JP2019131365A - 糸巻取機 - Google Patents

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Abstract

【課題】各巻取ユニットに必要なトレイを供給することができるとともに、不必要なトレイの搬送を極力抑える。【解決手段】周期U毎に、トレイストッパーに供給経路に向けてトレイを送出するための送出動作を行わせる回数KNを、(AN-1−BN-1+CN-1)回に設定する(S202)。AN-1は[N−1]番目の周期UN-1において複数の巻取ユニットから排出されたトレイの数である。BN-1は周期UN-1において、供給経路又はリターン経路のトレイストッパーよりも下流側の部分に、ボビン処理装置から直接供給されたトレイの数である。CN-1は周期UN-1においてキャンセルされたトレイ送出動作の回数である。周期UNでの前記送出動作が完了するまでに、ボビン処理装置からトレイが供給された場合には(S208:YES)、残りの送出動作のうち最後の送出動作をキャンセルする(S209)。【選択図】図5

Description

本発明は、複数の巻取ユニットを備える糸巻取機に関する。
特許文献1に記載の自動ワインダでは、給糸ボビンが装着されたトレイが、ボビン交換ユニットからメインラインに供給され、メインラインから複数の巻取ユニットに供給される。また、巻取ユニットに供給されずに、メインラインの下流端まで搬送されたトレイは、バイパスラインを介してメインラインの上流端に戻される。
特開2009-46269号公報
ここで、特許文献1の場合、各巻取ユニットに十分にトレイが供給されている状態では、巻取ユニットに供給されなかったトレイが、メインラインとバイパスラインとを不必要に繰り返し移動することになる。また、特許文献1のような自動ワインダでは、通常、巻取ユニットにおいて給糸ボビンからの糸の口出しを可能とするために、ボビン交換ユニットにおいて、給糸ボビンの糸の糸端を、ボビンの芯管の上端の穴に挿入した状態で、トレイを供給する。上記のようにトレイが不必要に搬送されると、搬送時のトレイの振動などによって給糸ボビンの糸端が落下し、巻取ユニットに供給されたときに糸の口出しができなくなったり、落下した糸が、トレイの搬送経路を形成する部材に引っかかったりする虞がある。
本発明の目的は、各巻取ユニットに必要なトレイを供給することができるとともに、不必要なトレイの搬送を極力抑えることが可能な糸巻取機を提供することである。
本発明に係る糸巻取機は、給糸ボビンから糸を解舒し、解舒した糸を巻き取る複数の巻取ユニットと、前記給糸ボビンが装着されたトレイを供給し、糸が解舒された空ボビンが装着されたトレイを回収するボビン処理装置と、前記複数の巻取ユニットと前記ボビン処理装置との間で前記トレイを搬送するトレイ搬送装置と、制御装置と、を備え、前記トレイ搬送装置は、前記給糸ボビンが装着された前記トレイを前記複数の巻取ユニットに搬送するための供給経路と、前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイを、前記ボビン処理装置に搬送するための回収経路と、前記供給経路の下流側の端まで送られた前記トレイを前記供給経路の上流側の端に戻すためのリターン経路と、前記供給経路、前記回収経路及び前記リターン経路に沿って前記トレイを搬送するコンベヤ装置と、前記リターン経路に設けられ、前記リターン経路上の前記トレイを前記供給経路の上流側に向けて送出するトレイ送出装置と、を備え、前記ボビン処理装置は、前記供給経路及び前記リターン経路のいずれかに前記トレイを供給し、前記制御装置は、前記複数の巻取ユニットから前記回収経路に前記トレイが排出されるペースと、前記ボビン処理装置から、前記供給経路、又は、前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも下流側の部分に、前記トレイが直接供給されるペースとの差に応じた第1送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記トレイを送出させるための送出動作を行わせる。
本発明では、リターン経路にトレイ送出装置を設け、複数の巻取ユニットから回収経路にトレイが排出されるペースと、ボビン処理装置から、供給経路又はリターン経路のトレイ送出装置よりも下流側の部分にトレイが直接供給されるペースとの差に応じた第1送出ペースで、トレイ送出装置にトレイを送出させる。これにより、複数の巻取ユニットに必要な数のトレイ(給糸ボビン)を供給しつつも、過剰なトレイについては、リターン経路にとどめておき、トレイが不必要に供給経路とリターン経路とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る糸巻取機は、前記トレイ搬送装置は、前記供給経路の下流側の端部に設けられ、前記トレイを検出するトレイセンサ、をさらに備え、前記制御装置は、前記複数の巻取ユニットによる巻取の開始後、前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間は、前記第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、前記トレイセンサによって前記トレイが検出された後に、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる。
巻取ユニットによる巻取の開始直後は、各巻取ユニットにトレイが十分に供給されていないため、リターン経路上のトレイの数も少ない。そのため、送出動作を行っても、実際にはトレイが送出されないこともある。また、全ての巻取ユニットにトレイが十分に供給されると、巻取ユニットに供給されずに供給経路の下流側の端まで搬送されたトレイがトレイセンサによって検出される。
そこで、本発明では、巻取ユニットによる巻取の開始後、トレイセンサによってトレイが検出されるまでは、第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、トレイ送出装置に送出動作を行わせる。これにより、巻取ユニットによる巻取の開始後、各巻取ユニットにトレイが十分に供給されるまでの時間を極力短くすることができる。そして、トレイセンサによってトレイが検出された後は、第1送出ペースで、トレイ送出装置に送出動作を行わせる。これにより、複数の巻取ユニットに必要な数のトレイを供給しつつも、トレイが不必要に供給経路とリターン経路とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記トレイ搬送装置は、前記供給経路の下流側の端部に設けられ、前記トレイを検出するトレイセンサ、をさらに備え、前記制御装置は、前記ボビン処理装置が停止状態から復帰した後、前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間のうち少なくとも一部の期間に、前記第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、前記トレイセンサによって前記トレイが検出された後に、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる。
ボビン処理装置が停止状態となってから復帰するまでの間に、巻取ユニットにおいて糸の巻取が行われ、供給経路上のトレイが各巻取ユニットに供給される。そのため、ボビン処理装置が停止状態から復帰した直後は、リターン経路上のトレイの数が少ない状態となることがある。そして、この場合には、送出動作を行っても、実際にはトレイが送出されないことがある。また、ボビン処理装置の復帰後、全ての巻取ユニットにトレイが十分に供給されると、巻取ユニットに供給されずに供給経路の下流側の端まで搬送されたトレイがトレイセンサによって検出される。
そこで、本発明では、ボビン処理装置が停止状態から復帰した後、トレイセンサによってトレイが検出されるまでの期間のうち少なくとも一部の期間において、第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、トレイ送出装置に送出動作を行わせる。これにより、ボビン処理装置の復帰後に、各巻取ユニットにトレイが十分に供給されるまでの時間を極力短くすることができる。そして、トレイセンサによってトレイが検出された後は、第1送出ペースで、トレイ送出装置に送出動作を行わせる。これにより、複数の巻取ユニットに必要な数のトレイを供給しつつも、トレイが不必要に供給経路とリターン経路とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記制御装置は、前記ボビン処理装置が停止状態から復帰したときに、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、前記ボビン処理装置の停止状態からの復帰後の、前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイの数をカウントし、カウントされた前記トレイの数が閾値を超えた場合には、その時点から前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間に、前記第2送出ペースで前記トレイ送出装置に前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる。
ボビン処理装置が停止状態から復帰するまでの時間が短い場合には、ボビン処理装置が停止状態となってから復帰するまでの間に、複数の巻取ユニットにおいて給糸ボビンの糸が解舒されて回収経路に排出されるトレイの数(巻取ユニットに供給されるトレイの数)が少なく、ボビン処理装置の復帰の直後に、各巻取ユニットにおいてトレイが十分に供給されていない状態とはならない。
そこで、本発明では、ボビン処理装置が停止状態から復帰したときに、第1送出ペースでトレイ搬送装置に送出動作を行わせ、複数の巻取ユニットから排出されたトレイの数をカウントする。そして、カウントされたトレイの数が閾値を超えたときに、その時点からトレイセンサによってトレイが検出されるまでの期間に、第2送出ペースでトレイ送出装置に送出動作を行わせる。これにより、ボビン処理装置の復帰後に、各巻取ユニットにおいてトレイが十分に供給されていない場合において、各巻取ユニットにトレイが十分に供給されるまでの時間を極力短くすることができる。
一方、カウントされたトレイの数が閾値以下の場合には、第1送出ペースでのトレイ送出装置が継続される。これにより、必要以上にトレイ送出装置からトレイが送出されないようにすることができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記第2送出ペースは、前記トレイ送出装置において前記送出動作を行うことが可能な最大のペースである。
本発明では、トレイ送出装置が送出動作を行っても実際にはトレイが送出されない可能性が高い状況で、最大のペースでトレイ送出装置に送出動作を行わせることにより、各巻取ユニットにトレイが十分に供給されるまでの時間をより短くすることができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記ボビン処理装置は、前記リターン経路の、前記トレイ送出装置よりも上流側の部分に前記トレイを供給し、前記制御装置は、前記送出動作を所定回数の行わせる毎に、前記トレイ送出装置に、少なくとも1回前記送出動作を別に行わせる。
ボビン処理装置からリターン経路のトレイ送出装置よりも上流側の部分にトレイが供給される場合、供給経路にはトレイ送出装置から送出されたトレイのみが供給される。そのため、ボビン処理装置から供給経路又はリターン経路のトレイ送出装置よりも下流側の部分にトレイが供給される場合と比較して、トレイ同士の間隔が大きくなりやすい。この場合、第1送出ペースでトレイ送出装置に送出動作を行わせても、いずれかの巻取ユニットにおいてトレイの供給遅れが生じてしまう虞がある。
そこで、本発明では、供給経路にトレイ送出装置から送出されたトレイのみが供給される場合に、トレイ送出装置に、第1送出ペースで送出動作を行わせるのに加えて、送出動作を所定回数行わせる毎に、少なくとも1回さらに送出動作を行わせる。これにより、供給経路上のトレイの数が多くなり、巻取ユニットへのトレイの供給遅れを発生しにくくすることができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記制御装置は、所定の周期毎に、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる回数を設定し、Nを自然数として、[N−1]番目の前記周期において前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイ数をAN-1とし、[N−1]番目の前記周期において前記ボビン処理装置から前記供給経路又は前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも上流側の部分に直接供給された前記トレイの数をBN-1としたときに、N番目の前記周期において前記トレイ送出装置に前記送出回数を行わせる回数を、(AN-1−BN-1)回に設定する。
本発明によると、N番目の周期において送出動作を行わせる回数を、(AN-1−BN-1)に設定すれば、第1送出ペースで、トレイ送出装置からトレイを送出することができる。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記制御装置は、各周期において、前記ボビン処理装置から、前記供給経路又は前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも下流側の部分に前記トレイが直接供給されたときに、当該トレイの供給よりも後に前記送出動作が予定されている場合には、予定されている前記送出動作のうちいずれかの前記送出動作を行わせず、[N−1]番目の前記周期において、予定されていた前記送出動作のうち、CN-1回の前記送出動作を行わせなかった場合には、N番目の前記周期において、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる回数をCN-1回多くする。
本発明では、各周期において、ボビン処理装置から、供給経路又はリターン経路のトレイ送出装置よりも下流側の部分にトレイが直接供給されたときに、当該トレイの供給よりも後に送出動作が予定されている場合には、予定されている送出動作のうちいずれかの送出動作を行わせない。これにより、各周期において供給経路に供給されるトレイの数をより適切なものとすることができる。また、[N−1]番目の周期において、予定されていた送出動作のうちCN-1回の送出動作を行わせなかった場合には、N番目の周期において、トレイ送出装置に送出動作を行わせる回数をCN-1回多くする。これにより、ボビン処理装置からのトレイの供給に応じて送出動作を行わせないようにする場合でも、トレイの供給不足が生じることがない。
また、本発明に係る糸巻取装置は、前記制御装置は、複数の巻取ユニットに対して個別に設けられ、前記巻取ユニットを制御する複数の巻取制御部と、前記ボビン処理装置を制御するボビン処理制御部と、前記トレイ送出装置を制御する送出制御部と、を備え、前記複数の巻取制御部と前記送出制御部、及び、前記ボビン処理制御部と前記送出制御部とが、それぞれ互いに通信可能に構成されている。
上述したようなペースで送出装置からトレイを送出させるためには、送出制御部は、ボビン処理装置から供給されたトレイの数や、巻取ユニットから排出されたトレイの数の情報を把握する必要がある。本発明では、送出制御部が、複数の巻取制御部及びボビン処理制御部と通信可能となっていることにより、送出制御部が上述したような情報を把握して制御を行うことができる。
本発明によると、複数の巻取ユニットに必要な数のトレイを供給しつつも、過剰なトレイについては、リターン経路にとどめておき、トレイが不必要に供給経路とリターン経路とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
第1実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。 (a)はトレイの送出を止めている状態でのトレイストッパーの平面図であり、(b)はトレイを送出している状態のトレイストッパーの平面図である。 糸巻取機の電気的構成を示すブロック図である。 トレイストッパーにトレイを送出させる制御の流れを示すフローチャートである。 通常送出制御の処理の流れを示すフローチャートである。 通常送出制御の具体的な例を説明するための図である。 第2実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。 第2実施形態において、追加の送出動作を行わせるための処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。 第4実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。 第5実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。 第6実施形態に係る糸巻取機の概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。なお、以下では、図中に示した方向を適宜使用して説明を行う。
<糸巻取機の全体構成>
図1に示すように、糸巻取機1は、左右方向に配列された複数の巻取ユニット11と、右端部に配置されたボビン処理装置12と、左端部に配置されたコントロールボックス13と、複数の巻取ユニット11が配列されている領域(ボビン処理装置12とコントロールボックス13との間の領域)に設けられたトレイ搬送装置14と、を備える。
<巻取ユニット>
巻取ユニット11は、後述する供給経路31から供給されたトレイTに装着された給糸ボビンS(黒塗りの丸で図示)から糸を解舒し、解舒した糸を巻き取って不図示のパッケージを形成する。また、巻取ユニット11は、給糸ボビンSから糸が解舒された後の空ボビンE(白抜きの丸で図示)が装着されたトレイTを、後述の回収経路34に排出する。
<ボビン処理装置>
ボビン処理装置12は、給糸ボビンSが装着されたトレイTをトレイ搬送装置14に搬送するとともに、トレイ搬送装置14から戻される空ボビンEが装着されたトレイTを回収する。ボビン処理装置12は、給糸ボビンSに対する口出し処理や空ボビンEに対する残糸の除去処理等を行う。本実施形態では、不図示の精紡機からボビン処理装置12に給糸ボビンSが供給されるものとするが、精紡機で精紡された給糸ボビンSがオペレータによってボビン処理装置12に供給されてもよい。
<コントロールボックス>
コントロールボックス13は、操作パネル16を有する。操作パネル16は、コントロールボックス13の前面に設けられており、オペレータによって巻取条件等を入力できるようになっている。また、操作パネル16には、複数の巻取ユニット11の動作状況や異常等が表示される。
<トレイ搬送装置>
トレイ搬送装置14は、ボビン処理装置12と複数の巻取ユニット11との間でトレイTを搬送する。図1に示すように、トレイ搬送装置14は、供給経路31と、リターン経路32と、複数の個別経路33と、回収経路34とを有する。各経路におけるトレイTの搬送は、各経路に設けられた、ベルトコンベア等からなるコンベヤ装置39(図3参照)よって行われる。なお、図1における矢印は、トレイTの搬送方向を示す(他の図でも同様)。
供給経路31は、複数の巻取ユニット11の後側に位置し、複数の巻取ユニット11にわたって左右方向に延びている。供給経路31の右端部は、ボビン処理装置12と接続されている。これにより、ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが直接供給される。供給経路31に供給されたトレイTは、供給経路31を右側から左側に向かって搬送される。また、トレイ搬送装置14は、供給経路31の下流端(左端)まで搬送されてきた余剰のトレイTを検出するためのトレイセンサ29を有している。
リターン経路32は、供給経路31の後側において、左右方向に沿って延びている。リターン経路32の両端部は、供給経路31の両端部と接続されている。リターン経路32では、トレイTが左側から右側に搬送される。これにより、供給経路31の下流端(左端)まで搬送されてきた余剰のトレイTを、リターン経路32を介して供給経路31の上流端(右端)に戻すことができる。
リターン経路32の下流端部(左端部)には、トレイストッパー35(本発明の「トレイ送出装置」)が設けられている。トレイストッパー35は、図2(a)、(b)に示すように、アーム41と、2つのローラ42、43とを備えている。アーム41は、図示しないモータなどの接続されており、上下方向に延びた軸41aを中心に揺動可能となっている。また、アーム41は、2方向に分かれて延びた2つの部分41b、41cを有している。部分41bは、部分41cよりもリターン経路32の下流側(右側)に位置している。
ローラ42は、アーム41の部分41bの先端部に設けられている。ローラ42は、アーム41の部分41bに、上下方向に延びた軸42aを中心に回転自在に支持されている。ローラ43は、アーム41の部分41cの先端部に設けられている。ローラ43は、アーム41の部分41cに、上下方向に延びた軸43aを中心に回転自在に支持されている。
トレイストッパー35は、トレイTの送出を行わないときには、図2(a)のような姿勢になっている。この状態では、ローラ42が、リターン経路32上のトレイTと接触可能となっているとともに、ローラ43が、リターン経路32上のトレイTとは接触しないようになっている。これにより、リターン経路32を搬送されてきたトレイTは、ローラ42に接触することで、それ以上の搬送が停止される。そして、トレイストッパー35が図2(a)の状態で保持されている間は、リターン経路32を搬送されるトレイTは、トレイストッパー35によって搬送が停止されて、リターン経路32上に貯留される。
トレイTを送出するときには、トレイストッパー35に、アーム41を、軸41aを中心に上方から見て時計回り方向に揺動させて図2(b)の状態とした後に、アーム41を反対方向に揺動させて図2(a)の状態に戻す、送出動作を行わせる。図2(b)の状態にすると、ローラ42が、リターン経路32上のトレイTとは接触しないようになるとともに、ローラ43が、リターン経路32上のトレイTと接触可能となる。これにより、それまでローラ42によって搬送が停止されていたトレイTが、供給経路31に向けて送出される。また、次に送出されるトレイTは、ローラ43によって搬送が停止される。そして、アーム41を反対方向に揺動させて図2(a)の状態に戻すと、ローラ43よって搬送が停止されていたトレイTは、ローラ42によって搬送が停止される。
リターン経路32の下流側における供給経路31との接続部分には、ブリッジブレーカー36が設けられている。ブリッジブレーカー36は、リターン経路32と供給経路31との接続部分において、トレイストッパー35から送出されるトレイTと、ボビン処理装置12から供給経路31に供給されるトレイTとが引っ掛かって詰まる、いわゆるブリッジが発生するのを防止するためのものである。
複数の個別経路33は、供給経路31よりも前側に位置し、左右方向に並んでいる。各個別経路33は、途中で湾曲しながら前後方向に延びており、後端部が供給経路31に接続されるとともに、前端部が回収経路34に接続されている。個別経路33の供給経路31との接続部分は、前側に向かうほど左側に向かうように、前後方向に対して傾いている。また、個別経路33には、3つのトレイTが収容可能となっている。これにより、供給経路31を右側から左側に向かって搬送されるトレイTが個別経路33との接続部分まで搬送されてきたときに、個別経路33に収容されているトレイTの数が2つ以下である場合には、トレイTが供給経路31から個別経路33に搬送される。一方、個別経路33にすでに3つのトレイTが収容されている場合には、トレイTは、供給経路31をそのまま左側に搬送される。つまり、複数の個別経路33には、右側に位置するものから順にトレイTが供給される。
各個別経路33には、巻取ユニット11が設けられている。巻取ユニット11は、個別経路33の巻取位置(本実施形態では、個別経路33に収容される3つのトレイTのうち最も前側のトレイTの位置)にあるトレイTに装着されている給糸ボビンSから糸を解舒して巻き取りを行う。巻取ユニット11は、給糸ボビンSからの糸の解舒を終えると、糸が解舒された後の空ボビンEが装着されているトレイTを、図示しないトレイ排出部によって巻取位置から回収経路34に排出する。そうすると、巻取位置の後側にあったトレイTが前側へと移動し、巻取ユニット11は、新たな給糸ボビンSから糸を解舒して巻き取りを行うことができるようになる。
回収経路34は、複数の個別経路33よりも前側において左右方向に延びており、回収経路34の右端部は、ボビン処理装置12と接続されている。巻取ユニット11によって排出されたトレイTは、個別経路33から回収経路34に搬送される。回収経路34では、トレイTが左側から右側に搬送され、最終的にボビン処理装置12に戻される。
<糸巻取機の電気的構成>
次に、糸巻取機1の電気的構成について説明する。図3に示すように、糸巻取機1は、MCU(Multi Control Unit)51と、複数の巻取制御部52と、ボビン処理制御部53と、搬送制御部54と、送出制御部55と、通信整理基板56とを備えている。
MCU51は、コントロールボックス13に設けられている。MCU51は、操作パネル16から糸巻取機1の設定についての信号が入力されたときに、入力された信号に基づいて、巻取制御部52、ボビン処理制御部53、搬送制御部54、送出制御部55に設定のための信号を送信する。また、MCU51は、操作パネル16に、巻取ユニット11の動作状況や異常等を表示させるための信号を送信する。
複数の巻取制御部52は、複数の巻取ユニット11に個別に設けられたものであり、対応する巻取ユニット11の動作を制御する。ボビン処理制御部53は、ボビン処理装置12に設けられ、ボビン処理装置12の動作を制御する。搬送制御部54は、コンベヤ装置39に設けられており、コンベヤ装置39(コンベヤを駆動するためのモータ等)の動作を制御する。送出制御部55は、トレイストッパー35に設けられ、トレイストッパー35の動作を制御する。
また、MCU51と、複数の巻取制御部52と、ボビン処理制御部53と、搬送制御部54と、送出制御部55と、通信整理基板56と、トレイセンサ29とは互いに接続されており、これらの間で通信可能となっている。通信整理基板56は、この通信の整理を行うための基板である。なお、第1実施形態では、MCU51と、複数の巻取制御部52と、ボビン処理制御部53と、搬送制御部54と、送出制御部55と、通信整理基板56とを合わせたものが、本発明の「制御装置」に相当する。
<トレイストッパーによる送出の制御>
次に、トレイストッパー35によるトレイTの送出の制御について説明する。トレイストッパー35によりトレイTを送出するために、送出制御部55は、図4に示すフローに沿って処理を行う。図4の処理は、糸巻取機1の運転(複数の巻取ユニット11での巻取)が開始されたときに開始される。
図4の処理についてより詳細に説明すると、送出制御部55は、糸巻取機1の運転が開始されたときに、最大送出制御を開始する(S101)。最大送出制御は、トレイストッパー35に、最大のペース(本発明の「第2送出ペース」)で送出動作を行わせる(例えば、1秒間に1回、送出動作を行わせる)制御である。そして、送出制御部55は、トレイセンサ29によりトレイTが検出されていない間は(S102:NO)、最大送出制御を継続する。ボビン処理装置12が停止したか否かは、ボビン処理制御部53からの信号に基づいて判断する。
トレイセンサ29によりトレイTが検出されたときには(S102:YES)、送出制御部55は、最大送出制御から通常送出制御に切り換える(S103)。通常送出制御については後程詳細に説明する。送出制御部55は、ボビン処理装置12が異常などにより停止していない間は(S104:NO)、通常送出制御を継続する。
ボビン処理装置12が異常などにより停止状態となったときには(S104:YES)、送出制御部55は、ボビン処理装置12が停止状態から復帰するまで待機する(S105:NO)。なお、S105のボビン処理装置12が停止状態から復帰したか否かの判断は、ボビン処理制御部53からの信号に基づいて行う。
ここで、ボビン処理装置12が停止状態となっている間も、通常送出制御は継続している。ボビン処理装置12が停止状態となったときには、各巻取ユニット11は、所定本数のパッケージの巻取が完了するまで、巻取を継続する。そして、複数の巻取ユニット11における所定本数のパッケージの巻取が完了し、いずれの巻取ユニット11からも巻取が完了したことを示す信号が出力されなくなった後しばらくすると、後述するようにして通常送出制御で算出される周期Uあたりの送出動作の回数KNが0以下の値となり、送出動作が行われなくなる。
そして、ボビン処理装置12が停止状態から復帰したときに(S105:YES)、これ以降の複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数Cのカウントを開始する(S106)。S106のトレイTのカウントは、各巻取ユニット11から送信される、巻取が完了したことを示す信号に基づいて行う。
カウントされたトレイTの数Cが、閾値Caを超えた場合には(S107:YES)、送出制御部55は、通常送出制御から最大送出制御への切り換えを行う(S108)。そして、送出制御部55は、トレイセンサ29によってトレイTが検出されるまで(S109:NO)最大送出制御を継続する。トレイセンサ29によってトレイTが検出されたときには(S109:YES)、S103に戻る。
カウントされたトレイTの数Cが、所定の閾値Caを超えていない場合には(S107:NO)、トレイセンサ29によってトレイTが検出されていなければ(S110:NO)、S107に戻る。トレイセンサ29によってトレイTが検出されたときには(S110:YES)、S104に戻る。
<通常送出処理>
次に、通常送出処理について説明する。通常送出処理は、所定の周期U毎にトレイストッパー35に送出動作を行わせる回数を設定し、設定した回数に基づいてトレイストッパー35に送出動作を行わせる処理である。なお、通常送出処理でトレイストッパー35に送出動作を行わせるペースが、本発明の「第1送出ペース」に相当する。
通常送出処理は、具体的には、図5に示すフローに沿った処理である。より詳細に説明すると、通常送出処理では、送出制御部55は、まず、変数N(Nは自然数)を1にリセットする(S201)。
続いて、送出制御部55は、N番目の周期UNにおいて送出動作を行わせる回数KNを(AN-1−BN-1+CN-1)回に設定する(S202)。すなわち、回数KNを(AN-1−BN-1)回よりもCN-1回多くする。ここで、AN-1は、[N−1]番目の周期UN-1において複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数である。BN-1は、周期UN-1においてボビン処理装置12から供給経路31に供給されたトレイTの数である。CN-1は、周期UN-1において、送出動作をキャンセルした回数である。送出動作のキャンセルについては後程説明する。ただし、N=1の場合のAN-1、BN-1、CN-1であるA0、B0、C0はいずれも0とする。
回数KNが0よりも大きければ(S203:YES)、周期UNにおいて送出動作をKN回行わせるように、周期UNにおける送出動作のタイミングを決定する(S204)。このとき、周期UNにおいて、できるだけ均等な間隔で送出動作が行われるように、送出動作のタイミングを決定することが好ましい。そして、送出タイミングとなったときに(S205:YES)、送出制御部55が、トレイストッパー35に送出動作を行わせる(S206)。そして、S206の送出動作により1周期分の全ての送出動作が完了した場合には(S207:YES)、S211に進む。一方、1周期分の全ての送出動作が完了していない場合には(S207:NO)、S208に進む。また、送出タイミングでない場合にも(S205:NO)、S208に進む。
S208では、ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給されたか否かを判断する。ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給されていなければ(S208:NO)、S205に戻る。ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給された場合には、N番目の周期UNにおいてこの後行わせる予定となっている送出動作のうち、最後の送出動作をキャンセルして行わせないようにする(S209)。そして、S209の送出動作のキャンセルの後に、周期UNにおいて行わせる送出動作が残っている場合には(S210:NO)、S205に戻る。
一方、S208の送出動作のキャンセルにより1周期分の全ての送出動作が完了した場合には(S210:YES)、S211に進む。また、KNが0以下の場合にも(S203:NO)、S211に進む。S211では、変数Nを1増加させる([N+1]に更新する)。そして、送出制御部55は、S211の変数Nの更新後、S202に戻る。
ここで、上述したように通常送出制御を行った場合の、各周期Uにおけるトレイストッパー35からのトレイTの送出の具体例について説明する。図6は、1周期が10秒の場合の、複数の巻取ユニット11からのトレイTの排出、ボビン処理装置12からのトレイTの供給、及び、トレイストッパー35の送出動作のタイミングの例1〜3を示す図である。図6では「トレイ排出」が、複数の巻取ユニット11からのトレイTの排出を示している。また、「トレイ供給」がボビン処理装置12からのトレイTの供給を示している。また、「送出動作」がトレイストッパー35による送出動作を示している。
また、図6の各周期における1、2、・・、9、10は、それぞれ、各周期の開始時点から、0〜1秒、1〜2秒、2〜3秒、3〜4秒、4〜5秒、5〜6秒、6〜7秒、7〜8秒、8〜9秒、9〜10秒の期間を示している。なお、以下では、例えば、0〜1秒の期間を「1」の期間のようにして説明することがある。また、図6では、巻取ユニット11からトレイTが排出されるタイミング、ボビン処理装置12からトレイTが供給されるタイミング、及び、送出動作を行わせるタイミングをハッチングで示している。また、送出動作のタイミングを示すハッチングに×を付けているのは、送出動作をキャンセルすることを示している。
例1の場合、周期UN-1において、複数の巻取ユニット11から3つのトレイTが排出されている(AN-1=3)。また、周期UN-1において、ボビン処理装置12から1つのトレイTが供給されている(BN-1=1)。また、例1では、周期UN-1において、トレイストッパー35からトレイTの送出が行われていないことから、トレイストッパー35からトレイTの送出がキャンセルされることもない(CN-1=0)。
これにより、例1の場合、周期UNにおける、送出動作の回数KNが2(=3−1+0)回に設定される。また、周期UNにおいて、これら2回の送出動作がほぼ均等な間隔で行われるようにするため、「5」、「10」の期間が送出動作のタイミングに決定される。また、周期UNでは、ボビン処理装置12からトレイTが供給されていない(BN=0)。そのため、トレイストッパー35からトレイTの送出がキャンセルされることはない(CN=0)。また、周期UNには、複数の巻取ユニット11から2つのトレイTが排出されている(AN=2)。したがって、[N+1]番目の周期UN+1における送出動作の回数KN+1が2(=2−0+0)回に設定される。また、周期UN+1においても、「5」、「10」の期間が送出動作のタイミングに決定される。
例2においても、AN-1、BN-1、CN-1は例1と同様であり、周期UNにおける送出動作の回数KNが2回に設定され、「5」、「10」の期間が送出動作のタイミングに決定される。例2では、周期UNにおいて、「3」、「8」の期間にボビン処理装置12からトレイTが供給される(BN=2)。「3」の期間にボビン処理装置12からトレイTが供給された時点では、その後、「5」、「10」の期間に送出動作が予定されているため、これらのうち最後の送出動作である「10」の期間の送出動作をキャンセルする。そして、例2の場合には、「5」の期間に送出動作が行われたときに、周期UNにおける全ての送出動作が完了する(S207:YESとなる)。なお、この場合、「8」の期間にボビン処理装置12からトレイTが供給された時点で、周期UNにおける全ての送出動作が完了している(「10」の期間の搬送動作は既にキャンセルされている)ため、これによって送出動作はキャンセルされない。
このように、例2では、周期UNにおいて送出動作が1回キャンセルされる(CN=1)。また、周期UNには、複数の巻取ユニット11から2つのトレイTが排出されている(AN=2)。したがって、周期UN+1における送出動作の回数KN+1が1(=2−2+1)回に設定される。
例3においても、AN-1、BN-1、CN-1は例1、2と同様であり、周期UNにおける送出動作の回数KNが2回に設定され、「5」、「10」の期間が送出動作のタイミングに決定される。例3では、周期UNにおいて、「1」、「3」の期間にボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給される(BN=2)。「1」の期間にボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給された時点では、その後、「5」、「10」の期間に送出動作が予定されているため、これらのうち最後の送出動作である「10」の期間の送出動作をキャンセルする。また、「3」の期間にボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給された時点では、その後、「5」の期間に送出動作が予定されているため、「5」の期間の送出動作をキャンセルする。そして、例3の場合には、「3」の期間にボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給された時点で、周期UNにおける全ての送出動作が完了する(S210:YESとなる)。
このように、例3では、周期UNにおいて送出動作が2回キャンセルされる(CN=2)。また、周期UNには、複数の巻取ユニット11から2つのトレイTが排出されている(AN=2)。したがって、周期UN+1における送出動作の回数KN+1が2(=2−2+2)回に設定される。
<効果>
ここで、各巻取ユニット11に十分にトレイTが供給されているときなどに、トレイストッパー35に必要以上に送出動作を行わせて、トレイTを供給経路31に向けて送出すると、トレイTがいずれの巻取ユニット11にも供給されずに、供給経路31とリターン経路32とを不必要に繰り返し搬送されることになる。上述したように、トレイTによって搬送される給糸ボビンSは、巻取ユニット11での糸の口出しを可能とするために、糸端が給糸ボビンSの芯管の上端に挿入された状態で搬送される。そのため、給糸ボビンSが装着されたトレイTが上記のように不必要に搬送されると、搬送時のトレイTの振動などによって給糸ボビンSの糸端が芯管から落下し、巻取ユニット11において糸の口出しができなくなったり、落下した糸端が、供給経路31やリターン経路32を形成する部材に引っかかったりする虞がある。
そこで、第1実施形態では、複数の巻取ユニット11から回収経路34にトレイTが排出されるペースと、ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが直接供給されるペースとの差に応じた第1送出ペースで、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。具体的には、所定の周期U毎に送出動作の回数を設定するようにし、周期UN-1において、複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数がAN-1であり、ボビン処理装置12から供給経路31に直接供給されたトレイTの数がBN-1であり、キャンセルされた送出動作の回数がCN-1である場合に、周期UNにおいて前記送出回数を行わせる回数を、(AN-1−BN-1+CN-1)回に設定する。これにより、複数の巻取ユニット11に必要な数のトレイT(給糸ボビンS)を供給しつつも、過剰なトレイTについては、リターン経路32にとどめておき、トレイTが不必要に供給経路31とリターン経路32とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、周期UNにおいて、ボビン処理装置12から供給経路31にトレイTが供給されたときに、トレイTの供給よりも後に送出動作が予定されている場合には、予定されている送出動作のうち最後の送出動作をキャンセルする。これにより、送出動作をキャンセルしない場合と比較して、周期UNにおいて供給経路31に供給されるトレイTの数をより適切なものとすることができる。また、これに対応して、周期UN-1において、予定されていた送出動作のうちCN-1回の送出動作をキャンセルした場合には、周期UNにおいて送出動作を行わせる回数を、(AN-1−BN-1)回よりもCN-1回多い(AN-1−BN-1+CN-1)回に設定する。これにより、送出動作のキャンセルを行う場合でも、周期UNにおいて、トレイの供給不足が生じることがない。
また、糸巻取機1の運転(巻取ユニット11による巻取)の開始直後は、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されていないため、リターン経路32上のトレイTの数が少ない。そのため、送出動作を行っても、実際にはトレイTが送出されないこともある。また、全ての巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されると、巻取ユニット11に供給されずに供給経路31の下流側の端まで搬送されたトレイTがトレイセンサ29によって検出される。
そこで、糸巻取機1の運転の開始後、トレイセンサ29によってトレイTが検出されるまでは、上述したようにして設定される第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで(最大送出制御により)、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。これにより、糸巻取機1の運転の開始後、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されるまでの時間を極力短くすることができる。そして、トレイセンサ29によってトレイTが検出された後は、上記第1送出ペースで(通常送出制御に切り換えて)、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。これにより、複数の巻取ユニット11に必要な数のトレイTを供給しつつも、トレイTが不必要に供給経路31とリターン経路32とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、ボビン処理装置12が停止状態となってから復帰するまでの間には、巻取ユニット11において糸の巻取が行われ、供給経路31上のトレイTが各巻取ユニット11に供給される。そのため、ボビン処理装置12が停止状態から復帰した直後は、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されておらず、リターン経路32上のトレイTの数が少ないことがある。そのため、送出動作を行っても、実際にはトレイTが送出されないこともある。また、全ての巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されると、巻取ユニット11に供給されずに供給経路31の下流側の端まで搬送されたトレイTがトレイセンサ29によって検出される。
ただし、ボビン処理装置12が停止状態となってから復帰するまでの期間が短い場合には、この期間に供給経路31から巻取ユニット11に供給されるトレイTの数は少なく、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されていない状態とはならない。
そこで、ボビン処理装置12が停止状態から復帰したときに、第1送出ペースで(通常送出制御により)トレイストッパー35に送出動作を行わせ、それ以降の複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数Cをカウントする。そして、カウントされたトレイTの数Cが閾値Caを超えた場合に、その時点から、トレイセンサ29でトレイが検出されるまでの期間に、第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで(最大送出制御により)、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。これにより、ボビン処理装置12の復帰後に、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されるまでの時間を極力短くすることができる。そして、トレイセンサ29によってトレイTが検出された後は、第1送出ペースで(通常送出制御に切り換えて)、トレイストッパー35に送出装置に送出動作を行わせる。これにより、複数の巻取ユニット11に必要な数のトレイTを供給しつつも、トレイTが不必要に供給経路31とリターン経路32とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
一方、ボビン処理装置12が停止状態から復帰した後、トレイセンサ29でトレイが検出されるまでの期間に、カウントされたトレイTの数Cが閾値Caを超えなければ、トレイストッパー35に、第1送出ペースでの(通常送出制御による)送出動作を継続させる。これにより、複数の巻取ユニット11に必要な数のトレイTを供給しつつも、トレイTが不必要に供給経路31とリターン経路32とを繰り返し搬送されてしまうのを防止することができる。
また、上述の第2送出ペースが、トレイストッパー35における最大のペースであるため、糸巻取機1の運転の開始後や、ボビン処理装置12の復帰後に、各巻取ユニット11にトレイTが十分に供給されるまでの時間をより短くすることができる。
また、上述したような通常送出制御を行うためには、送出制御部55は、複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数、ボビン処理装置12から供給されたトレイTの数を把握する必要がある。第1実施形態では、送出制御部55が、各巻取ユニットの巻取制御部52、及び、ボビン処理制御部53と通信可能となっていることにより、これらの情報を把握して処理を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。図7に示すように、第2実施形態に係る糸巻取機101は、第1実施形態の糸巻取機1とは逆に、ボビン処理装置102が、トレイ搬送装置104の左側に配置され、コントロールボックス103が、トレイ搬送装置104の右側に配置されている。また、これに対応して、トレイ搬送装置104において、リターン経路32の左端部が、ボビン処理装置102と接続されている。そして、第2実施形態では、ボビン処理装置102からリターン経路32の上流端(トレイストッパー35よりも上流側の部分)にトレイTが供給される。
第2実施形態でも、送出制御部55は、図4のフローに沿った制御により、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。ただし、第2実施形態では、通常送出制御での処理が、第1実施形態と異なる。第2実施形態の通常送出制御は、図8のフローに沿った処理である。より詳細に説明すると、第2実施形態では、送出制御部55は、通常送出制御において、まず、変数Mを0にリセットし(S301)、いずれかの巻取ユニット11からトレイTが排出されるまで待機する(S302:NO)。そして、いずれかの巻取ユニット11からトレイTが排出されたときに(S302:YES)、トレイストッパー35に送出動作を行わせ(S304)、変数Mを1増加させる([M+1]に更新する)(S304)。なお、S302の判定は、巻取ユニット11からの信号に基づいて行う。そして、変数Mの値が閾値Maよりも小さい場合には(S305:NO)、S302に戻り、変数Mの値が閾値Ma以上の場合には(S305:YES)、トレイストッパー35に送出動作を1回行わせ(S306)、S301に戻る。これにより、第2実施形態では、送出動作がMa回行われる毎に、1回の送出動作がさらに行われる。
第1実施形態では、ボビン処理装置12から供給されたトレイTと、トレイストッパー35により送出されたトレイTとが、供給経路31に直接供給される。これに対して、第2実施形態では、ボビン処理装置12からはリターン経路32のトレイストッパー35よりも上流側の部分にトレイTが供給されるようになっており、トレイストッパー35により送出されたトレイTのみが供給経路31に供給される。そのため、この場合には、いずれかの巻取ユニット11からトレイTが排出されたときに、トレイストッパー35に送出動作を行わせるだけでは、トレイTの間隔が大きくなって、いずれかの巻取ユニット11においてトレイTの供給が遅れてしまう虞がある。
そこで、第2実施形態では、送出動作がMa回行われる毎に、1回の送出動作をさらに行わせる。これにより、巻取ユニット11へのトレイTの供給の遅れを防止することができる。
なお、第2実施形態では、S305において送出動作を1回だけ行わせたが、S305において送出動作を2回以上行わせてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の好適な第3実施形態について説明する。図9に示すように、第3実施形態に係る糸巻取機201では、ボビン処理装置202がトレイ搬送装置204の右側に配置され、コントロールボックス203がトレイ搬送装置204の左側に配置されている。また、糸巻取機201では、ボビン処理装置202が、2つのトレイ供給部202a、202bからトレイを供給することができるようになっている。トレイ供給部202aから供給されるトレイTと、トレイ供給部202bから供給されるトレイTとは、ボビン処理装置202において別々の機構によって給糸ボビンSに対する処理が行われたものである。また、ボビン処理装置202は、トレイ供給部202aと202bとから、糸の種類が同じ給糸ボビンSが装着されたトレイTを供給する。
そして、トレイ供給部202aが、供給経路31の右端部に接続されている。これにより、トレイ供給部202aから供給されたトレイTが、供給経路31の上流端に直接供給される。また、第3実施形態では、トレイ搬送装置204が、トレイ供給部202bと、リターン経路32のトレイストッパー35とブリッジブレーカー36との間の部分とを接続する接続経路215を有している。これにより、トレイ供給部202bから供給されたトレイTが、接続経路215を介して、リターン経路32のトレイストッパー35よりも下流側の部分に供給される。
第3実施形態でも、第1実施形態と同様に、図4、図5のフローに沿った制御により、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。ただし、第3実施形態の場合には、図5の制御において、周期UNにおける、ボビン処理装置202の2つのトレイ供給部202a、202bから供給されるトレイTの数の合計をBNとする。
[第4実施形態]
次に、本発明の好適な第4実施形態について説明する。図10に示すように、第4実施形態に係る糸巻取機301では、ボビン処理装置302が、トレイ搬送装置304の左側に配置され、コントロールボックス303が、トレイ搬送装置304の右側に配置されている。また、ボビン処理装置302が、2つのトレイ供給部302a、302bからトレイTを供給可能となっている。トレイ供給部302aから供給されるトレイTと、トレイ供給部302bから供給されるトレイTとは、ボビン処理装置302において別々の機構によって給糸ボビンSに対する処理が行われたものである。また、ボビン処理装置302は、トレイ供給部302aと302bとから、糸の種類が同じ給糸ボビンSが装着されたトレイTを供給する。
また、トレイ供給部302aは、リターン経路32の上流端(左端)に接続されている。また、トレイ搬送装置304には、トレイ供給部302bと、リターン経路32のトレイストッパー35よりも下流側の部分とを接続する接続経路315を有している。また、第4実施形態では、ブリッジブレーカー36は、供給経路31の下流側の端部に設けられている。
第4実施形態でも、第2実施形態と同様に、図4、図8のフローに沿った制御により、トレイストッパー35に送出動作を行わせる。
[第5実施形態]
次に、本発明の好適な第5実施形態について説明する。図11に示すように、第5実施形態に係る糸巻取機401では、ボビン処理装置402がトレイ搬送装置404の右側に配置され、コントロールボックス403がトレイ搬送装置404の左側に配置されている。また、ボビン処理装置402は、2つのトレイ供給部402a、402bからトレイTを供給する。トレイ供給部402aから供給されるトレイTと、トレイ供給部402bから供給されるトレイTとは、ボビン処理装置402において別々の機構によって給糸ボビンSに対する処理が行われたものである。また、第5実施形態では、トレイ供給部402aと402bとで、トレイTに装着された給糸ボビンSに巻き取られている糸の種類が異なる。
また、トレイ搬送装置404は、2つの供給経路411a、411bと、2つのリターン経路412a、412bと、2つの回収経路414a、414bとを備えている。
供給経路411aは、複数の巻取ユニット11のうち、右側の複数の巻取ユニット11にわたって、左右方向に沿って延びており、これらの巻取ユニット11に対応する複数の個別経路33に接続されている。また、供給経路411aの上流端は、ボビン処理装置402のトレイ供給部402aと接続されている。
供給経路411bは、供給経路411aの左側に配置されている。供給経路411bは、複数の巻取ユニット11のうち、供給経路411aに対応する巻取ユニット11よりも左側の複数の巻取ユニット11にわたって左右方向に沿って延びており、これらの巻取ユニット11に対応する個別経路33に接続されている。
供給経路411a、411bでは、トレイTは、右側から左側に搬送される。また、トレイ搬送装置404は、供給経路411a、411bの下流端まで搬送されてきたトレイTを検出するトレイセンサ421a、421bを有する。
リターン経路412aは、供給経路411aの後側において、左右方向に沿って延びている。リターン経路412aの両端部は、供給経路411aの両端部と接続されている。リターン経路412aでは、トレイTは、左側から右側に搬送される。また、リターン経路412aの下流側の端部には、トレイストッパー422aが設けられている。トレイストッパー422aは、トレイストッパー35(図1参照)と同様のものである。また、リターン経路412aのトレイストッパー422aよりもさらに下流側の部分には、ブリッジブレーカー423が設けられている。ブリッジブレーカー423は、ブリッジブレーカー36(図1参照)と同様のものである。
リターン経路412bは、供給経路411bの後側且つリターン経路412aの左側に位置し、左右方向に沿って延びている。リターン経路412bの両端部は、供給経路411bの両端部と接続されている。リターン経路412bでは、トレイTは、左側から右側に搬送される。また、リターン経路412bの中央部には、トレイストッパー422bが設けられている。トレイストッパー422bは、トレイストッパー35(図1参照)と同様のものである。また、トレイ搬送装置404は、ボビン処理装置402のトレイ供給部402bと、リターン経路412bのトレイストッパー422bよりも下流側の部分とを接続する接続流路415を備えている。
回収経路414aは、供給経路411aに接続された複数の個別経路33の前側に位置し、左右方向に沿って延び、これらの個別経路33と接続されている。回収経路414aの右端は、ボビン処理装置402と接続されている。回収経路414aでは、左側から右側にトレイTが搬送される。
回収経路414bは、供給経路411bに接続された複数の個別経路33の前側に位置し、左右方向に沿って延び、これらの個別経路33と接続されている。回収経路414aでは、左側から右側にトレイTが搬送される。回収経路414bは、複数の個別経路33との接続部分を含む上流側の略半分において、前後方向の位置が回収経路414aとほぼ同じとなっている。一方、回収経路414bの下流側の略半分は、回収経路414aよりも前側に位置し、回収経路414aと前後方向に並んでいる。そして、回収経路414bの下流端がボビン処理装置402に接続されている。
第5実施形態では、第1実施形態と同様に、図4、図5のフローに沿った制御により、トレイストッパー422a、422bに送出動作を行わせる。
ただし、第5実施形態では、図5の制御において、周期UNにおいて回収経路414aに排出されたトレイTの数をANとする。また、周期UNにおいてトレイ供給部402aから供給されたトレイTの数をBNとする。また、周期UNにおいてトレイストッパー422aに行わせる送出動作のうちキャンセルした送出動作の回数をCNとする。
また、トレイストッパー422bに送出動作を行わせるための制御においては、周期UNにおいて回収経路414bに排出されたトレイTの数をANとする。また、周期UNにおいてトレイ供給部402bから供給されたトレイTの数をBNとする。また、周期UNにおいてトレイストッパー422bに行わせる送出動作のうちキャンセルした送出動作の回数をCNとする。
[第6実施形態]
次に、本発明の好適な第6実施形態について説明する。図12に示すように、第6実施形態に係る糸巻取機501では、ボビン処理装置502が、トレイ搬送装置504の左側に配置され、コントロールボックス503が、トレイ搬送装置504の右側に配置されている。また、ボビン処理装置502は、2つのトレイ供給部502a、502bからトレイTを供給する。トレイ供給部502aから供給されるトレイTと、トレイ供給部502bから供給されるトレイTとは、ボビン処理装置502において別々の機構によって給糸ボビンSに対する処理が行われたものである。また、第6実施形態では、トレイ供給部502aと502bとで、トレイTに装着された給糸ボビンSに巻き取られている糸の種類が異なる。
また、トレイ搬送装置504は、2つの供給経路511a、511bと、2つのリターン経路512a、512bと、2つの回収経路514a、514bとを備えている。
供給経路511aは、複数の巻取ユニット11のうち、右側の複数の巻取ユニット11にわたって、左右方向に沿って延びており、これらの巻取ユニット11に対応する個別経路33に接続されている。供給経路511bは、供給経路511aの左側に配置されている。供給経路511bは、複数の巻取ユニット11のうち、供給経路511aに対応する巻取ユニット11よりも左側の複数の巻取ユニット11にわたって左右方向に沿って延びており、これらの巻取ユニット11に対応する個別経路33に接続されている。また、供給経路511a、511bでは、トレイTは、右側から左側に搬送される。
リターン経路512aは、供給経路511aの後側において、左右方向に沿って延びている。リターン経路512aの両端部は、供給経路511aの両端部と接続されている。リターン経路512aでは、トレイTは、左側から右側に搬送される。また、リターン経路512aの中央部には、トレイストッパー522aが設けられている。トレイストッパー522aは、トレイストッパー35(図1参照)と同様のものである。また、リターン経路512aのトレイストッパー422aよりも下流側の部分には、ブリッジブレーカー523が設けられている。ブリッジブレーカー523は、ブリッジブレーカー36(図1参照)と同様のものである。また、トレイ搬送装置504は、リターン経路512aのトレイストッパー522aとブリッジブレーカー523との間の部分と、トレイ供給部502aとを接続する接続経路515を備えている。
リターン経路512bは、供給経路511bの後側且つリターン経路512aの左側に位置し、左右方向に沿って延びている。リターン経路512bの両端部は、供給経路511bの両端部と接続されている。リターン経路512bでは、トレイTは、左側から右側に搬送される。また、リターン経路512bの上流端は、トレイ供給部502bと接続されている。
回収経路514aの上流側(右側)の略半分は、供給経路511aに接続された複数の個別経路33の前側に位置し、左右方向に沿って延び、これらの個別経路33と接続されている。回収経路514aでは、右側から左側にトレイTが搬送される。また、回収経路514aの下流側(左側)の略半分は、上流側の略半分よりも前側に位置している。そして、回収経路514aの下流端がボビン処理装置502に接続されている。
回収経路514bは、供給経路511bに接続された複数の個別経路33の前側に位置し、左右方向に沿って延び、これらの個別経路33と接続されている。回収経路514aでは、左側から右側にトレイTが搬送される。回収経路514bの下流端は、ボビン処理装置502と接続されている。
第6実施形態では、第1実施形態と同様に、図4、図5のフローに沿った制御により、トレイストッパー522aに送出動作を行わせる。また、第2実施形態と同様に、図4、図8のフローに沿った制御により、トレイストッパー522bに送出動作を行わせる。
ただし、第6実施形態では、図5の制御においては、周期UNにおいて回収経路514aに排出されたトレイTの数をANとする。また、周期UNにおいてトレイ供給部502bから供給されたトレイTの数をBNとする。また、周期UNにおいてトレイストッパー522aに行わせる送出動作のうちキャンセルした送出動作の回数をCNとする。
以上、本発明の好適な第1〜第6実施形態について説明したが、本発明は第1〜第6実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
第1実施形態では、ある周期Uにおいて、ボビン処理装置からトレイTが供給されたときに、そのトレイTの供給よりも後に送出動作が予定されている場合に、予定されている送出動作のうち、最後の送出動作をキャンセルしたが、これには限られない。予定されている送出動作のうち、最後の送出動作以外の送出動作をキャンセルしてもよい。第3、第5実施形態、及び、第6実施形態のトレイストッパー522aの送出動作についても同様である。
さらには、ある周期Uにおいて、ボビン処理装置からトレイTが供給されたときに、そのトレイTの供給よりも後に送出動作が予定されている場合でも、送出動作のキャンセルは行わなくてもよい。なお、この場合には、周期UNにおいてトレイストッパーに送出動作を行わせる回数KNを(AN-1−BN-1)回に設定すればよい。
また、第1実施形態では、周期U毎に、トレイストッパー35に送出動作を行わせる回数を設定したが、これには限られない。周期U毎に送出動作の回数を設定して送出動作を行わせる以外の処理によって、複数の巻取ユニット11から排出されるトレイTの数と、ボビン処理装置12から、供給経路、又は、リターン経路32のトレイストッパーよりも上流側の部分に直接供給されたトレイTの数との差に応じたペースで、トレイストッパー35に送出動作を行わせてもよい。第3、第5実施形態、及び、第6実施形態のトレイストッパー522aの送出動作についても同様である。
また、第2実施形態では、いずれかの巻取ユニット11からトレイTが排出されたときに、トレイストッパー35に送出動作を行わせたがこれには限られない。トレイTが排出されたときに、トレイストッパーに送出動作を行わせる以外の処理によって、複数の巻取ユニット11から排出されるトレイTの数と、ボビン処理装置から、供給経路、又は、リターン経路のトレイストッパーよりも上流側の部分に直接供給されたトレイTの数との差に応じたペースで、トレイストッパーに送出動作を行わせてもよい。第4実施形態、及び、第6実施形態のトレイストッパー522bの送出動作についても同様である。
また、第1〜第6実施形態では、糸巻取機1の運転の開始後、供給経路の下流側の端部に設けられたトレイセンサによりトレイTが検出されるまでの期間、最大送出処理により、トレイストッパーに最大のペースで送出動作を行わせたが、これには限られない。例えば、最大送出処理の代わりに、トレイストッパーに、最大のペースよりは遅いが、通常送出処理でのペースよりは速いペース(本発明の「第2送出ペース」)で送出動作を行わせるような制御を行ってよい。あるいは、糸巻取機1の運転の開始後、供給経路の下流側の端部に設けられたトレイセンサによりトレイTが検出されるまでの期間においても、通常送出処理によって、トレイストッパーに送出動作を行わせてもよい。すなわち、図4のフローにS101、S102の処理がなく、糸巻取機1の運転が開始されたときに、S103の処理に進むようにしてもよい。
また、第1実施形態では、ボビン処理装置12が停止状態から復帰したときに、通常送出制御により、トレイストッパーに送出動作を行わせ、それ以降に複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数Cをカウントする。そして、カウントされたトレイTの数Cが閾値Caを超えた場合に、その時点から、トレイセンサ29によりトレイTが検出されるまでの期間に、最大送出制御により、トレイストッパーに送出動作を行わせる。しかしながら、これには限られない。
例えば、ボビン処理装置が停止状態から復帰した後の複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数によらず、ボビン処理装置12が、停止状態から復帰してからトレイセンサ29によりトレイTが検出されるまでの期間、最大送出制御によりトレイストッパー35に送出動作を行わせてもよい。
また、最大送出処理の代わりに、トレイストッパーに、最大のペースよりは遅いが、通常送出処理でのペースよりは速いペース(本発明の「第2送出ペース」)で送出動作を行わせるような制御を行ってよい。あるいは、ボビン処理装置が停止状態から復帰した後の複数の巻取ユニット11から排出されたトレイTの数によらず、ボビン準備装置が停止状態から復帰した後、トレイセンサによりトレイTが検出されるまでの期間に、通常送出処理によって、トレイストッパーに送出動作を行わせてもよい。
また、第2、第4実施形態、及び、第6実施形態のトレイストッパー522bでは、送出動作がMa回行われる毎に、送出動作をさらに行わせたが、これには限られない。単にいずれかの巻取ユニットからトレイTが排出されたときに、トレイストッパーに送出動作を行わせるだけであってもよい。
また、第1〜第6実施形態では、MCU51と、複数の巻取制御部52と、ボビン処理制御部53と、搬送制御部54と、送出制御部55と、通信整理基板56と、トレイセンサ29とは互いに接続されており、これらの間で通信可能となっていたが、これには限られない。これらのうち、少なくとも送出制御部55と、複数の巻取制御部52、ボビン処理制御部53及びトレイセンサ29とが通信可能となっていればよい。あるいは、例えば、MCU51が、複数の巻取制御部52、ボビン処理制御部53、搬送制御部54、送出制御部55及びトレイセンサ29と通信可能に構成され、MCU51が、複数の巻取制御部52、ボビン処理制御部53、トレイセンサ29からの信号を受信し、受信した信号に基づいて送出制御部55に信号を送ることによって、送出制御部55が上述したような制御を行うようになっていてもよい。
1、101、201、301、401、501 糸巻取機
11 巻取ユニット
12、102、202、302、402、502 ボビン処理装置
14、104、204、304、404、504 トレイ搬送装置
29、 トレイセンサ
31、411a、411b、511a、511b 供給経路
32、412a、412b、512a、512b リターン経路
34、414a、414b、514a、514b 回収経路
35、422a、422b、522a、522b トレイストッパー
39 コンベヤ装置
51 MCU
52 巻取制御部
53 ボビン処理制御部
54 搬送制御部
55 送出制御部
S 給糸ボビン
T トレイ

Claims (9)

  1. 給糸ボビンから糸を解舒し、解舒した糸を巻き取る複数の巻取ユニットと、
    前記給糸ボビンが装着されたトレイを供給し、糸が解舒された空ボビンが装着されたトレイを回収するボビン処理装置と、
    前記複数の巻取ユニットと前記ボビン処理装置との間で前記トレイを搬送するトレイ搬送装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記トレイ搬送装置は、
    前記給糸ボビンが装着された前記トレイを前記複数の巻取ユニットに搬送するための供給経路と、
    前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイを、前記ボビン処理装置に搬送するための回収経路と、
    前記供給経路の下流側の端まで送られた前記トレイを前記供給経路の上流側の端に戻すためのリターン経路と、
    前記供給経路、前記回収経路及び前記リターン経路に沿って前記トレイを搬送するコンベヤ装置と、
    前記リターン経路に設けられ、前記リターン経路上の前記トレイを前記供給経路の上流側の端に向けて送出するトレイ送出装置と、を備え、
    前記ボビン処理装置は、前記供給経路及び前記リターン経路のいずれかに前記トレイを供給し、
    前記制御装置は、
    前記複数の巻取ユニットから前記回収経路に前記トレイが排出されるペースと、前記ボビン処理装置から、前記供給経路、又は、前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも下流側の部分に、前記トレイが直接供給されるペースとの差に応じた第1送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記トレイを送出させるための送出動作を行わせることを特徴とする糸巻取機。
  2. 前記トレイ搬送装置は、前記供給経路の下流側の端部に設けられ、前記トレイを検出するトレイセンサ、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記複数の巻取ユニットによる巻取の開始後、
    前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間は、前記第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、
    前記トレイセンサによって前記トレイが検出された後に、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の糸巻取機。
  3. 前記トレイ搬送装置は、前記供給経路の下流側の端部に設けられ、前記トレイを検出するトレイセンサ、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記ボビン処理装置が停止状態から復帰した後、
    前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間のうち少なくとも一部の期間に、前記第1送出ペースよりも速い第2送出ペースで、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、
    前記トレイセンサによって前記トレイが検出された後に、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の糸巻取機。
  4. 前記制御装置は、
    前記ボビン処理装置が停止状態から復帰したときに、前記第1送出ペースで前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせ、
    前記ボビン処理装置の停止状態からの復帰後の、前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイの数をカウントし、
    カウントされた前記トレイの数が閾値を超えた場合には、
    その時点から前記トレイセンサによって前記トレイが検出されるまでの期間に、前記第2送出ペースで前記トレイ送出装置に前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせることを特徴とする請求項3に記載の糸巻取機。
  5. 前記第2送出ペースは、前記トレイ送出装置において前記送出動作を行うことが可能な最大のペースであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の糸巻取機。
  6. 前記ボビン処理装置は、前記リターン経路の、前記トレイ送出装置よりも上流側の部分に前記トレイを供給し、
    前記制御装置は、
    前記送出動作を所定回数の行わせる毎に、前記トレイ送出装置に、少なくとも1回前記送出動作を別に行わせることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の糸巻取機。
  7. 前記制御装置は、
    所定の周期毎に、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる回数を設定し、
    Nを自然数として、
    [N−1]番目の前記周期において前記複数の巻取ユニットから排出された前記トレイ数をAN-1とし、[N−1]番目の前記周期において前記ボビン処理装置から前記供給経路又は前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも上流側の部分に直接供給された前記トレイの数をBN-1としたときに、
    N番目の前記周期において前記トレイ送出装置に前記送出回数を行わせる回数を、(AN-1−BN-1)回に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の糸巻取機。
  8. 前記制御装置は、
    各周期において、前記ボビン処理装置から、前記供給経路又は前記リターン経路の前記トレイ送出装置よりも下流側の部分に前記トレイが直接供給されたときに、当該トレイの供給よりも後に前記送出動作が予定されている場合には、予定されている前記送出動作のうちいずれかの前記送出動作を行わせず、
    [N−1]番目の前記周期において、予定されていた前記送出動作のうち、CN-1回の前記送出動作を行わせなかった場合には、N番目の前記周期において、前記トレイ送出装置に前記送出動作を行わせる回数をCN-1回多くすることを特徴とする請求項7に記載の糸巻取機。
  9. 前記制御装置は、
    複数の巻取ユニットに対して個別に設けられ、前記巻取ユニットを制御する複数の巻取制御部と、
    前記ボビン処理装置を制御するボビン処理制御部と、
    前記トレイ送出装置を制御する送出制御部と、を備え、
    前記複数の巻取制御部と前記送出制御部、及び、前記ボビン処理制御部と前記送出制御部とが、それぞれ互いに通信可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の糸巻取機。
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