JP2019132397A - 車両の動力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの動力源の動力を左右の駆動輪に配分しながら伝達し、単一のパーキング機構によって左右の駆動輪のパーキングロックを良好に行い、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加と停止時における車両の傾きを回避できる車両の動力装置を提供する。【解決手段】本発明による車両の動力装置A1は、第1及び第2モータMG1、MG2と左右の駆動輪WL、WRの間に、遊星歯車装置PG1を備える。遊星歯車装置PG1は、共線図において回転数が単一の直線上に順に並ぶ共線関係を満たすように構成された第1サンギヤS1、第2リングギヤR2、キャリアC、第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2を有する。第1及び第2サンギヤS1、S2は第1及び第2モータMG1、MG2にそれぞれ連結され、第2及び第1リングギヤR2、R1は駆動輪WL、WRにそれぞれ連結され、キャリアCにパーキング機構MPが設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、2つの動力源の動力を左右の駆動輪に配分しながら伝達する車両の動力装置に関し、特に左右の駆動輪を停止状態に保持するためのパーキング機構が設けられた動力装置に関する。
従来、この種の車両の動力装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。図9に示すように、この動力装置は、2つのモータ(電動機)M1、M2の動力を、遊星歯車機構51を介して、左右の駆動輪WL、WRに伝達するものである。遊星歯車機構51は、歯数が互いに異なる第1及び第2ピニオンギヤ52、53を一体に有する2連ピニオンギヤ54と、2連ピニオンギヤ54を回転自在に支持するキャリア55と、第1ピニオンギヤ52に噛み合う第1サンギヤ56と、第2ピニオンギヤ53に噛み合う第2サンギヤ57及びリングギヤ58を有する。リングギヤ58は、連結軸SC1を介して第1モータM1に連結され、キャリア55は、左駆動軸SLを介して左駆動輪WLに連結され、第1サンギヤ56は、右駆動軸SRを介して右駆動輪WRに連結され、第2サンギヤ57は、連結軸SC2を介して第2モータM2に連結されている。
以上の構成及び連結関係から、図10に示すように、リングギヤ58(第1モータM1)、キャリア55(左駆動輪WL)、第1サンギヤ56(右駆動輪WR)及び第2サンギヤ57(第2モータM2)の回転数は、共線図において1つの直線上にこの順に並ぶ、いわゆる共線関係にある。これにより、第1及び第2モータM1、M2のトルクTM1、TM2が、遊星歯車機構51を介して左右の駆動輪WL、WRに伝達されるとともに、両トルクTM1、TM2を互いに異ならせることにより、両駆動輪WL、WRへの入力トルクTL、TRに差が生じることで、トルク配分が行われる。
特許第5333343号公報
しかし、上述した従来の動力装置には、以下の問題がある。第1に、この動力装置に、車両を駐車状態に保持するためのパーキング機構を設ける場合には、前述した動力装置の構成上、左駆動軸SL及び右駆動軸SRの両方、又は連結軸SC1、SC2の両方にそれぞれ設ける必要がある。この場合、パーキング機構として、図3に示すような、パーキングギヤ17とパーキングポール18との噛合い式によるものを用いたときには、両者の噛合い位相が2つのパーキング機構の間でずれることがある。
その場合には、両駆動輪WL、WRの反力トルクによる全荷重が、先に噛み合った一方のパーキング機構に作用するため、この荷重に耐えられるよう、各パーキング機構の強度を確保することが必要になり、各パーキング機構が大型化するとともに、部品点数が増加する。また、噛合い位相がずれると、坂道などにおけるパーキングロック時に、車両が、両駆動輪WL、WRが停止するまでに進行方向に対して斜めになり、その状態で停車するなどの不具合が生じるおそれがある。
また、第2の問題として、従来の動力装置は、その構成上、第1及び第2モータM1、M2が正常に作動することが前提になっており、それらの一方が、トルクを出力できないなどの不調状態になった場合には、車両の走行が著しく困難になる。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、2つの動力源の動力を左右の駆動輪に配分しながら伝達するとともに、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加と停止時における車両の傾きを回避しながら、単一のパーキング機構によって左右の駆動輪のパーキングロックを良好に行うことができる車両の動力装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両の左右の駆動輪WL、WRに動力を配分しながら伝達するとともに、車両を駐車状態に保持するためのパーキング機構MPが設けられる車両の動力装置であって、第1動力源(実施形態における(以下、本項において同じ)第1モータMG1)及び第2動力源(第2モータMG2)と、第1及び第2動力源と左右の駆動輪WL、WRとの間に設けられた遊星歯車装置PG1と、を備え、遊星歯車装置PG1は、共線図において回転数が単一の直線上に順に並ぶ共線関係を満たすように構成された第1回転要素(第1サンギヤS1)、第2回転要素(第2リングギヤR2)、第3回転要素(キャリアC)、第4回転要素(第1リングギヤR1)及び第5回転要素(第2サンギヤS2)を有し、第1回転要素は第1動力源に連結され、第5回転要素は第2動力源に連結され、第2回転要素は左右の駆動輪の一方(左駆動輪WL)に連結され、第4回転要素は左右の駆動輪の他方(右駆動輪WR)に連結され、第3回転要素にパーキング機構MPが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、車両の動力装置は、第1及び第2動力源と、これらの動力源と左右の駆動輪との間に設けられた遊星歯車装置を備えている。この遊星歯車装置は、第1〜第5回転要素を有し、第1〜第5回転要素は、共線図において回転数が単一の直線上に順に並ぶ共線関係を満たすように構成されている。これらの5つの回転要素のうち、共線上の両端に位置する第1及び第5回転要素は、第1及び第2動力源にそれぞれ連結され、第1及び第5回転要素のすぐ内側に位置する第2及び第4回転要素は、左右の駆動輪の一方及び他方にそれぞれ連結されている。
以上の構成により、第1及び第2動力源の動力は、遊星歯車装置の第1及び第5回転要素にそれぞれ入力されるとともに、第2及び第4回転要素を介して一方及び他方の駆動輪にそれぞれ伝達され、それにより、左右の駆動輪が駆動される。また、第1及び第2動力源の動力を互いに異ならせることにより、左右の駆動輪に動力差を生じさせ、動力配分を行うことができる。
また、共線上の中央に位置する第3回転要素に、1つのパーキング機構が設けられている。この構成により、パーキング機構によるパーキングトルクが左右の駆動輪に同時に分担された状態で、両駆動輪のパーキングロックが行われる。これにより、2つのパーキング機構の間で噛合い位相のずれが生じ得る従来の動力装置と異なり、パーキング機構を補強する必要がなくなり、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加を回避できるとともに、停止時における車両の傾きを回避することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両の動力装置において、第1動力源から第1回転要素に至る第1動力伝達経路(第1連結軸15)と第2動力源から第5回転要素に至る第2動力伝達経路(第2連結軸16)との間を機械的に接続又は遮断可能に構成され、第1及び第2動力源の一方が不調のときに、第1及び第2動力伝達経路の間を接続することによって、左右の駆動輪WL、WRの差動を制限する差動制限機構MCをさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2動力源の一方が不調になったとき、例えば動力を出力できない状態になったときに、第1動力源から第1回転要素に至る第1動力伝達経路と、第2動力源から第5回転要素に至る第2動力伝達経路との間が、差動制限機構によって機械的に接続される。これにより、正常な他方の動力源の動力が、対応する他方の動力伝達経路を介して他方の回転要素に伝達されるとともに、差動制限機構により接続された一方の動力伝達経路を介して一方の回転要素にも伝達されることによって、両駆動輪の差動が制限されるので、安定した車両の走行を確保することができる。
本発明の第1実施形態による車両の動力装置を、左右の駆動輪とともに示すスケルトン図である。 図1の遊星歯車装置の第1ピニオンギヤ、第2ピニオンギヤ及びキャリアを平面的に見たスケルトン図である。 パーキング機構の構成を示す図である。 図1の動力装置における各種の回転要素の間の回転数の関係、及びパーキング機構の作動時におけるトルクの釣り合い関係を示す共線図である。 本発明の第2実施形態による車両の動力装置を、左右の駆動輪とともに示すスケルトン図である。 図5の動力装置における各種の回転要素の間の回転数の関係、及びパーキング機構の作動時におけるトルクの釣り合い関係を示す共線図である。 本発明の第3実施形態による車両の動力装置を、左右の駆動輪とともに示すスケルトン図である。 図7の動力装置における各種の回転要素の間の回転数の関係、及びパーキング機構の作動時におけるトルクの釣り合い関係を示す共線図である。 従来の動力装置を示すスケルトン図である。 従来の動力装置における回転要素の間の回転数の関係などを示す共線図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、第1実施形態による車両の動力装置A1を示す。この動力装置A1は、四輪の車両(図示せず)に搭載されており、第1モータMG1及び第2モータMG2の動力を、左右の駆動軸SL、SRを介して、左右の駆動輪WL、WRに配分しながら伝達するためのものである。
動力装置A1は、上記第1及び第2モータMG1、MG2、遊星歯車装置PG1、及び差動制限機構MCを備えている。また、動力装置A1には、車両を駐車状態に保持するためのパーキング機構MPが設けられている。第1及び第2モータM1、M2と遊星歯車装置PG1は、左右の駆動軸SL、SRと同軸状に配置されている。
第1モータMG1は、例えばACモータで構成されており、複数の鉄芯やコイルなどから成る第1ステータ11aと、複数の磁石などから成る第1ロータ11bを有する。第1ステータ11aは、不動のケース(図示せず)に固定され、第1ロータ11bは、第1ステータ11aに対向するように配置されている。第1ステータ11aに供給される電力を制御装置(図示せず)で制御することによって、第1モータMG1のトルクが制御される。
第2モータMG2は、第1モータMG1と同様、例えばACモータで構成されており、第2ステータ12a及び第2ロータ12bを有する。第2ステータ12aに供給される電力を制御装置で制御することによって、第2モータMG2のトルクが制御される。
遊星歯車装置PG1は、第1及び第2モータMG1、MG2の動力を左右の駆動輪WL、WRに配分しながら伝達するためのものである。遊星歯車装置PG1は、複数の第1ピニオンギヤP1及び第2ピニオンギヤP2と、これらの第1及び第2ピニオンギヤP1、P2を支軸13、14をそれぞれ介して回転自在に支持するキャリアCと、複数の第1ピニオンギヤP1に噛み合う第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1と、複数の第2ピニオンギヤP2に噛み合う第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2を有する。
図2に示すように、第1及び第2ピニオンギヤP1、P2は、駆動軸SL、SRを中心とする周方向において互いに部分的に重なるように配置されるとともに、互いに噛み合っている。また、第1ピニオンギヤの歯数ZP1は、第2ピニオンギヤP2の歯数ZP2と等しく、第1サンギヤS1の歯数ZP1及び第1リングギヤR1の歯数ZR1は、第2サンギヤS2の歯数ZP2及び第2リングギヤR2の歯数ZR2とそれぞれ等しい。
また、第1サンギヤS1は、第1連結軸15を介して第1モータMG1のロータ11bに連結され、第2サンギヤS2は、第2連結軸16を介して第2モータMG2のロータ12bに連結され、第2リングギヤR2は、左駆動軸SLを介して左駆動輪WLに連結され、第1リングギヤR1は、右駆動軸SRを介して右駆動輪WRに連結され、キャリアCにはパーキング機構MPが設けられている。
図3に示すように、パーキング機構MPは、パーキングギヤ17及びパーキングポール18を有する。パーキングギヤ17は、周方向に等間隔に配置された複数の歯溝17aを有し、キャリアCの外周部に一体に設けられている。パーキングポール18は、一端部において支点18aに回動自在に支持されるとともに、他端部に爪18bを有する、パーキングポール18は、車両のシフトレバー(図示せず)がパーキングレンジ「P」に操作されるのに応じて駆動され、それにより、爪18bがパーキングギヤ17の1つの歯溝17aに係合することによって、キャリアCがロックされる。
また、差動制限機構MCは、例えば電磁式又は摩擦式のクラッチで構成され、第1モータMG1のロータ11bと第1サンギヤS1を連結する第1連結軸15と、第2モータMG2のロータ12bと第2サンギヤS2を連結する第2連結軸16との間に配置されている。
このクラッチの動作は、制御装置によって制御される。具体的には、第1及び第2モータMG1、MG2の両方が正常であると判定されたときには、クラッチがオフ状態に維持されることによって、第1及び第2連結軸15、16の間が遮断される。また、第1及び第2モータMG1、MG2の一方がトルクを出力できないなどの不調状態にあると判定されたときには、クラッチがオンされることによって、第1及び第2連結軸15、16の間が機械的に接続される。
以上の構成の動力装置A1では、遊星歯車装置PG1が前述したように構成されるとともに、その回転要素が、前述したように第1及び第2モータMG1、MG2、左右の駆動輪WL、WR及びパーキング機構MPに連結されていることから、回転要素の間の回転数の関係は、例えば図4の共線図のように表される。
すなわち、第1サンギヤS1(第1モータMG1のロータ11b)、第2リングギヤR2(左駆動輪WL)、キャリアC(パーキング機構MPのパーキングギヤ17)、第1リングギヤR1(右駆動輪WR)及び第2サンギヤS2(第2モータMG2のロータ12b)は、それらの回転数が共線図において単一の直線上にその順に並ぶ1共線5要素の共線関係を満たすように構成されており、したがって、第1〜第5回転要素にそれぞれ相当する。なお、図4では、図示の関係上、第1〜第5回転要素を第1〜第5「要素」と表記しており、このことは、後述する図6及び図8においても同様である。
また、図4のα1及びβ1はそれぞれ、第2リングギヤR2−第1リングギヤR1間を基準(=1)とする第1レバー比および第2レバー比であり、回転要素の歯数Zを用い、次式(1)及び(2)で表される。
α1=ZR1(ZR2−ZS1)/ZS1(ZR2+ZR1) ・・・(1)
β1=ZR2(ZR1−ZS2)/ZS2(ZR2+ZR1) ・・・(2)
また、前述したように、本実施形態では、第1及び第2リングギヤR1、R2の歯数ZR1、ZR2が互いに等しく、第1及び第2サンギヤS1、S2の歯数ZS1、ZS2が互いに等しいので、第1及び第2レバー比α1、β1は互いに等しくなる。さらに、第1及び第2ピニオンギヤP1、P2の歯数ZP1、ZP2が互いに等しいので、共線図におけるキャリアCから第2リングギヤ(左駆動輪WL)までの距離と、キャリアCから第1リングギヤ(右駆動輪WR)までの距離は、互いに等しくなる。
以上のような1共線5要素の共線関係が成立するとともに、第1サンギヤS1(第1回転要素)及び第2サンギヤS2(第5回転要素)に、第1及び第2モータMG1、MG2がそれぞれ連結され、第2リングギヤR2(第2回転要素)及び第1リングギヤR1(第4回転要素)に、左右の駆動輪WL、WRがそれぞれ連結されている。したがって、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを、遊星歯車装置PG1を介して、左右の駆動輪WL、WRに伝達するとともに、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを互いに異ならせることにより、左右の駆動輪WL、WRにトルク差を生じさせ、トルク配分を行うことができる。
また、パーキング機構MPは、キャリアC(第3回転要素)に設けられており、図4には、パーキング機構MPが作動したときのトルクの釣り合い関係が示されている。同図において、TPは、キャリアCに入力されるパーキングトルクであり、RLE及びRREは、パーキングトルクTPの入力に伴って左駆動輪WL及び右駆動輪WRに発生する反力トルクである。
前述したように、共線図におけるキャリアCから左駆動輪WLまでの距離と右駆動輪WRまでの距離が互いに等しいため、左右の反力トルクRLE、RREは互いに等しい。したがって、キャリアCに入力されたパーキングトルクTPが左右の駆動輪WL、WRに均等に分担された状態で、両駆動輪WL、WRのパーキングロックが行われる。これにより、2つのパーキング機構の間で噛合い位相のずれが生じ得る従来の動力装置と異なり、パーキング機構を補強する必要がなくなり、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加を回避できるとともに、停止時における車両の傾きを回避することができる。
また、本実施形態の動力装置A1によれば、第1及び第2モータMG1、MG2の一方がトルクを出力できないような不調状態になったときに、差動制限機構MCが作動し、第1及び第2連結軸15、16の間を接続する。これにより、例えば第1モータMG1が不調状態になったときには、正常な第2モータMG2のトルクが、差動制限機構MCにより接続された第1連結軸15を介して第1サンギヤS1に伝達されることによって、両駆動輪WL、WRの差動が制限されるので、安定した車両の走行を確保することができる。
次に、図5を参照しながら、本発明の第2実施形態による車両の動力装置について説明する。この動力装置A2は、第1実施形態による動力装置A1と比較して、遊星歯車装置の構成が主に異なる。したがって、図5において、第1実施形態と同じ又は同等の構成要素に同じ符号を付するとともに、以下、第1実施形態と異なる点を中心として説明を行うものとする。
同図に示すように、本実施形態の遊星歯車装置PG2は、第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2を一体に形成した複数の2連ピニオンギヤPEXを備えるとともに、第1遊星歯車機構PG21及び第2遊星歯車機構PG22によって構成されている。
第1遊星歯車機構PG21は、ダブルピニオン式のものであり、第1サンギヤS1と、第1サンギヤS1に噛み合う複数のピニオンギヤPINと、ピニオンギヤPINに噛み合う、2連ピニオンギヤPEXの第1ピニオンギヤP1と、ピニオンギヤPIN及び2連ピニオンギヤPEXを支軸13、14をそれぞれ介して回転自在に支持するキャリアCと、第1ピニオンギヤP1に噛み合う第1リングギヤR1を有する。
一方、第2遊星歯車機構PG22は、シングルピニオン式のものであり、第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2に噛み合う2連ピニオンギヤPEXの第2ピニオンギヤP2と、2連ピニオンギヤPEXを回転自在に支持する前記キャリアCと、第2ピニオンギヤP2に噛み合う第2リングギヤR2を有する。
第2リングギヤR2の歯数ZR2と第2ピニオンギヤP2の歯数ZP2との歯数比ZR2/ZP2は、第1リングギヤR1の歯数ZR1と第1ピニオンギヤP1の歯数ZP1との歯数比ZR1/ZP1よりも大きい。
また、第1実施形態と同様、第1サンギヤS1は、第1連結軸15を介して第1モータMG1のロータ11bに連結され、第2サンギヤS2は、第2連結軸16を介して第2モータMG2のロータ12bに連結され、第1リングギヤR1は、左駆動軸SLを介して左駆動輪WLに連結されている。一方、第1実施形態と異なり、キャリアCは、右駆動軸SRを介して右駆動輪WRに連結され、第1リングギヤR1にパーキング機構MPが連結されている。
以上の構成の動力装置A2では、第1遊星歯車機構PG21がダブルピニオン式であること、歯数比ZR2/ZP2が歯数比ZR1/ZP1よりも大きいという関係、及び遊星歯車装置PG2の回転要素が、前述したように第1及び第2モータMG1、MG2、左右の駆動輪WL、WR及びパーキング機構MPに連結されていることから、回転要素の間の回転数の関係は、例えば図6の共線図のように表される。
すなわち、第1サンギヤS1(第1モータMG1のロータ11b)、第1リングギヤR1(左駆動輪WL)、第2リングギヤR2(パーキング機構MPのパーキングギヤ17)、キャリアC(右駆動輪WR)及び第2サンギヤS2(第2モータMG2のロータ12b)は、それらの回転数が共線図において単一の直線上にその順に並ぶ1共線5要素の共線関係を満たすように構成されており、したがって、第1〜第5回転要素にそれぞれ相当する。
また、図6のα2及びβ2はそれぞれ、第1リングギヤR1−キャリアC間を基準(=1)とする第1レバー比および第2レバー比であり、回転要素の歯数Zを用い、次式(3)及び(4)で表される。
α2=(ZR1−ZS1)/ZS1 ・・・(3)
β2=(ZR1・ZP2)/(ZS2・ZP1) ・・・(4)
以上のような1共線5要素の共線関係が成立するとともに、第1サンギヤS1(第1回転要素)及び第2サンギヤS2(第5回転要素)に、第1及び第2モータMG1、MG2がそれぞれ連結され、第1リングギヤR1(第2回転要素)及びキャリアC(第4回転要素)に、左右の駆動輪WL、WRがそれぞれ連結されている。したがって、第1実施形態と同様、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを、遊星歯車装置PG2を介して、左右の駆動輪WL、WRに伝達するとともに、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを互いに異ならせることにより、左右の駆動輪WL、WRにトルク差を生じさせ、トルク配分を行うことができる。
また、パーキング機構MPは、第2リングギヤR2(第3回転要素)に設けられており、図6には、パーキング機構MPが作動したときのトルクの釣り合い関係が示されている。この場合においても、第2リングギヤR2に入力されたパーキングトルクTPが、左右の駆動輪WL、WRに同時に分担された状態で、両駆動輪WL、WRのパーキングロックが良好に行われる。これにより、第1実施形態と同様、パーキング機構を補強する必要がなくなり、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加を回避できるとともに、停止時における車両の傾きを回避することができる。
さらに、第1実施形態と同様、第1及び第2モータMG1、MG2の一方が不調になったときに、差動制限機構MCを作動させ、両駆動輪WL、WRの差動を制限することによって、安定した車両の走行を確保することができる。
次に、図7を参照しながら、本発明の第3実施形態による車両の動力装置について説明する。この動力装置A3は、第1実施形態による動力装置A1と比較して、遊星歯車装置の構成が主に異なる。したがって、図7において、第1実施形態と同じ又は同等の構成要素に同じ符号を付するとともに、以下、第1実施形態と異なる点を中心として説明を行うものとする。
同図に示すように、本実施形態の遊星歯車装置PG3は、第1ピニオンギヤP1、第2ピニオンギヤP2及び第3ピニオンギヤP3を一体に形成した複数の3連ピニオンギヤPEXと、遊星歯車機構PG31を備えている。
この遊星歯車機構PG31は、ダブルピニオン式のものであり、サンギヤSと、サンギヤSに噛み合う複数のピニオンギヤPINと、ピニオンギヤPINに噛み合う、3連ピニオンギヤPEXの第1ピニオンギヤP1と、ピニオンギヤPIN及び3連ピニオンギヤPEXを支軸13、14をそれぞれ介して回転自在に支持するキャリアCと、第1ピニオンギヤP1に噛み合う第1リングギヤR1を有する。また、3連ピニオンギヤPEXの第2ピニオンギヤP2に第2リングギヤR2が噛み合い、第3ピニオンギヤP3に第3リングギヤR3が噛み合っている。
また、第1〜第3ピニオンギヤP1〜P3の歯数ZP1〜ZP3、及び第1〜第3リングギヤR1〜R3の歯数ZR1〜ZR3は、次式(5)及び(6)の関係を満たすように設定されている。
ZR1/ZP1>ZR3/ZP3>ZR2/ZP2 ・・・(5)
ZP3/ZR3=(ZP1/ZR1+ZP2/ZR2)/2 ・・・(6)
また、サンギヤSは、第1連結軸15を介して第1モータMG1のロータ11bに連結され、キャリアCは、第2連結軸16を介して第2モータMG2のロータ12bに連結され、第2リングギヤR2は、左駆動軸SLを介して左駆動輪WLに連結され、第1リングギヤR1は、右駆動軸SRを介して右駆動輪WRに連結され、第3リングギヤR3にパーキング機構MPが設けられている。
以上の構成の動力装置A3では、遊星歯車機構PG31がダブルピニオン式であること、式(5)及び(6)の歯数比の関係が成立していること、及び遊星歯車装置PG3の回転要素が、前述したように第1及び第2モータMG1、MG2、左右の駆動輪WL、WR及びパーキング機構MPに連結されていることから、回転要素の間の回転数の関係は、例えば図8の共線図のように表される。
すなわち、サンギヤS(第1モータMG1のロータ11b)、第2リングギヤR2(左駆動輪WL)、第3リングギヤR3(パーキング機構MPのパーキングギヤ17)、第1リングギヤR1(右駆動輪WR)及びキャリアC(第2モータMG2のロータ12b)は、それらの回転数が共線図において単一の直線上にその順に並ぶ1共線5要素の共線関係を満たすように構成されており、したがって、第1〜第5回転要素にそれぞれ相当する。
また、図8のα3及びβ3はそれぞれ、第2リングギヤR2−第1リングギヤR1間を基準(=1)とする第1レバー比および第2レバー比であり、回転要素の歯数Zを用い、次式(7)及び(8)で表される。
α3=ZR1(ZR2・ZP1−ZS・ZP2)
/ZS(ZR1・ZP2−ZR2・ZP1) ・・・(7)
β3=ZR2・ZP1/(ZR1・ZP2−ZR2・ZP1) ・・・(8)
以上のような1共線5要素の共線関係が成立するとともに、サンギヤS(第1回転要素)及びキャリアC(第5回転要素)に、第1及び第2モータMG1、MG2がそれぞれ連結され、第2リングギヤR2(第2回転要素)及び第1リングギヤR1(第4回転要素)に、左右の駆動輪WL、WRがそれぞれ連結されている。したがって、第1及び第2実施形態と同様、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを、遊星歯車装置PG3を介して、左右の駆動輪WL、WRに伝達するとともに、第1及び第2モータMG1、MG2のトルクを互いに異ならせることにより、左右の駆動輪WL、WRにトルク差を生じさせ、トルク配分を行うことができる。
また、パーキング機構MPは、第3リングギヤR2(第3回転要素)に設けられており、図8には、パーキング機構MPが作動したときのトルクの釣り合い関係が示されている。この場合においても、第3リングギヤR3に入力されたパーキングトルクTPが、左右の駆動輪WL、WRに均等に分担された状態で、両駆動輪WL、WRのパーキングロックが良好に行われる。これにより、第1及び第2実施形態と同様、パーキング機構を補強する必要がなくなり、パーキング機構の大型化及び部品点数の増加を回避できるとともに、停止時における車両の傾きを回避することができる。
さらに、第1及び第2実施形態と同様、第1及び第2モータMG1、MG2の一方が不調になったときに、差動制限機構MCを作動させ、両駆動輪WL、WRの差動を制限することによって、安定した車両の走行を確保することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、遊星歯車装置として、第1実施形態では、第1及び第2ピニオンギヤP1、P2が噛み合うもの、第2実施形態では、ダブルピニオン式の遊星歯車機構と2連ピニオンギヤを組み合わせたもの、第3実施形態では、ダブルピニオン式の遊星歯車機構と3連ピニオンギヤを組み合わせたものを、それぞれ用いている。本発明は、これに限らず、1共線5要素の共線関係を実現できる限り、他の構成の遊星歯車装置を採用することができる。
また、実施形態では、差動制限機構MCは、電磁式又は摩擦式のクラッチで構成されているが、第1及び第2モータMG1、MG2からの動力伝達経路の間の接続/遮断の切り替えが可能である限り、他のタイプのクラッチやクラッチ以外の機構で構成してもよい。
さらに、実施形態では、動力装置の動力源は電動機であるが、動力を出力可能な他の装置、例えば内燃機関や油圧モータなどを用いてもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
A1 動力装置
PG1 遊星歯車装置
S1 第1サンギヤ(第1回転要素)
R2 第2リングギヤ(第2回転要素)
C キャリア(第3回転要素)
R1 第1リングギヤ(第4回転要素)
S2 第2サンギヤ(第5回転要素)
15 第1連結軸(第1動力源から第1回転要素に至る動力伝達経路)
16 第2連結軸(第2動力源から第5回転要素に至る動力伝達経路)
A2 動力装置
PG2 遊星歯車装置
S1 第1サンギヤ(第1回転要素)
R1 第1リングギヤ(第2回転要素)
R2 第2リングギヤ(第3回転要素)
C キャリア(第4回転要素)
S2 第2サンギヤ(第5回転要素)
A3 動力装置
PG3 遊星歯車装置
S サンギヤ(第1回転要素)
R2 第2リングギヤ(第2回転要素)
R3 第3リングギヤ(第3回転要素)
R1 第1リングギヤ(第4回転要素)
C キャリア(第5回転要素)
WL 左駆動輪
WR 右駆動輪
MP パーキング機構
MG1 第1モータ(第1動力源)
MG2 第2モータ(第2動力源)
MC 差動制限機構

Claims (2)

  1. 車両の左右の駆動輪に動力を配分しながら伝達するとともに、前記車両を駐車状態に保持するためのパーキング機構が設けられる車両の動力装置であって、
    第1動力源及び第2動力源と、
    当該第1及び第2動力源と前記左右の駆動輪との間に設けられた遊星歯車装置と、を備え、
    当該遊星歯車装置は、共線図において回転数が単一の直線上に順に並ぶ共線関係を満たすように構成された第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素及び第5回転要素を有し、
    前記第1回転要素は前記第1動力源に連結され、前記第5回転要素は前記第2動力源に連結され、前記第2回転要素は前記左右の駆動輪の一方に連結され、前記第4回転要素は前記左右の駆動輪の他方に連結され、前記第3回転要素に前記パーキング機構が設けられていることを特徴とする車両の動力装置。
  2. 前記第1動力源から前記第1回転要素に至る第1動力伝達経路と前記第2動力源から前記第5回転要素に至る第2動力伝達経路との間を機械的に接続又は遮断可能に構成され、前記第1及び第2動力源の一方が不調のときに、前記第1及び第2動力伝達経路の間を接続することによって、前記左右の駆動輪の差動を制限する差動制限機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両の動力装置。
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