JP2019132032A - 半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料、半たわみ性舗装用セメントミルク及び半たわみ性舗装 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料は、セメントと、シリカヒュームと、骨材と、固形混和剤と、を含む。なお、コンクリート舗装用の混和剤には、固形のものと液状のものとがあるが、本実施形態の固形混和剤は、固形の混和剤を意味する。
本実施形態で用いられるセメントは、セメントミルクを硬化させる。セメントの種類としては特に限定されない。セメントとしては、通常、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超速硬セメントが用いられ、好ましくは普通ポルトランドセメントが用いられる。普通ポルトランドセメントは、夏季において作業時間の確保が容易であるため好ましい。
本実施形態で用いられるシリカヒュームは、セメントミルク中の成分の分離を防止するとともに、セメントミルク硬化物の強度を増進させる。シリカヒュームとしては、通常、SiO2の含有量が85質量%以上、粒子径が10μm以下の微粒子が用いられる。シリカヒュームの粒子径は、好ましくは0.5μm以下である。シリカヒュームの粒子径が上記範囲内にあると、セメントミルク中の成分の分離防止効果及びセメントミルク硬化物の強度増進効果が高いため好ましい。
本実施形態で用いられる骨材は、セメントミルク中のセメントやシリカヒュームとともに硬化してセメントミルク硬化物に強度を付与する。骨材としては、粒子径が、通常0.1〜1.2mm、好ましくは0.15〜0.6mmの範囲内にある細骨材が用いられる。ここで、粒子径0.1〜1.2mmとは、骨材が、一辺1.2mmの正方形の目を有するふるいを通過するが、一辺0.1mmの正方形の目を有するふるいを通過しないことを意味する。骨材の粒子径が上記範囲内にあると、セメントミルクの流動性を低下させずにセメントミルク中の骨材の分離を防止することができるため好ましい。
本実施形態で用いられる固形混和剤は、セメントミルクに種々の特性を付与する。固形混和剤としては、例えば、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の減水剤、消泡剤等が用いられる。
本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料によれば、取扱いが容易で、工場でプレミックス可能な、紛体等の固形原料が得られる。本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料によれば、混練り水と混合することにより、養生時間が短くて済む本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルクを容易に製造することができる。
本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルクは、上記本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料と、混練り水と、を含む。
本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルクは、養生時間が短い。このため、本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルクによれば、施工効率を従来の半たわみ性舗装用セメントミルクに比較して向上させることができる。
本実施形態に係る半たわみ性舗装は、内部に空隙を有する開粒度アスファルト混合物と、本実施形態に係る半たわみ性舗装用セメントミルクの硬化物であり、前記開粒度アスファルト混合物の空隙内に含まれるセメントミルク硬化物と、を備える。
本実施形態で用いられる開粒度アスファルト混合物としては、公知の開粒度アスファルト混合物が用いられる。ここで、開粒度アスファルト混合物とは、粗骨材、細骨材、フィラー、アスファルトからなる加熱アスファルト混合物で、合成粒度における2.36mmふるい通過分が15〜30%の範囲にあり、内部に空隙を有するものを意味する。
本実施形態に係る半たわみ性舗装によれば、機械的強度の高い半たわみ性舗装が得られる。
(セメント)
・太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメント
(シリカヒューム)
・エルケム・ジャパン株式会社製シリカヒューム、商品名マイクロシリカ(粒子径0.5μm以下)
(骨材)
・株式会社ニッチツ製秩父硅砂(粒子径0.15〜0.6mm)
(固形混和剤)
・花王株式会社製ポリカルボン酸塩系減水剤、商品名マイティ21P
・株式会社アデカ製消泡剤B−111F
(混練り水)
・水道水
(半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料の調製)
普通ポルトランドセメント、シリカヒューム、硅砂、ポリカルボン酸塩系減水剤、及び消泡剤を表1に示す配合比率(質量部)で混合して、半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料を調製した(試料No.A1)。
各層の容量が200Lの縦型2層のグラウトミキサーを用いて半たわみ性舗装用セメントミルクを調製した。具体的には、グラウトミキサー内に混練り水としての水道水16質量部を投入した後、半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料(試料No.A1)を100質量部を投入した。そして、グラウトミキサーの上層で2.5分間混合し、下層で2.5分間混合することにより、合計5分間混合し、半たわみ性舗装用セメントミルクを調製した(試料No.B1)。半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)の水/セメント比は、16質量部/100質量部より16(%)であった。表1に、水道水と試料No.A1との配合比率、及び水/セメント比を示す。
また、半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)の分離抵抗性を目視観察した。半たわみ性舗装用セメントミルクの分離抵抗性は目視判断で行い、分離なしを○、少し分離がありを△、著しい分離ありを×で評価した。試料No.B1は、○であった。結果を表1に示す。なお、上記○、△及び×の評価基準は、以下の実施例における分離抵抗性の評価においても同様に適用する。
半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)をポーラスアスファルト合材に施工し、ポーラスアスファルト合材中の空隙に浸透させることにより、半たわみ性舗装用セメントミルクの充填性を評価した。はじめに、ポーラスアスファルト合材として、空隙率25%のポーラスアスファルト混合物からなる縦300mm×横300mm×厚さ50mmの板状体を用意した。次に、ポーラスアスファルト合材の縦300mm×横300mmの平面全面から、半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)を浸透させて充填率を測定した。具体的には、はじめに、ポーラスアスファルト合材の縦300mm×横300mmの平面全面に半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)を供給し、ポーラスアスファルト合材中に存在する半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)の容積VPを、ポーラスアスファルト合材中の全空隙容積VTで除することにより、充填率(%)を算出した。
「舗装調査・試験法便覧 C042 半たわみ性舗装用浸透用セメントミルクの曲げ強度試験方法」(公益社団法人 日本道路協会、平成19年6月)に準じてセメントミルク硬化物の曲げ強度を測定した。
上記「半たわみ性舗装用浸透用セメントミルクの曲げ強度試験方法」に準じて、曲げ強度試験機を用意した。具体的には、スパン長100mmで配置された2個の支持用ロールを有する荷台と、1個の荷重ロールとを備え、2点支持中央1点載荷が可能な曲げ強度試験機を用意した。また、2個の支持用ロール、及び荷重ロールは、それぞれ、先端部が断面φ8mmのU字状の曲面を有する支持部及び荷重部を有する部材とした。
上記「半たわみ性舗装用浸透用セメントミルクの曲げ強度試験方法」に準じて曲げ強度供試体を作製した。具体的には、型枠内に半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)を流し込み、縦40mm×横40mm×長さ160mmの四角柱状のセメントミルク硬化物(試料No.C1)を作製した。そして、これを材齢7日のセメントミルク硬化物(試料No.C1)を曲げ強度供試体とした。
上記曲げ強度試験機及び曲げ強度供試体を用い、曲げ強度(σ)(N/mm2)を測定した。曲げ強度(σ)(N/mm2)は、下記式(1)により算出した。
曲げ強度(σ)=3PL/2bh2 ・・・(1)
(P:最大荷重(N)、L:曲げ強度供試体支点間長さ100(mm)、b:曲げ強度供試体の幅40(mm)、h:曲げ強度供試体の厚さ40(mm))
JIS R5201 「セメントの物理試験方法」(1997年)の附属書2「セメントの試験方法−強さの測定」の「9.3 圧縮強さ試験」に準じてセメントミルク硬化物の圧縮強度を測定した。
上記附属書2の「4.2.7 圧縮強さ試験機」に準じて圧縮強度試験機を用意した。具体的には、下記圧縮強度供試体の長手方向の側面を構成する幅40mmの4個の表面のうち対向する2個の表面を幅40mm×長さ40mmの矩形状に押圧可能な、上部圧縮板及び下部圧縮板を備えた圧縮強度試験機を用意した。
上記附属書2の「9.1 一般」に準じて、圧縮強度供試体を用意した。具体的には、上記曲げ強度の測定の際に折られた後の曲げ強度供試体(折片)のうち、型枠側面に面していた縦40mm×横40mmの面を含む部材を圧縮強度供試体として用意した。
上記圧縮強度試験機及び圧縮強度供試体を用い、上記附属書2の「9.3 圧縮強さ試験」に準じ、圧縮強度(Rc)(N/mm2)を測定した。具体的には、上記圧縮強度供試体の長手方向の側面を構成する幅40mmの4個の表面のうち対向する2個の表面を、上部圧縮板及び下部圧縮板で挟み込んで幅40mm×長さ40mmの矩形状に押圧することにより圧縮強度供試体を破壊した。そして、下記式(2)により圧縮強度(Rc)(N/mm2)を算出した。
圧縮強度(Rc)=Fc/A ・・・(2)
(Fc:破壊時の最大荷重(N)、A:圧縮強度試験機の圧縮板が圧縮強度供試体を加圧する面積(=40(mm)×40(mm)=1600(mm2))
(半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料の調製)
普通ポルトランドセメント、シリカヒューム、硅砂、ポリカルボン酸塩系減水剤及び消泡剤の配合比率を表1及び表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料を調製した(試料No.A2〜A23)。
表1及び表2に示す材料及び配合比で、半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料(試料No.A2〜A23)と混練り水としての水道水とを配合した以外は、実施例1の半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)と同様にして、半たわみ性舗装用セメントミルクを調製した(試料No.B2〜B23)。表1及び表2に、水/セメント比を示す。
半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)に代えて、半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B2〜B23)を用いた以外は、実施例1と同様にして、分離抵抗性及び充填性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B1)に代えて、半たわみ性舗装用セメントミルク(試料No.B2〜B23)を用いた以外は、実施例1と同様にして、セメントミルク硬化物を作製し、圧縮強度及び曲げ強度を評価した。結果を表1及び表2に示す。
Claims (10)
- セメントと、
シリカヒュームと、
骨材と、
固形混和剤と、
を含むことを特徴とする半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。 - 前記セメントは、前記半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料100質量部中に30〜70質量部含まれることを特徴とする請求項1に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 前記シリカヒュームは、前記半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料100質量部中に3〜20質量部含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 前記骨材は、粒子径が0.1〜1.2mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 前記骨材は、前記半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料100質量部中に25〜55質量部含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 前記固形混和剤は、減水剤及び消泡剤の1種以上からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 前記減水剤は、前記半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料100質量部中に0.2〜0.4質量部含まれることを特徴とする請求項6に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料と、
混練り水と、
を含むことを特徴とする半たわみ性舗装用セメントミルク。 - 前記混練り水の質量を前記半たわみ性舗装用セメントミルク固形原料の質量で除して得られる水/セメント比が、16〜26%であることを特徴とする請求項8に記載の半たわみ性舗装用セメントミルク。
- 内部に空隙を有する開粒度アスファルト混合物と、
請求項8又は9に記載の半たわみ性舗装用セメントミルクの硬化物であり、前記開粒度アスファルト混合物の空隙内に含まれるセメントミルク硬化物と、
を備えることを特徴とする半たわみ性舗装。
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