JP2019135279A - レジスト材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性及びドライエッチング耐性に優れるレジスト材料を提供すること。【解決手段】ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)と、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)とを含有することを特徴とし、好ましくは、レジスト材料中の全フェノール性水酸基1モルに対し、レジスト材料中の全エポキシ基のモル数が0.01〜0.8モルの範囲であるレジスト材料による。前記レジスト材料は耐熱性及びドライエッチング耐性に優れる特徴を有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れるレジスト材料に関する。
フェノール性水酸基含有樹脂は、接着剤、成形材料、塗料、フォトレジスト材料、エポキシ樹脂原料、エポキシ樹脂用硬化剤等に用いられている他、硬化物における耐熱性や耐湿性などに優れることから、フェノール性水酸基含有樹脂自体を主剤とする硬化性組成物として、或いは、エポキシ樹脂等の硬化剤として、半導体封止材やプリント配線板用絶縁材料等の電気・電子分野で幅広く用いられている。
このうちフォトレジストの分野では、用途や機能に応じて細分化された多種多様なレジストパターン形成方法が次々に開発されており、それに伴いレジスト用樹脂材料に対する要求性能も高度化かつ多様化している。例えば、高集積化された半導体に微細なパターンを正確かつ高い生産効率で形成するための高い現像性はもちろんのこと、レジスト下層膜に用いる場合にはドライエッチング耐性や耐熱性等が要求され、また、レジスト永久膜に用いる場合には特に高い耐熱性が要求される。
フォトレジスト用途に最も広く用いられているフェノール性水酸基含有樹脂はクレゾールノボラック型のものであるが、前述の通り、高度化かつ多様化が進む昨今の市場要求性能に対応できるものではなく、特に、耐熱性やドライエッチング耐性が十分なものではなかった(特許文献1参照)。
特開平2−55359号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れるレジスト材料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物と、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂とを含有するレジスト材料が耐熱性及びドライエッチング耐性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)と、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)とを含有することを特徴とするレジスト材料に関する。
本発明によれば、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れるレジスト材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレジスト材料は、ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)と、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)とを含有することを特徴とする。
前記ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)は、具体的には、下記構造式(1)
Figure 2019135279
(式中Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかである。nはそれぞれ1又は2、mは0又は1〜6の整数である。ナフタレン環上の各置換基はナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよい。)
で表される化合物等が挙げられる。
前記構造式(1)中のRは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。前記アルキレン基は直鎖型でもよいし分岐構造を有するものでもよい。中でも、耐熱性やドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることからRは炭素原子数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン気であることがより好ましい。
前記構造式(1)中のRはそれぞれ独立にそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかである。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基等のアルコキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基のアルキル基等の脂肪族炭化水素基;前記脂肪族炭化水素基の水素原子の一つ乃至複数が水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換された構造部位;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香環含有炭化水素基;前記芳香環含有炭化水素基の芳香核上に水酸基やアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が置換した構造部位等が挙げられる。中でも、耐熱性及びドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることから、mが0であることが好ましい。
前記構造式(1)中のnは1又は2である。nが1である場合、グリシジルオキシ基の結合位置はRが結合する炭素原子に隣接する2位であることが好ましい。また、nが2である場合、グリシジルオキシ基の結合位置はRが結合する炭素原子に隣接する2位と、7位であることが好ましい。したがって、前記エポキシ化合物(A)のより好ましい具体構造としては、下記構造式(1−1)〜(1−3)の何れかで表されるものが挙げられる。
Figure 2019135279
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、具体的には、ヒドロキシナフタレン化合物(b1)とアルデヒド化合物(b2)とを必須の反応成分とする重縮合反応物である。
前記ヒドロキシナフタレン化合物(b1)は、例えば、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、これらの芳香核上にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を一つ乃至複数有する化合物等が挙げられる。前記ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基等のアルキル基等が挙げられる。前記アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基等が挙げられる。これらヒドロキシナフタレン化合物(b1)はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、耐熱性及びドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることからナフトール又はジヒドロキシナフタレンが好ましい。
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、前記ヒドロキシナフタレン化合物(b1)以外のその他のフェノール性水酸基含有化合物(b3)を併用したものであっても良い。前記その他のフェノール性水酸基含有化合物(b3)は、例えば、フェノール、ジヒドロキシベンゼン、アントラセノール、これらの芳香核上にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を一つ乃至複数有する化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらその他のフェノール性水酸基含有化合物(b3)を用いる場合には、耐熱性及びドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることから、前記ヒドロキシナフタレン化合物(b1)と前記その他のフェノール性水酸基含有化合物(b3)との合計に対する前記ヒドロキシナフタレン化合物(b1)の割合が50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
前記アルデヒド化合物(b2)は、例えば、ホルムアルデヒドや、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシナフトアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、下記構造式(2)
Figure 2019135279
(式中pは1又は2であり、水酸基はナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよい。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかである。Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかであり、ナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよく、qは0又は1〜5の整数である。)
で表される構造部位(α)を繰り返し構造単位として有する鎖状の非環状ノボラック型樹脂(B1)であっても良いし、下記構造式(3)
Figure 2019135279
[式中αは前記構造式(2)で表される構造部位(α)であり、rは2〜10の整数である。]
で表される分子構造を有する環状ノボラック型樹脂(B2)であっても良い。また、前記非環状ノボラック型樹脂(B1)と前記環状ノボラック型樹脂(B2)との混合物であっても良い。
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、耐熱性やドライエッチング耐性が一層向上する点で前記非環状ノボラック型樹脂(B1)と前記環状ノボラック型樹脂(B2)との両方を含有することが好ましい。特に、前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)中の前記環状ノボラック型樹脂(B2)の割合が3%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、75%以上であることが特に好ましい。
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、耐熱性及びドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることから、重量平均分子量(Mw)が300〜30,000の範囲であることが好ましく、多分散度(Mw/Mn)は1.1〜5の範囲であることが好ましい。
なお、本発明において重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)は、下記条件のGPCにて測定される値である。また、前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)中の前記環状ノボラック型樹脂(B2)の割合など、樹脂中の各成分の含有量は、下記条件で測定されるGPCチャート図の面積比から算出される値である。
[GPCの測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
標準試料:下記単分散ポリスチレン
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)は、耐熱性及びドライエッチング耐性に一層優れるレジスト材料となることから、残存モノマー量が1%以下であることが好ましい。
前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)の製法は特に限定されず、例えば、前記ヒドロキシナフタレン化合物(b1)、前記アルデヒド化合物(b2)、及び必要に応じて用いる前記その他のフェノール性水酸基含有化合物(b3)を酸触媒又はアルカリ触媒の存在下、60〜200℃程度の温度範囲で0.5〜100時間反応させる方法が挙げられる。
前記酸触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これら酸触媒の使用量は、反応原料の総質量に対して0.1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
前記アルカリ触媒は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記酸触媒及びアルカリ触媒について、通常は、一般的なフェノールノボラック型樹脂を製造する場合と同様に、酸触媒を用いることが好ましい。アルカリ触媒は、例えば、前記アルデヒド化合物(b2)としてホルムアルデヒドを用い、前記環状ノボラック型樹脂(B2)を含有するヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)を製造する場合等に用いる。
反応は必要に応じて有機溶媒中で行っても良い。ここで用いる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸等のモノカルボン酸;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;2−エトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどが挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いても良いし、2種類以上の混合溶媒として用いても良い。
ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)として、前記非環状ノボラック型樹脂(B1)を主成分とするものを製造する場合には、反応溶媒としてケトン化合物を用いることが好ましい。他方、環状ノボラック型樹脂(B2)を含有するヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)を製造する場合には、アルコール溶媒を用いることが好ましい。
反応終了後は、反応混合物を中和処理或いは水洗した後、未反応の反応原料や副生成物等を留去するなどして、前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)が得られる。
以上詳述した本発明のレジスト材料は、耐熱性やドライエッチング耐性の他、現像性にも優れる特徴を有することから、厚膜レジスト用途やレジスト下層膜、レジスト永久膜用途に好適に用いることができる。また、感光性レジスト材料の耐熱性付与剤としても利用することができる。
本発明のレジスト材料は、前記エポキシ化合物(A)、前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)以外に、その他の化合物を併用しても良い。その他の化合物は、例えば、前記エポキシ化合物(A)以外のその他のエポキシ化合物(A’)、前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)以外のその他のフェノール樹脂(B’)、各種のビニル重合体、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物、ウレア化合物、レゾール樹脂、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基等の2重結合を含む化合物、酸無水物、オキサゾリン化合物、イミダゾール化合物、リン系化合物、アミン化合物等が挙げられる。
前記その他のエポキシ化合物(A’)は、例えば、下記構造式(4)
Figure 2019135279
[式中のR、R、m、nはそれぞれ前記構造式(1)中のものと同義である。]
で表される化合物や、各種のノボラック型エポキシ樹脂、アルコキシアリール変性ノボラック型エポキシ樹脂、カリックスアレーン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加型エポキシ樹脂、アリーレンエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、各種のフェノール性水酸基含有化合物とアルデヒド化合物との重縮合反応物をポリグリシジルエーテル化したものが挙げられる。前記フェノール性水酸基含有化合物は、例えば、フェノール、ナフトール、アントラセノール等のモノヒドロキシ化合物や、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、ビスフェノール、トリ(ヒドロキシアリール)アルカン等のポリヒドロキシ化合物の他、これらの芳香核上にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アミノ基、ニトロ基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ一種類のみを単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記アルデヒド化合物は、例えば、ホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物;ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、ヒドロキシナフトアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物等が挙げられる。ホルムアルデヒドは水溶液の状態であるホルマリンとして用いても、固形の状態であるパラホルムアルデヒドとして用いても、どちらでも良い。また、アルデヒド化合物はそれぞれ一種類のみを単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記アルコキシアリール変性ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、前記ノボラック型エポキシ樹脂において、前記フェノール性水酸基含有化合物とアルコキシアリール化合物とを併用して得られるものが挙げられる。
前記カリックスアレーン型エポキシ樹脂は、前記ノボラック型エポキシ樹脂同様、各種のフェノール性水酸基含有化合物とアルデヒド化合物との重縮合反応物をポリグリシジルエーテル化したものであって、カリックスアレーン構造を有するものが挙げられる。前記フェノール性水酸基含有化合物とアルデヒド化合物とからカリックスアレーン化合物を得るための好ましい反応条件は、其々どのような化合物を用いるかによって異なるが、一般に知られている方法にて製造することができる。
前記その他のエポキシ化合物(A’)を用いる場合、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れる効果が十分に発揮されることから、全エポキシ化合物の総質量に対する前記エポキシ化合物(A)の割合が25質量%以上であることが好ましく、25〜75質量%の範囲であることがより好ましい。
また、前記その他のエポキシ化合物(A’)の中でも、耐熱性に一層優れる点では前記構造式(4)で表される化合物が好ましい。全エポキシ化合物の総質量に対する当該化合物の割合は2〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜25質量%の範囲であることがより好ましい。
前記その他のフェノール樹脂(B’)は、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、フェニルフェノール、レゾルシノール、ビフェニル、ビスフェノール等のフェノール原料を一種乃至複数種用いたノボラック型樹脂、ジシクロペンタジエン等の脂環式ジエン化合物とフェノール化合物との付加重合樹脂、フェノール性水酸基含有化合物とアルコキシ基含有芳香族化合物との変性ノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
前記その他のフェノール樹脂(B’)を用いる場合、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れる効果が十分に発揮されることから、全フェノール樹脂成分の総質量に対する前記フェノール樹脂(B)の割合が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
前記各種のビニル重合体は、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルカルバゾール、ポリインデン、ポリアセナフチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロデセン、ポリテトラシクロドデセン、ポリノルトリシクレン、ポリ(メタ)アクリレート等のビニル化合物の単独重合体或いはこれらの共重合体が挙げられる。
前記メラミン化合物は、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
前記グアナミン化合物は、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
前記グリコールウリル化合物は、例えば、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル等が挙げられる。
前記ウレア化合物は、例えば、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(ブトキシメチル)尿素及び1,1,3,3−テトラキス(メトキシメチル)尿素等が挙げられる。
前記レゾール樹脂は、例えば、フェノール、クレゾールやキシレノール等のアルキルフェノール、フェニルフェノール、レゾルシノール、ビフェニル、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のフェノール性水酸基含有化合物と、アルデヒド化合物とをアルカリ性触媒条件下で反応させて得られる重合体が挙げられる。
前記イソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
前記アジド化合物は、例えば、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビスアジド、4,4’−メチリデンビスアジド、4,4’−オキシビスアジド等が挙げられる。
前記アルケニルエーテル基等の2重結合を含む化合物は、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
前記酸無水物は例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(イソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等の芳香族酸無水物;無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
前記イミダゾール化合物は、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。前記リン系化合物は、例えば、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。前記アミン化合物は、例えば、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセンが挙げられる。
本発明のレジスト材料において、各成分の配合割合は、所望の性能等に応じて適宜調整できるものであり、特に限定されない。中でも、耐熱性及びドライエッチング耐性に優れる効果が十分に発揮されることから、レジスト材料中の全フェノール性水酸基1モルに対し、レジスト材料中の全エポキシ基のモル数が0.01〜0.8モルの範囲であることが好ましく、0.01〜0.6モルの範囲であることがより好ましく、0.01〜0.5モルの範囲であることが特に好ましい。
本発明のレジスト材料をレジスト下層膜(BARC膜)用途に用いる場合には、更に必要に応じて界面活性剤や染料、充填材、架橋剤、溶解促進剤など各種の添加剤を加え、有機溶剤に溶解することによりレジスト下層膜用材料とすることができる。
レジスト下層膜用材料に用いる有機溶剤は、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン化合物;ジオキサン等の環式エーテル;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物が挙げられる、これらはそれぞれ単独でも地いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記レジスト下層膜用材料は上記各成分を配合し、攪拌機等を用いて混合することにより製造することができる。また、レジスト下層膜用材料が充填材や顔料を含有する場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散装置を用いて分散或いは混合して製造することが出来る。
前記レジスト下層膜用材料からレジスト下層膜を作成するには、例えば、前記レジスト下層膜用材料を、シリコン基板などフォトリソグラフィーを行う対象物上に塗布し、100〜200℃の温度条件下で乾燥させた後、更に250〜400℃の温度条件下で加熱硬化させるなどの方法によりレジスト下層膜を形成する。次いで、この下層膜上で通常のフォトリソグラフィー操作を行ってレジストパターンを形成し、ハロゲン系プラズマガス等でドライエッチング処理することにより、多層レジスト法によるレジストパターンを形成することが出来る。
本発明のレジスト材料をレジスト永久膜用途に用いる場合には、更に必要に応じて界面活性剤や染料、充填材、架橋剤、溶解促進剤など各種の添加剤を加え、有機溶剤に溶解することによりレジスト永久膜用材料とすることができる。ここで用いる有機溶剤は、レジスト下層膜用材料用いる有機溶剤と同様のものが挙げられる。
前記レジスト永久膜用材料を用いたフォトリソグラフィーの方法は、例えば、有機溶剤に樹脂成分及び添加剤成分を溶解・分散させ、シリコン基板フォトリソグラフィーを行う対象物上に塗布し、60〜150℃の温度条件でプリベークする。このときの塗布方法は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターブレードコート等の何れの方法でもよい。次にレジストパターンの作成であるが、当該レジスト永久膜用材料がポジ型の場合には、目的とするレジストパターンを所定のマスクを通じて露光し、露光した箇所をアルカリ現像液にて溶解することにより、レジストパターンを形成する。
前記レジスト永久膜用材料からなる永久膜は、例えば、半導体デバイス関係ではソルダーレジスト、パッケージ材、アンダーフィル材、回路素子等のパッケージ接着層や集積回路素子と回路基板の接着層、LCD、OELDに代表される薄型ディスプレイ関係では薄膜トランジスタ保護膜、液晶カラーフィルター保護膜、ブラックマトリックス、スペーサーなどに好適に用いることができる。
本発明のレジスト材料を感光性レジスト材料の耐熱性付与剤として用いる場合には、感光性レジスト材料100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で用いることが好ましい。前記感光性レジスト材料は公知慣用のものを何れも用いることができる。
感光性レジスト材料用樹脂の具体例としては、各種のフェノール樹脂、p−ヒドロキシスチレンやp−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレン等のヒドロキシ基含有スチレン重合体、前記フェノール樹脂やヒドロキシ基含有スチレン重合体の水酸基をt−ブトキシカルボニル基やベンジルオキシカルボニル基等の酸分解性基で変性したもの、(メタ)アクリル酸の単独重合体あるいは共重合体、ノルボルネン化合物やテトラシクロドデセン化合物等の脂環式重合性単量体と無水マレイン酸或いはマレイミドとの交互重合体等が挙げられる。
感光性レジスト材料用の感光剤は、例えば、芳香族(ポリ)ヒドロキシ化合物と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等のキノンジアジド基を有するスルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物又は部分アミド化物などが挙げられる。キノンジアジド基を有する化合物等のキノンジアジド基を有する化合物が挙げられる。
以下に具体的な例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。なお、製造例にて製造した樹脂の分析はそれぞれ以下の条件で行った。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、多分散度(Mw/Mn)は下記条件のGPCにて測定した。また、樹脂中の各成分の含有量は下記条件で測定したGPCチャート図の面積比から計算した。
[GPCの測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの
注入量:0.1mL
標準試料:下記単分散ポリスチレン
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
[FD−MSの測定装置]
日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置 AX505H(FD505H)
製造例1 エポキシ樹脂(1)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレンを240質量部、37質量%ホルムアルデヒド水溶液85質量部、イソプロピルアルコール376質量部、48%水酸化カリウム水溶液88質量部を仕込んだ。室温条件下で窒素を吹き込みながら撹拌した。75℃まで加熱して2時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ108質量部を添加して中和した後、減圧条件下でイソプロピルアルコールを除去し、メチルイソブチルケトン480質量部を加えた。得られた有機層を水200質量部で3回水洗した後、メチルイソブチルケトンを加熱減圧条件下で除去して中間体245質量部得た。
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら先で得た中間体84質量部、エピクロルヒドリン463質量部、n−ブタノール53質量部を仕込み溶解させた。50℃まで加熱した後、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部を3時間かけて添加し、50℃で更に1時間反応させた。反応終了後、150℃まで加熱し、減圧条件下で未反応のエピクロルヒドリンを留去した。次いで、メチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加えて内容物を溶解した後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた。反応混合物に水100質量部を加えて水洗した。洗浄液のpHが中性となるまで水洗を繰り返した。系内を共沸させて脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧条件下で留去して、ナフエポキシ樹脂(1)126質量部を得た。エポキシ樹脂(1)の軟化点は95℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は9.0dPa・s、エポキシ基当量は170g/当量であった。また、エポキシ樹脂(1)は、下記構造式(a)で表される化合物を39.6質量%、下記構造式(b)で表される化合物を10.5質量%、その他のオリゴマー成分を49.9質量%含有するものであった。
Figure 2019135279
製造例2 エポキシ樹脂(2)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160.2質量部を水1600質量部に分散させ、40℃で49%水酸化ナトリウム4.1質量部加えた。その後、80℃まで昇温しながら、41%ホルムアルデヒド水溶液40.2質量部を滴下ロートより0.5時間で連続的に添加した。滴下後80℃で1時間攪拌を続け、36%塩酸5.1質量部を加えて中和した。その後、生成物を濾別し、温水で洗浄後乾燥して、中間体167質量部を得た。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、中間体83質量部、エピクロルヒドリン463質量部、n−ブタノール53質量部、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2.3質量部を仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液82質量部を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン550質量部とn−ブタノール55質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(2)139質量部を得た。エポキシ樹脂(2)の軟化点は92℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は4.5dPa・s、エポキシ基当量は162g/当量であった。
製造例3 エポキシ樹脂(3)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン48.0質量部、2−ヒドロキシナフタレン100.1質量部を水1600質量部に分散させ、40℃で49%水酸化ナトリウム4.1質量部加えた。その後、80℃まで昇温しながら、41%ホルムアルデヒド水溶液40.2質量部を滴下ロートより0.5時間で連続的に添加した。滴下後80℃で1時間攪拌を続け、36%塩酸5.1質量部を加えて中和した。その後、生成物を濾別し、温水で洗浄後乾燥して、中間体125質量部を得た。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、中間体135質量部、エピクロルヒドリン463質量部、n−ブタノール53質量部、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2.3質量部を仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液82質量部を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン550質量部とn−ブタノール55質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(3)191質量部を得た。エポキシ樹脂(3)の軟化点は72℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は0.8dPa・s、エポキシ基当量は204g/当量であった。
製造例4 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−1)の製造
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けた1L容4つ口フラスコに、1−ナフトール144質量部、メチルイソブチルケトン400質量部、水96質量部、及び92%パラホルムアルデヒド27.7質量部を仕込んだ。フラスコ内を攪拌しながら、50質量%に調整したパラトルエンスルホン酸の水溶液4.8質量部を添加した。反応系内の水の量は1−ナフトール100質量部に対し、69.9質量部であった。フラスコ内を攪拌しながら80℃まで昇温して2時間反応させた。反応中、有機層と水層は完全に相溶した「均一」とはなっておらず、「不均一」の状態であった。反応終了後、分液ロートを用いて有機層を回収した。洗浄水が中性を示すまで有機層を洗浄した後、加熱減圧条件下で乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−1)147質量部を得た。ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−1)の数平均分子量(Mn)は1,312、重量平均分子量(Mw)は2,251、多分散度(Mw/Mn)は1.716、モノマー残存量は0.57質量%であった。
製造例5 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−2)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1−ナフトール288質量部、4−ヒドロキシベンズアルデヒド244質量部、1−ブタノール500質量部、95%硫酸14.4質量部を仕込み、80℃に昇温して17時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル300質量部、イオン交換水160質量部を加え、分液ロートを用いて有機層を回収した。イオン交換水160質量部を用いて有機層を水洗し、洗浄水のpHが4になるまで水洗を繰り返した。水洗後、エバポレータにて乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−2)466質量部を得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−2)が下記構造式(2−1)で表される化合物であってnが4である成分を52質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
製造例6 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−3)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1−ナフトール216質量部、37%ホルムアルデヒド水溶液146質量部、イソプロピルアルコール121質量部、49%水酸化ナトリウム水溶液46質量部を仕込み、窒素を吹き込みながら室温条件下で撹拌した。次いで、80℃まで昇温して1時間反応させた。反応終了後、第1リン酸ソーダ40質量部を添加して中和した後、反応溶液を冷却して結晶物を取り出した。水200質量部を用いて結晶物を3回洗浄した後、加熱減圧条件下で乾燥させて、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−3)224質量部得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−3)は下記構造式(2−2)で表される化合物であってnが4である成分を86質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
製造例7 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−4)の製造
1−ナフトール216質量部の代わりに、1−ナフトール108質量部と2−ナフトール108質量部とを用いた以外は製造例4と同様の方法でヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−4)を得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−4)は下記構造式(2−3)で表される化合物であってnが4である成分を6.9質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
製造例8 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−5)の製造
温度計、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けた1Lの4つ口フラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160質量部、メチルイソブチルケトン400質量部、水96質量部、及び92%パラホルムアルデヒド27.7質量部を仕込んだ。フラスコ内を攪拌しながら、50%濃度に調整したパラトルエンスルホン酸の水溶液4.8質量部を添加した。反応系内の水の量は2,7−ジヒドロキシナフタレン100質量部に対し、62.9質量部であった。フラスコ内を攪拌しながら80℃まで昇温して2時間反応させた。反応終了後、分液ロートを用いて有機層を回収した。洗浄水が中性を示すまで有機層を水洗した後、加熱減圧条件下で乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−5)165質量部を得た。ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−5)の数平均分子量(Mn)は1,142、重量平均分子量(Mw)は1,626、多分散度(Mw/Mn)は1.424であり、モノマー残存量は0.61質量%であった。
製造例9 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−6)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1,6−ジヒドロキシナフタレン48質量部、42質量%ホルムアルデヒド水溶液26質量部、イソプロピルアルコール50質量部、48%水酸化カリウム12.8質量部を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、80℃に昇温して1時間撹拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ8質量部を添加して中和し、冷却して結晶物を濾別した。濾別した結晶物を水50質量部で3回洗浄した後、加熱減圧条件下で乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−6)20質量部を得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−6)は下記構造式(2−4)で表される化合物であってnが4である成分を36質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
製造例10 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−7)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1,6−ジヒドロキシナフタレン160質量部、4−ヒドロキシベンズアルデヒド122質量部、2−エトキシエタノール290質量部、95%硫酸1.7質量部を仕込み、80℃に昇温後8時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル300質量部、イオン交換水160質量部を加えた後、分液ロートを用いて有機層を回収した。洗浄水のpHが4になるまでイオン交換水160質量部を用いて有機層を洗浄し、エバポレータを用いて乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−7)247質量部を得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−7)は下記構造式(2−5)で表される化合物であってnが4である成分を89質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
製造例11 ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−8)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1,6−ジヒドロキシナフタレン80質量部、1−ナフトール72質量部、4−ヒドロキシベンズアルデヒド122質量部、1−ブタノール290質量部、及び95%硫酸1.7質量部を仕込み、100℃まで昇温して12時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、イオン交換水160質量部を加え、分液ロートを用いて有機層を回収した。洗浄水のpHが4になるまでイオン交換水160量部を用いて有機層を洗浄し、エバポレータを用いて乾燥させてヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−8)237質量部を得た。GPCチャート図から、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B−8)は下記構造式(2−6)で表される環状ノボラック型樹脂を79質量%含有していることを確認した。
Figure 2019135279
(式中lは1又は2、nは2〜10の整数である。)
実施例1〜10及び比較例1、2
下記表1に示す組み合わせでエポキシ樹脂50質量部、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂100質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1質量部を配合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部に溶解させた後、0.2μmのメンブランフィルターで濾過してレジスト材料を製造した。得られたレジスト材料について、下記の要領で各種の評価試験を行った。結果を表1に示す。
表1中の各成分の詳細は以下の通り。
・エポキシ樹脂(A’−1):DIC株式会社製「EPICOLON N−740」
・エポキシ樹脂(A’−2):DIC株式会社製「EPICOLON N−655−EXP−S」
耐熱性の評価
前記レジスト材料を直径5インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し、酸素濃度20容量%の環境下、ホットプレートを用いて180℃で60秒間加熱した。更に、350℃で120秒間加熱して、膜厚0.3μmのレジスト膜付きシリコンウェハーを得た。シリコンウェハーからレジスト膜を削り取り耐熱性の評価の試験サンプルとした。示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)を用い、下記条件で昇温させた時の質量減少を測定し、熱分解開始温度を求めた。
測定機器:セイコーインスツールメント社製TG/DTA 6200
測定範囲:RT〜400℃
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
ドライエッチング耐性の評価
前記レジスト材料を直径5インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し、酸素濃度20容量%の環境下、ホットプレートを用いて180℃で60秒間加熱した。更に、350℃で120秒間加熱して、膜厚0.3μmのレジスト膜付きシリコンウェハーを得た。形成したレジスト膜を、エッチング装置(神鋼精機社製「EXAM」)を使用して、CF/Ar/O(CF:40mL/分、Ar:20mL/分、O:5mL/分 圧力:20Pa RFパワー:200W 処理時間:40秒 温度:15℃)の条件でエッチング処理した。エッチング処理前後の膜厚を測定してエッチングレートを算出し、エッチング耐性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:エッチングレートが150nm/分以下の場合
×:エッチングレートが150nm/分を超える場合
Figure 2019135279

Claims (4)

  1. ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)と、ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)とを含有することを特徴とするレジスト材料。
  2. 前記ジナフチルアルカン構造を有するエポキシ化合物(A)が、下記構造式(1)
    Figure 2019135279
    (式中Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかである。nはそれぞれ1又は2、mは0又は1〜6の整数である。ナフタレン環上の各置換基はナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよい。)
    で表される分子構造を有する請求項1記載のレジスト材料。
  3. 前記ヒドロキシナフタレンノボラック型フェノール樹脂(B)が、下記構造式(2)
    Figure 2019135279
    (式中pは1又は2であり、水酸基はナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよい。Rは水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかである。Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基の何れかであり、ナフタレン環上の何れの炭素原子に結合していてもよく、qは0又は1〜5の整数である。)
    で表される構造部位(α)を繰り返し構造単位として有する非環状ノボラック型樹脂(B1)と、下記構造式(3)
    Figure 2019135279
    [式中αは前記構造式(2)で表される構造部位(α)であり、rは2〜10の整数である。]
    で表される分子構造を有する環状ノボラック型樹脂(B2)とを含有するものである請求項1記載のレジスト材料。
  4. レジスト材料中の全フェノール性水酸基1モルに対し、レジスト材料中の全エポキシ基のモル数が0.01〜0.8モルの範囲である請求項1記載のレジスト材料。
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