以下、冷凍装置の実施形態及びその変形例について、図面を参照しながら説明する。
(1)全体構成
図1は、冷凍装置の一実施形態に係る空気調和装置1の概略構成図である。
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことで、空調対象空間の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。
空気調和装置1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット3a,3bと、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、制御部23と、を有している(図1参照)。液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5は、熱源ユニット2と利用ユニット3a,3bとを接続する。空気調和装置1では、熱源ユニット2と、利用ユニット3a,3bとが冷媒連絡管4,5を介して接続されることで、蒸気圧縮式の冷媒回路6が構成されている(図1参照)。
冷媒回路6には、冷媒として例えばHFC冷媒であるR32が封入されている。ただし、冷媒の種類は、R32に限定されるものではなく、R410Aや、HFO1234yf、HFO1234ze(E)やこれらの混合冷媒や、自然冷媒等であってもよい。制御部23は、熱源ユニット2及び利用ユニット3a,3bの構成機器を制御する。
なお、図1では、空気調和装置1は、1台の熱源ユニット2と、2台の利用ユニット3a,3bとを有するが、台数は例示に過ぎない。空気調和装置1は、複数台の熱源ユニットを有してもよいし、1台又は3台以上の利用ユニットを有してもよい。
(2)詳細構成
(2−1)熱源ユニット
熱源ユニット2を構成する機器について説明する。なお、熱源ユニット2の形状及び構造や、熱源ユニット2が有する熱源側熱交換器11及び熱源側熱交換器11周りの構成についての詳細については、別途後述する。
熱源ユニット2は、例えば室外に設置される。設置場所を限定するものではないが、熱源ユニット2は、例えば、建物の屋上や建物の壁面近傍等に設置される。
熱源ユニット2は、主として、アキュムレータ7と、圧縮機8と、流路切換機構10と、熱源側熱交換器11と、熱源側膨張機構12と、液側閉鎖弁13と、ガス側閉鎖弁14と、熱源側ファン15と、を有している(図1参照)。
また、熱源ユニット2は、吸入管17と、吐出管18と、第1ガス冷媒管19と、液冷媒管20と、第2ガス冷媒管21と、を有する(図1参照)。吸入管17は、流路切換機構10と圧縮機8の吸入側とを接続している。吸入管17には、アキュムレータ7が設けられている。吐出管18は、圧縮機8の吐出側と流路切換機構10とを接続している。第1ガス冷媒管19は、流路切換機構10と熱源側熱交換器11のガス側端とを接続している。液冷媒管20は、熱源側熱交換器11の液側端と液側閉鎖弁13とを接続している。熱源側膨張機構12は、液冷媒管20に設けられている。第2ガス冷媒管21は、流路切換機構10とガス側閉鎖弁14とを接続している。
(2−1−1)圧縮機
圧縮機8は、低圧の冷媒を吸入し、圧縮して吐出する装置である。圧縮機8は、冷媒回路6を流れる冷媒を圧縮する。圧縮機8は、インバータ制御される、モータの回転数を調節可能な(容量調節可能な)圧縮機である。圧縮機8の回転数は、運転状況に応じて制御部23により調節される。なお、圧縮機8は、モータの回転数が一定の圧縮機であってもよい。
(2−1−2)流路切換機構
流路切換機構10は、運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)に応じて、冷媒回路6における冷媒の流れ方向を切り換える機構である。本実施形態では、流路切換機構10は、四路切換弁である。
冷房運転モードでは、流路切換機構10は、圧縮機8が吐出する冷媒が熱源側熱交換器11に送られるように、冷媒回路6における冷媒の流向を切り換える。具体的には、冷房運転モードでは、流路切換機構10は、吸入管17を第2ガス冷媒管21と連通させ、吐出管18を第1ガス冷媒管19と連通させる(図1中の実線参照)。暖房運転モードでは、流路切換機構10は、圧縮機8が吐出する冷媒が利用側熱交換器32a,32bに送られるように、冷媒回路6における冷媒の流向が切り換える。具体的には、暖房運転モードでは、流路切換機構10は、吸入管17を第1ガス冷媒管19と連通させ、吐出管18を第2ガス冷媒管21と連通させる(図1中の破線参照)。
なお、流路切換機構10は、四路切換弁に限られるものではなく、複数の電磁弁及び冷媒管を組み合わせ、上記のような冷媒の流れ方向の切り換えを実現できるように構成されてもよい。
(2−1−3)熱源側熱交換器
熱源側熱交換器11は、冷房運転時/除霜運転時には放熱器(凝縮器)として機能し、暖房運転時には吸熱器(蒸発器)として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器11は、後述する利用ユニット3a,3bの利用側熱交換器32a,32b等と共に、冷媒回路6を構成する。熱源側熱交換器11については、後ほど詳細に説明する。
(2−1−4)熱源側膨張機構
熱源側膨張機構12は、冷媒回路6に配置され、利用ユニット3a,3bの利用側熱交換器32a,32bと熱源側熱交換器11との間を流れる冷媒を膨張させる機構である。例えば、熱源側膨張機構12は、開度調節可能な電子膨張弁である。熱源側膨張機構12の開度は、運転状況に応じて制御部23により適宜調節される。
(2−1−5)熱源側ファン
熱源側ファン15は、気流生成機構の一例である。熱源側ファン15は、気流を生成し、熱源側熱交換器11に空気を供給する。熱源側ファン15は、外部から熱源ユニット2内に流入し、熱源側熱交換器11を通過し、熱源ユニット2外へ流出する空気の流れを生成する。熱源側ファン15は、制御部23によって制御され、回転数が適宜調節される。本実施形態では、熱源側ファン15はプロペラファンである。ただし、熱源側ファン15は、プロペラファンに限定されるものではなく、気流を生成する他のタイプのファンであってもよい。
(2−2)利用ユニット
利用ユニット3a,3bは、室内に設置される。利用ユニット3a,3bは、例えば、空調対象空間である居室内や、居室の天井裏空間等に設置される。
利用ユニット3aは、主として、利用側膨張機構31aと、利用側熱交換器32aと、利用側ファン33aと、を有している(図1参照)。利用ユニット3bは、主として、利用側膨張機構31bと、利用側熱交換器32bと、利用側ファン33bと、を有している(図1参照)。
(2−2−1)利用側膨張機構
利用側膨張機構31a,31bは、冷媒回路6に配置され、利用ユニット3a,3bの利用側熱交換器32a,32bと熱源側熱交換器11との間を流れる冷媒を膨張させる機構である。例えば、利用側膨張機構31a,31bは、開度調節可能な電子膨張弁である。利用側膨張機構31a,31bの開度は、運転状況に応じて制御部23により適宜調節される。
(2−2−2)利用側熱交換器
利用側熱交換器32a,32bは、冷房運転時には吸熱器(蒸発器)として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器(凝縮器)として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。利用側熱交換器32a,32bの液側は液冷媒連絡管4に接続されており、利用側熱交換器32a,32bのガス側はガス冷媒連絡管5に接続されている。利用側熱交換器32a,32bは、伝熱管(図示省略)と多数のフィン(図示省略)とにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
(2−2−3)利用側ファン
利用側ファン33a,33bは、利用ユニット3a,3b内に室内の空気を吸入し、利用側熱交換器32a,32bにおいて吸入した空気と冷媒とを熱交換させ、室内に冷媒との熱交換後の空気を供給する。利用側ファン33a,33bは、制御部23によって制御され、回転数が適宜調節される。限定するものではないが、本実施形態では、利用側ファン33a,33bは、遠心ファンである。
(2−3)冷媒連絡管
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、熱源ユニット2の液側閉鎖弁13に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、利用ユニット3a,3bの利用側膨張機構31a、31bの液側に接続されている(図1参照)。ガス冷媒連絡管5の一端は、熱源ユニット2のガス側閉鎖弁14に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、利用ユニット3a,3bの利用側熱交換器32a、32bのガス側に接続されている(図1参照)。
(2−4)制御部
制御部23は、熱源ユニット2や利用ユニット3a,3bに設けられた、CPU,ROM及びRAM等を有する制御基板(図示せず)が通信可能に接続されることによって構成されている。なお、図1では、便宜上、制御部23を、熱源ユニット2や利用ユニット3a,3bとは離れた位置に図示している。
制御部23は、図10に示すように空気調和装置1の構成機器と電気的に接続されている。制御部23は、例えば、熱源ユニット2の圧縮機8、流路切換機構10、熱源側膨張機構12、及び熱源側ファン15や、利用ユニット3a,3bの利用側膨張機構31a,31b及び利用側ファン33a,33bと電気的に接続されている。
制御部23は、空気調和装置1の運転制御のためのプログラムを実行することで(CPUがROMに記憶されているプログラムを実行することで)、図示しないリモコンの操作や、図示しない各種センサの計測値等に基づき、空気調和装置1の構成機器を制御する。
制御部23は、空気調和装置1の構成機器を制御することで、冷房運転と、加熱運転の一例としての暖房運転と、を実行する(制御部23は、図示しないリモコンの操作等に応じて、空気調和装置1に冷房運転と暖房運転とを切り換えて実行させる)。また、制御部23は、暖房運転時に、暖房運転と除霜運転とを切り換えて実行する(制御部23は、空気調和装置1に、暖房運転と除霜運転とを実行させる)。各運転時の空気調和装置1の動作については後述する。
(3)空気調和装置の動作
図1を参照しながら空気調和装置1の動作について説明する。
空気調和装置1では、冷房運転と、暖房運転と、除霜運転と、が主に行われる。
冷房運転中には、圧縮機8、熱源側熱交換器11、熱源側膨張機構12及び利用側膨張機構31a、31b、利用側熱交換器32a、32bの順に冷媒が循環する。
暖房運転中には、圧縮機8、利用側熱交換器32a、32b、利用側膨張機構31a、31b及び熱源側膨張機構12、熱源側熱交換器11の順に冷媒が循環する。
また、空気調和装置1では、暖房運転時に、暖房運転を一旦中断して、熱源側熱交換器11に付着した霜を融解させるための除霜運転が行われる。つまり、暖房運転時には、暖房運転と除霜運転とが切り換えて実行される。空気調和装置1では、除霜運転として、冷房運転時と同様に、圧縮機8、熱源側熱交換器11、熱源側膨張機構12及び利用側膨張機構31a、31b、利用側熱交換器32a、32bの順に冷媒を循環させる逆サイクル除霜運転が行われる。なお、冷房運転、暖房運転及び除霜運転時に、空気調和装置1の構成機器は、制御部23によって制御される。
冷房運転では、利用側熱交換器32a,32bが冷媒の蒸発器として利用され、熱源側熱交換器11が冷媒の放熱器として利用される。具体的に説明する。
冷房運転時には、流路切換機構10が室外放熱状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路6において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機8に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機8から吐出された高圧のガス冷媒は、流路切換機構10を通じて、熱源側熱交換器11に送られる。熱源側熱交換器11に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器11において、熱源側ファン15によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。熱源側熱交換器11において放熱した高圧の液冷媒は、熱源側膨張機構12、液側閉鎖弁13及び液冷媒連絡管4を通じて、利用側膨張機構31a、31bに送られる。利用側膨張機構31a、31bに送られた冷媒は、利用側膨張機構31a、31bによって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。利用側膨張機構31a、31bで減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器32a、32bに送られる。利用側熱交換器32a、32bに送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器32a、32bにおいて、利用側ファン33a、33bによって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、冷却後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。利用側熱交換器32a、32bにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管5、ガス側閉鎖弁14、流路切換機構10及びアキュムレータ7を通じて、再び、圧縮機8に吸入される。
なお、冷房運転時には、制御部23は、各利用側熱交換器32a,32bの出口における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、各利用側膨張機構31a,31bの開度を制御する。各利用側熱交換器32a,32bの出口における冷媒の過熱度は、例えば利用側熱交換器32a,32bのガス側に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、利用側熱交換器32a,32bの液側に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、の差から算出される。ただし、過熱度の算出方法は例示であって、他の方法で算出されてもよい。例えば、各利用側熱交換器32a,32bの出口における冷媒の過熱度は、利用側熱交換器32a,32bのガス側に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、吸入管17に設けられた吸入圧力センサ(図示せず)の計測値から算出される飽和温度と、の差から算出されてもよい。また、制御部23は、蒸発温度が目標蒸発温度に近づくように、圧縮機8の運転容量を制御する。なお、記載した冷房運転時の制御部23による制御の態様は一例であって、これに限定されるものではない。
暖房運転では、利用側熱交換器32a,32bが冷媒の放熱器として利用され、熱源側熱交換器11が冷媒の蒸発器として利用される。具体的に説明する。
暖房運転時には、流路切換機構10が室外蒸発状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路6において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機8に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機8から吐出された高圧のガス冷媒は、流路切換機構10、ガス側閉鎖弁14及びガス冷媒連絡管5を通じて、利用側熱交換器32a、32bに送られる。利用側熱交換器32a、32bに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器32a、32bにおいて、利用側ファン33a、33bによって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。利用側熱交換器32a、32bで放熱した高圧の液冷媒は、利用側膨張機構31a、31b、液冷媒連絡管4及び液側閉鎖弁13を通じて、熱源側膨張機構12に送られる。熱源側膨張機構12に送られた冷媒は、熱源側膨張機構12によって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。熱源側膨張機構12で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源側熱交換器11に送られる。熱源側熱交換器11に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器11において、熱源側ファン15によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。熱源側熱交換器11で蒸発した低圧の冷媒は、流路切換機構10及びアキュムレータ7を通じて、再び、圧縮機8に吸入される。
なお、暖房運転時には、制御部23は、熱源側熱交換器11の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、熱源側膨張機構12の一例としての電子膨張弁の開度を制御する。熱源側熱交換器11の出口における冷媒の過熱度は、例えば、第1ガス冷媒管19に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、液冷媒管20の熱源側膨張機構12と熱源側熱交換器11との間に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、の差から算出される。ただし、過熱度の算出方法は例示であって、他の方法で算出されてもよい。例えば、熱源側熱交換器11の出口における冷媒の過熱度は、第1ガス冷媒管19に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値と、吸入管17に設けられた吸入圧力センサ(図示せず)の計測値から算出される飽和温度と、の差から算出されてもよい。また、制御部23は、蒸発温度が目標蒸発温度に近づくように、圧縮機8の運転容量を制御する。なお、記載した暖房運転時の制御部23による制御の態様は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、制御部23は、暖房運転時に、熱源側熱交換器11の出口における冷媒が所定の湿り度になるような制御を行ってもよい。
なお、暖房運転時に、熱源側熱交換器11の除霜を開始する条件が成立した場合には、制御部23は、空気調和装置1の運転を、暖房運転から熱源側熱交換器11に付着した霜を融解させる除霜運転に切り換える。除霜を開始する条件が成立した場合とは、例えば、熱源側熱交換器11における冷媒の温度が所定温度よりも低くなる等によって熱源側熱交換器11への着霜が検知された場合である。
除霜運転は、冷房運転時と同様に、流路切換機構10を室外放熱状態(図1の実線で示される状態)に切り換え、熱源側熱交換器11を冷媒の放熱器として機能させる運転である。除霜運転により、熱源側熱交換器11に付着した霜を融解させることができる。制御部23は、除霜前の暖房運転の状態等を考慮して設定された除霜時間が経過するまで、又は、熱源側熱交換器11における冷媒の温度が所定温度よりも高くなる等によって熱源側熱交換器11の除霜が完了したものと判定されるまで行われる。制御部23は、例えば、第1ガス冷媒管19に設けられた温度センサ(図示せず)の計測値が所定温度よりも高い状態が所定時間継続すると、熱源側熱交換器11の除霜が完了したものと判定する。除霜運転終了後、空気調和装置1は暖房運転に復帰する。
なお、除霜運転時の冷媒回路6における冷媒の流れは、冷房運転と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(4)熱源ユニットの全体構成
次に、熱源ユニット2の形状や構造等について説明する。
図2は、熱源ユニット2の概略の外観斜視図である。図3は、熱源ユニット2の概略正面図(熱源側熱交換器11以外の冷媒回路構成部品の図示を省略)である。図4は、熱源ユニット2の概略平面図(後述するファンモジュール44と、熱源側熱交換器11以外の冷媒回路構成部品との図示を省略)である。
以下の説明では、方向や位置関係を説明するために、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「前面」、「背面」といった表現を用いる場合があるが、これらの表現が示す方向は、特に断りのない限り図面中に示された矢印の方向に従う。
熱源ユニット2は、ケーシング40の側面から空気を吸い込んで、ケーシング40の天面から空気を吹き出す、上吹き型の熱交換ユニットである。
熱源ユニット2は、主として、略直方体箱状のケーシング40と、熱源側ファン15と、冷媒回路6の一部を構成する冷媒回路構成部品と、を有している。熱源ユニット2の有する冷媒回路構成部品には、アキュムレータ7、圧縮機8、熱源側熱交換器11、流路切換機構10、熱源側膨張機構12、液側閉鎖弁13、及びガス側閉鎖弁14等を含む。熱源側ファン15及び冷媒回路構成部品は、ケーシング40に収容される。
ケーシング40は、主として、左右方向に延びる一対の据付脚41と、一対の据付脚41上に架け渡される底フレーム42と、支柱43と、ファンモジュール44と、側面パネル45と、を有している(図2〜図4参照)。支柱43は、底フレーム42の角部から鉛直方向に延びる(図2参照)。ファンモジュール44は、支柱43の上端に取り付けられる(図2参照)。側面パネル45は、板状の部材である。側面パネル45は、熱源ユニット2の前面及び左側面前方側を覆うように配置される(図4参照)。
ケーシング40の側面(ここでは、前面、背面及び左右両側面)には、空気の空気取込口40aが形成され、天面に空気の空気吹出口40bが形成されている(図3参照)。空気の空気取込口40aは、熱源側ファン15が生成する空気流れによりケーシング40の外部から内部へと空気を取り込む。空気の空気取込口40aには、前面側に形成される空気取込口40a1、右側面に形成される空気取込口40a2、背面側に形成される空気取込口40a3及び左側面に形成される空気取込口40a4を含む(図2参照)。
底フレーム42は、ケーシング40の底面を形成している。底フレーム42上には、熱源側熱交換器11、圧縮機8及びアキュムレータ7等が配置されている。底フレーム42は、熱源側熱交換器11等の配置されるフレームとしての他、冷房運転や除霜運転時に熱源側熱交換器11において発生するドレン水を受けるドレンパンとして機能する。
熱源側熱交換器11は、平面視において、ケーシング40の側面に沿うように、略四角形形状に形成されている(図4参照)。ただし、熱源ユニット2の前方左側及び左方前側には後述する熱源側熱交換器11の熱交換部50が配置されておらず、熱源側熱交換器11は、平面視において、一部(左前方側)が欠落した略四角形形状に形成されている(図4参照)。
熱源側熱交換器11の上方(ケーシング40の上部)には、ファンモジュール44が設けられている(図2参照)。ファンモジュール44は、上面及び下面が開口した略直方体形状の箱体に熱源側ファン15が収容された集合体である。ファンモジュール44の天面の開口は、ケーシング40の空気吹出口40bである。空気吹出口40bには、吹出グリル46が設けられている。熱源側ファン15は、ケーシング40内において空気吹出口40bに面して配置されている。熱源側ファン15は、空気をケーシング40の側面の空気取込口40aからケーシング40内に取り込み、空気吹出口40bから排出する送風機である。
なお、このような上吹き型のユニット構成では、図3に示すように、熱源側熱交換器11を通過する空気の風速が、熱源側熱交換器11の上部のほうが熱源側熱交換器11の下部に比べて速くなる傾向がある。
側面パネル45は、底フレーム42からファンモジュール44まで鉛直方向に延びる板状部材である(図2参照)。側面パネル45は、概ね、後述する熱源側熱交換器11の熱交換部50と対向しない位置に配置されている。ただし、側面パネル45は、部分的に熱交換部50と対向するため、詳細については以下に説明する。
側面パネル45は、前面側に配置される前面パネル45aと、左側面側に配置される左側面パネル45bと、を含む。
前面パネル45aは、後述する熱交換部50の第1端(風上側熱交換部50aの第1端50a1及び風下側熱交換部50bの第1端50b1)付近から熱源ユニット2の左前方角部まで、左方向に延びる(図4参照)。なお、風上側熱交換部50aの第1端50a1は、後述する風上側熱交換部50aの扁平管52の一端側の端部である。風下側熱交換部50bの第1端50b1は、後述する風下側熱交換部50bの扁平管52の一端側の端部である。具体的には、前面パネル45aは、後述する風上側熱交換部50aの第1端50a1近傍であって、正面視において後述する風上側熱交換部50aのフィン54と僅かに重なる位置から、熱源ユニット2の左前方角部まで、左方向に延びる(図4参照)。このように前面パネル45aが配置される結果、熱源側熱交換器11の後述する連結ヘッダ75や、連結ヘッダ75近傍の風上側熱交換部50aのフィン54に覆われていない扁平管52は、前面視において視認されない位置に配置される。言い換えれば、連結ヘッダ75や、連結ヘッダ75近傍の風上側熱交換部50aのフィン54に覆われていない扁平管52は、前面パネル45aに隣接して配置される前面側の空気取込口40a1に正対した時に、空気取込口40a1から見えない位置に配置される。
左側面パネル45bは、熱源ユニット2の左前方角部から、後述する風上側熱交換部50aの第2端50a2付近まで、後方に延びる(図4参照)。なお、風上側熱交換部50aの第2端50a2は、後述する風上側熱交換部50aの扁平管52の一端側の端部(第1端50a1とは反対側の端部)である。具体的には、左側面パネル45bは、熱源ユニット2の左前方角部から、風上側熱交換部50aの第2端50a2近傍であって、左側面視において後述する熱源側熱交換器11の風上側熱交換部50aのフィン54と僅かに重なる位置まで、後方に延びる(図4参照)。このように左側面パネル45bが配置される結果、後述する熱源側熱交換器11の第1ヘッダ70や、第1ヘッダ70近傍の風上側熱交換部50aのフィン54に覆われていない扁平管52は、左側面視において視認されない位置に配置される。言い換えれば、第1ヘッダ70や、第1ヘッダ70近傍の風上側熱交換部50aのフィン54に覆われていない扁平管52は、左側面パネル45bに隣接して配置される左側面側の空気取込口40a4に正対した時に、空気取込口40a4から見えない位置に配置される。
また、好ましくは、左側面パネル45bは、熱源ユニット2の左前方角部から、左側面視において後述する熱源側熱交換器11の第2ヘッダ80とは重ならない位置まで後方に延びる(図4参照)。このように左側面パネル45bが配置される結果、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aが存在しない状態を仮定すると、左側面視において(空気取込口40a4に正対した時に)、空気取込口40a4から視認可能な位置に配置される。
なお、本実施形態では、後述する第2ヘッダ80と分岐管84を介して連結されるガス分流管85は、空気取込口40a4に正対した時に、空気取込口40a4から見えない位置に配置される。
(5)熱源側熱交換器及び熱源側熱交換器に接続されるガス分流管及び分流器
熱源側熱交換器11と、熱源側熱交換器11に接続されるガス分流管85及び分流器90と、について説明する。
図5は、後述する分流器90及びガス分流管85が接続された熱源側熱交換器11の概略斜視図である。図6は、図5の熱源側熱交換器11の熱交換部50(特に扁平管52とフィン54)の部分拡大斜視図である。
図7は、熱源側熱交換器11を風下側から見た概念的な構成図である。図8は、熱源側熱交換器11を風上側から見た概念的な構成図である。なお、図7及び図8は、熱源側熱交換器11に形成される熱交換パス60A〜60Kや、熱源側熱交換器11における冷媒の流れを説明するための模式的な図面であり、熱源側熱交換器11等の構造や形状を正確に示したものではない。例えば、図示の都合上、図7及び図8において、熱源側熱交換器11は平面的に描画されている。また、図7及び図8では、分流器本体92の上部側にキャピラリチューブ94が下部側に主管96が接続された状態で描画されている(実際には、図5のように、分流器本体92の上部側に主管96が下部側にキャピラリチューブ94が接続される)。
図9は、後述する熱交換パス60A〜60Kにおける、冷媒の流れを概念的に示す図である。図9(a)は熱交換パス60Aにおける冷媒の流れを、図9(b)は熱交換パス60B〜60Kにおける冷媒の流れを、概念的に示す図である。
なお、図7から図9に示した冷媒の流れを示す矢印は、冷房運転/除霜運転時(熱源側熱交換器11を冷媒の蒸発器として機能させる場合)の冷媒の流れ方向である。暖房運転時には、図7から図9に示した冷媒の流れを示す矢印とは反対向きに冷媒が流れる。
(5−1)分流器
分流器90は、暖房運転時に冷媒回路6を熱源側膨張機構12から熱源側熱交換器11へと流れる気液二相又は液相の冷媒を、熱源側熱交換器11において形成される複数の熱交換パス60A〜60Kに分流させる機構である。熱交換パス60A〜60Kについては後述する。また、分流器90は、冷房運転時及び除霜運転時に、複数の熱交換パス60A〜60Kを通って熱源側熱交換器11から流出する液冷媒を合流させる機構である。
分流器90は、分流器本体92と、複数の(本実施形態では11本の)キャピラリチューブ94と、主管96と、を有する(図5参照)。11本のキャピラリチューブ94のそれぞれは、熱交換パス60A〜60Kの1つに接続される。以下の説明では、熱交換パス60A〜60Kのそれぞれに接続されるキャピラリチューブ94を、キャピラリチューブ94A〜94Kと呼び分ける場合がある(図7及び図8参照)。分流器本体92、複数のキャピラリチューブ94、及び主管96は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
分流器本体92は、上部に接続された主管96から流入する冷媒(熱源側膨張機構12から熱源側熱交換器11へと流れる液相又は気液二相の冷媒)を、分流器本体92の下部に接続された複数のキャピラリチューブ94A〜94Kに分流させる機構である。分流器本体92は、キャピラリチューブ94を介して風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50bに接続されている。分流器本体92により複数のキャピラリチューブ94A〜94Kに所定の割合で(例えば均等に)分配供給された冷媒は、熱源側熱交換器11の複数の熱交換パス60A〜60Kへと流入する。分流器本体92は、分流器本体92の下部に接続されたキャピラリチューブ94から流入する主に液相の冷媒を合流させる機構である。分流器本体92で合流した冷媒は、分流器本体92の上部に接続された主管96を介して熱源側膨張機構12へと送られる。なお、ここでは、分流器本体92の上部に主管96が、下部にキャピラリチューブ94が接続されている。しかし、これに限定されるものではなく、分流器90の仕様によっては、分流器本体92の取り付け姿勢は上下逆転してもよい。つまり、分流器本体92は、分流器本体92の上部にキャピラリチューブ94が、下部に主管96が接続されるような構造であってもよい。分流器本体92は、熱源ユニット2内の所定の取り付け位置に、所定の姿勢で取り付けられる。
複数のキャピラリチューブ94のそれぞれの一端は、分流器本体92の下部に接続されている。つまり、複数のキャピラリチューブ94A〜94Kのそれぞれは、分流器本体92の内部空間と連通している。また、複数のキャピラリチューブ94A〜94Kのそれぞれの他端は、後述する風上側熱交換部50aの第2端50a2側又は風下側熱交換部50bの第2端50b2側に接続されている。具体的には、キャピラリチューブ94B〜94Kは、風上側熱交換部50aの第2端50a2側に配置される、後述する熱源側熱交換器11の第1ヘッダ70に接続された連絡配管74(74B〜74K)に接続されている(図8参照)。また、キャピラリチューブ94Aは、風下側熱交換部50bの第2端50b2側に配置される、後述する熱源側熱交換器11の第2ヘッダ80に接続された連絡配管74(74A)に接続されている(図8参照)。接続方法を限定するものではないが、キャピラリチューブ94と連絡配管74とはロウ付けにより接続されている。
(5−2)ガス分流管
ガス分流管85は、暖房運転時に熱源側熱交換器11から流出したガス冷媒を集合させる配管である。また、ガス分流管85は、冷房運転時及び除霜運転時に圧縮機8から熱源側熱交換器11へと送られるガス冷媒を分流させて、複数の分岐管84に供給する配管である。
ガス分流管85は、一端側が閉じられ、他端側が第1ガス冷媒管19の一部を構成する冷媒管87に接続される(図5参照)。形状を限定するものではないが、ガス分流管85は、閉じられた端部から上方に延び、上部で折り返すようにU字状に形成された配管である(図5参照)。ガス分流管85と熱源側熱交換器11の第2ヘッダ80とは、複数の分岐管84により接続されている(図5参照)。
分岐管84は、好ましくは同一流路面積の配管である。分岐管84の流路面積を同一とした場合、除霜運転時に複数の分岐管84のそれぞれを流れる冷媒の流量は、概ね等しくなる。
なお、ガス分流管85及び分岐管84は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。接続方法を限定するものではないが、ガス分流管85と分岐管84とはロウ付けにより接続されている。また、接続方法を限定するものではないが、第2ヘッダ80と分岐管84とは、ロウ付けにより接続されている。
(5−3)熱源側熱交換器
熱源側熱交換器11は、冷媒と室外空気との熱交換を行う熱交換器である。
熱源側熱交換器11は、主として、複数列の(ここでは2列)の熱交換部50と、第1ヘッダ70と、第2ヘッダ80と、連結ヘッダ75と、を有している(図5参照)。ここでは、熱交換部50、第1ヘッダ70、第2ヘッダ80及び連結ヘッダ75は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であり、互いにロウ付け等によって接合されている。
熱交換部50は、熱源側ファン15が生成する空気流れ方向に複数列並べられている。なお、ここでの熱源側ファン15が生成する空気流れ方向は、後述する熱交換部50の扁平管52の段方向(ここでは上下方向)に沿って熱交換部50を見た時の空気の流れ方向を意味する。つまり、ここでは、熱源側ファン15が生成する空気流れ方向は、熱交換部50を上方側から見た時の(平面視における)空気の流れ方向を意味する。熱交換部50は、熱源側ファン15によって生成される空気流れ方向において風上側に配置されている風上側熱交換部50aと、空気流れ方向において風下側に配置されている風下側熱交換部50bと、を含む。風下側熱交換部50bは、熱源側ファン15によって生成される空気流れ方向において下流側(最下流)に並べられた熱交換部である。風上側熱交換部50aは、熱源側ファン15によって生成される空気流れ方向において上流側(最上流)に並べられた熱交換部である。風上側熱交換部50aは、熱源側ファン15が生成する空気流れ方向において、風下側熱交換部50bより風上側に配置される。ここでは、風上側熱交換部50aは、風下側熱交換部50bの外側に、風下側熱交換部50bを囲むように配置されている。
各熱交換部50は、所定の段方向(本実施形態では上下方向)に積層された(多段に配置される)複数段の扁平管52と、複数のフィン54を含む(図6参照)。
(5−3−1)熱交換部
熱交換部50(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50b)の扁平管52及びフィン54について説明する。
扁平管52は、伝熱管の一例である。ここでは、扁平管52は、伝熱面となる鉛直方向を向く平面部52aと、内部に形成された通路52bと、を有する扁平多穴管である(図6参照)。通路52bは、扁平管52の内部に形成された、冷媒が流れる多数の小さな貫通孔から構成される。
熱源側熱交換器11では、複数段の扁平管52が、熱源側ファン15が生成する空気方向に並べられている(図6参照)。つまり、熱源側熱交換器11は、風上側熱交換部50aの扁平管52と、風上側熱交換部50aの扁平管52と熱源側ファン15が生成する空気方向に並べられている風下側熱交換部50bの扁平管52と、を含む。風下側熱交換部50bの扁平管52の長さは、風上側熱交換部50aの扁平管52の長さよりも短く形成されている。風下側熱交換部50bの扁平管52と風上側熱交換部50aの扁平管52とは、長さの違いを除き同一である。
各熱交換部50a,50bの各扁平管52は、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1側(連結ヘッダ75側)から熱交換部50a,50bの第2端50a2,50b2側(第1ヘッダ70及び第2ヘッダ80側)へと、(平面視において)延びる方向を変化させながら、略水平方向に延びる。具体的には、各熱交換部50a,50bの各扁平管52は、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1から右方に延び、熱源ユニット2の右前方角部近傍で延びる方向を変えて後方へと延び、熱源ユニット2の右後方角部近傍で延びる方向を変えて左方へと延び、熱源ユニット2の左後方角部近傍で延びる方向を変えて前方へと熱交換部50a,50bの第2端50a2,50b2側まで延びる(図4参照)。つまり、熱源側熱交換器11は、複数列の熱交換部50a,50bの扁平管52が延びる方向が変化している曲げ部56を、熱源ユニット2の右前方角部近傍、右後方角部近傍及び左後方角部近傍の3ヶ所に有する。曲げ部56では、風下側熱交換部50bが、風上側熱交換部50aの内側に配置される。言い換えれば、曲げ部56では、(最下流側列の)風下側熱交換部50bの扁平管52の曲率が、(最下流側列以外の)風上側熱交換部50aの扁平管52の曲率よりも大きい。
風上側熱交換部50aの扁平管52は、風上側熱交換部50aの第2端50a2近傍では、第1ヘッダ70に向かって第1方向D1(概ね前方)に延びる。風上側熱交換部50aの扁平管52の第1ヘッダ70に向かって第1方向D1に延びる部分を、ここでは第2部分50aaと呼ぶ。第1ヘッダ70には、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaが接続される。
風下側熱交換部50bの扁平管52は、風下側熱交換部50bの第2端50b2近傍では、第2ヘッダ80に向かって第1方向D1(概ね前方)に延びる。つまり、平面視において、風下側熱交換部50bの扁平管52は、風下側熱交換部50bの第2端50b2近傍で、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaと平行に延びる。風下側熱交換部50bの扁平管52の第2ヘッダ80に向かって第1方向D1に延びる部分を、ここでは第1部分50baと呼ぶ。第2ヘッダ80には、風下側熱交換部50bの扁平管52の第1部分50baが接続される。
各熱交換部50a,50bでは、扁平管52は、上下方向(積層方向、段方向)に多段に配置されている。風上側熱交換部50aの各扁平管52は、一端(風上側熱交換部50aの第2端50a2側)が第1ヘッダ70に接続されており、他端(風上側熱交換部50aの第1端50a1側)が連結ヘッダ75に接続されている。風下側熱交換部50bの各扁平管52は、一端(風下側熱交換部50bの第2端50b2側)が第2ヘッダ80に接続されており、他端(風下側熱交換部50bの第1端50b1側)が連結ヘッダ75に接続されている。風下側熱交換部50bの第1端50b1は、風上側熱交換部50aの第1端50b1と連結ヘッダ75により連結されている。
フィン54は、上下方向(積層方向)に隣り合う扁平管52の間を、空気が流れる複数の通風路に区画している。フィン54には、複数の扁平管52を差し込めるように、水平に細長く延びる複数の切り欠き部54aが形成されている(図6参照)。言い換えれば、フィン54は、扁平管52に差し込まれる差し込み式のフィンである。切り欠き部54aは、水平方向であって、かつ扁平管52の長手方向と交差する方向に延びるように形成される。切り欠き部54aの延びる方向は、熱源側ファン15の生成する空気の流れ方向(通風方向)と略一致している。言い換えれば、切り欠き部54aの延びる方向は、熱交換部50a,50bの並べられた列方向と略一致している。切り欠き部54aは、扁平管52が通風方向の風下側から風上側に向かって挿入されるように風下側に開口している。フィン54の切り欠き部54aの上下方向の幅は、扁平管52の上下方向の高さ(厚み)とほぼ一致している。フィン54の切り欠き部54aは、上下方向(扁平管52の積層方向)に所定の間隔を空けて形成されている。
(5−3−2)第1ヘッダ
第1ヘッダ70は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。第1ヘッダ70は、熱源側熱交換器11の風上側熱交換部50aの第2端50a2側に立設されている(図5参照)。第1ヘッダ70は、熱源ユニット2の左前方部に配置されている。
第1ヘッダ70には、風上側熱交換部50aの扁平管52が接続され、第1ヘッダ70の内部空間と風上側熱交換部50aの扁平管52とは連通している(図8参照)。
また、第1ヘッダ70には、液冷媒出入口73が複数設けられている。液冷媒出入口73のそれぞれには、連絡配管74が挿入され取り付けられている。第1ヘッダ70の内部空間と連絡配管74(連絡配管74B〜74K)とは連通している(図8参照)。連絡配管74B〜74Kの第1ヘッダ70と接続されない側の端部には、それぞれ分流器90のキャピラリチューブ94B〜94Kの一端が接続されている(図8参照)。キャピラリチューブ94B〜94Kの他端(連絡配管74と接続されない側の端部)は、分流器90の分流器本体92に接続されている(図8参照)。接続方法を限定するものではないが、第1ヘッダ70と、風上側熱交換部50aの扁平管52及び連絡配管74とは、ロウ付けにより接合されている。また、接続方法を限定するものではないが、連絡配管74B〜74Kとキャピラリチューブ94B〜94Kとは、ロウ付けにより接合されている。
第1ヘッダ70の内部空間には、液冷媒出入口73を介して、気液二相状態又は液相の冷媒が流入/流出する。
(5−3−3)第2ヘッダ
第2ヘッダ80は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。第2ヘッダ80は、熱源側熱交換器11の風下側熱交換部50bの第2端50b2側に立設されている(図5参照)。第2ヘッダ80は、熱源ユニット2の左前方部に配置されている。第2ヘッダ80は、第1ヘッダ70よりも右方側(内側)かつ後方側に配置されている(図4参照)。第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aの扁平管52に隣接して配置される。第2ヘッダ80は、熱源側ファン15の生成する空気の流れ方向において、風上側熱交換部50aの扁平管52の下流に配置される。言い換えれば、熱源側熱交換器11を熱源側ファン15の空気流れ方向に沿って見た時に(ここでは左側面視において)、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaは、第2ヘッダ80と重なる位置に配置される。このような位置に第2ヘッダ80が配置されることで、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aの扁平管52を流れる冷媒と熱交換し、積層方向に隣接する扁平管52の間を通過した空気が当たる位置に配置される。
第2ヘッダ80には、風下側熱交換部50bの扁平管52が接続され、第2ヘッダ80の内部空間と風下側熱交換部50bの扁平管52とは連通している(図7参照)。
また、第2ヘッダ80には、ガス冷媒出入口83が複数設けられている。ガス冷媒出入口83のそれぞれには、分岐管84が挿入され取り付けられている。また、第2ヘッダ80の下部には、液冷媒出入口73が1つ設けられている。液冷媒出入口73には、連絡配管74(連絡配管74A)が挿入され取り付けられている。第2ヘッダ80の内部空間と分岐管84及び連絡配管74Aとは連通している(図5及び図7参照)。複数の分岐管84の第2ヘッダ80と接続されない側の端部には、ガス分流管85が接続されている(図7参照)。連絡配管74Aの第2ヘッダ80と接続されない側の端部には、分流器90のキャピラリチューブ94Aの一端が接続されている(図7参照)。キャピラリチューブ94Aの他端(連絡配管74Aと接続されない側の端部)は、分流器90の分流器本体92に接続されている(図8参照)。接続方法を限定するものではないが、第2ヘッダ80と、風下側熱交換部50bの扁平管52、連絡配管74A及び分岐管84とは、ロウ付けにより接合されている。また、接続方法を限定するものではないが、連絡配管74Aとキャピラリチューブ94Aとは、ロウ付けにより接合されている。
第2ヘッダ80の内部空間(連通空間82U及び連通空間82D2)には、ガス冷媒出入口83を介して、主に気相の冷媒が流入/流出する。連通空間82U及び連通空間82D2については後述する。
第2ヘッダ80のうち、内部にガス冷媒出入口83を介して主に気相の冷媒が流入/流出する部屋(連通空間82U)が形成される部分を、ここでは第2連絡部80bと呼ぶ(図7参照)。また、第2ヘッダ80のうち、内部にガス冷媒出入口83を介して主に気相の冷媒が流入/流出する部屋(連通空間82D2)が形成される部分を、ここでは第1連絡部80aと呼ぶ(図7参照)。連絡部80a,80bのそれぞれは、内部に連通空間82D2,82Uを形成し、扁平管52(風下側熱交換部50bの扁平管52)の少なくとも一部が、その扁平管52の通路52bと連通空間82D2,82Uとがそれぞれ連通するように接続される。連絡部80a,80bのそれぞれには、除霜運転時にガス冷媒が流入するガス冷媒出入口83が設けられ、除霜運転時にガス冷媒出入口83から連通空間82D2,82Uに流入した冷媒を、接続されている扁平管52に供給する。
また、第2ヘッダ80の内部空間(連通空間82D1)には、液冷媒出入口73を介して、主に液相又は気液二相の冷媒が流入/流出する。連通空間82D1については、後述する。
(5−3−4)連結ヘッダ
連結ヘッダ75は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。連結ヘッダ75は、熱源側熱交換器11の熱交換部50の第1端側(風上側熱交換部50aの第1端50a1及び風下側熱交換部50bの第1端50b1の側)に立設されている。連結ヘッダ75は、熱源ユニット2の右前方部に配置されている(図4参照)。連結ヘッダ75は、複数列の熱交換部50(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50b)の第1端同士(風上側熱交換部50aの第1端50a1及び風下側熱交換部50bの第1端50b1)を連結する。接続方法を限定するものではないが、連結ヘッダ75と、風上側熱交換部50aの扁平管52及び風下側熱交換部50bの扁平管52とは、ロウ付けにより接合されている。
なお、本実施形態では、複数列の熱交換部50の第1端同士が連結ヘッダ75により連結されるが、これに限定されるものではない。例えば、複数列の熱交換部50の第1端側のそれぞれには、個別のヘッダが設けられ、ヘッダ間は配管で連結されてもよい。
(5−3−5)熱交換パス
次に、熱源側熱交換器11に形成される複数の熱交換パス60A〜60Kについて説明する。
熱源側熱交換器11では、複数の扁平管52は、段方向(すなわち上下方向)に多段(ここでは、11段)に並ぶ複数の熱交換パス60A〜60Kに区分されている。
例えば、本実施形態では、熱源側熱交換器11には、下から上に向かって順に、最下段の熱交換パスである第1熱交換パス60A、第2熱交換パス60B・・・第10熱交換パス60J、第11熱交換パス60Kが形成されている。
第1熱交換パス60Aは、2段2列の扁平管52を有している。つまり、第1熱交換パス60Aは、風上側熱交換部50aの最下段及び下から2段目の扁平管52と、風下側熱交換部50bの最下段及び下から2段目の扁平管52と、を有している。
なお、以下では、第1熱交換パス60Aの風上側熱交換部50aの扁平管52の通路52bを第1風上側冷媒パス61Aと呼び、第1熱交換パス60Aの風下側熱交換部50bの扁平管52の通路52bを第1風下側冷媒パス62Aと呼ぶ。また、以下では、第1風上側冷媒パス61Aの1段目(下段)の扁平管52の通路52bを下段第1風上側冷媒パス61A1と呼び、第1風上側冷媒パス61Aの2段目(上段)の扁平管52の通路52bを上段第1風上側冷媒パス61A2と呼ぶ。また、第1風下側冷媒パス62Aの1段目(下段)の扁平管52の通路52bを下段第1風下側冷媒パス62A1と呼び、第1風下側冷媒パス62Aの2段目(上段)の扁平管52の通路52bを上段第1風下側冷媒パス62A2と呼ぶ。
第2熱交換パス60Bは、13段(下から3段目〜15段目)2列(計26本)の扁平管52を有している。第3熱交換パス60Cは、13段(下から16段目〜28段目)2列(計26本)の扁平管52を有している。第4熱交換パス60Dは、12段(下から29段目〜40段目)2列(計24本)の扁平管52を有している。第5熱交換パス60Eは、12段(下から41段目〜52段目)2列(計24本)の扁平管52を有している。第6熱交換パス60Fは、11段(下から53段目〜63段目)2列(計22本)の扁平管52を有している。第7熱交換パス60Gは、10段(下から64段目〜73段目)2列(計20本)の扁平管52を有している。第8熱交換パス60Hは、9段(下から74段目〜84段目)2列(計18本)の扁平管52を有している。第9熱交換パス60Iは、8段(下から83段目〜90段目)2列(計16本)の扁平管52を有している。第10熱交換パス60Jは、4段(下から91段目〜94段目)2列(計8本)の扁平管52を有している。第11熱交換パス60Kは、3段(下から95段目〜97段目)2列(計6本)の扁平管52を有している。つまり、第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の段数及び数(2段4本)は、第2熱交換パス60B〜第11熱交換パス60Kのそれぞれに含まれる扁平管52の段数及び数より少ない。
以下では、第2熱交換パス60Bの風上側熱交換部50aの扁平管52の通路52bを第2風上側冷媒パス61Bと呼び、第2熱交換パス60Bの風下側熱交換部50bの扁平管52の通路52bを第2風下側冷媒パス62Bと呼ぶ。同様に、第3熱交換パス60C〜第11熱交換パス60Kの風上側熱交換部50aの扁平管52の通路52bを第3風上側冷媒パス61C〜第11風上側冷媒パス61Kと呼ぶ。また、第3熱交換パス60C〜第11熱交換パス60Kの風下側熱交換部50bの扁平管52の通路52bを第3風下側冷媒パス62C〜第11風下側冷媒パス62Kと呼ぶ。
総括すると、風上側熱交換部50aの扁平管52は、隣り合って配置される2段以上の扁平管52を含んで構成される第1風上側冷媒パス61A〜第11風上側冷媒パス61Kに区画される。風下側熱交換部50bの扁平管52は、隣り合って配置される2段以上の扁平管52を含んで構成される第1風下側冷媒パス62A〜第11風下側冷媒パス62Kに区画される。第1熱交換パス60Aは、第1風上側冷媒パス61Aと、扁平管52の積層方向(段方向、上下方向)において第1風上側冷媒パス61Aと同一位置に配置される第1風下側冷媒パス62Aと、を含む。同様に、第2熱交換パス60B〜第11熱交換パス60Kは、第2風上側冷媒パス61B〜第11風上側冷媒パス61Kと、扁平管52の積層方向において第2風上側冷媒パス61B〜第11風上側冷媒パス61Kと同一位置に配置される第2風下側冷媒パス62B〜第11風下側冷媒パス62Kと、を含む。第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の数は、第1熱交換パス60A以外(第2熱交換パス60B〜第11熱交換パス60K)のそれぞれに含まれる扁平管52の数より少ない。
なお、ここで示した熱交換パスの数や、各熱交換パスに含まれる扁平管52の数や、熱源側熱交換器11の熱交換部50a,50bが有する扁平管52の総数は、例示に過ぎず、熱源側熱交換器11の構造等を限定するものではない。ただし、第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の段数及び数は、第2熱交換パス60B〜第11熱交換パス60Kのそれぞれに含まれる扁平管52の段数及び数より少ないことが好ましい。
第1ヘッダ70は、その内部空間が仕切板71によって上下に仕切られることによって、各熱交換パス60A〜60Kに対応する連通空間72A〜72Kが形成されている。連通空間72A以外の連通空間72B〜72Kは、連絡配管74B〜74Kと連通しており、キャピラリチューブ94B〜94Kを介して分流器本体92と連通している。言い換えれば、第1ヘッダ70の連通空間72B〜72Kのそれぞれには、液冷媒出入口73が設けられている。以下では、連通空間72B〜72Kを、液側出入口空間72B〜72Kと呼ぶ場合がある。また、以下では、連通空間72Aを、縦折り返し空間72Aと呼ぶ場合がある。
連通空間72Aは、第1熱交換パス60Aの下段第1風上側冷媒パス61A1及び上段第1風上側冷媒パス61A2と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Bは、第2熱交換パス60Bの第2風上側冷媒パス61B(13本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Cは、第3熱交換パス60Cの第3風上側冷媒パス61C(13本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Dは、第4熱交換パス60Dの第4風上側冷媒パス61D(12本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Eは、第5熱交換パス60Eの第5風上側冷媒パス61E(12本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Fは、第6熱交換パス60Fの第6風上側冷媒パス61F(11本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Gは、第7熱交換パス60Gの第7風上側冷媒パス61G(10本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Hは、第8熱交換パス60Hの第8風上側冷媒パス61H(9本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Iは、第9熱交換パス60Iの第9風上側冷媒パス61I(8本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Jは、第10熱交換パス60Jの第10風上側冷媒パス61J(4本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。液側出入口空間72Kは、第11熱交換パス60Kの第11風上側冷媒パス61K(3本の扁平管52)と、風上側熱交換部50aの第2端50a2側で連通している。
第2ヘッダ80の内部空間は、その内部空間が仕切板81によって仕切られることによって、連通空間82U、連通空間82D1及び連通空間82D2が形成されている。なお、以下では、連通空間82U及び連通空間82D2を、それぞれガス側出入口空間82U及びガス側出入口空間82D2と呼ぶ場合がある。また、連通空間82D1を、液側出入口空間82D1と呼ぶ場合がある。
連通空間82Uは、熱交換パス60B〜60Kの風下側冷媒パス62B〜62Kと風下側熱交換部50bの第2端50b2側で連通している。第2ヘッダ80の、内部に連通空間82Uが形成される第2連絡部80bには、第1熱交換パス60A以外の全ての熱交換パス60B〜60Kの扁平管52が接続される。また、連通空間82Uには、複数の分岐管84が連通している。ここでは、連通空間82Uには、17本の分岐管84が連通している。内部に連通空間82Uが形成される第2連絡部80bには、(風下側冷媒パス62B〜62Kの)風下側熱交換部50bの95本の扁平管52が接続されていることから、第2連絡部80bに接続される分岐管84の数を第2連絡部80bに接続される扁平管52の数で除した値は、約0.18である。
なお、連通空間82Uは、単一空間(仕切られていない空間)でなくてもよく、仕切板によってさらに上下に仕切られてもよい。例えば、連通空間82Uには、仕切板が配置され、それぞれが各熱交換パス60B〜60Kに対応する複数の部屋(空間)が形成されてもよい。その上で、第2ヘッダ80には、各部屋に対応する熱交換パス60B〜60Kの風下側熱交換部50bの扁平管52が連通するように接続され、各部屋に対応する位置に分岐管84が接続されるガス冷媒出入口83が設けられてもよい。
連通空間82D2は、第1熱交換パス60Aの風下側冷媒パス62A(上段第1風下側冷媒パス62A2)と、風下側熱交換部50bの第2端50b2側で連通している。第2ヘッダ80の、内部に連通空間82D2が形成される第1連絡部80aには、第1熱交換パス60Aの扁平管52が接続される。好ましくは、本実施形態のように、第1連絡部80aには、第1熱交換パス60Aの扁平管52だけが接続される。特にここでは、第1連絡部80aには、第1熱交換パス60Aの風下側熱交換部50bの下から2段目の扁平管52だけが接続される。また、連通空間82D2は、1本の分岐管84が連通している。第1連絡部80aには、風下側熱交換部50bの1本の扁平管52が接続されていることから、第1連絡部80aに接続される分岐管84の数を第1連絡部80aに接続される扁平管52の数で除した値は、1である。つまり、第1連絡部80aに接続される分岐管84の数を第1連絡部80aに接続される扁平管52の数で除した値(1)は、第2連絡部80bに接続される分岐管84の数を第2連絡部80bに接続される扁平管52の数で除した値(約0.18)に比べて大きい。連絡部に接続される分岐管84の数を、連絡部に接続される扁平管52の数で除した値は、除霜運転時にその連絡部に連通する扁平管52に流入する冷媒の流量に概ね比例する。そのため、本実施形態では、除霜運転時に第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量が、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量よりも多くなる。
なお、第1連絡部80aに接続される分岐管84の数を第1連絡部80aに接続される扁平管52の数で除した値は、第2連絡部80bに接続される分岐管84の数を第2連絡部80bに接続される扁平管52の数で除した値の2倍以上かつ10倍以下であることが好ましい。また、除霜運転時に第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量は、除霜運転時に熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量の2倍以上かつ10倍以下であることが好ましい。
連通空間82D1は、連絡配管74Aと連通しており、キャピラリチューブ94Aを介して分流器本体92と連通している。言い換えれば、第2ヘッダ80の、内部に連通空間82D1が形成される部分には、液冷媒出入口73が設けられている。また、第2ヘッダ80の、内部に連通空間82D1が形成される部分には、第1熱交換パス60Aの扁平管52(第1熱交換パス60Aの風下側熱交換部50bの最下段の扁平管52)が接続される。
連結ヘッダ75は、その内部空間が仕切板77によって上下に仕切られている。仕切板77は、熱交換部50a,50bの扁平管52を段毎に区画している。連結ヘッダ75の内部には、仕切板77によって各熱交換パス60A〜60Kに対応する折り返し空間76A〜76Kが形成されている。折り返し空間76A〜76Kは、対応する熱交換パス60A〜60Kを構成する扁平管52に連通している。
折り返し空間76Aでは、第1風上側冷媒パス61Aと第1風下側冷媒パス62Aとが、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1側で連通している。具体的に説明する。
折り返し空間76Aは、仕切板77により上下2つの区画に分割されており、それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。つまり、下側の区画は、下段第1風上側冷媒パス61A1及び下段第1風下側冷媒パス62A1と連通し、上側の区画は、上段第1風上側冷媒パス61A2及び上段第1風下側冷媒パス62A2と連通している。
このように構成されることで、第1熱交換パス60Aでは、例えば除霜運転時には、以下の様に冷媒が流れる。第2ヘッダ80のガス側出入口空間82D2から上段第1風下側冷媒パス62A2に流入した冷媒は、折り返し空間76Aを経て上段第1風上側冷媒パス61A2に流入する。上段第1風上側冷媒パス61A2を第1ヘッダ70まで流れた冷媒は、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを介して下段第1風上側冷媒パス61A1に流入する。下段第1風上側冷媒パス61A1に流入した冷媒は、折り返し空間76Aを経て下段第1風下側冷媒パス62A1に流入し、下段第1風下側冷媒パス62A1から第2ヘッダ80の液側出入口空間82D1に流入する(図9(a)参照)。
折り返し空間76Bでは、第2風上側冷媒パス61Bの13本(13段)の扁平管52と、第2風下側冷媒パス62Bの13本(13段)の扁平管52とが、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1側で連通している。折り返し空間76Bは、仕切板77により上下に13個の区画に分割されており、それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。
折り返し空間76C〜76Kについても、それぞれ、第3風上側冷媒パス61C〜第11風上側冷媒パス61Kと、第3風下側冷媒パス62C〜第11風下側冷媒パス62Kとが、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1側で連通している。折り返し空間76C〜76Kは、仕切板77により、それぞれの空間に連通する、第3風上側冷媒パス61C〜第11風上側冷媒パス61Kの扁平管52の段数(第3風下側冷媒パス62C〜第11風下側冷媒パス62Kの扁平管52の段数)と同数の区画に分割されている。それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。
このように構成されることで、第2熱交換パス60B〜第11熱交換パス60K(第1熱交換パス60A以外)では、例えば除霜運転時には、以下の様に冷媒が流れる。第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに流入した冷媒は、第2風下側冷媒パス62B〜第11風下側冷媒パス62Kに流入する。第2風下側冷媒パス62B〜第11風下側冷媒パス62Kのそれぞれに流入した冷媒は、折り返し空間76B〜76Kを経て、扁平管52の段方向(上下方向)において第2風下側冷媒パス62B〜第11風下側冷媒パス62Kと同一位置の風下側熱交換部50bの扁平管52の通路52b(第2風上側冷媒パス61B〜第11風上側冷媒パス61K)に流入する。第2風上側冷媒パス61B〜第11風上側冷媒パス61Kを第1ヘッダ70まで流れた冷媒は、それぞれ液側出入口空間72B〜72Kに流入する(図9(b)参照)。
なお、ここでは、列方向に隣り合う同一段の扁平管52同士(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50bの同一段の扁平管52同士)を、熱交換部50a,50bの第1端50a1,50b1側で連通させるように仕切板77が設けられている。しかし、このような態様に限定されるものではなく、例えば、同じ熱交換パス60B〜60K内では、列方向に隣り合う異なる段の扁平管52同士を連通させるように仕切板77の一部が省略されてもよい。
(5−3−6)第1ヘッダ、第2ヘッダ及びガス分流管の設置位置
次に、第1ヘッダ70、第2ヘッダ80及びガス分流管85の設置位置について詳しく説明する。
第1ヘッダ70は、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、前述の左側面パネル45bの後方に、左側面パネル45bと隣接して配置される。つまり、第1ヘッダ70は、左側面パネル45bの右側(裏側)に、左側面パネル45bと隣接して配置される。その結果、第1ヘッダ70は、左側面視において視認されない位置に配置される。言い換えれば、第1ヘッダ70は、左側面パネル45bの後方に隣接して配置される左側面側の空気取込口40a4に正対した時に、空気取込口40a4から見えない位置に配置される。
第1ヘッダ70がこのような位置に配置されることで、第1ヘッダ70は、熱源側ファン15が生成する空気の流路から外れた非空気流れ空間A1に配置される。その結果、第1ヘッダ70に空気を当てることで生じる腐食等の問題の発生が抑制されやすい。
なお、本実施形態では、非空気流れ空間A1は、熱源側ファン15の運転時に、熱交換部50のフィン54によって形成される通風路を通過する空気の平均的な風速Vに対し、風速が風速Vの1/3以下の空間である。より好ましくは、非空気流れ空間A1は、熱源側ファン15の運転時に、熱交換部50のフィン54によって形成される通風路を通過する空気の平均的な風速Vに対し、風速が風速Vの1/5以下の空間である。
一方、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、前述の空気取込口40a4の下流側に配置される。つまり、第2ヘッダ80は、空気取込口40a4の右側に配置される。また、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaの下流側に、第2部分50aaと隣接して配置される。つまり、第2ヘッダ80は、第2部分50aaの右側に配置される。その結果、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aが存在しない状態を仮定すると、左側面視において(空気取込口40a4に正対した時に)視認可能な位置に配置される。
第2ヘッダ80がこのような位置に配置されることで、第2ヘッダ80は、熱源側ファン15が生成する空気の流路である空気流れ空間A2に配置される。特に、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aの扁平管52を流れる冷媒と熱交換した空気が当たる位置に配置される。
なお、本実施形態では、空気流れ空間A2は、熱源側ファン15の運転時に、熱交換部50のフィン54によって形成される通風路を通過する空気の平均的な風速Vに対し、風速が風速Vの1/3より大きい空間である。より好ましくは、空気流れ空間A2は、熱源側ファン15の運転時に、熱交換部50のフィン54によって形成される通風路を通過する空気の平均的な風速Vに対し、風速が風速Vの1/5より大きい空間である。言い換えれば、空気流れ空間A2は、熱源側ファン15の運転時に、非空気流れ空間A1よりも風速が大きくなる空間である。
第2ヘッダ80と分岐管84により接続されるガス分流管85は、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、前述の左側面パネル45bの後方に配置される。つまり、ガス分流管85は、左側面パネル45bの右側(裏側)に配置される。その結果、ガス分流管85は、左側面視において視認されない位置に配置される。言い換えれば、ガス分流管85は、左側面パネル45bの後方に隣接して配置される左側面側の空気取込口40a4に正対した時に、空気取込口40a4から見えない位置に配置される。
ガス分流管85がこのような位置に配置されることで、ガス分流管85は、熱源側ファン15が生成する空気の流路から外れた非空気流れ空間A1に配置される。
(5−4)冷媒の流れ
上記の構成を有する熱源側熱交換器11及び熱源側熱交換器11周りの冷媒の流れについて説明する。
(5−4−1)暖房運転
暖房運転時には、熱源側熱交換器11は、熱源側膨張機構12(図1参照)において減圧された冷媒の蒸発器として機能する。暖房運転時には、図7〜図9における冷媒の流れを示す矢印の方向とは逆向きに冷媒が流れる。
熱源側膨張機構12において減圧された冷媒は、液冷媒管20(図1参照)を通じて分流器90に送られる。分流器90に送られた冷媒は、主管96を通過して分流器本体92に流入し、分流器本体92からキャピラリチューブ94A〜94Kに分流される。キャピラリチューブ94A〜94Kを流れた冷媒は、連絡配管74A〜74Kを介して、第2ヘッダ80の液側出入口空間82D1及び第1ヘッダ70の液側出入口空間72B〜72Kに送られる。
各液側出入口空間72B〜72Kに送られた冷媒は、各熱交換パス60B〜60Kの風上側冷媒パス61B〜61Kの扁平管52に分流される。風上側冷媒パス61B〜61Kのそれぞれに送られた冷媒は、風上側冷媒パス61B〜61Kを流れる間に室外空気との熱交換によって加熱されて、連結ヘッダ75の折り返し空間76B〜76Kを通じて、各熱交換パス60B〜60Kの風下側冷媒パス62B〜62Kに送られる。風下側冷媒パス62B〜62Kのそれぞれに送られた冷媒は、風下側冷媒パス62B〜62Kを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uにおいて合流する。すなわち、熱交換パス60B〜60Kでは、冷媒は、風上側冷媒パス61B〜61K、風下側冷媒パス62B〜62Kの順に、熱交換パス60B〜60Kを通過する(図7〜図9参照)。熱交換パス60B〜60Kでは、冷媒は、液状態又は気液二相状態から蒸発して過熱ガス状態になるまで加熱される。
上記のように、熱源側熱交換器11が蒸発器として機能する時、熱交換パス60B〜60Kでは、風上側冷媒パス61B〜61Kを流れ、その後風下側冷媒パス62B〜62Kを流れる。つまり、熱源側熱交換器11が蒸発器として機能する時に、熱交換パス60B〜60Kでは、冷媒の流れは、熱源側ファン15が生成する空気流れに対して蒸発並行流である。
一方、液側出入口空間82D1に送られた冷媒は、下段第1風下側冷媒パス62A1に送られる。下段第1風下側冷媒パス62A1に送られた冷媒は、下段第1風下側冷媒パス62A1を流れる間に室外空気との熱交換によって加熱され、連結ヘッダ75の下段側の折り返し空間76Aを通じて、下段第1風上側冷媒パス61A1に送られる。下段第1風上側冷媒パス61A1に送られた冷媒は、下段第1風上側冷媒パス61A1を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱され、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを通じて、上段第1風上側冷媒パス61A2に送られる。上段第1風上側冷媒パス61A2に送られた冷媒は、上段第1風上側冷媒パス61A2を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、連結ヘッダ75の上段側の折り返し空間76Aを通じて、上段第1風下側冷媒パス62A2に送られる。上段第1風下側冷媒パス62A2に送られた冷媒は、上段第1風下側冷媒パス62A2を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82D2に送られる。すなわち、冷媒は、下段第1風下側冷媒パス62A1、下段第1風上側冷媒パス61A1、上段第1風上側冷媒パス61A2、上段第1風下側冷媒パス62A2の順に、第1熱交換パス60Aを通過する。第1熱交換パス60Aでは、冷媒は、液状態又は気液二相状態から蒸発して過熱ガス状態になるまで加熱される。
第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られた冷媒は、ガス分流管85に送られる。第2ヘッダ80のガス側出入口空間82D2に送られた冷媒も、ガス分流管85に送られ、ガス分流管85内でガス側出入口空間82Uからの冷媒と合流する。ガス分流管85に流入した冷媒は、第1ガス冷媒管19(図1参照)を通じて圧縮機8(図1参照)の吸入側に送られる。
(5−4−2)冷房運転及び除湿運転
冷房運転時には、熱源側熱交換器11は、圧縮機8(図1参照)から吐出された冷媒の放熱器として機能する。冷房運転時には、図7〜図9における冷媒の流れを示す矢印の方向に冷媒が流れる。
圧縮機8(図1参照)から吐出された冷媒は、第1ガス冷媒管19(図1参照)を通じてガス分流管85に送られる。ガス分流管85に流入した冷媒は、分岐管84に分流されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82U及びガス側出入口空間82D2に送られる。
第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られた冷媒は、熱交換パス60B〜60Kの風下側冷媒パス62B〜62Kに分流される。また、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82D2に送られた冷媒は、熱交換パス60Aの風下側冷媒パス62Aに供給される。
各風下側冷媒パス62B〜62Kに送られた冷媒は、各風下側冷媒パス62B〜62Kを流れる間に室外空気との熱交換によって放熱して、連結ヘッダ75の折り返し空間76B〜76Kを通じて、それぞれ各熱交換パス60B〜60Kの風上側冷媒パス61B〜61Kに送られる。各風上側冷媒パス61B〜61Kの扁平管52に送られた冷媒は、風上側冷媒パス61B〜61Kを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、第1ヘッダ70の各液側出入口空間72B〜72Kにおいて合流する。すなわち、冷媒は、熱交換パス60B〜60Kでは、風下側冷媒パス62B〜62K、風上側冷媒パス61B〜61Kの順に、熱交換パス60B〜60Kを通過する。熱交換パス60B〜60Kでは、冷媒は、過熱ガス状態から飽和液状態又は過冷却液状態になるまで放熱する。
上段第1風下側冷媒パス62A2に送られた冷媒は、上段第1風下側冷媒パス62A2を流れる間に室外空気との熱交換によって放熱し、連結ヘッダ75の上段側の折り返し空間76Aを通じて、上段第1風上側冷媒パス61A2に送られる。上段第1風上側冷媒パス61A2に送られた冷媒は、上段第1風上側冷媒パス61A2を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱し、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを通じて、下段第1風上側冷媒パス61A1に送られる。下段第1風上側冷媒パス61A1に送られた冷媒は、下段第1風上側冷媒パス61A1を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、連結ヘッダ75の上側の折り返し空間76Aを通じて、下段第1風下側冷媒パス62A1に送られる。下段第1風下側冷媒パス62A1に送られた冷媒は、下段第1風下側冷媒パス62A1を流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、第2ヘッダ80の液側出入口空間82D1に送られる。すなわち、冷媒は、上段第1風下側冷媒パス62A2、上段第1風上側冷媒パス61A2、下段第1風上側冷媒パス61A1、下段第1風下側冷媒パス62A1の順に、第1熱交換パス60Aを通過する。第1熱交換パス60Aでは、冷媒は、過熱ガス状態から飽和液状態又は過冷却液状態になるまで放熱する。
各液側出入口空間82D1,72B〜72Kに送られた冷媒は、それぞれ連絡配管74A〜74Kを介して分流器90のキャピラリチューブ94A〜94Kに送られて、分流器本体92において合流する。分流器本体92において合流した冷媒は、液冷媒管20(図1参照)を通じて熱源側膨張機構12(図1参照)に送られる。
除霜運転時には、熱源側熱交換器11は、冷房運転時と同様に、圧縮機8(図1参照)から吐出された冷媒の放熱器として機能する。なお、除霜運転時の熱源側熱交換器11における冷媒の流れは、冷房運転時と同様であるため、ここでは説明を省略する。ただし、冷房運転時とは異なり、除霜運転時は、冷媒が、主として、熱交換パス60A〜60Kに付着した霜を融解させつつ放熱することになる。
なお、以上で説明したように熱交換パス60A〜60Kが構成される結果、除霜運転時には、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速よりも速い。好ましくは、除霜運転時において、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速の2倍以上かつ10倍以下であることが好ましい。
なお、空気調和装置1では、上記のように、熱交換部50の最下段の扁平管52を含む最下段の第1熱交換パス60Aのパス有効長を、他の熱交換パス60B〜60Kのパス有効長よりも長くしている。その結果、第1熱交換パス60Aにおける冷媒の流れ抵抗は、他の熱交換パス60B〜60Kにおける冷媒の流れ抵抗より大きい。
このような熱源側熱交換器11を、暖房運転と(逆サイクル)除霜運転とを切り換えて行う空気調和装置1に採用したことで、暖房運転時に第1熱交換パス60Aに液状態の冷媒が流入しにくくなり、最下段の熱交換パスを流れる冷媒の温度が上昇しやすくなる。そのため、暖房運転時に第1熱交換パス60Aにおける着霜を抑制することができる。
しかも、ここでは、第1熱交換パス60Aのパス有効長が長くなることによって、第1熱交換パス60Aにおける伝熱面積を大きくすることができるため、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の温度の上昇を促進することができる。これにより、除霜運転時の第1熱交換パス60Aにおける融け残りを減少させることができる。
さらにここでは、除霜運転時には、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速よりも速い。除霜運転時に第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52を流れる単位時間あたりの冷媒の流量よりも多い。その結果、第1熱交換パス60Aの扁平管52内の液冷媒を容易に排出することができるとともに、第1熱交換パス60Aの扁平管52に比較的大きな熱量を供給し、除霜運転時の最下段の扁平管52の霜の融け残りを抑制することができる。また、ここでは、熱源側熱交換器11全体の除霜時間を短縮し、暖房運転の休止時間を短縮することができる。
(6)特徴
(6−1)
冷凍装置の一例としての空気調和装置1は、冷媒回路6と、気流生成機構の一例としての熱源側ファン15と、制御部23と、を備える。冷媒回路6は、利用側熱交換器32a,32bと、熱源側熱交換器11と、を有する。熱源側熱交換器11は、上下方向である段方向に多段に配置されるとともに内部に冷媒の通路52bが形成された複数の扁平管52を有する。熱源側ファン15は、気流を生成し、熱源側熱交換器11に空気を供給する。制御部23は、加熱運転の一例である暖房運転と除霜運転とを切り換えて実行する。暖房運転では、利用側熱交換器32a,32bを冷媒の放熱器として利用するとともに、熱源側熱交換器11を冷媒の蒸発器として利用する。除霜運転では、熱源側熱交換器11を冷媒の放熱器として利用する。複数の扁平管52は、段方向に多段に並ぶ複数の熱交換パス60A〜60Kに区分される。熱交換パス60A〜60Kは、最下段の扁平管52を含む第1熱交換パス60Aを含む。除霜運転時に第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速よりも速い。
このように構成されることで、第1熱交換パス60Aの扁平管52内の液冷媒を容易に排出することができる。そのため、除霜運転時の最下段の扁平管52の霜の融け残りを抑制することができる。
(6−2)
空気調和装置1では、第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の数は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52の数より少ない。
このように構成されることで、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速を他の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速より大きくすることが容易である。
(6−3)
空気調和装置1では、複数の連絡部80a,80bを備える。連絡部80a,80bは、それぞれ、内部にガス側出入口空間82D2,82Uを形成する。連絡部80a,80bのそれぞれには、扁平管52の少なくとも一部が、その扁平管52の通路52bとガス側出入口空間82D2,82Uとが連通するように接続される。連絡部80a,80bには、除霜運転時にガス冷媒が流入するガス冷媒出入口83が設けられ、除霜運転時にガス冷媒出入口83からガス側出入口空間82D2,82Uに流入した冷媒を、接続されている扁平管52に供給する。連絡部80a,80bは、第1熱交換パス60Aの扁平管52だけが接続される第1連絡部80aと、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kの扁平管52が接続される1つ以上の第2連絡部80bと、を含む。
特にここでは、連絡部80a,80bは、単一の第2連絡部80bを含む。第2連絡部80bには、第1熱交換パス60A以外の全ての熱交換パス60B〜60Kの扁平管52が接続される。
ここでは、第1熱交換パス60Aの扁平管52が接続される第1連絡部80aには第1熱交換パス60Aの扁平管52だけが接続され、第2連絡部80bには複数の熱交換パスの扁平管52が接続される。そのため、第1熱交換パス60Aの扁平管52には他の熱交換パス60B〜60Kの扁平管52よりも多くの冷媒が供給されやすく、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速を他の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速よりも大きくすることができる。
(6−4)
空気調和装置1は、複数の分岐管84とガス分流管85とを備える。複数の分岐管84は、一端が連絡部80a,80bのガス冷媒出入口83に接続される。ガス分流管85には、複数の分岐管84の他端が接続される。ガス分流管85は、除霜運転時に分岐管84にガス冷媒を分流させて流す。分岐管84は、同一流路面積の配管である。
ここでは、各分岐管84に概ね均等に冷媒が分流され、第1連絡部80aに流入した冷媒は全て第1熱交換パス60Aの扁平管52を流れるため、第1熱交換パス60Aの扁平管52には他の熱交換パス60B〜60Kの扁平管52よりも多くの冷媒が供給されやすい。そのため、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速を他の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速より大きくすることができる。
(6−5)
空気調和装置1では、第1連絡部80aに接続される分岐管84の数を第1連絡部80aに接続される第1熱交換パス60Aの扁平管52の数で除した値は、第2連絡部80bに接続される分岐管84の数を第2連絡部80bに接続される扁平管52の数で除した値に比べて大きい。
ここでは、特に、第1熱交換パス60Aの扁平管52に供給される冷媒量が、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kの扁平管52に供給される冷媒量よりも多くなりやすく、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速を他の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速よりも大きくすることができる。
(6−6)
空気調和装置1では、除霜運転時に第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52を流れる単位時間当たりの冷媒の流量が、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52を流れる単位時間当たりの冷媒の流量よりも多い。
第1熱交換パス60Aの各扁平管52を単位時間に流れるガス冷媒の量が他の熱交換パス60B〜60Kの扁平管52を単位時間に流れるガス冷媒の量に比べて多いため、除霜運転時の第1熱交換パス60Aの霜の融け残りを抑制することが容易である。
(7)変形例
上記実施形態は、例えば以下の変形例に示すように、適宜変形が可能である。なお、各変形例は、互いに矛盾しない範囲で他の変形例と適宜組み合わされて適用されてもよい。
(7−1)変形例A
上記実施形態では、熱源側熱交換器11は2列の熱交換部50a,50bを有するが、これに限定されるものではない。熱源側熱交換器11は、3列以上の熱交換部を有するものであってもよい。また、熱源側熱交換器11は、1列だけ熱交換部を有するものであってもよい。
(7−2)変形例B
上記実施形態では、熱源側熱交換器11は、3ヶ所に曲げ部56を有するが、これに限定されるものではない。例えば、熱源側熱交換器は曲げ部56を1ヶ所に有し、熱源側熱交換器の熱交換部50はL字状に形成されていてもよい。また、熱源側熱交換器は曲げ部56を2ヶ所に有し、熱源側熱交換器の熱交換部50はU字状に形成されていてもよい。また、熱源側熱交換器は曲げ部56を4ヶ所以上に有してもよい。また、例えば、熱源側熱交換器は曲げ部56を有さなくてもよい。
(7−3)変形例C
上記実施形態では、第2ヘッダ80の全体が、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、空気取込口40a4の下流側に配置される。つまり、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aが存在しない状態を仮定すると、左側面視において(空気取込口40a4に正対した時に)、左側面全体が視認可能な位置に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、第2ヘッダ80の一部だけが、風上側熱交換部50aの扁平管52の第2部分50aaにおける熱源側ファン15の空気流れ方向(つまり右方向)において、空気取込口40a4の下流側に配置されてもよい。また、第2ヘッダ80に風上側熱交換部50aの扁平管52を流れる冷媒と熱交換した空気を当てることが可能であれば(第2ヘッダ80を空気流れ空間A2に配置可能であれば)、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aが存在しない状態を仮定した時に、左側面視において(空気取込口40a4に正対した時に)、空気取込口40a4から視認できない位置に配置されてもよい。ただし、第2ヘッダ80に空気を当てる上では、第2ヘッダ80は、風上側熱交換部50aが存在しない状態を仮定した時に、左側面視において(空気取込口40a4に正対した時に)、少なくとも一部が視認可能な位置に配置されることが好ましい。
なお、第2ヘッダ80に空気を当てることで生じる腐食等の問題の発生を抑制するという観点からは、第2ヘッダ80は、空気流れ空間A2ではなく、非空気流れ空間A1に配置されてもよい。
(7−4)変形例D
上記実施形態では、第2ヘッダ80が第1ヘッダ70よりも後方側(左側面視において、第1ヘッダ70よりも空気取込口40a4側)に配置されるが、このような態様に限定されるものではない。第2ヘッダ80に風上側熱交換部50aの扁平管52を流れる冷媒と熱交換した空気を当てることが可能であれば(第2ヘッダ80を空気流れ空間A2に配置可能であれば)、第2ヘッダ80は、左側面視において第1ヘッダ70と一部又は全部が重なるように配置されてもよい。また、第2ヘッダ80に風上側熱交換部50aの扁平管52を流れる冷媒と熱交換した空気を当てることが可能であれば、第2ヘッダ80は、左側面視において第1ヘッダ70より前方側に配置されてもよい。
なお、第2ヘッダ80に空気を当てることで生じる腐食等の問題の発生を抑制するという観点からは、第2ヘッダ80は、非空気流れ空間A1に配置されてもよい。
(7−5)変形例E
上記実施形態では、第1熱交換パス60Aは、2段2列(計4本)の扁平管52を有するが、これに限定されるものではない。
例えば、図11及び図12に示した熱源側熱交換器111にように、第1熱交換パス160Aは、1段2列(計2本)の扁平管52を有するものであってもよい。つまり、第1熱交換パス160Aには、最下段の扁平管52だけが含まれてもよい。なお、熱源側熱交換器111では、第1熱交換パス160A以外の熱交換パス60B〜60Kは、上記実施形態の熱源側熱交換器11と同様である。つまり、熱交換パス60B〜60Kのそれぞれは、複数段の扁平管52を含む。
なお、熱源側熱交換器111では、第2ヘッダ80内は、仕切板81により連通空間82U及び連通空間182Dに区画される。第2ヘッダ80の連通空間182Dに対応する部分には、(第1熱交換パス160Aの)風下側熱交換部50bの最下段の扁平管52の通路52bが連通空間182Dと連通するように接続される。また、第2ヘッダ80の連通空間182Dに対応する部分には、除霜運転時に第1熱交換パス160Aにガス冷媒を供給する分岐管84が接続される。また、第1ヘッダ70の連通空間72Aに対応する部分には、(第1熱交換パス160Aの)風上側熱交換部50aの最下段の扁平管52が連通空間72Aと連通するように接続される。また、第1ヘッダ70の連通空間72Aに対応する部分には、連絡配管74Aが接続される液冷媒出入口73が形成される。
なお、熱源側熱交換器111では、除霜運転時に、ガス分流管85から分岐管84を通って連通空間182Dに流入した冷媒は、風下側熱交換部50bの最下段の扁平管52を流れ、連結ヘッダ75の上段側の折り返し空間76Aを通じて、風上側熱交換部50aの最下段の扁平管52に送られる。風上側熱交換部50aの最下段の扁平管52に送られた冷媒は、第1ヘッダ70の連通空間72Aに送られる。
第1熱交換パス160Aに含まれる扁平管52を最下段の扁平管52だけにすることで、最下段の扁平管52を流れる冷媒の流速を他の熱交換パスよりも大きくすることが特に容易である。
(7−6)変形例F
上記実施形態で説明した熱源側熱交換器11における冷媒の流し方(冷媒の流れるルート)は一例に過ぎず、冷媒のパス取りは適宜設計されればよい。
例えば、上記実施形態では、除霜運転時に、第1熱交換パス60Aを、上段第1風下側冷媒パス62A2、上段第1風上側冷媒パス61A2、下段第1風上側冷媒パス61A1、下段第1風下側冷媒パス62A1の順に冷媒が流れるがこれに限定されるものではない。
例えば、第1熱交換パス60Aには、除霜運転時に、図13Aのように、上段第1風上側冷媒パス61A2、上段第1風下側冷媒パス62A2、下段第1風下側冷媒パス62A1、下段第1風上側冷媒パス61A1の順に冷媒が流れるようにパスが取られてもよい。この場合には、第2ヘッダ80の連通空間82D1と連通空間82D2とを仕切る仕切板81が省略される。代わりに、第1ヘッダ70の連通空間72Aが、1段目の扁平管52と2段目の扁平管52とを連通させないように仕切板により上下の空間に仕切られる。そして、連通空間72Aの仕切られた上方の空間に対応する位置にガス冷媒出入口83が形成され、連通空間72Aの仕切られた下方の空間に対応する位置に液冷媒出入口73が形成される。この場合には、第1連通部は第1ヘッダ70に、第2連通部は第2ヘッダ80に設けられることになる。
また、例えば、第1熱交換パス60Aには、除霜運転時に、図13Bのように、下段第1風下側冷媒パス62A1、下段第1風上側冷媒パス61A1、上段第1風上側冷媒パス61A2、上段第1風下側冷媒パス62A2の順に冷媒が流れるようにパスが取られてもよい。この場合には、第2ヘッダ80の連通空間82D1に対応する位置にガス冷媒出入口83が形成され、第2ヘッダ80の連通空間82D2に対応する位置に液冷媒出入口73が形成される。
また、例えば、第1熱交換パス60Aには、除霜運転時に、図13Cのように、下段第1風上側冷媒パス61A1、下段第1風下側冷媒パス62A1、上段第1風下側冷媒パス62A2、上段第1風上側冷媒パス61A2の順に冷媒が流れるようにパスが取られてもよい。この場合には、第2ヘッダ80の連通空間82D1と連通空間82D2とを仕切る仕切板81が省略される。代わりに、第1ヘッダ70の連通空間72Aが、1段目の扁平管52と2段目の扁平管52とを連通させないように仕切板により上下の空間に仕切られる。そして、連通空間72Aの仕切られた上方の空間に対応する位置に液冷媒出入口73が形成され、連通空間72Aの仕切られた下方の空間に対応する位置にガス冷媒出入口83が形成される。この場合には、第1連通部は第1ヘッダ70に、第2連通部は第2ヘッダ80に設けられることになる。
また、例えば、第1熱交換パス60Aには、除霜運転時に、図13Dのように、上段第1風下側冷媒パス62A2、下段第1風下側冷媒パス62A1、下段第1風上側冷媒パス61A1、上段第1風上側冷媒パス61A2の順に冷媒が流れるようにパスが取られてもよい。この場合には、連結ヘッダ75内の1段目の扁平管52と2段目の扁平管52とを連通させないように仕切る仕切板77は配置されず、代わりに折り返し空間76Aにおいて風上側熱交換部50aの扁平管52と風下側熱交換部50bの扁平管52とを連通させないように上下方向に延びる仕切板により仕切られる。また、第1ヘッダ70の連通空間72Aが、1段目の扁平管52と2段目の扁平管52とを連通させないように仕切板により上下の空間に仕切られる。そして、第2ヘッダ80の連通空間82D2にガス冷媒出入口83が形成され、第1ヘッダ70の連通空間72Aの仕切られた上方の空間に対応する位置に液冷媒出入口73が形成され、第2ヘッダ80の連通空間82D1と第1ヘッダ70の連通空間72Aの仕切られた下方の空間とが配管により接続される。
その他、説明は省略するが、冷媒が、下段第1風上側冷媒パス61A1、上段第1風上側冷媒パス61A2、下段第1風下側冷媒パス62A1、上段第1風下側冷媒パス62A2を流れる順序は、必要に応じ、適宜設計されればよい。なお、連絡配管74Aが接続される液冷媒出入口73の位置と、除霜運転時に第1熱交換パス60Aにガス冷媒を供給する分岐管84が接続されるガス冷媒出入口83の位置とは、適宜変更されればよい。また、第1ヘッダ70、第2ヘッダ80及び連結ヘッダ75内の仕切り方は適宜変更されればよい。
(7−7)変形例G
上記実施形態で説明した熱源側熱交換器11における冷媒の流し方(冷媒の流れるルート)は一例に過ぎず、冷媒のパス取りは適宜設計されればよい。
例えば、上記実施形態では、第1熱交換パス60Aとそれ以外の熱交換パス60B〜60Kとで冷媒の流し方が異なるが、これに限定されるものではなく、第1熱交換パス60Aにも、それ以外の熱交換パス60B〜60Kと同様の経路で冷媒が流れるよう設計されてもよい。つまり、第1熱交換パス60Aのパス有効長は、他の熱交換パス60B〜60Kのパス有効長と同一であってもよい。また、熱源側熱交換器11が蒸発器として機能する時の第1熱交換パス60Aにおける冷媒の流れは、他の熱交換パス60B〜60Kと同様に蒸発並行流であってもよい(つまり熱源側熱交換器11が蒸発器として機能する時の冷媒の流れは、熱源側熱交換器11の全体で蒸発並行流であってもよい)。
また、上記実施形態では、空気の流れ方向に並べられた熱交換部50の、同一段の伝熱管を冷媒が流れるように冷媒の流れるルートが設計されているが、これに限定されるものではない。例えば、ある熱交換部の冷媒パスを流れた冷媒は、同一の熱交換部又は他の熱交換部の異なる段の(異なる高さ位置の)伝熱管を流れるように冷媒の流れるルートが設計されてもよい。
(7−8)変形例H
上記実施形態では、空気調和装置1は、冷房運転及び暖房運転の両方を実行可能な装置である。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、本開示の冷凍装置は、暖房運転及び除霜運転のみを行う空気調和装置であってもよい。
(7−9)変形例I
上記実施形態では、空気調和装置1を例に冷凍装置を説明したが、上記実施形態の特徴が他の種類の冷凍装置に適用されてもよい。例えば、上記実施形態の特徴が、冷凍装置の一例としての給湯装置に適用されてもよい。
(7−10)変形例J
上記実施形態では、熱源ユニット2は上吹き型のユニットであり、熱源ユニット2の側面側から空気が吸い込まれ、熱源ユニット2の上部から上方に空気が吹き出される。しかし、熱源ユニット2は、上吹き型に限定されるものではなく、例えば、横吹き型のユニットであってもよい。
(7−11)変形例K
上記実施形態では、第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の数は、第1熱交換パス60A以外の熱交換パス60B〜60Kのそれぞれに含まれる扁平管52の数より少ないが、これに限定されるものではない。第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52の数は、熱交換パス60B〜60Kのいずれかに含まれる扁平管52の数と同数、又は、熱交換パス60B〜60Kのいずれかに含まれる扁平管52の数より多くてもよい。
この場合には、例えば、第1熱交換パス60Aに接続される分岐管84の数を増やしたり、第1熱交換パス60Aに接続される分岐管84の流路面積を他の分岐管84より大きく設計したりしてもよい。そして、除霜運転時に第1熱交換パス60Aに含まれる扁平管52を流れる単位時間当たりの冷媒の流量が、熱交換パス60B〜60Kに含まれる扁平管52を流れる単位時間当たりの冷媒の流量よりも大きくなるようにしてもよい。そして、結果として、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の流速を、他の熱交換パス60B〜60Kを流れる冷媒の流速より速くなるようにしてもよい。
以上、本開示の実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。