JP2019132343A - 内燃機関のコンロッド - Google Patents
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Abstract
【課題】コンロッドを、強度低下を抑制しつつ軽量化する。【解決手段】コンロッド1は、大端部2と小端部3と中間部4とから成っており、中間部4は、板状部9を有する断面H形になっている。板状部9のうち大端部2に近い部位に、軽量化のための貫通孔13が空いている。貫通孔13の内周面は、半円形状のように、直線部が存在せずに全体として湾曲していると共に、板厚の中間位置15を挟んで対称形状になっている。板状部9に圧縮・引っ張り・曲げの荷重がかかっても、特定部位に応力が集中したり、応力が表面側又は裏面側に偏って生じたりすることはないため、貫通孔13に起因した強度低下を大幅に抑制しつつ、コンロッド1を軽量化できる。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のコンロッドに関するものである。
内燃機関のコンロッドは、クランクピンに連結される大端部とピストンピンに連結される小端部とを備えており、大端部と小端部との間の中間部は、平板の状態になっていたり断面H形になっていたりしている。そして、特許文献1には、中間部を平板形状に形成している場合において、中間部に軽量化のための貫通孔を空けることが開示されている。
さて、コンロッドはピストンとクランク軸とを連結するものであるので、軸方向の圧縮力と引っ張り力とが交互に作用している。また、コンロッドは、クランク軸線方向から見て姿勢が変化するため、曲げ力も作用している。大端部と小端部との間の部分を例えば断面H形に形成しているのは、薄肉化しつつリブ効果によって剛性を高めるためであるが、板状部に貫通孔を空けると、コンロッドに作用した圧縮・引っ張り・曲げの外力により、貫通孔の内周部に応力が生じることになる。
従って、コンロッドの板状部に貫通孔を空けた場合、応力の集中を防止又は抑制することが必要であるが、特許文献1では、貫通孔は単なるストレート孔に形成されているに過ぎず、板状部の広幅面(表裏面)と貫通孔の内周面とは直角に交差しているため、貫通孔の内周縁にエッジが立った状態になっている。このため、エッジ部に応力が集中して破断のきっかけになりやすくなることが懸念される。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、貫通孔を応力集中が生じない形状に形成することにより、強度低下を抑制しつつ軽量化を図ろうとするものである。
本願発明のコンロッドは、
「クランクピンに連結される大端部とピストンピンに連結される小端部、及び、前記大端部と小端部とに繋がった中間部とから成っており、前記中間部は板状部を有しており、前記板状部に貫通孔を空けている」
という構成において、
「前記貫通孔は、前記大端部の中心と小端部の中心とを結ぶ線上に配置されており、かつ、前記貫通孔の内周面の断面形状は、前記貫通孔の中心に向けて凸となるように全体として湾曲していると共に、板厚の中間位置を挟んで対称の形状になっている」
という構成になっている。
「クランクピンに連結される大端部とピストンピンに連結される小端部、及び、前記大端部と小端部とに繋がった中間部とから成っており、前記中間部は板状部を有しており、前記板状部に貫通孔を空けている」
という構成において、
「前記貫通孔は、前記大端部の中心と小端部の中心とを結ぶ線上に配置されており、かつ、前記貫通孔の内周面の断面形状は、前記貫通孔の中心に向けて凸となるように全体として湾曲していると共に、板厚の中間位置を挟んで対称の形状になっている」
という構成になっている。
貫通孔の内周部の断面形状は任意に選択できるが、好適な形状として、板状部の厚さの半分の寸法の曲率半径の円弧形状を選択することができる。また、貫通孔は、板状部のうち大端部に寄せたり小端部に寄せたりと、軸線方向(長手方向)の任意の位置に形成できるが、板状部の幅寸法が小端部から大端部に向けて広がっている場合は、貫通孔は大端部に寄せて形成するのが好ましい。貫通孔を複数形成することも可能である。
本願発明では、貫通孔の内周面は全体が曲面になっているため、内燃機関の運転に伴って圧縮、引っ張り、曲げといった荷重が板状部に作用しても、貫通孔の内周部の特定の部位に応力が集中することを防止できる。また、貫通孔の内周面の断面形状は、板状部の厚さの中間位置を挟んで対称の形状になっているため、応力は、板状部の表面側と裏面側とで均等になり、応力の偏りも生じない。
このように、応力の集中と偏りとを防止しつつ貫通孔を形成できるため、貫通孔を設けたことによる剛性の低下を大幅に抑制できる。その結果、コンロッドを、強度・剛性を過度に低下させることなく軽量化できる。
この場合、貫通孔の内周の断面形状を半円形状に形成すると、内周面の各部位での応力を均等化できるため、特に好適である。また、実施形態のように、板状部の幅寸法が小端部から大端部に向けて広がっている場合に、貫通孔を大端部に寄せて形成すると、貫通孔を空けたことによる板状部の剛性の低下をできるだけ低減できるため、必要な強度を確保しつつ軽量化することに大きく貢献できる。
(1).第1実施形態
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に示す第1実施形態を説明する。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に示す第1実施形態を説明する。
コンロッド1は、クランクピンを抱持(連結)する大端部2と、ピストンピンが挿通(連結)される小端部3と、大端部2と小端部3とを繋ぐ中間部4とから成っている。大端部2は、中間部4に一体に繋がった半割り部5と、半割り部5にボルト6で固定されたキャップ7とで構成されており、内周にはメタル軸受け8を配置している。
中間部4は、クランク軸線と直交した方向に広がる板状部9と、板状部9の左右両端に一体に設けたリブ10とで構成されており、従って、中間部4は断面H型になっている。また、板状部9は、小端部3から大端部2に向けて横幅Wが広がるように形成されている。
そして、板状部9のうち、大端部2の中心と小端部3の中心とを結ぶ中心線11の上で、かつ、板状部9の一端と他端との間の中間位置12よりも大端部2に寄った部位に、真円の貫通孔13を空けている。貫通孔13の内径は、板状部9の幅寸法の半分程度になっている。
そして、貫通孔13の内周面の断面形状(貫通孔13の中心を通る平面で切った断面形状)は、板状部9の板厚tと同じ寸法の曲率半径の半円形状になっている。従って、断面形状は曲線(円弧の線)のみで構成されていて、直線は存在しない。また、内周面と板状部9の広幅面(表裏の面)14とは、境界を名分し難い状態で滑らかに連続している。また、半円の断面であるため、断面形状は、板厚の中間位置15を挟んだ両側において対称になっている。
内燃機関の運転に伴い、コンロッド1の板状部9には、軸方向の圧縮力と引っ張り力とが交互に作用し、また、曲げ力も作用する。このため、板状部9に応力が生じるが、貫通孔13の内周面は半円の断面形状になっているため、応力は、内周面の全体に広く分散することになり、特定部位に応力が集中することはない。
また、貫通孔13が軸方向に長い長穴になっていると、圧縮力によって貫通孔13が膨れ変形し易くなり、逆に、貫通孔13が板状部9の幅方向に長い長穴になっていると、貫通孔13は、圧縮力によっては潰れ変形し易くて引っ張り力によっては膨れ変形しやすくなるが、本実施形態では貫通孔13は真円形状であるため、圧縮や引っ張りによって特定部位に強い応力が生じることはない。
更に、貫通孔13は、板状部9の厚さの中心を挟んで対称の形状になっているため、板状部9が表面の側に曲がり易くなったり、裏面の側に曲がり易くなったりする傾向はなく、曲げに対して高い抵抗が発揮される。これらの相乗作用により、貫通孔13を空けたことによる強度低下を著しく抑制して、必要な強度を保持しつつ軽量化することができる。
(2).他の実施形態
次に、図2に示す実施形態を説明する。図2のうち(A)に示す第2実施形態では、中間部4は断面H型になっているが、板状部9はクランク軸線の方向に広がっており、リブ10は、クランク軸線と直交した方向に広がっている。従って、第1実施形態とは、H型の姿勢が90度相違している。貫通孔13の位置や断面形状は、第1実施形態と同じである。
次に、図2に示す実施形態を説明する。図2のうち(A)に示す第2実施形態では、中間部4は断面H型になっているが、板状部9はクランク軸線の方向に広がっており、リブ10は、クランク軸線と直交した方向に広がっている。従って、第1実施形態とは、H型の姿勢が90度相違している。貫通孔13の位置や断面形状は、第1実施形態と同じである。
図2(B)に示す第3実施形態では、貫通孔13の内周面の断面形状は、貫通孔13の中心に向けて窄まるような湾曲している。従って、断面形状は円弧ではなく、曲がりの程度は各部位において相違している。板厚の中間位置15を挟んで対称形状になっている点は、第1実施形態と同じである。
図2のうち(C)に示す第4実施形態では、貫通孔13の内周面は、板厚tの半分の寸法よりも大きい寸法Rの曲率半径の円弧面になっており、内周面と広幅面14との連接部は、丸みを帯びた状態に面取りしている。従って、貫通孔13の内周面と板状部9の広幅面14とは、滑らかに連続している。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、貫通孔13の数は1つに限らないのであり、中心線11に沿って複数形成してもよい。この場合、小端部3に近いものの内径が小さくなるように、板状部9の幅の変化に対して貫通孔13の内径を異ならせることも可能である。
中間部4は、必ずしもH形である必要はない。中間部4を単なる平板の形態と成して、これに貫通孔13を空けることも可能である。
本願発明は、内燃機関のコンロッドに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 コンロッド
2 大端部
3 小端部
4 中間部
9 板状部
10 補強リブ
11 中心線
12 中間位置
13 貫通孔
14 板状部の広幅面(表裏の面)
15 板厚の中間位置
2 大端部
3 小端部
4 中間部
9 板状部
10 補強リブ
11 中心線
12 中間位置
13 貫通孔
14 板状部の広幅面(表裏の面)
15 板厚の中間位置
Claims (1)
- クランクピンに連結される大端部とピストンピンに連結される小端部、及び、前記大端部と小端部とに繋がった中間部とから成っており、前記中間部は板状部を有しており、前記板状部に貫通孔を空けている構成であって、
前記貫通孔は、前記大端部の中心と小端部の中心とを結ぶ線上に配置されており、かつ、前記貫通孔の内周面の断面形状は、前記貫通孔の中心に向けて凸となるように全体として湾曲していると共に、板厚の中間位置を挟んで対称の形状になっている、
内燃機関のコンロッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014998A JP2019132343A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 内燃機関のコンロッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014998A JP2019132343A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 内燃機関のコンロッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019132343A true JP2019132343A (ja) | 2019-08-08 |
Family
ID=67546762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018014998A Pending JP2019132343A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 内燃機関のコンロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019132343A (ja) |
-
2018
- 2018-01-31 JP JP2018014998A patent/JP2019132343A/ja active Pending
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