JP2019133454A - 装置の異常検出方法 - Google Patents

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達央 斎藤
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Abstract

【課題】2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置において、装置が故障する前に装置の異常を検出する装置の異常検出方法を提供する。【解決手段】2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置における運転状態の異常を検出する装置の異常検出方法であって、前記運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程の開始時、任意の工程の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくとも1種の運転データを抽出し、多変量解析手法により、正常時の前記運転データを用いて得られた正常時のモデルに、正常時の前記運転データと、現在の前記運転データとを入力し、それぞれの運転データの統計量を算出し、現在の運転データの統計量が、前記正常時の運転データの統計量と乖離する場合に、運転状態の異常として検出する装置の異常検出方法である。【選択図】図13

Description

本発明は、装置の異常検出方法に関する。
圧力変動吸着(Pressure Swing Adsorption:PSA)装置は、吸着剤のガスに対する吸着特性の違いを利用して、吸着剤が充填された吸着塔に対して加圧及び減圧の操作を交互に繰り返しながら、目的とする製品ガスを連続的に分離(製造)するものである。
前記PSA装置は、長期使用による劣化等により故障することがある。従来、前記PSA装置の故障は、製品ガスの純度や流量の測定値に上限値及び下限値を設定し、前記測定値が前記上限値を超える、又は前記下限値を下回ったときに初めて判断することができる。そのため、機器や装置の異常が発生してからの対応となるため、故障箇所を特定し、修理して復旧するまで時間を要するという問題があった。また、前記故障箇所の特定には、装置を熟知したエンジニアが行う必要がある。
そこで、近年、運転時におけるトレンドデータ(時系列のデータ)を収集し、多変量解析手法を用いて解析して、将来の機器の挙動を予測する技術や、異常を検知できるバッチプロセスデータの解析装置などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、回転機器の場合、回転機器自体又はその周囲の部位に振動を計測する計測器を設け、この計測器によって振動値を連続して収集し、解析する。トレンドデータを解析した結果、振動値に増加傾向が見られた場合に、振動値の変動幅と時間によって、回転機器がいつ故障するのか、故障の予兆を検知することができる。このように、プラントに関するいわゆる連続系のデータに対しては、主成分分析や部分的最少二乗法等の多変量解析手法を適用した異常の検出が可能である。
特開2009−187175号公報
しかし、PSA装置は、加圧と減圧の操作が交互に繰り返されることから、吸着塔にかかる圧力は一定ではなく、大きく変動するため、従来のバッチプロセスデータの解析装置では、正常な範囲で想定しえるバッチプロセス全てをモデル化することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置において、装置が故障する前に装置の異常を検出することができる異常検出方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
[1]2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置における運転状態の異常を検出する装置の異常検出方法であって、
前記運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程の開始時、任意の工程の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくとも1種の運転データを抽出し、
多変量解析手法により、正常時の前記運転データを用いて得られた正常時のモデルに、正常時の前記運転データと、現在の前記運転データとを入力し、それぞれの運転データの統計量を算出し、
現在の運転データの統計量が、前記正常時の運転データの統計量と乖離する場合に、運転状態の異常として検出することを特徴とする装置の異常検出方法である。
[2]前記運転データの抽出が、任意の工程の開始時、及び前記任意の工程と異なる工程の終了時である[1]に記載の装置の異常検出方法である。
[3]前記運転データの抽出が、前記任意の工程の開始時及び前記任意の工程と同一工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、並びに前記任意の工程の終了時及び前記任意の工程と異なる工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくともいずれかである[1]に記載の装置の異常検出方法である。
[4]前記乖離が、前記正常時の運転データ及び前記現在の運転データの、Q統計量及びT統計量の少なくともいずれかを算出し、これらの差が予め定めた範囲から外れた状態である[1]から[3]のいずれかに記載の装置の異常検出方法である。
[5]前記運転データが、前記装置に設けられた1以上の計測機器の測定値である[1]から[4]のいずれかに記載の装置の異常検出方法である。
[6]2以上の前記測定値を収集し、前記Q統計量及び前記T統計量の少なくともいずれかに対する各測定値の寄与度を、下記式(3)及び下記式(4)の少なくともいずれかにより算出することにより、運転状態の異常に寄与している測定箇所を特定する[5]に記載の装置の異常検出方法である。
[7]前記運転データ、検出した結果、及び運転状態の異常に寄与している測定箇所の少なくとも1種を、有線又は無線回線によって遠隔監視する[6]に記載の装置の異常検出方法である。
[8]前記装置が、圧力変動吸着装置、及び温度変動吸着装置の少なくともいずれかである[1]から[7]のいずれかに記載の装置の異常検出方法である。
本発明の装置の異常検出方法は、2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置において、装置が故障する前に装置の異常を検出することができる。
特に、2以上の工程の切り替えを繰り返し行う吸着塔を1以上備えるPSA装置において、前記運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程(例えば、吸着工程、再生工程)の開始時、任意の工程(例えば、吸着工程、再生工程)の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程(例えば、吸着工程、再生工程)における任意の時点の少なくとも1種の運転データを抽出して解析することにより、得られるトレンドデータが大きく変動する場合であっても、装置の異常を検出することができる。
本発明を適用した一実施形態である異常検出方法に用いる窒素ガス発生装置1の構成を示す系統図である。 実施形態の異常検出方法に用いる窒素ガス発生装置の各工程における各開閉弁の開閉状態と、各吸着塔の圧力変動の状態を示したタイムチャートである。 実施形態の異常検出方法に用いる窒素ガス発生装置の各種計測機器から得られたトレンドデータの経時変化(1サイクル分)を示す図である。 比較例1における正常状態としてモデル化したQ統計量の値である。 比較例1における正常状態としてモデル化したT統計量の値である。 比較例1における異常を想定した模擬試験データと、図4で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたQ統計量の値である。 比較例1における異常を想定した模擬試験データと、図5で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたT統計量の値である。 比較例1において、模擬試験データのQ統計量とT統計量との値から、計測機器のどの箇所がずれの要因であるか寄与の度合いを解析した結果である。 実施例1において、正常状態の図3のデータから吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出したときのQ統計量の経時変化を示す図である。 実施例1において、正常状態の図4のデータから吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出したときのT統計量の経時変化を示す図である。 空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図9で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたQ統計量の値である。 空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図10で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたT統計量の値である。 実施例1において、所定の運転データを抽出し、多変量解析にて得られたQ統計量とT統計量との値から、計測機器のどの箇所がずれの要因であるか寄与の度合いを解析した結果である。
本発明の装置の異常検出方法(以下、単に「異常検出方法」ということもある)は、2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置について、異常を検出する方法である。
具体的には、先ず、監視対象となる装置において、運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程の開始時、任意の工程の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくとも1種の運転データを抽出する。
本発明において、監視対象となる装置としては、2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置であれば、特に限定されるものではない。このような装置としては、例えば、PSA装置、温度変動吸着(TSA)装置などが挙げられる。
また、前記装置の付帯装置としては、空気圧縮機等のガス供給装置などが挙げられる。なお、上述した機器が1つである場合、機器そのものが監視対象となる装置であってもよい。
本発明において、監視対象となる装置を構成する機器としては、特に限定されるものではなく、回転運動や往復運動をするもの(例えば、モータ、ポンプ、ピストン等)、外部に圧力や熱を与えるもの(例えば、圧縮機、ヒータ、冷凍式ドライヤー等)、外部から圧力や熱を受けるもの(例えば、吸着剤が充填された吸着塔、熱交換器等)、などが挙げられる。
本発明において、2以上の工程の切り替えを繰り返し行うとは、2つ以上の異なる条件で装置が運転されることを意味する。例えば、回転運動や往復運動する機器を有する装置であれば、少なくとも、回転運動の速度や往復運動の周期が相対的に速い条件で運転される状態と、相対的に遅い条件で運転される状態とを有する。また、外部から圧力や熱を受ける機器を有する装置であれば、少なくとも、圧力や温度が相対的に高い条件で運転される状態と、相対的に低い条件で運転される状態とを有する。
また、2以上の工程の切り替えとは、相対的に速い(高い)条件での運転状態(以下、「第1の運転状態」ということもある)と、相対的に遅い(低い)条件での運転状態(以下、「第2の運転状態」ということもある)との間で、後述する計測機器から得られるいずれか1つ以上の測定値が大きく変動することを意味する。すなわち、監視対象の装置から得られる運転データのいずれかが、大きく変動することを意味する。
本発明では、上述した第1の運転状態と、第2の運転状態との間に、中間状態の運転状態を有していてもよい。例えば、「第1の運転状態」→「中間状態」→「第2の運転状態」→「中間状態」→「第1の運転状態」・・・のように、繰り返される。このような中間状態の運転状態を設けることにより、監視対象となる装置を構成する機器へのダメージを減少する効果が得られる場合や、装置の性能を向上する効果が得られる場合がある。また、本発明の装置が正常な状態であれば、同じ運転状態において、運転条件及び運転時間は同一である。
本発明の異常検出方法では、監視対象となる装置の運転データとして、装置に設けられた1以上の計測機器の測定値を用いる。計測機器は、装置自体に設けられていてもよいし、装置が設置されている環境に設けられていてもよい。また、装置が1以上の機器を有する場合、機器自体に設けられていてもよいし、機器の周辺(入口側、出口側等)に設けられていてもよい。
計測機器としては、特に限定されるものではなく、装置の運転条件を計測できるものであってもよいし、装置の性能を計測できるものであってもよい。具体的には、回転計(検出器)、速度計、振動計、電流計、電圧計、抵抗計、圧力計、温度計、濃度計、流量計などが挙げられる。
一般的に、装置に設けられた計測機器では、監視対象となる装置からトレンドデータを連続して取得及び記録することが可能である。本発明の異常検出方法では、運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程の開始時、任意の工程の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくとも1種の運転データを抽出して、後段の解析に用いる。なお、運転データの抽出は、1以上の運転状態(工程)について得られれば解析は可能であるが、故障の予測に関係しそうな全ての運転状態について得ることが好ましく、任意の工程の開始時及び任意の工程と異なる工程の終了時;前記任意の工程の開始時及び前記任意の工程と同一工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点;前記任意の工程の終了時及び前記任意の工程と異なる工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点がより好ましい。
なお、開始時とは、1つの工程における運転が始まった時点を意味する。終了時とは、1つの工程における運転が終了した時点を意味する。1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点とは、1サイクル中の3分の1以上の時間を有する工程であって、かつ前記工程における開始時から終了時の間における任意の時点を意味する。1サイクルとは、2以上の工程の切り替えを繰り返し行った際の1つの周期を意味する。
次に、本発明の異常検出方法では、多変量解析手法により、正常時の運転データを用いて得られた正常時のモデルに、正常時の運転データと、現在の前記運転データとを入力し、それぞれの運転データの統計量を算出し、現在の運転データの統計量が、正常時の運転データの統計量と乖離する場合に、運転状態の異常として検出する。
多変量解析手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、主成分分析手法などが挙げられる。
主成分分析手法としては、例えば、統計解析向けのオープンソースソフトウェアであるR言語やOctave等のプログラミング言語などが挙げられる。
統計量の算出としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(1)で求められるQ統計量、下記式(2)で求められるT統計量などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、Q統計量とは、変数間の相関が正常な状態から外れている度合い(データ同士の相関関係のズレ)を数値化した値を意味し、T統計量とは、変数間の相関は保たれているが、振幅が正常な状態から外れている度合い(普段の挙動とのズレ)を数値化した値を意味する。
具体的な解析手法としては、上述した計測機器から得られた圧力、温度、流量などの正常運転時のトレンドデータを主成分分析手法でモデル化(正常時のモデル)する。次いで、正常時のモデルに、正常時の運転データ、及び現在の運転データを入力して、それぞれの運転データの統計量を得る。そして、現在の運転データの統計量が、正常時の運転データの統計量と乖離する場合に、運転状態の異常として検出することができる。
乖離としては、例えば、正常時の運転データ及び現在の運転データの、Q統計量及びT統計量の少なくともいずれかを算出し、これらの差が予め定めた範囲から外れた状態などが挙げられる。具体的には、正常時の運転状態の運転データの閾値に対する、現在の運転データの統計値が、大きい場合に異常を検出することができる。これにより、装置の運転データのうちいずれか1つ以上が大きく変動する場合であっても、装置の故障や、装置性能の低下につながる異常を、可能な限り早い段階で正確に検知することができる。正常時の前記運転データ、及び現在の運転状態の前記運転データは、同一の運転状況における同一時点(例えば、吸着塔4Aの吸着工程の終了時)同士において抽出することが好ましい。
なお、正常時とは、装置の初期始動時、並びに運転データの抽出時の1週間前から1年前の少なくとも1種のデータを意味し、前記装置の種類、特性等に応じて、適宜選択することができる。
閾値としては、例えば、正常時の運転データの統計値の平均値に、前記平均値の標準偏差の値の3倍の数値を足した値[平均値+(標準偏差×3)]により求めることができる。
また、装置の異状状態を検知した際、前記正常時の運転データの閾値と、現在の運転データの統計量とを解析し、各計測機器の寄与度を算出して解析することにより、異常状態に寄与している測定箇所を特定することができる。すなわち、装置の異常箇所を判定することができる。
Q統計量の寄与度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(3)などにより求めることができ、T統計量の寄与度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(4)などにより求めることができる。
本発明の異常検出方法では、前記運転データ、検出した結果、及び運転状態の異常に寄与している測定箇所の少なくとも1種の情報を、有線又は無線回線によって遠隔監視することが好ましい。これにより、監視対象となる装置の設置場所にエンジニアが直接出向くことなく、迅速な対応が可能となる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の装置の異常検出方法を適用した第1の実施形態である窒素ガス発生装置の異常検出方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(窒素ガス発生装置)
先ず、本発明を適用した一実施形態である窒素ガス発生装置の異常検出方法において、これに用いる窒素ガス発生装置の構成の一例について説明する。図1は、本実施形態に用いる窒素ガス発生装置1の構成を示す系統図である。本実施形態に用いる窒素ガス発生装置1は、PSA分離方法(圧力変動式吸着法)を実施するために好適なPSA分離装置である。
窒素ガス発生装置1は、原料ガス(空気)圧縮機2と、レシーバタンク3と、2塔の吸着塔4A,4Bと、窒素ガスを貯留する製品タンク5と、供給する原料ガス(空気)の流量を計測する流量計(MFM:マスフローメーター)6と、取り出す窒素の流量を計測する流量計7と、供給する原料ガスの圧力を測定する圧力計8と、取り出す窒素の圧力を測定する圧力計9と、吸着塔4A,4B内の圧力を測定する圧力計10,11と、供給する原料ガスの温度を測定する温度計12と、環境温度を測定する温度計13と、取り出す窒素の濃度を測定する濃度計14と、吸着塔4A,4Bを吸着(加圧)工程、均圧工程、再生(減圧)工程に切り替える開閉弁AV1(1A,1B)〜AV5(5A,5B)と、を備えて概略構成されている。
吸着塔4A,4B内には、ともに同じ材料からなるガス分離用吸着剤が充填されており、このガス分離用吸着剤は、吸着量が窒素より酸素の方が大きいという特性を有している。したがって、ガス分離用吸着剤は、窒素よりも酸素を優先的に吸着する吸着剤である。このようなガス分離用吸着剤としては、例えば、分子篩い炭素などが挙げられる。
(窒素ガス発生方法)
次に、窒素ガス発生装置1を用いて、空気中から酸素と窒素とを分離して窒素ガスを取り出す方法について説明する。ここで、図2は、各工程における各開閉弁の開閉状態と、各吸着塔の圧力変動の状態を示したタイムチャートである。
本実施形態において、窒素ガス発生方法(すなわち、分離方法)は、吸着工程、均圧工程、再生工程を各吸着塔4A,4Bで交互に経時的に行うものであり、具体的には図2に示すようなプロセスで行われる。なお、以下の説明では、吸着塔4Aで行われている工程名を用いて説明する。
「吸着工程」
吸着工程では、先ず、原料ガス圧縮機2によって圧縮された原料ガス(原料空気)を吸着塔4Aに供給し、吸着塔4A内部の圧力を例えば0.8MPaG程度に高める。この際、吸着塔4Bでは後述する再生工程が行われている。
吸着工程では、開閉弁AV1A,AV2A,AV5Bのみが開いており、他の開閉弁は閉じているため、原料ガスは開閉弁AV1Aを通じて吸着塔4Aの入口側から導入される。
吸着塔4A内では、酸素がガス分離用吸着剤に吸着されるため、吸着塔4A内の入口側から出口側に向かうにつれて窒素濃度が高くなり、吸着塔4Aの出口側から取り出されるガスは、例えば95%以上の濃度の窒素となる。
取り出された窒素は、製品タンク5に一度貯留された後、製品窒素流量調整弁15によって流量が調整された後、製品窒素として外部へと導出される。
「均圧工程」
吸着工程が終了した後は、均圧工程に移行する。均圧工程は、吸着工程終了後の吸着塔4Aと再生工程終了後の吸着塔4Bを連通させることで、吸着塔4A内のガスを移動させる工程である。すなわち、均圧工程では、吸着工程によって昇圧した吸着塔4A内の圧力を、再生工程によって例えば大気圧程度にまで減圧した吸着塔4Bが回収する工程である。
均圧工程では、開閉弁AV3,AV4が開いており、他の開閉弁は閉じているため、吸着工程によって加圧されている吸着塔4A内のガスが、均圧ラインを通って、再生工程によって減圧された吸着塔4B内に導入される。なお、以下の説明では、この均圧工程において、移行するガスのことを均圧ガスということがある。
また、均圧工程の時間は、所定の時間となるように制御する。これにより、吸着塔4B内の急激な圧力上昇を防ぐことができる。
「再生工程」
吸着塔4A,4B内の圧力がほぼ等しくなったら均圧工程を終了し、再生工程に移行する。再生工程は、吸着塔4A内の圧力を、例えば大気圧程度にまで下げてガス分離用吸着剤に吸着されていた酸素を脱離させ、ガス分離用吸着剤を再生させる工程である。この際、吸着塔4Bでは吸着工程が行われている。
再生工程では、開閉弁AV1B,AV2B,AV5Aのみが開いており、その他の開閉弁は閉じている。
「均圧工程」
再生工程を終えて、再度、均圧工程に移行する。今回は、吸着塔4Bの圧力を吸着塔4Aで回収することとなり、均圧ガスの移動方向は逆となるが、その他は上述した均圧工程と同様の工程を行う。
均圧工程が終了すると吸着工程に移行し、以降は上記各工程を周期的に繰り返す。
(異常検出方法)
本実施形態の異常検出方法は、吸着工程、均圧工程、再生工程を繰り返して行う吸着塔4A,4Bを有する窒素ガス発生装置1において、窒素ガス発生装置1に設けられた各種計測機器(流量計6,7、圧力計8〜11、温度計12,13、濃度計14)の測定値を運転データとして収集し、これを解析して異常状態を検知するものである。
図3は、窒素ガス発生装置1の各種計測機器から得られた運転データ(トレンドデータ)の経時変化(1サイクル分)を示す図である。図3中、「原料流量」は流量計6の測定値、「製品流量」は流量計7の測定値、「4A塔圧力」は圧力計10の測定値、「4B塔圧力」は圧力計11の測定値、「製品タンク圧力」は圧力計9の測定値、「PSA入口圧力」は圧力計8の測定値をそれぞれ示している。
図3に示すように、窒素ガス発生装置1の各計測機器から得られる測定値は秒単位で変化する。窒素ガス発生装置1はPSA装置であり、特に圧力値に関しては1サイクルの間において変動幅が非常に大きい。さらに、吸着塔4A,4Bに充填された吸着剤は、ガス温度や環境温度の影響を受けやすいという傾向にある。一般的には、温度が低いとガスは吸着し易く、温度が高いとガスは吸着し難いため、吸着工程では温度が低いと性能が上がるが、再生工程では温度が高いとガスの脱離しやすいため性能が上がる。
このように、圧力スイング吸着式の窒素ガス発生装置1では、圧力、温度、流量など性能に関わる因子が多いため、故障の予兆を検知することが難しい。
また、圧力スイング吸着式のガス発生装置1では、1サイクルの間において圧力値の変動幅が非常に大きいため、従来から公知の主成分分析や部分的最少二乗法等の多変量解析手法を適用した異常検出が困難である。
そこで、従来、多変量解析手法を行う際、各種計測機器から得られた運転データを全て用いたのに対して、本実施形態の異常検出方法では、窒素ガス発生装置1において、得られた運転データのうち、吸着塔4Aの吸着工程(吸着塔4Bの再生工程)及び吸着塔4Aの再生工程(吸着塔4Bの吸着工程)の各工程について、工程の「開始時」、「1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点」及び「終了時」の3つの時点のうち、いずれか1つ以上の運転データを抽出して、多変量解析手法を行う。これにより、窒素ガス発生装置1の運転データにおいて、圧力値が大きく変動する場合であっても、装置の故障や、性能の低下につながる異常を、可能な限り早い段階で正確に検知することができる。
「開始時」、及び「終了時」の2つの運転データの抽出は、1つの工程の運転状態の「終了時」(例えば、吸着塔4Aの吸着工程の終了時)と、次の工程の運転状態の「開始時」(例えば、吸着塔4Aの再生工程の開始時)と、が好ましい。また、「開始時」、「1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点」、及び「終了時」の3つの運転データの抽出は、1つの運転状態の「終了時」(例えば、吸着塔4Aの吸着工程の終了時)と、次の工程の運転状態の「開始時」(例えば、吸着塔4Aの再生工程の開始時)と、前記「開始時」と同一の運転状態における開始時から任意の時間の経過時と、が好ましい。
以下、実施例、及び比較例を用いて、本実施形態の異常検出方法を、より具体的に説明する。
(比較例1)
図1に示すような窒素ガス発生装置1において、計測機器を用いて圧力、流量、濃度の運転データを1秒間間隔で収集し、その運転データを用いて多変量解析することで故障の予兆の検知が可能かどうかを検証した。
具体的には、空気圧縮機2の異常による原料空気の供給能力不足を想定し、窒素ガス発生装置1への空気導入量が低下した状態で模擬試験を行って検証した。
まず、図3に示すように、圧力、流量、濃度などの「1秒間ごと」に得られた運転データを収集し、多変量解析(主成分分析)を行い、正常時のモデルを作成した。正常時のモデルの作成では、統計解析向けのオープンソースソフトウェアを使用した。この正常時のモデルに、特定の運転データを抽出することなく、1秒間間隔で収集した運転データ(正常時の運転データ、及び現在の運転データ)を入力し、Q統計量、T統計量をそれぞれ求めることで異常の検出が可能であるかを解析した。なお、Q統計量及びT統計量は、上述した式(1)及び式(2)によって算出した。
ここで、図4は、窒素ガス発生装置1が正常運転状態において、圧力、流量、濃度などの運転データを「1秒間ごと」に収集し、そのデータから多変量解析を行い正常状態としてモデル化したQ統計量の値である。
また、図5は、窒素ガス発生装置1が正常運転状態において、圧力、流量、濃度などの運転データを「1秒間ごと」に収集し、そのデータから多変量解析を行い正常状態としてモデル化したT統計量の値である。
また、図6は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図4で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたQ統計量の値である。
また、図7は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図5で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたT統計量の値である。
また、図8は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データのQ統計量とT統計量との値から、計測機器のどの箇所がずれの要因であるか寄与の度合いを解析した結果である。
さらに、下記表1は、Q統計量及びT統計量の3時間分のデータにおける正常時の運転データの平均値及び標準偏差、正常時のモデルに現在の運転データを入力して得られた現在の運転データの統計量、並びに異常の有無を示す。
なお、正常時の運転データの閾値は、正常時の運転データの統計値の平均値に、前記平均値の標準偏差の値の3倍の数値を足した値[平均値+(標準偏差×3)]により求めた。
運転データを「1秒間ごと」に収集した全データを用いた解析の結果、窒素ガス発生装置1の正常運転状態から異常を想定した模擬運転状態では、Q統計量、及びT統計量の値はほぼ同等であった(図4及び図6、並びに図5及び図7を参照)。また、正常時の運転データの統計量と、現在の運転データの統計量との乖離として、正常時の運転データの閾値と現在の運転データの統計量とを比較すると、正常時の運転データの閾値よりも、現在の運転データの統計量の方が小さく、異常を検出することができなかった。また、図8に示すように、寄与の度合いからも計測機器のどの箇所に異常があるのか検知することができなかった。
本来であれば、模擬試験において、空気圧縮機2の異常を想定して空気導入量を低下させたことから、吸着圧力、製品タンク圧力などの圧力最大値の低下や原料空気の導入量の低下が検知されるべきであるが、検知することができなかった。
比較例1において、窒素ガス発生装置1の空気導入量の低下を検知できなかったことの要因として、以下の理由が考えられる。すなわち、圧力スイング式の窒素ガス発生装置1の特性上、各吸着塔4A,4Bの吸着圧力は大気圧から0.8MPaGまで変動した非定常状態であり、そのサイクルも数十秒間であることから1サイクルにおける圧力値の変動が大きい。そして、1秒間間隔の運転データを取得し、それらの全データを解析すれば圧力の最大値が低下したとしても精度よく検出することができなかった。このように、比較例1では、空気導入量の低下による異常状態を検出できなかった。
なお、比較例1では、各吸着塔4A,4Bの吸着圧力は大気圧から0.8MPaGと記載したが、PSA装置によって圧力範囲は違うことから必須の値ではないことは明らかである。
(実施例1)
次いで、比較例1で得られた運転データの中から、吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点(すなわち、吸着塔4Aの吸着工程の終了時)の各計測機器のデータを抽出し、その抽出した運転データ(正常時の運転データ、及び現在の運転データ)を正常時のモデルに入力し、統計量を算出して故障の予兆の検知が可能かどうかを検証した。
ここで、図9は、正常状態の図3のデータから吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出したときのQ統計量の経時変化を示す図である。
また、図10は、正常状態の図4のデータから吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出したときのT統計量の経時変化を示す図である。
図9、図10及び表1に示すように、比較例1で得られた運転データの中から、吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出することで、T統計量の振れ幅が小さく安定した値が得られた。
また、図11は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図9で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたQ統計量の値である。
また、図12は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験データと、図10で得られた正常状態の運転データとを比較解析して得られたT統計量の値である。
図11、図12及び下記表2に示すように、運転データの中から、吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点の各計測機器のデータを抽出して検証した場合、Q統計量の平均値は「80」、T統計量の平均値は「86」となり、1秒間間隔で全データを解析した比較例1に比べて、顕著に高い値が得られた。また、正常時の運転データの統計量と、現在の運転データの統計量との乖離として、正常時の運転データの閾値と現在の運転データの統計量とを比較すると、正常時の運転データの閾値よりも、現在の運転データの統計量の方が大きく、窒素ガス発生装置1の異常を検知することができた。
また、図13は、空気圧縮機2の異常を想定した模擬試験において、所定の運転データを抽出し、得られたQ統計量とT統計量との値から、計測機器のどの箇所がずれの要因であるか寄与の度合いを解析した結果である。
図13に示すように、寄与度が高い順に吸着塔4Aの圧力、製品タンク圧力、原料空気導入量が異常箇所であると判断できた。一方、上述した比較例1における図8では、所定の運転データを抽出しなかった場合は異常箇所を判断できなかったことから、PSA工程のある箇所のデータ、例えば吸着圧力の最大値のときの各計測機器のデータを抽出することが有効な手段であることを見出すことができた。
さらに、図13に示すように、製品窒素中の酸素濃度の寄与度が小さいことから、製品窒素中の酸素濃度の増加する前に窒素ガス発生装置1の異常を検知するとともに、異常箇所を推定可能であることを確認した。
下記の表3に、正常運転時と異常運転時の寄与度が大きかった吸着塔4Aの圧力(4A塔吸着圧力)、製品タンク圧力、原料空気導入量、及び酸素濃度の実際の値(平均値)を示す。下記表3中に示すように、正常運転時から異常運転時に原料空気導入量が低下して吸着塔4Aの圧力と製品タンク5の圧力が低下したと判断できる。すなわち、何らかの不具合が発生し、空気圧縮機の能力低下により原料空気導入量が低下したと判断できる。表3中に示すように、PSA装置におけるこのような微小な変動であっても、本実施形態の異常検出方法を用いれば故障の予兆を検知できることを確認した。
なお、窒素ガス発生装置1の異常状態がさらに継続した場合、空気圧縮機2からの空気導入量は低下し、Q統計量、T統計量は増加することとなる。これに従い、吸着塔4Aの圧力、製品タンク圧力、原料空気導入量の寄与度は徐々に増加し、さらにいつかは酸素濃度が増加することとなる。したがって、窒素ガス発生装置1から製造される窒素ガス中の酸素濃度が製品仕様を満足しなくなる時期(すなわち、濃度計14のアラーム設定値に到達する時期)を予想することができる。
(比較例2)
次いで、比較例1で得られた運転データの中から、1サイクル中の3分の1未満の時間を有する任意の工程(均圧工程)における任意の時における各計測機器のデータを抽出し、その抽出した運転データ(正常時の運転データ、及び現在の運転データ)を正常時のモデルに入力し、統計量を算出して故障の予兆の検知が可能かどうかを検証した。
その結果、比較例1と同様に、正常時の運転データの統計量と、現在の運転データの統計量との乖離として、正常時の運転データの閾値と現在の運転データの統計量とを比較すると、正常時の運転データの閾値よりも、現在の運転データの統計量の方が小さく、また、寄与の度合いからも計測機器のどの箇所に異常があるのか検知することができなかった。
以上説明したように、本実施形態の異常検出方法によれば、吸着工程、均圧工程、再生工程を繰り返して行う吸着塔4A,4Bを有する窒素ガス発生装置1において、窒素ガス発生装置1に設けられた各種計測機器(流量計6,7、圧力計8〜11、温度計12,13、濃度計14)の測定値を運転データとして収集し、得られた運転データのうち、吸着塔4Aの吸着工程(吸着塔4Bの再生工程)及び吸着塔4Aの再生工程(吸着塔4Bの吸着工程)の各工程について、工程の「開始時」、「1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点」及び「終了時」の3つの時点のうちいずれか1つ以上の運転データを抽出して、統計量を算出する。これにより、運転データにおいて、圧力値が大きく変動する場合であっても、装置の故障や、性能の低下につながる異常を、可能な限り早い段階で正確に検知することができる。
<他の実施形態>
本発明の装置の異常検出方法を適用した他の実施形態としては、温度変動吸着(Thermal Swing Adsorption:TSA)装置の異常検出方法が挙げられる。TSA装置においても、運転サイクル中、吸着塔の加熱、冷却を繰り返すことから、本発明の異常検出方法は有効な手段である。
また、空気圧縮機においても、運転サイクル中の故障事例が多いことから、本発明の異常検出方法を適用することは有効である。空気圧縮機の運転データとしては、電流値、回転部の振動、吐出圧力、ドライヤー露点などの測定値を用いることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。上述した第1実施形態における異常検出方法では、図1に示すように、PSA装置として窒素ガスの発生装置を一例として説明したが、発生するガスは酸素ガスやその他のガスであってもよい。
また、上述した第1実施形態では、PSA装置として再生工程が大気圧の場合を一例として説明したが、真空ポンプにて減圧する構成であってもよい。
また、上述した第1実施形態では、PSA装置として2つの吸着塔4A,4Bの運転状態を交互に切り替える構成を一例として説明したが、3つ以上の吸着塔を有する構成であってもよい。
また、上述した第1実施形態では、運転データの中から、吸着塔4Aの吸着圧力が最大値となる時点(すなわち、吸着塔4Aの吸着工程の終了時)のみの各計測機器のデータを抽出し、その抽出した運転データを用いて多変量解析する構成を一例として説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、吸着工程の開始時、開始時から任意の時間の経過時も併せて抽出してもよい。さらに、吸着塔4Bに関するデータを含めて統計量の算出を行ってもよい。
1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、例えば、吸着塔4Aの吸着工程の開始時から任意の時間の経過後としては、工程が切り替わった後であれば、特に限定されるものではない。PSA装置の場合は、1サイクルの時間が短いため、上記任意の時間としては、5〜25秒間を例示することができる。一方、他の実施形態において、TSA装置を用いる場合では、上記任意の時間としては、数分〜数十分を例示することができる。
1…窒素ガス発生装置(装置)
2…原料ガス(空気)圧縮機
3…レシーバタンク
4A,4B…吸着塔
5…製品タンク
6,7…流量計(MFM:マスフローメーター)
8〜11…圧力計
12,13…温度計
14…濃度計
AV1〜AV6…開閉弁

Claims (8)

  1. 2以上の工程の切り替えを繰り返し行う装置における運転状態の異常を検出する装置の異常検出方法であって、
    前記運転状態を監視するための連続して収集した任意の運転データから、任意の工程の開始時、任意の工程の終了時、及び1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくとも1種の運転データを抽出し、
    多変量解析手法により、正常時の前記運転データを用いて得られた正常時のモデルに、正常時の前記運転データと、現在の前記運転データとを入力し、それぞれの運転データの統計量を算出し、
    現在の運転データの統計量が、前記正常時の運転データの統計量と乖離する場合に、運転状態の異常として検出することを特徴とする装置の異常検出方法。
  2. 前記運転データの抽出が、任意の工程の開始時、及び前記任意の工程と異なる工程の終了時である請求項1に記載の装置の異常検出方法。
  3. 前記運転データの抽出が、前記任意の工程の開始時及び前記任意の工程と同一工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、並びに前記任意の工程の終了時及び前記任意の工程と異なる工程であって1サイクル中の3分の1以上の時間を有する任意の工程における任意の時点、の少なくともいずれかである請求項1に記載の装置の異常検出方法。
  4. 前記乖離が、前記正常時の運転データ及び前記現在の運転データの、Q統計量及びT統計量の少なくともいずれかを算出し、これらの差が予め定めた範囲から外れた状態である請求項1から3のいずれかに記載の装置の異常検出方法。
  5. 前記運転データが、前記装置に設けられた1以上の計測機器の測定値である請求項1から4のいずれかに記載の装置の異常検出方法。
  6. 2以上の前記測定値を収集し、前記Q統計量及び前記T統計量の少なくともいずれかに対する各測定値の寄与度を、下記式(3)及び下記式(4)の少なくともいずれかにより算出することにより、運転状態の異常に寄与している測定箇所を特定する請求項5に記載の装置の異常検出方法。
  7. 前記運転データ、検出した結果、及び運転状態の異常に寄与している測定箇所の少なくとも1種を、有線又は無線回線によって遠隔監視する請求項6に記載の装置の異常検出方法。
  8. 前記装置が、圧力変動吸着装置、及び温度変動吸着装置の少なくともいずれかである請求項1から7のいずれかに記載の装置の異常検出方法。
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