JP2019131792A - セルロース系繊維マスターバッチ、セルロース系繊維含有樹脂組成物、及びこれらの製造方法、並びにセルロース系繊維含有樹脂組成物の成形体 - Google Patents

セルロース系繊維マスターバッチ、セルロース系繊維含有樹脂組成物、及びこれらの製造方法、並びにセルロース系繊維含有樹脂組成物の成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】ベース樹脂に対して大量のセルロース系繊維が分散された樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明のセルロース系繊維マスターバッチは、(A)セルロース系繊維と、(B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤及び分散剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物とを含み、(A)セルロース系繊維の表面に、(B)コーティング組成物からなるコーティング結着層を有したマスターバッチペレットをつくる。また、樹脂ペレットは、上記マスターバッチに加え、(C)融点あるいは軟化点が80℃以上250℃以下のベース樹脂を含み、(A)セルロース系繊維と(C)ベース樹脂との合計を100質量部としたときに、(A)セルロース系繊維60質量部〜2質量部と(C)ベース樹脂40質量部〜98質量部とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース系繊維マスターバッチ、セルロース系繊維含有樹脂組成物、及びこれらの製造方法、並びにセルロース系繊維含有樹脂組成物の成形体に関する。
近年、環境保護及び循環型社会形成の観点から、木材や草類等の有機性資源(バイオマス材料)を再利用することが世界的に提唱されている。バイオマス材料を活用することによって、化石燃料の多用がもたらす環境問題を克服しつつ、新たな産業振興と経済成長を実現し得る。これを「バイオエコノミー」と呼び、世界各国が振興策を打ち出している。
生物を利用したものづくりの分野において、近年、セルロース繊維のほか、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、リグノセルロースナノファイバー(RCNF)、あるいはリグノセルロースナノクリスタル(RCNF)等といったセルロースナノ繊維が注目されている。セルロース繊維は、セルロースを原料にした繊維の総称であり、セルロースナノ繊維は、木材の繊維の太さをナノメートルサイズにまで微細化したバイオマス素材である。
中でも、セルロースナノ繊維の重さは、鋼鉄の5分の1程度と軽量ながら、セルロースナノ繊維は、鋼鉄の5倍程度の強度を有することや、セルロースナノ繊維の熱による変形が石英ガラス並みに少ない等、セルロースナノ繊維は、数々の特徴を有するといわれる。セルロースナノ繊維を、樹木を原料に低コストで量産できる体制が整えば、ガラス繊維をはじめとした無機充填剤の代わりにベース樹脂に配合することで、自動車等の輸送機器分野、OA・電気電子分野、建築材料等といった様々な分野で広く利用されることが期待され、産業・民生分野で軽量・高強度材料として広く寄与できる。
これらセルロース系繊維をベース樹脂に配合して利用する以上、脱化石燃料化を完全に実現できるわけではない。しかしながら、例えば、セルロースナノ繊維をベース樹脂に配合した樹脂成形体を提供し、自動車等の輸送機器の軽量化等が進むことで、輸送機器を動かすために必要なエネルギーを減らすことができ、結果として、化石燃料の使用量を抑えることができると想定されている。
ヨーロッパで着々と進められている、CO排出ゼロを目指して、食糧、エネルギー、生活関連材料、工業材料等全てをバイオ循環型社会に変革しようという、次世代の「バイオエコノミー」社会に貢献するため、セルロース系繊維をベース樹脂に配合した樹脂組成物の提供が求められている。
このような樹脂組成物として、(A)平均太さ10〜200nmであり、多糖を高圧水流にて解繊してなるセルロースナノ繊維1〜60質量部及び(B)ポリオレフィン樹脂99〜40質量部からなる樹脂混合物100質量部に対し、(C)テルペンフェノール系化合物を0.2〜30質量部含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。この樹脂組成物によると、バイオマス材料の利用により環境特性に優れ、かつ、衝撃強度の低下が少なく、低比重にして高剛性で成形外観に優れた樹脂組成物を提供し得る。
また、側鎖結晶性ポリマーを使用して高含量75〜99.9質量%の樹脂用添加剤を含む添加剤マスターバッチの製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2016−079311号公報 特許6108782公報
しかしながら、特許文献1では、セルロースナノ繊維1〜60質量部と、ポリオレフィン樹脂99〜40質量部との範囲で含有し得ると規定されているものの(請求項1)、実施例に記載されているのは、セルロースナノ繊維2.5質量部とポリプロピレン95質量部とを混合した例(実施例1)と、セルロースナノ繊維5質量部とポリプロピレン90質量部とを混合した例(実施例2)と、セルロースナノ繊維10質量部とポリプロピレン85質量部とを混合した例(実施例3〜6)にとどまる。したがって、特許文献1において、セルロースナノ繊維を、10質量部を超えて含有可能であることが開示されているとはいえない。
また、特許文献2においては、セルロースナノ繊維のように微細で新規な天然由来の高強度材料への適用については、全く想定されず、確認されていなかった。
そして、実際、これまでの技術では、ベース樹脂に大量のセルロース系繊維を配合することは、容易でないことが知られており、実際の製造ベースでも、セルロース系繊維を配合する割合は、ベース樹脂に対して多くても数質量部程度である。そこで、ベース樹脂に対して大量のセルロース系繊維を簡便に配合可能な技術を提供することが求められている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ベース樹脂に対して比較的大量のセルロース系繊維が分散された樹脂ペレットを簡便で安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、セルロース系繊維の表面を特定のコーティング結着組成物で被覆結着したマスターバッチを準備することで、当該マスターバッチをベース樹脂に高含量に配合できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明では、以下のようなものを提供する。
第1の特徴に係る発明は、(A)セルロース系繊維と、(B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物とを含み、前記(A)セルロースナノ繊維の表面に、前記(B)コーティング組成物からなるコーティング結着層を有する、セルロース系繊維マスターバッチを提供する。
セルロース系繊維それ自体では、それほど多くのセルロース系繊維をベース樹脂に配合できないものの、上記マスターバッチであれば、ベース樹脂に大量に配合できる。これにより、セルロース系繊維が分散された樹脂ペレットを製造する際、成形体に求められる機能に応じて、ベース樹脂に対するセルロース系繊維の配合量を少量から大量まで自由に選択することが可能となる。例えば、樹脂ペレットを製造する際、ベース樹脂に対するセルロース系繊維の配合量を、成形体の比重、引張強度、曲げ強度、熱変形率、熱収縮率、シャルピー耐衝撃強度等の物性値の目標値に合わせて、柔軟に調整することが可能となる。
また、ベース樹脂の種類も変更でき、多種多様のセルロース系繊維含有樹脂の複合化も可能となる。ベース樹脂は、セルロース系繊維が無変性の場合は、融点あるいは軟化点が80℃以上250℃以下の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、ゴムであれば硬化前や架橋前のモノマー、オリゴマーあるいはポリマーとの複合化も可能である。
第2の特徴に係る発明は、(A)セルロース系繊維と、(B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物と、(C)融点あるいは軟化点が80℃以上250℃以下のベース樹脂とを含み、前記(A)セルロース系繊維の表面に、前記(B)コーティング組成物からなるコーティング層を有し、前記コーティング層を有する前記(A)セルロース系繊維が、前記(C)ベース樹脂に分散されてなり、前記(A)セルロース系繊維と前記(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたときに、前記(A)セルロース系繊維60質量部〜2質量部と前記(C)ベース樹脂40質量部〜98質量部を含む、セルロース系繊維含有樹脂組成物を提供する。
セルロース系繊維の表面にコーティング組成物からなるコーティング層を有しない場合、セルロース系繊維とベース樹脂との合計量に対し、10質量部以上のセルロース系繊維を配合することは難しい。第2の特徴に係る発明によれば、セルロース系繊維とベース樹脂との合計量に対し、10質量部以上のセルロース系繊維を配合することができ、結果として、ベース樹脂に対するセルロース系繊維の配合量の自由度を高めることができる。第2の特徴に係る発明にて得られる樹脂組成物は、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機、インフレーション成形機、シート成形機、加熱プレス成形機、圧空(真空・加圧)成形機等、従来知られた成形機を用いて、これまで広く利用されている樹脂を成形するのと同様に成形することが可能である。
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明におけるセルロース系繊維含有樹脂組成物を単独で、あるいは他のベース樹脂と組み合わせて成形してなる成形体を提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、成形体に大量のセルロース系繊維を含めることが可能であり、成形体の成分であるベース樹脂とセルロース系繊維との割合を調整することで、これまでにはない高強度かつ軽量な成形体を簡便に提供でき得る。
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明とのカテゴリー違いに相当し、第5の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明とのカテゴリー違いに相当する。第4及び第5の特徴に係る発明によると、セルロース系繊維含有樹脂ペレットを製造する際、成形体に求められる機能に応じて、ベース樹脂に対するセルロース系繊維の配合量を少量から大量まで自由に選択することが可能な系を、簡便に提供することができる。
本発明によると、ベース樹脂に対して大量のセルロース系繊維が分散された樹脂組成物を提供することができる。この樹脂組成物は、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機、インフレーション成形機、シート成形機、加熱プレス成形機、圧空(真空・加圧)成形機等、従来知られた成形機を用いて、これまで広く利用されている樹脂を成形するのと同様に成形することが可能である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<セルロース系繊維マスターバッチ>
本実施形態におけるセルロース系繊維マスターバッチ(以下、単に「マスターバッチ」ともいう。)は、(A)セルロース系繊維と、(B)特定のコーティング組成物とを含み、(A)セルロース系繊維の表面に、前記(B)コーティング組成物からなるコーティング結着層を有する。
〔(A)セルロース系繊維〕
本実施形態において、(A)セルロース系繊維とは、樹木等から得られる植物系セルロース物質及び/又は植物系セルロース物質(綿、木材パルプ等)に化学処理を施して溶解させて得られる長い繊維状の再生セルロース系物質から構成された繊維をいい、この繊維にリグニンやヘミセルロース等の成分が含まれていても構わない。木材や草類等の有機性資源(バイオマス材料)を再利用する「バイオエコノミー」の観点から、セルロース系繊維は、天然セルロース系繊維であることが好ましい。
セルロース系繊維の例として、木材繊維、竹繊維、サトウキビ繊維、麻繊維、種子毛繊維、葉繊維等の天然の植物を含む多糖由来のセルロース繊維等が挙げられる。これらセルロース系繊維は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、多糖原料としてはα−セルロース含有率が一定の範囲内にあるパルプを用いるのが好ましい。繊維径及び繊維長さを調整し易く、繊維どうしの絡み合いを抑えられること、ベース樹脂に溶融したとき等の熱安定性が高く、高い衝撃強度を有する成形体を提供できること、着色抑制効果が良好であること等から、α−セルロース含有率の下限は、60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましい。
セルロース系繊維は、その平均太さによって、セルロース繊維と、セルロースナノ繊維とに分けることもできる。本実施形態において、セルロース系繊維は、セルロース繊維と、セルロースナノ繊維との両方を含む。
また、セルロースナノ繊維は、セルロースナノファイバー(CNF)であってもよいし、セルロースナノクリスタル(CNC)であってもよいし、リグニン成分を含有したリグノセルロースファイバー(RCNF)あるいはリグノセルロースクリスタル(RCNC)であってもよい。そして、セルロースナノ繊維は、CNF、CNC、RCNFあるいはRCNCのいずれか1種以上を変性した繊維であってもよい。また、セルロースナノ繊維は、複数種類のセルロースナノ繊維の組合せであってもよい。CNFを変性したセルロースナノ繊維として、CNFをアセチル化した繊維、CNFをベンゾイル化した繊維がよく知られている。その他、CNFを無水マレイン酸やアルケニルコハク酸、TEMPO(2,2,6,6―テトラメチルピペリジン 1―オキシル)等により酸変性された繊維、CNFをアルカリ変性した繊維、CNFをオクタノイル化した繊維、CNFをエステル化した繊維等も知られている。
セルロース系繊維の平均太さは、特に限定されない。透明性が必要な場合は数nm程度が必要とされるが、高強度が必要な場合は、ベース樹脂に対してより大量のセルロース系繊維を分散できるようにするため、セルロース系繊維の平均太さの下限は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることがさらに好ましい。
また、流動性やベース樹脂への分散性に優れることから、セルロース系繊維の平均太さの上限は、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。加えて、ベース樹脂に配合した際に、低比重で高剛性な樹脂ペレットを提供できることから、セルロース系繊維の平均太さの上限は、1μm以下であることがさらに好ましく、500nm以下であることがよりさらに好ましく、200nm以下であることが特に好ましく、100nm以下であることが最も好ましい。
本発明において、セルロース系繊維の平均太さは、走査電子顕微鏡によって測定した値であるものとする。
(A)セルロース系繊維の配合量は、特に限定されないが、より多くのセルロース系繊維を分散した樹脂ペレットを提供できるようにするため、配合量の下限は、一次マスターバッチに対して70質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることがさらに好ましい。
〔(B)コーティング組成物(一次マスターバッチ用)〕
(B)コーティング組成物は、融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
[シャープメルト結晶性樹脂材料]
本実施形態において、シャープメルト結晶性樹脂材料とは、質量平均分子量(Mw)が8,000以上であり、示差熱走査型熱量計(DSC)用いて測定された融解吸熱ピークの半値幅(Wm)が10℃以下である樹脂材料をいう。なお、質量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)である。
シャープメルト結晶性樹脂材料の質量平均分子量(Mw)は、8,000以上であり、好ましくは10,000以上である。質量平均分子量(Mw)が過小であると、最終的な樹脂組成物での使用温度でブリードアウトする恐れがあるため、好ましくない。
示差熱走査型熱量計(DSC)を用いて測定したときのシャープメルト結晶性樹脂材料の融解吸熱ピークの半値幅(Wm)は、10℃以下であり、好ましくは8℃以下である。当該半減値(Wm)が過大であると、低分子量成分が含まれるため、好ましくない。
シャープメルト結晶性樹脂材料の融点(Tm)の下限は、40℃以上である。下限は、40℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることがさらに好ましい。融点が低すぎると、最終的な組成物の使用限界温度に影響する。シャープメルト結晶性樹脂材料は、常温で硬く、べた付きが抑制されたマスターバッチを得ることができる。
シャープメルト結晶性樹脂材料の融点(Tm)の上限は、155℃以下である。上限は、120℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。融点が高すぎると、混合時の分散操作性に影響する。融点(Tm)が100℃以下の場合、シャープメルト結晶性樹脂材料は、各種造粒機内で加熱、あるいは発生する水蒸気の熱で溶融し、バインダーとしての特性を比較的容易に発揮することができる。
従来の低融点材料であるパラフィン等は、高温での安定性が低いため、得られたマスターバッチを熱可塑性樹脂等に配合し成形する際の高温下で劣化による着色や発煙、発火の可能性がある。また、これら従来の低融点材料はべた付きやすく、ブリードの可能性もあり、さらには物性低下の恐れがある。
本実施形態において、融点(Tm)は、以下のようにして測定するものとする。示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−30℃で5分間保持した後、190℃まで、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される最大ピークのピークトップとして定義される融点(TmD)を有し、さらに、190℃で5分保持した後、−30℃まで、5℃/分で降温させ、−30℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測されるピークトップを融点(Tm)として定義する。この融点(Tm)を測定する2回目の昇温過程にて、複数のピーク(ショルダーピークを含む)が観測されることがあるが、シャープメルト結晶性樹脂材料としては、1つのピークが観測されることが好ましい。ピークが1つであることは、他のピークやショルダーと見られる吸収が無いことを意味する。
シャープメルト結晶性樹脂材料の中でも、側鎖結晶性ポリマーが好ましい。側鎖結晶性ポリマーは、くし型ポリマーとも呼ばれるものであり、有機構造体からなる骨格(主鎖)に対し、脂肪族及び/又は芳香族からなる側鎖を有するポリマーであって、側鎖は結晶構造に入り得る構造であることを特徴としているものである。側鎖結晶性ポリマーは、各種のベース樹脂に一定の温度以上で極めてよく細かく溶融あるいは分散することが分かっており、高温化下でのブリードを抑えられるため、最終的な組成物の実用使用の上限温度をを上げることができる。さらに融点を超えた高温時の溶融粘度が低く、ベース樹脂との混錬が容易になることも特長である。
側鎖結晶性ポリマーは、常温(0℃〜35℃)で粉末であることが好ましい。側鎖結晶性ポリマーは、常温で硬く、粉砕により容易に粉末にすることができる。粉末の粒径は、特に限定されないが、粗大粒子が含有されないことが好ましく、粉末中に含まれる最大粒径は、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましい。なお、当該最大粒系は、粉末が振動ふるいを通過する目の大きさより算出される値とする。
側鎖結晶性ポリマーとしては、α−オレフィン系ポリマー、アルキルアクリレート系ポリマー、アルキルメタクリレート系ポリマー、アルキルエチレンオキシド系ポリマー、ポリシロキサン系ポリマー及びアクリルアミド系ポリマー等の側鎖結晶性ポリマーが挙げられる。この中でも、特に原料が安価で入手しやすいα−オレフィンを重合したα−オレフィン系ポリマー、特に高級α−オレフィン系重合体が好ましい。アルキルアクリレート系ポリマーやアルキルメタクリレートポリマーは、加水分解を起こしやすく、熱により経時劣化するため保管安定性が低い。側鎖結晶性ポリマーは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
側鎖結晶性ポリマーの中でも、(1)炭素数10以上の高級αオレフィン、又は(2)炭素数10以上の高級αオレフィンと他のオレフィン一種以上とを重合して得られ、高級α−オレフィン単位含有量が50モル%以上である高級α−オレフィン系重合体であることが好ましい。このような高級α−オレフィン系重合体は、構造的に安定であり、加水分解等の環境による劣化や分解が発生しにくく、また高温でも極めて安定である。
側鎖結晶性ポリマーが炭素数10以上の高級α−オレフィンを含むものであると、側鎖結晶性ポリマーの側鎖結晶性が高くなるため、融解と結晶化における結晶性の変化が大きくなり、高い造粒性を有する添加剤マスターバッチを得ることができる。上記高級α−オレフィンの炭素数は、より好ましくは12以上、さらに好ましくは12以上50以下、特に好ましくは14以上30以下である。
また、高級α−オレフィン単位の含有量が50モル%以上であると、側鎖結晶性ポリマーの側鎖結晶性が高くなるため、融解と結晶化における結晶性の変化が大きくなり、高い造粒性を有する添加剤マスターバッチを得ることができる。上記高級α−オレフィン単位の含有量は、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
[滑剤]
滑剤としては、無機系滑剤や有機系滑剤が用いられる。無機系滑剤のものとしては、タルク、シリカ、ゼオライト、雲母等があり、有機系滑剤としては、脂肪酸アミド、シリコン系化合物が挙げられる。脂肪酸アミドとしては、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘニン酸アミド、パルミトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エイコセン酸アミド、エルシン酸アミド、エライジン酸アミド、トランス−11−エイコセン酸アミド、トランス−13−ドコセン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、リシノール酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸鉛、オレイン酸ソーダ、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸等がある。
[分散剤]
分散剤としては、一般に乳化剤として用いられる種々のものを用いることができる。乳化剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の一般的な分散・乳化剤や、分子中にエチレン性不飽和基等を持つ反応性乳化剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
[相溶化剤]
熱可塑性性樹脂とセルロース成分やリグニン成分の相溶に関しては、特に無水マレイン酸変性ポリマーが相溶化剤として有効であることがよく知られている。
(B)コーティング組成物の配合量は、特に限定されないが、(A)セルロース系繊維の表面に(B)コーティング組成物で被覆できるようにするため、配合量の下限は、マスターバッチに対して0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましく、5質量部以上であることがよりさらに好ましい。(B)コーティング組成物の配合量が0.1質量部あるいはそれに近い少量である場合には、エマルジョンタイプの材料を使用することで、(A)セルロース系繊維の表面にコーティングすることができる。なお、本実施形態において、(B)コーティング組成物の配合量は、固形分で算出したときの値であるものとする。
また、(A)セルロース系繊維の表面に(B)コーティング組成物で被覆結着できるようにするため、コーティング組成物の配合量の上限は、マスターバッチに対して50質量部以下であることが好ましい。そして、(B)コーティング組成物の配合量が多いことで、最終的な組成物の物性を低下させるのを防ぐため、(B)コーティング組成物の配合量の上限は、マスターバッチに対して30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
〔その他の材料〕
一次マスターバッチは、(A)セルロース系繊維と、(B)コーティング組成物との他に、添加剤等を含んでいてもよい。(A)セルロース繊維系材料の酸化を防止できることから、添加剤として滑剤、酸化防止剤や、そのほか紫外線防止剤、老化防止剤や、ベース樹脂との相溶化材等を(B)コーティング組成物と併用することができる。
〔一次マスターバッチの製造方法〕
マスターバッチは、(A)セルロース系繊維と、(B)コーティング組成物と、必要に応じて添加剤と、必要に応じて水、温水あるいは熱水を添加混合し、加熱式混合撹拌機、加熱式ニーダー、押出機、押出式ペレタイザー、ディスクベレッタ等を用いて混合することによって得られる。得られたペレット状又は粉末状の混合物は、そのままベース樹脂混合用のコンパウンドとしてもよいが、さらに押出機、ペレタイザーで溶融混練してペレット化してもよい。
混合温度は、結着のため(B)コーティング組成物の融点以上であればよいが、融点よりも10℃程度高い温度であるのが好ましい。
マスターバッチを製造する際、必要に応じて系内に、水、温水あるいは熱水を加えることが望ましい。水、温水あるいは熱水を加えておくことで、成分を混合する際にまとまりやすくなるだけでなく、混合機内で加熱された水蒸気熱により、ペレット化が容易になる。
<セルロースナノ繊維含有樹脂組成物>
本実施形態におけるセルロースナノ繊維含有樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、「マスターバッチ」の項で説明した各種成分に加え、(C)特定のベース樹脂を含む。そして、コーティング層を有する(A)セルロース系繊維は、(C)ベース樹脂に分散される。その際、比較的少量の(B)コーティング組成物は、添加剤のように、(C)ベース樹脂に溶融分散あるいは拡散分散されてしまう。
〔(C)ベース樹脂〕
ベース樹脂の融点あるいは軟化点の下限は、80℃以上である。下限は、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。融点が低すぎると、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機、インフレーション成形機、シート成形機、加熱プレス成形機、圧空成形機等、従来知られた成形機では、これまで広く利用されている樹脂を成形するのと同様の手法にて成形できない可能性がある。
(A)セルロース系繊維は、無変性の場合は通常200℃以上で熱分解して炭化や臭いが発生する。熱分解によって茶色又は黒色になるが、成形体(製品)の着色や臭いを防ぐため、熱可塑性樹脂の場合、ベース樹脂の融点あるいは軟化点の上限は、短時間の製造あるいは変性したCNFを使用する場合に限れば250℃以上でも可能であるが、通常の製造では250℃以下が好ましく、200℃以下であることがより好ましく、190℃以下であることがさらに好ましい。
(C)ベース樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいはゴムのいずれを使用してもよい。熱硬化性樹脂の場合は、硬化前のモノマーやオリゴマーに練りこむことができる。ゴムの場合は、未架橋ポリマーに練り込むことができる。
熱可塑性樹脂として、非結晶性プラスチック、結晶性プラスチックのいずれを使用してもよい。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ乳酸、熱可塑性エラストマー等、あるいはこれらの共重合体を含めて多くのものが使用できる。熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性エラストマー等、あるいはこれらの共重合体、が挙げられる。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)のいずれでもよく、ポリプロピレンには、メタロセン系ポリプロピレンが含まれる。ポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートが含まれる。熱可塑性エラストマーには、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー等が挙げられる。ブレンドポリマーを使用してもよい。ゴム類としては、天然ゴムや、合成ゴムとしてはイソプレン、ブタジエン、スチレンブタジエン、クロロプレン、ニトリル、ポリイソブチレン、エチレンプロピレン、クロロスルホン化PE、アクリル、フッ素、ウレタン、シリコーンゴム等が混合物を含めて挙げられる。これらは、石油由来樹脂以外にも植物等のバイオ由来樹脂も使用でき、その場合、さらにバイオ化率を向上できる。
(C)ベース樹脂のMFR(メルトフローレート)は、特に限定されない。混合分散性からみて、MFRの下限は、0.5以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。
また、混合作業性からみてMFRの上限は特に定められないが、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、50以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、(C)ベース樹脂のMFRは、JIS K 7210に準拠して測定されるものとする。ただし、MFRの測定温度は、練り込み時の温度条件により異なる。
(A)セルロース系繊維と(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたとき、樹脂ペレットは、(A)セルロースナノ繊維60質量部〜2質量部と、(C)ベース樹脂40質量部〜98質量部とを含む。
(A)セルロース系繊維の割合が高くなるほど、ベース樹脂に対して、より大量のセルロースナノ繊維が分散された樹脂ペレットを提供することが可能となる。それに対し、(A)セルロース系繊維の割合が高くなり過ぎると、商業的にコストアップするだけでなく、樹脂ペレットを成形するときの成形性や、樹脂ペレットから成形体を得たときの成形体としての性能(引張強度等)に影響する可能性がある。
(A)セルロース系繊維と(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたとき、(A)セルロース系繊維の質量は、2質量部以上であり、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。言い換えると、(C)ベース樹脂の質量は、98質量部以下であり、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、80質量部以下であることがさらに好ましい。
また、成形性を上げるためには、(A)セルロース系繊維と(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたとき、(A)セルロース系繊維の質量は、60質量部以下であり、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。言い換えると、(C)ベース樹脂の質量は、40質量部以上であり、50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましい。
〔その他の材料〕
樹脂ペレットは、「(B)コーティング組成物(一次マスターバッチ用)」の項で説明した各種成分及び(C)特定のベース樹脂に加え、添加剤等を含んでいてもよい。
添加剤の種類は、特に限定されない。例えば、架橋剤、着色剤、発泡剤、相溶化材、メルトアップ剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱剤、耐候剤、酸化防止剤、核剤、無水マレイン酸、接着剤(CMC(カルボキシメチルセルロース樹脂)、ポリビニルアルコール等)、光安定剤、造核剤、重金属不活性化剤、PVA、過酸化物、還元剤、界面活性剤、乳化剤、脱水剤等が挙げられる。
[架橋剤]
架橋剤は、有機過酸化物が代表的であるが、比較的低い温度で熱的に分解し、あるいは、還元性物質と反応して、容易に遊離ラジカル(遊離基)を生成する。この生成した遊離ラジカルの性質は、不飽和二重結合への付加反応及び水素等の引き抜き反応を挙げることができる。ゴムの場合は硫黄が代表的である。
[着色剤]
また、(C)ベース樹脂に加え、各色顔料(酸化チタン等)の着色剤を用いることで、ベース樹脂を配合して得られる樹脂ペレットの色を着色にすることができ、樹脂ペレットを成形した後の成形体を着色できる。
着色剤が酸化チタンである場合、樹脂ペレットを白色に近づけるため、酸化チタンの配合量の下限は、樹脂ペレットの総質量に対して0.001質量部以上であるのが好ましく、0.05質量部以上であるのがより好ましく、0.1質量部以上であるのがさらに好ましく、0.3質量部以上であるのがよりさらに好ましく、0.5質量部以上であるのが特に好ましく、1質量部以下であるのが最も好ましい。
また、着色剤を無駄に使用するのを防ぐため、着色剤の配合量の上限は、樹脂ペレットの総質量に対して8質量部以下であるのが好ましく、6質量部以下であるのがより好ましく、5質量部以下であるのがさらに好ましく、4質量部以下であるのがよりさらに好ましく、3質量部以下であるのが特に好ましく、2質量部以下であるのが最も好ましい。
[発泡剤]
発泡剤は、有機系の熱分解型発泡剤としてアゾジカーボンアミド、N,N’ジニトロペンタメチレンテトラミン等や、無機系の熱分解型発泡剤として炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せ等がある。また、添加剤として発泡剤を使用することのほか、物理発泡としては、高圧下で樹脂に超臨界流体を溶解させ、圧力低下あるいは加熱によって気泡を生じさせる発泡方法がある。
〔樹脂ペレットの製造方法〕
樹脂ペレットは、上述したマスターバッチと、(C)ベース樹脂と、必要に応じて添加剤とを混合して、加熱式ハイスピードミキサー、加熱式ニーダー、二軸混練機、多軸ロール等の一般的な混練装置に投入し、せん断をかけて溶融混練することによって得られる。
溶融混練温度は、(C)ベース樹脂の融点あるいは軟化点以上であればよいが、融点あるいは軟化点よりも20℃以上高い温度であるのが好ましい。
ペレット化の方法としては、例えば、一軸押出機または二軸押出機を用い、シリンダー温度、ダイス温度を融点あるいは軟化点以上とし、ベント孔からマスターバッチに含まれる残留水分を排除しつつ、ペレット化する方法が採用される。こうして、本実施形態に記載の樹脂ペレットが得られる。
マスターバッチを製造する際に配合された水は、(A)セルロース系繊維の表面に(B)コーティング組成物をコーティング結着する工程、マスターバッチと(C)ベース樹脂とを混練する工程、混練後のペレット化の工程等を通じて徐々に蒸発される。また、(C)ベース樹脂とのペレット化工程の前あるいは後に、種々の乾燥機器を用いて乾燥を行うこともできる。そのため、マスターバッチを製造する際に水を使用しても、特段の問題は生じない。
<成形体>
こうして得られた複合樹脂ペレットは単独で、あるいは他のベース樹脂と組み合わせて、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機、インフレーション成形機、シート成形機、加熱プレス成形機、圧空(真空・加圧)成形機等、従来知られた成形機を用いて、成形体が製造できる。
「他のベース樹脂」は、上述した樹脂ペレットで用いた(C)ベース樹脂と同じものであってもよいし、異なってもよい。
成形体を製造する際、添加剤として、着色剤、相溶化剤、メルトアップ剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱剤、耐候剤、酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。また、(A)セルロース繊維系材料の比率を下げ、(C)ベース樹脂の比率を上げて、成形体を製造してもよい。
着色剤を使用する際、他のベース樹脂とともに着色剤を配合してもよいし、他のベース樹脂に着色剤を分散させてもよい。これにより、着色剤未配合の状態での成形体が淡色であっても、濃色であっても、赤、青、茶、黄、オレンジ、紫、緑、黄緑、紺、水色、ピンク等、好みの色に着色された成形体を得ることができる。
着色剤としては、二酸化チタン等の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック等の黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルー等の青色顔料;フタロシアニングリーン等の緑色顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、リン化鉄、亜鉛粉等のメタリック顔料;金属酸化物コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄等の真珠光沢調顔料;バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト等の体質顔料、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾ−ルアゾ染料等のアゾ染料;アントラキノン誘導体、アントロン誘導体等のアントラキノ染料;インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジゴイド染料;フタロシアニン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料等のカルボニウム染料;アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料等のキノンイミン染料;ポリメチン(またはシアニン)染料、アジメチン染料等のメチン染料;キノリン染料;ニトロ染料;ニトロン染料;ベンゾキノン及びナフチキノン染料;ナフタルイミド染料;ペリノン染料等を挙げることができ、これらの着色剤を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。着色剤は、顔料及び染料を含み得る。
樹脂ペレットから成形体を製造する際に配合される着色剤の配合量の下限は、成形体を基準として0.05質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.6質量部以上であることがさらに好ましく、1質量部以上であることがよりさらに好ましい。
樹脂ペレットから成形体を製造する際に配合される着色剤の配合量の上限は、成形体を基準として6質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましく、2質量部以下であることがよりさらに好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
1.試験例1:セルロースナノ繊維(CNF)のポリプロピレン樹脂への分散
<試料の調製>
〔実施例1〕セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%の樹脂ペレット
[一次マスターバッチの製造]
セルロースナノ繊維(製品名:セルフィム粉体,平均太さ:30〜200nm,モリマシナリー株式会社製)83質量部と、HSクリスタ(製品名:高級αオレフィン重合体7100−P,豊国製油株式会社製)13質量部と、滑剤(製品名:カルシウムステアレートGP,日油株式会社製)4質量部とを混合して約100℃に加温し、混合物を得た。この混合物100質量部に対し15質量部の湯を加えて混合し、加圧式押出造粒機(機種名:マルチグラン,ダルトン株式会社製)を用いて、セルロースナノ繊維をシャープメルト結晶性樹脂でコーティング結着させて押出し、「CNF一次マスターバッチペレット」を得た。
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%の樹脂ペレットの製造]
上記CNF一次マスターバッチペレットを真空乾燥器で乾燥した後、CNFマスターバッチペレット36.1質量部と、ポリプロピレン61質量部(製品名:J3021GR,プライムポリマー株式会社製)と、無水マレイン酸変性ポリプロピレン2.9質量部(製品名:カヤブリッド002PP−NW,化薬アクゾ株式会社製)とを、180℃に設定した小型ラボプラストミル二軸押出機(株式会社東洋精機製作所製)にて混練した。混錬を4回繰り返して、実施例1の樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:30質量%)を得た。
〔実施例2〕
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:10質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例1の[一次マスターバッチの製造]によって得られたCNF一次マスターバッチペレット12質量部と、上記ポリプロピレン87質量部と、上記無水マレイン酸変性ポリプロピレン1質量部とを、実施例1と同様の手法にて混練し、実施例2の樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:10質量%)を得た。
〔実施例3〕[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:20質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例1で得られた樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:30質量%)と、実施例2で得られた樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:10質量%)とを、質量比1:1で混合して混練し、コンパウンド(実施例3の樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:20質量%)を得た。
〔実施例4〕[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:50質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例1の[一次マスターバッチの製造]によって得られたCNF一次マスターバッチペレット60.2質量部と、上記ポリプロピレン35質量部と、上記無水マレイン酸変性ポリプロピレン4.8質量部とを、実施例1と同様の手法にて混練し、実施例4の樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:50質量%)を得た。
〔比較例〕ポリプロピレン樹脂ペレット
市販のポリプロピレン樹脂ペレット(製品名:J3021GR,プライムポリマー株式会社製)を比較例とした。
<評価>
〔混合性の評価〕
実施例1の樹脂ペレット(セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%)10質量部と、上記ポリプロピレン90質量部とを、実施例1の[プレミックス品の製造]で用いた二軸押出機で混練したところ、セルロースナノ繊維(CNF)含有率が3質量%である良好な混合品が得られた。これにより、実施例1の樹脂ペレットが、二次マスターバッチコンパウンドとして良好に希釈して使用できることが確認された。
〔分散性の評価〕
実施例1〜4のセルロース系繊維含有樹脂ペレットを、180℃にて加熱プレス成形機でフィルムを成形した。その結果、いずれの樹脂ペレットも好適に成形でき、分散性に優れることを目視で確認した。
〔引張試験・曲げ試験〕
実施例1〜3によって得られたセルロース系繊維含有樹脂ペレットと、比較例の樹脂ペレットとを、180℃に設定した空圧式射出成形機で成形し、JIS K 7161に準じたダンベル形試験片と、JIS K 7171に準じた短冊状試験片とを得た。
そして、上記のダンベル形試験片を用い、JIS K 7161に準じた引張試験を行い、引張降伏強度と、引張弾性率と、引張破壊呼び歪みとを測定した。また、上記の短冊状試験片を用い、JIS K 7171に準じた曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019131792
表1から、実施例によって得られるセルロース系繊維含有樹脂ペレットは、いずれも、引張特性及び曲げ特性のいずれにも優れることが確認された。
2.試験例2:リグノセルロースナノ繊維(LCNF)のポリプロピレン樹脂への分散
<試料の調製>
〔実施例5〕リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:30質量%の樹脂ペレット
[LCNF一次マスターバッチの製造]
リグノセルロースナノ繊維(製品名:セルフィム粉体,平均太さ:50〜300nm,モリマシナリー株式会社製)100質量部と、HSクリスタ10質量部と、無水マレイン酸変性ポリプロピレン8質量部とで混合物を得た。この混合物100質量部に対し50質量部の水を加えて高速撹拌機で混合し、ディスク式押出造粒機を用いて、リグノセルロースナノ繊維をシャープメルト結晶性樹脂でコーティング結着させて押出し、「LCNF一次マスターバッチペレット」を得た。
[リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:30質量%の樹脂ペレットの製造]
上記LCNF一次マスターバッチペレットを熱風乾燥器で乾燥した後、LCNFマスターバッチペレット100質量部と、ポリプロピレン167質量部(製品名:BC3AD,日本ポリプロ株式会社製)とを、180℃に設定した30mm二軸押出機にて混練した。混錬を3回繰り返して、実施例5の樹脂ペレット(リグノセルロースナノ繊維含有率:30質量%)を得た。
〔実施例6〕リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:20質量%の樹脂ペレット
[リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:20質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例5で得られたリグノセルロースナノ繊維含有率:30質量%の樹脂ペレット100質量部と、実施例5で使用したポリプロピレン50質量部とを混ぜ、実施例5と同様の手法にて1回混練し、リグノセルロースナノ繊維含有率:20質量%の樹脂ペレットを得た。
〔実施例7〕リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:10質量%の樹脂ペレット
[リグノセルロースナノ繊維(LCNF)含有率:10質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例5で得られたリグノセルロースナノ繊維含有率:30質量%の樹脂ペレット100質量部と、実施例5で使用したポリプロピレン200質量部とを混ぜ、実施例5と同様の手法にて1回混練し、リグノセルロースナノ繊維含有率:10質量%の樹脂ペレットを得た。
〔比較例2〕ポリプロピレン樹脂ペレット
実施例5〜7で用いたポリプロピレン樹脂ペレットを比較例とした。
<評価>
〔分散性の評価〕
実施例5〜7のリグノセルロース系繊維含有樹脂ペレットを、180℃にて加熱プレス成形機でフィルムを成形した。その結果、いずれの樹脂ペレットも好適に成形でき、分散性に優れることを目視で確認した。
〔引張試験・曲げ試験〕
実施例5〜7によって得られたリグノセルロース系繊維含有樹脂ペレットと、比較例2の樹脂ペレットとを、180℃に設定した50T射出成形機で成形し、JIS K 7161に準じたダンベル形試験片を得た。
そして、上記のダンベル形試験片を用い、JIS K 7161に準じた引張試験を行
い、引張降伏強度と、引張弾性率を測定した。また、JIS K 7171に準じた曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2019131792
表2から、実施例によって得られるセルロース系繊維含有樹脂ペレットは、いずれも、引張特性及び曲げ特性のいずれにも優れることが確認された。
3.試験例3:セルロースナノ繊維(CNF)のポリオキシメチレン樹脂への分散
<試料の調製>
〔実施例8〕セルロースナノ繊維含有率:30質量%のPOM樹脂ペレット
[CNF一次マスターバッチ2の製造]
セルロースナノ繊維(製品名:セルフィム粉体,平均太さ:30〜200nm,モリマ
シナリー株式会社製)90質量部と、HSクリスタ10質量部と、無水マレイン酸変性ポリプロピレン8質量部を混合して約100℃に加温し混合物を得た。この混合物100質量部に対し15質量部の湯を加えて混合し、実施例1と同様に加圧式押出造粒機を用いて、セルロースナノ繊維をシャープメルト結晶性樹脂でコーティング結着させて押出し、「CNF一次マスターバッチペレット2」を得た。
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%のPOM樹脂ペレットの製造]
上記[CNF一次マスターバッチ2の製造]によって得られたCNF一次マスターバッチペレット2を真空乾燥器で乾燥した後、CNFマスターバッチペレット100質量部と、ポリオキシメチレン樹脂167質量部(製品名:M90−44,ポリプラスチック株式会社製)を、180℃に設定した小型ラボプラストミル二軸押出機(株式会社東洋精機製作所製)にて混練した。混錬を3回繰り返して、セルロースナノ繊維含有率:30質量%のPOM樹脂ペレットを得た。
セルロースナノ繊維(CNF)含有率:5質量%のPOM樹脂ペレット
〔実施例9〕
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:5質量%の樹脂ペレットの製造]
実施例8で得られた樹脂ペレット(セルロースナノ繊維含有率:30質量%)100質量部と、実施例8で使用した、ポリオキシメチレン樹脂500質量部とを混ぜ、実施例8と同様の手法にて1回混練し、セルロースナノ繊維含有率:5質量%のPOM樹脂ペレットを得た。
<評価>
〔分散性の評価〕
実施例8〜9のセルロース系繊維含有樹脂ペレットを、180℃にて加熱プレス成形機でフィルムを成形した。その結果、いずれの樹脂ペレットも好適に成形でき、分散性に優
れることを目視で確認した。
また、180℃に設定した空圧式射出成形機で成形し、JIS K 7161に準じたダンベル形試験片も成形可能なことを確認した。
4.試験例4:セルロースナノ繊維(CNF)のポリアミド11樹脂への分散
<試料の調製>
〔実施例10〕セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%のポリアミド11樹脂ペレット
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:30質量%のポリアミド11樹脂ペレットの製造]
実施例8の[CNF一次マスターバッチ2の製造]によって得られたCNF一次マスターバッチペレット2を真空乾燥器で乾燥した後、CNFマスターバッチペレット100質量部と、熱風乾燥したポリアミド11樹脂167質量部(製品名:リルサンBMNO,アルケマ社製)を、210℃に設定した小型ラボプラストミル二軸押出機にて混練し、セルロースナノ繊維含有率:30質量%のナイロン11樹脂ペレットを得た。
<評価>
〔分散性の評価〕
実施例10のセルロース系繊維含有樹脂ペレットを、210℃にて加熱プレス成形機でフィルムを成形した。その結果、好適に成形でき分散性に優れることを目視で確認した。
また、210℃に設定した空圧式射出成形機で成形し、JIS K 7161に準じたダンベル形試験片も成形可能なことを確認した。
5.試験例5:セルロースナノ繊維(CNF)のEPDMゴムへの分散
<試料の調製>
〔実施例11〕セルロースナノ繊維(CNF)含有率:7.5質量%のEPDMゴム混合物
[セルロースナノ繊維(CNF)含有率:7.5質量%のEPDMゴム混合物の製造]
実施例8の[CNF一次マスターバッチ2の製造]によって得られたCNF一次マスターバッチペレット2を真空乾燥器で乾燥した後、CNFマスターバッチペレット10質量部と、EPDM生ゴム130質量部とを、180℃に設定した小型ラボプラストミル二軸押出機にて4回混練し、セルロースナノ繊維含有率7.5質量%のEPDMゴム混合物を得た。
<評価>
〔分散性の評価〕
実施例11のセルロース系繊維含有EPDMゴムを、180℃にて加熱プレス成形機でフィルムを成形した。その結果、好適に成形でき分散性に優れることを目視で確認した。

Claims (5)

  1. (A)セルロース系繊維と、
    (B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物とを含み、
    前記(A)セルロース繊維の表面に、前記(B)コーティング組成物からなるコーティング結着層を有する、セルロース系繊維マスターバッチ。
  2. (A)セルロース系繊維と、
    (B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物と、
    (C)融点あるいは軟化点が80℃以上250℃以下のベース樹脂とを含み、
    前記(A)セルロース系繊維の表面に、前記(B)コーティング組成物からなるコーティング層を有し、
    前記コーティング層を有する前記(A)セルロース系繊維が、前記(C)ベース樹脂に分散されてなり、
    前記(A)セルロース系繊維と前記(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたときに、前記(A)セルロース系繊維60質量部〜2質量部と前記(C)ベース樹脂40質量部〜98質量部を含む、セルロース系繊維含有樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のセルロース系繊維含有樹脂組成物を単独で、あるいは他のベース樹脂と組み合わせて成形してなる成形体。
  4. (A)セルロース系繊維と、(B)融点が40℃以上155℃以下のシャープメルト結晶性樹脂材料、滑剤、分散剤、及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のコーティング組成物とを混合して、前記(A)セルロース系繊維を前記(B)コーティング組成物で被覆する工程を含む、セルロース系繊維マスターバッチの製造方法。
  5. 請求項1に記載のセルロース系繊維マスターバッチを、(C)融点あるいは軟化点が80℃以上250℃以下のベース樹脂と混練して樹脂ペレットを得る工程を含み、
    前記混練して得られる前記樹脂ペレットは、前記(A)セルロース系繊維と前記(C)ベース樹脂の合計を100質量部としたときに、前記(A)セルロース系繊維60質量部〜2質量部と前記(C)ベース樹脂40質量部〜98質量部を含む、セルロース系繊維含有樹脂組成物の製造方法。

JP2018236892A 2018-02-02 2018-12-19 セルロース系繊維マスターバッチ、セルロース系繊維含有樹脂組成物、及びこれらの製造方法、並びにセルロース系繊維含有樹脂組成物の成形体 Pending JP2019131792A (ja)

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