ノイズの発生の頻度が低減する。
この実施形態では、第1実施形態の導電性布22の代わりに絶縁性布42が使用されているので、第1実施形態の絶縁性コーティング26は設けられていない。但し、導電性糸32が生体に接触するのを確実に防止するため、絶縁性コーティング26または絶縁性接着剤などの絶縁体で導電性糸32の端部を覆ってもよい。
この実施形態によれば、上記の第1実施形態の効果と同じ様々な効果を達成することができる。但し、信号処理回路10に供給される電気信号の安定性に関しては、第1実施形態が第2実施形態より優れている。この点に関して、次に詳述する。
この実施形態では、薄肉部分15Cに重ねられた布42および接着剤44が絶縁性である。したがって、図5および図6に点線で例示する電気信号の主経路Pが得られる。主経路Pは、2つの導電性ゴムコーティング20A,20Bから出発し、ゴム電極部14の2つの厚肉部分15A,15Bを経て、導電性糸32で合流し、導電性糸32を経て、信号処理回路10に至る。ゴム電極部14の全体が導電性を有するので、当然ながら、主経路P以外にも多くの電気信号の経路があるが、主経路Pは最も電流が流れやすい経路である。
この実施形態では、薄肉部分15Cを覆う布42が絶縁性であるので、生体測定電極装置1の使用時に、電気信号の大部分は、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bから導電性糸32を経て、信号処理回路10に伝達されるが、薄肉部分15Cを貫通する導電性糸32と薄肉部分15Cの接触状態によっては、電気信号が信号処理回路10に安定的に伝達されないおそれや、電気信号にノイズが混入するおそれがある。図6に拡大して示すように、薄肉部分15Cには、導電性糸32を貫通させるために形成された貫通孔46が形成され、貫通孔46の内径は、導電性糸32の外径よりもわずかに大きい。したがって、導電性糸32の長手方向において、導電性糸32と薄肉部分15Cに接触する位置が、人体の動きなどの外力に起因するゴム電極部14の動きまたは変形によって、容易に変わりうる。例えば、図6に例示する右側の信号の主経路Pは、常に一定位置にあるとは限らず、左側の信号の主経路Pも、常に一定位置にあるとは限らない。この接触状態の不安定性が電気信号の不安定性またはノイズの原因となりうる。
一方、第1実施形態では、図2および図3に示すように、薄肉部分15Cを覆う布がゴム電極部14よりも高い導電率を有する導電性布22であり、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bに導通している。このため、生体測定電極装置1の使用時に、電気信号の大部分は、図2および図3で信号の主経路Pとして示すように、ゴム電極部14の厚肉部分15A,15Bから導電性布22を経て、導電性糸32を通り、信号処理回路10に安定的に伝達される。図3に拡大して示すように、薄肉部分15Cには、導電性糸32を貫通させるために形成された貫通孔46が形成され、貫通孔46の内径は、導電性糸32の外径よりもわずかに大きい。しかし、導電性布22は、繊維から形成されているので、導電性糸32の全周にわたって、さらには導電性糸32の長手方向において、均一に接触する。このため、ゴム電極部14の動きまたは変形があっても、図3に例示する右側の信号の主経路Pは、常にほぼ一定の位置にあり、左側の信号の主経路Pも、常にほぼ一定の位置にある。この信号の主経路の不変性のため、電気信号は安定的に伝達される。
第3実施形態
図7は、本発明の第3実施形態に係る生体測定電極装置1を示す。図7は、図2と同様に、図1のII-II線矢視断面図である。
この実施形態では、電極ユニット8の代わりに電極ユニット50が設けられている。電極ユニット50は、ゴム電極部14のみから構成されている。また、ゴム電極部14には、1つの厚肉部分15Aのみが形成されている。導電性糸32は、ゴム電極部14の薄肉部分15Cと支持部材2を貫通して、ゴム電極部14と信号処理回路10を電気的および機械的に接続する。
この実施形態では、ゴム電極部14を生体に接触させて、生体測定電極装置1を使用することができる。ゴム電極部14は、ゴム弾性を有するため、生体から力を受けると生体の輪郭に順応して変形するため、ゴム電極部14自体で、生体への広い接触面積を安定して確保することができる。このため、導電性ゲルまたは導電性クリームを使用することが必要ではなく、生体に不快感を与えることが少ない。また、ゴム電極部14は、硬さが低く、熱伝導率が低いため、生体に与える不快感が少ない。さらにゴム電極部14は、導電性ゲルまたは導電性クリームに比べて、性質が安定しているため、長時間または繰り返し使用することができる。
ゴム電極部14と信号処理回路10との電気的接続には、ゴム電極部14と支持部材2とを貫通する導電性糸32が使用される。生体測定電極装置1の製造時に、例えば縫い針を用いて、導電性糸32がゴム電極部14と支持部材2とを貫通するように縫うことによって、容易に生体測定電極装置1を製造することができる。
第4実施形態
図8は、本発明の第4実施形態に係る生体測定電極装置1を示す。図8は、図1と同様に、生体測定電極装置1の斜視図である。図8の点線の矩形内の図は、図8のVIII-VIII線矢視断面図である。
第4実施形態においては、ゴム電極部14の代わりにゴム電極部64が設けられ、導電性ゴムコーティング20A,20Bの代わりに、導電性ゴムコーティング66が設けられている。ゴム電極部64は、円環形または楕円環形の厚肉部分65Aと、円形または楕円形の薄肉部分65Bを有する。円環形または楕円環形の導電性ゴムコーティング66が厚肉部分65Aに重ねられている。
ゴム電極部64の材料は、ゴム電極部14と同じでよい。導電性ゴムコーティング66の材料は、導電性ゴムコーティング20A,20Bと同じでよい。
ゴム電極部64は、例えば、ゴム電極部64全体の形状に対応する内部空間を有する型を用いて、プレス成形または射出成形によって、形成してもよい。あるいは、1つの円板または楕円板に1つの円環形または楕円環形の部品を重ねて、ゴム電極部64を形成してもよい。
生体測定電極装置1の使用時においては、円環形または楕円環形の導電性ゴムコーティング66が、腕Hに接触させられる。薄肉部分65B、ならびにその上の導電性布22、導電性接着剤24、および絶縁性コーティング26は、腕Hに接触しない。
この実施形態では、ゴム電極部64と導電性ゴムコーティング66を生体に向けて、生体測定電極装置1を使用することができる。ゴム電極部64と導電性ゴムコーティング66は、ゴム弾性を有するため、生体から力を受けると生体の輪郭に順応して変形するため、ゴム電極部64自体で、生体への広い対向面積を安定して確保することができ、導電性ゴムコーティング66自体で、生体への広い接触面積を安定して確保することができる。このため、導電性ゲルまたは導電性クリームを使用することが必要ではなく、生体に不快感を与えることが少ない。また、ゴム電極部64と導電性ゴムコーティング66は、硬さが低く、熱伝導率が低いため、生体に与える不快感が少ない。さらにゴム電極部64と導電性ゴムコーティング66は、導電性ゲルまたは導電性クリームに比べて、性質が安定しているため、長時間または繰り返し使用することができる。
ゴム電極部64と信号処理回路10との電気的接続には、ゴム電極部64の薄肉部分65Bと支持部材2とを貫通する導電性糸32が使用される。生体測定電極装置1の製造時に、例えば縫い針を用いて、導電性糸32がゴム電極部64と支持部材2とを貫通するように縫うことによって、容易に生体測定電極装置1を製造することができる。
他の変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
実施形態に係る生体測定電極装置は、例示として、人間の被験者の腕の複数の部位の表面筋電位を測定するために使用される。しかし、本発明に係る生体測定電極装置は、人間以外の生体にも使用可能である。
また、本発明に係る生体測定電極装置は、生体の下肢の複数の部位の表面筋電位を測定するために使用してもよい。測定された下肢の表面筋電位は、例えば、筋電義足の動きの制御に使用されうる。
また、本発明に係る生体測定電極装置は、生体の頭部または頸部の表面電位を測定するために使用してもよい。測定された頭部の表面電位は、例えば、脳波の変化の推定に使用されうる。
また、本発明に係る生体測定電極装置は、生体の胴部または腹部の表面電位を測定するために使用してもよい。測定された各種の部位の表面電位は、例えば、心電図波形、肺活量、または体脂肪率の推定に使用されうる。
1 生体測定電極装置
2 支持部材
4,6 ファスナー
8,40,50,60 電極ユニット
10 信号処理回路
12 リード線
14,64 ゴム電極部
15A,15B,65A 厚肉部分
15C,65B 薄肉部分
20A,20B,66 導電性ゴムコーティング
22 導電性布
24 導電性接着剤
26 絶縁性コーティング
28 絶縁性布
30 絶縁性接着剤
32 導電性糸
34 結び目
35,36 縫製糸
42 絶縁性布
44 絶縁性接着剤
46 貫通孔
H 被験者(生体)の腕
P 信号の主経路

Claims (11)

  1. 導電体を含有するゴムで形成されたゴム電極部と、
    前記ゴム電極部からの電気信号を受けて当該電気信号を処理する信号処理回路と、
    前記ゴム電極部が一方の面側に配置され、前記信号処理回路が他方の面側に配置された支持部材と、
    前記ゴム電極部と前記支持部材とを貫通し、前記ゴム電極部と前記信号処理回路とを電気的に接続する導電性糸と
    を備えることを特徴とする生体測定電極装置。
  2. 前記支持部材は、生体の部位に接触させられる布、皮革または合成皮革である
    ことを特徴とする請求項1に記載の生体測定電極装置。
  3. 前記導電性糸は、前記ゴム電極部よりも高い導電率を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の生体測定電極装置。
  4. 前記ゴム電極部は、薄肉部分と厚肉部分を有しており、
    前記薄肉部分の前記支持部材側の面と、前記厚肉部分の前記支持部材側の面は面一であり、
    前記導電性糸は、前記薄肉部分と前記支持部材とを貫通する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の生体測定電極装置。
  5. 前記ゴム電極部の前記薄肉部分の前記支持部材とは反対側には、布が配置されており、
    前記導電性糸は、前記布と前記薄肉部分と前記支持部材とを貫通する
    ことを特徴とする請求項4に記載の生体測定電極装置。
  6. 前記布は、前記ゴム電極部よりも高い導電率を有する導電性布であり、前記ゴム電極部の厚肉部分に導通している
    ことを特徴とする請求項5に記載の生体測定電極装置。
  7. 前記導電性糸の端部と前記導電性布とを覆う絶縁性コーティングが配置されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の生体測定電極装置。
  8. 前記絶縁性コーティングは、前記厚肉部分の前記支持部材とは反対側の面よりも、前記支持部材の近くに配置されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の生体測定電極装置。
  9. 前記ゴム電極部と前記支持部材との間には、絶縁性布が配置されており、
    前記導電性糸は、前記ゴム電極部と前記絶縁性布と前記支持部材とを貫通する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の生体測定電極装置。
  10. 前記絶縁性布は、前記支持部材に縫製糸で固定されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の生体測定電極装置。
  11. 前記ゴム電極部の前記支持部材とは反対側の面には、導電性ゴムコーティングが接触しており、
    前記導電性ゴムコーティングは、導電体を含有するゴムで形成され、前記ゴム電極部よりも低い面抵抗率を有する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の生体測定電極装置。
JP2018018810A 2018-02-06 2018-02-06 生体測定電極装置 Active JP7078414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018018810A JP7078414B2 (ja) 2018-02-06 2018-02-06 生体測定電極装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018018810A JP7078414B2 (ja) 2018-02-06 2018-02-06 生体測定電極装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019136055A true JP2019136055A (ja) 2019-08-22
JP7078414B2 JP7078414B2 (ja) 2022-05-31

Family

ID=67692421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018018810A Active JP7078414B2 (ja) 2018-02-06 2018-02-06 生体測定電極装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7078414B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021112559A (ja) * 2020-01-16 2021-08-05 ピーレンケンパー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 電気刺激又は診断機器のデータ検出のための、少なくとも1つの電極ユニットを有する装置
WO2021199825A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 オムロンヘルスケア株式会社 ベルト、及び、心電測定装置
WO2022185781A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 ソニーグループ株式会社 生体電位計測電極および生体情報計測装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005521458A (ja) * 2002-03-29 2005-07-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 突起をもつ電極を有するモニタリングシステム
JP3153409U (ja) * 2009-06-23 2009-09-03 財団法人大阪バイオサイエンス研究所 ドライ式生体信号検出用電極
US20090227856A1 (en) * 2007-12-21 2009-09-10 Brian Keith Russell Electrocardiogram sensor
WO2018008688A1 (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 Nok株式会社 生体電極及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005521458A (ja) * 2002-03-29 2005-07-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 突起をもつ電極を有するモニタリングシステム
US20090227856A1 (en) * 2007-12-21 2009-09-10 Brian Keith Russell Electrocardiogram sensor
JP3153409U (ja) * 2009-06-23 2009-09-03 財団法人大阪バイオサイエンス研究所 ドライ式生体信号検出用電極
WO2018008688A1 (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 Nok株式会社 生体電極及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021112559A (ja) * 2020-01-16 2021-08-05 ピーレンケンパー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 電気刺激又は診断機器のデータ検出のための、少なくとも1つの電極ユニットを有する装置
JP7110312B2 (ja) 2020-01-16 2022-08-01 ピーレンケンパー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 電気刺激又は診断機器のデータ検出のための、少なくとも1つの電極ユニットを有する装置
JP7446368B2 (ja) 2020-01-16 2024-03-08 ピーレンケンパー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 電気刺激又は診断機器のデータ検出のための、少なくとも1つの電極ユニットを有する装置
WO2021199825A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 オムロンヘルスケア株式会社 ベルト、及び、心電測定装置
JP7404975B2 (ja) 2020-03-31 2023-12-26 オムロンヘルスケア株式会社 ベルト、及び、心電測定装置
WO2022185781A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 ソニーグループ株式会社 生体電位計測電極および生体情報計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7078414B2 (ja) 2022-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019136055A (ja) 生体測定電極装置
EP1578482B1 (en) Electrode arrangement
CA2804331C (en) Textile electrode
US11101586B2 (en) Printed circuit board biosensing garment connector
JP4609923B2 (ja) 弾性着衣
US20070285868A1 (en) Sensor arrangement
DE102012106893B4 (de) Elektrode und Messeinrichtung zum Erfassen von biomedizinischen Vitalparametern
WO2016205881A1 (en) Anisotropically conductive material for use with a biological surface
US20050267456A1 (en) Neutral electrode for use in HF surgery
JP2015100673A (ja) 生体電気信号モニタ用衣類
JP6220016B2 (ja) 生体電気信号モニタ用衣類
US20180008817A1 (en) Biological electrode and biological electrode-equipped wearing tool
US11918059B2 (en) Textile product with skin-contact element and/or establishing external contact with the skin-contact element, and method for producing the same
JP2018198920A (ja) 生体センサおよび生体センサの製造方法
KR102398636B1 (ko) 전기 자극 패드
JP7446368B2 (ja) 電気刺激又は診断機器のデータ検出のための、少なくとも1つの電極ユニットを有する装置
JP6808897B2 (ja) 生体信号検出装具および生体信号検出方法
CN111493817A (zh) 具延展性的柔性感测装置
JP2821265B2 (ja) インピーダンス補償を有する電気刺激の電極
CN109640808A (zh) 具有可旋转柔性电极的医疗设备
KR102397139B1 (ko) 전도성 수지를 이용한 뇌파측정 헤드모듈
WO2020037706A1 (zh) 一种足下垂功能性电刺激治疗仪
Merritt Electronic textile-based sensors and systems for long-term health monitoring
US20240090600A1 (en) Wearable electronic garments and methods of making same
JP6713921B2 (ja) ウェアラブルデバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7078414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150