JP2019132760A - 熱特性測定方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度平衡を待たずに、高速に測定対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定できる熱特性測定方法及びその装置。【解決手段】測定デバイス13に正弦波状に変化する電力を供給する発振器11と、測定デバイス13の温度を検出する温度センサ14と、発振器11により供給された正弦波状の電力の波形の振幅、温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度波形の振幅及び電力波形と温度波形との時間差に基づき測定デバイス13の熱容量及び熱抵抗を測定するロックインアンプ17とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、温熱又は冷却の対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定する熱特性測定方法及びその装置に関する。
機器の熱設計において、部材(測定対象物)の熱抵抗を測定することが不可欠であり、熱容量の測定も必要である。従来の熱特性測定装置は、温熱又は冷却の測定対象物に一定の電力を供給し、2時間程度の長時間、加熱したり冷却した時の各部の平衡温度を測定することにより測定対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定していた。
また、従来の熱特性測定装置は、加えた熱エネルギーと温度変化の速度、各部の平衡温度の差により、測定対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を計算していた。
なお、従来の技術として、例えば、特許文献1〜2に記載された技術が知られている。
しかしながら、従来の熱特定測定装置では、2時間程度の極めて長い測定時間を要する。さらに、測定対象物の周囲温度が変化すると、測定温度も平衡しないため、測定できる環境条件が限定されていた。例えば、恒温槽内や人の出入りが少ないことで、周囲温度の変化が小さい環境に限定されていた。
本発明の課題は、温度平衡を待たずに、高速に測定対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定することができる熱特性測定方法及びその装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の熱特性測定装置は、測定対象物に正弦波状に変化する電力を供給する供給部と、前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、前記供給部により供給された電力の波形変化の振幅、前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力の波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の熱特性測定装置は、測定対象物にパルス電力を供給する供給部と、前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、前記供給部により供給されたパルス電力の波形の振幅と前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の前記パルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の熱特性測定装置は、測定対象物に接触された電気的発熱体に、正弦波状に変化する電力を供給する供給部と、前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、前記供給部により供給された電力の波形変化の振幅、前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の熱特性測定装置は、測定対象物に接触された電気的発熱体に、パルス電力を供給する電力供給部と、前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、前記供給部により供給されたパルス電力の波形の振幅と前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の前記パルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の熱特性測定方法は、測定対象物に正弦波状に変化する電力を供給する電力供給ステップと、前記測定対象物の温度を検出する温度検出ステップと、前記供給された電力の波形変化の振幅、検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、電力供給部が測定対象物に正弦波状に変化する電力或いはパルス電力を供給し、温度検出部が測定対象物の温度を検出する。熱特性測定部は、供給された電力の波形の振幅、検出された測定対象物の温度波形の振幅及び電力波形と温度波形との時間差に基づき測定対象物の熱特性を測定する。
従って、温度平衡を待たずに、高速に測定対象物の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定することができる熱特性測定方法及びその装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の熱特性測定方法及びその装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る熱特性測定装置の回路構成図である。熱特性測定装置は、発振器11、パワーアンプ12、測定デバイス13、温度センサ14、アンプ15、2乗回路16、ロックインアンプ17を備えている。
発振器11は、本発明の供給部に対応し、正弦波状に変化する電圧あるいは電流を発振し、正弦波状に変化する電力をパワーアンプ12に出力する。正弦波状の電力は、正弦波状の電圧と正弦波状の電流との積に基づいて生成される。パワーアンプ12は、発振器11からの正弦波状の出力電圧あるいは出力電流を増幅して所定のパワーを測定デバイス13と2乗回路16とに供給する。
測定デバイス13は、本発明の測定対象物に対応し、熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定するための測定対象物であり、例えば、電力抵抗である。測定デバイス13には、温度センサ14が取り付けられている。
温度センサ14は、本発明の温度検出部に対応し、半導体センサや放射赤外線温度センサや熱電対等からなり、測定デバイス13の温度を検出する。アンプ15は、温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度信号を増幅して、増幅された温度信号をロックインアンプ17に出力する。
2乗回路16は、パワーアンプ12で増幅された正弦波状の電圧や電流の2乗を演算し、得られた電力波形をロックインアンプ17に出力する。2乗回路16は、発振器11が電力波形そのものを発振するものであれば、特に設けなくても良い。2乗回路16は、発振器11が正弦波状の電圧又は電流を発振する場合には、設ける必要があり、この場合には、発振器11での正弦波状の電圧又は電流を2乗して電力を演算してこの電力をロックインアンプ17に出力する。
ロックインアンプ17は、本発明の熱特性測定部に対応し、2乗回路16からの電力波形と、温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度波形の振幅(表面温度Tの正弦波成分ΔTの振幅)と電力波形と温度波形との時間差(位相差)とを測定する。
なお、ロックインアンプ17の代わりに、オシロスコープ等を用いて測定デバイス13の熱抵抗θと熱容量Cとを測定しても良い。
図2は、実施例1に係る熱特性測定装置における測定デバイス13の熱等価回路を示す。測定デバイス13は、熱抵抗θ(℃/W)と熱容量C(J/℃)との並列回路で表される。この測定デバイス13にパワーアンプ12から供給される正弦波状に変化する電力はPd(W)である。正弦波状の電力Pdの供給により、測定デバイス13の表面温度はT(℃)となる。測定デバイス13の周囲温度はTa(℃)である。
図3は実施例1に係る熱特性測定装置における測定デバイス13の熱抵抗θ及び熱容量Cの熱特性を温度センサ14で測定した状態を示す。
測定デバイス13の表面温度Tは、周囲温度Taに、図2に示す熱抵抗θと熱容量Cとの並列回路の温度を加算した温度で表される。熱抵抗θと熱容量Cとの並列回路の温度は、熱抵抗θと熱容量Cとの並列回路の合成インピーダンスと同じである。即ち、表面温度Tは、式(1)で表される。
T=Ta+(θ・Pd)/(1+jωCθ) …(1)
ωは、電力Pdの交流成分の角周波数である。表面温度の正弦波成分ΔTは、温度変化分であり、式(2)で表される。
ΔT=(θ・Pd)/(1+jωCθ) …(2)
式(2)の表面温度の正弦波成分ΔTを複素表示した時の温度変化の実部Xは、式(3)で表される。
X=(θ・Pd)/(1+ωCθ)2 …(3)
式(2)の表面温度の正弦波成分ΔTを複素表示した時の温度変化の虚部Yは、式(4)で表される。
Y=−ω・C・θ2・Pd/(1+ωCθ)2 …(4)
式(3)のX、Pd、式(4)のY、Pdを用いて、熱容量Cを表すと、式(5)のようになる。
C=−Y・Pd/{ω(X2+Y2)} …(5)
式(3)のX、Pd、式(4)のY、Pdを用いて、熱抵抗θを表すと、式(6)のようになる。
θ=(X2+Y2)/(X・Pd) …(6)
式(5)、式(6)に、式(3)の温度変化の実部Xと、式(4)の温度変化の虚部Yの測定値を代入することで、熱抵抗θと熱容量Cとを高速に測定することができる。
T=Ta+(θ・Pd)/(1+jωCθ) …(1)
ωは、電力Pdの交流成分の角周波数である。表面温度の正弦波成分ΔTは、温度変化分であり、式(2)で表される。
ΔT=(θ・Pd)/(1+jωCθ) …(2)
式(2)の表面温度の正弦波成分ΔTを複素表示した時の温度変化の実部Xは、式(3)で表される。
X=(θ・Pd)/(1+ωCθ)2 …(3)
式(2)の表面温度の正弦波成分ΔTを複素表示した時の温度変化の虚部Yは、式(4)で表される。
Y=−ω・C・θ2・Pd/(1+ωCθ)2 …(4)
式(3)のX、Pd、式(4)のY、Pdを用いて、熱容量Cを表すと、式(5)のようになる。
C=−Y・Pd/{ω(X2+Y2)} …(5)
式(3)のX、Pd、式(4)のY、Pdを用いて、熱抵抗θを表すと、式(6)のようになる。
θ=(X2+Y2)/(X・Pd) …(6)
式(5)、式(6)に、式(3)の温度変化の実部Xと、式(4)の温度変化の虚部Yの測定値を代入することで、熱抵抗θと熱容量Cとを高速に測定することができる。
次に、式(3)の温度変化の実部Xと、式(4)の温度変化の虚部Yとを、ロックインアンプ17により、測定する方法について、図4及び図5を参照しながら詳しく説明する。
ロックインアンプ17には、図4に示すように、電力波形Pdと温度変化である測定デバイス13の表面温度の正弦波成分ΔTとが表示される。
ここで、電力波形Pdと測定デバイス13の表面温度の正弦波成分ΔTの波形との時間差はΔtである。電力波形Pd及び正弦波成分ΔTの波形の周期は、Tmである。
電力波形Pdと正弦波成分ΔTの波形との位相差αは、
α=(Δt/Tm)×360°
で表される。
α=(Δt/Tm)×360°
で表される。
正弦波成分ΔTの波形は、電力波形Pdを基準として、図5に示すように、位相差αで表される。この正弦波成分ΔTの波形は、電力波形Pdの成分と同位相の成分X(温度変化の実部X)と、電力波形Pdの成分と直交する成分Y(温度変化の虚部Y)とで表すことができる。
正弦波成分ΔTの振幅と位相差αから、温度変化の実部Xと虚部Yとを測定することができる。そして、式(5)、式(6)に、温度変化の実部Xの測定値と、温度変化の虚部Yの測定値を代入することで、熱抵抗θと熱容量Cとを高速に測定することができる。
図4は、実施例1に係る熱特性測定装置における測定デバイスの熱容量C及びその実測値の周波数性を示す。次に、発明者は、熱特性の従来の測定方法に対する実施例1の測定デバイスの熱容量及び熱抵抗の測定誤差を確認した。正弦波状の脈流電力の周波数は、測定デバイス13の熱時定数Cθを考慮して、1.0mHz〜8.0mHzの範囲とした。
熱容量の従来方式と提案方式(実施例1)の測定結果を図6に示す。熱抵抗の従来方式と提案方式(実施例1)の測定結果を図7に示す。電力の周波数を下げることで、式(2)からもわかるように、温度変化の振幅が増加することにより、測定デバイス13の測定精度が向上した。
測定デバイス13の熱容量C及び熱抵抗の測定誤差を表1に示した。表1から以下の結果が得られた。電力の周期を熱時定数の約17倍以上にすることで、熱容量Cの測定誤差を5.0%以下に抑えることができた。
このように実施例1に係る熱特性測定装置及びその方法によれば、発振器11からパワーアンプ12を介して測定デバイス13に正弦波状の電力を供給し、温度センサ14が測定デバイス13の温度を検出する。ロックインアンプ17は、供給された電力の波形の振幅、検出された測定デバイス13の温度波形の振幅及び電力波形と温度波形との時間差に基づき測定デバイス13の熱容量Cと熱抵抗θを測定する。
即ち、測定デバイス13に加える熱エネルギーを正弦波状に変化させ、測定デバイス13の温度変化の振幅と時間差(位相差)を測定することにより、温度平衡を待たずに、高速に測定デバイス13の熱抵抗や熱容量等の熱特性を測定することができる。
熱特性の測定時間は、測定デバイス13の熱抵抗θと熱容量Cの積に近似できる熱時定数Cθよりも十分に長い時間であれば良く、温度平衡時間よりも短縮できる。
実験では、数分から十数分で測定対象物である電気抵抗器の熱抵抗θと熱容量Cを測定することができた。
また、熱特性測定中に、周囲温度が変化して温度平衡時間が得られない測定環境においても熱特性を測定することができる。さらに、通常の人の出入りが多く、室温が変化する実験室でも熱特性を測定することができる。
また、高速な測定が行えることにより、測定デバイス13に設ける放熱部材や測定デバイス13に加えられる熱量を効率良く設計できるようになり、装置の設計・開発の効率化を図ることができる。
実施例2に係る熱特性測定装置は、発振器11がパワーアンプ12を介して測定デバイス13にパルス電力を供給することを特徴とする。
また、ロックインアンプ17は、発振器11により供給されたパルス電力Pdの波形の振幅と温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度波形のパルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づき測定デバイス13の熱容量C及び熱抵抗θを測定する。実施例2に係る熱特性測定装置の熱等価回路は、図2に示すものと同じである。
図8に実施例2に係る熱特性測定装置においてパルス電力Pdを測定デバイス13に供給したときの測定デバイス13の温度波形Tを示す。
発振器11からパワーアンプ12を介してピーク値Pmを持つ1パルスのパルス電力Pdが時刻t0〜t1に、測定デバイス13に供給される。すると、測定デバイス13の温度波形Tは、時刻t0〜t1において、式(7)(8)で表される。
T(t)=Pmθ(1−e(−t/cθ)) …(7)
T(t1)=Pmθ(1−e(−t1/cθ)) …(8)
時刻t0〜t1において、式(9)で表される。
T(t)=T(t1)・e(θ(t−t1)/cθ)) …(9)
=Pmθ(1−e(−t1/cθ))・e−(t−t1)/cθ)) …(10)
式(7)より
dT(t)/dt|t=o=Pmθ×(e−t1/cθ/cθ)|t=o=Pm/C
∴ C=Pm/(dT(t1)/dt|t=o) …(11)
式(9)より
T(t)/T(t1)=e−(t−t1)/cθ))
∴ θ=(t−t1)/(C(ln(T(t1)/T(t)) …(12)
即ち、ロックインアンプ17は、式(11)を用いて、パルス電力の波形の振幅Pmと温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度波形Tのパルス電力Pdの波形の立ち上がり時における微分値Pm/Cとに基づき、測定デバイス13の熱容量C測定することができる。
T(t)=Pmθ(1−e(−t/cθ)) …(7)
T(t1)=Pmθ(1−e(−t1/cθ)) …(8)
時刻t0〜t1において、式(9)で表される。
T(t)=T(t1)・e(θ(t−t1)/cθ)) …(9)
=Pmθ(1−e(−t1/cθ))・e−(t−t1)/cθ)) …(10)
式(7)より
dT(t)/dt|t=o=Pmθ×(e−t1/cθ/cθ)|t=o=Pm/C
∴ C=Pm/(dT(t1)/dt|t=o) …(11)
式(9)より
T(t)/T(t1)=e−(t−t1)/cθ))
∴ θ=(t−t1)/(C(ln(T(t1)/T(t)) …(12)
即ち、ロックインアンプ17は、式(11)を用いて、パルス電力の波形の振幅Pmと温度センサ14で検出された測定デバイス13の温度波形Tのパルス電力Pdの波形の立ち上がり時における微分値Pm/Cとに基づき、測定デバイス13の熱容量C測定することができる。
また、ロックインアンプ17は、式(12)を用いて、測定デバイス13の熱容量θと測定デバイス13の温度波形T(t)とパルス電力停止時における測定デバイス13の温度波形T(t1)とに基づき測定デバイス13の熱抵抗θを測定することができる。
従って、実施例2の熱特性測定装置においても、温度平衡を待たずに、高速に測定デバイス13の熱容量C及び熱抵抗θ等の熱特性を測定することができる。
実施例3に係る熱特性測定装置は、測定デバイス13に電気的発熱体18を接触させて、発振器11から正弦波状に変化する電力を電気的発熱体18に供給して測定デバイス13の熱特性を測定するものであり、一般的な測定デバイスの熱特性を測定する。
測定デバイス13には、図9に示すように、温度センサ14a(温度TB)が接触すると共に、熱伝導部材20を介して電気的発熱体18が密着して配置されている。測定デバイス13の上面には、温度センサ14(温度Ts)が配置されている。熱伝導部材20は、測定デバイス13或いは電気的発熱体18の片方或いは両方が固体の場合、両方の隙間を埋める熱抵抗が低い薄い部材からなる。
測定デバイス13と電気的発熱体18との非放熱面の全てを覆うように断熱部材19が配置されている。断熱部材19は、電気的発熱体18から外部への熱の遮断を行う部材からなり、電気的発熱体18で発生する熱を測定デバイス13のみに供給する。
電気的発熱体18は、電子制御される抵抗器等からなり、パワーアンプ12を介する発振器11から正弦波状の電力が供給されて発熱する。測定デバイス13は、電気的発熱体18に接触しているため、電気的発熱体18の発熱により温度が変化する。
図10に、実施例3に係る熱特性測定装置における測定デバイス13の熱等価回路を示す。実施例3に係る熱等価回路は、測定デバイス13の熱容量Cと熱抵抗θとの並列回路と、測定デバイス13の表面−雰囲気間の熱抵抗θsaとからなる。
電気的発熱体18と接触する測定デバイス13の界面温度をTBとし、温度センサ14によって測定される測定デバイス13の表面温度をTsとする。
TB−Ts=ΔTBSとすると、
ΔTBS=(θ・Pd)/(1+jωCθ)
=θPd(1−jωCθ)/(1+ωCθ)2 …(13)
即ち、式(13)のΔTBSは、式(2)の自己発熱する測定デバイス13の測定値ΔTと同じである。従って、測定値ΔTをΔTBSに置き換え、測定デバイス13の表面温度Tsに対する温度上昇ΔTBSを測定する。
TB−Ts=ΔTBSとすると、
ΔTBS=(θ・Pd)/(1+jωCθ)
=θPd(1−jωCθ)/(1+ωCθ)2 …(13)
即ち、式(13)のΔTBSは、式(2)の自己発熱する測定デバイス13の測定値ΔTと同じである。従って、測定値ΔTをΔTBSに置き換え、測定デバイス13の表面温度Tsに対する温度上昇ΔTBSを測定する。
そして、ロックインアンプ17により、正弦波状の電力の波形の振幅、測定デバイス13の温度波形の振幅ΔTBS及び電力波形と温度波形との時間差に基づき測定デバイス13の熱容量Cと熱抵抗θとを測定することができる。
また、ロックインアンプ17により、温度波形の成分の内の電力波形の成分と同位相の成分と、温度波形の成分の内の電力波形の成分に直交する成分とに基づき測定デバイス13の熱抵抗と熱容量とを測定することができる。
なお、本発明は、実施例1乃至3の熱特性測定装置に限定されるものではない。実施例3の熱特性測定装置では、測定デバイス13に電気的発熱体18を接触させて、発振器11から正弦波状の電力を電気的発熱体18に供給して測定デバイス13の熱特性を測定した。
例えば、測定デバイス13に電気的発熱体18を接触させて、発振器11からパルス電力を電気的発熱体18に供給して測定デバイス13の熱特性を測定しても良い。
この場合には、ロックインアンプ17は、パルス電力の波形の振幅と測定デバイス13の温度波形のパルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づきデバイス13の熱特性を測定することができる。
また、ロックインアンプ17は、パルス電力波形の振幅と微分値とに基づき測定デバイス13の熱容量Cを測定し、測定デバイス13の熱容量と測定デバイス13の温度波形とパルス電力停止時における測定デバイス13の温度波形とに基づき測定デバイス13の熱抵抗θを測定することができる。
11 発振器
12 パワーアンプ
13 デバイス
14 温度センサ
15 アンプ
16 2乗回路
17 ロックインアンプ
18 電気的発熱体
19 断熱部材
Pd 電力
Pm ピーク値
Ta 周囲温度
T 表面温度
12 パワーアンプ
13 デバイス
14 温度センサ
15 アンプ
16 2乗回路
17 ロックインアンプ
18 電気的発熱体
19 断熱部材
Pd 電力
Pm ピーク値
Ta 周囲温度
T 表面温度
Claims (9)
- 測定対象物に正弦波状に変化する電力を供給する供給部と、
前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、
前記供給部により供給された正弦波状の電力の波形の振幅、前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部と、
を備えることを特徴とする熱特性測定装置。 - 前記熱特性測定部は、前記温度波形の成分の内の前記電力波形の成分と同位相の成分と、前記温度波形の成分の内の前記電力波形の成分に直交する成分とに基づき前記測定対象物の熱抵抗と熱容量とを測定することを特徴とする請求項1記載の熱特性測定装置。
- 測定対象物にパルス電力を供給する供給部と、
前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、
前記供給部により供給されたパルス電力の波形の振幅と前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の前記パルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部と、
を備えることを特徴とする熱特性測定装置。 - 前記熱特性測定部は、前記パルス電力波形の振幅と前記微分値とに基づき前記測定対象物の熱容量を測定し、前記測定対象物の熱容量と前記測定対象物の温度波形と前記パルス電力停止時における前記測定対象物の前記温度波形とに基づき前記測定対象物の熱抵抗を測定することを特徴とする請求項3記載の熱特性測定装置。
- 測定対象物に接触された電気的発熱体に、正弦波状に変化する電力を供給する供給部と、
前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、
前記供給部により供給された正弦波状の電力の波形の振幅、前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部と、
を備えることを特徴とする熱特性測定装置。 - 前記熱特性測定部は、前記温度波形の成分の内の前記電力波形の成分と同位相の成分と、前記温度波形の成分の内の前記電力波形の成分に直交する成分とに基づき前記測定対象物の熱抵抗と熱容量とを測定することを特徴とする請求項5記載の熱特性測定装置。
- 測定対象物に接触された電気的発熱体に、パルス電力を供給する供給部と、
前記測定対象物の温度を検出する温度検出部と、
前記供給部により供給されたパルス電力の波形の振幅と前記温度検出部で検出された前記測定対象物の温度波形の前記パルス電力波形の立ち上がり時における微分値とに基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定部と、
を備えることを特徴とする熱特性測定装置。 - 前記熱特性測定部は、前記パルス電力波形の振幅と前記微分値とに基づき前記測定対象物の熱容量を測定し、前記測定対象物の熱容量と前記測定対象物の前記温度波形と前記パルス電力停止時における前記測定対象物の前記温度波形とに基づき前記測定対象物の熱抵抗を測定することを特徴とする請求項7記載の熱特性測定装置。
- 測定対象物に正弦波状に変化する電力を供給する供給ステップと、
前記測定対象物の温度を検出する温度検出ステップと、
前記供給された電力に基づく電力の波形の振幅、検出された前記測定対象物の温度波形の振幅及び前記電力波形と前記温度波形との時間差に基づき前記測定対象物の熱特性を測定する熱特性測定ステップと、
を備えることを特徴とする熱特性測定方法。
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JP2018016413A JP2019132760A (ja) | 2018-02-01 | 2018-02-01 | 熱特性測定方法及びその装置 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220044235A (ko) * | 2019-08-16 | 2022-04-07 | 일루미나, 인코포레이티드 | 기기의 열 컴포넌트와 소모품 사이의 열 저항을 측정하기 위한 방법 |
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2018
- 2018-02-01 JP JP2018016413A patent/JP2019132760A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20220044235A (ko) * | 2019-08-16 | 2022-04-07 | 일루미나, 인코포레이티드 | 기기의 열 컴포넌트와 소모품 사이의 열 저항을 측정하기 위한 방법 |
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JP7389121B2 (ja) | 2019-08-16 | 2023-11-29 | イルミナ インコーポレイテッド | 器具の熱構成要素と、消耗品との間の熱抵抗を測定するための方法 |
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