JP6220016B2 - 生体電気信号モニタ用衣類 - Google Patents

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本発明は、衣服に取り付けられた生体信号を測定するための生体電極を、生体の表面に密着させ、受信した生体信号の品質を向上・安定化させるための手段を備えた生体電気信号モニタ用衣類に関する。
近年の無線電子機器の小型化とネットワークインフラの高度化により、心拍、心電、体温、体動、脈波、血圧等に代表されるバイタルデータの常時モニタおよびクラウドと連携させたヘルスクラウドサービスが実現されつつある。これらのシステムの中でデータの入口となるセンサーで受信される信号品質は、重要項目の一つである。特にセンサーの常時装着方法として生体電極の取り付けられた衣類が有望視されている(例えば、非特許文献1参照)。
C. Park, P. H. Chou, Y. Bai, R. Matthews, and A. Hibbs, "An ultra-wearable, wireless, low power ECG monitoring system," in Proc. IEEE Biomedical Circuit System Conf., London, U.K., Nov. 2006, pp.241-244
しかしながら、既定サイズの衣類(シャツやパンツなどの下着)において、衣類の内側に生体信号受信用電極が取り付けられている場合、人の体動、姿勢または体格差などによって、生体信号の取得に必要な密着を得られないという問題があった。
図17に示すように人間や動物の生体信号の受信信号品質は、各部のインピーダンスの増大による劣化を如何に抑制できるかにより定まる。特に、図17中の両端矢印の範囲で示す皮膚から生体電極の間の(102〜104)のインピーダンスは、皮膚、電解液および生体電極の接触具合によって、変動すると考えられる。尚、ここでは、皮膚と生体電極部の界面で規定される接触の程度を、”有効接触面積”と呼ぶ指標で表現する。
凹凸を有するA、B2つの物体の界面は、図18に示すように表現できる。物体AおよびBの界面部分が変形する場合、図19の(a)と(b)に示すように、接触圧が大きい場合(a)に比べ、接触圧が小さい場合(b)においては、接触断面積S2はS1に比べて減少し(S1>S2)、ギャップが増大(L1<L2)することから、インピーダンスは抵抗成分であっても容量成分であっても増大すると考えられる。また、lq1およびlq2で示すようにギャップ中に液体が充填されている場合も同様である。
ここで、”有効接触面積”は、正弦波信号を物体AとBの間に印加したときのインピーダンスの値を測定することにより、その大小を測定することが出来る。接触圧が体動やサイズの不適合によって、低下する場合は、図19に示した(a)から(b)の状態へ移行し、”有効接触面積”が低下し、結果としてインピーダンスの増大を招き、受信生体信号の品質のばらつき、劣化が生じることになる。
図20は、生体電極を備えた生体電気信号モニタ用衣類を身に着けた際の生体電極と人体との接触状態を表す図である。図20(a)の生体電気信号モニタ用衣類は、衣服(10)、心電/心拍計などの生体信号を測定する生体信号測定装置(11)、生体電極(12)、(13)、配線(14)、(15)から構成されている。図20(b)に示すように生体電極が人体(100)に密着している状態が理想であるが、生体電極が人体に接触した際の接触圧が足りない場合には、図20(c)に示すように生体電極と人体との間に発生する空隙(106、107)によって密着度が低下してしまう。
一方、上記の生体電極と人体の間の空隙(106)および(107)を無くし、密着度を向上させるためにサイズの小さい衣類を用いたり、人体全体を圧迫する衣類を用いたりしてしまうと、人体に生じる不快感によって装着負荷が増大し、長時間の生体信号モニタが困難になってしまうという問題があった。
上記課題を解決するため、本発明の生体電気信号モニタ用衣類は、衣服と、その衣服の所定の位置に設置され、前記衣服を身に付けた生体に接触したときにその生体の生体電気信号を検出する電極とを有し、前記衣服は、少なくとも前記電極の設置場所を含む領域に伸縮性を有する生地を備え、前記伸縮性を有する生地の前記電極の設置場所の周辺部を伸ばした状態で固定して、前記電極を前記生体に密着させる密着手段を備える。
前記密着手段は、前記伸縮性を有する生地の表面に備えられ、互いに係合可能な複数の係合部材を含んでもよい。
前記密着手段は、前記伸縮性を有する生地の周囲の少なくとも一部に備えられ、前記衣服の周囲から前記生体を締め付ける締付部材と、前記締付部材を所定の長さで固定する固定部材とを有してもよい。
前記密着手段は、前記電極と前記伸縮性を有する生地の間に備えられ、前記電極を前記生体に押圧する押圧部材を含んでもよい。
前記密着手段は、前記生体と前記衣服のそれぞれに備えられ、互いに嵌合する嵌合部材を含んでもよい。
前記電極が前記生体を押圧する際の圧力を測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づき前記密着手段における前記伸縮性を有する生地の伸縮状態を調整する調整手段とをさらに備えてもよい。
前記衣服は、前記衣服の表面を形成する第1の生地と、前記伸縮性を有する生地であって、前記第1の生地の生体側に備えられた第2の生地とを備え、前記電極は前記衣服の前記第2の生地に設置されていてもよい。
前記衣服は、少なくとも前記電極の設置場所を含む領域の少なくとも一部に、前記衣服の形状を維持する形状維持手段をさらに備えてもよい。
以上のように、本発明によれば、生体(人体など)と生体信号(心電/心拍/呼吸/脈波/体温/筋電等)を受信する電極の密着度を確保しつつ、衣類(シャツやパンツ等)の締め付けを局所的に行うことができるため、装着負荷の低減と受信信号の品質向上を両立させることが可能となる。
図1は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図2は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図3は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図4は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図5は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図6は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図7は、本願発明の第の実施の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図8は、本願発明の第の実施の形態に係る生体電極を人体に押圧する際の着圧を測定及び調整する手段の構成例を表す図である。 図9は、本願発明の第の実施の形態に係る生体電極を人体に押圧する際の着圧を測定する着圧センサーの構成例を表す図である。 図10は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図11は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。 図12は、本願発明の参考の形態に係る生体電極を備えた衣服の形状を維持する手段を備えた生体電気信号モニタ用衣類の構成例を表す図である。 図13は、本願発明の参考の形態に係る生体電極を備えた衣服の形状を維持する手段として形状記憶材料を用いた生体電気信号モニタ用衣類の構成例を表す図である。 図14は、本願発明の実施の形態に係る生体電極を備えた衣服の生地に水分、熱吸収により収縮する生地を用いた生体電気信号モニタ用衣類の構成例を表す図である。 図15は、本願発明の実施の形態に係る生体電極を備えた衣服に余長を調整する手段を備えた生体電気信号モニタ用衣類の構成例を表す図である。 図16は、本願発明の実施の形態に係る生体電極を備えた衣服に電極設置場所を覆う被覆手段を備えた生体電気信号モニタ用衣類の構成例を表す図である。 図17は、生体電極により人体の生体信号を受信する際のインピーダンスを説明するための図である。 図18は、二つの物体が接触する際の界面の状態を説明するための模式図である。 図19は、二つの物体が接触する際の界面の状態とインピーダンスの関係を説明するための模式図である。 図20は、従来の生体電気信号モニタ用衣類における生体電極と人体の接触状態を説明するための図である。
以下、本願発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本願発明は、以下の実施形態に限定されない。
<参考の形態>
図1は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。図1の生体電気信号モニタ用衣類は、生体(100)(人間や動物など)と生体信号(心電/心拍/呼吸/脈波/体温/筋電/脳波/眼球電位/血圧等)を受信する生体電極(12、13)の密着度(着圧)を確保しつつ、局所的にシャツやパンツ等の衣服(10)の締め付けを行うことが出来る構成を有する。
生体電気信号モニタ用衣類は、衣服(10)、生体信号を測定し、生体信号を記録、通信することが可能な生体信号測定装置(11)、PEDOT−PSSのような導電性高分子または、銀などの金属をコートした糸やそれを用いた布で構成される生体電極(12、13)、配線(14、15)から構成され、さらに、少なくとも生体電極(12、13)の設置場所を含む領域には、人体(100)と生体電極(12、13)の密着度を向上させるためのストレッチ生地等の伸縮性を有する生地(20)と、これに縫製された面ファスナー等の着脱可能な係合部材、例えば、面ファスナーのループ(21)とフック(22)とを備え、この伸縮性を有する生地(20)を伸ばした状態で、面ファスナー等の係合部材(21、22)を互いに係合することにより、生体(100)を締め付けて、生体電極(12、13)を人体(100)に押圧し、生体電極の人体への密着度を向上させる。
尚、図1における係合部材である面ファスナーは、ループとフックが逆でも良く、また、着脱可能で互いに係合、固定できる係合部材であれば、金属製のスナップボタンやホック等の他の係合部材であってもよい。
本参考の形態の構成を用いて、生体電極(12、13)の人体(100)への着圧を向上した状態を図1(c)(d)に示す。これらの図面から分かるように、衣服における伸縮性を有する生地を備えた領域に、生体を締め付けるための係合部材を備え、その係合部材を互いに係合させることにより、生体電極の人体への着圧を向上させることが可能となる。
<参考の形態>
図2は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。図2の生体電気信号モニタ用衣類は、前記参考の形態において述べた伸縮性を有する生地(20)と係合部材(21、22)とから構成される構成において、伸縮性を有する生地(20)を手で引っ張り、伸ばした状態で、係合部材(23)を係合、固定する位置を複数箇所(24、25、26)設けることにより、生体電極(12、13)周辺の密着の程度を調整し、生体電極のより望ましい生体(100)への接触状態を実現するものである。
尚、係合部材は、前記参考の形態と同様に、ストレッチ生地の異なる場所に縫製された面ファスナー、金属製のスナップボタンやフック等を用いて構成する。
図2(a)(b)は、締め付けを行っていない状態を示し、図2(c)(d)は、係合部材を複数箇所設けた状態で、中間の締め付け程度を実現する状態を示している。このように、係合部材(23)と係合部材(24、25、26)の係合する位置を可変とすることにより、締め付けの程度を調整することが可能になる。
参考の実施の形態>
図3は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。図3の生体電気信号モニタ用衣類は、生体電極を生体に押圧して密着させる手段として、伸縮性を有する布やゴムひもなどの締付部材(30)を人体及び衣類の周囲に備え、この伸縮性を有する締付部材の端部を、面ファスナー、ファスナー、ストレッチ布、フック、コードストッパ、バックル、スナップボタン、ストラップ等の固定部材を用いて固定することにより、衣服の周囲から生体を締め付けた状態で固定するものである。
生体電極(12)(13)の周囲の衣服(10)および生地(20)に引っ張りテンションをかけたのちに、締付部材(30)及び固定部材(31)で固定することで、生体電極(12)、(13)の人体(100)への着圧を一定の範囲に保つことができる。また、固定部材(31)は固定する位置を可変することができるレセプタクル部を備えており、締付部材(30)の片端に設けられたプラグ部を差し込む位置を変更することにより、締め付けの程度を調整することができる。
参考の形態>
図4の生体電気信号モニタ用衣類は、前記の参考の形態において、伸縮性を有する締付部材(30)である布やゴムひもなどを、生体電極(12)、(13)の直上に固定することにより、生体電極(12)、(13)と生体(100)とをより密着し易くするものである。
締付部材(30)を衣服(10)上に固定するための固定部材(32)および(33)は、生体電極(12)(13)それぞれの直上に配置されている。また、レセプタクル部を備えた固定部材(31)は、固定部材(34)を用いて衣服(10)に固定され、伸縮性を有する締付部材(30)の片端に設けられたプラグ部を差し込むことにより、衣服(10)の周囲から生体(100)を締め付けることにより、伸縮性を有する生地(20)を伸ばされた状態で固定し、締付部材(30)の張力を利用して、生体電極(12、13)を人体(10)へ密着させ易くすることができる。
<参考の形態>
図5は、本願発明の参考の形態に係る生体電気信号モニタ用衣類における生体電極を密着させる手段の構成例を表す図である。図5の生体電気信号モニタ用衣類は、電極(12、13)と衣服(10)との間に設けられた押圧部材を用いて、衣服の伸縮性を利用して、生体電極(12、13)を生体(100)に押圧することにより、生体電極を生体に密着させるものである。
本参考の形態では押圧部材として、固定高さの隆起部材(40、41)を用い、この隆起部材(40、41)を生体電極(12、13)と衣服(10)の伸縮性を有する生地の間に設置することにより、生地の伸縮性を利用して、生体電極を生体に押圧し、生体(100)に電極(12)、(13)を密着させることが出来る。尚、隆起部材(40、41)と衣服(10)とは、縫い付けやホットメルトボンドのような接着手段を用いて固定する。この隆起部材(40、41)の高さを調節することにより、生体電極の人体への着圧を調整することができる。
この隆起部材(40、41)としては、ウレタンフォームやスポンジなどの吸水性を有する素材を用い、衣服に装着する前に湿り気を与え、隆起部材(40、41)およびこれに隣接する生体電極(12、13)を同時に湿らせることで、電極接触部部分のインピーダンスを低減するための補助部材として機能させても良い。
<参考の形態>
図6の生体電気信号モニタ用衣類は、図5における固定高さの隆起部材(40、41)の代わりに、生体電極(12、13)と衣服(10)の間に、ポケット(42、43)を設けている。衣服(10)と電極(12、13)との隙間の程度に応じて、厚みが複数用意できる個別のパッド(44、45)を、ポケット(42、43)に挿入することにより生体電極の人体への着圧を更に細かく調整することができる。
<第の実施の形態>
図7の生体電気信号モニタ用衣類は、電極(12)、(13)の周囲に設置した、生体嵌合部(50−53)により、電極(12)、(13)を人体(100)に密着させる構成を有する。すなわち、人体(100)側にシール等の粘着部材(54)によって固定された面ファスナーやスナップボタン等の嵌合部材(55)と、衣服(10)の内側に縫い付けなどの固定部材(57)によって固定された前記面ファスナーやスナップボタン等の嵌合部材(56)を有し、嵌合部材(55)と(56)とが嵌合することで、衣服(10)に貼り付けられている電極(12、13)を生体(100)に密着させる。
嵌合部材(55)と(56)が嵌合することによって、生体嵌合部(50−53)がアンカーの役目を担いながら、電極(12)、(13)の周囲の生地が伸びた状態で固定されている。これにより、衣服(10)に取り付けられた電極(12、13)を生体(100)に密着させることが可能になる。ここで、粘着部材(54)は、肌にやさしくかぶれ難いものを用いることにより、常時着用が可能となる。
<第の実施の形態>
図8は、本願発明の第の実施の形態に係る生体電極を人体に押圧する際の着圧を測定及び調整する手段の構成例を表す図である。図8(a)、(b)に示すように、本実施の形態における生体電気信号モニタ用衣類は、着圧を調製する着圧調製装置(60)、生体電極の人体への着圧をモニタする着圧センサー電極(61、62)と測定した着圧を着圧調製装置(60)へ伝える着圧モニタ用配線(63、64)を備えている。正弦波信号をこのセンサー電極(61、62)間に印加し、電極間のインピーダンスを測定することにより、生体電極の生体への密着度を判定することが出来る。
特に、生体電極の接触面が濡れた場合は、その接触表面積が実効上大きくなることから、接触面積の増大が測定されるインピーダンスの低下として表れるので、電極が十分な接触状態であることを判定することが出来る。一方、測定されたインピーダンスが高い場合には、接触状態が不十分であると判定することができる。
着圧調製装置(60)では、インピーダンスの値の測定結果を用いて、インピーダンスの値が設定した閾値を超えた場合に警告音を出力するなどして、ユーザに生体電極の着圧の調整を促すことができる。生体電極の人体への接触状態が不十分であることを認識した場合には、図2から6の密着手段を用いて、生体電極の人体への密着度を調整することができる。
また、着圧調製装置(60)は、測定したインピーダンスの値に応じて、電極の人体への着圧を自動制御することもできる。例えば、図8(c)に示すように2相混合状態で封入したバッグ(65)の周囲に設けられた抵抗加熱体(66)に対し、制御線(67)を通して電圧を印加することで、バッグの膨らみ具合を変化させて着圧の制御を行うこともできる。
<第の実施の形態>
図9は、図8の着圧センサー電極として圧力検知手段(68、69)を用いた生体電気信号モニタ用衣類である。図9(b)の圧力検知手段(68、69)は、加えられる圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサーである。感圧センサーとしては、例えば、Lynxmotion社製のForce Sensing Resistor FSR-01等を用いることができる。
また、圧力検知手段(68、69)としては、図9(c)に示す圧力を曲げ量に換算して把握する曲げセンサーを用いることもできる。曲げセンサーとしては、例えば、spectrasynbol社製のFlex Sensor FS754等を用いることができる。この曲げセンサーを生体電極(12、13)と生体(100)との間に配置することにより、僅かな曲げ量を圧力に換算することが可能になるため、値の絶対値が小さい着圧を小規模なハードウエアで検出することが可能となる。
尚、この曲げセンサーは、1mm程度の薄い樹脂で構成されているため、衣類と生体の密着する程度の圧力で、センサーに曲げを生じさせることができるので、図9(d)、(e)に示すように、曲げ量(角度)を圧力と対応させることによって 着圧の検出感度を高くすることができる。
<参考の形態>
図10に示す生体電気信号モニタ用衣類は、特に生体電極(12、13)の設置場所を含む領域に伸縮性を有する生地(70)を備え、その生地の伸縮性を利用して生体電極の人体への密着の確保を行うものである。図10に示す衣服(10)では、電極の設置場所を含む領域には、伸縮性を有する機能繊維等を用いた生地(70)を用いて、その他の部分は綿などの通常の生地を用いる。生地(70)は、例えば、縫い目(71)を縫製の手段で衣服(10)に結合する。また、生地(70)で示す部分を人体の周囲を囲む輪状に形成しておけば、輪ゴムと同様の効果で生体電極を設置した部分のみを締め付けることができる。
<参考の形態>
図11に示す生体電気信号モニタ用衣類は、伸縮性を有しかつ、衣服(10)の表面を形成する生地よりも周囲長の短い生地(72)を、衣服(10)の内側すなわち人体(100)側に設け、衣服(10)の生地を2重化することによって、通常の衣服と同様の外観を維持しながら生体電極を人体に密着させるものである。
内側の生地(72)は、図11(b)に示すように人体の周囲を全て取り囲んでも良いし、図11(c)に示すように、配置した生体電極を結び付けるように構成すれば、人体の一部を取り囲むだけでも十分な密着を確保することができる。内側の生地(72)には、伸縮性を有する繊維で構成される布やゴムのように伸縮性を有する部材をひも状のまま生地に取り付けても良い。内側の生地(72)は、衣服(10)の内側にあるため、外観を損なうことなく生体電極を人体に密着させることができる。
参考の形態>
図12に示す生体電気信号モニタ用衣類は、伸縮性を有する生地(20)(70)(72)の形状を維持するために、金属や樹脂製のボーン(衣類の骨格)を設けたものである。このボーン(73、74)は、例えば、スチール等の金属で出来たワイヤ状の骨組み等により構成することができる。
図12(b)(c)は、図11の2重構造の生地(72)において、ボーン(73、74)を設けた場合の断面図を示す。ボーン(73、74)は、2重構造の内側の生地(72)の外側で、衣服(10)の内側に設けられている。尚、このボーンは、図12(b)のように、人体(100)の周囲全体を取り囲んでも良いし、図12(c)のように人体の周囲の一部に設置しても良い。
このようなボーン(73、74)を設けることによって、生体電極(12、13)が人体(100)に密着する状態を確保し、体動や姿勢の変動による着圧の変動を抑えることができる。また、2重構造の内側の生地(72)の部分は、伸縮性を有するために、着用していない場合は、縮んでおり、着用時に首を通す場所を視認し難いが、このボーンによって、この部分の形状が崩れずに維持されることから、衣服の着脱を容易にすることも可能となる。
参考の形態>
図13に示す生体電気信号モニタ用衣類は、図12のボーン(73、74)を、形状記憶材料(75、76)を用いて構成したものである。これによって、締め付け手段の経年変化による、伸びまたは縮みの影響を低減させ、生体電極の人体への着圧を長時間一定に保つこともできる。例えば、ニッケル、チタン等により構成される形状記憶合金を用いてもよい。
<その他の実施の形態>
図14に示す生体電気信号モニタ用衣類は、伸縮性を有する生地(20)(70)(72)の構成素材として、水分吸収によって収縮する機能を有するポリビニルアルコール系繊維または、体温などの熱によって収縮する機能を有するウレタンなどの熱収縮繊維(80)を用いたものである。水分あるいは熱吸収により収縮する素材を用いることにより、生体が衣類を身に着けただけである程度の密着度向上を確保することが可能になる。
図15に示す生体電気信号モニタ用衣類は、伸縮性を有する生地(20)(70)(72)の付加によって衣服が収縮し、デザインおよび着用感が損なわれることを補うために、衣服(10)にタック構造等の余長調整部を形成して、着用感の劣化を抑制するものである。タック構造(82、83)は、衣服(10)自身の一部の生地を用いて形成する。タック構造が無い場合、サイズにゆとりをもってつくられた衣類の余分となる生地がダブつき、揺れなどによって、不快な装着感を与えてしまう。タック構造(82、83)は、この装着の不快感を無くすため、余分な生地を蛇腹状に収納する機能であり、且つ、体型に合わせて、蛇腹を伸ばすことで、サイズがきつい場合の衣服の大きさの調整も可能にする。
図16に示す生体電気信号モニタ用衣類は、衣服(10)の表面等に、これまで説明したような密着手段を設けたことによる生体の周辺物への引っ掛かり等を防止するため、生体電極(12、13)の設置場所を含む領域を覆う被覆部材(90)を設けたものである。この被覆部材(90)は、例えば、密着手段を設置した領域全体を覆うサイズの生地を衣服(10)に縫製で固定することによって実現することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、衣服の生体電極の設置場所を含む領域に備えた伸縮性を有する生地を伸ばされた状態で固定することにより、生体電極を生体に密着させることができる。
また、衣服の締め付けを局所的に行うことができるため、人体と生体電極の間の密着度を確保しつつ、装着負荷の低減と受信信号品質向上を両立させた生体電気信号モニタ用衣類を実現することができる。
本発明は、日常的に心拍および心電波形等の生体信号を取得するために用いられるウェアラブル電極として利用することができる。
10…衣服、11…生体信号測定装置、12、13…生体電極、14、15…配線、20…伸縮性を有する生地、21…面ファスナー(ループ)、22…面ファスナー(フック)、23、24、25、26…係合部材、30…締付部材、31…レセプタクル部を備えた固定部材、32、33、34…固定部材、40、41…隆起部材、42、43…ポケット、44、45…パッド、50−53…生体嵌合部、54…粘着部材、55、56…嵌合部材、57…固定部材、60…着圧調製装置、61、62…着圧センサー電極、63、64…着圧モニタ用配線、65…バッグ、66…抵抗加熱体、67…制御線、68、69…圧力検知手段、70…伸縮性を有する生地、71…縫い目、72…伸縮性を有し周囲長の短い生地、73、74…ボーン、75、76…形状記憶材料を用いたボーン、80…水分吸収、熱吸収により収縮する素材を用いた生地、81…縫い目、82、83…タック構造、90…被覆部材、100…人体、101…生体組織、102…皮膚、103…電解液、104…生体電極、105…ケーブル、106、107…空隙。

Claims (2)

  1. 衣服と、
    その衣服の所定の位置に設置され、前記衣服を身に付けた生体に接触したときにその生体の生体電気信号を検出する電極とを有し、
    前記衣服は、少なくとも前記電極の設置場所を含む領域に伸縮性を有する生地を備え、
    前記伸縮性を有する生地の前記電極の設置場所の周辺部全体を伸ばした状態で固定して、前記電極を前記生体に密着させる密着手段を備え、
    前記密着手段は、
    前記生体と前記衣服のそれぞれに備えられ、互いに嵌合する嵌合部材を含むこと
    を特徴とする生体電気信号モニタ用衣類。
  2. 衣服と、
    その衣服の所定の位置に設置され、前記衣服を身に付けた生体に接触したときにその生体の生体電気信号を検出する電極とを有し、
    前記衣服は、少なくとも前記電極の設置場所を含む領域に伸縮性を有する生地を備え、
    前記伸縮性を有する生地の前記電極の設置場所の周辺部全体を伸ばした状態で固定して、前記電極を前記生体に密着させる密着手段を備え、
    前記電極の前記生体と接触する側に配置され、前記電極が前記生体を押圧する際の圧力を測定する着圧センサー電極と、
    前記着圧センサ電極による測定結果に基づき前記密着手段における前記伸縮性を有する生地の伸縮状態を調整する調整手段とをさらに備えたこと
    を特徴とする生体電気信号モニタ用衣類。
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